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米空軍情報部長が露中のAI野望を語る [安全保障全般]

AIが将来を決すると認識し、中露は共に、AIで世界制覇を

Jamieson3.jpg26日、米空軍情報部長であるVeraLinn Jamieson中将が空軍協会朝食会で講演し、中国とロシアが軍事技術革新やAI(人工知能)の軍事分野への応用を重要課題ととらえている様子を、「中国は膨大な資金を。ロシアは大きな野望を」 と表現して説明し、危機感を訴えました

Jamieson中将は初めての女性空軍情報部長であるだけでなく、まんぐーすが知る限りずっとくパイロットが占めてきた同ポストに、情報将校としてキャリアを積んできた人材が(恐らく)初めて就任した初めてのケースとして注目される人物です

2016年11月から本ポストについており、今年1月4日にも空軍協会で作戦部長と共に講演し、中国軍とロシア軍の最新分析を語っており、「ロシア軍はシリアでの活動に、交代でロシア空軍操縦者を派遣して実戦経験を積ませている。既に操縦者の85%がシリアで実戦を経験した」と興味深い統計を披露しています

そんな情報通のJamieson中将(年齢からすると、恐らく本年中に退役になると推測)が、AI分野へ中露の取り組みを語っていますのでご紹介します

Jamieson中将は26日の空軍協会朝食会で
artificial intel3.jpg中国は計算速度で世界1位と2位のスーパーコンピュータを保有し、軍民が協力して研究に取り組む「人工知能都市」を複数設けている
●また中国は、次世代の人工知能や軍需産業を育成するアクションプランを発表しており、更に2030年までにこれら技術分野で世界のリーダーになることを目標にすると宣言し、17兆円もの資金投入も打ち出している

●この投資額を分野別に追ってみると、米空軍情報部の推計では、2017年に中国が人工知能分野に投入した資金は1.4兆円で、2020年までにはこれが8兆円近くにまで膨れ上がる
●このような膨大な資金力が、中国をして人工知能分野における壮大な挑戦(true moonshot)を可能にしている。そして中国は世界支配を達成するため、スーパーコンピュータ、人工知能技術の中核、そして世界的な才能を確保し、世界最大の技術アセット大国になることを目指している


Jamieson.jpgロシアも、プーチン大統領が声明を発表しているように、人工知能を制する者が世界を制すると認識してる
●またより明確に、ロシアの国営メディアは、ロシアが米国を打ち破るためには、人工知能がカギとなると報道している

●ロシア政府の関連閣僚や科学アカデミーは、人工知能開発強化のための10項目からなるプランを最近発表し、その中には、学会と産業界の橋渡しをする「国家人工知能センター」の設置が含まれてる
●このセンター設置は、米国が最近発表した「United States Joint Artificial Intelligence Center」を真似たものだとロシア側関係者自身が認めているものだ

●ロシアはビックデータと人工知能コンソーシアム構築を目指しており、軍事作戦に人口知能が与える影響を見極めるための人工知能ウォーゲームを行っている
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artificial intel.jpg中国が資金にものを言わせ、人材と最新機材を備えた研究環境を用意し、人工知能で世界を支配すると言えば、米国も太刀打ちできないと思います。中国内が混乱しない限りは・・・

ロシアも中国ほどではないにしろ、民主主義の手続きや人権等に縛られない環境にものを言わせ、プーチンが資源と投入すれば、特定分野で米国を圧倒することになるのでしょう・・・

トランプ騒ぎで西側の足並みが乱れているうちに、あと5年もすれば、世界の軍事力関係が変わっているかもしれませんねぇ・・・

初の女性情報部長Jamieson中将
「中国軍とロシア軍を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-06
「同部長のご紹介記事」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-02

VeraLinn Jamieson米空軍情報部長の経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108431/brigadier-general-veralinn-dash-jamieson.aspx

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米国防省の兵站&調達次官が改革を語る [米国防省高官]

中露に近い、ここからはソフトを買うな企業リストとか
7割以上の調達関連の決済を部下に権限委譲し迅速化とか
初期型F-35の早期退役も視野に検討とか

Lord.jpg7月27日、国防省の調達&兵站担当次官であるEllen Lord女史が記者団と懇談し、 昨年夏に就任して以来の調達&兵站改革について、悪意あるソフト調達回避、サイバーセキュリティー対応、産業基盤弱体化への対応、複雑なF-35問題への取り組み、意思決定迅速化のための権限移譲などなど、多様な視点から語りました

ポストや人を相当削減したような説明もあり、さすが前軍需産業社長としての辣腕を生かした大胆な改革ぶりですが、様々なしがらみや政治家とも絡みがある国防分野ですので、実際に機能するのかしているのかは良くわかりません。

また、この手の改革が、日本のような同盟国等にとってどの程度好ましいことなのかも不透明で、単に米側の対応レベルが低下した・・・等の結果にならないことを祈るばかりです
複数の成果をランダムに語ったようですので、記事そのままにランダムにご紹介します

27日付米空軍協会web記事によれば
●Ellen Lord次官は記者団に対し、米国防省の調達&兵站改革に取り組んだ就任後約1年間の成果を語り、150以上のポストを削減し、75%もの調達関連の決済を部下に権限委譲して迅速化を図っている等の実績を説明した
counterfet6.jpg●特に、中国やロシアと関連のある企業が作成したソフトウェアへの懸念に対応するため、約6か月間精力的に取り組んだ結果として、この企業からはソフトを買ってはいけない「do not buy blacklist」を作成したと語った

●また、国防省は各企業と協議しつつ「software security standards」を定めようとしているが、最もカギとなる懸念は中国関連企業が提供するソフトだと発言した
サイバーセキュリティー基準は、今後、企業が国防省との契約を獲得する上でカギとなる。かつて企業から厳しすぎると反発があり緩和した経緯もあるが、今後は要求レベルを上げる予定であると同次官は語った
●更に、企業のサイバー体制を診断する特別チーム(Red Team)の派遣も開始し、脆弱なシステムを保有する企業にセキュリティー強化を訴えていくとも語った

軍需産業基盤やF-35諸課題について
Lord2.jpg軍需産業基盤の問題に対応するため、8月中には「国防産業基盤に関する調査報告書」がホワイトハウスから発表されると明らかにし、脆弱な産業分野、供給元が1か所しか残っていない分野、あた調達先が外国や敵性国に依存している分野など、様々な問題を整理して公開すると説明した
●そして同報告書が省庁間協力で作成されたもので、調達先の拡大や、安心できる国産マイクロチップ産業基盤の育成等々を提言することになるとも説明した

F-35計画に関しては、米空軍や海兵隊が保有する初期型ソフト搭載機が、現在主流となりつつあるソフト3F搭載機と部品共有化ができない点が問題となっており、今年末までに米空軍は初期型機をアップグレードするかどうかの決断を行い、海兵隊は初期型機の退役を含めた判断を行うと語った
F-35 sunset.jpg●また、「Block IV」型アップグレードにどのような機能を含めるかを、各軍種と精力的に検討しているとも説明した。

