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トルコは2019年10月にS-400配備へ [安全保障全般]

トルコにF-35を渡すのか
トルコが供給予定のF-35部品はどうなるのか?

Akar.jpg25日、トルコのHulusi Akar国防相が、米国をはじめとするNATO諸国の大反対を押し切り昨年12月にロシアと契約した高性能地対空ミサイルシステムS-400の今後について語り、2019年10月にトルコ国内に配備予定だと明らかにしました

NATOの中東正面にある重要な位置づけにあるトルコが、トルコ自身の防空をNATO諸国の防空システムに依存してながら、NATOシステムと連接不可能なロシア製の防空システムを導入するとの暴挙に、米国は怒り心頭で、米議会は共同開発国であるトルコへのF-35引き渡し凍結(2機が米国内でトルコ人操縦者養成訓練に使用中:計100機購入予定)を決定してます

S-400-launch.jpg一方で米国防省の立場は極めて微妙でマティス長官などは、F-35部品のサプライチェーンを構成するトルコがF-35計画から抜ければ、「F-35生産に穴が開き、50-75機の機体製造に遅れが生じ、部品調達の正常化に1.5年から2年を要する」と訴え、トルコへのF-35提供を許容したい意向も示しています

ただ、米空軍長官などは、「F-35とS-400が近接した距離に存在する様になることが、最大の懸念事項だ」と表現し、ステルス性や各種最新アビオニクスを搭載したF-35が、S-400の近くを日常的に飛行する事になれば、F-35の機密情報がロシア等に流出することに繋がる事を恐れています

反サウジのジャーナリストがトルコのサウジ領事館で殺害されたらしい事件も絡み、トルコと米国の関係は複雑さを増しており、S-400が配備される2019年10月まで、まだまだゴタゴタありそうな本件の現状をご紹介します

26日付Defense-News記事によれば
S-400-2.jpg●トルコのAkar 国防相は、ロシアと購入契約を結んだ1個セットのS-400システムに関し、2019年10月にトルコ国内に配備すると発表した。そしてS-400導入はスケジュール通りに進んでいると表現し、今はS-400運用要員の選定を進めていると説明した
●また配備の際は、NATO防空システムとの連接機能がないことから、独立してスタンドアロンの形で配置し、敵味方識別装置IFFは、トルコ企業独自開発のシステムにトルコが独自の識別情報を入力して使用すると明らかにした

●同国防相は、どこからの脅威か明らかにせず、トルコはミサイル脅威に直面しているとS-400導入の必要性を説明した

●またS-400選定の経緯に関し、「米国や仏伊サプライヤーとも防空システムオプションについて過去協議を行ったが、期待するような提案は得られなかった」と語り、Patriot system や Eurosam (SAMP/T system)との交渉を振り返った
●一方で、2つのトルコ国内企業が引き続きEurosamと、トルコ防空システムの開発と共同生産について協議を続けているとも言及した
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このトルコの防空ミサイル選定は紆余曲折の経緯です。

Erdogan4.jpg2013年から15年の間は中国企業との契約間近と報じられてきましたが、2017年に入るとロシアのS-400を追及との話が現れ、最初は共同生産を追及したり、より最新のS-500で交渉したり、間には米国パトリオット企業とも交渉と報道されましたが、2017年12月には共同生産はあきらめ、S-400購入契約を2800億円で結んで落ちた形になっています

国内産業育成と技術導入も追及し、世界の企業や国と交渉する巧みさのある国ですから、今もいろいろな思惑があるのでしょうが、S-400を1セット買って単独で運用することに意味があるのか疑問です

政争の具となっているのなら軍がかわいそうですが、NATOや米国も振り上げあこぶしをどうするのか・・・興味深いところです

トルコの防空ミサイル購入問題
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

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大空に男性器:またやった今度は海兵隊 [ふと考えること]

昨年11月の米海軍EA-18Gに続き・・・
トップガン撮影のあの基地で
ネット情報で監視しているこのサイトはすごい!

T-6 marine.jpg10月23日、カリフォルニア州の米軍基地(Marine Corps Air Station Miramar)を飛び立った海兵隊のプロペラ初等練習機T-34Cが、「Salton Sea」という海面下にある湖の上を「男性器」を描くようなパターンで飛行したようだとツイッター上で拡散され、当該操縦者らが米海兵隊の調査を受けているようです

「東京の郊外より・・・」をご覧いただいている皆様の中には、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう・・・。

昨年11月16日、米国北西部ワシントン州の青空に、近傍のWhidbey Island海軍航空基地を飛び立った空母艦載電子戦機EA-18Gが巨大な男性器を描いたところ、地元の多くの人が目撃し、スマホで撮影したと思われる写真や映像が拡散、地元テレビ局もすぐに取り上げ、あっという間に全米の話題になりました

数日後、米海軍が「無責任で未熟な行動」「全く受け入れられない海軍の中核となる価値観に反する行動」と海軍な操縦者の仕業であることを認め、不快な思いをした皆さんに謝罪すると公式に発表する事態になりました

まぁ・・・大半の人は面白がって、クリスマスシーズンだった当時、商魂たくましい地元企業が売り出した、その飛行パターンを形にしたクリスマスツリーの飾り(8ドル)を飾って「ネタ」にしていたようですから・・・

今回の事案を海兵隊第3航空団報道官は
T-34C.jpg●米海兵隊所属「Marine Fighter Attack Training Squadron 101」 所属のT-34Cが、ソルトン湖上空で、イレギュラーなパターンで男性器のような経路を飛行した
どのような背景で、何が行われたのかについて、事実を明らかにすべく調査が行われている
●海兵隊搭乗員は指揮系統の指示に従い、プロ意識と尊厳と威厳を保つ必要がある。海兵隊第3航空団の兵士は、高いレベルでプロの戦闘員として行動することを期待されている。名誉と勇気と任務遂行の意思を価値観の中核として

注目は指摘した「Aircraft Spots」
https://twitter.com/AircraftSpots 
T-34C pennis.jpg●軍用機の飛行情報を、ほぼリアルタイムでネット上で入手して(?)モニターしているらしく、その情報をツイッターで配信
●10月23日に、米空軍の次期空中給油機KC-46Aが、初めての海外派遣試験飛行で横田基地に飛行する位置情報を、地図上にプロットして発信するなどの活動
米軍のP-8、RC-135S Cobra Ball、MC-130、KC-135Rなどの特殊作戦機の動きをフォローして航跡図をアップ
日本付近の米軍機の活動情報アップが多い
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Aircraft Spots.jpg「Aircraft Spots」がどうやって飛行情報をフォローしているのかご説明できないのですが、世の中変化しています・・・

今回のT-34C初等練習機は、EA-18Gのように飛行機雲を引いていなかったはずですが、レーダー航跡をしつこくフォローしている人がいて発覚した事例です。世の中、悪いことできない監視社会になってきました

男性器を大空に描いた海軍操縦者が処分 https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-02-1

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国防副長官が認める国防費カット [米国防省高官]

「making the military great again」終わる

Shanahan1.jpg26日、Patrick Shanahan国防副長官が軍事記者団体の会合で講演し、トランプ大統領が16日の閣議で指示したと伝えられていた2020年度国防予算の前年度比削減と、「およそ$700 billion」 との発言について、政府の予算機関から直接そのように指示されたと明らかにしました

またこの予算レベルが2020年度に限ったことではなく、当面フラットな状態が続く前提で予算編成を行うよう指示されているとも語りました。

折しも、約1年かけて練り上げてきた2020年度予算の最終とりまとめ期限が数週間後に迫る中、$733 billionで計画していたものを$700 billionに4.5%カットしろという無理筋な指示で、副長官は淡々と語ったということですが、中国やロシアに対抗する各種研究開発や新規装備の導入が大きく遅れるのは自明です

