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複数情報筋:トランプが一転国防費増へ? [安全保障全般]

今度は700じゃなくて$750 billionとか・・・
今週にも発表とか・・・

Trump Coast-G3.jpg10日付Defense-Newsは、複数の情報筋からの話として、先日お伝えした4日ホワイトハウスで開催の来年度国防予算をめぐるの「大統領VS両院軍事委員長とマティス国防長官」の激突会談で、3者からの説得を受け入れたトランプ大統領が、$700 billionに削減するはずだった枠を撤廃し、「少なくと$750 billionにする」と約束し、今週中に発表する方向だと報じました

振り返ると今年度国防予算(2019年度予算)は$716 billionで、来年度(2020年度)は $733 billionを国防省は予定して計画を立てていました。
しかし10月16日に中間選挙の「風を読んだ」と大統領が突然来年度予算は各省5%カットで、国防費は「$700 billionだ」と指示し、共和党議員や国防長官等は危機感を訴えてきました

3者は11月末からマスメディアや講演で、「オバマ政権時の国防費カットで傷ついた軍の立て直しに着手したばかりなのに、来年度予算をカットしては、トランプ政権が定めた国家防衛戦略NDSが定めた、中国やロシアを念頭に置いた米軍の体制整備が中断し、米国を危険にさらす」とのキャンペーンやロビー活動を推進していたところでした

詳しくは
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05

Ford-Class-Carrier.jpg4日の4者会談後上院軍事委員長は「国家安全保障目標に関する率直で建設的な意見交換ができた。我々は国家防衛戦略NDSを遂行するため、オバマ時代のダメージを修復し、米軍を再構築する必要があるとの目標を共有した」、「会談を通じて大統領は、我が国を強くし米軍に適切に投資し続ける決意をしたと確信している」とのコメントを出しましたが、細部は不明のままでした

仮に報道が正しくトランプ大統領が「あっさり説得された」としたら喜ぶべきなのかもしれませんが、来年1月からの米議会「ねじれ状態」を考えると、また予算の強制削減法もいまだ有効な中、国防費だけ増が簡単に通るとも思えず、クリスマス休暇前に一波乱ありそうな予感です

10日付Defense-News記事によれば
●Politicoが9日報じたところによると、4日の4者協議でトランプ大統領が「少なくとも$750 billion」にコミットした模様で、この方を受け議会のタカ派や国防省関係者は興奮に包まれたらしい
F-35 Paris.jpg●一方で、既に国防費は肥大しすぎ、他の必要な国家予算を圧迫していると主張している民主党関係者は、来年1月から下院で多数派となることから、我々の了解なしに物事は決まらないと抗戦の構えを見せている

問題は来年度予算案だけでなく、2011年制定の強制削減法対応の合意形成が必要な点である。今年度の国防費はこの強制削減法を回避する合意が議会でなされているが、国務省や国土安全保障省予算は未だ全体が定まっておらず、来週にも業務停止の可能性も残している
●国防費に関しては来年度「$700 billion」で民主党も納得の雰囲気だttが、これが「$750 billion」となれば、他省庁からのやっかみも入って議会や政界は議論紛糾が必至だとの意見も多い

ちなみに強制削減法が発動されれば、国防費は「$600 billion」に上限が抑えられることになり、国防関係者が「破滅的」と呼ぶ水準になる
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trump tariff3.jpg普通であれば12月末にはまとまっている(遅くても1月初めには)次年度予算が、今頃になって乱高下するとは、クリスマス休暇を控えた米国防省関係者にとっては、士気低下効果抜群のプレゼントです

米軍の最高指揮官である大統領が、いかに国防のことを「いい加減に」考えているかを示すこれ以上の証拠があるでしょうか???

国防省や米軍の皆様に、せめてもの「Seasons Greetings」をお送りいたします

来年度国防予算をめぐる記事
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「前線部隊を激励訪問しない大統領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-23

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米空軍がFive Eyes Nations枠組みで親密議論 [安全保障全般]

Five Eyes.jpg11月15日付米空軍協会web記事は、米空軍副参謀総長であるSeve Wilson空軍大将が記者団に対し、「Five Eyes Nations」との2回目の会議に14日出席予定で、マルチドメイン指揮統制や超超音速兵器の開発について、情報を共有して各国の取り組みに重複がないように調整すると語ったと報じています

Wilson副参謀総長は具体的に、「多様な方面において、誰がリードして物事を進めるかを話しあう」、「誰がどの分野を得意としているか、米国はどの分野が強いかなどを話し合うが、超超音速兵器開発も関心分野だ」と述べた模様です

ただし「これ以上は話したくない。話し合いで結果を得たい」とも語り、親密な5か国間ならではのかなり突っ込んだ議論が行われているような気配を漂わせています

米空軍副参謀総長の動向についての情報はこれだけですが、これを機会に、1990年代後半に通信傍受網「ECHELON」の存在が表に出て物議をかもし、更に2013年にNSA契約職員だったEdward Snowdenによる情報リークで注目を集めた「Five Eyes Nations」について基礎勉強をいたしましょう

ネット情報によれば「Five Eyes Nations」は
Five Eyes4.jpg●「Five Eyes Nations」は、FVEYとも表記される米英加豪NZの5か国を意味し、WW2後の冷戦期に旧ソ連やその影響下にあった東欧諸国の信号情報(SIGINT:signals intelligence)収集を協力して実施する「UKUSA Agreement」を結んだ国々である
●当該5か国はその目的のため、通信傍受網「ECHELON」を構築したが、現在では世界中の官民両方の通信を傍受モニターしているといわれている

1990年代後半に通信傍受網「ECHELON」の存在が明らかになった際は、反体制的な活動家や影響力の大きい反政府的な発言を行う俳優や歌手にまで対象を広げて活動を行っていることが明らかになり、欧州や米国議会で議論を巻き起こした
911事案以降は、よりインターネット世界の情報流通に活動の焦点が向くようになったといわれている

2013年にNSA契約職員だったEdward Snowdenが行った情報リークでは、5か国の情報収集活動がそれぞれの国の法律を無視した違法レベルに及んでいる事を暴露し、また各国の法律違反にならないよう、他の加盟国に自国の要注意人物を監視させるなどの協力が行われていることも表面化した
Five Eyes3.jpg●このような活動に批判も起きたが、現在もFVEYは最も包括的ないわゆるスパイ同盟として存在して活動を継続しており、その活動は信号情報だけでなく、人的情報(HUMINT)や地理情報(GEOINT)などにも拡大している模様である

●かつて、フランスやドイツをメンバーに加えようとの動きもあったが、そのたびに反対勢力が優ってFVEYは維持されている
●これまでの様々な情報リークにより、著名人でFVEYに監視されていた人物として、俳優のチャップリン(共産主義的な思想)、ジェーンフォンダ(反政府的な活動)、ジョンレノン(反戦活動)、ネルソンマンデラ、メルケル独首相等々も監視対象であったことが暴露されている

