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F-35B艦載強襲揚陸艦が南シナ海初航行 [安全保障全般]

海兵隊のF-35軽空母推進構想の具現化
通常の倍の10機を搭載し
米海軍が空母削減方向の中で

F-35B Assult ship.jpg3月末、米海兵隊の強襲揚陸艦「Wasp」が「航行の自由作戦」の一環として南シナ海を通過してフィリピンに入港したようですが、初めて垂直離着陸型F-35Bを搭載して同海域を通過し、更に通常の倍の10機を搭載して同作戦を行ったことで、米海兵隊が2017年に掲げた「Lightning Carrier」構想の具現化と話題になっています

南シナ海では朝鮮半島問題の騒ぎに乗じて中国による埋め立てが完了し、地上部分の軍事施設も滑走路やレーダー施設だけでなく、航空機格納庫や地下弾薬庫、更には電波収集用の巨大アンテナや地対空ミサイル配備施設まで、考えうる全てのやりたい放題もほぼ完成してしまっています

Thitu island.jpgそして今は、南沙諸島で2番目に大きなフィリピンが実効支配している「Thitu island:パグアサ島」に対し、数百の中国小型ボートが押し寄せ、フィリピンの守備隊約30名とフィリピン島民約100名を威嚇を始めている事態となっているようです

本日は、南シナ海の無法地帯ぶりは脇に置き、米海兵隊の強襲揚陸艦活用事例と試みについてご紹介します

5日付Military.com記事によれば
米海軍と海兵隊は、強襲揚陸艦をミニ空母として活用するコンセプトを試し始めたようで、関係国の係争が続く南シナ海を、通常よりF-35B多い10機も搭載した艦艇が3月末に初めて通過したようだ
F-35B-test.jpg●米海軍公開の写真によれば、同艦艇は別にオスプレイ4機も搭載している模様で、現在フィリピンで着上陸、実弾射撃、都市戦、対テロ戦、航空戦などを訓練中である。F-35Bがこの種の演習に参加するのも初である

●この強襲揚陸艦用コンセプトは数年前から議論していたもので、強襲揚陸艦を軽空母運用するもので、米海軍が空母トルーマンを寿命半ばで早期退役させる案を持ち出し中で、大型空母を補完するものとして注目を集めている
●米海兵隊は「The Marine Corps' 2017 aviation plan」の中で、米海軍の大型空母にとって代わることはないが、その補完として柔軟な運用を様々に想定するとして、「Lightning Carrier」との項目を立ててその構想を描いていた

●そのPlanの中では、「強襲揚陸艦の特性をフルに活用して統合戦力に新たな能力を提供する」、「強襲揚陸艦に16-20機のF-35Bと空中給油能力機を搭載し・・・」との構想が表現されている
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F-35B-2.jpg自己防御能力が限られる強襲揚陸艦が、16-20機のF-35を搭載して戦力になるのか???・・・との疑問が浮かびますが、米海軍艦艇や空母戦闘群と連携して安全を確保しつつ・・・ということなのでしょうか?

海自の「いずも」も、この流れに巻き込まれたのでしょうか???

話題に上ることが少なくなった「南シナ海」ですから、米海兵隊の地道な取り組みに敬意を表したいとは思いますが、中国のやりたい放題の前に無力感が漂う今日この頃です・・・

トランプの思い付きに期待するのは危険な考え方なんでしょうねぇ・・・

最近の南シナ海関連記事
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/search/?keyword=%E5%8D%97%E3%82%B7%E3%83%8A%E6%B5%B7

「空母トルーマンの早期退役を巡り紛糾」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29

F-35B関連の記事
「F-35Bが初の実戦任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-28-1
「海兵隊F-35は岩国の次に中東へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03-1
「岩国配属F-35Bがホット給油&給弾訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18-1

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トルコへのF-35輸出問題で米国内不一致を指摘 [安全保障全般]

トランプ大統領は「何とかする」と言い
米国防省は同機の部品提供を停止
トルコ外相が米国内不一致を指摘

USA Turkey.jpg3日、トルコ外相(Mevlüt Çavuşoğlu)が70周年のNATOを記念するNATO集会で挨拶しロシア製地対空ミサイルS-400導入(今年10月)の意思に全く変更はないと語り、またNATO防空システムとの連接は考えていない、防空のため早期に導入する必要があるから、米国とロシアのどちらか一方を選択するのでもない等と語りました

また同外相は、ロシア製S-400をトルコが導入することに反対する米国の国防省が今週、トルコが開発パートナー国として関与してきたF-35の部品供給を停止すると発表した一方で、「最近」トランプ大統領からトルコ大統領に直接電話があり、「ケアするから心配するな」との趣旨だったと明らかにし、米国内がバラバラなことが問題だと「暴露」しました

更に同外相は米国のシリア政策に関し、ホワイトハウス、国防省、国務省、米中央軍の説明や考え方がバラバラで困惑しているとも訴え、真実はいざ知らず、米国内の混乱ぶりを冷笑するような姿勢を示しています

さもありなん・・・と思わせるトルコ側の主張ですのでご紹介しておきます

3日付Defense-News記事によれば
S-400-launch.jpgトルコ外相は、360度NATO加盟国首脳や関係者に取り囲まれた70周年NATOを記念するステージ上から、S-400に関するトルコの姿勢を改めて主張し、米国からの本件に関するバラバラなシグナルを困惑材料として批判した
●同外相はS-400導入に関し、「トルコはロシア製か他国製かで選択する必要はない。またトルコはロシアとの関係を、他国との関係の代替とは考えていない」、「何人も、トルコにロシアと西側諸国の2者択一を迫ることはできない」と述べた

そしてS-400納入に関しては明確に、「間違いなく完全に実行される」、「既に締結された契約上の行為である」と聴衆に対し言い切った
●一方で同外相は、ペンタゴンが今週F-35部品の提供を中止する発表を行った中でも、トランプ大統領からはF-35取引の道は開かれているとの話を聞いていると述べ、真意を問いただす質問に対し、最近トランプ大統領からトルコ大統領に電話があり、「ケアするから心配するな」との趣旨の電話があったと明らかにした

●ただし、繰り返し投げかけられている質問、F-35計画から排除された場合のトルコ経済への打撃程度については、「我々はあくまでパートナー国であり、単純な話だ」と直接的な言及を避けた
USA Turkey2.jpg●同外相はまた、トルコからNATOに対し、S-400を如何にNATOシステムから切り離して運用するかを協議ずる場の設置を提案していると語り、NATOがカバーできていない地域の防空のため至急SAMを導入する必要性を強調した

●トルコ外相の後で同じステージに立ったペンス副大統領は、「トルコは米国製パトリオットを選択しなければならない。トルコは歴史上最も成功した同盟に残るつもりがあるのか、リスクを冒すのか?」とトルコに迫っている
Shanahan臨時国防長官は前日に記者団に、米国が提供しようと提案しているパトリオットに自信を持っている」と発言したが、これに対しトルコ外相は、米国からのパトリオットのオファーが正式に成立するかは不透明だと述べ、米議会が反対する可能性を鋭く指摘した

●更に同外相は、米国内の「ちぐはぐ」さを示す代表的な事例として、米国の長期的なシリア政策に関し、ホワイトハウス、国防省、国務省、米中央軍の説明ぶりや考え方がバラバラで困惑しているとも訴え、「米国の考え方がわからない、それが問題だ」と指摘した
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USA Turkey3.jpgトランプ大統領とトルコ大統領が最近電話で話したことを、もしかしたら国防省関係者は知らなかったかもしれません・・・邪推ですが・・・

でもわかりやすいです。国防上の問題が多少あろうとも、F-35の軍事機密が漏れてロシアに流出しようが、F-35がたくさん売れたほうが良い・・のがトランプ大統領でしょう。邪推ですが