Shahahan.jpgそもそも西側主要国の国防費の構造はどこも似たり寄ったりで、人件費や維持整備費や過去の装備品のつけ払いなどの固定費部分が8割程度を占め、残りの僅かな部分で新規装備購入や将来向けの研究開発を行う構造になっており、約5%のカットは固定費以外の部分から捻出せざるを得ません

従って、固定費が8割として、約5%カットの意味するところは、残りの僅かな部分で新規装備購入や研究開発費や演習費を25%カットすることを意味するわけです。また何でも柔軟に25%カットしたり、計画を細く長くできるわけではありませんから、相当のプロジェクトを中断せざるを得ないと思います。それだけダメージが大きいのです

戦闘機の稼働率を1年後に8割にせよとか、飛行部隊を25%増することが必要だとか、海軍艦艇を現290隻から355隻にすべきだとか、核兵器の近代化や部隊立て直しとか、超超音速兵器だとか、F-35フル生産とか、コロンビア級新型SSBNやフォード級新型空母とか、AIへの集中投資だとか・・・すべてが根元から揺さぶられることになるのでしょう

Shanahan5.jpg米国防予算でややこしいのは、OCO(戦時緊急作戦予算:Overseas Contingency Operations)なる戦時の特別予算枠があることで、最近は通常予算「Base Budget」に含むべき経費をOCOに押し込んでごまかす「禁じ手」も常態化する異常さを呈しています

2020年度は、$50 billionをBase Budgetに戻して「正常化」を図ろうとしていましたが、この点に関する質問に、副長官は何も決まっていないと答えるにとどまっています

米国の財政状態に対する正しい理解なしに繰り出されたトランプ発言「making the military great again」に振り回される米国防省と米軍の悲哀ですが、今後徐々に明らかになる「終わりの始まり」の一端をご紹介します

26日付Defense-News記事によれば
Shanahan2.jpg●Shanahan国防副長官は、「2020年度が$700 billionと言われているが、これは単年度の話ではない。このフラットなパターンは、今後の5年計画範囲をも含むものだ」と語った
●予算編成の最終段階におけるこの突然の指示を前に、国防省の予算部署は、マティス長官に「$733 billion」ケースと「$700 billion」ケースの相違を示すための作業を行っている

●「既に契約済みの経費や目に前に支払いの決まった経費は固定されており、選択のオプションとなるのは開発・技術・新規の調達などにならざるを得ない」、「超超音速兵器など、国防省内で優先順位の高いものも、恐らく遅れを覚悟しなければならないだろう
質と量の間のトレードオフについての質問に対しては、既に存在している装備品等の改善や消耗分補填のため、「この予算で量は非常に重要だ」と表現した。またこれまで装備品維持費を犠牲にしてきたことの反省も踏まえ、「FA-18の稼働率向上に強く取り組む姿勢に変わりはない」とも語った
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断片的なことしか副長官は語っていませんが、雰囲気的には、将来の装備への投資よりも、FA-18など現有装備を何とか稼働させ進行中の戦いへの対応を重視せざるを得ない・・・との苦しい台所事情が伺えます。

trump5.jpg今後徐々にどの部分が「trade-offs」や「削減」の対象になるのか明らかになるでしょうが、併せて日本をはじめとする同盟国への、米国を挙げての兵器売り込み圧力が高まることは、火を見るより明らか・・・でしょう。

中国やロシアと対峙する前に、米国への対応で疲弊しそうですね・・・

トランプが閣議で次年度予算5%カット指示
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2

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F-35の量産判断試験IOT&Eは大丈夫か? [亡国のF-35]

F-35 Gilmore.jpg17日付Defense-Newsが、F-35の量産を判断する試験(IOT&E)に関する米国防省内資料を入手し2019年末までにフル量産体制に入る判断が必要だが、遅れているスケジュールは綱渡り状態で、最近発生した海兵隊F-35B墜落事案もあり、予断を許さない状況だと報じています

何となく、(まんぐーすと同じく)F-35に対する悪い先入観を持った記事で、テレビ朝日のニュースステーションの安倍政権描写のような臭いがしますが、F-35計画にとっての一つの大きな節目の試験ですので、事実関係は把握しておきたいと思いますのでご紹介します

前提として今年9月28日に海兵隊のF-35Bが加州の海軍基地近くで墜落し、調査の結果、エンジン内の燃料供給チューブに不具合が見つかり、全世界の約300機のF-35が飛行停止状態になりました。
その後、当該部分の確認と必要な場合には部品を交換し、15日の段階では8割のF-35が飛行再開にこぎつけたようです

不足する修理用パーツの緊急調達中で、この故障修理の費用負担をどうするかは未決の様ですが、これもIOT&Eスケジュールに影を落としているようです

17日付Defense-News記事によれば
F-35 3-type.jpgDefense-Newsが入手した、9月14日に試験ディレクターであるVarun Puri空軍大佐が使用したパワポスライドによるとIOT&E(initial operational test and evaluation)は今年11月13日にスタートし、来年7月に終了する計画となっている
●最近まで、IOT&E開始は9月15日とされていたが、空対空距離認識を改善する最新の改修版ソフトを待つために11月13日まで遅らせることになった模様である

●このIOT&Eは「フル生産:full-rate production」を2019年末までに判断するためのものであり、既に大幅に遅れているF-35計画の中でも極めて大きな節目となるものである
●しかし入手したパワポ資料は、フル生産判断に必要な試験を計画の201年7月までに終了するには相当のリスクがあると説明している

F-35 AIB2.jpg●この種の試験では避けて通れない、試験飛行の天候不順による延期、試験機材の不具合によるやり直し、機体トラブルによる試験の延期などなどに対応する余裕期間がほとんどない計画だとスライド資料は訴えている
●そして結果として、試験が2019年9月までずれ込む可能性を指摘し、9月末までの2019予算年度内に終了しなかった場合のリスクさえも懸念している

●この点に関し、国防省F-35計画室の報道官は、来年9月末までの予算対応は確保されていると回答したが、10月1日以降については回答がなかった
●11月からの本格的なIOT&E開始を前に、2018年初めから基礎的な試験が開始されており、2機編隊での低脅威への対応試験、低温環境での試験、CAS任務関係の試験が既に実施され、本格試験への準備が進められていたところ。
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F-35 AIB3.jpgIOT&Eが予定通りに開始できるか、期限までに終了できるかは今後に注目ですが、それよりも何よりもトランプ大統領が16日の閣議で命じたと伝えられる、2020年度予算案立案にあたっての2019年度予算からの5%カット指示の影響が気になります

もともと国防省は733billionドルで計画していたところを、700billionに抑えろとの指示とも見られており、これが本当なら、F-35のフル生産だど吹っ飛んでしまうと思うのですが・・・

成り行きを見守りましょう・・・

トランプが閣議で次年度予算5%カット指示
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2

亡国のF-35カテゴリー記事250本以上
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1

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米空軍がパイロット養成3割増に向けて [米空軍]

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T-38 two.jpg20日付Military.comは、約全体の2割・2000名のパイロットが不足しており、引き続き退職者が後を絶たない米空軍の操縦者問題に関し空軍長官が10日、2022年までに年間パイロット養成数を約3割増の1500名にすると議会証言したことをフォローし、その方策についての取り組みの一端を報じています

現在の年間パイロット養成数は1160名で、これを来年は1311名まで拡大し、更に2020年までに1500名にするという計画ですが、これをパイロット養成カリキュラムの見直しの側面から支える部分の紹介です。この数は正規兵、州軍、予備役、そして外国人委託教育数を含むものです。

USAF pilot.jpg米空軍のパイロット養成には複数のコースがあり、普通の養成コースのほか、「大学生向けコース?:Undergraduate Pilot Training」とのよくわからない課程、また教官向けコースも見直しの対象になっているようです。

個々のコースの改善の内容がごちゃ混ぜになって関係者の発言が紹介されており、整理してご紹介が難しいので、取り組まれている内容メニュー全体をごちゃ混ぜでご紹介します

20日付Military.com記事によれば
民間パイロット養成や上級操縦者育成コースの教訓も踏まえて、初級コースの見直しの検討に生かしている
10名前後の一つのコースの学生を、これまでは一律に管理し、全員がそれぞれの段階を通過するまで次のステップに進まなかったが、先にクリアした学生を先に進ませることを許容する方式も試し、学生には好評である