「Five Eyes Nations」を中心に協力枠組み拡大も
Five Eyes2.jpgイスラエルとシンガポールは、FVEYのオブザーバーやパートナーと言われている
●5か国に、デンマーク、フランス、オランダ、ノルウェーを加えて「Nine Eyes Nations」との枠組みもある模様
●上記9か国に5か国(ベルギー、独、伊、スペイン、スウェーデン)を加え、「14Eyes Nations」との枠組みも
日本の名前が出てくるのは、コンピュータネットワーク監視の枠組みとして41か国に拡大される段階と言われている
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人種というものの壁を感じざるを得ませんが、秘密保護に関する体制が日本国内で不十分なことや、島国であるために情報管理やスパイ活動に「疎い」国民性も、海外からの信頼を得られない原因かもしれません

戦国時代や明治維新のころは、日本の人たちも情報感覚では世界一流だったと思うのですが・・・

少しは関係のある過去記事
「究極のインテリジェンス教科書」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-22
「司馬遼太郎で学ぶ日本軍事の弱点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-01
「失敗の本質」から今こそ学べ!→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
「イスラエル起業大国の秘密」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20

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空自F-15MSIP機がEW&ミサイル増強改修へ [安全保障全般]

F-15 2040.jpgDefense-News記者が防衛省の宇野茂行・防衛政策局防衛政策課企画調整班長(principal deputy director of the defense planning and programming division)に突撃取材を敢行し、2019年度予算案に航空自衛隊F-15戦闘機の最新型に更なる近代化改修を行う予算を計上予定であるとの情報を紹介しています

11月30日まで東京ビックサイトで開催されていた「国際航空宇宙展2018」の取材に訪れていたMike Yeo記者は、この記事の数日前にも「日本がF-35飛行隊編成を準備中」との記事を掲載し、現在5名のF-35パイロットが中心となって部隊立ち上げ準備中だと紹介していましたが、これといった話題が展示会でなかったことから、苦心の末ひねり出したF-15改修の話題かと思われます

F-15 upgrades.jpg現在も航空自衛隊は約200機のF-15戦闘機を主力機として運用していますが、約半分が初期型で発展性がないため100機のF-35を後継機に導入するとの報道が最近ありました。

他の約100機は発展性のあるMSIP機として当初から導入され、うち88機は既にLink-16搭載などの改修を行っていますが、今回の取材により、このMSIP機に更なる改修を行う方針が明らかになったとのことです

11月30日付Defense-News記事によれば
●防衛省で宇野茂行氏は、2019年度予算にMSIP機の改修プロトタイプとして、2機の改修経費約100億円と初期費用400億円を計上する計画だと明らかにした
●改修内容を予算要求では、「周辺国軍の能力向上に対応するための新たな電子戦装備」と説明し、併せて搭載空対空ミサイルの増加や、長射程スタンドオフ空対地ミサイルJASSM(AGM-158)等を搭載可能にする改修が計画されている

F-15 upgrades3.jpg●東京で開催されている国際航空宇宙展に、ボーイング社が空対空ミサイル18発を搭載可能な先進F-15構想機を展示しており、現状8発搭載から大きく搭載量を増やしている
●また宇野氏は、予算要求資料には明確に述べられていないかったが、F-15レーダーの改修も含まれていると認めた。

●レーダーについて宇野氏は詳細に述べなかったが、新レーダーは恐らくボーイングがシンガポール(F-15SG)やサウジ(F-15SA)に提供しているのと同じAESA(active electronically scanned array)レーダーのAN/APG-63(V)3であろう
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ネット上で検索すると・・・
AESAレーダー(AN/APG-63(V)3)、
新型ミッションコンピューター(ADCPII)
新型電子戦システム(EPAWSS)への換装、
2連装AAMランチャー×4装備型コンフォーマル・フューエル・タンクの搭載
主翼下AAMランチャーの4連装化によるAAM搭載数増大 
がボーイングから売り込まれていたようです

F-15 AD.jpg戦闘機好きの皆様には既にご承知のニュースかもしれませんが、戦闘機だけにどれだけ予算をつぎ込むんだと、大きな疑問符と共にご紹介しました・・・

Defense-newsも防衛省で取材する時代になりましたか・・・感慨ひとしお・・・

日本への様々な売り込み
「F-22とF-35装備融合機提案も」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1

一方で米軍F-15は冷や飯
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23

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韓国が世界最高の潜水艦リチウムイオン電池開発と [安全保障全般]

10月4日進水の海自潜水艦そうりゅうに対抗心?

KSS-III.jpg韓国国防調達庁(DAPA)が、潜水艦用の優れたリチウムイオン電池をサムソン社が開発したと発表し、従来の「lead-acidバッテリー」の2倍の潜水艦活動時間を実現可能とアピールしたようです

リチウムイオン電池は信頼性や安全性に課題があるとして潜水艦搭載用にはなかなか採用されませんでしたが、この10月4日に海上自衛隊の新型潜水艦そうりゅうが、GS-Yuasa製のリチウムイオンバッテリーを搭載して進水し、世界の注目を集めたところでした

そうりゅう型潜水艦にAIPシステムに代わってリチウムイオン電池を搭載することは、2014年9月に決定されましたが、当時B-787旅客機で火を噴いたと同じGS-Yuasa製リチウムイオン電池を搭載と発表されたため、様々に話題を集めました

当時の記事「世界が注目、潜水艦にリチイオ電池」抜粋
Soryu.jpg●既に6隻建造されたそうりゅう型だが、今後の4隻に、AIPエンジンに代わってリチウムイオン電池を搭載すると海上自衛隊が(2014年9月に)発表した
●同潜水艦はディーゼルエンジンとAIPエンジンと鉛蓄電池を搭載しているが、今後はディーゼルエンジンとリチウムイオン電池での運行を目指す

●リチウムイオン電池を搭載することで、ディーゼルエンジン推進で無い場合(連続潜行状態やシュノーケルを出して敵に発見されたく無い場合や消音行動の場合)でも、従来よりより大きなパワーを得ることが出来る
Soryu3.jpg●またリチウムイオン電池は従来の鉛蓄電池に比し、格段に維持整備コストが安く済む

そんな潜水艦用のリチウムイオン電池に、韓国サムスンが挑戦したようで、サムスンは世界1のリチウムイオン電池メーカーだと自信たっぷりに発表しています

16日付Defense-News記事によれば
●韓国のDAPAによれば、30か月の開発期間を経て、潜水艦搭載用のリチウムイオン電池が「technology readiness assessment」をパスし、潜水艦搭載に大きく前進した
●開発が順調に進めば、2020年代半ばに進水するKSS-III潜水艦の2番艦に搭載される

●DAPAの同潜水艦プロジェクト開発責任者である少将は、「世界の潜水艦市場において、潜水艦用リチウムイオンバッテリーの開発は大きな達成である。またこの開発は韓国の潜水艦製造の名声を高め、商用市場にも大きなインパクトを与える」とコメントしている
世界最大のリチウムイオンバッテリー製造企業であるサムソンSDIが同バッテリーを開発し、 Hanwha Land Systemsが潜水艦への搭載と融合を担うことになる

KSS-III潜水艦は全長83.5mで、浮上時で3358トン、潜水時で3705トンである。またspeed of 20 knots with a cruising range of 10,000 nautical metersで、6機の垂直発射管を備え、韓国産の巡航ミサイルを搭載する