●一方で、廃止して各軍種に形態管理を移管すべきとの声もある国防省F-35計画室については、検討の結果、将来的には廃止する方向だが、130もの外国企業や関係国との調整窓口に同計画室は重要な役割を担っているとし、当面維持すると語った
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多様な課題がてんこ盛りですが、ソフト分野や中核電子部品を含む部品調達分野における中国やロシア企業の浸透は看過できない問題です。

そしてあらゆる多様な課題の陰に、中国とロシアがひたひたと迫っています・・・。 本当に時代が変わりつつあることを思い知らされる会見記事です

偽部品関連の記事
「偽部品識別にDNAを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24
「上院による偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10

Lord調達兵站担当次官の記事
「F-35問題の深刻さを語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-04-1
「Lord次官を承認」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-29

前調達担当次官の記事
「将来航空機投資の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-25
「レーザー兵器に冷や水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「国防予算問題の鍵はF-35」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08

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ボーイングがF-15X開発に大乗り気!? [米空軍]

F-16に根強い人気がある中、F-15企業も・・・

F-15 upgrades.jpg19日付Military.comは、F-15シリーズを製造するボーイング社幹部の話として国際的にF-15シリーズの能力向上型F-15Xへの期待と関心が高まっていることから、FA-18 Super Hornetで行った同様のコンセプで現F-15を改良することを、第4世代機と第5世代機の混合編成を念頭に置いている米空軍と持ち掛けたい模様だ・・・と報じています

2020年代早々に約200機のF-15Cと24機のF-15Dを早期退役させたい米空軍の意向が頻繁に漏れ聞こえてくる中で、ほんまかいな? 正気かいな? と関西弁でつぶやいてしまいそうなお話ですが最新技術を新たに投入する第4世代機への期待が国際的に高まっているのは「腑に落ちる」話で、どこかで聞いたばかりの話です。

そうです、先日ロッキード社が世界の動向を敏感にとらえ、「F-16V Block 70」の生産ラインを新たに立ち上げ、200機レベルの需要を見込んでいるとの話をご紹介した流れの話ですので、ご紹介しておきます。

ついでに、日本のような有事に航空機運用基盤の維持が困難な国では、第4世代機をコストパフォーマンス良く維持改良し、平時の活動と有事への備えのバランスをよく考える必要がありますので、考察の材料としても断片的ながら取り上げます

19日付Military.com記事によれば
F-15 upgrades4.jpg●DefenseOneの報道によれば、ボーイング社は米空軍が第4世代機と第5世代機の混合編成を念頭に置いている事を踏まえ、新バージョンのF-15イーグル「F-15X」提案に向け動き始めている
●このF-15Xは、同社がBlock III F/A-18 Super Hornetで行ったと同様のコンセプトで、最新の技術をF-15に投入して能力向上させ、2ダース以上の空対空ミサイルや、より優れたアビオニクスやレーダーを装備する方向だと同社関係者が語った

●また、より多様な兵器体系の搭載、行動範囲の延伸、より高度なターゲティング能力やセンサーシステム、優れた燃料効率性などなどの実現を目指すものである
●同社で国防装備の国際営業を管轄するGene Cunningham副社長は、「国際的に同機のマーケティング市場が拡大しているのを目の当たりにしている」と英国航空ショーで発言し、「この流れは、米空軍に対してF-15シリーズの能力向上や新規調達を提案する機会を生み出すものだ」とも語った

●ただ、このCunningham副社長の発言に関し、ボーイング社は特段のコメントはしないとの姿勢を示している

●米空軍は、この秋にも戦闘機のロードマップを発表しようとしており、これには他の関連航空機も含まれる可能性もある。そしてそのロードマップは、戦闘に使用する航空機のどの種類をどの程度調達するかを規定するものとなる。
米議会も、米海軍が355隻体制を必要とするとして発表したと同様の計画を米空軍に求めている。

●空軍長官は本件に関し、「国防長官が発表した国家防衛戦略を受けた米空軍の計画が必要であり、鋭意作成に取り組んでいる」、「初期ドラフトを8月には確認し、来年3月には議会に提出できるようにしたい」と語っている
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F-15 upgrades3.jpg戦闘機等ロードマップと、議会に提出する脅威分析を踏まえて「study the number of fighter and combat-coded squadrons」に関するレポートは別のようですが、根っこにあるのは、どの戦力が何機必要かを見積もることです

そんな中で、全体の予算枠を踏まえ、どのような戦力構成にするか? 4世代機と5世代機をどのように組み合わせるか? の検討に食い込み、世界的な需要があるF-15Xを売り込もうとの狙いです

もう既に米国軍需産業は、F-35を2000機以上調達することが難しいことを、「織り込み始めた」のでしょうか???

「Block III F/A-18とは」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-07

関連の記事
「F-16人気復活で新生産ライン」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22

「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
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マティス長官トルコへのF-35制裁に大反対 [亡国のF-35]

トルコを排除すれば、F-35部品等調達が大混乱に・・・

afgan.jpg23日付Defense-Newsは、2019年度予算案を審議している議会に対し、マティス国防長官が書簡を送りロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で米国との関係が悪化しているトルコについて、いろいろ問題はあるが、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除すると部品調達等で大きな問題となると訴えています。

マティス長官は4月末にも、ロシアから武器購入を図る同盟国等に制裁を課すことは、長期的な視点で見れば米国の国益に反すると、「ソフトな言いぶり」でトルコや東欧諸国やインドへの対応に慎重さを議会に求めたことがありますが、今回の訴えは切実です

とは言っても、米国に反抗的な態度で接し、一方でロシアやイランと親密な関係を構築しつつあるトルコのエルドワン政権に、このままF-35を100機も売却し、部品製造を任していいのか???との議会の疑問も当然であり、非常に難しい共同開発国(部品製造や維持整備も分担)トルコの扱いです

23日付Defense-News記事によれば
Erdogan3.jpg●マティス長官は書簡で、トルコへのF-35売却を中止し、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除することは、国際的な「supply chain disruption:部品供給網の混乱」を招くことになると訴えた
●そして、トルコのF-35計画からの排除に反対すると明確に述べ、2002年以降に1400億円をF-35計画に投資し、100機を購入予定である共同開発国トルコの擁護を訴えている

●具体的に国防長官は、トルコ関連のサプライチェーンが混乱すれば、F-35生産に穴が開き、50-75機の機体製造に遅れが生じ、部品調達の正常化に1.5年から2年を要すると説明した

●現在米上院予算小委員会では、ロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で、トルコへのF-35売却を遅らせるべきとの法案が審議されているが、トルコ側はこの法案が成立すれば米国に制裁を行うと警告している
●また米上院の外交委員会でも、米国民のトルコによる不法な拘束に対する制裁として、国際的な金融機関からトルコへの資金貸付を制限する法案が検討されており、23日の就任の審議される見込みである
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mattis senate2.jpg既にトルコ軍には1機のF-35が引き渡され、米国内の米空軍基地でトルコ人操縦者の養成訓練に使用されていますが、極めて機微な問題となりました・・・

しかし、安全保障上のリスクが相当程度あることが明らかでも、複雑化流動化の中にある中東で、トルコを切ることのリスクをマティス長官は考えているのでしょうか・・・

そういえば最近のとある論説で、マティス長官の国防長官辞任の時が迫っているが、マティス氏はイランとの軍事紛争だけは阻止して政権を去りたいと考えており、最後の力を振り絞っている・・・との話を見ました。その一環なんでしょうか???