T-X  Boeing2.jpgシミュレーターの訓練時間が、これまでは4か月ほどの分散されて配置されていたが、実際の練習機に登場する前段階の時期に集中して実施させることも試行している
シミュレーターのタイプも多様化し、ウェアラブルなゴーグルとスマホを組み合わせたような持ち帰り可能なタイプも学生に支給し、勤務時間外の自主学習にも活用できる体制も試みている

教官養成コースには360度視野のシミュレーターを試行導入し、様々な状況を想定して学生の対応を模擬し、学生への適切な指導要領を習得する効率アップを試みている
高度なシミュレーター導入のよい点は、機体に発生した故障など緊急事態への対処能力や基礎知識を、教官や学生を危険な状況に置くことなく試し教育することができる点である

これらの手法で54週間あった「Undergraduate Pilot Training」を、49週間に短縮できればと見積もっている。
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airman.jpgいずれにしても、これまた伝統手法が幅を利かせ、なかなか変化がない操縦者育成法を、期間短縮による養成数アップという上からの命令との外圧を利用して変えようとの試みです

航空機の操縦ですから、地上への影響も併せ、人の命に直結する問題で、変化の決断は容易ではないでしょうが、是非トライしていただきたいものです。

そして優れたシミュレーターなら、ぜひ日本にも紹介していただきたいものです。安価にね!

操縦者不足への対応
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「ついに幕僚勤務無しP募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28

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KC-46Aの初号機納入が更に遅れ [米空軍]

空軍長官「私は怒っていない」←嘘でしょう! 

wilson7.jpg17日、Wilson空軍長官はBloomberg Newsのインタビューに答え、遅れに遅れた末に、今年6月にボーイング社が、10月末までにKC-46A空中給油機の初号機を納入すると約束したにもかかわらず、その期限までに初号機は納入されないと語りました

9月末にも続いていた最終試験の中で最も重大なレベルの「category-1」不具合が2つも追加で見つかり、積み残しも併せて計5個の重大不具合が残る状態だと報じられていましたが、17日の米空軍とボーイングの協議で、10月27日の納入期限は守れないと結論付けられたようです

KC-46-2.jpg米空軍最重要プロジェクトの一つである次期空中給油機計画は、当初計画では2017年8月に初期の18機の納入が完了しているはずでしたが、様々なトラブル対処で遅延が相次ぎ、お先真っ暗状態だったのですが、今年6月に突然10月初号機納入発表があり、18機を2019年4月までに納入するとも発表して今日に至っていました。
なお米空軍は計179機の導入を前提としていましたが、ここにきて更なる機数上積みを検討しています

6月にボーイングが10月納入と発表した際も、空軍側が「KC-46Aの飛行試験は終了に近づいているが、重大な仕事がまだ残っている」と不信感たっぷりのコメントを出していましたが、その懸念が表面化したようです。

改めて重大不具合の5件は
KC-46 Boom3.jpg給油操作員がブーム操作等を確認する映像装置。従来の給油機が窓越しに実物を見てブーム等を操作していたが、KC-46ではカメラとモニターで状況を確認するシステムを初めて導入している。しかし、ある条件下では照明の受け側航空機がよく見えない等の不具合があり、ソフト改良対策を実施中
●映像装置の不具合で受けて航空機にひっかき傷を生じさせる事象が頻発している。上記映像装置の改良で対応予定
ドローグの機械的ロックシステムの不具合。給油中に外れることがある。これに対してもボーイングはソフト対策で対応予定

最近見つかった追加の2件
● 「No Indication of Inadvertent Boom Loads」で、給油のため相手とつながっている際に、給油装置操作員が意図せず操作を誤って給油ブームに負荷をかけ、相手機を押さえつけることになっても、操作員にその行為を警告することが出来ない問題
●もう一つは、受け側機が給油機に接近する段階で、給油ブームがあまりにも固着している(too stiff)だという問題

18日付Bloomberg News記事等によれば
Muilenburg.jpg10月に入ってボーイングCEOであるDennis Muilenburg氏は、10月末期限にもかかわらず、「今年末までには納入できるだろう」との表現を使い始めていた
●また17日にボーイング社報道官も、「米空軍と日々協議してる」、「年末までには」「第4四半期の間には納入する」と語った

空軍長官はインタビューで、納期の遅れの理由は米連邦航空局FAAからの「KC-46’s supplemental type certificate」が遅れているからだと説明し、残っている不具合との関係については言及しなかった
●一方でボーイング社は、予定より数か月遅れた9月にFAA認可を受け、米空軍からの軍用認可を待っている状態だと言われてきたことから、空軍長官の発言との関係に関心が集まっている

Wilson2.jpg空軍長官は「私は怒っていない。我々には正すべき不具合が残されており、ボーイングと共に取り組んでいる」とのみ語っている
●従来から明らかになっていた3つの不具合については、ソフト改修等の対策方向で進んでいるが、最近見つかった2つについては、対応方向が明らかになっていない状態である
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予想されていたこととはいえ、米空軍とボーイングの間の会議はさぞかし険悪な雰囲気が漂っているのでしょう・・・

Muilenburg2.jpg引き続き、この遅れと、それによって生じるボーイング社への追加経費負担(既に4000億円程度とか)のつけが、日本に納入される機体価格に上積みされないことを祈るばかりです

米空軍の空中給油機ゴタゴタ
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

「ブームで相手にひっかき傷」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-02-1
「空中給油機の後継プランを見直しへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「KC-46ブーム強度解決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-15

「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

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在日米軍が空自救難隊員にメダル授与 [ふと考えること]

皆でほめてあげようよ!!!

Naha Rescue.jpg15日、在日米軍司令官兼ねて第5空軍司令官であるJerry Martinez空軍中将は、勤務地である横田基地からはるばる沖縄の航空自衛隊那覇基地に赴き、米空軍F-15C戦闘機から海上に脱出した米空軍パイロットを救出した航空自衛隊那覇救難隊員の功績で讃え、メダルを授与しました

今年の6月11日早朝6時30分ごろに発生した本事故の原因や、パイロットの階級氏名は明らかにされていませんが、通常訓練の途中で沖縄南方の海上に何らかの原因で緊急脱出した1名のF-15Cパイロットは大けがを負っていた模様で、空自の救難ヘリ隊員が応急措置をしつつ沖縄の米海軍病院に緊急搬送した模様です

一連の救難任務には、空自那覇救難隊の9名の隊員が参加していていたようですが、メダル授与式には3名のみが出席し、後の6名は日本各地で連続発生した地震や台風被害の災害派遣や支援任務で不在なため、後日メダルが渡されるとのことです

米空軍協会webサイトが報じました!
メダル授与式でMartinez司令官は
naha rescue2.jpg●(早朝の緊急事態に迅速に対応して見事に任務を完遂した)航空自衛隊那覇救難隊は献身的な姿勢、プロフェッショナル性、そして固い団結に満ちた部隊である。
●そして何よりも重要なのは、任務にあたって自らの危険を顧みず任務にまい進する隊員たちによって那覇救難隊が構成されていることである

那覇救難隊の作戦能力は、真に驚くほど高いレベルにある。そして構成員である隊員たちは、リスクがあっても、他者の安全と健康に最大限の関心を払える兵士ばかりである
そしてこの救出活動は、日米同盟がこれまで同様強固であることを示すものである
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6月のこの時点で、このF-15の事故は米軍航空機12番目の墜落事故でした。昨年あたりから、米軍全体で航空機事故が猛烈なペースで発生しており、それはそれで大きな問題で、機体の老朽化やパイロットの疲弊、米軍全体の実戦疲れなどが原因と指摘する者もいます