KSS-III 2.jpg●DAPAは今後の同バッテリー開発に関し、今後の試験結果によっては、電池としての性能を下げても安全性や信頼性を最優先するとし、潜水艦用には不安定で高価だと考えられてきたリチウムイオン電池開発を慎重に進める意向である
●匿名の関係者は「韓国企業が世界最高のリチウムイオン電池メーカーであることに疑いはないが、一度事故を起こしてしまえばすべてが失われる。従って安全性と信頼性を最優先にし、性能を下げることを受け入れるつもりだ」と語った

●そしてさらに「韓国のリチウムイオン電池は他の競争相手のよりも優れている」と述べ、日本のそうりゅう型潜水艦に言及した
●10月4日に推進したリチウムイオン電池搭載のそうりゅうは、2020年に運用態勢に入る予定で、その全長は84mである
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そんなに日本製そうりゅう型潜水艦を意識するなんて「子供みたい!」と言いたいところですが、サムスンは世界1位のリチウムイオン企業だそうですから、プライドもあるのでしょう。。。

そうりゅうに搭載のリチウムイオン電池との差を韓国側には訴えてほしかったのですが、さすがに非公開な重要情報でしょうから、韓国側も知ってるとは言いにくいのでしょう・・・

日本はすでに進水していますし、お手並み拝見・・・と行きましょう!!!

関連の過去記事
「世界が注目、潜水艦にリチイオ電池」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-03
「豪州がそうりゅう潜水艦購入か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-03
(↑これはなくなりました。仏製にやられました

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戦地の兵士激励訪問をしないトランプ大統領 [安全保障全般]

そういわれればそうですねぇ・・・
就任して2年経過も戦地兵士を訪問しない最高指揮官

Trump9.jpg21日付Military.comは、最近のどの大統領よりも米軍人や退役軍人ための施策を実現していると繰り返し語っているトランプ大統領を、最近のどの大統領も行っている軍最高指揮官としての戦地兵士激励訪問をいつまでたっても行わない大統領だと報じています

退役軍人記念日にアーリントン墓地を訪れなかったことで非難を受け、「行くべきだったが多忙で行けなかった」と言い訳したものの、後で特別な予定が無かったと事が明らかになったり、軍事補佐官からの海外派遣米軍に関する報告に全く関心を示さないとリークされたりとか軍隊に冷たい姿が隠せないトランプ氏です

ワシントンDCでの軍事パレードを計画せよと指示したものの、計画段階で想定以上に経費が必要で中止したりなど、パフォーマンス狙いの思い付きで大きな組織を動かそうとすることに、現場の人間に対する愛情や温かさを感じないのは、米国ビジネスマンのステレオタイプかもしれません。

Trump8.jpg一方で中米諸国から数千人の移民希望者が米メキシコ国境に向かっている状況に、法的に難しい米軍派遣を巡って国防省と一悶着しつつ、移民の群れに致死性兵器の使用を許可(11月22日)するなど、パフォーマンスなのか、現場主義なのかよくわからない人物です

さすがに大統領のスタッフも、戦地訪問激励を実現しないとまずいと考え、準備を始めたようなので、「初の戦地訪問」が実現する前に、軍事に目を向けたくないトランプ大統領の姿をご紹介しておきます

21日付Military.com記事によれば
●感謝祭の休暇を過ごすためフロリダの別荘に向かうトランプ大統領に記者団から、全米が休暇ムードの中で前線で任務に就いている米軍兵士への姿勢を問われ、「戦地に赴く予定だ」と答えたが、何時、どこへなど細部については言及しなかった
ホワイトハウス関係者も最近、訪問計画のための出張から戻ったようだ

trump7.jpg戦地への激励訪問がないことは、大統領としての慣例の多くをおざなりにしてきた同大統領と米軍とのますます不良な関係を裏付けるものとなっている。
●一時的にせよ過去2年間軍事予算を増やした同大統領だが、米軍を政治的に利用しているとの批判も多く、予算面でも今後の削減とプラット化を指示している

●19日の週にも、ビンラディンを殺害した2011年の作戦の立役者である伝説の退役米軍将軍に対し、「もっと早くやるべきだった。そんなに褒められたもんじゃない」と冷たくコメントし、的外れな前線部隊非難だと軍事関係者から辛辣な非難を浴びたりもしている
就任直後に発生したイエメンでの米軍兵士死亡事案に関しても、前政権が計画したことであると事務的なコメントを述べるだけで、軍からの説明を言い訳だと突き放した態度でコメントしていた

米軍の海外派遣や活動を縮小する方向で当選した同大統領だが、これまでの大統領もそうであったように、アフガンやイラクやシリアやアフリカ大陸に派遣される米軍兵士は増加しており、消極的にでもそう判断せざるを得ない状況に直面している
●大統領の側近からは、大統領は自身が支持できない海外の作戦地域を訪れることに躊躇しているとのコメントも聞かれる

●実際トランプ大統領は18日のTV番組で、「私はイラク戦争に強く反対した。大きな間違いだった。2度と繰り返してはならない」と述べており、イラク戦争開戦直後の2003年3月にもそのような立場を表明している
Trump cyber.jpgなぜ戦地を訪問しないのかとの質問に同大統領は最近、「計画中だ。実現するだろう」と述べる一方で、「戦地の兵士訪問激励がそれほど必要だとは思わない」、「今発生している様々な事象に対応するのに多忙なのだ」と本音をのぞかせ、「予算面でも、政策面でも、どの大統領よりも米軍のために取り組んできた。退役軍人に対してもだ」といつものセリフで主張している
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不自由な前線で活動する兵士にとって、お偉いさんの訪問やご視察は余計な負担で、「戦地の兵士訪問激励がそれほど必要だとは思わない」との発言自体が悪いとは思いません

しかし、軍事補佐官等からの派遣部隊に関する情勢報告に関心を示さないのは、最高指揮官として困ります。

心から関心が持てなくても、優秀なマティス国防長官がいるのですから、しっかり任せて資源配分をきちんとしてやってもらえば十分なのですが・・・

トランプに困惑の現場
「相手の核を削減させるのが上策」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-16
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02

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新型パッシブレーダーが大注目で独軍が試験へ [安全保障全般]

是非F-22やF-35で試したみたいです・・・

TwInvis2.jpg13日付C4isrnet.comが、電子機器メーカ「Hensoldt」が開発して4月のベルリン航空ショーで初公開したステルス機も探知可能と噂されるパッシブ対空レーダーを取り上げ、ドイツ空軍が11月から国内4か所に展開してその性能を確認すると紹介しています

レーダー自らが電波を発せず、民間のラジオやTV電波が航空機に当たった反射波を利用して位置特定を行う仕組みで、軍事用で考えれば敵から探知されることがない利点があり、受信だけなので電波干渉の心配がないことから都市部にも展開可能等の利点があります

写真で見ると「安っぽい」「シンプル」な構造の簡単に車両で移動できそうなレーダーで、本当にカタログ通りの性能が出るか気になりますが、4月のベルリン航空ショーでは、2機の米空軍F-35が急きょデモ飛行を取りやめたとの噂もあり、世界の注目が集まっているところです