トルコと米国関係
「もしトルコが抜けたら?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-21
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

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日本製C-2輸送機が海外で人気? [安全保障全般]

問い合わせがあるのと実際の購入とは違いますが・・

c-2 2.jpg少し古いですが2月末のDefense-Newsが、川崎重工が開発製造している航空自衛隊の次期輸送機C-2を、川崎重工がニュージーランドに売り込むとの同社関係者の話を取り上げ、他にも複数の国から問い合わせがあると紹介しています

2月末に豪州で開催されていたAvalon航空ショーでの取材情報を基にDefense-Newsが取り上げていますが、同エアショーにも1機が展示され、2017年11月には既に同機がニュージーランドを訪問しているそうで、武器輸出三原則から防衛装備移転三原則への移行に伴い、C-2の海外への売り込みが行われています。

このため川崎重工は、2016年にC-2の輸出を目指す「大型機輸出プロジェクトチーム」を立ち上げ、営業や設計に精通するエンジニアら約20人で構成する専門組織により、諸外国の需要調査を進めているようです

c-2 4.jpgもし海外への輸出が成功せず、航空自衛隊だけの購入となれば、C-1輸送機の後継機として、わずか20-30機しか製造されないことになり、1機当たりのコストが高止まりしてしまいます

C-2の価格については昨年6月2019年度予算価格が、2011年度の調達開始時の1機166億円より70億円(約4割)も上昇して236億円になっていることが明らかになり、財務省財政制度等審議会の分科会が、「費用対効果に優れている機種への代替も検討するべきではないか」と防衛省に異例の「注文」を付けるに至っています。

価格高騰の理由について、防衛省の担当者は「メーカーが米国から購入しているC-2輸送機からエンジン価格が高騰しているうえ、為替レートが円安傾向のため」と説明しているようです。

米国からの「いじめにあっている」ような気がしますし、高価格以外にも、不整地での着陸ができないハンディーも背負っているようですが、貨物室スペースの高さが高いことなどに関心を持つ国もあるようなので、ご紹介しておきます

2月28日付Defense-News記事によれば
c-2 3.jpg●川崎重工は、NZが同国のC-130H輸送機やB-757-200C輸送機の後継機を検討するFAMC( Future Air Mobility Capability)計画に、C-2輸送機を提案する予定である
●NZはC-130とB-757の後継機として、2機種を選定するか、1機種で賄うかも含め検討中である

Avalon航空ショーで川崎重工関係者は、NZとは要求性能について数年にわたって協議していると述べていた
●一方で同関係者は、「C-2のマーケティングは最近始めたばかりである。今後少なくとも10年間は、C-2の生産を継続する」とも述べている

航空自衛隊の第3輸送航空隊(美保)から飛来したC-2輸送機が、同航空ショーで展示されているが、同機は2017年11月にNZをすでに訪問している
C-2輸送機は、航空自衛隊のC-1輸送機(20数機)の後継として国産開発され、既に2機のプロトタイプと7機の完成機が納入されており、最終的には20-30機が購入される見込み

●川崎重工関係者は、「(NZ以外に)several other countries」とC-2売却協議を行っていると述べたが、具体的な国名や地域について言及を避けた
●また同社は、防衛省と経済産業省と輸出許可を巡り協議しているところである
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c-2 5.jpg川崎重工関係者の言葉を信じ、価格のことは考えず、良い知らせを待ちたいと思います。
中東ではUAEの名前が昔から上がっています

武器輸出三原則から防衛装備移転三原則への移行に伴い、輸出に成功した日本製国防装備があったか記憶にありませんが、そうりゅう型潜水艦はダメでしたし、P-1に英国が関心を・・なんて話もありましたが・・・。今後も難しいでしょうねぇ・・・

関連の記事
「P-1に英国が興味」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-18
「そうりゅう型に豪州が興味」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-05

C-2輸送機のwikipedeia
https://ja.wikipedia.org/wiki/C-2_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC)

防衛白書の「防衛装備移転3原則」解説
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2014/html/n4133000.html

タグ:川崎重工 C-2 KHI
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ビンラディンの息子Hazma30歳を警戒 [安全保障全般]

2011年5月のビンラディン殺害後、満を持して登場か
懸賞金1億円、国際刑事警察機構も国際手配
「父の後をたどることを運命づけられた・・・」

Hamza.jpg18日付Military.comが、30歳になると言われているオサマ・ビン・ラディンの息子Hamza bin Ladenの動静注目する記事を掲載しました

最近数週間で、突然懸賞金が1億円かけられたり、国連安保理が制裁対象に指定したり、国際刑事警察機構が要注意人物として世界手配したり、サウジアラビアがHamzaの市民権をはく奪したり、との動きが連続して明らかになっており、世界の対テロ関係者を恐れさせる動きがあるようです

一連の国際的な動きの背景は明らかになっていませんが、Hamzaはアルカイダのリーダーになってはいないものの、彼を主要な脅威として認識しなければならないような何かが起こっている模様です

ISISの動向に最近は注目が集まっていますが、ライバルであるアルカイダが復活を期して何か企んでいる可能性もありますので、とりあえず報道から、謎の多いHamzaのこれまでについてご紹介しておきます

18日付Military.com記事によれば
Hamza2.jpg●1989年誕生か?父ビンラディンが、ソ連と戦うアフガンのムジャヒディン支援で注目を集めた1980年代に、児童心理学者だった母とビンラディンの間に生まれる
●アフガン支援後、「基地」意味する「al-Qaida」を父が創設し、世界のジハード論者や組織を結ぶネットワークとして活動を活発化する中で育つ

1998年にケニアとタンザニアの米国大使館を爆破して224名を殺害した時にHamzaは8歳、911同時多発テロの際は12歳と推定される
911同時多発テロ後、追われる身となった父はパキスタンに逃れ、Hamzaや家族とは離れ離れになり、最後まで再会することはなかったとされる。別れの際に父はHazmaに「祈りのための数珠(じゅず)」を贈ったと言われている

Hamza5.jpg●父と別れたHamzaと母は、他のアルカイダメンバーとパキスタン経由でイランに移動した。
●米海兵隊が父ビンラディンを殺害した家から押収した資料によれば、イラン内でHamzaはアルカイダが用意した数か所の隠れ家で過ごした後、イランがHamzaらをイラン軍基地内や隠れ家に収監したと言われている

ブッシュとオバマ政権下でアルカイダ掃討が中東全域で進む中、母違いの兄弟はイラン脱出してパキスタンに移動したが、2009年に米軍の空爆で死亡している
2010年3月にHazmaと母はイランの収監を離れ、パキスタン北西部に移り、そこでHazmaは兵器の取り扱い訓練を受けたとされている。

Hamza4.jpg2011年5月2日に海兵隊SEALSによりビンラディンや腹違いの他の息子が殺害された際、ビンラディンの隠れ家に移動していた母は逮捕された。Hamzaはそのころから所在不明となった
2015年8月、ジハードを訴えるwebサイト「Ayman al-Zawahri」にビデオ映像で登場し、時のアルカイダ指導者から「アルカイダのライオン」と紹介された

その後は10回以上にわたり、様々なメッセージやスピーチを発する様子が紹介され、アルカイダが新たな広告塔としてHamzaを利用し始めたとの見方が広まっている
●しかし2018年3月にサウジ指導者を威嚇するメッセージを発してから姿を見せておらず、アルカイダ内部で何が起こっているのか、Hamzaがどのような状態にあるのかは定かでない

Hamza3.jpgHamzaがアルカイダの指導者になる方向にあるのか? 父の追及したジハードの道を進むのか? アルカイダの中でのHamzaの立場はどうなのか? 誰も知らないこれらの問いへの答えに、世界が注目している

●ちなみに、Hamzaはアルカイダ支援者であるエジプト人の娘と結婚し、既に子供が2人いるそうです
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米国が世界中から引こうとしている中、ISISが集中的にたたかれている中、アルカイダにすれば組織再編・再興のチャンスなのでしょう・・・

Hamza bin Ladenという人生からは、どんな景色が見えるのでしょうか? 中東の砂漠の民が語る「砂漠の清潔さ・高潔さ」を、彼も語るんでしょうか?

