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2018年10月| 2018年11月 |- ブログトップ

米空軍3回目のハッカーによる脆弱性探査 [米空軍]

Hack the Air Force.jpg2016年4月に当時のカーター国防長官の肝いりで始まったホワイトハッカーを活用したITシステムの脆弱性探しイベントですが、これが各軍種にも広がり、7日から始まった米空軍による3回目の「Hack the Air Force 3.0」は、191か国から参加者を募るこれまで最大の規模になるようです

これまでのイベントを振り返ると
●国防省の「Hack the Pentagon」
---2016年4月 約1か月間 250名が参加し130のバグ発見(費用1700万円)
---2017年2月 約1か月間 精鋭80名が参加 3年契約で4.3億円
初めは公開ネットワークが対象だったが、少しづつ国防省内ネットワークにも対象拡大

●米空軍の「Hack the Air Force」
---2017年8月 米英加豪NZのみから募集
---2017年12月 米英加豪NZに加え、NATO諸国とスウェーデン
---2018年11月 191か国に募集拡大 

7日付米空軍協会web記事によれば
Hack the Air Force2.jpg●7日に始まった「Hack the Air Force 3.0」は11日まで実施され、191か国から参加者を募る国防省史上で最大規模の取り組みとなる
●今回のハッキングの対象となるのは、国防省から米空軍に提供されたソフト(vulnerabilities with Defense Department applications that have been recently migrated to a USAF-owned cloud)で、発見された「バグ」の重大性に応じて報奨金がハッカーに支払われる

昨年行われた同イベントでは、合計約1100万円の報奨金が支払われ、報奨金1件当たりの最高額は約140万円であった。この額は国防省内で行われたすべての同種イベントの中で最高額である
米空軍のCIOで同イベントを監督するWanda Jones-Heath女史は、「このイベントは、米空軍ネットワークに内在する重大な脆弱性を改善しようとする意志を示すものである」と表現している

米空軍は、国防省レベルの「Hack the Pentagon」を運営する「HackerOne」との企業と連携している
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Hack the Air Force3.jpg参加者の募集や選定、ホワイトハッカーによる悪意あるハッキングの防止、ハッキング対象システムの選定など、イベントの運営には技術的にややこしいコツやノウハウが必要な気がしますが、もう一つ重要なのは、発見された脆弱性を直ちに修復することだそうです

そのために米空軍は特別修復チームを待機させ、イベント終了までにすべての脆弱性への対処を終了していることをめざしとの事。サイバーの世界はスピード勝負らしいです

日本でもなんとかならないでしょうか・・・これ。

民間ハッカーにチェックを依頼
「第2回米空軍をハッカーがチェック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「発展版Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-16
「第1弾Hack the ・・成果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「米サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02
「サイバー軍司令官が課題を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-04
「サイバー人材の苦悩:米海兵隊」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31

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輸送コマンドの優先事項に核戦力空輸が [米空軍]

空輸任務部隊の2番目の優先事項とは

Miller2.jpg5日頃、就任して間もない米空軍輸送コマンドの女性司令官Maryanne Miller大将が、空輸給油機協会のシンポジウムで講演し、司令官として重視する6つの優先事項(six priorities)を示しました。

即応態勢維持や中露との戦いを想定した「contested environments」への対応など、司令官として当然と考えられる事項が並ぶ中、まんぐーすが注目したのが「Sustaining an effective nuclear response」 とのタイトルの項目で、更にこの項目が6つの中の2番目に位置づけられたことにも驚かされました。

C-17 US-Au.jpgこれまで、長々とダラダラと「東京の郊外より・・・」を続け、米空軍輸送コマンドについても何度も取り上げ、核戦力維持や運用部隊の問題についても触れてきたつもりですが、空輸部隊と核戦力の関係について考えたこともありませんでした

核兵器だってモノですから、爆撃機やミサイルに搭載され移動するだけでなく、空輸部隊が運搬することも当然あるはずですが、核を持たざる国で生まれ育ち、核戦力を保有して運用やその維持を考えた事もない人間の哀しさで、まんぐーすはそんな当然のことも考えたこともありませんでした

Maryanne Miller司令官は当然のことながら、「Sustaining an effective nuclear response」を詳しく説明したわけではなく、持たざる国の傍観者にはその中身を知る由もないのですが、とりあえず6つの優先事項をご紹介し、想像をたくましくしていただきましょう

7日付米空軍協会web記事によれば
Miller1.jpg●5日、米空軍輸送コマンドは、Maryanne Miller司令官が空輸給油機協会のシンポジウムで講演して明らかにした、司令官として重視する6つの優先事項(six priorities)を整理して公表した
●「米空軍と戦闘コマンドのパワープロジェクションを支援し、輸送力を担う組織をRapid Global Mobility能力の進展にむけ刷新する」との指針の元、以下の6つを優先事項として掲げている

●1. Readiness
---大国間の競争時代に入った今、この争いで競い、抑止し、勝利することに備えるため、組織活動全般の即応体制維持を第一優先とする。
●2. "Sustaining an effective nuclear response"
---想定される対峙国を抑止し、同盟国等に抑止力を確信させるためには、米空軍輸送コマンドの「aerial refueling and nuclear airlift」任務を着実に遂行し、有効な核対応力を維持する必要がある。

C-130J.jpg●3. Mobility operations in contested environments
---将来の戦いにおける基準となるのが「厳しい環境下における輸送任務遂行」である。輸送コマンドの生存性向上が不可欠。宇宙やサイバー空間をはじめとする競争激化により、特に指揮統制の近代化が急務である
●4. Force development
---所属する兵士が最大の資源であり、その才能を最大化して組織力に生かす手法を編み出さねばならない