4月のベルリン航空ショーでの説明では
TwInvis4.jpg半径250㎞以内を飛行する200機までの航空機を3次元で表示可能。2-3年前には考えられなかった新技術で、探知距離と精度を実現
500フィートを飛行する小型セスナから、45000フィートを飛行する旅客機も探知可能

●このレーダーでも、対象航空機でもない第3者が発する21個までの周波数をパッシブで受信し、位置を特定する。反対に、ある程度の強度があるラジオやTV電波がない地域では使用できない
21個周波数の内訳は、FMアナログラジオ発信局16個までと、DAB等のデジタルラジオとDVB-T等のデジタルテレビ局5個まで

周波数不足の時代に費用対効果の高く、発信がないので特別な申請がなくても使用可能で、特に都市部で有効。また山間部で有効な点が大きな特徴
●防空や大規模イベントの警備、更には航空交通管制にも全く新たな手段を提供
●レシーバーをネットワーク化する事で、軍用により広範なエリアをカバー可能
●4月時点で、2セットの同レーダーが欧州の潜在的顧客にデモ提供されている

13日付C4isrnet.com記事によれば
TwInvis3.jpgドイツ軍が数年前から「Hensoldt」と協力して開発してきた「TwInvis passive radar system」は、対象航空機もレーダ自体も電波を発射しないことから、"TwInvis" との名称がつけられている。"twin" + "invisible"の造語である
● ドイツ空軍は11月から、4台の同レーダーを南ドイツのミュンヘン周辺に3台と70㎞郊外に1台分散して配置し、連接して広範囲を監視する試験を行う。この配置により結果的に、北はフランフルトから、南はイタリア、オーストリア、チェコの一部を含む空域を同レーダーがカバーして試験が行われる

●「Hensoldt」社は同レーダーの更なる進歩で防空ミサイルを誘導可能な精度を獲得したと述べて自信を示している。4月の初公開以降、世界中からの問い合わせが殺到して複数のデモを実施している模様である
ドイツ軍は同レーダーを、低高度のカバーや通常のレーダー電波を封止したい作戦時に活用するほか、「Hensoldt」とは同レーダー情報を航空機に提供することや、独海軍艦艇に活用することも検討している

南米では、麻薬密輸組織が運用する航空機を探知する手段として注視されており、通常の監視レーダーを麻痺させて突破する能力を持つ密輸組織の航空機対策として期待されている
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TwInvis.jpgこれだけ広く一般に宣伝されているということは、ステルス機を探知するような技術ではない気もします(探知可能なら米国が黙っちゃいないと・・・)。

でもデータ処理技術がポイントだとすると、将来その原理を利用して・・・なんてことになるかもしれません。すべて素人の推測ですのでご勘弁を。

ラジオやTV電波が十分な強度で多数飛んでいることが条件ですから、日本海や東シナ海で使用するのは簡単ではないでしょうが・・・

対ステルス関連の記事
「中国の対ステルスレーダー」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-24
「中国にステルス対処の受動レーダー出現」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-05
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルスVS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「米イージス艦のIAMD進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「バイスタティック無人機で対処」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-26

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折も折、米国が新たな武器輸出促進策発表 [安全保障全般]

来年度予算5%カットで軍需産業からブーイングの中
ならば外国へ売り込めと、輸出促進策を続々と

Pompeo.jpg8日、米国務省が7月に方向性を明らかにしていた新たな通常兵器輸出政策の具体策の概要を公表し輸出制限リスト対象品の削減、担当職員の増員や輸出促進ファイナンス策の創設などが盛り込まれた模様です

武器輸出の促進はトランプ政権誕生以前からの流れですが、トランプ大統領就任後さらに加速し、更に先日の大統領からの「2020年度予算案は今年度予算から5%カットで持ってこい」、「国防省は733ビリオンのつもりだったろうが、700ビリオンで持ってこい」指示で、軍需産業から反発や悲鳴の声が巻き上がっている中での輸出促進策であることに注目です

そんなちまちました政策だけでなく、強烈な「米国製の武器を買え」(例えば日本には、オスプレイやグローバルホークやイージスアショアだけじゃ済まないぞ!)外圧が本丸の輸出促進策だと思うのですが、事実は事実として、ご紹介しておきます

8日付Defense-News記事によれば
Trump Saudi.jpg●トランプ政権の指示を受け、7月に米国務省が方向性を明らかにしていた「CAT: new Conventional Arms Transfer policy」の具体策について、8日、国務省が概要ペーパーを明らかにした
7月の段階では、具体性に欠けると軍需産業界などから批判を浴びたこともあり、国務省関係者は「かねてから一般国民や軍需産業界の皆さんに具体案を示し、ご意見をいただきたいと考えていた」と国務省高官はコメントしている

●国務省高官は新たなCATの主要ポイントについて以下のように説明した。
まず最初に、国際武器輸出に関する国内規定であるITAR(International Traffic in Arms Regulations)に規程されている輸出管理が厳しい品目リストを削減し、商務省が管轄する迅速な手続き可能な品目リストを増やすことである

また国務省は、鈍重さが軍需産業や輸出先からたびたび指摘されてきた輸出手続き処理にあたる人員の増員を実施する。国務省の「Bureau of Political-Military Affairs」部署に20数名の増員を行う計画を、5か月前から段階的に実施している
Trump Coast-G3.jpg更に国務省は武器輸出を促進するため、「creativeな financing options」を検討する。(これが軍需産業に対して宣伝費等を提供することを意味するのか、諸外国の米国製兵器購入経費を融資することなのかは不明

これらとは別に、国務省では、国家安全保障戦略NSSに基づき、より特定の能力を、より特定の国に選択して輸出を促進する方向も検討されている。このために国務省と国防省が連携を密にし、特に焦点を当てるべき国を選定し、特別な手続きの流れ等で、優先的に必要な能力を提供することも考えられている
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国務省や国防省が協力して見極める特別な配慮が必要な国や地域とは、もちろんロシア脅威におびえる東欧諸国や、イランの脅威が迫る中東同盟国もありましょうが、中国正面の日本がリストから漏れることは無いでしょう

そして特別な手法とは、単純な外圧ではないでしょうか? 

オスプレイやグローバルホークの「二の舞」にならないことを、心から祈念する次第です。

武器輸出関連の記事
「今年前半で昨年の兵器輸出額越え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-1
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「トランプが武器輸出促進ツイート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-06
「無人機輸出方針は期待外れ?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3

来年度予算カット宣言
「トランプが次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「国防副長官も認める」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27

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朝鮮半島統一へのシナリオを考える [安全保障全般]

北朝鮮指導層に統一によるメリット提供を・・とか言うか?