沖縄県知事ならずとも、沖縄メディアに言われるまでもなく、事故の多発は大きな問題であり、事故原因の解明と再発防止に全力を挙げてもらいたいものです。

naha rescue3.jpgでも、那覇救難隊の献身的な姿勢にも、是非スポットを当ててもらいたいものです。
あわせて、沖縄の島々で救急患者が発生した際、患者輸送に陸上自衛隊のヘリが大活躍していることもお知らせしておきます。

沖縄メディアが決して報じない沖縄の自衛隊員の地道な活動を、是非これを機会に知っていただきたいと思います


航空救難団のwebサイト
http://www.mod.go.jp/asdf/arw/index.html

ここ数年の空自航空救難部隊の災害派遣活動記録
http://www.mod.go.jp/asdf/arw/katsudoujisseki/index.html

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激震:トランプが国防予算削減へ舵を!? [安全保障全般]

$700 billionの意味が不確かながら・・・
今年前半には国防費大増強の勢いだったのに・・・

大きなサプライズ発表です
Trump Coast-G2.jpg16日、トランプ大統領が閣議で、来年度予算(2020年度予算)を計画するにあたり、10月からスタートした2019年度の規模から5%カットした額で持ってこいと指示した模様です。

閣僚たちには、「君たちならできる! 余分な脂肪をそぎ、無駄を排すれば、この場にいる諸君は必ずやってくれると信じている。これをやれば巨大なインパクトを与えることができる」と語って命じたようです

中間選挙に向け、民主党票の取り込むための作戦なのか、それとも中間選挙で負けることを予想し、民主党が支配する議会受けを狙って妥協した予算編成を目指すのか・・・。それともトランプ大統領のレガシーを残すため、歳出抑制に取り組むのか・・・。

現時点では謎が謎を呼ぶ状況ですが、今年発表した国家安全保障戦略NSSや国家防衛戦略NDSの流れを受ければ、中国やロシアの脅威を鮮明に打ち出し、対抗策を積極的行う方向だと感じていた国防省や米軍関係者は、まさに「キツネにつままれた」ような状態の様です

まさに、舌の根も乾かぬうちに・・・のトランプの方針転換ですが、国防費への影響がどうなるのか、断片的にわかりにくく語った様子と、一般的な解釈をご紹介いたします

17日付Defense-News記事によれば
trump2.jpg●一人の記者が、トランプ大統領に国防費への影響を尋ねたところ、大統領は国防費が例外だとは言わず、「2020年度の国防費は多分$700 billionだ」と答えた
●そして大統領は、「なぜなら、今や我々は米軍をケアしている。法執行機関の面倒をよく見るようになった。米軍は、私が大統領に就任した時とは異なる位置で、物事ができるようになっているからだ」と説明した

●更に大統領は、「ほんのこの間までは$520 billionレベルだった。そしてそれを新型艦艇等を建造するために$700 billionに引き上げ、そして更に$716 billionにまで伸ばした」、「我々は最新型の世界最高の潜水艦を建造している。その他にも、かつてない勢いで軍再建のため多数のことを行ているのだ」と述べ、
●「そういう状況だが、私は国防費を$700 billionに維持しようと考えている。了解か?」と語り掛けた

Trump tel.jpgこのやり取りの内容について、NSC報道官に大統領の意図を確認したが、返答はない
2019年度の安全保障予算全体が$716 billionで、そこから2.23%削減すると$700 billionとなる。5%削減ではない。仮に$716 billionから5%削減すると、$680 billionとなる計算で、大統領の発言した「$700 billion」は安全保障予算全体の規模を示していると推測できる

●国家防衛戦略NDSを受け、国防省は毎年2-3%の国防費の伸びがその達成には必要だと公言してきたが、その望みが絶たれたのかもしれない
●専門家は「過去2年間以上、我々は国防費増の世界で過ごしてきたが、2020年度以降これが維持されないのであれば、昨年と今年得た改善は失われるであろう」と語っている

●更に同専門家は「2019年度予算がシーリングとなり、それ以上を望めない世界になる。政権の予算編成関係者は、国内の政治情勢を見つめて分析し、これ以上の国防費増額が現実的でない、実現しそうもないと考えたのだろう」とも分析している
●最近は国防費削減の意見を議会が潰してきたが、議会を民主党が支配するようになれば、軍事費削減に動くであろう
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trump5.jpgトランプ政権の誕生後、米海軍は現在の290隻以下の体制から355隻体制への拡大を訴え続け、米空軍も飛行隊数の25%増を訴え始めるなど、米軍は夢達成のための列車に乗り遅れるな!!!・・状態だったのですが、トランプ大統領のちゃぶ台返して、現状維持も難しくなるかもしれません

それにしても米国の政治はジェットコースター並みの激しさです。F-35や空中給油機の調達ペース、B-21爆撃機の開発、T-X練習機の導入などなど、様々なプロジェクトに影響が出そうな気がします

今後もフォローする必要がありそうです・・・大激震です・・

振り上げたこぶしをどうする?
「空軍:飛行隊数を3割増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19-1
「国防長官:戦闘機稼働率を1年で8割に」https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11
「DARPA5か年計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-11-1

トランプ大統領の暴走?
「宇宙軍創設を訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「比大統領とは関係が良い?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-2
「DCで軍事パレードをご希望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10-1
「NSS国家安全保障戦略を発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23-1
「性同一性障害者を米軍は受け入れない宣言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-28-2
「EMALSはだめ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13

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いよいよ米国がINF全廃条約離脱! [安全保障全般]

20日、トランプ大統領がアッサリ発表!
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6300724
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ボルトンだけでなくマティス長官も・・・
22日の週にも通告か?
西側を分断するロシアの高等戦略か?

SSC-X-8.jpg19日付Defense-Newsは、ロシアがINF全廃条約に違反して欧州正面に巡航ミサイルを配備していることに関し数年前から続く米国によるロシア説得も効果がない今、米国が同条約破棄に向かっていると報じ、10月初旬のNATO国防相会議で本件を取り上げたマティス国防長官が、NATOの意見を米国に持ち帰って決断に向けた米国内協議に入ったと伝えています

何度も取り上げた同条約ですが、
INF-USRU.jpg1987年12月8日、当時のレーガン大統領とゴルバチョフ首相によって署名された同条約は、相互に射程500kmから5500kmの地上発射弾道ミサイルの廃棄と保有禁止を約束するもの。
●翌年6月1日に施行され、米側はGLCMとPershing IIミサイルを、ソ連側はSS-20中距離弾道ミサイル等を両国総計2689発廃棄することに合意した・・・ものです

細部は→INF条約の経緯とこれまでを解説
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15

プーチン大統領は「周辺国のほとんどが中距離ミサイルを開発配備に着手している」、「同条約の在り方は、控えめに言っても議論の対象だ」と、自らを正当化するような発言をしており、違反を隠そうともしていない様子です

ロシアが2017年になって欧州正面のロシア領内に配備したのは、「SSC-X-8:9M729」と呼ばれていた最大射程3400km程度の巡航ミサイルで、米国はオバマ政権時代からこの違反を取り上げ、NATOとしても昨年12月にロシアに警告を送っていたところです

SSC-X-8 2.jpg一方でこれまでの米国の姿勢は、全てのオプションを検討するも、「同条約の規約を露に遵守させられないようであれば、他の全ての合意事項の拘束力も弱体化させかねない」との懸念から、「米国は同条約の規定範囲内の手段で、ロシアを同条約の枠内に引き戻し、核戦力の戦略的バランスを維持しなければならない」との考え方がベースになっていました

そのため、米国自身も中距離弾道ミサイル開発に着手するも、配備はしないとの姿勢を打ち出してロシア側の翻意を促そうとしていました。

しかし、当時の太平洋軍司令官だったハリス太平洋軍司令官は「米国が宗教戒律のように守っているINF全廃条約など破棄せよ」と厳しい言葉を発するなど、我慢も限界に近付いてきたようです・・・

