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米空軍 VS シンクタンクCSBA [米空軍]

F-22hardturn.jpg戦闘機への投資を巡る対決です
無理矢理タイトルで対決図式にしましたが、根本はそこにあります。24日、偶然にも2つの異なる場所で、戦闘機アピール派と投資見直し派が意見を述べあいました。

戦闘機への投資見直し派、シンクタンクCSBAのAir Sea Battleレポート共同執筆者でもあり、先ほど発表の対イラン軍事戦略に関するレポート「Outside-In, Operating from Range to Defeat Iran's Anti-Access and Area-Denial Threats」で、足の短い戦闘機でなく、長距離ステルス攻撃能力やISR能力への投資を訴えたMark Gunzinger氏です。
彼は米空軍協会の本部で行われた空軍幹部対象の講演で、国防省は兵器構成や投資優先の見直しを継続すべきであると訴えています。

f351.jpg一方の戦闘機命派はもちろん米空軍の戦闘機パイロットで、米空軍参謀本部の戦略計画部長ミラー中将と部下のジョーンズ少将です。こちらはペンタゴン内で記者を集めた会見を行っています。
脅威の変化はあるが、ハイエンドの敵への対処にはやっぱり戦闘機や戦闘爆撃機が必要で、5世代戦闘機のF-22やF-35の重要性は変わらないとの主張です。
両者の情勢認識には共通点があっても、最後の資源配分論で意見が割れています。

CSBAのGunzinger氏(退役空軍大佐)は
Gunzinger.jpg●(中国やイランを考えると、)敵の近傍に我の基地がなかったらどうするのか? 足の短い兵器は大きな課題に直面するだろう。我々は陸上配備のシステムではなく、海上配備を考えるべきではないか。
●また、米空母が将来イランから400マイル以内に入れないとしたら、F-35Cのような短距離兵器は十分な力を発揮できない
●私は、単に戦闘機と爆撃機の配分やUAVの混合について述べているのではない。例えばUAVなら、今のUAVは高度に防空された領域での活動を考慮していないし、速度も遅く搭載量も小さく、航続距離も短い。

●私の考える将来の混合では、より洗練されたステルス性を備えた高度な無人システムが求められる。我々は問題あるところに投資を続ける余裕はない(たぶんF-35を指す)。 
米軍が取り組むAir Sea BattleやCSBAの対イランレポートは、将来の脅威や必要能力を示している。単に能力ギャップの所在だけでなく、過剰投資分野やリスク許容可能分野、更には優先投資分野を示している

米空軍戦闘機パイロット将軍は
MillerAFJ-5.jpg5世代戦闘機は、オバマ大統領が発表したA2AD脅威への対応を念頭に置いた新戦略にとって特に有意義である。
A2ADは新しい概念ではない。ただし、より複雑に挑戦的になって来ているのだ。A2AD能力を追求する国とのせめぎ合いは続くだろう。しかし5世代戦闘機はその中で、鍵となる役割を果たすであろう
空軍はこれまでもA2ADに対処してきた。朝鮮半島で、ベトナムで、ペルシャ湾岸で、リビアで地対空脅威を相手にノックアウトを続けてきたのだ

●敵の誘導ミサイル技術や指揮統制能力は進歩を続けている。対処は益々困難になるだろう。しかし我々のF-22とF-35は、そのような環境にも対応できる。我が国のリーダーには、世界中のどの目標をも危機に陥れる能力が与えられている。敵対国はそのことを理解すべきである
JonesAFJ-5.jpg●多様なスペクトラムの紛争に備えなければならないが、5世代戦闘機はトップスペクトラムに対処する。過去数十年のように、容易に自由に行動できる環境は得られないだろうから、求められる統合作戦環境を提供するため、敵空軍を制圧するハイエンドな能力を維持する必要がある。
これこそが空軍に求められる能力であり、統合戦闘に於いて空軍が貢献すべき鍵となる能力である。
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空軍幹部の発言は、前線部隊の指揮官が若手の駆け出しパイロットに檄を飛ばしているような中身です。米空軍の中枢にいる重要事項を立案し判断する立場の人物ですが、余りにも「組織防衛」や「パイロット擁護」の姿勢が前面に出すぎ、大丈夫なのかと心配になります。
それだけ予算削減の嵐を正面から受けているのでしょう・・・当然ですが。

Mark Gunzingerは空軍士官学校卒の元B-52パイロットで、2010年QDR作成時の米空軍顧問ですが、空軍協会に乗り込んで「間接的」にF-35への資源配分削減を訴える当たりは、ゲーツ前長官が退任後、米空軍が再び心地よい「戦闘機優遇」に舵を切り始めたからかも知れません。

「戦車、空母、戦闘機に捕らわれている」http://t.co/tyFxLrq
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