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米爆撃機2種欧州展開と欧州対策に警告 [Joint・統合参謀本部]

対露で欧州にもB-1とB-52爆撃機派遣

B-1B.jpg8月23日付米空軍協会web記事が、対ロシア抑止のための一環として米空軍の大型爆撃機B-52とB-1が英空軍基地に派遣され、東欧諸国(スロバキア、ポーランド、チェコ)等で航空ショーや演習に参加すると報じています

この大型爆撃機派遣は、米軍がロシア対処のため2015年から開始し、今年は昨年の4倍増の予算で推進しているERI(欧州確証取り組み:European Reassurance Initiative)の一部と見られますが、一方で米国防省の監理監察官は、このERIの遂行体制や有効性検証体制が不十分であると指摘する報告書を22日に公表しており、併せてご紹介します

また7月に米海軍FA-18がシリア上空でシリア軍SU-22を撃墜して以来、緊迫していると考えられている同地域での米国とロシアの関係に関し、多国籍部隊側の幹部が、対ISIS作戦がますます密集して混雑する中でも、両国間の作戦調整電話回線が有効に機能していると23日にブリーフィングしているので取り上げます

米空軍大型爆撃機の英国展開
B-52-UK.jpg8月23日に米空軍のB-1爆撃機2機とB-52爆撃機1機が、英国空軍のFairford基地の到着したと米欧州コマンドが発表した。
●これら爆撃機は、8月26~27日にスロバキアで開催される「Slovak International Air Fest」と、ポーランドでの「Radom International Air Show」に参加する予定である

●またその後、8月28日から9月9日までの間にチェコで実施される毎年恒例の演習「Ample Strike 2017」に参加し、昼夜連続の攻撃訓練に焦点を当てた訓練に望む予定である

F-15Cもバルト3国とアイスランドに
F-15C.jpg●また欧州米空軍は、空軍戦力を持たないバルト3国の領空保全のため、英国配備中のF-15Cをリトアニアに派遣すると発表したした。現在ポーランド軍F-16が担当している任務を引き継ぐもの
米空軍が同任務を担当するのは2014年以来で、9月から2017年末まで担当する予定

●また23日、米本土の州空軍所属の6機のF-15Cがアイスランドに展開し、領空監視任務を実施すると欧州米空軍が発表した

米国防省監察官がERIに注意喚起
East-Euro22.jpg22日に米国防省監理監察官が発表したレポートは、(昨年比で4倍になる)ERI予算に伴って急増する欧州コマンドの作戦や演習について、同コマンドの人員やインフラ等が十分に整う前に実施しなければならなくなる恐れがあり、リスクを伴うと注意喚起を発している
●また同レポートは、欧州コマンド自身もERI実施に伴う各種影響や効果を把握する「評価基準:metrics」や手段を保有しておらず、ERIの結果を把握し、以降の改善につなげる準備が出来ていないとも指摘している

●監察官はERIの一環である「大西洋の決意作戦:Operation Atlantic Resolve」に関する動きを中心に評価を行っているが、同時に(予算の強制削減の恐れから来る)将来の予算の不透明・不安定さも、ERIの有効性のリスクの一つとなっているとも指摘している

シリアでの米露調整ラインは有効に機能中
●23日、対ISIS作戦多国籍軍の副司令官であるRupert Jones英陸軍少将が記者団にブリーフィングし、シリア内の作戦は(ISISの勢力範囲が狭まり、対IS側が集中する傾向にあることから)「より混雑してきている」が、多国籍軍側とロシア側との作戦調整回線は「有効に機能している:serving us very well」と語った
ISIS-TOYOTA.jpg多国籍側が支援するシリア民主軍と、アサド大統領側の軍が、「Tabqa and Manbij」のような地域で近接して作戦すること増えつつあるが、「緊張緩和の要領は手順どおりに遂行されている」と同少将は語った

●また同少将は、「手順を確立しており、如何に緊張を緩和し、衝突を回避するか把握している」、「今後は更に戦域が狭くなって混雑すると予想される」とも表現した
●米軍が支援するシリア民主軍は、約2500名のIS戦闘員が固める都市「Raqqa」に向かって進撃しており、多国籍側作戦機が攻撃を行っているとも説明した
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最後の「シリアで米露調整ラインが有効に機能」は、昨今の北朝鮮を巡るロシアの動向を踏まえるとにわかに信じがたい部分ですが、英陸軍少将が嘘を言う必要もないので、ロシアにとってもISIS後のシリアやイラクを考えての態度なのでしょう

欧州正面でロシアにも目を配らないいけない米国は大変です。
ロシアも、米軍が疲労困ぱいで必死の遣り繰りの中でERIに取り組んでいることは十分承知しているでしょうから、効果の程は良くわかりません。それこそ「評価基準:metrics」が必要かもしれません。

F-15J.jpgそういえば日本でも、戦闘機命派がアピールする東シナ海での対領空侵犯措置(スクランブル対処)に関し、本当に現在の日本の法的基準や行動基準で、またこれだけハードに投資して有効なのか、何らかの「評価基準:metrics」が必要だと思います

まんぐーすは、ソフト面で強化することにより、ハード面への投資負担を減らす方向に舵を切るべきだと思います

ERIに関連する記事
「対露の欧州米軍予算4倍を説明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-2
「欧州への派遣や訓練を増加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「F-35初海外はやっぱり英国」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-21
「F-35海外展開訓練発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

中東での米露関係
「米FA-18がシリアでSu-22撃墜」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-19
「モスルはISから解放されたけど」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-11

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