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F-35計画室長がブロックⅣとトルコを語る [亡国のF-35]

マティス氏辞任とトランプ訪トルコ発表でトルコ関係に注目が集まる中ですが・・・
トルコ製造のF-35部品844種類に影響か

Winter4.jpg12月20日、米国防省F-35計画室長のMat Winter海軍中将が米空軍協会機関紙のインタビューに答え、「ソフト3F」の次の世代のF-35であるBlock IVでは対艦能力を強化拡大すると語り、また露製SAMS-400購入問題でF-35パートナー継続が危ぶまれるトルコについては、優良な部品供給国だと懸念を示しました

またインタビューでは、日本が現在の42機購入に加え、A型とB型を併せて追加で105機のF-35を購入する事になったことを認め、合計で138機を調達する予定の英国を抜き、米国に続いて2番目にF-35調達機数が多い国(147機)になると語りました

Block IVが対艦攻撃能力を強化すると言いつつ、LRASMよりJSOWが先に求められているとのよくわからない意味深なことも同室長は語っていますが、その背景は不明です

20日付米空軍協会web記事によれば
F-35-Face.jpgソフト3F搭載機までのF-35は4つのコア任務に適応していたが、Block IVでは5つ目の機能として「海上攻撃:maritime strike」を大きく改善し、海洋作戦への対応能力を強化すると同室長は明らかにした
●現在の4つのコア任務とは、「air superiority」、「suppression and destruction of enemy air defenses」、「close air support」、「strategic attack of key targets」であるが、これに5番目の「expanded surface warfare」を加えることになる

●現在のソフト3Fでは、レーダーや他のセンサー機能とソフト処理能力が限定的な海上作戦しか実施できないが、Block IVではこの部分を改善して海洋作戦能力を強化する
●一方で、LRASMやLRASM-ERは現状の計画ではBlock IVの対象には含まれておらず、米海軍はAGM-154 Joint Stand-Off Weapon,(JSOW)をまず要求している。もちろんLRASM等もF-35の内外に搭載可能で、後にBlock IVでも対応可能になると同室長は付け加えた

トルコがパートナー国から抜けたら?
Winter3.jpg●米国防省F-35計画室は、トルコがF-35パートナー国から除外された場合の影響を見積もる役を担っており、11月に国防省全体で見積もった影響見積もりレポートにも分析を提供している
トルコが購入予定の100機、トルコが設置したエンジン修理施設、トルコが製造するF-35部品等の観点から影響を考えると、可能な限りパートナーとして残ってほしいと同中将は述べた

●事実として、トルコで製造されるF-35部品844種類は、高い品質基準を満たすものであり、価格面でも優れており、納期も厳守されている。トルコは、F-35パートナー国の中でも工業的に確立された最高の参加国の一つなのである
トルコが抜けた場合の対応について良く問われるが、トルコに限らず、我々は一般的なリスクマネジメントの一環として、特定の部品供給国等に問題が発生した場合の影響や代替手段を検討している。多様な事態を想定し、関連するすべての国を対象としてリスク分析と対処検討を行っており、トルコに対し特別な作業はしていない
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トルコに関し特別な検討はしていないとは真っ赤な嘘で、その日に備え、あらゆる手を尽くして影響軽減策を検討しているのでしょうが、過去の関係者の発言から、部品不足から半年から1年は生産の遅延や稼働率の低下が発生するのではないかと推測します

North Korea2.jpgそれにしても、マティス国防長官が最後の砦だった「同盟国等との関係」でしたから、同盟国等の米国に対する疑心暗鬼が有無負の側面を懸念せざるを得ません。

しかし、突然トランプ大統領とトルコ大統領の「ディール」の話が出始め、よくわからない状況に・・・

不安な時代に入ります。マティス氏が辞任表明した2018年12月20日(米国時間)をよく覚えておきましょう・・・

トルコと米国関係
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

同盟国関係維持に奔走のマティス長官
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「ロシア製武器購入を許してあげて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「断行されたカタールと2+2」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-01
「苦悩:パキスタン援助を切られて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-08

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国防長官代理はボーイング関連決定できず [米国防省高官]

前ボーイング副社長のShanahan臨時長官は規則で・・・

Shanahan5.jpg12月31日付Defense-Newsは、元旦からマティス前国防長官の臨時の後任として国防長官に就任したPatrick Shanahan前国防副長官について、前ボーイング副社長であった経歴から、ボーイング社の製品関する意思決定に関与することが法制上できないと紹介しています

そして喫緊の問題として、マティス前長官の承認サインをもらう直前まで進んでいたKC-46空中給油機の初号機納入について、どのような事務手続きが必要かを検討する必要があると指摘しています

まぁ・・・思い付きのトランプ人事ですので、このような問題が他にも出て来そうですが、後任の臨時でない正式な国防長官候補と考えられていた人物が、ことごとく「シリアからの米軍撤退反対」を表明し、当分はShanahan臨時長官で乗り切らなければならないトランプ政権にとって、やりにくい事態です

Shahahan.jpgトランプ政権下の国防省人事に関しては、共和・民主党の両方の系列のシンクタンクが「反トランプ」姿勢で大統領選に臨んでいたことから、シンクタンクから国防省主要ポストに入る人材が少なく、軍需産業界から多くの人材が政治任用されました

これには故マケイン議員をはじめ多くの議員が不満で、承認のためのヒアリングを行う上院軍事委員会では、露骨に「もうこれ以上軍需産業出身者はいらない」との声が出ていましたが、ここに来てこんな形で問題が顕在化したところです