2年前のHamzaの記事
「負の連鎖ビンラディンの息子」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-07

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トランプ「ブラジルをNATOの仲間に」発言 [安全保障全般]

「熱帯のトランプ」にエール
ブラジルへの武器輸出で相思相愛?

Trump south A.jpg19日、南米進出するロシアに対抗するため米国との関係強化を目指すブラジル大統領に大喜びのトランプ大統領はブラジルが希望するOECD加盟への応援や、米国製武器を容易に購入できる同盟関係やNATOの仲間入りを追及すると語りました

トランプ大統領にブラジルサッカー代表のユニフォームを贈ったブラジルのBolsonaro大統領は、今年元日の就任日に、米軍基地をブラジルに誘致し、ベネズエラのマドゥーロ大統領を応援し、南米で勢力を拡大するロシアに対抗するとぶち上げた元陸軍大尉で、「極右指導者:far-right leader」とか、「熱帯のトランプ:Trump of the Tropics」とか呼ばれている人物です

一方で、肥大したブラジルの政府機関や国営企業の民営化を進めて国の負債を減らし、民間活力で国を立て直すためにOECD入りを目指す、南米では真っ当な考え方を持った人物でもあります

米国製武器の導入容易化願望はプラジル大統領から出たもので、トランプ大統領にとってはこれ以上ないお客様ですから、今やトランプ大統領が一番大好きな国家元首かもしれません

19日付Defense-News記事によれば
Bolsonaro2.jpg●19日、ホワイトハウスにブラジル大統領を迎えたトランプ大統領は、「彼は熱帯のトランプと呼ばれていて、素晴らしい仕事をしているんだ」と上機嫌でBolsonaro大統領を記者団に紹介した
●両首脳は、貿易の拡大、米国企業のブラジル投資の拡大、ベネズエラ問題など多様な話題で意見交換し、ベネズエラのマドゥーロ大統領に厳しく対応することで意見が一致した

●またトランプ大統領は、ブラジルが経済改革の柱として目指しているOECD加盟を応援すると述べ、またブラジルが求めている、米国からの武器輸入や種々の米国との関係強化が容易になるNATO加盟国が得ている特権を享受できるように強力に取り組むと語った
●更に米大統領は、両国関係はかつてないほど良い状態だと表現し、「米国の歴代大統領はブラジルと敵対していたかもしれないが、私は全く敵意を持っていない。我々はブラジルがNATOの仲間になるか、似たような同盟国の地位を得るよう、きわめて強力に取り組む」と語った

トランプ大統領は、ブラジルが「NATO ally」または「major non-NATO ally」になるために取り組むと記者団に語った

Bolsonaro.jpg●ブラジル大統領は今年元旦の就任日から米軍基地のブラジル誘致を訴え、ロシアへの対応措置の必要性を訴えたが、ブラジル国内では元軍人の閣僚をはじめ多くの反対にあっている
それでもBolsonaro大統領は、繰り返しトランプ大統領の姿勢を高く評価し、米国との関係強化の必要性を訴えている
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このブラジル大統領は、他候補に大差をつけて、14年間続いた汚職のデパートだった労働党政権に終止符を打った大統領です。

同性愛者や女性に対する差別的発言は当たり前の人物ですが、トランプ大統領は「おめでとう――アメリカはあなたとともにある!」と就任に際しツイートし、完全に馬が合う仲間関係です

ブラジル国民はそれでもこの大統領に期待を寄せ、「熱帯のトランプ」と呼ばれているとか・・・。ブラジル日系人社会のご意見を是非聞いて見たいものです

関連の過去記事はありません・・・

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航空自衛隊がF-35用長射程ミサイルJSM契約 [安全保障全般]

JASSMに加え、ノルウェー製JSMを購入へ
F-35内部兵装庫に2発格納可能なステルスミサイル
射程400㎞の国産巡航ミサイル開発報道の中で

JSM.jpg13日付Defense-Newsは、航空自衛隊とノルウェー企業(Kongsberg Defence & Aerospace)が、F-35搭載用の長射程対地&対艦巡航ミサイル(JSM:Joint Strike Missiles)購入契約を結んだと報じています。

日本とノルウェー両国は、契約の価格規模やミサイルの数について明らかにしていませんが新たな「防衛計画の大綱」に盛り込まれた「スタンドオフ防衛能力向上」の一角をなす装備です

防衛省は2019年度予算に「73億円」のJSM購入経費を初めて計上しており、今後予算規模を拡大して継続的に調達されるものと推定されます

航空自衛隊は2018年度予算から既に、ロッキード製のJASSM長射程ミサイルの購入経費を盛り込み始めておりこちらはF-15戦闘機の翼下に搭載するイメージでしょうが、今回のJSMはF-35A用に開発され同機のステルス性を犠牲にしない内部兵器庫格納サイズになっています

JSMの概要は・・・
JSM3.jpgJSMは全長3.7mで重量400㎏弾頭125㎏JASSMは全長4.3mで重量1000㎏弾頭450㎏
●F-35A内部兵器庫に2発搭載可能で射程は300nm程度(JASSMは射程延長型で射程1000nmと言われている)

●既に発射試験は2015年からF-16で始まっているが、初期作戦能力(IOC)の獲得は、F-35のソフト「ブロック4」がリリースされる2021年以降で、完全運用は2025年との見込み
JSMは赤外線シーカーを使用するが、豪州は補完のためパッシブ無線周波数シーカーの開発資金を出す契約を結んでいる

13日付Defense-News記事によれば
Kongsberg社の会長は「(F-35Aを約115機、B型を42機購入予定の)日本との契約締結は、JSMプロジェクトにとって記念碑的な出来事である。日本に選択いただいたことを大変誇りに思う」と語った
●なおJSMは、日本が42機購入するF-35Bには、翼下又は胴体に搭載することになる
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17日付読売新聞の一面トップに航空自衛隊が射程400㎞の対艦ミサイルを開発へ・・・との記事が出ました。全くJSMやLRASM(JASSMの対艦版)と重なる兵器開発で、その意味することろが不明ですが、ノルウェー企業に安心させないための施策でしょうか???

JSM2.jpgJSMがF-35の将来運用ソフト「ブロック4」での運用を前提とし、2021年以降、恐らく2025年頃でないと運用可能でない状況で、先行的に購入契約が成立したことは評価すべきでしょう
また、完成もしていない、どの国も使用していない新兵器の購入を決断した点でも意欲的な取り組みです

まぁしかし、射程1000㎞と言われるJASSMや射程500㎞のJSMを、航空自衛隊はどこで訓練するのでしょう。防衛計画の大綱の「スタンドオフ防衛能力」との言葉も日本的だと思いますが・・・

追記
JSMやJASSMは飛翔速度が遅く、敵防空網の餌食になる可能性が高いようなので国産開発ミサイルは超音速飛行を実現して残存性を高め、国産機に搭載する事を狙うようです!

