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米艦艇の建造修理施設の人員不足に危機感 [Joint・統合参謀本部]

米艦艇修理施設の勤務者平均年齢55歳
変動激しい仕事量に若者が寄り付かず
355隻体制どころか現状維持も困難に

shipyard2.jpg20日、米海軍艦艇建造技術関連のイベントで造船修理施設関係者が艦艇建造&修理施設での勤務者の高齢化が急速に進み、熟練層の退職が進む中、米海軍からの業務発注量に上下動が大きく、また若者層をこれら業務に引き付けることが難しく米海軍を支える基盤が危機に瀕していると訴えています

現在米海軍は、現在の290隻レベルから、355隻体制への拡大を多方面で訴えていますが、造船修理施設関係者からは現状態勢の維持さえも困難になるとの悲観的な見通しが示され、国や地方政府の支援を含めた対策の必要性を訴えています

業界団体では、同一地域にある関連企業が協力して労働者を融通し合い、需要の上下動に対応したり、協力して基礎的技能のトレーニングを新人労働者に行うなどに取り組んでいるようですが、相当厳しい状況にあるようです

21日付米海軍協会web記事によれば
shipyard4.jpg●20日、American Society of Naval Engineersの年次総会で演壇に立ったフロリダ州ジャクソンビルBAE Systems修理工場のTodd Hooks事業所長は同事業所の労働者の平均年齢が55歳で、熟練した現場作業員の定年退職が相次いでいると危機感を訴えた
●また、米海軍からの委託仕事量の上下動が激しく、例えば2200名を雇用していた数か月後には、仕事量の減少で1500名しか雇用を維持できなくなる現状の問題を同事業所長は訴えた

●Hooks事業所長は「このような状態では、我々が必要としているある程度の技量を有する労働者を安定的に維持することが難しい」、「今後さらに高度な構造や装備品を搭載した艦艇が増え、従来とは異なる高度な技術者がその維持に必要となる中で、人材確保問題は厳しさを増すばかりだ」と語った

高卒の新卒採用の難しさにも同事業所長は触れ、高校側はなるべく卒業生を大学に進学させたいと考えており、地元の有力産業で給与面でも優れ、重要な国家に貢献できる仕事であるにもかかわらず、我が事業所の採用担当者の高校生へのアプローチが阻害されていると指摘した
●一方で同事業所側の問題として、業務閑散期に自宅待機を命じた若者は、再雇用を持ちかけてもほとんど戻ってこない現状を明らかにした

shipyard.jpgノーフォーク周辺の艦艇修理業界団体のトップを務めるWilliam Crow氏は、団体を構成する286企業間の協力とバージニア州からの財政援助を得て、熟練作業員不足問題に対応していると述べ、地域で約4万3000名が関連産業で働く同産業の地域への貢献と、地域政府の理解の必要性を主張した
一方で米海軍からの仕事量の上下動の激しさを問題として指摘し、「米海軍にだけ問題を投げかけるつもりはないが、不均一で激しく上下動する業務量は、我が業界の大きな問題で、ひいては米海軍が望んでいる艦艇数拡大方針の阻害要因になる」、「海軍が望む355隻体制への拡大はおろか、現有艦艇の維持問題が大きくのしかかることになる」と表現した

●Crow氏は業界団体としての問題への取り組みとして、代表的企業からの資金援助を受け、現場作業員の能力向上教室を開催し、オンラインでの教室を含めて1075名を2017年に育成したり、新入社レベルの労働者を対象とした教室を開設したりしていると説明した
海軍産業基盤研究所長のDavid Architzel退役中将は、同研究所として、新規採用に関する問題の実態調査や、将来どのような人材が必要になるかの分析を行うと明らかにした

●同イベントで登壇した関係者は一同に、ヴァージニア州が行っているのと同様の同産業への支援を他地域や国レベルに拡大する必要性を訴え、また同産業界は仕事の重要性とやりがい、また給与水準の高さをアピールしていく必要がある点で一致した
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関係者は、「good-paying jobs」や「well-paying career」と艦艇建造や修理の仕事を表現していますし、ネット上の求人案内にも当然給与水準は明記しているはずですから、それでも人が集まらないのは「不安定さ」が大きな理由かもしれません

shipyard3.jpgただ推測ですが、恐らく事故災害も他の業種に比べれば多いでしょうし、長い歴史を持つ地元産業だけに、勤務者のイメージが地域の根付いており、親が子供である若者を入れたがらないのかもしれません。

勝手なイメージで申し訳ないですが、現場中心の男社会ですから、酒・賭け事・喧嘩・ドラッグなんかのイメージが共有されているのかもしれません。しかし米海軍の基盤を支える仕事ですから、イメージアップしてほしいですねぇ・・・

艦艇の修理や兵たんの課題
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「米軍需産業の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「米海軍トップが文書「将来の海軍」を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18
「国防長官を無視:米海軍が艦艇増強プラン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

グダグダの米海軍装備
「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-22
「沿岸戦闘艦LCSがF-35化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
「空母建造費の削減検討に30億円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07

「次期SSBN基礎技術要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「あと25年SLBMを延命!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
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