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RANDが中国空軍戦力に新たな視点でアプローチ [中国要人・軍事]

Rand China.jpg11月28日、RAND研究所の「Project Air Force team」が中国空軍の戦力・組織・ドクトリン造成において米空軍を模倣する分野や程度を分析し、そこから見えてくる中国空軍の傾向から、中国空軍や中国軍の対米軍戦略などが見えてくるのでは・・・との報告書を発表しました

この報告書は、既に2017年9月には(調査を依頼した)米空軍に報告されているとのことですが、何らかの理由で、今になって「Defeat, Not Merely Compete: China’s View of Its Military Aerospace Goals and Requirements in Relation to the United States」とのタイトルで公開されることになりました

全てを読んでおらず、同報告書のサマリーや紹介記事を見ての感想は、なかなか観念的で想像力をたくましくしないと理解が難しいですが、珍しい(当たり前とも言えますが)視点ですのでとりあえずご参考まで取り上げます

体系的にご紹介する気力に欠ける(能力もですが・・・)ので、結論を構成するであろうセンテンスを、ピックアップして取り上げます

29日付AirForceTimes等によれば
Rand China2.jpg●中国空軍や航空戦力は、技術的に、また戦略的に、米軍の能力やドクトリンを模倣したものが多いが、重要なことは、米国が中国との武力紛争に至ることを抑止するために、特定の能力を十二分な数量確保する傾向があることである
●中国軍は実際の戦闘行為でよりも、抑止により戦わずして相手を抑え込むことを大いに好む。この意味において、中国にとって軍事力競争は、実戦なしに米国を破ることだとみなすことが出来る

●模倣コピーすることと自力開発することの両方があるが、低コストで迅速にコピーしたり導入することが一般的には中国軍では好まれる

●中国には5軍があるが、中国空軍の構成や技術革新追及方向は、可能性がある米国との衝突を見据えたものとなっている(注:後で陸軍は違う・・との記述がある
●中国航空戦力の増強の動機は、米国の侵攻を抑止し、必要時には高列度紛争で米国を撃破することにある

●また中国のパワープロジェクション能力は、精密誘導弾道ミサイル、巡航ミサイルで、これらが濃密な地対空ミサイルSAMと戦闘機で補完されている
parade.jpg●中国軍は、諸外国の軍事技術、組織設計、作戦コンセプトを、中国軍にフィットする場合は、自力開発する能力がないわけではない場合でもにコピーする傾向がある。
2014年に当時の米空軍参謀総長が、航空、宇宙、サイバー空間のエアパワーを融合する事が任務達成に必要だと訴えたが、中国軍はこれを模倣し、ISR、戦術戦略空輸、及び攻撃アセットに応用したようである

報告書は米空軍に対し、これらでの分野での中国軍の変化や進展と、宇宙や衛星の変化をモニターするように推奨している
●加えて報告書は米空軍に、中国軍のドクトリン、組織、訓練、人的戦力、兵たん、調達、施設への投資や変化の程度に注目するよう求めている

装備分野別の物まね度と考察
J-31 F-35.jpg●装備の分野別で類似性をみると、中国空軍戦闘機であるJ-20やJ-31と、米空軍F-22やF-35との類似程度の高さが最高レベルであるが、一方で爆撃機や精密誘導攻撃装備に関しては類似度は低い
●中国軍の対地支援CAS(close-air support)は限定的であり米軍との類似性も低いが、これは米国と想定される紛争が、南シナ海等での海空軍によるものだと中国側が考えている可能性を示唆し、同時に中国側が中国本土での空対地戦闘の必要性を想定していないと解釈でき、ドクトリン上の弱点ともとらえることが出来る

●逆に中国側は、米国による衛星利用ターゲティングへの依存を弱点ととらえ、自身は衛星によるBMD早期警戒には注力せず、宇宙の経済的利用やソフトパワー活用に加え、宇宙アセット拒否能力の獲得増強に力を入れている
●最近中国空軍が力を入れている分野に空輸と空中給油があるが、ほんの数年前までは遠距離への戦力投射能力の必要性がなかったものの、中国がアフリカへの投資や役割拡大を図る中で変化が起きたとも考えられる

PilotMarch.jpg●これらの中国観察は、あくまで公開情報を基に行われたもので、どの国もそうであるように、全ての軍事努力が公になることはないので注意する必要がある。
●それでも、平時の中国軍の動きから、米国のどの利害域を攻撃目標としているかを察知する必要がある。また中国軍に関するこのような知見は、平時における軍事交流での接触で、中国側が求める情報を入手することを防止するために有用である
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読み返しても哲学的な感じのする表現が続くので疲れますし、当たり前のような気もするのですが、中国が注力していない部分に注目するのは面白いと思います。

例えば、CASとか衛星による弾道ミサイル警戒とか・・・

最近RANDは活発ですね・・・。御用シンクタンクだからでしょうか? 米軍からの委託契約で定期的に仕事が入るが、トランプ政権に振り回される民間シンクタンクは、腰を据えて研究に取り組めないのでしょうか???

RANDの関連webページ
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR2588.html

RAND関連
「朝鮮半島統一のためには」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03-1
「必要な米空軍戦力量は」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-02
「中国の核抑止の変化」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19
「台湾よ戦闘機を減らせ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「女性特殊部隊兵士の重要性」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「RAND:米中軍を10分野で比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18

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のぶ鈴

人民解放軍の実力は情報を開示していないので未知数ですね。
人民解放軍の一番重要な役割は派閥の指導者(共産党幹部)の利権の擁護です、ですのでどこまで統一的な運用が出来るのか疑問があります。それと攻撃に注力するあまり防護がかなり疎かになっているのが気になります。
by のぶ鈴 (2018-12-09 22:11) 

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