●5. "Modernization and recapitalization efforts"
---統合戦力の破壊力と優越を維持するため、能力のアップグレードを適時進める。KC-46空中給油機導入が好例で、老朽化が進む給油機部隊をよみがえらせる
●6. Innovation
---バージングループ創設者のRichard Branson氏を迎え、イノベーショのアイディアを競う「Phoenix Spark Tank competition」 を行い、コマンド内の革新的提案活動を活性化させたい。最終選考に残った提案については必ず実行に移すことを約束する
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なぜ、2番目と5番目だけに「” ”」が付いているのかは不明です

ドゴール.jpg核兵器が米ソ間で開発保有され始めた時代、当時フランス大統領であったドゴールが言いました。「核兵器の時代を迎えた今、もしこれを保有しなければ、我々は軍事に関し無知になる」と喝破し、核武装の道へ迷いなく進み始めました。

日本は核兵器を保有しない道を選択しているのですから、「軍事の無知」にならないようにしっかり核兵器を勉強しなければならないのですが、それが容易ではない単純な事実を改めて思い知らされたということをご報告させて頂きます。

9月4日に就任されたばかりのMiller司令官のご経歴などについては、関連記事の一番上の記事をご覧ください

米軍輸送関連の記事
「輸送コマンドに女性司令官誕生」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-12 
「宇宙に物資の事前集積案」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-05
「禁じ手:幕僚無し操縦者募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「民間輸送力依存に危機感」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-03
「給油機後継プラン見直し」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

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イタリア新政権がF-35調達ペースダウンへ [亡国のF-35]

ペナルティーや便宜供与削減が怖くて機数削減できず
選挙前は導入中止まで訴えていたが・・・

F-35 cockpit.jpg今年3月の総選挙で政権交代が起き、F-35が大嫌いな大衆迎合型で国内産業保護重視の2政党による連立政権が6月に誕生したイタリアで新政権がF-35導入ペースをダウンする方向を明らかにしました。

イタリアは、通常型F-35Aを60機、垂直離着陸型のF-35Bを30機の計90機を購入する計画の元、今後5年間は毎年10機ペースで導入する予定でしたが、イタリア連立政権はこれを年5-6機ペースに今後5年間はペースダウンすることで米側と調整を開始したようです

イタリアでは、導入を決定した前政権の時からF-35への疑問が広まり、総選挙前にイタリア工業会の会長が、F-35部品の製造割り当てがイタリア企業に少ない決着となったことを取り上げ、「米国とロッキードに騙された」と声明を出すなど、正直な感情が噴出状態にありました

9日付Defense-News記事によれば
F-35 Itaria.jpg●イタリアの連立政権を組む2党「Five Star Movement」と「League party」は、課税削減と社会福祉予算を確保するため今後5年間について、F-35調達ペースをダウンすると明らかにした
●しかし、調達早期数を削減した場合に課せられる罰金や便宜供与削減を避けるためか、トータルの調達機数削減については言及せず5年後以降に判断を先延ばしする姿勢を示した

●イタリアのElisabetta Trenta国防相は、Defense-Newsに対し「イタリアには欧州諸国と約束した他の支出項目があり、負担を軽くするためにF-35調達ペースを削減することにした。罰則がある機数削減ではなく、細く長くするのだ」と語った
●イタリアは現時点で、10機のF-35Aと1機のF-35Bを受領済で、 各2機と1機の機体は米国内の基地に配備して操縦者養成用に使用されている

●イタリアの新しい連立政権はF-35以外でも、米海軍が中心となって推進している全世界をカバーする音声&データ通信網MUOS(Mobile User Objective System)の基地局を、シシリア島に建設する計画にも住民からの健康影響を懸念する声を受けて難色を示している
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Italy Trenta.jpg予定調達数を削減せず、調達ペースを遅らせる手法は、導入決定を遅らせて時間を稼ごうとしているカナダと似たところがあり、大いに参考にしたいところではありますが、ごり押しトランプ商法の前に、財政危機のイタリアがどれだけ耐えられるか「お手並み拝見」したいところです

「since we have other spending commitments in Europe」との言い訳は、ロシアの脅威に対峙する欧州諸国の対米言い訳の常とう手段として使用可能なのか不明ですが、なかなか考えたセリフかもしれません。

イタリアの以前の国防相には、美魔女風の方もいらっしゃいましたが、Elisabetta Trenta大臣はなかなかタフな印象ですねぇ・・・

イタリア関連の記事
「イタリアに反F-35政権誕生」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「イタリア工業会は米に騙された」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-11
「北極海での通信とMUOS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25-1

カナダ首相がF-35と戦う
「やり直し機種選定開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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折も折、米国が新たな武器輸出促進策発表 [安全保障全般]

来年度予算5%カットで軍需産業からブーイングの中
ならば外国へ売り込めと、輸出促進策を続々と

Pompeo.jpg8日、米国務省が7月に方向性を明らかにしていた新たな通常兵器輸出政策の具体策の概要を公表し輸出制限リスト対象品の削減、担当職員の増員や輸出促進ファイナンス策の創設などが盛り込まれた模様です

武器輸出の促進はトランプ政権誕生以前からの流れですが、トランプ大統領就任後さらに加速し、更に先日の大統領からの「2020年度予算案は今年度予算から5%カットで持ってこい」、「国防省は733ビリオンのつもりだったろうが、700ビリオンで持ってこい」指示で、軍需産業から反発や悲鳴の声が巻き上がっている中での輸出促進策であることに注目です

