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CSBA:ビーム兵器へ優先投資せよ [安全保障全般]

csba-DEW.jpg19日、シンクタンクCSBAがレーザー等のビーム兵器「DEW:Directed energy weapons」開発にもっと集中せよ、とのレポート「Changing the Game: the Promise of Directed-Energy Weapons」発表会見を行いました。
お馴染みGunzinger研究員(元爆撃機操縦者)が筆頭執筆者してまとめた約80ページのレポートで、表紙には勇ましいイメージ(写真左)が描かれています。

レポートの根っこにある大きな問題意識は、精密誘導兵器や弾道ミサイル技術の潜在的敵対国への拡散が止められない傾向が続く中、敵ミサイルを数量が限られた防空ミサイルで迎撃するキネチックな手法では不十分であるとの認識です。
また、キネチックな攻撃兵器による非戦闘員等への派生的被害が政治的にも重い課題と成っており、これを局限する兵器の必要性が高まっている点も上げています

DEWの定義とその有効性・・
米国防省の定義によると、「電磁的エネルギーや原子等の凝縮(concentrated)ビームで、敵の装備、施設、人員を破壊又は損傷しうるもの」
英文はa beam of concentrated electromagnetic energy or atomic or subatomic particles)
Gunzinger.jpg●その御利益は「飛来するミサイルに、無視できるほどの低コストで対処可能なほぼ無尽蔵な弾薬を米軍に提供するような」効果をもたらす
●イランが大量の小型ボートで我が艦艇に迫ってくるような場合にも、「DEWシステムは、迅速に派生的被害を局限しながら対処できる。同様に人口密度が高い都市部でも特に有効である」

DEW導入の時間的見積(筆者のあるべき論)
今後5~10年間で、既存のレーザー兵器技術を成熟させ、前方展開基地の敵航空機やロケット弾防空システムとして活用
今後20年間で、DE兵器を戦闘機や小型車両や艦艇に搭載できるような技術進歩を達成する

レポート5つの提言
海軍が最初の導入者たるべき。100キロワット級以上のSolid-stateレーザーを兵器化し、敵が艦艇攻撃に使用する無人機、巡航ミサイル、高速攻撃艇に対処する重層防御網に組み入れるべき
陸軍と空軍は西部太平洋地域の基地に対する空からの脅威に対処すべく、レーザー技術を生かした展開可能型地上DEシステムを活用すべき
空軍と海軍は、有人無人機や巡航ミサイルや車両に搭載可能な、高エネルギーマイクロ波兵器開発を優先すべき

海兵隊は、非致死性兵器の国防省内主担当として本件に関与し、統合参謀本部が管轄している非致死性DE兵器コンセプトに関わっていく
●DE開発テストではDEの破壊効果について目標対象別にデータを良く収集するべし。例えば小型ボート、無人機、弾道・巡航ミサイル等である

発表会スライド(4Mb) と レポート本文(3Mb)
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以上は19日付「Defense-News」の記事概要ですが、レポート筆者は最後に「これまでのDEW開発失敗の経緯や厳しい財政状況から、DE開発に立ちはだかる最も大きな障害は、技術的成熟ではなく、この兵器への文化的嫌悪感や資源不足であろう」と述べているようです。
更に、機関銃、戦車、潜水艦、精密誘導兵器、ステルス機等の兵器で優位を保ってきた我々は、DEをGamechangerにすべきだとも述べています。

「レーザー兵器の開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01
DEW.jpg先日、↑↑米空軍協会機関誌の記事↑↑からレーザー兵器はいつまで経っても「5年後に完成」状態だ、との批判的な見方を紹介しましたが、そんな経緯を承知の上で、この分野が重要だとのレポートです。

シンクタンクCSBAの各種レポートにほぼ共通するのは、軍事技術の趨勢は米国のようなパワープロジェクション国に不利に作用しつつあり、潜在的敵対国に有利であるとの認識です。「Post-power projection era」との言葉を使い、CSBAは意識改革を継続的に訴えているところです。

AirSea Battleを提唱したレポートにもDE開発の重要性が述べられ、ある程度目途が立ったら日本にも装備させるべき、との提言があったところです。

CSBA各種レポート
「1/2米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「対イランのAirSea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-26

「前半長距離攻撃構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
「南シナ海での対中抑止政策」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-07
「ポスト戦力投射の時代」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-01

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