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中国の南シナ海進出を如何に防ぐか [安全保障全般]

「Time, however, is not an ally. 」
しかし、時間の経過は我々に味方しない

chinaecono.jpg本ブログでは、米国の国防政策に大きな影響を与えているシンクタンクCSBAのレポートや主張をたびたびご紹介しています。「Air-Sea Battle」や「長距離攻撃力(LRS)」に関するレポートはその典型です。

ご紹介していないモノの中でも、「JFCOMの完全廃止はちょっと問題ある」とのCSBAの主張があった後、1月6日の国防省予算削減・再投資案では「JFCOMは廃止。しかし必要な業務は他機関に振り分け」との扱いになっていた等、未だにCSBAの神通力は止まるところを知りません

Jim Thomas CSBA.jpgそこで本日は、1月27日にCSBAのトーマス副理事長(Jim Thomas)が議会への諮問機関である米中経済安保評議会(U.S.-CHINA ECONOMIC AND SECURITY REVIEW COMMISSION)で行った、「中国の台頭に苦慮する南東アジア諸国(南シナ海沿岸国の指す)とのあるべき関係」についての証言概要をご紹介します。
ついでに・・CSBAのwebサイトが新しくなりました

CHINA’S ACTIVE DEFENSE STRATEGY AND ITS REGIONAL IMPLICATIONS」とのタイトルが付いた証言の概要は・・・

南シナ海の重要性
●世界の海上交通の1/3が南シナ海を通過
●南シナ海漁業の収入は沿岸住民の重要な収入源
●海域の海底資源量は未知数の部分が多いが恐らく莫大

最近の中国の横暴な振る舞い
●ベトナム領海をも含む一方的な漁業禁止エリアの設定(10年4月)
●自国の海洋法規強制のための艦船増強声明
●中国によるベトナム船籍漁船への嫌がらせ、拿捕、船員拘束
●「Far Sea Defense」中国海軍ドクトリンの作成
●南シナ海を「核心的利益」と言及
●南シナ海海底に中国国旗を設置(10年8月)
●南シナ海を対象とした複数の軍事演習(島嶼への着上陸を含む統合作戦計画立案の報道も)

南シナ海沿岸国の対応
ChinaFlag.jpg中国に言いがかりを付けられないように注意しながらも、軍の近代化に着手している。
●同時に、米国の明確な応援がない状態では、中国に反感を持たれないようしつつ、周辺国で一体となってアピールしようと試みている。(ASEAN Regional Forumでの議題設定等)
明確に中国を非難しない一方で米国とのパートナー関係の価値を強調している。
本音:各国の大統領とオバマ大統領との記念写真に「俺たちの駐車スペースに入り込んできたら、米国という強い友人が来て車を追い出すぞ」との注釈を入れて(中国大使館の前に)飾っておきたい。

●中国のA2AD能力伸張により、東シナ海から南シナ海にまで接近拒否エリアが拡大しつつある。この状況下、仮に米国の戦力投射能力に疑念が生じたならば沿岸国は自力での防衛に走るか、近隣の強大な軍事力国と運命を共にするかの選択を迫られることになる。

米国が取るべき5つの政策
●1 米国は沿岸国自身によるミニA2AD対処網の形成を促進する。対象国の地理的状況や国力に応じた個別の施策を検討する必要がある。海洋監視機、対潜水艦兵器、対艦巡航ミサイル、高速攻撃艇、海上攻撃機等、島嶼占領や海洋支配を防止する装備が対象になろう。
●2 沿岸国相互間の透明性や協力関係の強化推進を支援し、沿岸国間の不信感や誤解が生じないように配慮する
●3 沿岸国間のISR情報の共有を促進する。海賊や拡散防止にも活用できるこれらの仕組みは、海洋監視活動等のアセットを共同使用することにもつながる
●4 長期間にわたる同地域への関与計画を作成する。そこには高級士官学校や司令部要員の相互交換や演習、米軍の関係国港湾の利用等が含まれる。
●5 継続的に「Air-Sea Battle」コンセプトの開発や具現化に取り組んで軍事バランスの安定を確保。またこれにより、同盟国やパートナー国の努力指向方向をその方向に集中させることを促す。

SouthChinaSea.jpgまた、このような施策を推進するにおいては、中国と継続的に対話を図り、中国の封じ込めや囲い込みが目的ではなく、中国の合法的な利益追求を脅かすモノではないことを伝えることが重要。
「ミニA2AD対処網の形成」の必要背に異議を唱えるモノもあろうが、時間の経過は我々に味方しない
将来のより攻撃的で拡大主義な中国に備えるため、今その準備を始める必要がある。
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日本ではあまり話題にならないようですが、昨年のシャングリラ・ダイアログ辺りから「南シナ海」はアジアの安全保障上、重要なトピックになりつつあります。
日本の安全保障を考える際も、「Air-Sea Battle」を基礎にする限り、西太平洋の重要戦域の一つであるに南シナ海は、東シナ海や日本周辺と一体なものとして米側は見ることになるのでしょう。

南シナ海沿岸国との関係強化関連
「シャングリラ・ダイアログ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05
「(質疑)シャングリラ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-10

「前 対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「後 対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04

「対中国に日本とインドネシア訓練主催」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-17-1

「インドネシアと関係強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-23
「マレーシアと関係強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-10
「ASEAN Plusに参加」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-11
「豪でのプレゼンス等を強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-09

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