関連の記事
「空自F-15に近代化改修へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-01
「JASSMまだまだ射程延伸」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-15
「更なる射程延伸開発契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1

H31以降の防衛計画の大綱解説スライド(約10MB)
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2019/pdf/20190221.pdf 

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豪軍も無人ウイングマン機を2020年初飛行へ開発中 [安全保障全般]

Airpower Teaming S.jpg1日、豪州で開催中のAvalon航空ショーで、豪軍用のウイングマン無人機を同軍と共同開発中のボーイング社幹部が2020年初飛行に向け準備を進めている「Airpower Teaming System」のコンセプト映像を公開しました

このウイングマン無人機計画は、米空軍が2016年に公開した「Air Superiority 2030 road map」構想の中で「Loyal Wingman計画」と呼んだ考え方と同じで、編隊長パイロット搭乗友人機の僚機(ウイングマン)として行動する無人機を開発しようとするものです

この無人ウイングマン機はAIで自律的に飛行し、編隊長機と共に行動して編隊任務を遂行し、場合によっては編隊長機に先行して敵情報を収集したりすることも想定されています

Airpower Teaming Sys2.jpgまた無人僚機には、空飛ぶ弾薬庫や高性能センサー機であったり、電子妨害に特化した役割を担ったりなど、任務に応じて様々な機能をモジュール化して機体に組み込んで多様な任務に応用するなどのイメージもあるようです

なんといっても豪州軍で、しかも2020年には初飛行とのスピード感にびっくりですので、細部は不明ながらとりあえずご紹介しておきます

1日付Military.com記事によれば
ボーイングが公開した情報によれば、同無人機は第5世代機だけでなく、第4世代有人機のウイングマン無人機として、人工知能で自律的に活動する新たなコンセプトの機体である
●同航空ショーでの展示では、全長約12mで2000nmの連続飛行が可能で、「AIにより自律的に飛行して編隊長機や有人機をサポートしつつ、多機とは安全な間隔を保ちつつ飛行する」と説明されている

ボーイング社公開のコンセプト映像40秒


ボーイング社CEOのDennis Muilenburg氏は今回の発表に併せ、このAirpower Teaming Systemは、米国以外の企業で設計・製造される初めての(恐らくボーイング関連の)無人機であるとツイートし
●また同無人機に関しロイターは、WW2以来、豪州が開発にかかわる初めての作戦機になると報じており、ボーイングが約30億円を投資しているとも紹介している
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Airpower Teaming Sys3.jpg米空軍の「Loyal Wingman」計画は、2016年の「Air Superiority 2030」発表以来、米空軍研究所が2018年3月に公開した想像映像程度で、どうなっているのかさっぱりわかません。

まさか豪軍に完全に先を越されているとも考えにくいですし、もしかしたら米豪で開発を分担しているのかもしれません。 続報に期待いたしましょう

「Air Superiority 2030」関連の記事
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

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インド空軍機種選定に特別仕様F-16で挑む [安全保障全般]

かつて戦闘機946機の476機を事故で失ったインド空軍
2007年頃から機種選定で迷走中
4世代機はまだまだ世界で人気です
パキスタンとゴタゴタの中で・・

Indian Air Force.jpg21日付Military.comが、インド空軍による114機調達予定の戦闘機機種選定に挑むロッキード社の特別仕様F-16を取り上げ、同社の宣伝映像と共に紹介しています、

ライセンス生産を念頭に置くインド空軍の意向を受け、インド企業の「Tata Advanced Systems」との共同体制で案を練っているようですが、これまでほとんど細部が明らかになっておらず、一部のマニアや専門家の関心が高まっていたところでした

ただ、今回ご紹介する記事も約90秒の宣伝映像から懸命に読み取った内容で、細部のほどは依然として「?」ですが、機体の目指す方向性やインド空軍の要求事項が垣間見えますので、戦闘機ファンの皆様にご紹介しておきます

余談ですが、26日にパキスタンとの争いで、撃墜された(墜落した?)らしいインド軍機はMig-21だそうです。まだ飛んでいるとは・・・

まずインド空軍の戦闘機は・・・
Indian Air Force2.jpg●2002年から導入が開始されたライセンス生産のSu-30MKI戦闘機254機が主力であるが、旧式のMiG-21、MiG-29B、ミラージュ2000をまだ多く保有していることから、2000年代半ばから多目的戦闘機130機程度の調達選定に入っている。しかし紆余曲折でまだ機種が決まっていない
●余談であるが、インド空軍は1964年以来、初期の主力戦闘機であったMIg-21を946機調達したが、そのうち476機を事故で失うという恐ろしいまでの事故率を記録した空軍である

2007年頃の候補機は、F-16、FA-18、Su-30MKI、Mig-35、グリペン、ラファール、ユーロファイターであり、2011年からラファールに絞って交渉を開始も、ライセンス生産交渉でもめ、36機を輸入して打ち切られた
インドはロシアと共同で、5世代機の触れ込みのSu-57開発に資金協力しているが、開発は順調でなく、同じくライセンス問題もあり、調達対象となるには至っていない

●ラファール導入が不調に終わった後、2016年からは、ライセンス生産を念頭に約150機を調達する機種選定に仕切り直しで入っており、ロイター報道によれば、F-16、FA-18、グリペン、ラファール、ユーロファイター、Su-57が対象になっている模様

ロッキード公開のF-21映像


21日付Military.com記事によれば
●ロッキード社がインド空軍用に特別仕様で提案しようとしている「F-21」との名称のF-16発展型は、一言でいえば、「Stocky, but agile 多数の弾薬を搭載可能だが機敏に動ける」戦闘機と言えるかもしれない
●20日にインドで公開された「F-21」の映像などによると、同じくロッキード製のF-22やF-35の最新技術を取り入れたF-16改良版で、インド空軍の将来航空戦力を深化させる可能性を秘めている

Indian Air Force3.jpg●依然として細部は不明な部分が多いが、イメージ映像が公開されるとSNS上では専門家やマニアの間で、AMRAAM搭載量が3倍(一つのパイロンに3発)になっていることや、空中給油装置が特別製の格納可能タイプになっていることが指摘されている
●ロッキードのJohn Losinger報道官は映像発表に際し、「インド空軍の当別や要求事項を満たすため、いくつかの特別仕様を施している」、「空中給油装置やタッチパネル式の大型コックピットディスプレイなどで、ディスプレイはF-35の同形式である」と説明している

●同報道官はそれ以上の細部に機種選定中であることから言及しなかったが、現時点では「F-21をインド以外に提供する計画はない」と述べ、インド特別仕様だと表現した
●2018年7月、インド企業の「Tata Advanced Systems」との協力体制確立が発表され、総額1兆7000億円ともいわれるプロジェクト獲得に向けた動きをロッキードは加速させた
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Indian Air Force4.jpgなお、第5世代機が話題の中になっても、このF-16シリーズは引き続き根強い引き合いがあり、2018年1月にも最新型であるF-16V Block 70をバーレーンが16機購入することが発表されています

何度も頓挫を経験しているインド空軍の機種選定が、今回は結論を得て戦力化されるのか気になるところですが、ロシアも含めた世界中の全ての戦闘機を対象とするような機種選定で、さぞやインド担当の方は大変かと思いますが、

累計で4500機以上が製造され、2018年7月時点でも、F-16は世界25か国で合計約3000機が運用され、今後新たに200機を製造するため、2030年頃まで生産ラインを維持することになる予定だそうです。第4世代機で十分だと思います・・・

F-16関連の記事
「F-16生産拠点移設であと200機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「サンダバードF-16も延命改修&後継機種はF-35?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26-1
「米軍F-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

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T-Xに中東諸国が関心:練習機としてだけでなく [安全保障全般]

米空軍が2.2兆円を予期も、1兆円も安価に落札のT-X
ボーイングは薄利多売作戦で市場拡大へ!?