そんなちまちました政策だけでなく、強烈な「米国製の武器を買え」(例えば日本には、オスプレイやグローバルホークやイージスアショアだけじゃ済まないぞ!)外圧が本丸の輸出促進策だと思うのですが、事実は事実として、ご紹介しておきます

8日付Defense-News記事によれば
Trump Saudi.jpg●トランプ政権の指示を受け、7月に米国務省が方向性を明らかにしていた「CAT: new Conventional Arms Transfer policy」の具体策について、8日、国務省が概要ペーパーを明らかにした
7月の段階では、具体性に欠けると軍需産業界などから批判を浴びたこともあり、国務省関係者は「かねてから一般国民や軍需産業界の皆さんに具体案を示し、ご意見をいただきたいと考えていた」と国務省高官はコメントしている

●国務省高官は新たなCATの主要ポイントについて以下のように説明した。
まず最初に、国際武器輸出に関する国内規定であるITAR(International Traffic in Arms Regulations)に規程されている輸出管理が厳しい品目リストを削減し、商務省が管轄する迅速な手続き可能な品目リストを増やすことである

また国務省は、鈍重さが軍需産業や輸出先からたびたび指摘されてきた輸出手続き処理にあたる人員の増員を実施する。国務省の「Bureau of Political-Military Affairs」部署に20数名の増員を行う計画を、5か月前から段階的に実施している
Trump Coast-G3.jpg更に国務省は武器輸出を促進するため、「creativeな financing options」を検討する。(これが軍需産業に対して宣伝費等を提供することを意味するのか、諸外国の米国製兵器購入経費を融資することなのかは不明

これらとは別に、国務省では、国家安全保障戦略NSSに基づき、より特定の能力を、より特定の国に選択して輸出を促進する方向も検討されている。このために国務省と国防省が連携を密にし、特に焦点を当てるべき国を選定し、特別な手続きの流れ等で、優先的に必要な能力を提供することも考えられている
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国務省や国防省が協力して見極める特別な配慮が必要な国や地域とは、もちろんロシア脅威におびえる東欧諸国や、イランの脅威が迫る中東同盟国もありましょうが、中国正面の日本がリストから漏れることは無いでしょう

そして特別な手法とは、単純な外圧ではないでしょうか? 

オスプレイやグローバルホークの「二の舞」にならないことを、心から祈念する次第です。

武器輸出関連の記事
「今年前半で昨年の兵器輸出額越え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-1
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「トランプが武器輸出促進ツイート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-06
「無人機輸出方針は期待外れ?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3

来年度予算カット宣言
「トランプが次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「国防副長官も認める」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27

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中国航空ショーでのJ-20を評価する [中国要人・軍事]

J-20 sea.jpg6日から開催された「Zhuhai air show:第13回中国国際航空宇宙博覧会」で、中国空軍の戦闘機が相次いてデモ飛行を行い、その様子をスラストベクター付きの中国国産エンジンや機体のステルス処理と絡めて7日付Defense-Newsが取り上げていますので、マニアの皆様向けには情報不足ですがご紹介いたします。

記事が取り上げているのは、中国初のステルス戦闘機?と言われる「J-20」と、イスラエルのラビ戦闘機の技術者を招いて中国国産機として開発したといわれる「J-10」戦闘機が、スラストベクター付き国産エンジンWS-10B3を初めてのテスト搭載した飛行で、J-20にこの国産エンジンが搭載される可能性を記事が探っています。

読者の皆さんであれば既にお感じでしょうが、米国の次世代制空機PCA検討では、制空機の脅威であるAAMやSAM能力が飛躍的に高まり、多少制空機側の機動性や旋回性能が高まっても脅威から逃れられない・・・との見積もりもあるようですから、何のための「スラストベクターか?」との根本的な疑問がありますが、中国軍需産業の状況を見る機会ですので取り上げます

7日付Defense-News記事によれば
J-20-1.jpg6日から11日まで広東省珠海で開催された同航空宇宙ショーで、J-10Bがスラストベクター付きの国産エンジンWS-10B3を搭載してデモ飛行を行い、その優れた機動性や低速での着陸を披露した
●特別なエンジンを搭載したこの機体が確認されたのは、今年初めにCAC工場で目撃されて以来である

●英国の専門家は、同エンジンを搭載したJ-10Bの機動性は、明らかに空力特性から得られるもの以上を示していた、と所見を述べている
●一方で同専門家は、大部分の西側空軍は既に、最新の格闘戦用のミサイルの機動性進歩を見据え、エンジンにスラストベクター機能を付加することによる重量増、機構の複雑化(整備性低下)、コストアップ等を総合的に勘案し、スラストベクター開発を終了していると付け加えた

しかしながら中国ではJ-20前方にあるカナード翼を補うため、スラストベクター付きエンジンを搭載するオプションがあるともいわれている。またカナード翼がJ-20にとって重要な前方からのステルス性を阻害するため、カナード翼を取り除くためにスラストベクターエンジンが必要だとの見方もある
●また同専門家は、現在のJ-20のエンジン(ロシア製AL-31)より、WS-10B3の方がステルス性が高そうだ、とも分析している

J-20 cere.jpg●J-20開発のチーフエンジニアは、(J-20への同エンジン搭載に関する)中国メディアからの質問に対し、はぐらかすように「まだ試してみてもないことが分かるはずがない」と述べるにとどまった
しかし実際には、同エンジン搭載のJ-20が既に飛行を行い、スラストベクター型の同エンジンでも試験を行っているとのうわさが広まっている