トルコの防空ミサイル購入問題
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2
「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
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2018年半期で既に昨年の武器輸出額越え [安全保障全般]

単純じゃないようですが、トランプ大統領さまさまか?
でも、貿易戦争で先行きに不安も

Hooper.jpg18日、米国防省国防協力庁DSCAのCharles Hooper長官(中将)は英国のファーンボロウ航空ショーで2018年上半期の武器輸出額が既に2017年全体額を突破したと発表し、トランプ政権が武器輸出を国家安全保障促進剤ととらえ、外交施策推進にも良いと判断して積極推進する姿勢を強調しました

そしてこの具体的政策として国務省が「Conventional Arms Transfer Policy」(CAT Policy)を同週に公表し、武器輸出の許可を判断する際、経済安全保障の視点を判断基準に加え、「政府の審査プロセスを改善する大きな第一歩」と専門家が評価する体制づくりに踏み出しました

F-35 luke AFB2.jpgこのCAT Policyに対しては米商工会議所軍需産業部門(DAEC)からも大歓迎とのメッセージが出されるなど、米国政府と産業界側は明るい未来を打ち出しています。

ただ、このような米政府や米企業の契機のよい発言の一方で、同航空ショーの会場の様子を伝えるDefense-News記者は、米国と欧州、また米国と中国間の貿易摩擦・戦争の影が会場全体にあり、不安と様子見の雰囲気が漂っているとも伝えており、自分で自分の足を引っ張るトランプ体制の影響を感じさせます

20日付Defense-News記事によれば
Webster.jpg●国務省発表のCAT Policyに対して米商工会議所軍需産業部門(DAEC)のKeith Webster会長は、「DAECは国務省のCAT Policy発表を歓迎する」との声明を出し、更にDAECが政府に提言している30項目の要望事項を紹介して更なる政府の改革実現を要望した
●同会長はCAT Policyに続く政策において更に、「手続きの迅速化、製品プロモーションの強化、認可審査の際の経済的要素の重視」などがより考慮されることを望むと述べている
●一方で武器輸出が世界各地の紛争に油を注ぐと懸念する団体は、「武器輸出認可のプロセスにより高い透明性を確保し、流通に対するモニターを強化する必要性」を訴えている

19日付Defense-News記事によれば
●米国防省国防協力庁DSCAのCharles Hooper長官は、「軍事装備品輸出は国家安全保障に資するものであり、外交政策にも資する。そして我が国の経済安全保障にも資するものである」とCAT Policyの意義を語り、輸出増の成果を強調した
Hooper2.jpg●そして同長官は、「同盟国等からのCAT Policyへの反応は極めて肯定的で、具体的な変化や改善に関する問い合わせがあり、米国製軍事装備を利用したいとの希望が示されている」と語った

●確かに2018年年度前半の輸出額$46.9 billion(5兆円強) は相当な数字で、2017年度全体で$41.9 billion、16年度$33.6 billion、15年度$47 billion、14年度$34.2 billionと比べても傑出した数字である
●しかし今年前半の数字は前政権時の契約の占める割合も多く、長期にわたる軍需装備品の契約納入期間を考えれば、トランプ政権の手柄だけとは言えない点に留意すべきである

●また同航空ショーの会場では将来に向けての不安感が随所で聞かれ、会場全般には「wait-and-see mode」が漂っているように感じられた。
特に欧州と米国との関係悪化、中国との貿易戦争の影響を懸念する声が多く聞かれ、特に航空機やヘリの中国輸出がどう影響受けるのかを気にする声が多かった。
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Trump tel.jpgトランプ政権の閣僚や側近も、昨今のトランプ経済政策に対する疑問に答えられず、大統領発言やツイートにフォロー出来ていないようですが、武器輸出も同様の様です。

しかし、軍備管理団体の懸念ではありませんが、大量に出回る兵器が、世界の紛争を促進することのないように祈るばかりです。米国内では銃の乱射事件が後を絶ちませんが、世界へ拡散はご勘弁願います

武器輸出関連の記事
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「無人機輸出方針は期待外れ?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3
「無人機輸出規制の見直し開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04

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F-16人気復活で生産ラインを移設再開へ [安全保障全般]

まだ第4世代機の需要は確実にあります
バカ高い5世代機よりも・・

F-16 Block 70 2.jpg18日付米空軍協会web記事は、ロッキード社関係者が、「F-16V Block 70」を新たに購入決定した国が今年に入り2か国も現れたことを、「着目すべき驚くべきF-16への需要復活」との表現で語っていることを紹介しています

F-35命で売り込みに必死なロッキード社関係者ならしょうがないのかもしれませんが、F-35のように維持整備まで企業に牛耳られ、マニュアルから全て英語でとっつきにくい高価な機体に比べ、それぞれの国が操れる感がある値ごろなF-16に根強い人気があるのは当然でしょう

特に新たにF-16V Block 70購入を決定したスロバキアやバーレーンのような小国の場合、身の丈に合ったアセットとして多用途戦闘機F-16は魅力ある選択肢でしょう。
ロッキード社に置かれては、しっかりF-16シリーズを作り続けられることの大切さを確認していただきたいところです

18日付米空軍協会web記事によれば
F-16 Block 70.jpg●ファーンボロー航空ショーでロッキード社のF-16営業責任者Randy Howard氏は、最近購入を決定したスロバキアのように、世界中でF-16への「着目すべき驚くべき需要復活:remarkable and notable resurgence」が見られると語った

● Howard氏はF-16への需要復活の一因として、能力向上したレーダー、ミッションコンピュータなどの最新の技術導入があると説明した
●また同氏は、第5世代戦闘機であるF-35やF-22から得た教訓を投入できるロッキード社の能力も強調し、例えば耐用飛行時間を旧タイプの8000時間から12000時間に伸ばすことに成功したと胸を張った

●当該F-16の生産ラインについて同氏は、従来F-16を製造していたテキサス州Fort Worthの工場がF-35用ラインに転換されていることから、F-16ラインをサウスカロライナ州Greenvilleに移設する作業を行っていると語った
F-16 Block 70 4.jpgF-16新生産ラインは今後6~8か月で完成して生産を開始し、これに合わせてロッキード社は、部品や関係物資の調達拠点をサウスカロライナに移設すると説明した

