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新たな自衛官の海外派遣先MFOを学ぶ [安全保障全般]

国連の枠組みでない米国主導で1982年開始の兵力引き離し監視
エジプトとイスラエル間のシナイ半島を約2000名で担当
1988年から日本は資金協力も、現資金規模は当時の5%以下

MFO.jpg10日各種メディアが、シナイ半島に展開する兵力監視部隊MFOの司令部要員として、自衛官2名を派遣する方針を政府が固め、早ければ今春にもMFO司令部があるシナイ半島南端部の都市シャルム・エル・シェイクに派遣されると報じました

MFO(Multinational Force and Observers)は、これまで自衛隊が多く参加した国連枠組みの活動ではなく第4次中東戦争後に米国主導で1982年から活動を開始した「兵力引き離し監視」を行う組織で、2015年に成立した安全保障関連法によって付与された、新たな海外活動の初適用となるそうです

Sinai.jpg遠く離れた中東で、かつイスラエルとエジプトに挟まれたシナイ半島は日本人にとって極めて遠い場所でしょう。中年以上の方にとっては映画「十戒」で、神がシナイ山でモーゼに10の戒めを示された場所・・・ぐらいの記憶があるかもしれませんが・・・

そんな場所での任務ですので、派遣されるであろう陸上自衛官2名のご活躍を祈念し、MFOについて日本とのかかわりを中心にご紹介いたします。
外務省が公開している予算獲得関連資料を中心につまみ食いで取り上げますので、なんとなく有効性を強調する論調になるかもしれませんが・・・

外務省予算資料とMFOのサイト情報より
第4次中東戦争後のエジプトとイスラエルの平和条約の議定書に基づき、1982年から展開。シナイ半島を挟む上記2国の軍の平和条約履行の検証(展開、活動状況、停戦監視)、両国間の対話の促進、関係の安定化が主要任務活動開始後35年間、4回も戦争したりぃう国間の和平維持に貢献
12の要員派遣国から現在約2000名が活動しており、3個歩兵大隊、1個支援代替、沿岸紹介部隊(偵察ボート保有)、航空機部隊、文民監視団などによって構成されている

MFO2.jpg要員派遣国は米、英、加、豪、仏、伊、NZ、ノルウェー、チェコ、ウルグアイ、コロンビア、フィジー
本部はローマに所在し、エジプトとイスラエルにも事務所を置く。所属部隊の司令部は2015年以降の改編で、シナイ半島の南北に分かれたいたものを南部のシャルム・エル・シェイクに集約

2017年の主な活動実績
---文民監視ユニットによる検証24回、偵察を23回
---シナイ半島で両国間の会議を3回開催
---任務効率化のための遠隔監視サイトの再編成
---中東展開の国連休戦監視機構(UNTSO)との情報交換
●任務遂行の効率化に取り組み、1983年当時と比較し、人員規模を3割削減し、予算規模を1割削減
(ただし米ドルベースで予算規模の推移を見ると、1983年を100とすると、最高は84年の109、90-05年は最低で50、2018年は78レベルであり、継続して予算規模が縮小しているわけではない

MFO3.jpg予算拠出はエジプト、イスラエル、米国が同額で各20億円超でを拠出して全体の3割を賄い、その他を関係国が分担して賄っている
日本は1988年から資金援助を開始しているが、外務省資料は日本の支援金額が「90年代の5%以下の低下している」と指摘し、2018年度支出が約500万円であることから、当初は1億円程度を支援していたものと考えられる

日本の資金面での貢献度は、2002年度で2900万円で第7位の貢献度であったが、500万円となった現在では貢献度順位は公開されていない。外務省資料では、MFOは設立当時の関係国の思惑等から国連枠組みにならなかったことから、より多くの国からの支援を得ることを重視しており、少ない額でもMFOから評価されているが、これ以上の金額低下は避けるべきと記されている

●外務省資料では、日本からの拠出金は「文民職員給与」と「食糧調達」に限定して使用されるとなっているが、MFOのwebサイトでは、日本が「Force Protection Fund」の2割程度を拠出していることになっており、この2つの資料の関係はよく分からない(もう一つの区分のOperational Budgetでは日本の割合は読み取れないほど小さい)
→ http://mfo.org/en/mfo-in-numbers 

MFO事務局長(現在は米国の外交官で、イラクやエジプトの大使経験者)が2015年から毎年訪日し、活動状況等について日本に説明し、意見交換を日本側と行っている
●現在のMFO指揮官は豪州陸軍少将で、ティモールで多国籍部隊指揮官の経験がある
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活動の細部はMFOのwebサイトをのぞいていただければともいます

MFO4.jpg例えばフィジーからの派遣部隊は、シナイ半島で武器(小銃等)を提供され、訓練を受け、武器を帰国時に持ち帰って自国で活用できる制度になっているような話を聞いた覚えがあります
先進国は沿岸監視ボートや偵察航空機、指揮統制通信インフラ、装備の維持整備要員、文民監視員を提供し、その他の国はエリアを分担して駐屯しているイメージかと思います

恐らく、事務総長が毎年訪日するようになった2015年以降、支援金の減額に伴い「人的貢献」の要望が繰り返し出されたものと邪推します。
シャルム・エル・シェイクはシナイ半島南端付近の『リゾート地』で、ソフトターゲットとしての観光施設を狙ったテロが時々報じられています。派遣される方は余暇の時間も気を付けて頑張っていただきたいです

MFOのwebサイト
http://mfo.org/en

参考にした外務省の公開予算関連資料
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000392519.pdf

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独の戦闘機選定:F-35除外も核任務の扱いが鍵 [安全保障全般]

tornade.jpg1月31日付Defense-Newsがドイツ国内報道を引用し、老朽化が進む90機の独空軍トーネード戦闘機の後継機選定に関し独国防省関係者が(米から購入せよ圧力があると邪推する)F-35を候補から除外したと語ったと報じ、一方でトーネードが担っていたNATO作戦における核兵器投下をどうするかについては混迷状態にあると解説しています。

ドイツの戦闘機に関しては、独と仏が中心となり欧州全体を巻き込む方向の次世代戦闘機開発が2040年配備を目指してスタートしており、トーネードの後継機はそれまでの「つなぎ戦力」の性格が強く、早くから5世代機の「F-35でなくても・・」との雰囲気が独内にあります。

eurofighter2.jpgこれを受け昨年4月には、ユーロファイターCEOはトーネード戦闘機の後継争いにおいて、F-35よりもユーロファイターが有利に立っていると語っています。従って、今回の独国防省高官の「F-35排除発言」は、少なくとも軍事専門家や独国内では淡々と受け止められているようです。

しかし、独国防費のGDP比が低いと圧力をかけている米ホワイトハウスや米国務・国防長官、F-35製造のロッキード社は大いに不満でしょうし、トーネードが担っていた核任務の引き継ぎ先の選択肢には複数があり、機体毎の核任務の可否は米国が認可する性格のものであることから、米国VS欧州の性格を持つドロドロ感たっぷりの紆余曲折が予想されることから、簡単にご紹介しておきます

1月31日付Defense-News記事によれば
eurofighter11.jpg●今回の「F-35除外発言」はサプライズではない独関係者はこれまでも、欧州企業共同生産のアップグレードしたEurofighter Typhoonが好ましいと示唆していたからである
●これは、一つには欧州企業による作戦機製造機会を維持しするという目的のためであり、更にはより重要な要素として、独仏が開始している次世代機開発などの兵器開発連合の活動に水を差すことが無いようにするためである

●ただし、現在NATOによって割り当てられているトーネード戦闘機による核兵器投下任務をどうするかについて、米国製核兵器の搭載認証を受けていないTyphoon戦闘機は答えになっていない
FA-18EF2.jpg●そこで今回の「F-35除外発言」以前には、例えばロイター通信のように、独国防省がTyphoon戦闘機とF-35、又はTyphoon戦闘機とFA-18E/Fの混合調達を検討しているとの報道もなされていた

欧州製と米国製機体の混合調達は、NATO核任務遂行と欧州軍需産業保護の両面から都合が良いようにも見えるが、異なる2機種を支える維持整備上の負担は、経費面と人的・組織面の両方で大きな負担となる
●混合機種調達案以外にも、老朽化で維持経費が今後増大しても、NATO核任務用にトーネードの一部を引き続き維持してはどうかとの案も、不可能ではない案として常に検討対象として浮上している