エンジン以外でJ-20が注目を集めたのは(高解像度写真で)、中国空軍が既に運用している低ペース生産モデルで、「急速な質の改善」が確認できたことである。例えば、以前と比較して、機体表面のステルス処理や機体全体の端末処理(mold-line)が進歩していることである
●ただ英国の専門家はこれに関しても、F-22やF-35レベルの電波反射率低減を確保するまでには、まだかなりの道のりがあると指摘している

●例えば、引き続き、機体に多くの外装アタッチメントが確認でき、また光学ターゲティングシステムやエンジンノズルもステルス性に配慮が見られないと評価している
●なお、J-20は今回も地上での機体展示はなく、4機が近傍の空軍基地から飛来して飛行姿を見せたのみであった
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中国製の兵器のすべてがそうではないでしょうが、J-20への評価は厳しいようです。

J-20groundgrew.jpgでも、しっかりと飛行でき、それなりのステルス性を持ち、対地攻撃用の長射程ミサイルを搭載できれば、十二分に脅威です。

2代前の航空自衛隊のトップ(戦闘機パイロット)が、数年前に、「次の戦闘機に求める性能等は?」と問われ、「スラストベクターなど・・」と答えて笑いものになったのは記憶に新しいところですが、そのころ西側諸国には既に、同機能を重要だと考えている人はいなかったということです。そんなレベルなんです・・・

これまでのJ-20経緯を簡単に整理すると
---2011年に初飛行
---2016年11月、Zhuhai航空ショーで初公開
---2017年7月、人民解放軍90周年記念日に軍事パレード初参加
---2017年11月、中国空軍演習「Red Sword 2017」で重要な任務を果たす
---2018年2月、中国空軍報道官が「戦闘任務に入った」発言

J-20関連の記事
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

米空軍の次世代制空機検討PCA
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28 

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米サイバー戦略がもたらすもの [サイバーと宇宙]

米国内での調整が不十分だと不安視する見方がある中

Trump cyber3.jpg1日付.fifthdomainが、9月末に出た米国のサイバー戦略に関し、サイバー関連情報サイト主催のイベントで有識者たちが語った内容を取り上げつつ、同戦略が攻撃的なサイバー作戦を重視していることから注目されるサイバー攻撃犯特定と必要とされる新たな手法や、議会の動きについて報じています

犯人特定といっても決して簡単なことではなく、膨大な労力が必要なことや、一方で攻撃的な活動を試行する中で必要なチェック機能整備が進んでいないことなど、勇猛果敢だが支離滅裂(どこかで聞いたことがあるフレーズ)な感があるトランプ政権のサイバー戦略発表後の動きを、断片的ながら色々な側面からとらえようとしています

1日付.fifthdomain記事によれば
Cyber-new2.jpgホワイトハウスとペンタゴンからサイバー戦略を発表したことによる「突風」は、一連のサイバー関連の道具や戦術を必要とすると、CyberCon conferenceに参加した政府関係者や専門家は語った
●政権のサイバー戦略はより攻撃的なサイバー作戦を約束するものだったが、そのためには米国は、犯人特定能力を上げ、更にそのために情報収集能力を強化しなければならないと専門家たちは口をそろえた

NSAのサイバー対処作戦リーダーは、同戦略がもたらした最も大きな変化は、犯人特定を重視していることだと語った。

●またシンクタンクのサイバー専門家は、諸外国のハッカー摘発は、他国からのサイバー攻撃を抑止することにつながるとその効用を説明した
●そして犯人摘発が犯人逮捕につなげることは容易ではないが、無秩序なサイバー空間に一定の規範を生み出すことの意義は小さくないと語った

●別の専門家は一方で、犯人特定は一般に考えられているよりはるかに複雑なプロセスで、これを追求していくには、官民一体となって新たな手法や道具を生み出す必要があると訴え、
●「高い精度で犯人特定を行うために必要な情報や基礎資料の量を考えると、それはうんざりするほどのものになる」と現状を表現した

Cyber-new.jpg●また同戦略は、犯人特定より更に一歩進んで「defending forward」、つまり敵がサイバー攻撃作戦を仕掛ける前にその動きを察知することを追求している。そしてこのためにも、何らかの新たな手法や道具が必要になると専門家は語った
●この戦略に対する米議会の動きであるが、米議会の議員は四半期に一度、国防省から攻撃的なサイバー作戦について報告を受けている

●しかし、議会にはトランプ大統領のサイバー作戦に関する権限を制限しようとの動きはほとんどない。むしろ複数の議員たちは、より拡大したサイバー作戦を支持し、サイバー作戦の監視や制限についてはそれほど熱心ではない

●このように同戦略が新たなサイバー作戦の時代を開いたように見え、新たな手法や道具を求めているように思えるが、一方で複数の専門家が、結局はデジタル時代の作戦を支えるのは人間の力だと強調し
●「技術は重要である。しかし、以前の戦略であれ、今回の戦略であれ、さらに将来の戦略であれ、最も重要なのはそれを支える人なのだ」と強調した
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Trump cyber.jpg米国のサイバー戦略が公表された際にスルーしていたので、断片的ながら関連記事で、間接的に取り上げさせていただきました

サイバードメインで、攻撃を重視し、そのために犯人特定を重んじ、そのための情報収集や技術開発に取り組むとの方向性の様です

この方向性は結構リスクを伴うと考えられますが、議会の雰囲気は行政の動きを制約する方向にはなく、「もっとやれ」的な方向にあるようです。あまりにも断片的な記事のご紹介で注意が必要ですが、この話題をフォローする視点としてご活用ください

現物:National Cyber Strategy
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2018/09/National-Cyber-Strategy.pdf#search=%27National+Cyber+Strategy%27