Korea-China2.jpg10月31日、RAND研究所のBruce W. Bennett氏が「Alternative Paths to Korean Unification」とのレポートを発表し、北朝鮮の首領様とトランプ大統領のパフォーマンス勝負に振り回されている感のある現状から少し身を引き、朝鮮半島の統一による安定を目指す道筋の課題や政策提言を行っています

驚くほど斬新なアイディアや提案があるわけではありませんが、御用研究所であるRANDの見方として、現状を確認する意味でも、またどうしようもない韓国政府の「徴兵工」問題への対応にうんざりした皆様が朝鮮半島問題から目を背けないようにとの思いも込め、取り上げます

RANDの同レポート紹介webページによれば
RAND Korea Unification.jpg●一般に朝鮮半島統一と言えば、韓国が現在の北朝鮮領域も統治するイメージだが、そこへ導く道筋にはいくつもの不確実性が横たわっており、自然とその方向に進むとは到底考えにくい
●レポートでは、大規模紛争、北朝鮮体制崩壊、平和的移行などの流れを想定しつつ、様々な可能性や道筋を吟味し、想定しうるベストな道筋として、現在の北朝鮮レジームの崩壊、後継政権とのネゴによる時間をかけた統一、そしてそこにつながる提言を行っている

●金正恩は自身が明確な勝利を得られないような半島統一を支持するとは考えにくい。韓国大統領は統一に向けた妥協を少しは考えているかもしれないが、双方に利益があるような統一に向けたアクションは取っていない
平和的な統一への動きを期待することは無理で、北朝鮮が外部から隔離され、独裁を維持するために管理されている現状からすれば、混乱を引き起こす可能性が高い。その元凶は金一族の存在である

N-Korea2.jpg金正恩体制崩壊後に平和的な統一を目指す方向が最も可能性が高いと考えられる。このために韓国は、北朝鮮の指導者層に統一後の「friendly outcome」を提供する施策を準備する必要がある
●韓国の専門家の多くは、唯一の安定的な統一への道は、北朝鮮の体制変更後に続く新たな北政権との、段階的で強力的な平和的前進だと考えている
北朝鮮の大量破壊兵器と、中国の干渉や介入が、朝鮮半島統一に向けた最大の障害である

検討を進めるべき政策
●韓国は統一のために大規模な武力紛争を用いることは避けるべき。北朝鮮政権が崩壊したとしても、その被害やコストは甚大となる
Trump Coast-G2.jpg現在の北朝鮮指導層に統一による見返りを与える政策を考える必要があるこれにより初期の統一を強固にし、統一後を安定したものとできる

米国と韓国は、北朝鮮が統一の主導を執る様な環境になることを阻止しなければならない。特に、北朝鮮内での金正恩の神の様な位置づけを払しょくし、韓国内での金正恩の平和の使者のようなイメージを変えなければならない
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このレポートを完成するには、北朝鮮政権の変更への道筋も盛り組む必要があると思いますが、非公然工作の域でしょうから言及するのは難しいのでしょう

KoreaNC2.jpgでも、金正恩がトップに登場する直前には、不満分子がクーデターだとか、米国が支援して誰々を中心とする政権に転換するとか・・・・もっともらしく語る「専門家」もたくさんいましたが、だれも予想できませんでしたから・・・金正恩の残忍で強力なパワーを・・・

でも何となく、米国が緒戦で大量の精密誘導兵器を投入して北の指揮統制を分断すれば、あっさり北はバラバラになるような気もしますが・・・リスクありすぎですが・・・東京の郊外に住む身としては・・・

朝鮮半島の戦いを考えるとき
「朝鮮半島の戦争は汚い戦争に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10
「地上部隊投入が不可避」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-07
「世界の核兵器動向」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-20

抑止の将来
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

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カナダの仕切り直し戦闘機選定 [安全保障全般]

ベルギーが34機のF-35購入を公式発表(13番目の購入国)する中ですが・・・がんばれ!

CF-18.jpg10月30日、カナダ政府は老朽化が進み必要な機数が維持できなくなっているCF-18戦闘機の後継機選定に関し、提案要求書の案を発表し、年末までに質問や意見を求めると明らかにしました。

また、年末までに寄せられて意見等を基に修正した最終的な提案要求書に対する提案を、2019年5月を目途に要請するとの計画を示しました。

紆余曲折のカナダCF-18後継機選定
Trudeau2.jpg●カナダ空軍はCF-18戦闘機を138機所有しているが、30年以上の使用で機体寿命に達しつつあり、ほどなく77機程度まで使用可能機数が減少することになる
●カナダはその後継を想定して米国主導のF-35共同開発国に加わり、60機購入を計画していたが、2015年にトルドー政権はF-35計画への不信感をあらわにし、F-35購入を少なくとも5年は延期し、白紙的に検討すると発表

●一方で老朽CF-18の穴埋めとして、ボーイング製FA-18の購入を検討し始めたが、ボーイング社がカナダのボンバルディア社を旅客機のダンピングで訴えたことから米カナダ関係が悪化し、FA-18の購入検討を中止し、中古の豪州空軍FA-18を25機購入を協議中。2018年9月、製造元米国も承認することを表明
●旅客機ダンピング問題は、2018年1月に米国の調停機関がボーイングの訴えを却下して決着したが、トランプ政権の強引な米国製品売り込みの失敗例として、またNAFTAを巡ってぎくしゃくする米カナダ関係の悪化を象徴する事象として大きな話題

●CF-18減耗のつなぎ問題は別として、本格的な後継機選定を2018年からカナダ国防省が再開し、F-35、タイフーン、ラファール、グリペン、FA-18E/Fを対象として選定作業が開始していたところ

機種選定へのカナダ政府の姿勢
F-18.jpg●カナダ政府は今回の機種選定に関し、カナダ軍需産業界の利益が保証されることや、勝者企業からの便宜供与などを求めると明らかにしている
●ただしF-35が選ばれた場合はこの要求の実現は難しい。カナダはF-35共同開発国として1000億円の投資を行い、110社のカナダ企業が備品供給や維持整備に関与する資格を得ているが、今後の維持関連業務は費用対効果で定期的に見直されることから、いつ除外されてもおかしくない不安定なものである

●カナダ政府は、今回の戦闘機選定を「once-in-a-generation opportunity for the Canadian economy」と見なし、産業政策の重要な柱と見ている
●一方で、産業活性化は「市場主導アプローチで」、「各企業が判断して意味ある投資を」とも呼び掛けている
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Sajjan Canada.jpgベルギーがF-16の後継として34機のF-35A購入を正式決定し、13番目のF-35購入国になったということですが、カナダはどうするのでしょうか・・・・

米国との関係が今どうなっているかよく承知していませんが、イケメンのトルドー首相には、シーク教徒であるターバンを巻いたカナダ国防相とともに、踏ん張っていただきたいものです

米国とカナダの航空戦争
「カナダに軍配:旅客機紛争」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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来年の米韓演習有無を12月1日までに決定 [安全保障全般]

中間選挙が終わるまでは静かに・・・か?