T-X  Boeing2.jpg19日付Defense-Newsが、UAEで開催されている軍事見本市(IDEX)でのボーイング社のMark Ballew外国政府担当営業部長からの取材情報を掲載し、国名は不明ながら、中東の数か国がT-X練習機に関心を示し、練習機としてだけでなく仮設敵機や攻撃機としても注目されていると報じています

米空軍が50年以上使用している420機のT-38練習機の後継として、昨年9月末、米空軍は最低でも350機、多ければ470機を購入する前提で、ボーイングとSaab共同チーム提案採用を決定しましたが、ボーイングチームは米空軍の予想価格より1兆円も安い(おおよそ半額)価格を提示して関係者を仰天させています

そんな経緯もあり、またT-X練習機はF-35操縦察養成への円滑な移行に配慮されていることから、ボーイングはF-35購入国への売り込みを想定し、提案価格を抑えたと噂されているところですが、実戦投入機としての売り込みにも抜かりないようです

19日付Defense-News記事によれば
T-X  Boeing3.jpg●Mark Ballew外国政府担当営業部長はUAEのアブダビで、「T-Xに対する当地諸国の関心が相当見あり、機体性能や完成時期に関する複数の問い合わせを受けている」と語った
●同部長は、具体的にどこの国が、T-Xのどのような用途に興味を示しているのかにコメントを避けた

F-35への機種転換を容易にする性能や操作性を備えたT-Xなので、F-35購入国が練習機としてT-Xを購入することは予想されているが、IDEXでのメディア説明会で同部長は、T-Xがアグレッサー(仮設敵機)や軽攻撃機としても関心を集めていると示唆した
●そして同部長は「この機体で相手国関係者が何をしたいのか、何を求めているのかを確認しながら話を進めている」、「機体が完成して飛行を開始すれば、能力負荷を行うだろうし、その際は世界が何を求めているかを確認する」とメディアに説明した

TX-Boeing.jpgT-Xの開発終了と生産開始は2020年代前半を予定し、その後に国際市場に本格参入することが想定されている。(注:米空軍からは、2023年にシミュレータを納入し、2024年末までに初期運用体制を確立することを求められている
●また同部長は、「今後の進め方についてはしばらく待っていただく必要があるが、我が社は、中東地域だけでなく世界中で、T-Xが期待に添える人気機種になるだろうと確信している」と語った
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日本も多くのF-35を購入することになりそうなので、T-X売り込みには注意したほうが良いでしょう。

ところでMark Ballew部長の肩書である「外国政府担当営業部長:director of sales and marketing for International Government Services at Boeing Global Services」・・・特に中東などでは、いろいろな表に出せないような手段を駆使して売り込むんでしょうねぇ・・・。

Qatar.jpg中東産油国の場合、互いに能力比較されること極端に嫌い、おまけに見えを張りあったりするものですから、少なくとも同じ戦闘機は保有したがりません

例えば、サウジがF-15で、UAEがF-16、クウェートがFA-18で、カタールがミラージュ・・・といった具合です。さすがに小国のバーレーンや産油量が少ないオマーンはF-16ですが・・・

ボーイングの部長さんは、中東産油国の複数の国に買ってもらえるよう、練習機バージョンや軽攻撃機バージョンなど、複数のオプションで「別の機体ですよ感」を出して売り込むんでしょうか???

T-X関連の記事
「ボーイング提案をT-Xに採用」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-28
「T-X選定から候補が続々脱落」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-02
「T-X提案要求書発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-01
「ボーイングがT-X候補発表」→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-16
「T-X要求性能の概要発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-23-1
「シミュレーターが重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-21

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2021年失効のNew START条約が延長危機 [安全保障全般]

INF全廃条約破棄で協議の機運無し
New START失効で核と非核兵器の識別が不可能に!?

New START.jpg20日付Defense-Newsは、先週末行われたミュンヘン安全保障会議で米露双方がINF条約破棄を巡って互いを非難しあう厳しい状況だったこと等を踏まえ、2021年2月に失効となる2011年締結の「新戦略兵器削減条約:New START」の延長に暗雲が立ち込めているとの考察記事を掲載しました

New START条約は2011年2月5日に発行したもので、双方の戦略核弾頭上限を1550発とし、その運搬手段である戦略ミサイルや爆撃機配備数上限を700に制限する条約です。
なお同条約は発効後の有効期限は10年間で、最大5年の延長を可能とし条約の履行検証は米ロ両国政府による相互査察により行うこととなっていいます。

ただ、この条約を両国の議会が批准した際、米議会は米ミサイル防衛システム(MD)の開発配備が同条約に規制されないとしましたが、ロシア議会は、MD配備によりロシアの核が不利になり戦力バランスが不均衡になる場合は条約から脱退できるとの付帯条項を含めました

それでも2011年2月5日に、同じミュンヘン安全保障会議において米露間で批准書の交換が行われ条約が発効した経緯もあり、2021年2月の期限に向け、同会議で改めて注目を浴びることとなっています

20日付Defense-News記事によれば
New START2.jpg米露という核大国をチェックする役割をはたしてきた記念碑的条約の延長のチャンスが、失われていくように感じられた
●2月中旬に開催されたミュンヘン安全保障会議で、米露双方がINF条約破棄を巡って互いを非難しあうことで、より大きな枠組みであるNew START条約の延長に疑問符が大きくなったと専門家はみている

●英IISSのKori Schake副事務総長は「INFの経験から、米は露に疑念を抱いており、その姿勢は正しいと思う」と述べ、2月に米国がINF条約破棄を発表した翌日に、ロシアも脱退を宣言し、条約に縛られていた能力の兵器を遅滞なく配備するとした姿勢に触れた

●同じIISSのFrançois Heisbourg上級顧問は、トランプ政権の同条約延長への関心の低さから、同条約の延長なき失効のカウントダウンが始まったと表現している
●また同顧問は、「ロシアはINFとNew STARTの両方の破棄を願っているように見える」とも語った

New START3.jpg●ミュンヘン安全保障会議でロシアの副外相は、New START条約に関して昨年から問題となっている問題、米軍のトライデントSLBM発射管56基とB-52爆撃機41機の非核仕様への改修の「不可逆性」が不十分だとの点を持ち出している
●同副外相は、ロシア検証チームは米国側と共に追加の査察を行い、米国側に非核改修が「不可逆的」と信頼するに足るレベルになる方法を提案しているが、米側からは何の反応もないと非難した

●そして同副外相は「私は疑っている。米側は露側の提案を検討するとして時間を稼ぎ、心配するなと我々に言い訳し、2021年2月に条約が失効した途端に手のひら返しを見せ、軍備管理に次なる衝撃を与えるのでは・・・と」とも表現した

B-2restart.jpg●IISSのHeisbourg上級顧問は、New START条約が失効することで、情勢は大きく不安定化すると予想している。つまり「New START条約がなくなることで、どの兵器が核搭載で、どれが違うのかを見分ける手段がなくなり、全ての対応や計画がエスカレーション、つまり核戦争に突き進むことになる」と懸念を示した

●同条約に対するロシアの公式姿勢は「5年間の延長希望」だと副外相はミュンヘンで述べたが、米国務省のEvelyn Farkas元ロシア担当次官補代理は懐疑的で「協議する用意があるというだけで、実際に協議することとは異なる」とロシア流の対応に疑念を示している
●一方でFarkas女史は、「トランプ政権は故意にぐずぐずしてるのであって、現時点でNew START条約の事はまだよく検討されておらず、当面はその状態が続くだろう」と見ている
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無秩序エントロピー増大の法則と申しましょうか・・・・そんな流れにあるようです

Minuteman III 4.jpg米国は対ICBMを含むミサイル防衛強化に動いていますし、ロシアが難癖をつけるポイントは、トライデントやB-52以外にもいくらでもあるのでしょう・・・

ロシアとしては、中国の動きもありますし、米国とは通常兵器で差がありますから、多種多様な戦略兵器で米国に対応という姿勢でしょう。サイバーや宇宙を含め・・

米国核兵器を巡る動向
「今後10年の核関連予算見積が23%増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26
「2017年世界の核兵器動向」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-20
「核兵器輸送がNo2任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-11
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