米国防省のサイバー戦略 →https://media.defense.gov/2018/Sep/18/2002041658/-1/-1/1/CYBER_STRATEGY_SUMMARY_FINAL.PDF

サイバーと兵器管理
「サイバー懸念で市販UAV使用禁止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-07-1
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
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米国防省の秘密情報予算が急増中 [Joint・統合参謀本部]

NSSが言う「great power competition」対策か

intelligence milit5.jpg10月31日付米空軍協会web記事が、米国防省の軍事情報予算(classified intelligence programsとかblack programs呼ばれる)が911同時多発テロでイスラム過激派への情報活動が一挙に活発化した2011年以来の規模になりつつあると報じています

9月末には発表された米国と国防省のサイバー戦略でも、米国や米軍にサイバー攻撃を仕掛けた犯人特定と、それに基づく対処を重視する姿勢を強調しており、結果として犯人特定のための膨大な関連情報入手が必要になります

intelligence milit.jpgなんと言っても新しい国家安全保障戦略NSS(National Security Strategy)が大国間の争い(great power competition)への対応を重視する時代ですから、宇宙ドメインで言えば怪しげな動きを見せるロシア衛星の追跡、中国やロシアによる超超音速兵器の開発状況に留まらず、あらゆる新型兵器開発や部隊展開状況、演習訓練の状況など、情報活動の範囲は拡大の一途なのでしょう

金額だけの紹介で、重視分野や新たな情報技術開発プログラムなどには触れておらず残念ですが、秘密で当然の軍事情報予算(classified intelligence programs又はblack programs)ですから致し方ないでしょう。

10月31日付米空軍協会web記事によれば
intelligence milit3.jpg●米国の2018予算年度での細部が秘密の軍事情報予算が、2017年度予算から4000億円以上増加し、2.4兆円以上となった。
この規模は、当初予算計画から1500億円以上追加された数字で、かつ、同時多発テロで戦時体制に突入した2011年の2.7兆円規模に迫る急増ぶりである

●また特筆すべきは、もし追加で予算が認められたら追加したい項目「unfunded priorities」の計1600億円リストのトップに、これまで常連だったF-35戦闘機などの装備品でなく、軍事情報予算が900億円規模で掲載されていることである
●10月22日の週にダンフォード統合参謀本部議長が記者団に、「我が国の安全保障上の優越は、時間の経過とともに浸食され失われつつあり、対応が求められている」と訴えていたところである

intelligence milit2.jpg●同議長はその際、戦いの様相は急激に変化しており、将来の戦いは地域やドメインやまたぐもので、複数の地域戦闘コマンドの領域を巻き込むものとなるであろうと語り、その変化に対応するために米軍も変化し続けなければならないと述べた

●そしてダンフォード大将は、私が海兵隊に入隊した1977年当時の装備は、恐らくWW2を戦った兵士にも馴染みのあるものだったに違いないが、今少尉に任官する若手士官が目にする部隊の戦術や手順は、2000年当時の同部隊が用いていたものとは全く違うだろう
過去16-17年間で変化しなかったものは無いと言える、と同議長は記者団に語っている
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細部については不明ですが、それでも本気さを感じるのは、もし追加で予算が認められたら追加したい項目リスト「unfunded priorities list」のトップに、これまで常連だった戦闘機などの装備品でなく、軍事情報予算がリストアップされていることです

トランプ政権の2020年度予算5%カット指示が、どのような影響を軍事情報予算に影響するのか気になるところですが老朽化する装備品の維持や新規装備開発とのバランスをどうするかは、この予算の位置づけを見るバロメータとなるでしょう

今後、小出しに、また断片的にこの軍事情報予算が語られる事もあるでしょうから、その時の参考になればとご紹介しました

情報活動関連の記事
「サイバー予算の9割は攻撃用?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「米空軍ISRロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-3
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1
「DIA長官がNKと中国を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21

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朝鮮半島統一へのシナリオを考える [安全保障全般]

北朝鮮指導層に統一によるメリット提供を・・とか言うか?

Korea-China2.jpg10月31日、RAND研究所のBruce W. Bennett氏が「Alternative Paths to Korean Unification」とのレポートを発表し、北朝鮮の首領様とトランプ大統領のパフォーマンス勝負に振り回されている感のある現状から少し身を引き、朝鮮半島の統一による安定を目指す道筋の課題や政策提言を行っています

驚くほど斬新なアイディアや提案があるわけではありませんが、御用研究所であるRANDの見方として、現状を確認する意味でも、またどうしようもない韓国政府の「徴兵工」問題への対応にうんざりした皆様が朝鮮半島問題から目を背けないようにとの思いも込め、取り上げます

RANDの同レポート紹介webページによれば
RAND AF.jpg●一般に朝鮮半島統一と言えば、韓国が現在の北朝鮮領域も統治するイメージだが、そこへ導く道筋にはいくつもの不確実性が横たわっており、自然とその方向に進むとは到底考えにくい
●レポートでは、大規模紛争、北朝鮮体制崩壊、平和的移行などの流れを想定しつつ、様々な可能性や道筋を吟味し、想定しうるベストな道筋として、現在の北朝鮮レジームの崩壊、後継政権とのネゴによる時間をかけた統一、そしてそこにつながる提言を行っている

●金正恩は自身が明確な勝利を得られないような半島統一を支持するとは考えにくい。韓国大統領は統一に向けた妥協を少しは考えているかもしれないが、双方に利益があるような統一に向けたアクションは取っていない
平和的な統一への動きを期待することは無理で、北朝鮮が外部から隔離され、独裁を維持するために管理されている現状からすれば、混乱を引き起こす可能性が高い。その元凶は金一族の存在である