そうです中国がグアムや西太平洋の空母を射程に収める弾道ミサイルの精度や能力を高め、拒否戦略を強化する中、米軍は「INF条約宗教戒律」に縛られ、何もできないのですから・・・

19日付Defense-News記事によれば
Bolton.jpg●「The Guardian」と「New York Times」は同時に、John Bolton大統領補佐官がINF条約の破棄を進言し、来週(22日の週)にもロシアに通告する方向だと報じている

●これまで同条約の価値についてあいまいな発言を続けてきたマティス国防長官も、NATO国防相会議を前にした2日、「米国だけが順守し、ロシアが無視している本条約の状況について説明し、どうすべきかについてNATO諸国の意見を聞きたい」
●「そしてNATO諸国の意見を米国に持ち帰り、DCで議論したい。どうなるかわからないが、米議会にも大きな懸念があり、我々がどうすべきか決めなければならない」と語っていた

Mattis8.jpg●そして4日に同長官は、「ロシアは条約順守に戻るべきだ。さもなければ、相手の条約無視に対応しなければならない」、「明確にしておこう。ロシアは堂々と大胆に条約違反行為を行っている。そして我々は時間をかけ、信頼できる同盟国国防相達と状況を議論したのだ」と表現した(最後通牒にも聞こえます・・・)
●米国が発表した核態勢見直しNPRで明らかにした、潜水艦配備(艦艇もか?)の核巡航ミサイル開発も、INF条約の範囲内だが、これらの動きに対応したもののひとつである。

条約破棄への反対論
SS-20.jpg●INF全廃条約を米国が破棄し、欧州に同種兵器を配備することは、中国などの国に対し、地上配備の核搭載巡航ミサイル配備を許容するとのシグナルを発することになる。これは、世界中がINF兵器を配備し、また対抗兵器を準備する新たなフェーズへ突入することを意味する
●また、INF条約破棄とINF兵器配備等巡る議論は、トランプ政権下で亀裂が広がる米国と欧州諸国との溝を更に深めることになり、プーチン政権が外交施策の主軸に置く西側の分断に結果的に寄与することになる
(まんぐーす注・・・日本にとっては、ロシアが極東正面に中距離核ミサイルを配備するという、新たな局面への対処を迫るものとなる)
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歴史を振り返る(デカップリング議論)
Pershing II.jpgソ連が80年代初め、SS-20という中距離ミサイルをソ連の欧州部と極東部に配備した。当時のドイツのシュミット首相が、ソ連がこのミサイルで欧州の諸都市を攻撃した場合、米はNYやDCを犠牲にする覚悟で、米本土からソ連の諸都市を攻撃してくれるのかとの問題提起をして、このSS-20の配備で米と欧州の安全保障がデカプリング(切り離し)されることを問題視した。
●米国は西ドイツの主張などを踏まえ、結局核搭載パーシングーⅡと巡航ミサイルの欧州配備に踏み切った。それを梃子にSS-20の廃棄をソ連に要求した。紆余曲折があったが、中距離核ミサイルをグローバルに全廃する(INF全廃条約)ことで米ソは合意した。

このような欧米の成熟した議論が、トランプ政権下の米国と、またEUを巡り紛糾する今の欧州諸国の間で可能でしょうか・・・?  西側分断を狙ったプーチンの罠にどっぷりはまるのか???

追記(当時の鈴木善幸首相)
●デカップリングが世界の首脳の大きな話題だった当時、能天気にもそんなことに全く関心がなく無知だった鈴木首相が先進国首脳会議に出席し、極東にも配備されているSS-20に関する意見を求められ、「SS-20て何?」と逆質問して世界の笑いものになったとの哀しい歴史・・・

ロシアのINF条約破り
「露の違反ミサイルをTake out」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-06
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

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5つの視点と映像で:米海軍特殊部隊SEALS [Joint・統合参謀本部]

久々の「5 Things You Don’t Know About」シリーズです

SEALS2.jpg5つの視点と映像で軍事関連をご紹介するMilitary.comのオリジナル映像シリーズから海軍特殊部隊SEALSを取り上げます。

米海軍の特殊部隊ですが、その名称はアザラシ(英: seal)に掛けた発声ですが、SEがSEA(海)、AがAIR(空)、LがLAND(陸)と、陸海空のアルファベットの頭文字から取られており、その名の通り陸海空問わずに偵察、監視、不正規戦等の特殊作戦に対応出来る能力を保有し、実際イラクからアフガン、アフリカなど広範に陸上で活動しているようです

WW2で活躍した水中工作部隊を前進とし、現在の形はベトナム戦争時にベトコン掃討を目的として1962年1月に結成されたようです。米軍内にある各種特殊部隊の中で最も歴史のある特殊部隊です

高度な水泳と潜水スキルを持ち、危機的状況で水中に逃げることを得意とするが、パラシュート降下訓練も必須で、空から地上へ、また空から海上への展開能力も備えています。皆さんも名前を一度は耳にしたことがあるであろうSEALsを5つの視点でご紹介です



1 ISSの初代船長はSEALs出身者
ISS(国際宇宙ステーション)の最初の長期宇宙滞在ミッションで、初代の船長を務めた人物はパイロット出身でないSEALs隊員だった
●1984年にパイロットでない初の宇宙飛行士に選抜されたシェパード氏は、数回の宇宙飛行を経験したのち、2000年10月から約1年間のISS滞在クルー3名のリーダーに選ばれ、任務を完遂した
●宇宙飛行士採用の面接で特技を問われ、「ナイフで人を殺すこと」と答えたと伝えられている

2 入隊希望者がSEALsになれる確率は
●入隊希望者は、米軍の中でもっとも過酷とされる基礎水中爆破訓練(Basic Underwater Demolition SEAL:通称BUD/S)を経なければならない。
約6ヶ月の訓練過程を耐えぬくことができるのは入隊志願者の2割程度と言われている。

3 SEALS訓練を開始しても実戦参加には2.5年以上
SEALS3.jpg●上記のBUD/S訓練を通過しても、その後に空挺降下パラシュート訓練、戦闘技術訓練(通信技術や舟艇操縦技術、近接戦闘、狙撃など)、そして寒冷地極地訓練を行う必要があり、その期間は約1.5年である
●これら共通の訓練を終えて前線SEALS部隊に配備されて以降、約1年間の各部隊任務への適合訓練期間を経て、やっと実戦参加のレベルに達したと見なされるのが一般的

4 SEALS兵士は2500名程度
米海軍は約26万人で構成されているが、SEALSは2500名程度で全体の1%以下である
●SEALSは、担当当地域を割り当てられた8つのチームと、SEALSを特殊な方法で輸送する2つのチームで構成される

5 27箇所を打たれても任務完遂のSEALも
●2007年4月、対アルカイダ作戦のためイラクのペルージャで活動していたあるSEALS兵士は、敵の活動拠点である建物の掃討作戦に臨んだ
●伏せて待ち伏せていた敵の攻撃を受け、腕や足に16発、防弾チョッキに11発の銃弾を受けたが、建物カラ艇を排除することに成功、その後救命ヘリで帰還した
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SEALS.jpg中国やロシアとのハイエンド紛争への備えの重要性が叫ばれる中ですが、グレーゾーンでのつばぜり合いが減少するとは考えにくく、特殊部隊への需要が衰えることはないでしょう

むしろ、地上部隊の普通部隊を削減しても、地上部隊の特殊部隊化を推進すべきとの米議会や専門家の声が強くなっている気がします

「ナイフで人を・・」の話題がありましたが、世界の特殊部隊員は、あいさつ代わりにこの手法を互いに披露して盛り上がるそうです・・・。あのアーミテージさんなんかもそうらしいですよ・・・

映像で5つの視点から学ぶ
「A-10攻撃機を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10-1
「米空軍パイロット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-05-1
「カモフラージュ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-16
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05

「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

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米空軍が妨害に強い衛星通信「波形」探求 [米空軍]