スロバキアとバーレーン以外にも、例えばインドがF-16に関心を寄せており、インド側との話し合いの中で現地生産の話が出ているとも同氏は語った
●現時点で、F-16は世界25か国で合計約3000機が運用されており、今後新たに200機をロッキード社は製造することになるだろうと述べ、そのために2030年頃まで生産ラインを維持することになるとも語った。ただしインドとの契約が成立すれば、更に生産期間を延長すると述べた
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F-16 Block 70 3.jpg大国インドでさえも欲しくなる最新型F-16ですから、F-35計画が亡国の道を歩むにしたがって、その需要は更に拡大するものと考えられます。

でも狡猾なロッキードのことですから、日本や欧州主要国にはF-35しか売らないのかもしれません・・・。でも興味ありますねぇ・・・この「F-16V Block 70」には・・

F-16関連の記事
「サンダバードF-16も延命改修&後継機種はF-35?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26-1
「米軍F-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

第4世代機関連の記事
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23

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日米陸軍がRIMPACで艦艇撃沈 [Joint・統合参謀本部]

Archipelagic Defenseはものになるのか?
米陸軍の熱が冷めかけているとの懸念も・・・

Naval Strike Missile2.jpg20日付Defense-Newsは、米海軍の新型対艦ミサイルである「Naval Strike Missile」を、米陸軍が陸軍車両を発射機としてハワイの陸地から発射し、90㎞沖合の戦車揚陸艦を撃沈したと報じ、日米陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想実現の第1歩だとしています

この「Archipelagic Defense」構想は、CSBAのクレピネビック名誉理事長がForeign Affairs誌上で提唱を始めたもので、2017年8月には笹川財団との共同研究で日米共同の視点からの研究レポートも発表されているものです。

Naval Strike Missile.jpg要するに、中国が南シナ海や東シナ海で勢力を拡大する中、艦艇や航空機だけでは常続的に中国の活動を抑えることは困難であるから、沿岸地域に長射程の地上部隊ミサイル部隊やロケット弾部隊を配備して中国軍の活動を抑えようとするものです

太平洋軍司令官当時のハリス氏(現駐韓大使)も、南シナ海防衛に米陸軍の進出を強く期待し、陸軍の戦いのコンセプト転換を求める発言をしています。

ただ、米陸軍内で一時は関心を呼んだ「Archipelagic Defense」構想も、伝統に拘るというか、なかなか新しい事に取り組めない軍隊の哀しい習性か、米陸軍の熱は冷めているような気配です

20日付Defense-News記事によれば
RIMPAC2018.jpg7月12日、RIMPAC(環太平洋共同演習)に参加している米陸軍部隊は、ハワイのBarking Sandsのミサイル演習場に配置した車両搭載型のミサイル発射機から、新型の「Naval Strike Missile」を発射し、55nm沖合の旧戦車揚陸艦「USS Racine」を撃沈した
●米陸軍が発射した「Naval Strike Missile」は、米海軍がレイセオンと契約して開発したもので、沿岸戦闘艦LCSやフリゲート艦への搭載が予定されているものであり、米太平洋海軍は本演習は同ミサイルの能力を証明したと声明を出している

これが撃沈の映像です
https://dq0mmww6n9gqf.cloudfront.net/mco/2018/07/23/5b55f97be4b0c6858589b95f/5b55f98ce4b04536d3a45957_1466505256694-7e5g3m_t_1532361104861_854_480_1200.mp4

●この演習は、日米の陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想を具現化する訓練で、陸上自衛隊も三菱製の12型地対艦ミサイルを持ち込んで演習に参加した
Krepinevich.jpg●本構想を提唱したクレピネビック氏は、「米国が中国の目論見をくじこうとするなら、第一列島線周辺で中国が海空をコントロールしないようにする必要がある」、「米国は同盟国の戦闘ネットワークを融合し、同盟国の能力を向上させる必要があるが、この目標達成には地上戦力による海空戦力の補完が重要な役割を果たす」と表現している

●しかしCSBAのJan van Tol研究員は、同構想が出た当時は注目を浴びたが、米陸軍が東欧でのロシア脅威への対処を重視し始める中で、次第に関心が失われ始めていると懸念を示し、「数年前に本構想の議論が始まった当初は熱気を帯びた議論があったが、東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」と述べている
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東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」・・・だったんですねぇ・・・・残念です

2016年ごろは、ハリス司令官が何度も「南シナ海で陸軍火力に期待する」と発言していたのに、最近はさっぱりでしたし、新しいPhil Davidson太平洋軍司令官からもそのような発言が聞かれませんし・・・

まぁ、基本的に海軍演習であるRIMPACで、陸軍部隊に花を持たせる構成ですから、「Archipelagic Defense」構想もサバイバルしているとしておきましょう・・・

地上部隊にA2AD網を期待
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

笹川財団とクレピネビックレポート
https://www.spf.org/news/article_24179.html

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F-35主要装備の再選定始まる [亡国のF-35]

運用開始して間もないが、設計開始後の時間経過を考えると遅いとも言える・・・

F-35 3-type.jpg10日付Defense-Newsがロッキード社F-35部品調達担当Eric Branyan副社長へのインタビュー記事を掲載し、同機のコストダウンのため、重要装備品である電子戦や通信航法識別、更には全周監視センサー融合装置DAS調達先に競争原理を導入すべく、競合企業への情報収集を開始したと報じています

6月22日に行われたインタビュー内容が3週間後に記事になるあたりは、大きなお金が動く重要装備を巡る企業間駆け引きに配慮し、表現の細部に細かな確認が必要だったことを伺わせますが、2020年代前半に製造される機体に搭載開始することを念頭に作業が進んでいるようです

Branyan副社長は「(1機の価格を)90億円まで下げること狙っている」とそのターゲット(米空軍用価格で、日本用など輸出価格は別でしょうが・・・)を公言し、「そのための最も効率的な手法は競争原理の導入だ」と語っており、ぜひ頑張っていただきたいものです

10日付Defense-News記事によれば
F-35 luke AFB2.jpg●同副社長が語った電子戦装置EW(今はBAE Systems製)と通信航法識別装置CNI(今はNorthrop Grumman製)での新たな競争の導入開始は、F-35部品調達の世界に揺さぶりをかけることになろう
●まだ何も決定はしておらず、再選定を行うこと自体も未定だと同副社長は強調したが、「既に関連情報要望RFIを発出し、得られた情報の評価を開始しており、再選定により効果が上がるか、コストパフォーマンスはどうか、そのタイミングにあるか等々を検討している」とも説明している

●同様のRFI発出はNorthrop Grumman製の全周センサー融合システムDAS(distributed aperture system)に対しても行われ、DASに関しては検討の結果、新たにRaytheon製のDASに切り替える事を6月にロッキードが決定し、全体で3000億円のコスト削減につながるとアピールしている
●このような重要装備やシステム全体でなくても、個々のパーツレベルでの再選定も開始されており、より価格優位性や技術優位性のあるパーツや部品の検討も進められている

F-35-Face.jpgEWとCNI装備に関する検討は2018年末までに結論を出すことになっているが、国防省F-35計画室も予算計画や将来の機体維持計画に反映するべく強い関心を持っている
●しかし、同副社長はどの企業に対してRFIを要望したのか等の細部には言及を避け、現在の電子戦装置AN/ASQ-239を担当するBAE SystemsもどのようなRFIへの回答をしたのか明らかにはしなかった