N-Korea2.jpg金正恩体制崩壊後に平和的な統一を目指す方向が最も可能性が高いと考えられる。このために韓国は、北朝鮮の指導者層に統一後の「friendly outcome」を提供する施策を準備する必要がある
●韓国の専門家の多くは、唯一の安定的な統一への道は、北朝鮮の体制変更後に続く新たな北政権との、段階的で強力的な平和的前進だと考えている
北朝鮮の大量破壊兵器と、中国の干渉や介入が、朝鮮半島統一に向けた最大の障害である

検討を進めるべき政策
●韓国は統一のために大規模な武力紛争を用いることは避けるべき。北朝鮮政権が崩壊したとしても、その被害やコストは甚大となる
Trump Coast-G2.jpg現在の北朝鮮指導層に統一による見返りを与える政策を考える必要があるこれにより初期の統一を強固にし、統一後を安定したものとできる

米国と韓国は、北朝鮮が統一の主導を執る様な環境になることを阻止しなければならない。特に、北朝鮮内での金正恩の神の様な位置づけを払しょくし、韓国内での金正恩の平和の使者のようなイメージを変えなければならない
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このレポートを完成するには、北朝鮮政権の変更への道筋も盛り組む必要があると思いますが、非公然工作の域でしょうから言及するのは難しいのでしょう

KoreaNC2.jpgでも、金正恩がトップに登場する直前には、不満分子がクーデターだとか、米国が支援して誰々を中心とする政権に転換するとか・・・・もっともらしく語る「専門家」もたくさんいましたが、だれも予想できませんでしたから・・・金正恩の残忍で強力なパワーを・・・

でも何となく、米国が緒戦で大量の精密誘導兵器を投入して北の指揮統制を分断すれば、あっさり北はバラバラになるような気もしますが・・・リスクありすぎですが・・・東京の郊外に住む身としては・・・

朝鮮半島の戦いを考えるとき
「朝鮮半島の戦争は汚い戦争に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10
「地上部隊投入が不可避」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-07
「世界の核兵器動向」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-20

抑止の将来
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

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カナダの仕切り直し戦闘機選定 [安全保障全般]

ベルギーが34機のF-35購入を公式発表(13番目の購入国)する中ですが・・・がんばれ!

CF-18.jpg10月30日、カナダ政府は老朽化が進み必要な機数が維持できなくなっているCF-18戦闘機の後継機選定に関し、提案要求書の案を発表し、年末までに質問や意見を求めると明らかにしました。

また、年末までに寄せられて意見等を基に修正した最終的な提案要求書に対する提案を、2019年5月を目途に要請するとの計画を示しました。

紆余曲折のカナダCF-18後継機選定
Trudeau2.jpg●カナダ空軍はCF-18戦闘機を138機所有しているが、30年以上の使用で機体寿命に達しつつあり、ほどなく77機程度まで使用可能機数が減少することになる
●カナダはその後継を想定して米国主導のF-35共同開発国に加わり、60機購入を計画していたが、2015年にトルドー政権はF-35計画への不信感をあらわにし、F-35購入を少なくとも5年は延期し、白紙的に検討すると発表

●一方で老朽CF-18の穴埋めとして、ボーイング製FA-18の購入を検討し始めたが、ボーイング社がカナダのボンバルディア社を旅客機のダンピングで訴えたことから米カナダ関係が悪化し、FA-18の購入検討を中止し、中古の豪州空軍FA-18を25機購入を協議中。2018年9月、製造元米国も承認することを表明
●旅客機ダンピング問題は、2018年1月に米国の調停機関がボーイングの訴えを却下して決着したが、トランプ政権の強引な米国製品売り込みの失敗例として、またNAFTAを巡ってぎくしゃくする米カナダ関係の悪化を象徴する事象として大きな話題

●CF-18減耗のつなぎ問題は別として、本格的な後継機選定を2018年からカナダ国防省が再開し、F-35、タイフーン、ラファール、グリペン、FA-18E/Fを対象として選定作業が開始していたところ

機種選定へのカナダ政府の姿勢
F-18.jpg●カナダ政府は今回の機種選定に関し、カナダ軍需産業界の利益が保証されることや、勝者企業からの便宜供与などを求めると明らかにしている
●ただしF-35が選ばれた場合はこの要求の実現は難しい。カナダはF-35共同開発国として1000億円の投資を行い、110社のカナダ企業が備品供給や維持整備に関与する資格を得ているが、今後の維持関連業務は費用対効果で定期的に見直されることから、いつ除外されてもおかしくない不安定なものである

●カナダ政府は、今回の戦闘機選定を「once-in-a-generation opportunity for the Canadian economy」と見なし、産業政策の重要な柱と見ている
●一方で、産業活性化は「市場主導アプローチで」、「各企業が判断して意味ある投資を」とも呼び掛けている
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Sajjan Canada.jpgベルギーがF-16の後継として34機のF-35A購入を正式決定し、13番目のF-35購入国になったということですが、カナダはどうするのでしょうか・・・・

米国との関係が今どうなっているかよく承知していませんが、イケメンのトルドー首相には、シーク教徒であるターバンを巻いたカナダ国防相とともに、踏ん張っていただきたいものです

米国とカナダの航空戦争
「カナダに軍配:旅客機紛争」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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再び米国務省高官がロシア衛星の怪しい行動を [米国防省高官]