独政府は、核兵器搭載可能機の保有について公に議論するようなことを避けたいと強く願い、核運搬任務に関するトーネードの後継機など議論したくないのが本音であり、Typhoon戦闘機の核搭載任務承認を米国に要請するであろうが、トーネードの維持が高価でも現状維持を期待する声はやまないだろう、とドイツの政府系シンクタンク研究者は昨年8月に予言していた。
F-35 Paris.jpg●1月31日の報道を受けても、独国防省関係者は、トーネードの核任務の後継については何も決まっていないと強調し、FA-18とTyphoonに関する情報提供をボーイングとエアバス社に求めていくだけだと述べた

一方でF-35製造のロッキード関係者は、「F-35除外」発言について、独政府から何も聞いていないと驚いた様子で、「NATOの次世代エアパワーの基盤として、F-35は世界で最も優れた作戦機であり、電子戦分野でも全ての4世代機御上回る能力を保有している」、「長期的な軍需産業基盤や経済的機会の面からも、市場にあるいかなる戦闘機よりも優れている」と訴えた
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F-35の核兵器搭載任務への改修型の設計製造や承認も先送りになっており、米国としても突っ込みが難しい面もあるでしょうが、Typhoon戦闘機に核兵器搭載承認を与えるかも米国の微妙なさじ加減になりそうです。

B-61 LEP.jpg核兵器を搭載するには少なくとも、核爆発時のEMP効果に耐えうる機体にするため、機体の電子回路や配線を電磁波からシールドする必要があり、F-35でも100億円の設計改修費が必要との見積もりがあったと思います

欧州での戦闘爆撃機搭載の戦術核を維持するのか?・・・との大前提となる問いにもこたえる必要がある課題です。これまた、お手並み拝見ですが・・・

ドイツと戦闘機関連記事
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2

戦術核兵器とF-35等
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

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不穏:一般教書演説で海外撤兵をより鮮明に!? [安全保障全般]

日本時間6日水曜日午前11時から
「シリアとアフガンのでたらめを引き継いだ」と嘆いた大統領
「these wars must finally end」の続きを語るのか?

trump state union.jpg日本時間6日水曜日午前11時から、トランプ大統領が約1週間遅れでやっと調整がついた米国大統領の一般教書演説(State of the Union address)を行います

メキシコ国境の壁予算を巡る議会との対立から、米国政府機関が史上最長の1か月にわたる一部閉鎖に追い込まれ、民主党が多数を占める下院のペローシ議長が同演説の時期延期を求めた結果ですが、米国の外交&安全保障政策の転換を示す演説になるのでは・・・とのうわさが流れ始めています

トランプ大統領自身も先週後半にかけ、冒頭でご紹介したようなメッセージをSNSで発し始め、他にも在韓米軍3万人についても兼ねてから言及しています。

更に1日付NYT紙に掲載のインタビュー記事ではマティス前国防長官の辞任に関し、彼の仕事が全く気に入らなかったから辞任を求めた、と語るなど国際協調を柱にしてきた過去の部下を正面から否定する発言も飛び出しており、一般教書演説に向け、何やら胸騒ぎを感じるのはまんぐーすだけでしょうか・・・

まず1日付NYT紙記事でのトランプ発言など
Mattis9.jpg●トランプ大統領はNYT紙とのインタビューで、「私がマティス長官に辞表を出すよう告げたのだ」と語った。これはこれまで報じられてきた前国防長官辞任の顛末とは異なる
●マティス氏が辞表レターを大統領に提出し、同時に公表した直後、ホワイトハウスはそれを「引退:retirement」と表現し、同長官のそれまでの功績を「国防省の業務である軍隊の強化を大いに推進した」と讃えた

しかし数日後には、トランプ大統領が前長官の業績を「良くなかった」と語り、辞任を歓迎するとまで述べ、更に業務の円滑な引継ぎのため2月末まで国防長官業務を続けるとした辞表レターでの申し出を遮り、Shanahan副長官を1月1日から臨時長官に据えると発表している
●インタビューで大統領は、「マティス氏は辞表に、大統領には最適な考えを同じくする閣僚を選択する権利がある、と書いているが、これは私がマティス氏に対し、『君は私の好みに合わない:You’re just not my choice』と言葉で告げたからだ」と説明している

●トランプ氏はマティス氏との関係が悪化した経緯については細部を語らなかったが、「私はマティス氏にかつてない規模で予算を与えたが、それでもまだ不満だったようだ」とも表現した

一般教書演説について1日付Defense-News記事は
Trump Syria.jpg●同演説の準備を進める政権上級幹部は、安全保障に関する重要な事項が含まれる(will include a significant section on national security)と述べたが、海外展開兵力の削減と外交方針転換について触れることになる以外は細部を詰めているところだとした言及しなかった

1日金曜日には大統領がツイート、「大統領に就任し、シリアとアフガンのでたらめを引き継ぐことになった」と嘆き、「これらの戦いはいつかは終結しなければならない」と付け加えている
●更に「長期間にわたる派遣を経て、今こそ(海外派遣兵士は)帰国を開始すべき時だ。国の予算をより懸命に使用すべきだ。一部の人たちにはより賢くなってもらう必要がある」ともつぶやいた

●1月31日には、上院が大統領のシリアとアフガンからの撤兵計画に反対する決議を行い、同地域の過激派は依然として米国への大きな脅威だと訴えている

trump paris.jpg同演説作成関係者は、トランプ大統領がどの国を特に取り上げることになるか等について、ベネズエラの政治的混乱以外については言及しなかった
昨年の同演説でトランプ大統領は、中東やアフガンでの軍事作戦の進展を讃え、国防費を増加して軍事力を強化すると主張していたが、今年の同演説作成チームは、昨年の内容の多くは今年も引き継がれると述べている
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日本にとっての悪夢のシナリオの一つは、2月末にベトナムで開催される2回目の米朝首脳会談に向け、北朝鮮が米国を射程に入れるICBMを放棄する代わりに、米国が在韓米軍の帰還又は大幅削減で「ディール」するシナリオです。もちろん北の核兵器は「放置」のままで・・・

中国関連では米中の激突が続いていますが、こっちでも心配の種は尽きませんねぇ・・・

2020年度国防予算をめぐる記事
「枠は示されたようですが・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12
「一転、国防費増?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-11
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2

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南極を巡る米中露の動きを垣間見る [安全保障全般]

南極条約で軍事利用は禁止されているが
科学調査の名目で各国が条約崩壊に備えた活動を
衛星通信の受信器設置が重要な意味を

Antarctica3.jpg22日付Military.comが米軍兵士4名による南極大陸での活動を取り上つつ1961年の南極条約で大陸の軍事化や兵器の使用が禁じられている中で、豊富な資源など大きな可能性を秘めた未開の大陸で、軍人も含めた中露を含む諸国の活動が活発化している様子を紹介していますので、昨年10月のABC報道と併せてご紹介します

南極大陸に関しては、7か国が領有権を主張(豪州、アルゼンチン、チリ、仏、英、ノルウェー、NZ)しているようですが、1961年発効の南極条約で領有権を設定せず、以下のような活動の枠組みを設定しました
(ウィキペディア南極条約→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84

・南極地域の平和的利用(軍事的利用の禁止
科学的調査の自由と国際協力
・南極地域における領土主権、請求権の凍結
核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止
・条約の遵守を確保するための監視員の設置
・南極地域に関する共通の利害関係のある事項についての協議の実施
・条約の原則および目的を促進するための措置を立案する会合の開催

Antarctica.jpg軍事的利用の禁止(軍事化や兵器使用の禁止:bans militarization and weapons use)を定めていますが、軍人や装備の侵入を禁じてはおらず、軍人が科学調査を支援するとの目的で活動することを妨げるものではありません

また議定書において経済的な資源の発掘や採掘は2048年まで一切が禁止されており、この効果が切れる2048年に再び議論することが少なくとも現時点で決まっているようで、少なくとも豪州やNZが現状維持を主張する一方で、中国やロシアは開発を主張しています。開発主張のメンツからしても、いつ抜け駆けが始まってもおかしくないですね・・・