12月31日付Defense-News記事によれば
12月20日のブルームバーグは、KC-46給油機の初号機納入に関しては、多くの問題を抱えながらも、その手続きについてマティス国防長官の承認を得る直前まで進められており、昨年12月末までの納期を守る努力が続けられていたと報じていた
●しかし、トランプ大統領が2月末までのマティス長官の業務遂行を認めず、昨年末でクビにしてShanahan臨時長官を据えることにしたことで複雑な問題が生じることになっている

KC-46 Boom.jpg突然の国防長官交代で様々な業務処理が山積する中、前職がボーイング社の重役であったShanahan臨時長官がボーイング関連の手続きに関与できないからである
元々KC-46の称号機納入は2017年8月で、様々な問題発生で後れ、ボーイング社自身が3000億円以上を自己負担する形で今日に至っているが、更なる問題が生じたのである

恐らくマティス氏が行う最終手続きは、Wilson空軍長官かEllen Lord調達担当国防次官が行うことになるのだろうが、重大な不具合を抱えた装備品の承認に関することであり、部下に権限を委譲することが適当なのかとの意見も出る可能性がある
ボーイング側は、年末に初号機引き渡しが行われたかについてもコメントせず、引き続き米空軍や国防省と連携していくとのみ報道官はコメントしている。どうなるのか不透明である
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ボーイングと米国防省の関係は、KC-46以外に航空アセットだけでも、空母艦載無人給油機MC-25、FA-18、F-15X、T-Xなど主要装備が並んでおり、いろいろと気になるところです。

Shanahan2.jpgShanahan臨時長官は軍需産業での経験豊富や有能な人物ではありますが、政治が絡む諸外国との関係に対応できるかというと、先方の信頼感を得るという点からして荷が重いでしょう。

もちろん、今やトランプ政権の閣僚として、同盟国等から信頼を得るのは至難の業と言わざるを得ませんが・・・

Shanahan臨時長官の話題
「辛辣な承認審議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-29
「副長官候補にボーイング重役」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17
「次期副長官は膨大な業務大丈夫?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18
「過去の副長官の分類」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-15

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マティス国防長官が兵士と職員に最後の言葉 [マティス長官]

年末年始のため、12月29日から1月6日の間の更新は、「忘れたころ(不定期)」になります。
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リンカーン大統領の言葉を引用し・・・
 
Lincoln.jpg昨年12月31日午後11時59分で国防長官の任を解かれたマティス前国防長官が、最後に米軍兵士と国防省職員にあてたメッセージが公開されていますのでご紹介します。

非常に短いメッセージですがその中の核心部分では、米国が南北に分かれて独立後の内乱を戦っていた1865年2月に、北軍の総司令官の立場にあったUlysses S. Grant将軍に対し、リンカーン大統領が送った電報メッセージを引用し、その思いを伝えようと試みています

Grant Gen3.jpg1865年2月当時の南北戦争は、大きく戦局を見れば、グラント将軍が率いる北軍が攻勢を強め、リー将軍が率いる南軍の支配地域に攻め込んで行く状況でしたが、南軍も地形等を熟知した自軍支配地域で戦う利を生かし、巧妙に防御陣地を構築したり戦術を駆使したりして頑強に抵抗し、補給線の伸びた北軍をギリギリの状態に追い込んでいました

実際の戦いでは、兵力数で北軍は南軍を上回っていましたが、その時期の戦いでは北軍の犠牲者数が南軍を上回る状況が続いており、グラント将軍が戦い方を巡って大いに苦悩していた時期と考えられています

MEMORANDUM FOR ALL DEPARTMENT OF DEFENSE EMPLOYEES

SUBJECT: Farewell Message

1865年2月1日、時のリンカーン大統領は北軍総司令官であったグラント将軍(前線で指揮を執っていた)に、たった一行だけの電報を送った。

その電報には、「何が起ころうとも、軍の動きや作戦を変更したり、妨げたり、遅らせてはならない」と書かれていた。

Mattis7.jpg我々の国防省のリーダーシップは、軍人であろうと文民であろうと、考えうる最高の人材に託されており、皆が全員、引き続き、それぞれの人生を守りつつ、誓いを立てた米国憲法を守って擁護していくという任務にまい進してくれると確信している。

我が国防省は、最も困難な時にその最善を尽くす事が証明済みである。

だから信念を貫き、決して揺らいではいけない。同盟国等と共に、我々の敵と立ち向かえ。

皆と共に国に使えることができたことが、最も誇りとするところである。

空で、陸で、海で、皆に神のご加護があらんことを

James N. Mattis
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Grant Gen2.jpgグラント将軍は南北戦争を勝利に導いたことで、軍人として最高の評価を得た人物です。

しかし、その勢いをかって当選した第18代米国大統領(1869年~1877年)としては、外交や内政の行政改革では手腕を発揮した分野もあるようですが、「クレディ・モビリエ事件」を始めとする政府と私企業間の不正・腐敗が続出し、歴史家からアメリカ最悪の大統領のうちの一人と考えられているようです。

マティス前長官が、グラント将軍の大統領時代までを臭わせ、トランプ大統領に物申そうとしたとは思いませんが、グラント将軍に短い電報を送ったリンカーン大統領とトランプ大統領を対比したかもしれません・・・考えすぎでしょうか・・・

「男の辞表:マティス長官に学ぶ」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-22

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