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新たな自衛官の海外派遣先MFOを学ぶ [安全保障全般]

国連の枠組みでない米国主導で1982年開始の兵力引き離し監視
エジプトとイスラエル間のシナイ半島を約2000名で担当
1988年から日本は資金協力も、現資金規模は当時の5%以下

MFO.jpg10日各種メディアが、シナイ半島に展開する兵力監視部隊MFOの司令部要員として、自衛官2名を派遣する方針を政府が固め、早ければ今春にもMFO司令部があるシナイ半島南端部の都市シャルム・エル・シェイクに派遣されると報じました

MFO(Multinational Force and Observers)は、これまで自衛隊が多く参加した国連枠組みの活動ではなく第4次中東戦争後に米国主導で1982年から活動を開始した「兵力引き離し監視」を行う組織で、2015年に成立した安全保障関連法によって付与された、新たな海外活動の初適用となるそうです

Sinai.jpg遠く離れた中東で、かつイスラエルとエジプトに挟まれたシナイ半島は日本人にとって極めて遠い場所でしょう。中年以上の方にとっては映画「十戒」で、神がシナイ山でモーゼに10の戒めを示された場所・・・ぐらいの記憶があるかもしれませんが・・・

そんな場所での任務ですので、派遣されるであろう陸上自衛官2名のご活躍を祈念し、MFOについて日本とのかかわりを中心にご紹介いたします。
外務省が公開している予算獲得関連資料を中心につまみ食いで取り上げますので、なんとなく有効性を強調する論調になるかもしれませんが・・・

外務省予算資料とMFOのサイト情報より
第4次中東戦争後のエジプトとイスラエルの平和条約の議定書に基づき、1982年から展開。シナイ半島を挟む上記2国の軍の平和条約履行の検証(展開、活動状況、停戦監視)、両国間の対話の促進、関係の安定化が主要任務活動開始後35年間、4回も戦争したりぃう国間の和平維持に貢献
12の要員派遣国から現在約2000名が活動しており、3個歩兵大隊、1個支援代替、沿岸紹介部隊(偵察ボート保有)、航空機部隊、文民監視団などによって構成されている

MFO2.jpg要員派遣国は米、英、加、豪、仏、伊、NZ、ノルウェー、チェコ、ウルグアイ、コロンビア、フィジー
本部はローマに所在し、エジプトとイスラエルにも事務所を置く。所属部隊の司令部は2015年以降の改編で、シナイ半島の南北に分かれたいたものを南部のシャルム・エル・シェイクに集約

2017年の主な活動実績
---文民監視ユニットによる検証24回、偵察を23回
---シナイ半島で両国間の会議を3回開催
---任務効率化のための遠隔監視サイトの再編成
---中東展開の国連休戦監視機構(UNTSO)との情報交換
●任務遂行の効率化に取り組み、1983年当時と比較し、人員規模を3割削減し、予算規模を1割削減
(ただし米ドルベースで予算規模の推移を見ると、1983年を100とすると、最高は84年の109、90-05年は最低で50、2018年は78レベルであり、継続して予算規模が縮小しているわけではない

MFO3.jpg予算拠出はエジプト、イスラエル、米国が同額で各20億円超でを拠出して全体の3割を賄い、その他を関係国が分担して賄っている
日本は1988年から資金援助を開始しているが、外務省資料は日本の支援金額が「90年代の5%以下の低下している」と指摘し、2018年度支出が約500万円であることから、当初は1億円程度を支援していたものと考えられる

日本の資金面での貢献度は、2002年度で2900万円で第7位の貢献度であったが、500万円となった現在では貢献度順位は公開されていない。外務省資料では、MFOは設立当時の関係国の思惑等から国連枠組みにならなかったことから、より多くの国からの支援を得ることを重視しており、少ない額でもMFOから評価されているが、これ以上の金額低下は避けるべきと記されている

●外務省資料では、日本からの拠出金は「文民職員給与」と「食糧調達」に限定して使用されるとなっているが、MFOのwebサイトでは、日本が「Force Protection Fund」の2割程度を拠出していることになっており、この2つの資料の関係はよく分からない(もう一つの区分のOperational Budgetでは日本の割合は読み取れないほど小さい)
→ http://mfo.org/en/mfo-in-numbers 

MFO事務局長(現在は米国の外交官で、イラクやエジプトの大使経験者)が2015年から毎年訪日し、活動状況等について日本に説明し、意見交換を日本側と行っている
●現在のMFO指揮官は豪州陸軍少将で、ティモールで多国籍部隊指揮官の経験がある
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活動の細部はMFOのwebサイトをのぞいていただければともいます

MFO4.jpg例えばフィジーからの派遣部隊は、シナイ半島で武器(小銃等)を提供され、訓練を受け、武器を帰国時に持ち帰って自国で活用できる制度になっているような話を聞いた覚えがあります
先進国は沿岸監視ボートや偵察航空機、指揮統制通信インフラ、装備の維持整備要員、文民監視員を提供し、その他の国はエリアを分担して駐屯しているイメージかと思います

恐らく、事務総長が毎年訪日するようになった2015年以降、支援金の減額に伴い「人的貢献」の要望が繰り返し出されたものと邪推します。
シャルム・エル・シェイクはシナイ半島南端付近の『リゾート地』で、ソフトターゲットとしての観光施設を狙ったテロが時々報じられています。派遣される方は余暇の時間も気を付けて頑張っていただきたいです

MFOのwebサイト
http://mfo.org/en

参考にした外務省の公開予算関連資料
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000392519.pdf

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独の戦闘機選定:F-35除外も核任務の扱いが鍵 [安全保障全般]

tornade.jpg1月31日付Defense-Newsがドイツ国内報道を引用し、老朽化が進む90機の独空軍トーネード戦闘機の後継機選定に関し独国防省関係者が(米から購入せよ圧力があると邪推する)F-35を候補から除外したと語ったと報じ、一方でトーネードが担っていたNATO作戦における核兵器投下をどうするかについては混迷状態にあると解説しています。

ドイツの戦闘機に関しては、独と仏が中心となり欧州全体を巻き込む方向の次世代戦闘機開発が2040年配備を目指してスタートしており、トーネードの後継機はそれまでの「つなぎ戦力」の性格が強く、早くから5世代機の「F-35でなくても・・」との雰囲気が独内にあります。

eurofighter2.jpgこれを受け昨年4月には、ユーロファイターCEOはトーネード戦闘機の後継争いにおいて、F-35よりもユーロファイターが有利に立っていると語っています。従って、今回の独国防省高官の「F-35排除発言」は、少なくとも軍事専門家や独国内では淡々と受け止められているようです。

しかし、独国防費のGDP比が低いと圧力をかけている米ホワイトハウスや米国務・国防長官、F-35製造のロッキード社は大いに不満でしょうし、トーネードが担っていた核任務の引き継ぎ先の選択肢には複数があり、機体毎の核任務の可否は米国が認可する性格のものであることから、米国VS欧州の性格を持つドロドロ感たっぷりの紆余曲折が予想されることから、簡単にご紹介しておきます

1月31日付Defense-News記事によれば
eurofighter11.jpg●今回の「F-35除外発言」はサプライズではない独関係者はこれまでも、欧州企業共同生産のアップグレードしたEurofighter Typhoonが好ましいと示唆していたからである
●これは、一つには欧州企業による作戦機製造機会を維持しするという目的のためであり、更にはより重要な要素として、独仏が開始している次世代機開発などの兵器開発連合の活動に水を差すことが無いようにするためである