●業界の専門家Richard Aboulafia氏は、重要装備品の入れ替えはリスクがないわけではないが、コスト削減のためトライする価値はあるとしている。そして「F-35は運用開始して間もなく装備変更は尚早との声もあろうが、開発設計開始からの時間経過を考えれば、装備の再選定は既に遅いとも言える」と語っている
2023年に納入予定の第15ロット生産に間に合わせようとすれば、DASを新たに担当するRaytheonは、月150セットの製造態勢を2022年7月までに整える必要があり、2019年4月には重要設計審査CDRをクリアする必要があることから、余裕はない
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F-35-Cockpit3.jpgソフト開発にこれだけ苦しんでいるF-35ですから、お馴染みのRichard Aboulafia氏が言うまでもなく、他社装備を機体に新たに組み込むことのリスクは「小さくない:not necessarily insignificant」はずですが、コストダウン要求がそれだけ大きいということでしょう

副社長が言う機体価格目標の「$80 million 約88億円」は、当初計画からすればもう一声欲しいところですが、それでも高い高いハードルでしょう・・・・。
トランプが仕掛けた中国との貿易「チキンレース」戦争で世界経済に減速感が見える中、F-35から手を引く国は増えるでしょうに・・・

最近のF-35関連記事
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
「世界各国で暗雲」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14

「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

タグ:F-35 電子戦 DAS CNI
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B-52パイロンに大型兵器搭載検討!? [米空軍]

今後30年間しっかり仕事してもらうため
対中国を視野に置きつつ第1歩

B-52-UK.jpg10日付DODbuzzは、米空軍B-52のライフサイクル管理センターが6月に関連企業に向け「RFI:request for information:情報提供要求」を公表し、同機の翼下に現在の4倍の大型兵器を搭載可能にする基礎調査を開始したと報じています

この情報要求は、1960年代から使用されているB-52のパイロンに関する「Heavy Weapon Release Pylon Program」の一環として、現パイロンの最大搭載重量5000ポンドを、2万ポンドレベルに強化しようとするものとRFIに記されているようです

このような計画やRFIの背景について記事は、中国の急速な軍事力増強と技術開発だと明確に言い切っており、関係者への取材をそれを裏付けるものとなっています。
具体的な搭載兵器の候補や計画はまだなく、単に技術的な情報収集を始めただけとのことですが、「火の無いところに煙は立たず」ですので、今後ためTake Noteしておきましょう

10日付DODbuzz記事によれば
B-52 wing-W.jpg米国防省や米軍が、対テロから大国間の本格紛争への備えに駆り立てられる中、米空軍は春発表された「Bomber Vector:爆撃機将来計画」において今後30年間使用する計画になっているB-52爆撃機の、翼下パイロンの更新強化を検討し始めている
●6月に関係企業に向けたRFIが米空軍から公表され、B-52のパイロンに新しくより重い兵器を搭載するための最適策を検討する情報提供の募集を開始しているのだ

米空軍関係者によれば、太平洋地域において顕著になりつつある脅威に対応するため、「Heavy Weapon Release Pylon Program」が進められているようだ
●同関係者は、「理由なく同プログラムが存在する訳はなく、我々を検討に駆り立てる切迫した理由があるからだ」と、最新の「National Defense Strategy」やマティス国防長官のシャングリラ会合講演で、中国を強くけん制する発言が相次いでいる背景を示唆した

B-52-England.jpg●パイロン改修に関する具体的情報は無いが、同関係者は「パイロンに5,000~20,000-pound級の兵器を複数搭載したい」と語っている
●前述の「Bomber Vector:爆撃機将来計画」や2019年度予算案においても、この高齢爆撃機に対し、今後さらに投資する方向が示されている

●ただし米空軍B-52のライフサイクル管理センターのStephen Palmer氏は、「このRFIは単なる市場調査に過ぎない」、「現時点で関係企業に具体的な提案を要望しているわけではない」と慎重なコメントに終始した
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ちなみに最新の「National Defense Strategy」は中国の軍拡について、「中国は戦略的な競争者であり、その獰猛な経済力を用いて、近隣諸国を恫喝し、南シナ海の軍事化を進めている」と記述しています。

B-52H2.jpgマティス長官はアジア安全保障会議(シャングリラ会同)で、「中国が(南シナ海で)拡張や攻撃的な姿勢を改めないなら、何らかの結果を生じることになろう」と述べ、その前にはRIMPAC2018に中国を招待しないと発表した際も、「競争自体は悪くなく、強い姿勢もそれ自体が悪くはない。しかし彼らの南シナ海での行為は結果を生み出すことになる」とコメントしていました。

トランプ政権全体の動きは読めませんが、一つの指標として、B-52翼下パイロンの大型兵器搭載改修検討をお伝えしました

関連の記事
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
「NDS:対テロから対中露へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20
「2018年シャングリラ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-2

B-52関連の記事
「エンジン換装大集会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-24
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱は本当に必要?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「将来の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「次期爆撃機に有人型は不要だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

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ロッキードPAC-3MSE受注増でウハウハ [安全保障全般]

需要急増で生産能力2倍に、そして更に・・
生産効率アップで単価低下につながるか

PAC-3 MSE2.jpg11日付Defense-Newsが、各種ミサイル脅威の拡散を受け、導入国が急速に増加しつつあるロッキードマーチン製のPAC-3ミサイルシステムについて、導入国増加だけではなく、弾薬備蓄を積み増す国も増えたことから、最新の「PAC-3 MSE」の生産能力を2倍にしつつあり、近い将来更に能力拡大を図る方向だと報じています

数あるPAC-3システム導入国の中で、初代PAC-3ミサイルを購入を続けているのは1か国のみ(国名不明)で、日本も含め他の全てのPAC-3導入国は「MSE」に移行しているとのことで、増産投資が容易な状況にあるようです

PAC-3 MSEはPAC-3に比し
PAC-3 MSE4.jpg弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機などの脅威に対処する能力を高めている
●弾体の直径を太くし推力を増やし、射程距離がPAC-3に比べ50%増の約30 km+に。
●また、弾体中ほどにある翼の幅を小さく、後部のフィン(操舵翼)を大型にして機動性を高め、同時に折畳み式にしてPAC-3キャニスター(発射筒)に収める
●ミサイル直径が太いので、キャニスターにはPAC-3は4発だったが、MSEは3発のみ格納

11日付Defense-News記事によれば
●ロッキードは、米陸軍や同盟国等からのPAC-3 MSEの需要急増に答えるため、数年で生産能力を2倍以上に拡張する計画である
●米陸軍は使用が続くミサイルの穴埋め補給だけでなく、ミサイル備蓄量増加計画を打ち出しており、これによりミサイル発注が急増する

PAC-3 MSE3.jpg●米軍は2018年から2022年の中期計画では、毎年95発の購入予定だったが、最近になって2018年と2019年に各240発を購入し、2020年以降も160発を毎年購入する方向に変更した