何となく好調なようですが・・・

artificial intel.jpg5日付C4ISRnet.comは、米空軍が指揮統制をはじめ作戦運用の生命線とする衛星通信に使用する電波に関し敵からの妨害に強い「waveform:波形」を軍需産業や研究機関と協力して開発し、成果が出ていると報じています

この妨害に強い波形は「PTW:protected tactical waveform」と呼ばれ、米空軍の宇宙ミサイルシステムセンター(SMC)が研究開発を取りまとめているようです

衛星通信は、ISR情報の伝送や無人機の操縦、巡航ミサイルや超超音速兵器への目標情報のアップデート、分散して避難した航空戦力への指揮統制、ミサイル防衛関連の各種情報伝達、長距離移動航空アセットへの指揮統制などなど、空軍にとってだけでも死活的な通信系ですが、米空軍が衛星通信能力を統合運用のために提供しているという点でも責任重大です

事柄の性格上、具体的な話はありませんが、重要な分野なのでご紹介しておきます

5日付C4ISRnet.com記事によれば
satellite.jpg潜在的な敵対国が、米軍事力にとっての衛星通信の重要性を認識し、衛星通信リンク妨害に精力を注いで能力を向上させている。そこで米空軍はPTWを追及して世界中に展開する兵士たちに安全で信頼性の高い通信能力提供に取り組んでいる
軍需産業界に期待するところが大きく、Space Enterprise Consortium (SpEC)と言われる企業団体が国家予算で宇宙関連のプロトタイププロジェクトに挑む体制を作り、これまでに約30億円で16個のプロジェクトが成立している

●このプロジェクトを政府の文書は、「費用対効果が高い保護された衛星通信を、官民両方に、抗たん性が高く、周波数帯域を有効に活用して提供することを狙いとする」と表現している
昨年実施されたB-707を使用してハンスコム空軍基地を中心に行われた2.5時間の飛行試験では、MITやマイター社も加わって、プロジェクトの成果が間もなく実用可能な段階になることを感じさせた

GPS III 2.jpg●飛行試験では、B-707と商用衛星の通信をPTWを用いて行い、その能力が妨害を受けても前線兵士を驚くほど助けるだけでなく、通信自体が探知されにくい特性を備えていることも確認できた。航空機のような移動速度が大きいアセットとの通信が確認できたことが大きい
●この民間企業を巻き込んだ研究の枠組みが今後も機能するかに関し、米空軍関係者は、機能するかではなく、いつどのような成果を生むかに関心があると自信を示した
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具体性のない記事でしたが、PTW開発に、米空軍のSMCの依頼を受けた、Advanced Technology Internationalにマネジメントされた企業連合Space Enterprise Consortium (SpEC)が成果を生みつつある・・・とざっくりご理解いただければ・・・と思います(ほんまかいな?)

space-based 2.jpgまぁしかし、電子戦分野では特にロシアに対し後れを取っているのでは・・・と危惧されている米国が、最先端技術を結集して要素技術で優位を確保しつつある様子は頼もしい限りです

それを運用する米軍人の意識改革は、まだまだこれからも必要なのかもしれませんが・・・。我が国はもちろんですが・・・

被害状況下への備えを訴える
「海兵隊司令官:被害に備えよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-16
「米海軍将軍:妨害対処を徹底する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-21
「空軍OBも被害対処を重視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-1
「被害状況下で訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-23

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謎です・・米空軍5世代機の移動速度アップ [米空軍]

そんなの理論値が計算できたはずでしょ!
ステルスコーティングへの影響配慮だったのか?

F-22Hawaii2.jpg3日、米空軍Operational Energy (SAF/IEN)が米空軍5世代機(F-22とF-35)が長距離移動する際の飛行速度を、実験結果を基に従来よりもアップすると発表し、これによって移動時間を短縮できるとともに、燃料消費量も削減できると宣伝しています

検証実験では、アラスカからハワイまでの長距離移動を6機のF-22で行い、2機の空中給油機KC-10の支援を受けて約5時間の飛行を行い、従来基準より高速で飛行したグループが、飛行時間で10%、燃料消費量で6%削減できたそうです

具体的な飛行速度については、当然ながら発表は触れていませんが、「closer to their maximum-range airspeed」な速度だと説明し、かつ、衝撃波を発生させない速度だと補足説明しています。

また、この発表を伝える米空軍協会web記事は、2017年1月に海兵隊のF-35Bが米本土から岩国に展開した際、250回も空中給油しなければならなかったとの事例も上げ、今回の移動基準速度アップの背景を解説しています

この発表なんか変です! そう思いませんか?
F-22 refuel.jpg航空機の飛行速度毎の燃料消費量は、基本中の基本データとして開発や試験段階から検証され、航空機の性能を示す数値として基本マニュアル等に掲載されます
●そのデータは、様々な飛行高度や大気温度の変化の下で確認されて使用者に提供され、長距離移動の場合はそのデータを基に、相当精密に燃料消費量や飛行時間が予測できるはずです

●もちろん、計画段階で想定していた気象条件と、実際に飛行した際の条件にはずれがあり、完全に飛行計画通りにフライトすることは難しいでしょうがどの飛行速度にすれば燃料効率が良いかは予想可能だと思います。速度が決まれば飛行時間は計算できるので、アラスカーハワイ間の試験の意味が不明です
●空中給油機の飛行性能に配慮して5世代機の飛行速度を抑えていたのかもしれませんが、空中給油機だって戦闘機同様に燃料消費率を計算するぐらいのデータはそろっているはずです

●それと変なのは、6機のF-22と2機のKC-10だけで試験をし、F-35について同様の試験をしないで移動標準速度アップを発表した点にも疑問が残ります
●更に、この発表を空軍司令部内の「Operational Energy (SAF/IEN)」との、作戦運用と関係なさそうな部署が管轄していることも「?」を呼びます

F-35 luke AFB.jpgここからはまんぐーすの邪推ですが・・・・、これまではステルス機の表面の特殊なステルスコーティングへの影響や耐久性の観点から、長距離移動の速度を制限していたが、5世代機データの蓄積の結果問題ないことが証明されたので(又は許容範囲内の影響だと判明したので)、今になって移動速度アップを許可した・・・てな感じではないでしょうか
●又は、海兵隊F-35Bの岩国移動のように、あまりにも空中給油等が煩雑になるので、機体への影響には目をつぶって、移送速度アップを許容する判断をした・・・ではないでしょうか???

●大体、こんなことを米空軍が発表する必要があるのか??? と思います。環境への配慮とか言われると笑っちゃいますが・・・
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以上はあくまで、まんぐーすの邪推です。気になる方は航空自衛隊のF-35関係者にでもご確認ください・・・

パイロットの方やご存知の方のご意見を歓迎いたします

F-22関連の記事
「GAOがF-22活用法を批判」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-2
「F-22アフガンで初出撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25-1
「F-22初飛行20周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-12
「5世代機関リンクの課題に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-24
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02

「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「議会がF-22再生産見積を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-20
「フィリピンにF-22を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16
「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1

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13年ぶりに米陸軍が新兵募集目標未達 [Joint・統合参謀本部]

約1割不足、海空軍と海兵隊は目標達成も

Wiltsie4.jpg9月21日付Military.comは、9月末で区切りとなる2018年度の新兵採用において、米陸軍が2005年以来初めて目標数を達成できなかったと報じ、好調な米国経済を受けた民間企業との人材獲得競争の激化、適性検査通過者の減少、募集活動の困難化などの背景を紹介しています

米陸軍は2018年度の採用数目標として、当初は80000名を掲げ、その後退職者が少なかったため76500名まで目標を下げましたが、最終的には70000名しか採用できず、6500名が未達成となったようです

経済好調で兵士募集が困難になるとの予想の元、米陸軍は約250億円の追加ボーナス支給施策などを打ったようですが、それでも約10%目標に及ばなかったとのことです。
いずれの西側諸国も直面する新規採用困難の話ですので、何ら参考までご紹介しておきます