米軍人4名のチームが通信インフラ試験に
Antarctica2.jpg●2018年12月、米州空軍の第263戦闘通信隊の下士官4名が2週間に渡り、「Operation Deep Freeze」作戦の一環として、衛星通信や衛星通信ネットワークの構成試験を行った
●参加した軍曹は「戦術衛星通信ターミナル装置を活用して、データ容量や密度を上げた戦闘通信が局所的や一時的に提供可能か、様々な試験を行った」と語っている

●また「極地の孤立した場所にSATCOMを設置して有効に活用できるかを確認し、同時に、2021年まで継続して通信を継続できる手法の検討も行っている」とも述べた
●試験が行われた拠点は、米国がMcMurdo Stationとして維持している施設の一部で、同基地はまた、軍兵士を含む国際協力チームが「National Science Foundation's Polar Program research」の名のもとに、毎年南極点探査を行っている拠点でもある

Antarctica5.jpg●米国のMcMurdo Stationには、南極の夏に当たる10月から2月の間に約1000名の関係者が滞在し、種々の活動を行っている。なお米軍人4名の試験結果については公表されていない
●他国も活動を活発化させており、中国とロシアも含まれている。

例えば中国は、McMurdo Station北西の豪州が領有を主張している地域で活発化しており、こちらも通信ネットワークの改善試験を開始しているようである
●NZの専門家は「2020年までに中国やロシアのGPSシステムが米国と技術的に肩を並べることになる」と述べており、また南極大陸に設置される受信装置が、中国やロシアによる軍事活動の範囲を世界中に拡大するだろうと述べている

豪州発ABCニュースは昨年10月
過去10年間で、特に中国とロシアは南極での活動を活発化(又は復活)させている。
Antarctica4.jpg中国の活動のほとんどは豪州が領有権を主張しているエリアで行われ、豪州はその活動を把握している。
中国は南極大陸に、3つの恒久基地と2つの簡易基地、そして3つの飛行場を維持している

●一方でロシアは、1820年に南極大陸を発見したと主張し、その後南極で長く活動している。一時は科学調査分野で世界のリーダーだったが、ソ連崩壊で資金が激減し、3つの基地を閉鎖した
しかしロシアは最近、再び難局に投資を再開し、科学調査と衛星通信受信機に焦点を置いている
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南極条約の正確な内容や、衛星通信に関する技術的な知識があれば、より突っ込んだ説明が可能でしょうが、知識不足で中途半端な説明になってしまいました

ご興味のある方は「南極」や「Antarctic Treaty」でググってください

それから、豪州は約2200億円をかけ、新型の南極砕氷艦(a new Antarctic icebreaker)を調達するようです。

関連のwebリンク
ウィキペディア南極条約https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84
外務省の南極条約解説https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/s_pole.html
各種百科事典の南極条約解説https://kotobank.jp/word/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84-108763

ウィキペディア南極の領有権主張
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%A0%98%E6%9C%89%E6%A8%A9%E4%B8%BB%E5%BC%B5%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

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今後10年間の核兵器関連予算見積が23%増 [安全保障全般]

毎年5.5兆円(日本の防衛費と同レベル)が必要との見積
2年ごとの見積も、毎回15-20%上昇

CBO NCW.jpg24日、米議会予算室(CBO:Congressional Budget Office)が今後10年間(2019–2028年)に米国核戦力の維持&近代化に必要な経費を見積もって公表しました。この見積もりは隔年で行われているもので、2015年と2017年にも公開されています。

見積の結果、今後10年間で約55兆円が必要とされ、平均すると毎年の国防費の約6%を核兵器関連経費が占めることになります。
またこの約55兆円は、2017年見積の約45兆円から23%増加しており、2017年見積も2015年見積から15%アップした経緯を経ており、その急増ぶりが米議会で早くも注目を集めています

2018年にトランプ政権が核態勢見直しNPRを発表し、新たな計画として盛り込んだ低出力潜水艦発射型弾道ミサイル搭載核兵器、艦艇発射巡航ミサイル搭載核兵器、プルトニウム製造施設増設については、今後10年間で約1.9兆円と試算されています。

B-2takeoff.jpg一方でロシアの欧州正面への中距離巡航ミサイル配備を受け、米国がINF全廃条約を脱退した場合の新型兵器開発や配備の経費は見積不能で含まれておらず、またNPRが示したB83核爆弾の延命措置経費についても、細部不明で見積には含まれていません

なおCBO見積では、個々の見積額を合計後、過去の同種のプロジェクトの経年経費増加率を参考に、今後約10年間のトータル経費増加額を別途約6.8兆円と見積もって追加しているもも特徴です

下院で多数派を占める民主党議員達は、到底受け入れ不可能な数字であり、今こそ核兵器削減を議論すべきだと訴え、核兵器や関連施設の近代化を強く推してきた共和党の有力議員でさえも、政党間の論点となるだろうとコメントしています

以下は項目別10年間経費見積もり
●$234 billionを戦略核兵器運搬システムと関連兵器に
戦略原潜、ICBM、長距離爆撃機と搭載核兵器、更にエネルギー省が担当する潜水艦用原子炉経費

●$15 billionを戦術運搬システムと関連兵器に
戦術航空機と関連兵器、新しい潜水艦発射巡航ミサイル

●$106 billionをエネルギー省の施設経費
核兵器関連研究所と製造整備施設(核兵器の管理保管も含む)
核兵器のメンテナンスと近代化が先送りされ蓄積中

●$77 billionを核兵器関連の指揮統制システム
指揮統制には早期警戒情報の伝達システムを含む

●残りの$62 billionはCBO予想のコスト増加額
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CBOの見積もり現物(12ページ)
https://www.cbo.gov/system/files?file=2019-01/54914-NuclearForces.pdf

SSBN2.jpg細部の見積もりや、2017年見積もりからの変化等については、現物レポートや米空軍協会web記事をご覧いただければ幸いです。

米軍ほどの数量の核兵器を保有しなくても、核兵器保有に関する基礎的な固定費は、核兵器の製造・維持整備施設や関連研究機関経費、指揮統制システム、関連人員の経費等で膨大な額になることをザックリとでも頭に置いてください。

2017年のCBO見積もり(30年間対象)記事
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

「2017年世界の核兵器動向」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-20

米国核兵器を巡る動向
「核兵器輸送がNo2任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-11
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「次期ICBMと核巡航ミサイルの企業選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

「RAND:中国の核兵器戦略に変化の兆し」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19

三浦瑠璃女史の北朝鮮と核持ち込み
http://lullymiura.hatenadiary.jp/entry/2017/04/24/000359

ロシアのINF条約破り
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

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零細脆弱な軍事産業に米政府が投資へ [安全保障全般]

まず弾薬関連メーカーを対象に
化学物質で中国企業依存も深刻化

Navarro.jpg15日、米大統領の通商産業担当補佐官のPeter Navarro氏が独占インタビューに答え大統領が命じて昨年10月に調査が行われた軍需産業の苦境を調べた「defense-industrial base study」結果に基づき、対策の一つとして、弾薬部品や化学物質関連の零細な企業のために約270億円の資金を準備し、審査を経て事業に政府資金で投資を行うと明らかにしました

昨年10月の調査結果、過去2-3年に国防省は大量の爆弾やミサイルを発注しているものの、その調達は過去約20年波が激しく、新たな開発業務もない状態に企業が置かれていることが判明しています。

しかも単一の製造元や納入先しかない極めて不安定な状態に置かれている企業が多いことから、近年事業から撤退を表明または恐れが高い中小の企業が増加し、既に中国を含む他国企業に依存しなければならない分野も急増していることが明らかになっています

なお既に、昨年10月の報告発表直後に、約70億円をガン部品製造企業に、また1億円がアブラハム戦車企業に投資することが発表されているようです

16日付Defense-News記事によれば
36th Munitions2.jpg●同補佐官は、トランプ大統領の国家安全保障戦略に示されているように、経済安全保障自体が国家安全保障に直結すると述べ、弾薬製造企業をテコ入れすることは、軍事力だけでなく、雇用を増加して米国全体を支えることにつながると説明
●更に、軍需産業政策の点で、トランプ大統領はアイゼンハワー大統領以来、最も軍需産業に関心を持って政策に取り組んでいる大統領であると訴えた