●海外顧客も急増しており、今年だけでも3か国(ポーランド、ルーマニア、スウェーデン)がパトリオットシステムの導入を決定し、初期導入ミサイルが受注を押し上げている
●この3か国用だけでも、ロッキードは576発のPAC-3MSEを製造することになる。内訳は、ポーランド208発、ルーマニア168発、スウェーデン200発である

●ロッキードのIAMD営業部長は、「PAC-3 MSEへの関心が非常に高まり、生産能力2倍増に向け取り組んでおり、それは年間500発の生産能力を意味する」取り組んで現状を語りつつも、
●更に「一方で更なる需要増の気配があり、対応が難しくなる可能性がある。そこで米国政府と共に、どのあたりまで製造能力増強を進めるか検討している」と語った

●また同部長は、今年中に更に少なうとももう1国がパトリオットシステム導入を判断することになると述べ、これにより更なるPAC-3 MSE増産が発生する可能性がある
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PAC-3 Saudi.jpg日本はPAC-3 MSE導入国として、他の購入国と連携し、増産効果による単価低減をロッキードに強く要求すべきです

絶対に・・・

CSISにより米軍IAMDへの提言レポート
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-2

米海軍NIFC-CAと関連装備
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23

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宇宙に特化した世界空軍トップ会議を [サイバーと宇宙]

協力して宇宙ドメインに取り組み姿勢は理解も
負担共有を狙った米軍の戦略着々とも考えられ・・・

Goldfein space.jpg10日、Goldfein米空軍参謀総長がDefense-Newsの単独インタビューに応じ、今年に入り等に活発になって生きている同盟国等の宇宙ドメインへの巻き込み(外交的には「協力強化」と表現)について語り、その一環(まんぐーす邪推)として宇宙ドメインに特化した世界の空軍参謀総長会議の開催を提案しました

米空軍幹部は今年に入り、3月にHyten戦略コマンド司令官が議会で、「共通の敵を抑止するためだけでなく、宇宙システムの開発配備の資金的な負担をシェアするためにも、同盟国を宇宙作戦運用に加えるべき」、「コスト分担合意、外国衛星の打ち上げ、情報共有合意、などなど、多様な同盟国等の協力機会が考えられる」と証言し、ギラギラした狙いを公言

Space Fence1.jpg4月に空軍長官はソフトアプローチで、「同盟国等の要員に対する宇宙関連の訓練を拡大する」と発表し、「宇宙での衝突防止、周回軌道の離脱、大気圏再突入などを学ぶことを通じ、宇宙状況把握の基礎コース」と「国家安全保障の視点から宇宙政策を考える課程で、現在は豪州、カナダと英国のみに開放しているコース。今回の拡大により、本コースにNZ、フランス、ドイツ、日本が」と言及

そして7月18日から、これまで統合レベルまで勤務者を拡大していたJSpOC(Joint Space Operations Center)を、CSpOC(Combined・・・)として民間衛星運用者を含む同盟国関係者まで勤務者を拡大して運用開始すると米空軍が発表しているところです

まぁ、トランプ大統領が米空軍から宇宙軍(Space Force)を独立させ、空軍と並列関係にすると正式発表したドタバタの中ではありますが、宇宙に関する空軍参謀総長会議の開催提案をご紹介しておきます。

12日付Defense-News記事によれば
Goldfein4.jpg●Goldfein米空軍参謀総長の提案は、これまで航空作戦全般をテーマに世界各国で行われてきた空軍参謀総長会議の流れからすると異例なものであるが、同参謀総長は「爆発的に商用分野で宇宙産業が発展する中、この発展を軍事分野でどのように活用し、企業を巻き込んでいくかを考えるタイミングにきている」と提案の背景を語った
●そして同会議の候補として、毎年春に空軍宇宙コマンドのあるコロラドスプリングスで開催されている「Space Symposium」に合わせて開催する方向を考えていると語った

●同大将は「企業の競争により打ち上げコストが低下し、併せてより小型の宇宙アセットが可能になってきている今の時代、巨大なチャンスが目の前にある」、「大型バスサイズがスーツケースレベルに小型化可能で、低コスト打ち上げが可能になってきている2大変化を見逃せない」とも表現した
●同大将は兼ねてから、米空軍と米軍他軍種、そして同盟国等の宇宙アセットの相互運用性を提唱してきた人物であるが、宇宙ドメインを如何に米空軍戦略の中に組み込むかを中心に議論が行われてきた経緯がある

space aware2.jpg●なおGoldfein参謀総長は、7月5-9日の間のイタリア訪問に際し、イタリア空軍参謀総長のEnzo Vecciarelli空軍大将との会談でこの話題を持ち出した模様である。
●米空軍はこのように、かつては固い秘密の壁に覆われ、「NOFORN:no foreign nationals:外国人出入り禁止」の原則で行われてきた宇宙ドメイン活動の方向転換を図っており、4月に空軍長官が宇宙に関する教育訓練への同盟国等兵士の受け入れ を大幅拡大すると発表したところである
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トランプ大統領の独善的な動きに翻弄されている米国防省と米軍ですが、同盟国等に負担の共有や移管を推し進める点では利害がぴったり一致しています

その急激な米国の変化に、この空軍参謀総長会議に集まるであろう世界の空軍トップ同士で、どのような会話が交わされるのでしょうか???

宇宙での戦いに備え
「JSpOCからCSpOCへ 日本も」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-3
「同盟国にも訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「宇宙脅威論のレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-15

「CSISの同上レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-3
「米国防省宇宙ニュース2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-20
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

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化学生物兵器を無効化するX線爆弾開発!? [安全保障全般]

開発の第2段階へ入った模様

b weapon2.jpg6月14日付Dailymail電子版が、少なくとも2015年から企業と開発契約を結んで米国防省が進めている生物化学兵器を無効化する「X-ray bomb」開発について報じ、第2弾の開発フェーズ契約が2017年に締結され、2018年7月から2年間の契約活動が開始されるとのことです

記事は兵器を「X-ray bomb」と表現する一方で、「Directed Energy Weapon」の一つとも紹介しており、そのような性格の兵器の模様です。
事柄の性格から情報の管理が厳しいようで、細部は不明ですが、具体的な担当企業名も紹介されていますので、とりあえず取り上げておきます

6月14日付Dailymail電子版によれば
X-ray bomb.jpg米国防省は当該開発契約を、エレクトロニクス専門家集団である「Hyperion Technology Group」と結んでおり、少なくとも2015年から研究開発が開始されている
●研究開発では、保管施設や容器を破損することなく、爆発的なX線放射で生物化学兵器を無効化する兵器を、現存する兵器の弾頭に搭載することを目指している