●ただし、現在NATOによって割り当てられているトーネード戦闘機による核兵器投下任務をどうするかについて、米国製核兵器の搭載認証を受けていないTyphoon戦闘機は答えになっていない
FA-18EF2.jpg●そこで今回の「F-35除外発言」以前には、例えばロイター通信のように、独国防省がTyphoon戦闘機とF-35、又はTyphoon戦闘機とFA-18E/Fの混合調達を検討しているとの報道もなされていた

欧州製と米国製機体の混合調達は、NATO核任務遂行と欧州軍需産業保護の両面から都合が良いようにも見えるが、異なる2機種を支える維持整備上の負担は、経費面と人的・組織面の両方で大きな負担となる
●混合機種調達案以外にも、老朽化で維持経費が今後増大しても、NATO核任務用にトーネードの一部を引き続き維持してはどうかとの案も、不可能ではない案として常に検討対象として浮上している

独政府は、核兵器搭載可能機の保有について公に議論するようなことを避けたいと強く願い、核運搬任務に関するトーネードの後継機など議論したくないのが本音であり、Typhoon戦闘機の核搭載任務承認を米国に要請するであろうが、トーネードの維持が高価でも現状維持を期待する声はやまないだろう、とドイツの政府系シンクタンク研究者は昨年8月に予言していた。
F-35 Paris.jpg●1月31日の報道を受けても、独国防省関係者は、トーネードの核任務の後継については何も決まっていないと強調し、FA-18とTyphoonに関する情報提供をボーイングとエアバス社に求めていくだけだと述べた

一方でF-35製造のロッキード関係者は、「F-35除外」発言について、独政府から何も聞いていないと驚いた様子で、「NATOの次世代エアパワーの基盤として、F-35は世界で最も優れた作戦機であり、電子戦分野でも全ての4世代機御上回る能力を保有している」、「長期的な軍需産業基盤や経済的機会の面からも、市場にあるいかなる戦闘機よりも優れている」と訴えた
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F-35の核兵器搭載任務への改修型の設計製造や承認も先送りになっており、米国としても突っ込みが難しい面もあるでしょうが、Typhoon戦闘機に核兵器搭載承認を与えるかも米国の微妙なさじ加減になりそうです。

B-61 LEP.jpg核兵器を搭載するには少なくとも、核爆発時のEMP効果に耐えうる機体にするため、機体の電子回路や配線を電磁波からシールドする必要があり、F-35でも100億円の設計改修費が必要との見積もりがあったと思います

欧州での戦闘爆撃機搭載の戦術核を維持するのか?・・・との大前提となる問いにもこたえる必要がある課題です。これまた、お手並み拝見ですが・・・

ドイツと戦闘機関連記事
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2

戦術核兵器とF-35等
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

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不穏:一般教書演説で海外撤兵をより鮮明に!? [安全保障全般]

日本時間6日水曜日午前11時から
「シリアとアフガンのでたらめを引き継いだ」と嘆いた大統領
「these wars must finally end」の続きを語るのか?

trump state union.jpg日本時間6日水曜日午前11時から、トランプ大統領が約1週間遅れでやっと調整がついた米国大統領の一般教書演説(State of the Union address)を行います

メキシコ国境の壁予算を巡る議会との対立から、米国政府機関が史上最長の1か月にわたる一部閉鎖に追い込まれ、民主党が多数を占める下院のペローシ議長が同演説の時期延期を求めた結果ですが、米国の外交&安全保障政策の転換を示す演説になるのでは・・・とのうわさが流れ始めています

トランプ大統領自身も先週後半にかけ、冒頭でご紹介したようなメッセージをSNSで発し始め、他にも在韓米軍3万人についても兼ねてから言及しています。

更に1日付NYT紙に掲載のインタビュー記事ではマティス前国防長官の辞任に関し、彼の仕事が全く気に入らなかったから辞任を求めた、と語るなど国際協調を柱にしてきた過去の部下を正面から否定する発言も飛び出しており、一般教書演説に向け、何やら胸騒ぎを感じるのはまんぐーすだけでしょうか・・・

まず1日付NYT紙記事でのトランプ発言など
Mattis9.jpg●トランプ大統領はNYT紙とのインタビューで、「私がマティス長官に辞表を出すよう告げたのだ」と語った。これはこれまで報じられてきた前国防長官辞任の顛末とは異なる
●マティス氏が辞表レターを大統領に提出し、同時に公表した直後、ホワイトハウスはそれを「引退:retirement」と表現し、同長官のそれまでの功績を「国防省の業務である軍隊の強化を大いに推進した」と讃えた

しかし数日後には、トランプ大統領が前長官の業績を「良くなかった」と語り、辞任を歓迎するとまで述べ、更に業務の円滑な引継ぎのため2月末まで国防長官業務を続けるとした辞表レターでの申し出を遮り、Shanahan副長官を1月1日から臨時長官に据えると発表している
●インタビューで大統領は、「マティス氏は辞表に、大統領には最適な考えを同じくする閣僚を選択する権利がある、と書いているが、これは私がマティス氏に対し、『君は私の好みに合わない:You’re just not my choice』と言葉で告げたからだ」と説明している

●トランプ氏はマティス氏との関係が悪化した経緯については細部を語らなかったが、「私はマティス氏にかつてない規模で予算を与えたが、それでもまだ不満だったようだ」とも表現した

一般教書演説について1日付Defense-News記事は
Trump Syria.jpg●同演説の準備を進める政権上級幹部は、安全保障に関する重要な事項が含まれる(will include a significant section on national security)と述べたが、海外展開兵力の削減と外交方針転換について触れることになる以外は細部を詰めているところだとした言及しなかった

1日金曜日には大統領がツイート、「大統領に就任し、シリアとアフガンのでたらめを引き継ぐことになった」と嘆き、「これらの戦いはいつかは終結しなければならない」と付け加えている
●更に「長期間にわたる派遣を経て、今こそ(海外派遣兵士は)帰国を開始すべき時だ。国の予算をより懸命に使用すべきだ。一部の人たちにはより賢くなってもらう必要がある」ともつぶやいた

●1月31日には、上院が大統領のシリアとアフガンからの撤兵計画に反対する決議を行い、同地域の過激派は依然として米国への大きな脅威だと訴えている

trump paris.jpg同演説作成関係者は、トランプ大統領がどの国を特に取り上げることになるか等について、ベネズエラの政治的混乱以外については言及しなかった
昨年の同演説でトランプ大統領は、中東やアフガンでの軍事作戦の進展を讃え、国防費を増加して軍事力を強化すると主張していたが、今年の同演説作成チームは、昨年の内容の多くは今年も引き継がれると述べている
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日本にとっての悪夢のシナリオの一つは、2月末にベトナムで開催される2回目の米朝首脳会談に向け、北朝鮮が米国を射程に入れるICBMを放棄する代わりに、米国が在韓米軍の帰還又は大幅削減で「ディール」するシナリオです。もちろん北の核兵器は「放置」のままで・・・

中国関連では米中の激突が続いていますが、こっちでも心配の種は尽きませんねぇ・・・

2020年度国防予算をめぐる記事
「枠は示されたようですが・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12
「一転、国防費増?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-11
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2

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南極を巡る米中露の動きを垣間見る [安全保障全般]

南極条約で軍事利用は禁止されているが
科学調査の名目で各国が条約崩壊に備えた活動を
衛星通信の受信器設置が重要な意味を

Antarctica3.jpg22日付Military.comが米軍兵士4名による南極大陸での活動を取り上つつ1961年の南極条約で大陸の軍事化や兵器の使用が禁じられている中で、豊富な資源など大きな可能性を秘めた未開の大陸で、軍人も含めた中露を含む諸国の活動が活発化している様子を紹介していますので、昨年10月のABC報道と併せてご紹介します

