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日米陸軍がRIMPACで艦艇撃沈 [Joint・統合参謀本部]

Archipelagic Defenseはものになるのか?
米陸軍の熱が冷めかけているとの懸念も・・・

Naval Strike Missile2.jpg20日付Defense-Newsは、米海軍の新型対艦ミサイルである「Naval Strike Missile」を、米陸軍が陸軍車両を発射機としてハワイの陸地から発射し、90㎞沖合の戦車揚陸艦を撃沈したと報じ、日米陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想実現の第1歩だとしています

この「Archipelagic Defense」構想は、CSBAのクレピネビック名誉理事長がForeign Affairs誌上で提唱を始めたもので、2017年8月には笹川財団との共同研究で日米共同の視点からの研究レポートも発表されているものです。

Naval Strike Missile.jpg要するに、中国が南シナ海や東シナ海で勢力を拡大する中、艦艇や航空機だけでは常続的に中国の活動を抑えることは困難であるから、沿岸地域に長射程の地上部隊ミサイル部隊やロケット弾部隊を配備して中国軍の活動を抑えようとするものです

太平洋軍司令官当時のハリス氏(現駐韓大使)も、南シナ海防衛に米陸軍の進出を強く期待し、陸軍の戦いのコンセプト転換を求める発言をしています。

ただ、米陸軍内で一時は関心を呼んだ「Archipelagic Defense」構想も、伝統に拘るというか、なかなか新しい事に取り組めない軍隊の哀しい習性か、米陸軍の熱は冷めているような気配です

20日付Defense-News記事によれば
RIMPAC2018.jpg7月12日、RIMPAC(環太平洋共同演習)に参加している米陸軍部隊は、ハワイのBarking Sandsのミサイル演習場に配置した車両搭載型のミサイル発射機から、新型の「Naval Strike Missile」を発射し、55nm沖合の旧戦車揚陸艦「USS Racine」を撃沈した
●米陸軍が発射した「Naval Strike Missile」は、米海軍がレイセオンと契約して開発したもので、沿岸戦闘艦LCSやフリゲート艦への搭載が予定されているものであり、米太平洋海軍は本演習は同ミサイルの能力を証明したと声明を出している

これが撃沈の映像です
https://dq0mmww6n9gqf.cloudfront.net/mco/2018/07/23/5b55f97be4b0c6858589b95f/5b55f98ce4b04536d3a45957_1466505256694-7e5g3m_t_1532361104861_854_480_1200.mp4

●この演習は、日米の陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想を具現化する訓練で、陸上自衛隊も三菱製の12型地対艦ミサイルを持ち込んで演習に参加した
Krepinevich.jpg●本構想を提唱したクレピネビック氏は、「米国が中国の目論見をくじこうとするなら、第一列島線周辺で中国が海空をコントロールしないようにする必要がある」、「米国は同盟国の戦闘ネットワークを融合し、同盟国の能力を向上させる必要があるが、この目標達成には地上戦力による海空戦力の補完が重要な役割を果たす」と表現している

●しかしCSBAのJan van Tol研究員は、同構想が出た当時は注目を浴びたが、米陸軍が東欧でのロシア脅威への対処を重視し始める中で、次第に関心が失われ始めていると懸念を示し、「数年前に本構想の議論が始まった当初は熱気を帯びた議論があったが、東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」と述べている
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東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」・・・だったんですねぇ・・・・残念です

2016年ごろは、ハリス司令官が何度も「南シナ海で陸軍火力に期待する」と発言していたのに、最近はさっぱりでしたし、新しいPhil Davidson太平洋軍司令官からもそのような発言が聞かれませんし・・・

まぁ、基本的に海軍演習であるRIMPACで、陸軍部隊に花を持たせる構成ですから、「Archipelagic Defense」構想もサバイバルしているとしておきましょう・・・

地上部隊にA2AD網を期待
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

笹川財団とクレピネビックレポート
https://www.spf.org/news/article_24179.html

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