●2015年に公になった「High Power X-ray Munition to Attack and Defeat Weapons of Mass Destruction」とのタイトルの文書で本プロジェクトが明らかになったが、大部分は非公開である
約1600万円の契約で行われた第1弾研究開発は、第2弾開発につながる基礎設計を確認するもので、小さな規模のX線兵器で生物化学兵器への効果をデモするもの・・・と文書で表現されている

b weapon3.jpg2017年に契約された1.2億円の第2弾研究開発契約では、「エネルギー兵器として活用できる完全に兵器レベルのX線を静的な一連の試験で可能とする」ことを目的としており、今年7月から2年間の予定で進められる模様
第2弾契約に関する文書では、「これまでの兵器は、友軍や一般市民に紛れて反乱分子が存在するような近接戦闘で要求を満たすことができなかった」との表現があり、そのような環境でも使用できるレベルのX線兵器が求められている模様である

米陸軍大学の専門家は、このような兵器情報がテロリストに渡ることが懸念だと述べるとともに、対策として対象物に照射されたときに焼却効果を発揮するようにX線爆弾は設計されるだろうと語っている
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何やら謎に包まれた兵器ですが、近接戦闘で周辺の民間人への影響がない兵器とは夢のような話です。

X-ray bomb2.jpgでも、2016年にはX線Gunを開発し、照射後、時間が経過したのちに人が死ぬような兵器開発を試みた罪で逮捕された男がいるようです。恐ろしきはX線です

全く理論的には異なるのでしょうが、核兵器を無効化できるようなエネルギー兵器というか、兵器ができれば、それはそれはインパクト大でしょうね・・・

エネルギー兵器関連記事
「エネルギー兵器の国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24

「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

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情報収集機RCやOCやWC-135の維持がピンチ!? [米空軍]

オープンスカイ条約飛行の遂行率64%の惨状
対するロシアは達成率100%なのに・・・

RC-135 2.jpg2日付Defense-Newsが、米空軍の特殊情報取集を担当するネブラスカ州Offutt空軍基地所属のRCやOCやWC-135の維持がピンチで、2016年以降だと500回の任務が機体トラブルでキャンセルされ、2015年以降だと12回に1回の割合で任務を断念する事態に至っていると紹介しています

特に、米露と欧州が信頼醸成措置の一環として結んでいるオープンスカイ条約の履行を担い、ロシア上空からロシアを合法的に偵察する任務を負う「OC-135 Open Skies aircraft」が任務遂行率64%の惨状で、2016年7月には機体トラブルでロシアの飛行場に緊急着陸する事態まで引き起こしているようです

RC-135s-w.jpg記事の内容は、offutt基地の地元議員が、同基地の135シリーズの健康状態を懸念して空軍長官に調査を要求したとか、OC-135後継予算に消極的な議会内でプッシュしている様子を紹介し、地元への利益誘導の臭いがするのですが、F-35やB-21に予算が流れ、縁の下を支える重要装備が危機に陥っている典型的事例ですのでご紹介しておきます

まずOffutt基地所属RCやOCやWC-135をご紹介
RC-135U Combat Sent 2機 シグナル情報収集機
RC-135V/W Rivet Joint 8機と9機 U型を改良したシグナル情報収集機

RC-135S Cobra Ball 3機 弾道ミサイル光学電子情報収集
北朝鮮の弾道ミサイル試験が迫ると日本周辺に飛来 

OC-135B  Open Skies aircraft 2機  
WC-135 Constant Phoenik 2機 大気収集機
北朝鮮の核実験報道があると日本海で待機を収集し、核実験の真偽を判定

2日付Defense-News記事によれば
RC-135 3.jpg第55航空団が保有するKC-135給油機やC-135輸送を改良した情報収集機は、今も英国やギリシャや日本やカタールに展開して任務飛行を行っているが、50年以上の年齢で老朽化が問題となっている。
●Offutt空軍基地周辺の地元紙の調査によると、2016年以降だと500回の任務が機体トラブルでキャンセルされ、2015年以降だと12回に1回の割合で任務を断念する事態に至っている

●これを受け、ネブラスカ州選出のDon Bacon下院議員らは、空軍長官に同基地第55航空団所属機の状況に関するレポート提出を求めた
●同時に同議員らは、米空軍が要求するOC-135b後継機予算(2機で約250億円)に反対姿勢の上下院議員に、考え方を改めるように活動を行っている。なお後継予算に反対の議員は、オープンスカイ条約の有効性そのものに疑義を掛け、またロシアの最近の姿勢に反発しており、信頼醸成そのものに懐疑的である

●同議員は「OC-135は米空軍保有アセットの中で最悪の稼働率だ」、「故障して敵対的な姿勢が目立つロシア国内で立ち往生する有様だ」と下院で訴えている
マティス国防長官も関連議員にOC-135の稼働率問題を認め、後継機予算への理解浸透を要請し、ホワイトハウス予算管理室も議会関係者に後継者予算が議会予算案から除外されていることに不満を示すレターを出している
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RC-135.jpg後継機予算が2機で250億円とはかわいらしい額です。F-35が1機100億円で、B-21が1機600億円であることを考えれば・・・

ロシアに稼働率で負けるあたりは、いくら何でも落ちぶれすぎ・・・。北朝鮮情勢も不安定ですので、いざという時に役立つよう維持をお願いしておきましょう

関連記事
「135情報収集機の活躍」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-21
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21

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横田基地で新型C-130輸送機が本格稼働 [米空軍]

HからJ型への更新は新型機導入並みの能力向上

C-130J.jpg6日付米空軍協会web記事が、4月にC-130輸送機のH型からJ型への機種更新を終えた横田基地のC-130部隊(374輸送航空団)の様子を紹介し、J型の優れた能力を取り上げています。

世界各国が使用する軍用輸送機4000機の中の1000機を占め、1950年代に初号機がデビュー時に「世界のベストセラー」「世界中の輸送機の手本」となったC-130輸送機ですが、現在の様子を断片的ながらお伝えします

まずネット情報からH型とJ型の比較
搭載量 19トンから20トンへ  (ただし、機内容積が増したため、空中投下パレット搭載量は3割増しの24個に
●最高速度 590㎞から660㎞

C-130J 3.jpg●航続距離 16トン搭載時で2410kmから3890㎞へ
●操縦装置の改良により操縦要員が5名から3名へ

●エンジン換装 25%パワーアップのRolls-Royce AE 2100
H型は翼下増槽タンクオプションがあったが、エンジン効率アップで空気抵抗の増える同タンク無しの形態
また機体内の増槽もなくし、搭載容量の削減無しで上記の航続距離延伸達成
●見た目では各エンジンのプロペラが4枚から6枚に、胴体は少し長く

6日付米空軍協会web記事によれば
2017年3月に初号機が横田基地に到着して始まった14機の更新は、2018年4月に最終機が到着して完了した。その後の演習や訓練を経て、横田基地のC-130J型部隊は本格的に活動を始めている
●これまで既に、通用の輸送任務だけでなく、「Vigilant Ace」、「Cope North」、「Red Flag-Alaska」等の演習にも参加し、特に最大限の能力発揮を試される「Vigilant Ace 18」も乗り切った