9月21日付Military.com記事によれば
airborne ope2.jpg●米陸軍の採用業務責任者であるJoe Calloway少将は、数千人の入隊希望者が適性検査や基準を満たすことができず、入隊を断念してもらったと状況を説明した。
●また背景として、米国民の17~24歳の若者でこれら基準を満たすのは約30%と言われている現実を説明し、更に軍隊に興味がある若者は8名の中の1名しかいない厳しい現実も明らかにした

●別の背景として、通常の年度であれば3-5000名程度を採用する採用活動が活発化する卒業式シーズンから9月末までの年度末3か月間に、採用基準を満たさない対象者のために基準を緩和する「waivers制度」を問題視する議会議論があり、基準緩和を控えたことで採用活動の追い込みが出来なかったことも目標未達の原因となっている
麻薬使用歴や非行歴、また健康身体的な問題の審査基準緩和はイラクやアフガン戦争が最盛期だった時期にも行われたが、結果として軍内の規律の乱れや犯罪の増加に繋がったとの見方が米議会では強く、基準緩和が批判の対象となったのである

EW2.jpg入隊希望者やその家族と、軍の募集担当者との接し方も新たな時代を迎えている。従来は軍入隊に関心を持つ若者の情報を得たら、採用担当者はまず電話で接触を図るのが通常だったが、オンライン時代の現代では、「まず電話」手法が歓迎されくなっている
●現在では、募集担当者はまずメールやwebサイト経由で対象者との初度接触を採り、対象者の信頼を得た後に電話や面談等の段階に進む流れが主流となりつつある。

若者層の3割まで減少している基準範囲の対象者に、アプローチする手法にも軍の募集担当者は知恵を絞っている。フェイスブックやツイッターなどのSNSは一般的な手段であるが、更なる手法にも取り組んでいる
最近の試みでは、スポーツ大会やオンラインゲーム大会に募集担当者チームが戦闘服姿で参加し、軍での生活や仕事をアピールするなどを試みており、著名なオンラインゲーム大会で司会役を務め、240万人に約1時間アピールする時間を確保したケースもある

US Army5.jpg陸軍のパラシュートチームを各種イベントに参加させ、陸軍の存在をアピールする手段も一つの手段である。
オンラインの手段の有効性について確たる統計的裏付けがあるわけではないが、募集担当者が若者と接触する機会を得る手段としては有効で不可欠な手段と考えている。まずは会って話をし、軍生活を紹介することが今も昔も重要なステップだからである
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「waivers制度」と言われる、麻薬使用歴や非行歴、また健康身体的な問題の審査基準緩和は、募集担当者のみならず、軍全体にとって永遠の課題でしょう。

US Army.jpg記事は、「waivers制度」の運用について米軍は繰り返し過ちを犯してきたと表現しており、実態としては、わかっちゃいるけど他に選択肢はない・・・が現状でしょう。

身近に国防に携わる人や経験者がいないと、国存立の基盤を支える仕事への認識が薄れ、国家の存在を危うくします。SNSでも、メディアでも、何でも活用する姿勢が必要でしょう

募集難関連の記事
「入れ墨規制緩和へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-12
「市民と軍の分断を埋めること」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「禁じ手:幕僚勤務無しのP募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「サイバー人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03

ロバート・ゲーツ語録86
→徴兵制で冷戦時に米軍は世界最大規模となった。この規模拡大により、当時は多くの有望な若者が軍務の経験をした。1957年にはプリンストン大出身者が4万人軍務に付いており、ハーバード大にも700人規模のROTC制度が→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

ロバート・ゲーツ語録87
→このため、冷戦終了時で全米の学生の約4割が両親や身近な親戚に軍務経験者を有していたが、現在ではその比率は18%に低下、近い将来1割以下になるのは確実である→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

ロバート・ゲーツ語録88
米国の北西部、西海岸や大都市近郊は志願者が減少している。これら地域で大きな基地の閉鎖再編が進んでいることも一因であるが、同時に軍務のような国家の仕事が他人事にと考えられる風潮が背景にある→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

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中国新型ステルス爆撃機H-20初飛行間近? [中国要人・軍事]

様々な想像図が乱れ飛ぶ中・・・

H-20.jpg11日付Defense-Newsが、中国国営紙の英語版「Global Times:環球時報」や8月に中国中央TVで放映されたドキュメンタリー番組を引用しつつ中国空軍が開発を進めている新型長距離ステル戦略爆撃を紹介し、間もなく初飛行もあり得ると報じています

8月のTV番組で初めて「H-20」との名称が明らかになった新型戦略爆撃機は、2016年にMa Xiaotian中国空軍司令官が初めて公式に開発計画を認めたものですが、米国の専門家は1990年代後半から2000年頃から開発は始まっていたと考えているようです

H-20 2.jpg「H-20」で検索してみると、それはもう様々な想像図がネット上に出回っていることがわかりますが、米国の専門家と言われる人も、米軍のB-2爆撃機タイプからB-1爆撃機がステルス形状になったようなタイプまで、様々なイメージを膨らませているようです

結局現時点でもよくわからない・・・状態の様ですが、衛星による偵察活動が一般的な現代に、その姿が謎な新型兵器が存在可能なのか・・・とも思いますが・・久々に中国軍新型爆撃機を取り上げます

11日付Defense-News記事によれば
H-20 4.jpg中国国営紙の英語版「Global Times:環球時報」は、TVドキュメンタリー出演の専門家の発言を紹介し、細部については言及していないが、「H-20新型戦略爆撃機が飛躍的な進歩を遂げつつ行われている」と報じている。
●そして同紙は、H-20の初飛行が間もなく行われるとの中国軍事専門家の発言も紹介している

●一方で中国軍航空戦力を研究しているAndreas Rupprecht氏は、最近の研究報告書の中で、中国軍の航空機開発サイクルからすると、2020年はじめに「H-20」の初飛行が行われるだろうと予想している
●「H-20」爆撃機は「Xi’an Aircraft Company」によって開発され、ステルス形状の「flying-wing design」だとも言われている

H-20 3.jpg●別の報道では、中国軍幹部が、新型爆撃機は空中給油なしで約10トンの弾薬を搭載して第2列島線を超える攻撃能力を持つと発言したと伝えられており、この新爆撃機がハワイを巡航ミサイルの射程距離に収めることができるものと推定されている
●仮にH-20が中国空軍に導入されれば、旧ソ連が開発したTU-16爆撃機のエンジンやアビオニクスを最新式に交換し、長射程巡航ミサイルを装備したH-6K爆撃機(中国海軍が運用)を補完する形に当面はなるだろう
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本当に種々のイメージ図のようなH-20爆撃機が飛行を開始したら、旧式のシルエットのH-6Kの何倍も何十倍も周辺国の恐怖感が増すでしょうイメージ図を見てそのインパクトの大きさをしみじみ感じました

空母遼寧も、SU-27戦闘機も目にしてきましたが、B-2爆撃機のようなステルス爆撃機が登場したら、ちょっと焦りますねぇ・・・正直な印象として・・・

2016年9月中国空軍トップが新型爆撃機開発を表明
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-07

関連の記事
「イメージ映像:中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「仰天:DF-26も空母キラー?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30
「10分野で米軍と中国軍を比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「大幅改良J-20が初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-20

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主要戦闘機の稼働率を1年で8割に戻せ [マティス長官]

民間機の稼働率は高いから学んで来い・・・とか

Mattis8.jpg9日付Defense-Newsは、独自に入手した9月17日付のマティス長官から海空軍と兵たんと人事管理担当次官宛の指示メモを入手し、国防長官が航空戦力の主力であるF-16、FA-18、F-22そしてF-35の稼働率(mission capable rates)を2019年9月末(2019年度末)までに80%以上にするように命じたと報じました

この報道を国防省は10日に認め、また11日に上院軍事委員会で証言したWilson空軍長官は、米空軍は2020年末に稼働率8割を目標に活動を開始していたが、国防長官の指示はこれを1年以上も前倒しすることを求めるものだと証言しています