US Korea 3.jpg10月31日、ペンタゴンでマティス国防長官と韓国のJeong Kyeong-doo国防相の会談が行われ、今年春に実施されたKey Resolve演習以降中断されている「大規模な」米韓合同演習を2019年どうするかについて、今年12月1日までに決定すると会談後発表されました。

秋に予定されていたVigilant Ace演習が中止され、本当は山ほどトランプ大統領に文句を言いたい米国防省と米軍幹部だと思いますが、極めて政治的な背景のある演習中止であるため、いろいろ工夫すれば何とか能力維持はできる・・・とのスタンスで語っています

両国防相の会見の雰囲気からは、12月1日に来年も大規模演習中止し、代わりに●●や○○を実施し、能力や即応態勢を維持するとの発表がありそうな予感がしますが、とりあえずフォローいたします

10月31日付米空軍協会web記事によれば
US Korea 2.jpg●両国防相の会談後の発表は、Vigilant Ace演習を含むいくつかの重要な演習が中止され、来年の予定について関心が高まっていた中で行われた
●4月のKey Resolve演習以降の演習中止がなければ、年間大小合わせて30回以上行われてきた米韓合同演習の中止は、両国間の軍事同盟にとって大きな変化であるはずだ

●ただ両国防相は、全体として外交的努力と朝鮮半島の非核化に向けた取り組みが中心となっている中でも、即応体制の維持にコミットしていると繰り返し述べた。
●韓国国防相は、「最初に述べておくが、米韓合同演習は大小合わせて年中行われており、その一部が現在中止になっているに過ぎない」と強調した

●またマティス長官も、「両国はこの演習関連の課題に緊密に取り組んでいる」、「韓国国防相が述べたように、演習の一部が中断されているだけで、全ての共同演習を止めたわけではない。従って今の段階で戦闘能力の損失を懸念していることはない」と語った
US Korea.jpg●更に同長官は最近の大規模演習の中止を、外交的な交渉による事態進展を信じての一時的な措置であり、将来の状況によっては事態に適応する必要があると強調した

●韓国国防相は、「大規模演習中止の影響を緩和するため、即応態勢や能力の穴を作らないよう、「combined staff training」等を検討していると説明した
Dunford統合参謀本部議長も、先週ペンタゴンで韓国参謀総長と会談し、以下の即応体制を維持するかを協議している。

●マティス長官は最後に、「両国は韓国民とその自由を守る事を真剣に考えてきた長い歴史を共有している。両国軍はプロ意識の高い人材の集団である。演習中止の影響を緩和する対策について耳にされたと思うが、アセスメントを通じ、可能だと考えている。スタッフ演習などで侵略抑止能力を失うことはないと確信している」と述べた
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個人的に思うのは大規模な演習中止で損なわれるのは、将軍クラスの部隊運用能力と若手士官以下の現場力だと思います
中小の演習で鍛えられるのは中堅から大佐クラスの士官で、将軍クラスは中小演習ではやることが実質なく、演習計画に承認するだけで、将軍自身の能力向上にはつながりません

JKU1.jpgまた大規模な米韓演習では、兵たん面での動きが大きく、不断日の当たらない戦闘職域以外の若手士官以下の兵士を含めた部隊全体が汗をかき、貴重な経験を積むことになります。
戦闘職域でも、大規模になればなるほど、相手と深く準備や協議を行う必要があり、両国間の特に前線若手士官や兵士が鍛えられます

Dunford議長など、先週の韓国軍トップとの会談の後、即応態勢を言いするのは容易ではないと漏らしており、米軍トップとして、在韓米軍の命を預かる軍人トップとして精一杯の反発でしょう。

大規模演習でない、何か有効なアイディアが出るでしょうか? 「combined staff training」の意味することろが謎ですが・・・

関連の記事
「在韓米軍司令部70㎞南下」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08
「あの38 NorthがStimsonへ移籍」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-2
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

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台湾F-16A/B型の台湾改修機ようやく納入 [安全保障全般]

台湾が熱望したC/D型は購入できませんでしたが・・・

F-16V Block 70.jpg22日付Defense-Newsが、台湾国内で改修が行われてF-16A/Bからアップグレードされた台湾空軍F-16Vの初号機が19日に引き渡されたようです。

台湾空軍は、国産戦闘機IDFを126機、146機のF-16A/Bs、56機のMirage 2000s、そして約60機のF-5E/F Tigersを保有していますが、オバマ政権時の2012年にMirageとF-5の後継にF-16C/D型を約60機購入を希望したものの、中国の露骨な反対や米国の配慮によりかなわず、146機のF-16A/B改修で落ち着いた「哀しい歴史」があります

維持が難しくなっている56機のMirage 2000と45機のF-5は、2020年までに引退する方向で、これらの後継機はなく、台湾空軍の戦闘機数は現在の373機から272機に減少する事になります。

F-16V Block 70 2.jpg146機の台湾空軍F-16A/Bのうち、既に米国内のLockheed Martin工場で2機が最初に改修されており、今回台湾港内で改修されたものは「初号機」とはなりませんが、 色々トラブルの末、ようやく完成した模様です

中国と近接し、中国の1000発以上の短距離弾道ミサイルや大量の作戦機に直面する台湾にとって、戦闘機の役割や重要性は極めて微妙だと思うのですが最新鋭の兵器を中国への配慮から提供しない米国の姿勢は、トランプ政権になっても変化が見られません

武器輸出優先でも、中国にかつてない関税を吹っかけても、台湾への資背に大きな変化があったとは耳にしません。こんなところは専門家の方に伺ってみたいものです・・・

22日付Defense-News記事によれば
F-16V Block 70 3.jpg●台湾国内で改修を行うAIDC(Aerospace Industrial Development Corporation)に、台湾空軍の4機のF-16A/Bが搬入されたのは2年も前だが、ソフトウェアの問題が発生し、最初の1機がF-16V Block 70 へ改修されるのが遅れていた
残り3機の改修は年末までに完成し、台湾空軍に引き渡される予定である。そして今後、毎年24機ペースで約140機の台湾空軍F-16A/Bの改修が行われる予定である

今回のF-16V Block 70 への改修で新しくなった主要な部分は
・Northrop Grumman AN/APG-83 Scalable Agile Beam Radar
・electronic warfare suite
・avionics
・integration of new precision-guided weapons

●また台湾と米国は、このF-16V Block 70の全ての整備維持作業を台湾国内で行うための施設整備で合意しており、わざわざ米国へ輸送する手間を省くことができる模様
●このF-16V Block 70は、F-16を60機保有するシンガポール、134機保有する韓国、またバーレーンやギリシャ、またスロバキアにも72機提供する予定である
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約6千億円の改修事業ですが、改修部品がどの企業のどのパーツになるかは米空軍が決定し、レーダー換装費用に関しても、台湾側からの価格交渉は認めない規定になっているようです。

US taiwan.jpg例えば、搭載レーダーはノースロップグラマンとレイセオンで争っていましたが、米空軍は将来自国のF-16改修用レーダーを見据えて台湾用を選定した模様で、価格を下げさせる手段としても用いたと言われています。

冷徹な武器商売の世界の一端ですが、いつも日本を応援してくれる台湾の悲哀を耳にすると、哀しい気持ちにさせられます。

オバマ政権時の決定ですが、トランプ政権が対中国の勢いをかって、何か画期的な兵器を台湾に提供してくれないかと思います。サイバー兵器だとか、EMP兵器だとか、無人機の群れだとか・・・

台湾関連の記事
「米国が売却承認の兵器」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-30
「マティス長官が台湾を公式会議で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「哀愁の台湾F-16能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23
「米は台湾に最新F-16売却するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-23
「台湾空軍の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-14
「米中軍事対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
「ミサイル1600発除去が条件」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-19

台湾軍事戦略に意見する
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

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トルコは2019年10月にS-400配備へ [安全保障全般]

トルコにF-35を渡すのか
トルコが供給予定のF-35部品はどうなるのか?