●また15日に大統領が署名した4つの文書で、「先行核物資、不活性物質、エネルギー物質、化学物質製造への最新技術」関連のサプライチェーン強化をホワイトハウスが打ち出したところだが、国防省幹部は昨年指摘された300の脆弱産業基盤分野の1/3に今年対応するとも語っている
●なお同補佐官は、資金投入は法律「Defense Production Act’s Title III」に基づいて行われ、決して資金を広くばらまいて企業の運用資金を手当てするのではなく、応募のあった企業やプロジェクトを審査して「ベンチャー投資や事業シードへの投資」に似た性格の資金投入を行うと説明している

●一方で、弾薬製造関連のどの企業がどの程度の政府資金を得られるかについて、同補佐官も国防省関係者も言及せず資金投入の総額は1000億円にはならないが、数百億円の単位だと全体像を語り、調達担当次官は昨年12月、1年以内に270億円を投入すると述べていたところである

F-35 sunset.jpg●同補佐官は、「60~80年間も同じ製造技術や設備を使用している企業に、先端製造技術導入を促進したい」と希望を語っている
●また、供給元が1企業しかない固体ロケットモーター、熱バッテリー、小型タービンエンジンの問題や、弾薬の2次3次メーカニーになるとその98%が唯一の供給企業である実態も悩ましい課題である

海外依存も問題である。例えば、兵器の絶縁(insulation of weapons)に使用するDechlorane Plus 25は、ベルギー企業が唯一の供給元で、その原材料化学物質を製造する中国企業が事業からの撤退を表明している始末である
●更に、空対空ミサイルの推進剤に含まれるDimeryl diisocyanateも供給元が一つだが、既に国防省に製造中止を申し出ている

●同補佐官は対中貿易に関して強硬論者だが、化学物質に関して米国が中国に大きく依存していることを大きな課題と認識している
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36th Munitions4.jpg一応「ベンチャー投資や事業シードへの投資」に似た性格の資金投入との説明ですが、零細で脆弱な軍需企業の実態を考えれば、実態としては運転資金やつなぎ資金の提供に近い資金提供になるような気がします

これは重要な施策です米国だけでなく日本や西側各国で同様の問題が見られ、各国政府や国防関係者は対応に苦慮している中ですので、そのお手並みに注目したいと思います

この分野ではトランプ頑張れ!・・・です

軍需産業関連の記事
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「新たな武器輸出促進策」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-10-2
「国防省の軍需産業レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1
「部品枯渇対策に製造権取得へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18

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MDRが要求:F-35でICBM迎撃の可能性検討 [安全保障全般]

なぜか国防省開発担当次官は自信ありげで・・・
多くの専門家がその実現可能性に疑問符・・
日本は巻き込まれないように要注意

F-35 Sun-Set.jpg17日に米政府が発表したミサイル防衛見直し(MDR)が、米空軍とミサイル防衛庁(MDA)に対し、6か月以内にミサイル防衛にF-35を如何に組み込むかについて報告するよう求めている件に関し、米軍事メディアが、Mike Griffin開発担当次官と専門家の意見を紹介しています

過去から何度か話題にされ、民間研究機関の検討レポートも存在するようですが、多くがその実行可能性や効果、更に費用対効果の面から否定的なF-35の活用について、なぜ再び取り上げられたのか良くわからないのですが、メインの対象が北朝鮮のICBMや弾道ミサイルであり、メディア記事の概要をご紹介します

まさかとは思いますが、日本が増強しようとしているF-35が巻き込まれることが無いように切に願いつつ・・・

17日付Defense-News記事によれば
Griffin.jpg●MDRは本件に関し、「F-35は高性能のセンサーを装備しており、発射段階(ブースとフェーズ)のミサイルを探知でき、ミサイルの位置を把握できる」、「F-35は巡航ミサイルの探知と迎撃が現在でも可能だが、将来的には、敵対者の弾道ミサイルを撃墜可能な新たな又は改良した迎撃体を装備し、米国の防衛や攻撃任務を強化するため、迅速に対象地域に派遣可能となるだろう」と述べている
●そしてMDRは今後半年間で、米空軍とミサイル防衛庁に、どのようにしたらF-35を最適な形でミサイル防衛に取り込むことが出来るか報告するよう求めている

●また17日、「強情な」本構想支持者である国防省Mike Griffin開発担当次官も記者団に対し、F-35の活用が作戦面で有効で、かつ費用対効果にも優れていると語った
●同次官は「ある特定の地域では(北朝鮮が頭に浮かぶが・・・)、我々はこの構想が有効で低コストだと考えている。空対空要撃と呼ぶのか、センサーと発射プラットフォームの両方の能力を備えた先進型機に新たな兵器を搭載する方向だ」と語った

AIM-120D-3.jpg●更に同次官は、「我々はMDRが示しているように、もう一度検討しなおすのだ。私が確認した最近の複数の分析では、改めて検討すべきとの結果が出ている」とも表現した
●MDRは新型と改良版の要撃体を検討対象と記しているが、同次官はAMRAAMを改良した要撃体では期待する任務を果たせないだろうとも語った

●検討の結果、例え国防省がF-35による迎撃をあきらめたとしても、同機が装備する多様なセンサーの活用はさらに追及するだろうとMDA長官は述べている

●一方、同次官の楽観的とも見える発言に対し、専門家は懐疑的である。Kingston Reif氏は2012年の科学アカデミーのレポートを示しつつ、「ICBMの短いブーストフェーズ間に、射程距離の短い航空アセット発射兵器で撃墜するには、同アセットがICBM発射地点の近傍上空に在空している必要があり、かつ迎撃ミサイルにはより燃焼速度の速い固体燃料が必要だ」と述べ、F-35活用に否定的
●端的に言えば、F-35のような貴重なアセットを、敵の領域近傍に常時在空させて待ち構えるようなやり方は、極めて非効率で高価であるとともに、F-35を他の任務から引きはがす点でも不適当な構想だとの指摘で、この指摘に同調する専門家が多い

Griffin2.jpgGriffin次官は、何を根拠にF-35の活用が「low cost」で、何を根拠に17日に記者団に自信を示したのか説明していないが、軍事ウォッチャーの中には、国防省がMDへのF-35活用をいつか持ち出すと睨んでいたものもいる

共和党議員の中には、2017年のロスアラモス研究所レポートがF-35によるICBM撃墜の可能性を示していると主張する者もいる
●また、F-35の「distributed aperture system」を活用した2014年のMDAとNorthrop Grummanの研究が、2機以上のF-35の同システムデータを融合し、弾道ミサイルの位置を追尾しようと試みた試験を持ち出す者もいる
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Griffin次官の17日発言の根拠については不明ですが、今後様々に報道されるでしょう

出ましたFNNの解説記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190120-00010000-fnnprimev-int&p=1

また、米空軍が本気で取り組むとは考えにくいのですが、いい加減に検討し、日本や韓国に押し付けることが無いよう願うばかりです・・・

MDR関連の記事
「やっと発表MDR」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「MDRはまだなのか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12

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やっとミサイル防衛見直しMDRを発表&トランプ演説 [安全保障全般]

米国が破産しないように祈るばかり・・

MDR.jpg17日、トランプ大統領は国防省で、MDRは今後5~10年間のMDシステムの指針を示したミサイル防衛見直しについて演説し、米国のBMD努力に依存している同盟国等に負担を求めていく考えを再び強調しました

この見直しは、MDに慎重な姿勢を示したオバマ前政権時代の2010年以来9年ぶりとなるものです。なお今回の見直しは2018年中に発表する予定でしたが、対象国による新型兵器の開発が飛躍的の進んでいることや、厳しい財政背景もあり、米国政府内dの調整に時間を要し繰り返し発表が延期されてきました。

これまでの歴代政権は、北朝鮮とイランの弾道ミサイルを脅威の対象に据え、米国のミサイル防衛は中露に対抗するものではないと主張して来ましたが、今回は、弾道ミサイルだけでなく巡航ミサイルや、中露が開発を手がける超超音速兵器や高性能巡航ミサイルなど幅広い脅威に対象拡大を明確にし、「弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)」という従来の名称を、「弾道ミサイル」との限定をなくし「MDR:ミサイル防衛見直し」へと改めています。

各種報道からつまみ食いして張り合わせで・・・
Hypersonic8.jpg●2010年のBMDR以降、北朝鮮が米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験に成功した。また米国は、ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約に違反する中距離ミサイルを実戦配備したとも主張。さらに、中国も「空母キラー」と呼ばれるミサイルを配備するなど専門家が「ミサイル・ルネサンス」と呼ぶほど状況は激変している。
●更に、中露が音速の5倍以上で飛行する極超音速兵器の開発を急ピッチで進め、ロシアは2019年内に実戦配備すると発表し、中国も完成まじかといわれるなどミサイル開発競争が激化する中で、圧倒的な軍事的優位を保とうとミサイル防衛態勢の強化を目指す。