マティス長官の指示は第1段階として、9月17日から1か月以内の2018年10月15日までに稼働率達成計画の枠組み(effective implementation frameworks)提出を求めており、相当の危機感を持って「まじで」取り組んでいくようです

ちなみに対象4機種の2017年稼働率は・・・
・ F-16C 786機 70%
・ FA-18 546機 約半分
・ F-22  187機 49%
・ F-35A 119機 54%

Defense-Newsと米空軍協会web記事によれば
Mission capable rate1.jpg●CSISのTodd Harrison研究員は、(第4世代機については、)不可能ではないが、実行とその維持は極めて難しいと述べたうえで、裏技ともいえる手段を提起してくれた。
●その手法は、対象4世代機の中でも特に飛行時間が長く老朽化が激しい機体を早期引退させ、現状で稼働率が高い比較的新しい機体を残して「比率」を稼ぐ手法だ。機体20機保有で稼働率6割と、15機保有で8割稼働の部隊の稼働機数は同じとの考え方である

●しかしこの方法がマティス長官の了解を得られるかは「?」であり、第5世代機であるF-22とF-35には適用が不可能だ。
F-22は空軍保有の航空機の中で最も稼働率が低いが、実戦投入が始まった2014年度末には70%あったものが、活動量が増えるにつれ稼働率が低下して50%を切るまでに低下している。機体表面のステルスコーティングの扱いが難しく、通常の整備に時間が必要なことがネックになっているようだ

F-35Aは維持整備体制全体が大きな問題となっており、会計検査院や国防省内からも改善して経費を落とさないと必要機数の調達が困難だと頻繁に警告を受けている
●まず、鳴り物入りで導入された自動兵たん情報システムALISの誤作動や誤アラームが整備員が苦しめており、ALISの故障を診断する「Mad Hatter」なる装置をロッキード社が作成して投入する笑い話のような状態になっている

●また部品不足や調達の混乱、価格の高騰なども解決の見通しが立たず、 国防省、米軍、ロッキード社幹部が口をそろえて最重要課題として取り組むと発言を繰り返している状況で、明るいニュースがない

Mission capabale rate2.jpgマティス長官は民間航空会社の高い稼働率を念頭に、「私は国防省の能力を信じており、既存航空機がさらなる追加能力を発揮するようになると自信を持っている。民間航空会社のような高い稼働率を目指していくことによって
●「稼働率8割を追求する中で、民間企業の迅速性、コスト意識、維持整備要領などを、国防省全体で学ぶことが出来る」と語って期待を示している
●国防長官は9月17日メモのでは、主要4機種だけでなく、他機種へのこの動きを広めることを具体的目標は上げずに求めており、「他の航空アセットにも野心的な目標を掲げて取り組むことを求める」と指示している
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海軍は定期的に稼働率を公表しておらず、海軍作戦部長が夏にぼんやり語った情報で推測しています

F-15C3.jpgしかし海空軍はどうするつもりでしょうか? 兵たんや人事管理担当次官はどうやってサポートするのでしょうか? 民間航空会社に学んで来いとは、何か具体的なイメージがあるのでしょうか?

まぁ、パイロット族に対抗するため、整備員は「外から干渉するなと言わんばかり」の独自世界を作り上げ、長年変わらない整備方式や人員配置に固執し、企業との関係も単純ではない世界だと認識していますが、この指示はどうでしょうか? 予算的な手当の目途があるのでしょうか・・・。それとも危機感か必殺技があるのか・・・

関連の記事
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の3F機の稼働状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-22
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

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中国製無人攻撃機が中東で増殖中 [中国要人・軍事]

それにしても米国製にそっくりです!

CH-4 2.jpg3日付Militarytimesは、最近中東地域で急速に目撃情報が増加中の中国製の無人攻撃機の状況を報じ人道的な観点から米国が攻撃型の輸出を制限する中で、中国がそれなりの性能と低価格を武器に30機以上の無人攻撃機CH-4(MQ-1級)を中東に輸出し、多数の国と同機輸出を交渉中だと伝えています

衛星写真などで目撃されている国として、ヨルダン、イラク、サウジ、UAE、エジプト、パキスタン、更にアフリカのナイジェリアが紹介されており、今年4月にはUAE軍の中国製無人攻撃機がイエメン内に侵入し、イスラム過激派Houthiの車両攻撃に成功したと報じられています

中国の武器輸出は、2008年からの4年間と2013年からの4年間を比較して、約4割伸びているということですが、性能はほどほどで価格が半額以下の中国製無人攻撃機への引き合いは急増しており、現在10か国と更なる輸出を交渉中とのことです。

この状況に米国軍需産業は苛立ちを覚え、議員を巻き込んでトランプ政権に輸出規制緩和を求め、MTCR規制の解釈変更を要求する等の動きに出ており、部分的に緩和する動きもあるようですが、無人機攻撃による民間人への被害増加に伴い、更なる開放は容易ではないようです

3日付Militarytimes記事によれば
CH-4 4.jpg中国製の無人攻撃機の性能について中国の専門家は、「技術的に遜色はなく、マーケットシェアが不足しているだけが問題だ」と豪語しているが、西側IISSの専門家は「中国製は信頼性の観点から課題があり、民間人被害の懸念が拭い去れない」と見ている
●また中国の代表的無人機企業CASC(米国製MQ-1やMQ-9と類似のCH-4、CH-5やRainbowなど製造)の匿名の関係者は、「さすがに米海軍の無人艦載給油機MQ-25Aレベルの技術はない」と語っているが、米空軍の無人機レベルにはあるとも解釈できる

●米国研究機関によると、イエメンでは240回の無人機攻撃が行われ、民間人111名を含む1300名が殺害されている。この統計が米国政府をして無人攻撃機輸出を容易に緩和できない背景にある
●一方で、2018年初頭に衛星がサウジ南部の飛行場で、米国製偵察無人機と並んで、中国製無人攻撃機を確認した。初めて2機種の無人機がイエメンでの紛争に投入が確認された事例となったが、今やイエメンは無人機の実験場となった感がある。そこで中国製が存在感を増しているのだ

CH-4.jpgイエメンで、米国製無人機がアルカイダの活動家を初めて殺害したのが2002年であるが、今やその後を中国製が追いかけているようでもある
2014年以降、CASCはCH-4を約800億円で30機以上サウジやイラク等に提供しており、同機輸出を10か国と交渉中である

中東での中国製無人攻撃機目撃例
・イラク空軍基地で当時の国防相がCH-4を視察の写真公開(2015年10月)
・中国製無人攻撃機が衛星写真で、ヨルダンとパキスタンの空港、エジプトのシナイ半島とリビア国境近くの基地で

UAEの無人地域として知られる南部で3機のWing Loongが衛星写真で(2018年1月)
・イエメン国境近くのサウジの空港で、UAE購入の2機のCH-4がMQ-1と並んで衛星写真で
ナイジェリアがBoko Haram対策で中国製無人攻撃機を使用
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なおMTCRは、米国をはじめとする西側主要国による、「ミサイル技術管理レジーム:Missile Technology Control Regime」で、「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の完成した無人航空機システム」の輸出を兵器技術拡散防止の観点から厳しく縛っているものです。

Wing Loong II.jpg色々な解釈変更や見直し議論が米国内で議論されたようですが、他の西側諸国との共同枠組みであり米国だけで突っ走れず、現在は厳しい監視や確認を条件として、ヨルダンとUAEへの無人攻撃機提供を進める方向にあるようです

お金はあっても人材不足の産油国にとっては、手を出しやすい兵器が無人攻撃機でしょうから、今後も中国製の売り込みは活発化するのでしょう・・・

外務省によるMTCR解説
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mtcr/mtcr.html

米国製無人機輸出緩和の関連
「肩透かし無人機輸出緩和」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「無人機輸出規制の見直し開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04

中国と無人機
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03
「輸出用ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27

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