C-130J 2.jpg●「Vigilant Ace 18」時には7機しか期待がなかったが、米本土から2機を追加配備して演習に参加し、4日間で105ソーティーの飛行を行い、2個戦闘機航空団の移動を可能とするだけの輸送量をこなした
●計画された飛行の中で、機体整備のトラブルで遂行できなかった飛行は僅か1ソーティーで、部隊兵士は「この厳しいスケジュールで、これだけの飛行は、H型では無理だった。J型だから可能になった」と語った
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あまり目立たない横田基地のC-130部隊ですが兵站の要として活躍を期待します

それから・・・7日、横田にF-22が4機以上急きょ飛来したとか・・・米国務長官の北朝鮮行きの護衛との観測が

C-130輸送機関連
「AC-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06
「米C-130 にジブチで中国からレーザー?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-04
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06

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米軍がサイバー懸念で市販UAV使用禁止 [サイバーと宇宙]

国防副長官の指示で。背景は不明で憶測が

UAS marine.jpg6日付米空軍協会web記事や各種報道によれば、5月23日にShanahan国防副長官が米軍に国防省監察官から市販無人機のサイバーリスクの把握が不十分との指摘を受けたため、対策を行うまで市販無人機の使用を停止せよ」と指示した模様です

これを受け、海兵隊や空軍特殊部隊などが1000機レベルで使用している市販の小型無人機が運用停止になっているようで、海兵隊は前線部隊への影響が大きすぎるとして、特定の機種については運用停止を免除するように要請しているようです

なぜ国防省監察官が「市販無人機のサイバーリスクの把握が不十分」と指摘し、米国製と海外製も含む製品が使用停止になったのか??? その背景について国防副長官のメモは言及しておらず謎です。

断片的情報では5月にChris Murphy上院議員がマティス国防長官に書簡を送り、「中国DII製(Da-Jiang Innovations製)の製品は潜在的に国家安全保障上の脅威である」と警告したと言われていますが、国防省監察官の警告との直接の関係は不明です

6月21日付UASVISIONによれば
UAS marine2.jpg国防長官は5月23日のメモで、「5月14日に国防省監察官は、国防省は市販無人機を使用するにあたり、サイバーリスクを見積もる十分な取り組みを行っていない」と指摘したと述べ、市販無人機の使用を停止した

●運用停止に該当する海兵隊保有の市販無人機は、例えば「800 Mk-2 Gen-3 drones」との4つの小型プロペラで飛行するタイプでは、既に600機が前線の大隊に配分され、さらに200機の追加注文分を待ちわびている状態だった
●海兵隊は同タイプを含む数種類の「使用停止免除」を求めており、国防副長官も「前線の緊急要請に対応し、ケースバイケースで運用停止免除を検討する」と述べている

6日付米空軍協会web記事によれば
UAS marine3.jpg米空軍特殊作戦コマンド報道官は、市販無人機の購入と使用を停止しているとEメールで回答してきた。5月23日の国防副長官指示に基づくものだと説明している
●そして、使用停止措置は「国防省が同リスクに対応する戦略を立てるまで続く」と述べている

米空軍特殊作戦コマンドは、市販小型無人機をISR、地形偵察、飛行場調査などに使用している。広報部門も写真や映像撮影のため市販無人機を使用している
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国防省監察官の5月14日の指摘の背景が気になりますが、米軍の市販無人機全ての使用を禁止するとは相当の危機感の表れです。

直径1m以内程度のドローンをイメージして頂ければよいと思いますが、サイバーの恐ろしさを垣間見た気がいたします・・・。日本は大丈夫か???

サイバーと兵器管理
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

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在韓米軍司令部が70㎞南へ移動完了 [Joint・統合参謀本部]

兵士28000名がソウル周辺から南下脱出
費用の9割を韓国支出のプロジェクト完成

koreasaihenn2.jpg6月29日、新しい在韓米軍司令部(兼ねて米韓連合司令部と国連軍司令部)ビルの開所式典が行われ従来の南北軍事境界線から30㎞しか離れていないソウルにあった在韓米軍の主要施設が、約70㎞南の「Camp Humphreys」を大幅拡充した新施設群に移動しました

この移転は、韓国内の各地に分散する多数の米軍施設を集約する「在韓米軍再編」施策として長年計画されてきたもので、図に示すように、在韓米軍約28000名を大きく二つの地域(Camp HumphreysとDaegu 地区)に集約するものです

元々、韓国勤務は米軍兵士に不人気で、その背景には「テレビドラマの影響で韓国が未だに泥道だらけと誤解している」とか、時に爆発する韓国の反米反米軍感情があります

usforceskoreahq.jpgそのため、2010年頃までは韓国勤務は1年交代で行われてきた経緯があり、今は欧州や日本並みの3年間になったようですが、今回Camp Humphreysには充実した住居や福利厚生施設が準備され、赴任先として人気のない現状打破を目指すものとなっています

トランプ政権が在韓米軍削減を打ち出すのでは・・・とのうわさも流れる中、Vincent Brooks在韓米軍司令官はその噂否定に懸命ですが、DMZから30㎞地点から100㎞地点まで南下ですから、大きく後退であることは真実です。

2日付Military.com記事によれば・・・
●6月29日の新司令部施設開所式でVincent Brooks在韓米軍司令官は、今回の移転が長年計画実行されてきた在韓米軍再編施策の一環であり、韓国政府との協議の基に、韓国からの多くの支援を得て行われていることを強調した
Brooks-pacam2.jpg●また、今回のソウル市内のYongsan garrison からの移転が、米国による朝鮮半島防衛コミットメントの削減につながるものではないとも強調した

●新しい司令部庁舎は約85億円をかけて建設され、元統合参謀本部議長で在韓米軍司令官経験者である故John Vessey陸軍大将にちなんで命名されている
●またCamp Humphreysへの10年間をかけた移転事業全体は、約1兆2000億円のプロジェクトであるが、その費用の9割を韓国が負担している点にBrooks司令官は開所式で改めて言及した

韓国大統領も開所式にメッセージを寄せ、「私の在韓米軍の皆さんへの信頼は無限大である。揺るぎない米韓連合の防衛体制への、皆さんの永続的な貢献をお願いする」と期待を述べている
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8年前の記事によれば・・・新施設は
●設計プランナーによれば、司令部施設のほか、ここは部隊訓練、整備及び物品保管の最新施設となる。
●建物は、これまでの米軍施設の経験を生かしたアイデアを取り入れたもので、嘉手納基地のPXや独訓練基地の施設も参考にしている。

korea3.jpgkorea2.jpg建物面積は現在の8倍になり、その規模はテキサス州フォートブリスの2倍以上になる。まるで一つの都市を建設しているようなものだ
独身者の部屋はベッドルームとシャワーは個人毎だが、リビングは共有する。
ショッピングエリアには、米国で生活するのと同じような品揃えを用意し、スポーツジムも「スーパージム」の名の通りの施設になる。家族のレクレイションエリアも今後検討して充実させる

日本の順調な???米軍再編と比較されないように祈ります・・・

関連の過去記事
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

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