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CNAS:対中の日米同盟を探る [安全保障全般]

CNASUSJapan.jpg4月27日、シンクタンクCNASが「対中政策の課題:軍事、経済、およびエネルギー政策で選択を迫られる日米同盟」とのレポートを発表しました。

CNASは本レポートで、台頭する中国に対して、日米同盟がどのように対処して成功を収めていくかについて、軍事、経済、およびエネルギー政策の観点から提言しています。

本レポートの問題認識
●両国は、これまで同様、重要な利害と価値観に関して多くの点で一致しているものの、同盟には潜在的に亀裂が生じようとしている
安全保障においては、中国の軍備増強(A2ADの強化など)への対応策、在日米軍の維持、およびそれぞれの現在の防衛計画の遂行能力に関して意見の一致をみない可能性

経済においては、成長率の達成と維持、そして新興国との対話、さらに地域内での通商制度の統一について両国間の意見が分かれた場合、同盟の地域秩序を形成する力が弱まる可能性
USJapan2.jpgエネルギー戦略で両国の歩調が乱れた場合、同盟への負担が増大することも。両国とも十分且つ安定したエネルギー供給を確保することが課題であり、今後、中国をはじめとする新興経済国がどのようにエネルギーにアクセスするかによって影響を受けることも明白

対処立案上の基本スタンス
●日米両国は、開放された、ルールに則った制度の維持と適応を目標とし、中国などの新興国には同制度の責任を持ったステークホルダーとなるための奨励策を提供すべきである。

具体策検討へのアプローチ法
2025年までに日米同盟が直面する重要課題を分析し、同盟の強大且つ重要な影響力をいかに維持できるかを考察する。
数十名の日米の著名な専門家や政府高官を対象とした一連のワークショップ等を基に、今後十年間、同盟関係をさらに強化するための具体策11項目を推奨

11項目の具体策(見出し的に概要のみ)
●同盟の基本目標再評価のため、ハイレベル戦略協議を新設
●上記戦略協議で在日米軍と自衛隊基地の段階統合検討
●明確な計画による定期軍事演習でA2ADを打破する準備
中国を域内安保体制に取り込むための3ヶ国戦略協議

USJAPAN.jpg●債務削減策と共に教育・インフラ・技術革新への戦略投資推奨
●米の雇用と成長を最大化、中国の新興市場への関与促進
●2国間の経済通商発展のため域内パートナーとの協調

●同盟内でエネルギー安保を重視、同戦略の相互補完性確認
エネルギー安保に関する中国との3ヶ国協議創設
TPPにエネルギー安保を組み込む
●民間の原子力発電産業のため規制政策と同技術での協業

日本語サマリー(2ページ:0.5MB)
http://www.cnas.org/files/documents/publications/CNAS_TheChinaChallenge_Japanese_0.pdf

CNASのレポート紹介ページ
http://www.cnas.org/thechinachallenge
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CroninPatrick.jpg本レポートの執筆者は→Dr. Patrick M. Cronin, Paul S. Giarra, Zachary M. Hosford, Daniel Katz
具体策検討に関与した「数十名の日米の著名な専門家」で日本側には主に、日本国際問題研究所、日米問題研究所、早稲田大学、笹川平和財団等の研究者が含まれているようです。

「在日米軍と自衛隊基地の段階統合検討」が提起されていますが、現在のアジア太平洋地域における米国防政策である「地理的に分散し、作戦面で打たれ強く強靱」とは方向が異なるような気がしますが、「政治的に持続可能」や経費節減に重点を置いたからでしょうか?
沢山の人の意見を聞きすぎて、総花的な「しょうゆ」の臭いがするまとめの様な気がしますが・・・

サマリーだけで原文に当たっていませんのであしからず。
感心したのは、CNASのwebサイトにはタブレット端末やスマホ等に対応するファイルが準備されている点です。今だ、従来型携帯電話も使いこなせていないまんぐーすにとって、この手の進歩は素直に驚きです。

(追 記)
本レポートの筆頭執筆者P・クローニンは、日本のF-35導入に反対しています。
昨年12月、「日本がF35を選択すれば、日本と日米同盟に極端な危機を」、「導入が遅れて日本政府が批判されることになっても、米国はその責任を負おうとしない。(それが亀裂を拡大)」  上記レポートの具体策との関連が見て取れます。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111203/amr11120322300007-n2.htm

「勝手に在日米軍再編を決めるな」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-25
「テニアンは米軍代替基地」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-18
「力みすぎ東アジア戦略概観」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03
「3章中国東アジア戦略概観」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03-1
「敵に財政負担を強いる」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-03

CNAS関連の話題やレポート等
「政策担当次官はCNAS」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25
「海空軍を重視せよ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-10
「CNAS理事長が禅の思想を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31
「CNAS出身次官アジア政策」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-30

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コメント 1

菜種

本文10ページに、対中国として日本に求める能力の一覧が書いてありまして、その中に、「空母」と書いてあります。とても不思議です。

by 菜種 (2012-08-30 19:57) 

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