●トランプ大統領は演説で、「米国の目的はシンプルだ。いかなる場所からいつ米国にミサイルが発射されても感知し、破壊することを確実にする」、「ミサイル防衛を改良し、近代化しなければならない。脅威が急速に進化する時代にあって、我々のミサイル防衛能力は無敵でなければならない」と訴え、これまでは弾道ミサイル以外の新型兵器に対処する包括的戦略を欠いていたと指摘し、「巡航ミサイルや極超音速兵器を含む、あらゆるミサイルから防衛する態勢を整える」と強調した

●また、「(ミサイル防衛システムの宇宙展開は)米国の国防における非常に大きな部分を占めることになる」と指摘し、宇宙配備型センサーなど新技術の開発に注力すると述べ、「敵対国家(の技術開発)と同じペースを保つだけでは不十分だ。全てにおいて上回らなければならない」と訴えた
Aegis FMS.jpg●米政府高官は「(ミサイルの探知、追跡、識別能力向上のため)宇宙は次世代のMDのカギとなる」と説明、米本土や日本などの同盟国などを守るため、超超音速ミサイルに対応する柔軟なセンサーや、ミサイル追跡用のセンサーを宇宙に多数配備する方針を示している。また、ミサイルを打ち上げ(ブースト)段階で撃墜する強力なレーザー兵器の開発と無人機への搭載なども見据えている。

●トランプ大統領はまた、「発射の有無にかかわらず、米国をターゲットとした」ミサイル攻撃に対する防衛に制限は課さないと言及。「運任せにはしない。行動を起こすのみだ」と表現した。なお、米政府は核兵器が中露の抑止力になると期待しており、MDRはこの点を強調。米国は大国との戦争になった場合、地上配備型ミッドコース防衛システム(GMD)を制限なく使用する意向を示している。

ロシアや中国は、米国が進めるMDは両国が保有する「ICBMなどを無力化するのが狙い」と強く警戒、ロシア上院のボンダレフ国防・安全保障委員長は、米国の新たなミサイル防衛戦略が世界的な緊張を高めるとの見方を示した。

対象国に関するトランプ大統領の言及(朝日新聞より)
missile-salbo.jpg●トランプ大統領はイランと北朝鮮のミサイルを脅威として直接言及することは避けたものの、MDRは「北朝鮮との和平構築に向けた新たな可能性が開かれたものの、北朝鮮は引き続き深刻な脅威であり、米国は引き続き警戒する必要がある」と指摘した。
●MDRではイランが中東最大の弾道ミサイルを所有していると指摘し、ロシア、中国の攻撃能力の向上についても脅威と強調した。
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レーガン大統領時代には、ソ連がスターウォーズ構想がらみの軍拡競争で破産しましたが、この2019MDRの方向性をそのまま実現すれば、米国が破産するのでは・・・と気になります

トランプ大統領やMDRを主導した国防省の戦略担当国防次官が、費用面をどのように整理しているのか、国防費全体の視点から伺ってみたいものです。

超超音速兵器関連の記事
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1

「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

MDR関連の記事
「MDRはまだなのか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12

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ロシアが超々音速兵器の発射試験成功・来年配備へ [安全保障全般]

年末年始のため、12月29日から1月6日の間の更新は、「忘れたころ(不定期)」になります。
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核抑止戦略の見直し必至か?
プーチンが3月に公言した新兵器が現実に!

putin hyper4.jpg12月26日、ロシアが超々音速兵器「アバンガルド」の発射試験に成功したと明らかにし、実験をモスクワの指揮所で視察したプーチン大統領は試験成功後、新型の核弾頭の開発を成功裏に終了し、「仮想敵が、現在あるいは将来、保有するミサイル防衛網でも攻略できない。大成功であり偉大なる勝利だ」と述べたうえで、2019年にはアヴァンガールトが戦略ロケット軍に実戦配備されるとも語りました

この「アバンガルド」は、ロシアが15年前に本格的に開発を始めた新型の核弾頭で、長さは5メートルほどで、翼を持ち、弾道ミサイルで打ち上げられ、上空で切り離されたあと水平に飛行し、敵のレーダーをよけながら攻撃する能力があるとされています。その速度は音速の20倍、マッハ20にも達することから「極超音速兵器」とも呼ばれ、アメリカのミサイル防衛網に対抗するためのロシア軍の切り札の一つとみられてきました。

実験で同兵器は、ロシア南西部にあるドムバロフスキー基地の地下サイロから発射されて約6200km先の極東カムチャッカ半島にあるクラ射爆場に着弾したとされています。

12月26日の発射映像


軍事ブロガーJSFさんの解説によれば
(3月16日と12月27日のヤフーニュースでの解説より)
putin hyper.jpg●「アバンガルド」3月1日にプーチン大統領が一般教書演説で言及した長射程戦略兵器で、米ミサイル防衛網を突破できる画期的な能力を持つとされています。公開されている情報から極超音速ブーストグライド兵器と推定され、実戦配備されれば史上初となる全くの新型兵器です。
●これは弾道でも巡航ミサイルでもない「滑空ミサイル」という新カテゴリーの兵器です。ロケットで打ち上げて加速し、グライダーとして大気が薄く空気抵抗が低い高高度を飛行して、弾道ミサイルに近い高速性と長射程を持ちながら巡航ミサイルに近い機動が可能で、飛行経路の予想が困難で迎撃も困難という特徴を持ちます。

判明している事は以下の通りです
・最大速度マッハ20(大陸間弾道ミサイルと同等)
・飛行中の機体表面温度は1600~2000℃
・射程は少なくとも5500km以上、最大で1万km超
発射・加速にはロケット(弾道ミサイル)を用いる
・弾道飛行は行わず、滑空飛行を行う

putin hyper2.jpg●最大速度マッハ20はスクラムジェットの理論限界マッハ15を超えている為、アバンガルドには搭載していないと考えられます。これでアヴァンガールトは巡航ミサイルではなく滑空ミサイルであると推定できますが、速度が落ちてからエンジンを始動する可能性もあるので、現時点ではまだ議論があります。
●アヴァンガールトの滑空体には4つの方向舵が存在し、おそらくこれとスラスター噴射を組み合わせて機動を可能とします。ただしこのイメージ映像は機密保持のため実機とは異なる可能性が高く、実際にこのような装備なのかは現時点では確定した事は分かりません。

●アヴァンガールトは新技術の塊のような存在なので実機の写真や映像はごく一部に制限されており、今回公開された映像からは製造中の滑空体胴体部分の部品らしきものが映っているのみで、構造が類推できる箇所はありませんでした。(12月26日の発射映像でも不明

米軍のアバンガルド対策
putin hyper3.jpg●極超音速滑空体は弾道飛行をせず大気の希薄な高高度を飛行するので、大気圏外を想定したGBIやSM-3では対処困難です。THAADならば当該高度を得意としますが、THAADは中距離BM対処を想定兵器なので、ICBM並みの速度のアバンガルド相手だと速度不足です。そこで米軍は2段式の改良型THAAD、「THAAD-ER」を提案しています。
●しかし高度問題に対応できても、弾道ミサイルと異なり飛翔中に経路変更可能なアバンガルドの迂回機動には対処不能です。また、遠距離迎撃は困難なままで、ある程度接近で迎撃する事になるので、米本土防衛には膨大な数のTHAAD-ERが必要になります。

別の視点で、従来、米本土防衛用MDは北朝鮮やイランの弾道ミサイル対処を想定し、ロシアや中国の弾道ミサイルには対抗せず、核抑止で対応するとの基本的考え方があります
●背景には、現状の大国間での核抑止バランスをなるべく崩したくないとの考え方があります。米が今後もこの方針を維持するなら、露のアバンガルド対策は後回しになるでしょう。しかし方針を転換し、この新兵器への対策を始めた場合、従来の核抑止力のバランスは変わり始め、核軍縮とは逆の方向に突き進む可能性があります
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最近断片的にご紹介してきたように、米国は超々音速兵器への対応に動き始め、国防省高官の発言にも地上配備の新型レーダーや宇宙配備センサーの話がしばしば登場し、従来BMDR(弾道ミサイル防衛見直し)と呼ばれてきた政策文書が、弾道ミサイルとの限定を外し、MDR(ミサイル防衛見直し)に名称変更になったのは、この超超音速兵器を意識したものです

putin hyper5.jpgトランプ政権が誕生して2年が経過するのに、未だMDR発表が延び延びになっているのは、超超音速兵器への対応や資源配分をどうするかの議論取りまとめに難航ともいわれていましたが、間もなくとの話もちらほら・・・。国防費も5%カットの流れ次第のような気もしますが・・・