再び声を上げた米政府の女性役人・・・

Poblete.jpg10月23日、米国務省のYleem Poblete軍縮担当次官補が8月のジュネーブでの軍縮会議に続いて再び公の場である国連の場で、衛星兵器の疑いが強いロシアの衛星について訴えました。

INF全廃条約の破棄を巡る米露や中国を巻き込んだ応酬が続く一方で、同条約が結ばれた1987年当時とは時代背景は大きく変わり、ロシアの大型爆撃機が巡航ミサイルを搭載し、中国にも地上及び空中発射のアセットが拡散、防御にもミサイル防衛システム導入が始まった現代では、何が論点なのか頭が回りません

しかしサイバーや宇宙が新たなドメインとして、複雑で新たな脅威を呈していることは間違いありません。そん今だからこそ、INF問題に振り回されている感がある時だからこそ、ロシアはこんなところでも抜け目なくやっていることを訴えたかったのでしょうか・・・

基礎知識がないまんぐーすには、ロシア衛星の動きの特異さやその脅威がピンときませんがいつか大きな注目を浴びる可能性が高いので、Take Noteしておきます

26日付米空軍協会web記事によれば
space aware2.jpg●23日にニューヨークの国連本部で行われた宇宙に関するセッションで、米国務省のPoblete軍縮担当次官補が、約1年前にロシアが打ち上げた奇妙な動きをする衛星を再び問題視し、「かつてない奇妙な動きを」と訴えた
●これは、8月にジュネーブの軍縮会議で同次官補が訴えたと内容と同一のもので、その主張は一貫している

●「我々はそれが何であるかをしっかり把握していないし、それを証明する方法もない」と語った
●また、ロシアの意図するところは不明だが、ロシアが宇宙対応部隊に新兵器を導入したと明らかにし、戦闘レーザーシステムを宇宙部隊に提供したとも主張し、更に航空機から発射して米国の衛星を破壊するミサイルを開発中とも述べているロシア声明の重要性を同次官補は改めて訴えた

8月14日にもジュネーブで同次官補は
Space Fence1.jpg2017年10月にロシア側が偵察衛星と称している複数の衛星が見せ動きを「予期された行動は異なる行動」や「very troubling development」と表現して懸念を表明した
●また「その行動が何を意味しているのか実証する手段を有しない」としつつも、「ロシア宇宙軍司令官の主張と比較しても、それら衛星行動の意図不明で疑念を招く動きだ」と非難した

●更にロシアが衛星破壊のための対衛星兵器を準備しているとの懸念を強調し、「プーチン大統領が世界に向け3月1日に発表したように、最近ロシア国防省は移動式レーザーシステムを受領したと明らかにしたが、ロシア指導者は宇宙兵器を政治的にも軍事的にも既成事実化しようとしている」と警鐘を鳴らした
●そして、昨年10月のロシア衛星の特異な行動の目的は不明だとしつつも、米国関係者は、ロシア宇宙軍による新型兵器の宇宙配備重視の方針との関連で警戒ししているとも表現した
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これ以上はご説明のしようもないのですが、不気味です。

ロシアや中国はやりたい放題ですから、既に宇宙でも・・・かもしれません・・・

米国務省高官が怪しげな露衛星を指摘
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15 

同次官補の国連での発言とトランスクリプト
https://www.state.gov/t/avc/rls/286845.htm 

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来年の米韓演習有無を12月1日までに決定 [安全保障全般]

中間選挙が終わるまでは静かに・・・か?

US Korea 3.jpg10月31日、ペンタゴンでマティス国防長官と韓国のJeong Kyeong-doo国防相の会談が行われ、今年春に実施されたKey Resolve演習以降中断されている「大規模な」米韓合同演習を2019年どうするかについて、今年12月1日までに決定すると会談後発表されました。

秋に予定されていたVigilant Ace演習が中止され、本当は山ほどトランプ大統領に文句を言いたい米国防省と米軍幹部だと思いますが、極めて政治的な背景のある演習中止であるため、いろいろ工夫すれば何とか能力維持はできる・・・とのスタンスで語っています

両国防相の会見の雰囲気からは、12月1日に来年も大規模演習中止し、代わりに●●や○○を実施し、能力や即応態勢を維持するとの発表がありそうな予感がしますが、とりあえずフォローいたします

10月31日付米空軍協会web記事によれば
US Korea 2.jpg●両国防相の会談後の発表は、Vigilant Ace演習を含むいくつかの重要な演習が中止され、来年の予定について関心が高まっていた中で行われた
●4月のKey Resolve演習以降の演習中止がなければ、年間大小合わせて30回以上行われてきた米韓合同演習の中止は、両国間の軍事同盟にとって大きな変化であるはずだ

●ただ両国防相は、全体として外交的努力と朝鮮半島の非核化に向けた取り組みが中心となっている中でも、即応体制の維持にコミットしていると繰り返し述べた。
●韓国国防相は、「最初に述べておくが、米韓合同演習は大小合わせて年中行われており、その一部が現在中止になっているに過ぎない」と強調した

●またマティス長官も、「両国はこの演習関連の課題に緊密に取り組んでいる」、「韓国国防相が述べたように、演習の一部が中断されているだけで、全ての共同演習を止めたわけではない。従って今の段階で戦闘能力の損失を懸念していることはない」と語った
US Korea.jpg●更に同長官は最近の大規模演習の中止を、外交的な交渉による事態進展を信じての一時的な措置であり、将来の状況によっては事態に適応する必要があると強調した

●韓国国防相は、「大規模演習中止の影響を緩和するため、即応態勢や能力の穴を作らないよう、「combined staff training」等を検討していると説明した
Dunford統合参謀本部議長も、先週ペンタゴンで韓国参謀総長と会談し、以下の即応体制を維持するかを協議している。