Akar.jpg25日、トルコのHulusi Akar国防相が、米国をはじめとするNATO諸国の大反対を押し切り昨年12月にロシアと契約した高性能地対空ミサイルシステムS-400の今後について語り、2019年10月にトルコ国内に配備予定だと明らかにしました

NATOの中東正面にある重要な位置づけにあるトルコが、トルコ自身の防空をNATO諸国の防空システムに依存してながら、NATOシステムと連接不可能なロシア製の防空システムを導入するとの暴挙に、米国は怒り心頭で、米議会は共同開発国であるトルコへのF-35引き渡し凍結(2機が米国内でトルコ人操縦者養成訓練に使用中:計100機購入予定)を決定してます

S-400-launch.jpg一方で米国防省の立場は極めて微妙でマティス長官などは、F-35部品のサプライチェーンを構成するトルコがF-35計画から抜ければ、「F-35生産に穴が開き、50-75機の機体製造に遅れが生じ、部品調達の正常化に1.5年から2年を要する」と訴え、トルコへのF-35提供を許容したい意向も示しています

ただ、米空軍長官などは、「F-35とS-400が近接した距離に存在する様になることが、最大の懸念事項だ」と表現し、ステルス性や各種最新アビオニクスを搭載したF-35が、S-400の近くを日常的に飛行する事になれば、F-35の機密情報がロシア等に流出することに繋がる事を恐れています

反サウジのジャーナリストがトルコのサウジ領事館で殺害されたらしい事件も絡み、トルコと米国の関係は複雑さを増しており、S-400が配備される2019年10月まで、まだまだゴタゴタありそうな本件の現状をご紹介します

26日付Defense-News記事によれば
S-400-2.jpg●トルコのAkar 国防相は、ロシアと購入契約を結んだ1個セットのS-400システムに関し、2019年10月にトルコ国内に配備すると発表した。そしてS-400導入はスケジュール通りに進んでいると表現し、今はS-400運用要員の選定を進めていると説明した
●また配備の際は、NATO防空システムとの連接機能がないことから、独立してスタンドアロンの形で配置し、敵味方識別装置IFFは、トルコ企業独自開発のシステムにトルコが独自の識別情報を入力して使用すると明らかにした

●同国防相は、どこからの脅威か明らかにせず、トルコはミサイル脅威に直面しているとS-400導入の必要性を説明した

●またS-400選定の経緯に関し、「米国や仏伊サプライヤーとも防空システムオプションについて過去協議を行ったが、期待するような提案は得られなかった」と語り、Patriot system や Eurosam (SAMP/T system)との交渉を振り返った
●一方で、2つのトルコ国内企業が引き続きEurosamと、トルコ防空システムの開発と共同生産について協議を続けているとも言及した
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このトルコの防空ミサイル選定は紆余曲折の経緯です。

Erdogan4.jpg2013年から15年の間は中国企業との契約間近と報じられてきましたが、2017年に入るとロシアのS-400を追及との話が現れ、最初は共同生産を追及したり、より最新のS-500で交渉したり、間には米国パトリオット企業とも交渉と報道されましたが、2017年12月には共同生産はあきらめ、S-400購入契約を2800億円で結んで落ちた形になっています

国内産業育成と技術導入も追及し、世界の企業や国と交渉する巧みさのある国ですから、今もいろいろな思惑があるのでしょうが、S-400を1セット買って単独で運用することに意味があるのか疑問です

政争の具となっているのなら軍がかわいそうですが、NATOや米国も振り上げあこぶしをどうするのか・・・興味深いところです

トルコの防空ミサイル購入問題
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

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激震:トランプが国防予算削減へ舵を!? [安全保障全般]

$700 billionの意味が不確かながら・・・
今年前半には国防費大増強の勢いだったのに・・・

大きなサプライズ発表です
Trump Coast-G2.jpg16日、トランプ大統領が閣議で、来年度予算(2020年度予算)を計画するにあたり、10月からスタートした2019年度の規模から5%カットした額で持ってこいと指示した模様です。

閣僚たちには、「君たちならできる! 余分な脂肪をそぎ、無駄を排すれば、この場にいる諸君は必ずやってくれると信じている。これをやれば巨大なインパクトを与えることができる」と語って命じたようです

中間選挙に向け、民主党票の取り込むための作戦なのか、それとも中間選挙で負けることを予想し、民主党が支配する議会受けを狙って妥協した予算編成を目指すのか・・・。それともトランプ大統領のレガシーを残すため、歳出抑制に取り組むのか・・・。

現時点では謎が謎を呼ぶ状況ですが、今年発表した国家安全保障戦略NSSや国家防衛戦略NDSの流れを受ければ、中国やロシアの脅威を鮮明に打ち出し、対抗策を積極的行う方向だと感じていた国防省や米軍関係者は、まさに「キツネにつままれた」ような状態の様です

まさに、舌の根も乾かぬうちに・・・のトランプの方針転換ですが、国防費への影響がどうなるのか、断片的にわかりにくく語った様子と、一般的な解釈をご紹介いたします

17日付Defense-News記事によれば
trump2.jpg●一人の記者が、トランプ大統領に国防費への影響を尋ねたところ、大統領は国防費が例外だとは言わず、「2020年度の国防費は多分$700 billionだ」と答えた
●そして大統領は、「なぜなら、今や我々は米軍をケアしている。法執行機関の面倒をよく見るようになった。米軍は、私が大統領に就任した時とは異なる位置で、物事ができるようになっているからだ」と説明した

●更に大統領は、「ほんのこの間までは$520 billionレベルだった。そしてそれを新型艦艇等を建造するために$700 billionに引き上げ、そして更に$716 billionにまで伸ばした」、「我々は最新型の世界最高の潜水艦を建造している。その他にも、かつてない勢いで軍再建のため多数のことを行ているのだ」と述べ、
●「そういう状況だが、私は国防費を$700 billionに維持しようと考えている。了解か?」と語り掛けた

Trump tel.jpgこのやり取りの内容について、NSC報道官に大統領の意図を確認したが、返答はない
2019年度の安全保障予算全体が$716 billionで、そこから2.23%削減すると$700 billionとなる。5%削減ではない。仮に$716 billionから5%削減すると、$680 billionとなる計算で、大統領の発言した「$700 billion」は安全保障予算全体の規模を示していると推測できる

●国家防衛戦略NDSを受け、国防省は毎年2-3%の国防費の伸びがその達成には必要だと公言してきたが、その望みが絶たれたのかもしれない
●専門家は「過去2年間以上、我々は国防費増の世界で過ごしてきたが、2020年度以降これが維持されないのであれば、昨年と今年得た改善は失われるであろう」と語っている