それにしても、米軍内で3軍がバラバラに取り組み、予算不足で尻すぼみ状態の超超音速兵器をロシアが配備とは・・・中国も近い将来追随するでしょうから・・・時代の変化を感じます

超超音速兵器の関連
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1
「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12

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イージスアショア用レーダーの原型開発順調 [安全保障全般]

日本のAEGIS Ashoreレーダーの原型とか

LRDR3.jpg7日、ロッキード社の新型弾道ミサイル探知用レーダー(LRDR)計画部長であるChandra Marshall氏がNew Jersey州の開発拠点で記者団に対し2020年にアラスカに配備予定の同レーダーの開発は順調で、維持整備のためにレーダー全体を運用中断する必要のないレーダーになると語りました

またこの大型LRDRレーダーの基本原理は、日本に配備予定のイージスアショアのレーダーや、ハワイに配備予定のレーダーの原型となるものだと明らかにしました

目標探知追尾用電波を送受信するレーダー表面を多数のブロックに分割し、全てのブロックを同時に停止しなくても部品の交換や整備が可能になるとのことでした。

そんなに目新しい気もしませんが、日本配備のイージスアショアの原型とのことで取り上げておきます。つくづく、この分野は日本のメーカの方が2~3歩進んでいるような気がしますが・・・

9日付Defense-News記事によれば
LRDR2.jpg●7日ロッキードは、巨大な弾道ミサイル対処用LRDR(Long-Range Discrimination Radar)の開発が、2020年のアラスカ配備に向け順調だと明らかにした
同年アラスカ州Clear空軍施設に配備される予定のLRDRは、 New Jersey州Moorestownのミサイル防衛庁施設で開発試験中で、アラスカの施設では9月から受け入れ準備工事が始まっている

●開発中のLRDRは、10月に宇宙空間の衛星を探知追尾する試験に成功して技術面での大きなヤマを一つ越え、今後はICBM迎撃用のGBI(ground-based interceptors)との連接等にも取り組んでいく
ロッキードは同社にとって新たな分野であるBMDレーダーでNorthrop GrummanやRaytheonと競っており、間もなく12月中に選定結果が明らかになるハワイ配備のHRD-H(homeland defense radar in Hawaii)の受注に成功すれば、更に追加で総額4500億円の2か所の受注可能性が出てくる(17日、ハワイのレーダーもロッキードが受注に成功

LRDR.jpg●LRDRの技術は小型化することが可能で、例えばイージスアショア用に日本に配備されるレーダーや、前出のハワイ配備のHRD-Hも、LRDRの小型版である
ロッキードのレーダー開発は、ソフトとハードを同時に進めるのでスピードアップが可能だとMarshall部長はアピールした

LRDRはイージス艦用弾道ミサイル対処レーダー(AN/SPY-1)の25倍のアンテナ部分面積を持つが、空中線部分を全て取り外すことなく維持整備作業が可能である
●Marshall部長は「今日運用されているレーダーとは異なり、LRDRは運用しながら維持整備が可能だ」と述べ、空中線部が多数のブロックに分かれており、ブロック内の送受信素子を交換する場合でも、当該ブロックのみを取り外せばよく、レーダー全てを停止させる必要がないと説明した
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LRDR4.jpgレーダーの空中線部分の維持整備がモジュール毎可能でも、空中線部分からのデータを伝えるケーブルやデータを処理する部分、更にレーダー全体の電源部分など「共通部分」の維持整備のため、どうしても定期的に運用を停止する必要が出てくると思うのですが、どうなんでしょうか・・・

日本では、「共通部分」の維持整備があるから運用中断を伴う維持整備は「ゼロ」にならないとの話をよく聞きますが、安全係数を膨らませて確保し、維持整備担当部署がリスク回避に走りすぎている部分はないでしょうか???

イージスアショアのレーダーをぜひ確認したいものです・・

関連の記事
「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12
「米国務省が兵器輸出促進策発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-10-2
「今年前半で昨年の兵器輸出額越え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-1
「トランプが武器輸出促進ツイート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-06

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複数情報筋:トランプが一転国防費増へ? [安全保障全般]

今度は700じゃなくて$750 billionとか・・・
今週にも発表とか・・・

Trump Coast-G3.jpg10日付Defense-Newsは、複数の情報筋からの話として、先日お伝えした4日ホワイトハウスで開催の来年度国防予算をめぐるの「大統領VS両院軍事委員長とマティス国防長官」の激突会談で、3者からの説得を受け入れたトランプ大統領が、$700 billionに削減するはずだった枠を撤廃し、「少なくと$750 billionにする」と約束し、今週中に発表する方向だと報じました

振り返ると今年度国防予算(2019年度予算)は$716 billionで、来年度(2020年度)は $733 billionを国防省は予定して計画を立てていました。
しかし10月16日に中間選挙の「風を読んだ」と大統領が突然来年度予算は各省5%カットで、国防費は「$700 billionだ」と指示し、共和党議員や国防長官等は危機感を訴えてきました

3者は11月末からマスメディアや講演で、「オバマ政権時の国防費カットで傷ついた軍の立て直しに着手したばかりなのに、来年度予算をカットしては、トランプ政権が定めた国家防衛戦略NDSが定めた、中国やロシアを念頭に置いた米軍の体制整備が中断し、米国を危険にさらす」とのキャンペーンやロビー活動を推進していたところでした

詳しくは
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05

Ford-Class-Carrier.jpg4日の4者会談後上院軍事委員長は「国家安全保障目標に関する率直で建設的な意見交換ができた。我々は国家防衛戦略NDSを遂行するため、オバマ時代のダメージを修復し、米軍を再構築する必要があるとの目標を共有した」、「会談を通じて大統領は、我が国を強くし米軍に適切に投資し続ける決意をしたと確信している」とのコメントを出しましたが、細部は不明のままでした

仮に報道が正しくトランプ大統領が「あっさり説得された」としたら喜ぶべきなのかもしれませんが、来年1月からの米議会「ねじれ状態」を考えると、また予算の強制削減法もいまだ有効な中、国防費だけ増が簡単に通るとも思えず、クリスマス休暇前に一波乱ありそうな予感です

10日付Defense-News記事によれば
●Politicoが9日報じたところによると、4日の4者協議でトランプ大統領が「少なくとも$750 billion」にコミットした模様で、この方を受け議会のタカ派や国防省関係者は興奮に包まれたらしい
F-35 Paris.jpg●一方で、既に国防費は肥大しすぎ、他の必要な国家予算を圧迫していると主張している民主党関係者は、来年1月から下院で多数派となることから、我々の了解なしに物事は決まらないと抗戦の構えを見せている

問題は来年度予算案だけでなく、2011年制定の強制削減法対応の合意形成が必要な点である。今年度の国防費はこの強制削減法を回避する合意が議会でなされているが、国務省や国土安全保障省予算は未だ全体が定まっておらず、来週にも業務停止の可能性も残している
●国防費に関しては来年度「$700 billion」で民主党も納得の雰囲気だttが、これが「$750 billion」となれば、他省庁からのやっかみも入って議会や政界は議論紛糾が必至だとの意見も多い

ちなみに強制削減法が発動されれば、国防費は「$600 billion」に上限が抑えられることになり、国防関係者が「破滅的」と呼ぶ水準になる
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trump tariff3.jpg普通であれば12月末にはまとまっている(遅くても1月初めには)次年度予算が、今頃になって乱高下するとは、クリスマス休暇を控えた米国防省関係者にとっては、士気低下効果抜群のプレゼントです

米軍の最高指揮官である大統領が、いかに国防のことを「いい加減に」考えているかを示すこれ以上の証拠があるでしょうか???