南極大陸に関しては、7か国が領有権を主張(豪州、アルゼンチン、チリ、仏、英、ノルウェー、NZ)しているようですが、1961年発効の南極条約で領有権を設定せず、以下のような活動の枠組みを設定しました
(ウィキペディア南極条約→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84

・南極地域の平和的利用(軍事的利用の禁止
科学的調査の自由と国際協力
・南極地域における領土主権、請求権の凍結
核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止
・条約の遵守を確保するための監視員の設置
・南極地域に関する共通の利害関係のある事項についての協議の実施
・条約の原則および目的を促進するための措置を立案する会合の開催

Antarctica.jpg軍事的利用の禁止(軍事化や兵器使用の禁止:bans militarization and weapons use)を定めていますが、軍人や装備の侵入を禁じてはおらず、軍人が科学調査を支援するとの目的で活動することを妨げるものではありません

また議定書において経済的な資源の発掘や採掘は2048年まで一切が禁止されており、この効果が切れる2048年に再び議論することが少なくとも現時点で決まっているようで、少なくとも豪州やNZが現状維持を主張する一方で、中国やロシアは開発を主張しています。開発主張のメンツからしても、いつ抜け駆けが始まってもおかしくないですね・・・

米軍人4名のチームが通信インフラ試験に
Antarctica2.jpg●2018年12月、米州空軍の第263戦闘通信隊の下士官4名が2週間に渡り、「Operation Deep Freeze」作戦の一環として、衛星通信や衛星通信ネットワークの構成試験を行った
●参加した軍曹は「戦術衛星通信ターミナル装置を活用して、データ容量や密度を上げた戦闘通信が局所的や一時的に提供可能か、様々な試験を行った」と語っている

●また「極地の孤立した場所にSATCOMを設置して有効に活用できるかを確認し、同時に、2021年まで継続して通信を継続できる手法の検討も行っている」とも述べた
●試験が行われた拠点は、米国がMcMurdo Stationとして維持している施設の一部で、同基地はまた、軍兵士を含む国際協力チームが「National Science Foundation's Polar Program research」の名のもとに、毎年南極点探査を行っている拠点でもある

Antarctica5.jpg●米国のMcMurdo Stationには、南極の夏に当たる10月から2月の間に約1000名の関係者が滞在し、種々の活動を行っている。なお米軍人4名の試験結果については公表されていない
●他国も活動を活発化させており、中国とロシアも含まれている。

例えば中国は、McMurdo Station北西の豪州が領有を主張している地域で活発化しており、こちらも通信ネットワークの改善試験を開始しているようである
●NZの専門家は「2020年までに中国やロシアのGPSシステムが米国と技術的に肩を並べることになる」と述べており、また南極大陸に設置される受信装置が、中国やロシアによる軍事活動の範囲を世界中に拡大するだろうと述べている

豪州発ABCニュースは昨年10月
過去10年間で、特に中国とロシアは南極での活動を活発化(又は復活)させている。
Antarctica4.jpg中国の活動のほとんどは豪州が領有権を主張しているエリアで行われ、豪州はその活動を把握している。
中国は南極大陸に、3つの恒久基地と2つの簡易基地、そして3つの飛行場を維持している

●一方でロシアは、1820年に南極大陸を発見したと主張し、その後南極で長く活動している。一時は科学調査分野で世界のリーダーだったが、ソ連崩壊で資金が激減し、3つの基地を閉鎖した
しかしロシアは最近、再び難局に投資を再開し、科学調査と衛星通信受信機に焦点を置いている
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南極条約の正確な内容や、衛星通信に関する技術的な知識があれば、より突っ込んだ説明が可能でしょうが、知識不足で中途半端な説明になってしまいました

ご興味のある方は「南極」や「Antarctic Treaty」でググってください

それから、豪州は約2200億円をかけ、新型の南極砕氷艦(a new Antarctic icebreaker)を調達するようです。

関連のwebリンク
ウィキペディア南極条約https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84
外務省の南極条約解説https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/s_pole.html
各種百科事典の南極条約解説https://kotobank.jp/word/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84-108763

ウィキペディア南極の領有権主張
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%A0%98%E6%9C%89%E6%A8%A9%E4%B8%BB%E5%BC%B5%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

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今後10年間の核兵器関連予算見積が23%増 [安全保障全般]

毎年5.5兆円(日本の防衛費と同レベル)が必要との見積
2年ごとの見積も、毎回15-20%上昇

CBO NCW.jpg24日、米議会予算室(CBO:Congressional Budget Office)が今後10年間(2019–2028年)に米国核戦力の維持&近代化に必要な経費を見積もって公表しました。この見積もりは隔年で行われているもので、2015年と2017年にも公開されています。

見積の結果、今後10年間で約55兆円が必要とされ、平均すると毎年の国防費の約6%を核兵器関連経費が占めることになります。
またこの約55兆円は、2017年見積の約45兆円から23%増加しており、2017年見積も2015年見積から15%アップした経緯を経ており、その急増ぶりが米議会で早くも注目を集めています

2018年にトランプ政権が核態勢見直しNPRを発表し、新たな計画として盛り込んだ低出力潜水艦発射型弾道ミサイル搭載核兵器、艦艇発射巡航ミサイル搭載核兵器、プルトニウム製造施設増設については、今後10年間で約1.9兆円と試算されています。

B-2takeoff.jpg一方でロシアの欧州正面への中距離巡航ミサイル配備を受け、米国がINF全廃条約を脱退した場合の新型兵器開発や配備の経費は見積不能で含まれておらず、またNPRが示したB83核爆弾の延命措置経費についても、細部不明で見積には含まれていません

なおCBO見積では、個々の見積額を合計後、過去の同種のプロジェクトの経年経費増加率を参考に、今後約10年間のトータル経費増加額を別途約6.8兆円と見積もって追加しているもも特徴です

下院で多数派を占める民主党議員達は、到底受け入れ不可能な数字であり、今こそ核兵器削減を議論すべきだと訴え、核兵器や関連施設の近代化を強く推してきた共和党の有力議員でさえも、政党間の論点となるだろうとコメントしています

以下は項目別10年間経費見積もり
●$234 billionを戦略核兵器運搬システムと関連兵器に
戦略原潜、ICBM、長距離爆撃機と搭載核兵器、更にエネルギー省が担当する潜水艦用原子炉経費

●$15 billionを戦術運搬システムと関連兵器に
戦術航空機と関連兵器、新しい潜水艦発射巡航ミサイル

●$106 billionをエネルギー省の施設経費
核兵器関連研究所と製造整備施設(核兵器の管理保管も含む)
核兵器のメンテナンスと近代化が先送りされ蓄積中

●$77 billionを核兵器関連の指揮統制システム
指揮統制には早期警戒情報の伝達システムを含む

●残りの$62 billionはCBO予想のコスト増加額
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CBOの見積もり現物(12ページ)
https://www.cbo.gov/system/files?file=2019-01/54914-NuclearForces.pdf

SSBN2.jpg細部の見積もりや、2017年見積もりからの変化等については、現物レポートや米空軍協会web記事をご覧いただければ幸いです。

米軍ほどの数量の核兵器を保有しなくても、核兵器保有に関する基礎的な固定費は、核兵器の製造・維持整備施設や関連研究機関経費、指揮統制システム、関連人員の経費等で膨大な額になることをザックリとでも頭に置いてください。

2017年のCBO見積もり(30年間対象)記事
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

「2017年世界の核兵器動向」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-20

米国核兵器を巡る動向
「核兵器輸送がNo2任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-11
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「次期ICBMと核巡航ミサイルの企業選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

「RAND:中国の核兵器戦略に変化の兆し」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19

三浦瑠璃女史の北朝鮮と核持ち込み
http://lullymiura.hatenadiary.jp/entry/2017/04/24/000359

ロシアのINF条約破り
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

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