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CSBA報告書:疲弊する米海軍艦艇部隊へ対策 [Joint・統合参謀本部]

Clark CSBA report.jpg18日、CSBAのBryan Clark研究員がレポート「Deploying Beyond Their Means(副題省略)」を発表し、世界中での紛争対処に多忙を極める米海軍艦艇部隊が、装備面でも人的側面でも破綻寸前にあると警鐘を鳴らし、その対策オプションを提示して検討を求めています

特に西太平洋でのプレゼンス確保と艦艇やりくり問題解決のため、「日本に2隻目の空母を派遣」する案を提示している点で注目され、「Defense-News」はその部分のみを抜き出して紹介していますが、提案全体の問題認識も参考になるのでご紹介します

ただし、海軍艦艇の修理→訓練→海外展開→母国や母港で即応体制維持→休養・修理等々のサイクルの議論や、艦艇の維持経費に関する部分専門的な知見がなく良く理解できていません。また「日本に2隻、米西海岸に5隻、大西洋に4隻配備」提案についても、良く理解できていません。いつもながら適当に雰囲気をご紹介しますので、あしからず・・・

Clark研究員の「National Interest」誌投稿で概要を
Clark CSBA report2.jpg●対IS作戦やウクライナ問題を巡るロシア対処、更に太平洋地域での中国対処などなど、米海軍と海兵隊は、保有戦力に比して支えきれない任務量に直面しており、このままでは作戦遂行が困難になると懸念されるストレス下に置かれている
●作戦期間の長期化と連続で艦艇の修理期間が延びたり、兵士の士気低下や退職率上昇も調査で確認されており、何らかの対策が必要である

●具体的には1998年と2015年を比較した数字で、艦艇数は333隻から271隻に減少(2割削減)しているが、海外派遣艦艇数は約100隻を維持している。これはここの艦艇への負担が2割増であることを意味している
海外派遣期間の増加も顕著で、98年当時で6ヶ月以上の海外派遣が4%であったのに比し、2015年では100%になっている。海兵隊も2017年までに18.2万人体制にまで縮小する中、派遣期間と母基地滞在比率が1:2にまで上昇し、実際にはこれ以上の負担を担う部隊も多くなっている

解決には4つの方向があるが・・・
Clark report.jpg●4つの解決の方向性として、「艦艇数の増加」、「艦艇等の作戦投入頻度の増加:コストをかけて」、「前方展開艦艇の増加」、「需要に応じたパッケージ艦艇の派遣」を検討
●「艦艇数の増加」は、現在の予算状況や艦艇建造インフラの能力を考えれば非現実的

●「艦艇等の作戦投入頻度の増加:コストをかけて」は、日本やバーレーンやロタ島に前方展開派遣している艦艇に適応されている方式の導入だが、艦艇の維持経費が3割増となる。
●また、艦艇や艦載航空機の寿命を縮めることになるほか、兵士何らかの追加保障や手当てが必要となろう

特に検討すべきオプションとしては
●「前方展開艦艇の増加」させる方式は検討に値する。具体的には、日本に2隻目の空母を派遣させることで、前線への移動時間を削減でき、1隻目空母の修理期間も2隻目の空母に乗り換えて技量練度を維持することができる
Clark-CSBA.jpg●またこの場合、常に2隻が運用可能状態にあるわけではないから、まるごと空母2隻分の人員や艦載機を全て派遣する必要はない(Defense-News記事の解説)
●一案として、空母を日本に2隻、米西海岸に5隻、大西洋で4隻配備する体制にすれば、中東での艦艇需要にも、欧州での艦艇需要にも、現在よりはより良く対処できるのではないか

●「需要に応じたパッケージ艦艇の派遣」は、現状では現場指揮官が要求できる「艦艇派遣のメニュー」が少なく、必要以上に大規模な空母戦闘群(CSG)を投入する結果となっているとの問題認識から生まれた提案である
●より細分化された「艦艇派遣のメニュー」を準備することで、事態や作戦に応じた適正規模を選択でき、効率的に限定数の戦力を活用できるのではないかとの提案である

●米海軍と国防省は、上記のオプションを検討し、将来に向けて維持可能な戦力運用を目指すべきである。さもないと米海軍艦艇は崩壊を開始し、前線部隊を削減せざるを得ない事態に追い込まれる。そうなる前に正直な議論を行い、対処策を考えるべきだ
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日本に2隻目空母を展開させると(展開させても)、1年間で空母が0隻となる期間はなくなり、2隻体制を4ヶ月間確保できるとの見積もりだそうです。ただし、日本では作戦頻度を高めるため、維持経費が3割増ですが
また、西海岸からの移動時間を考慮すると、2隻体制で日本周辺でのプレゼンス期間が2割増になると分析されています

Ford-Class-Carrier.jpg更に2隻目空母を展開させても、まるまる2隻分の艦載機は必要なく、例えば1隻分のFA-18は通常4個飛行隊ですが、3個飛行隊編成で2隻分を確保すれば、空母2隻間で戦力を融通してやっていけるかも・・・と提案しているようです。FA-18も酷使で寿命が縮みつつありますから・・・

本提案に興味を示す議員や専門家のコメントを掲載するメディアはありますが、実行される可能性は高くはないでしょうねぇ・・・
予算も掛かるし、受け入れ側の都合もあるし、空母は中国正面で脆弱だし・・・今後の世間の反応には注目ですが・・・

CSBAの当該レポートwebページ
http://csbaonline.org/publications/2015/11/deploying-beyond-their-means-americas-navy-and-marine-corps-at-a-tipping-point/

「National Interest」誌へのClark研究員投稿
http://nationalinterest.org/feature/deploying-beyond-their-means-the-us-navy-marine-corps-14378

Defense-News解説(日本に2隻目解説が詳しい)http://www.defensenews.com/story/defense/naval/2015/11/18/carriers-japan-us-navy-bryan-clark-csba-fdnf/76011904/

米海軍協会web記事のレポート解説
レポート図表を抽出し、より細かに解説
http://news.usni.org/2015/11/19/report-navy-and-marine-corps-strained-to-breaking-point-second-forward-carrier-in-the-pacific-could-help

CSBAのClark研究員レポート等
「PGM対処とその活用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-24
「米の潜水艦優位が危機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13
「米海軍情報レポートに意見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-27

最近のCSBAレポート
「次世代の制空を考える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「即応体制評価を再検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-10
「ASB議論の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-15


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