●マティス長官は最後に、「両国は韓国民とその自由を守る事を真剣に考えてきた長い歴史を共有している。両国軍はプロ意識の高い人材の集団である。演習中止の影響を緩和する対策について耳にされたと思うが、アセスメントを通じ、可能だと考えている。スタッフ演習などで侵略抑止能力を失うことはないと確信している」と述べた
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個人的に思うのは大規模な演習中止で損なわれるのは、将軍クラスの部隊運用能力と若手士官以下の現場力だと思います
中小の演習で鍛えられるのは中堅から大佐クラスの士官で、将軍クラスは中小演習ではやることが実質なく、演習計画に承認するだけで、将軍自身の能力向上にはつながりません

JKU1.jpgまた大規模な米韓演習では、兵たん面での動きが大きく、不断日の当たらない戦闘職域以外の若手士官以下の兵士を含めた部隊全体が汗をかき、貴重な経験を積むことになります。
戦闘職域でも、大規模になればなるほど、相手と深く準備や協議を行う必要があり、両国間の特に前線若手士官や兵士が鍛えられます

Dunford議長など、先週の韓国軍トップとの会談の後、即応態勢を言いするのは容易ではないと漏らしており、米軍トップとして、在韓米軍の命を預かる軍人トップとして精一杯の反発でしょう。

大規模演習でない、何か有効なアイディアが出るでしょうか? 「combined staff training」の意味することろが謎ですが・・・

関連の記事
「在韓米軍司令部70㎞南下」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08
「あの38 NorthがStimsonへ移籍」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-2
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

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台湾F-16A/B型の台湾改修機ようやく納入 [安全保障全般]

台湾が熱望したC/D型は購入できませんでしたが・・・

F-16V Block 70.jpg22日付Defense-Newsが、台湾国内で改修が行われてF-16A/Bからアップグレードされた台湾空軍F-16Vの初号機が19日に引き渡されたようです。

台湾空軍は、国産戦闘機IDFを126機、146機のF-16A/Bs、56機のMirage 2000s、そして約60機のF-5E/F Tigersを保有していますが、オバマ政権時の2012年にMirageとF-5の後継にF-16C/D型を約60機購入を希望したものの、中国の露骨な反対や米国の配慮によりかなわず、146機のF-16A/B改修で落ち着いた「哀しい歴史」があります

維持が難しくなっている56機のMirage 2000と45機のF-5は、2020年までに引退する方向で、これらの後継機はなく、台湾空軍の戦闘機数は現在の373機から272機に減少する事になります。

F-16V Block 70 2.jpg146機の台湾空軍F-16A/Bのうち、既に米国内のLockheed Martin工場で2機が最初に改修されており、今回台湾港内で改修されたものは「初号機」とはなりませんが、 色々トラブルの末、ようやく完成した模様です

中国と近接し、中国の1000発以上の短距離弾道ミサイルや大量の作戦機に直面する台湾にとって、戦闘機の役割や重要性は極めて微妙だと思うのですが最新鋭の兵器を中国への配慮から提供しない米国の姿勢は、トランプ政権になっても変化が見られません

武器輸出優先でも、中国にかつてない関税を吹っかけても、台湾への資背に大きな変化があったとは耳にしません。こんなところは専門家の方に伺ってみたいものです・・・

22日付Defense-News記事によれば
F-16V Block 70 3.jpg●台湾国内で改修を行うAIDC(Aerospace Industrial Development Corporation)に、台湾空軍の4機のF-16A/Bが搬入されたのは2年も前だが、ソフトウェアの問題が発生し、最初の1機がF-16V Block 70 へ改修されるのが遅れていた
残り3機の改修は年末までに完成し、台湾空軍に引き渡される予定である。そして今後、毎年24機ペースで約140機の台湾空軍F-16A/Bの改修が行われる予定である

今回のF-16V Block 70 への改修で新しくなった主要な部分は
・Northrop Grumman AN/APG-83 Scalable Agile Beam Radar
・electronic warfare suite
・avionics
・integration of new precision-guided weapons

●また台湾と米国は、このF-16V Block 70の全ての整備維持作業を台湾国内で行うための施設整備で合意しており、わざわざ米国へ輸送する手間を省くことができる模様
●このF-16V Block 70は、F-16を60機保有するシンガポール、134機保有する韓国、またバーレーンやギリシャ、またスロバキアにも72機提供する予定である
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約6千億円の改修事業ですが、改修部品がどの企業のどのパーツになるかは米空軍が決定し、レーダー換装費用に関しても、台湾側からの価格交渉は認めない規定になっているようです。

US taiwan.jpg例えば、搭載レーダーはノースロップグラマンとレイセオンで争っていましたが、米空軍は将来自国のF-16改修用レーダーを見据えて台湾用を選定した模様で、価格を下げさせる手段としても用いたと言われています。

冷徹な武器商売の世界の一端ですが、いつも日本を応援してくれる台湾の悲哀を耳にすると、哀しい気持ちにさせられます。

オバマ政権時の決定ですが、トランプ政権が対中国の勢いをかって、何か画期的な兵器を台湾に提供してくれないかと思います。サイバー兵器だとか、EMP兵器だとか、無人機の群れだとか・・・

台湾関連の記事
「米国が売却承認の兵器」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-30
「マティス長官が台湾を公式会議で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「哀愁の台湾F-16能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23
「米は台湾に最新F-16売却するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-23
「台湾空軍の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-14
「米中軍事対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
「ミサイル1600発除去が条件」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-19

台湾軍事戦略に意見する
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

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