国防省や米軍の皆様に、せめてもの「Seasons Greetings」をお送りいたします

来年度国防予算をめぐる記事
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「前線部隊を激励訪問しない大統領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-23

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米空軍がFive Eyes Nations枠組みで親密議論 [安全保障全般]

Five Eyes.jpg11月15日付米空軍協会web記事は、米空軍副参謀総長であるSeve Wilson空軍大将が記者団に対し、「Five Eyes Nations」との2回目の会議に14日出席予定で、マルチドメイン指揮統制や超超音速兵器の開発について、情報を共有して各国の取り組みに重複がないように調整すると語ったと報じています

Wilson副参謀総長は具体的に、「多様な方面において、誰がリードして物事を進めるかを話しあう」、「誰がどの分野を得意としているか、米国はどの分野が強いかなどを話し合うが、超超音速兵器開発も関心分野だ」と述べた模様です

ただし「これ以上は話したくない。話し合いで結果を得たい」とも語り、親密な5か国間ならではのかなり突っ込んだ議論が行われているような気配を漂わせています

米空軍副参謀総長の動向についての情報はこれだけですが、これを機会に、1990年代後半に通信傍受網「ECHELON」の存在が表に出て物議をかもし、更に2013年にNSA契約職員だったEdward Snowdenによる情報リークで注目を集めた「Five Eyes Nations」について基礎勉強をいたしましょう

ネット情報によれば「Five Eyes Nations」は
Five Eyes4.jpg●「Five Eyes Nations」は、FVEYとも表記される米英加豪NZの5か国を意味し、WW2後の冷戦期に旧ソ連やその影響下にあった東欧諸国の信号情報(SIGINT:signals intelligence)収集を協力して実施する「UKUSA Agreement」を結んだ国々である
●当該5か国はその目的のため、通信傍受網「ECHELON」を構築したが、現在では世界中の官民両方の通信を傍受モニターしているといわれている

1990年代後半に通信傍受網「ECHELON」の存在が明らかになった際は、反体制的な活動家や影響力の大きい反政府的な発言を行う俳優や歌手にまで対象を広げて活動を行っていることが明らかになり、欧州や米国議会で議論を巻き起こした
911事案以降は、よりインターネット世界の情報流通に活動の焦点が向くようになったといわれている

2013年にNSA契約職員だったEdward Snowdenが行った情報リークでは、5か国の情報収集活動がそれぞれの国の法律を無視した違法レベルに及んでいる事を暴露し、また各国の法律違反にならないよう、他の加盟国に自国の要注意人物を監視させるなどの協力が行われていることも表面化した
Five Eyes3.jpg●このような活動に批判も起きたが、現在もFVEYは最も包括的ないわゆるスパイ同盟として存在して活動を継続しており、その活動は信号情報だけでなく、人的情報(HUMINT)や地理情報(GEOINT)などにも拡大している模様である

●かつて、フランスやドイツをメンバーに加えようとの動きもあったが、そのたびに反対勢力が優ってFVEYは維持されている
●これまでの様々な情報リークにより、著名人でFVEYに監視されていた人物として、俳優のチャップリン(共産主義的な思想)、ジェーンフォンダ(反政府的な活動)、ジョンレノン(反戦活動)、ネルソンマンデラ、メルケル独首相等々も監視対象であったことが暴露されている

「Five Eyes Nations」を中心に協力枠組み拡大も
Five Eyes2.jpgイスラエルとシンガポールは、FVEYのオブザーバーやパートナーと言われている
●5か国に、デンマーク、フランス、オランダ、ノルウェーを加えて「Nine Eyes Nations」との枠組みもある模様
●上記9か国に5か国(ベルギー、独、伊、スペイン、スウェーデン)を加え、「14Eyes Nations」との枠組みも
日本の名前が出てくるのは、コンピュータネットワーク監視の枠組みとして41か国に拡大される段階と言われている
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人種というものの壁を感じざるを得ませんが、秘密保護に関する体制が日本国内で不十分なことや、島国であるために情報管理やスパイ活動に「疎い」国民性も、海外からの信頼を得られない原因かもしれません

戦国時代や明治維新のころは、日本の人たちも情報感覚では世界一流だったと思うのですが・・・

少しは関係のある過去記事
「究極のインテリジェンス教科書」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-22
「司馬遼太郎で学ぶ日本軍事の弱点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-01
「失敗の本質」から今こそ学べ!→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
「イスラエル起業大国の秘密」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20

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空自F-15MSIP機がEW&ミサイル増強改修へ [安全保障全般]

F-15 2040.jpgDefense-News記者が防衛省の宇野茂行・防衛政策局防衛政策課企画調整班長(principal deputy director of the defense planning and programming division)に突撃取材を敢行し、2019年度予算案に航空自衛隊F-15戦闘機の最新型に更なる近代化改修を行う予算を計上予定であるとの情報を紹介しています

11月30日まで東京ビックサイトで開催されていた「国際航空宇宙展2018」の取材に訪れていたMike Yeo記者は、この記事の数日前にも「日本がF-35飛行隊編成を準備中」との記事を掲載し、現在5名のF-35パイロットが中心となって部隊立ち上げ準備中だと紹介していましたが、これといった話題が展示会でなかったことから、苦心の末ひねり出したF-15改修の話題かと思われます

F-15 upgrades.jpg現在も航空自衛隊は約200機のF-15戦闘機を主力機として運用していますが、約半分が初期型で発展性がないため100機のF-35を後継機に導入するとの報道が最近ありました。

他の約100機は発展性のあるMSIP機として当初から導入され、うち88機は既にLink-16搭載などの改修を行っていますが、今回の取材により、このMSIP機に更なる改修を行う方針が明らかになったとのことです

11月30日付Defense-News記事によれば
●防衛省で宇野茂行氏は、2019年度予算にMSIP機の改修プロトタイプとして、2機の改修経費約100億円と初期費用400億円を計上する計画だと明らかにした
●改修内容を予算要求では、「周辺国軍の能力向上に対応するための新たな電子戦装備」と説明し、併せて搭載空対空ミサイルの増加や、長射程スタンドオフ空対地ミサイルJASSM(AGM-158)等を搭載可能にする改修が計画されている

F-15 upgrades3.jpg●東京で開催されている国際航空宇宙展に、ボーイング社が空対空ミサイル18発を搭載可能な先進F-15構想機を展示しており、現状8発搭載から大きく搭載量を増やしている
●また宇野氏は、予算要求資料には明確に述べられていないかったが、F-15レーダーの改修も含まれていると認めた。

●レーダーについて宇野氏は詳細に述べなかったが、新レーダーは恐らくボーイングがシンガポール(F-15SG)やサウジ(F-15SA)に提供しているのと同じAESA(active electronically scanned array)レーダーのAN/APG-63(V)3であろう
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ネット上で検索すると・・・
AESAレーダー(AN/APG-63(V)3)、
新型ミッションコンピューター(ADCPII)
新型電子戦システム(EPAWSS)への換装、
2連装AAMランチャー×4装備型コンフォーマル・フューエル・タンクの搭載
主翼下AAMランチャーの4連装化によるAAM搭載数増大 
がボーイングから売り込まれていたようです

F-15 AD.jpg戦闘機好きの皆様には既にご承知のニュースかもしれませんが、戦闘機だけにどれだけ予算をつぎ込むんだと、大きな疑問符と共にご紹介しました・・・

Defense-newsも防衛省で取材する時代になりましたか・・・感慨ひとしお・・・

日本への様々な売り込み
「F-22とF-35装備融合機提案も」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1

一方で米軍F-15は冷や飯
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23

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韓国が世界最高の潜水艦リチウムイオン電池開発と [安全保障全般]

10月4日進水の海自潜水艦そうりゅうに対抗心?

KSS-III.jpg韓国国防調達庁(DAPA)が、潜水艦用の優れたリチウムイオン電池をサムソン社が開発したと発表し、従来の「lead-acidバッテリー」の2倍の潜水艦活動時間を実現可能とアピールしたようです

リチウムイオン電池は信頼性や安全性に課題があるとして潜水艦搭載用にはなかなか採用されませんでしたが、この10月4日に海上自衛隊の新型潜水艦そうりゅうが、GS-Yuasa製のリチウムイオンバッテリーを搭載して進水し、世界の注目を集めたところでした

そうりゅう型潜水艦にAIPシステムに代わってリチウムイオン電池を搭載することは、2014年9月に決定されましたが、当時B-787旅客機で火を噴いたと同じGS-Yuasa製リチウムイオン電池を搭載と発表されたため、様々に話題を集めました

当時の記事「世界が注目、潜水艦にリチイオ電池」抜粋
Soryu.jpg●既に6隻建造されたそうりゅう型だが、今後の4隻に、AIPエンジンに代わってリチウムイオン電池を搭載すると海上自衛隊が(2014年9月に)発表した
●同潜水艦はディーゼルエンジンとAIPエンジンと鉛蓄電池を搭載しているが、今後はディーゼルエンジンとリチウムイオン電池での運行を目指す

●リチウムイオン電池を搭載することで、ディーゼルエンジン推進で無い場合(連続潜行状態やシュノーケルを出して敵に発見されたく無い場合や消音行動の場合)でも、従来よりより大きなパワーを得ることが出来る
Soryu3.jpg●またリチウムイオン電池は従来の鉛蓄電池に比し、格段に維持整備コストが安く済む

そんな潜水艦用のリチウムイオン電池に、韓国サムスンが挑戦したようで、サムスンは世界1のリチウムイオン電池メーカーだと自信たっぷりに発表しています

16日付Defense-News記事によれば
●韓国のDAPAによれば、30か月の開発期間を経て、潜水艦搭載用のリチウムイオン電池が「technology readiness assessment」をパスし、潜水艦搭載に大きく前進した
●開発が順調に進めば、2020年代半ばに進水するKSS-III潜水艦の2番艦に搭載される

●DAPAの同潜水艦プロジェクト開発責任者である少将は、「世界の潜水艦市場において、潜水艦用リチウムイオンバッテリーの開発は大きな達成である。またこの開発は韓国の潜水艦製造の名声を高め、商用市場にも大きなインパクトを与える」とコメントしている
世界最大のリチウムイオンバッテリー製造企業であるサムソンSDIが同バッテリーを開発し、 Hanwha Land Systemsが潜水艦への搭載と融合を担うことになる

KSS-III潜水艦は全長83.5mで、浮上時で3358トン、潜水時で3705トンである。またspeed of 20 knots with a cruising range of 10,000 nautical metersで、6機の垂直発射管を備え、韓国産の巡航ミサイルを搭載する

KSS-III 2.jpg●DAPAは今後の同バッテリー開発に関し、今後の試験結果によっては、電池としての性能を下げても安全性や信頼性を最優先するとし、潜水艦用には不安定で高価だと考えられてきたリチウムイオン電池開発を慎重に進める意向である
●匿名の関係者は「韓国企業が世界最高のリチウムイオン電池メーカーであることに疑いはないが、一度事故を起こしてしまえばすべてが失われる。従って安全性と信頼性を最優先にし、性能を下げることを受け入れるつもりだ」と語った

●そしてさらに「韓国のリチウムイオン電池は他の競争相手のよりも優れている」と述べ、日本のそうりゅう型潜水艦に言及した
●10月4日に推進したリチウムイオン電池搭載のそうりゅうは、2020年に運用態勢に入る予定で、その全長は84mである
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そんなに日本製そうりゅう型潜水艦を意識するなんて「子供みたい!」と言いたいところですが、サムスンは世界1位のリチウムイオン企業だそうですから、プライドもあるのでしょう。。。

そうりゅうに搭載のリチウムイオン電池との差を韓国側には訴えてほしかったのですが、さすがに非公開な重要情報でしょうから、韓国側も知ってるとは言いにくいのでしょう・・・

日本はすでに進水していますし、お手並み拝見・・・と行きましょう!!!

関連の過去記事
「世界が注目、潜水艦にリチイオ電池」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-03
「豪州がそうりゅう潜水艦購入か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-03
(↑これはなくなりました。仏製にやられました

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戦地の兵士激励訪問をしないトランプ大統領 [安全保障全般]

そういわれればそうですねぇ・・・
就任して2年経過も戦地兵士を訪問しない最高指揮官

Trump9.jpg21日付Military.comは、最近のどの大統領よりも米軍人や退役軍人ための施策を実現していると繰り返し語っているトランプ大統領を、最近のどの大統領も行っている軍最高指揮官としての戦地兵士激励訪問をいつまでたっても行わない大統領だと報じています

退役軍人記念日にアーリントン墓地を訪れなかったことで非難を受け、「行くべきだったが多忙で行けなかった」と言い訳したものの、後で特別な予定が無かったと事が明らかになったり、軍事補佐官からの海外派遣米軍に関する報告に全く関心を示さないとリークされたりとか軍隊に冷たい姿が隠せないトランプ氏です

ワシントンDCでの軍事パレードを計画せよと指示したものの、計画段階で想定以上に経費が必要で中止したりなど、パフォーマンス狙いの思い付きで大きな組織を動かそうとすることに、現場の人間に対する愛情や温かさを感じないのは、米国ビジネスマンのステレオタイプかもしれません。

Trump8.jpg一方で中米諸国から数千人の移民希望者が米メキシコ国境に向かっている状況に、法的に難しい米軍派遣を巡って国防省と一悶着しつつ、移民の群れに致死性兵器の使用を許可(11月22日)するなど、パフォーマンスなのか、現場主義なのかよくわからない人物です

さすがに大統領のスタッフも、戦地訪問激励を実現しないとまずいと考え、準備を始めたようなので、「初の戦地訪問」が実現する前に、軍事に目を向けたくないトランプ大統領の姿をご紹介しておきます

21日付Military.com記事によれば
●感謝祭の休暇を過ごすためフロリダの別荘に向かうトランプ大統領に記者団から、全米が休暇ムードの中で前線で任務に就いている米軍兵士への姿勢を問われ、「戦地に赴く予定だ」と答えたが、何時、どこへなど細部については言及しなかった
ホワイトハウス関係者も最近、訪問計画のための出張から戻ったようだ

trump7.jpg戦地への激励訪問がないことは、大統領としての慣例の多くをおざなりにしてきた同大統領と米軍とのますます不良な関係を裏付けるものとなっている。
●一時的にせよ過去2年間軍事予算を増やした同大統領だが、米軍を政治的に利用しているとの批判も多く、予算面でも今後の削減とプラット化を指示している

●19日の週にも、ビンラディンを殺害した2011年の作戦の立役者である伝説の退役米軍将軍に対し、「もっと早くやるべきだった。そんなに褒められたもんじゃない」と冷たくコメントし、的外れな前線部隊非難だと軍事関係者から辛辣な非難を浴びたりもしている
就任直後に発生したイエメンでの米軍兵士死亡事案に関しても、前政権が計画したことであると事務的なコメントを述べるだけで、軍からの説明を言い訳だと突き放した態度でコメントしていた

米軍の海外派遣や活動を縮小する方向で当選した同大統領だが、これまでの大統領もそうであったように、アフガンやイラクやシリアやアフリカ大陸に派遣される米軍兵士は増加しており、消極的にでもそう判断せざるを得ない状況に直面している
●大統領の側近からは、大統領は自身が支持できない海外の作戦地域を訪れることに躊躇しているとのコメントも聞かれる

●実際トランプ大統領は18日のTV番組で、「私はイラク戦争に強く反対した。大きな間違いだった。2度と繰り返してはならない」と述べており、イラク戦争開戦直後の2003年3月にもそのような立場を表明している
Trump cyber.jpgなぜ戦地を訪問しないのかとの質問に同大統領は最近、「計画中だ。実現するだろう」と述べる一方で、「戦地の兵士訪問激励がそれほど必要だとは思わない」、「今発生している様々な事象に対応するのに多忙なのだ」と本音をのぞかせ、「予算面でも、政策面でも、どの大統領よりも米軍のために取り組んできた。退役軍人に対してもだ」といつものセリフで主張している
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不自由な前線で活動する兵士にとって、お偉いさんの訪問やご視察は余計な負担で、「戦地の兵士訪問激励がそれほど必要だとは思わない」との発言自体が悪いとは思いません

しかし、軍事補佐官等からの派遣部隊に関する情勢報告に関心を示さないのは、最高指揮官として困ります。

心から関心が持てなくても、優秀なマティス国防長官がいるのですから、しっかり任せて資源配分をきちんとしてやってもらえば十分なのですが・・・

トランプに困惑の現場
「相手の核を削減させるのが上策」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-16
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02

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