●更に同専門家は「2019年度予算がシーリングとなり、それ以上を望めない世界になる。政権の予算編成関係者は、国内の政治情勢を見つめて分析し、これ以上の国防費増額が現実的でない、実現しそうもないと考えたのだろう」とも分析している
●最近は国防費削減の意見を議会が潰してきたが、議会を民主党が支配するようになれば、軍事費削減に動くであろう
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trump5.jpgトランプ政権の誕生後、米海軍は現在の290隻以下の体制から355隻体制への拡大を訴え続け、米空軍も飛行隊数の25%増を訴え始めるなど、米軍は夢達成のための列車に乗り遅れるな!!!・・状態だったのですが、トランプ大統領のちゃぶ台返して、現状維持も難しくなるかもしれません

それにしても米国の政治はジェットコースター並みの激しさです。F-35や空中給油機の調達ペース、B-21爆撃機の開発、T-X練習機の導入などなど、様々なプロジェクトに影響が出そうな気がします

今後もフォローする必要がありそうです・・・大激震です・・

振り上げたこぶしをどうする?
「空軍:飛行隊数を3割増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19-1
「国防長官:戦闘機稼働率を1年で8割に」https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11
「DARPA5か年計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-11-1

トランプ大統領の暴走?
「宇宙軍創設を訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「比大統領とは関係が良い?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-2
「DCで軍事パレードをご希望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10-1
「NSS国家安全保障戦略を発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23-1
「性同一性障害者を米軍は受け入れない宣言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-28-2
「EMALSはだめ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13

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いよいよ米国がINF全廃条約離脱! [安全保障全般]

20日、トランプ大統領がアッサリ発表!
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6300724
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ボルトンだけでなくマティス長官も・・・
22日の週にも通告か?
西側を分断するロシアの高等戦略か?

SSC-X-8.jpg19日付Defense-Newsは、ロシアがINF全廃条約に違反して欧州正面に巡航ミサイルを配備していることに関し数年前から続く米国によるロシア説得も効果がない今、米国が同条約破棄に向かっていると報じ、10月初旬のNATO国防相会議で本件を取り上げたマティス国防長官が、NATOの意見を米国に持ち帰って決断に向けた米国内協議に入ったと伝えています

何度も取り上げた同条約ですが、
INF-USRU.jpg1987年12月8日、当時のレーガン大統領とゴルバチョフ首相によって署名された同条約は、相互に射程500kmから5500kmの地上発射弾道ミサイルの廃棄と保有禁止を約束するもの。
●翌年6月1日に施行され、米側はGLCMとPershing IIミサイルを、ソ連側はSS-20中距離弾道ミサイル等を両国総計2689発廃棄することに合意した・・・ものです

細部は→INF条約の経緯とこれまでを解説
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15

プーチン大統領は「周辺国のほとんどが中距離ミサイルを開発配備に着手している」、「同条約の在り方は、控えめに言っても議論の対象だ」と、自らを正当化するような発言をしており、違反を隠そうともしていない様子です

ロシアが2017年になって欧州正面のロシア領内に配備したのは、「SSC-X-8:9M729」と呼ばれていた最大射程3400km程度の巡航ミサイルで、米国はオバマ政権時代からこの違反を取り上げ、NATOとしても昨年12月にロシアに警告を送っていたところです

SSC-X-8 2.jpg一方でこれまでの米国の姿勢は、全てのオプションを検討するも、「同条約の規約を露に遵守させられないようであれば、他の全ての合意事項の拘束力も弱体化させかねない」との懸念から、「米国は同条約の規定範囲内の手段で、ロシアを同条約の枠内に引き戻し、核戦力の戦略的バランスを維持しなければならない」との考え方がベースになっていました

そのため、米国自身も中距離弾道ミサイル開発に着手するも、配備はしないとの姿勢を打ち出してロシア側の翻意を促そうとしていました。

しかし、当時の太平洋軍司令官だったハリス太平洋軍司令官は「米国が宗教戒律のように守っているINF全廃条約など破棄せよ」と厳しい言葉を発するなど、我慢も限界に近付いてきたようです・・・

そうです中国がグアムや西太平洋の空母を射程に収める弾道ミサイルの精度や能力を高め、拒否戦略を強化する中、米軍は「INF条約宗教戒律」に縛られ、何もできないのですから・・・

19日付Defense-News記事によれば
Bolton.jpg●「The Guardian」と「New York Times」は同時に、John Bolton大統領補佐官がINF条約の破棄を進言し、来週(22日の週)にもロシアに通告する方向だと報じている

●これまで同条約の価値についてあいまいな発言を続けてきたマティス国防長官も、NATO国防相会議を前にした2日、「米国だけが順守し、ロシアが無視している本条約の状況について説明し、どうすべきかについてNATO諸国の意見を聞きたい」
●「そしてNATO諸国の意見を米国に持ち帰り、DCで議論したい。どうなるかわからないが、米議会にも大きな懸念があり、我々がどうすべきか決めなければならない」と語っていた

Mattis8.jpg●そして4日に同長官は、「ロシアは条約順守に戻るべきだ。さもなければ、相手の条約無視に対応しなければならない」、「明確にしておこう。ロシアは堂々と大胆に条約違反行為を行っている。そして我々は時間をかけ、信頼できる同盟国国防相達と状況を議論したのだ」と表現した(最後通牒にも聞こえます・・・)
●米国が発表した核態勢見直しNPRで明らかにした、潜水艦配備(艦艇もか?)の核巡航ミサイル開発も、INF条約の範囲内だが、これらの動きに対応したもののひとつである。

条約破棄への反対論
SS-20.jpg●INF全廃条約を米国が破棄し、欧州に同種兵器を配備することは、中国などの国に対し、地上配備の核搭載巡航ミサイル配備を許容するとのシグナルを発することになる。これは、世界中がINF兵器を配備し、また対抗兵器を準備する新たなフェーズへ突入することを意味する
●また、INF条約破棄とINF兵器配備等巡る議論は、トランプ政権下で亀裂が広がる米国と欧州諸国との溝を更に深めることになり、プーチン政権が外交施策の主軸に置く西側の分断に結果的に寄与することになる
(まんぐーす注・・・日本にとっては、ロシアが極東正面に中距離核ミサイルを配備するという、新たな局面への対処を迫るものとなる)
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歴史を振り返る(デカップリング議論)
Pershing II.jpgソ連が80年代初め、SS-20という中距離ミサイルをソ連の欧州部と極東部に配備した。当時のドイツのシュミット首相が、ソ連がこのミサイルで欧州の諸都市を攻撃した場合、米はNYやDCを犠牲にする覚悟で、米本土からソ連の諸都市を攻撃してくれるのかとの問題提起をして、このSS-20の配備で米と欧州の安全保障がデカプリング(切り離し)されることを問題視した。
●米国は西ドイツの主張などを踏まえ、結局核搭載パーシングーⅡと巡航ミサイルの欧州配備に踏み切った。それを梃子にSS-20の廃棄をソ連に要求した。紆余曲折があったが、中距離核ミサイルをグローバルに全廃する(INF全廃条約)ことで米ソは合意した。

このような欧米の成熟した議論が、トランプ政権下の米国と、またEUを巡り紛糾する今の欧州諸国の間で可能でしょうか・・・?  西側分断を狙ったプーチンの罠にどっぷりはまるのか???

追記(当時の鈴木善幸首相)
●デカップリングが世界の首脳の大きな話題だった当時、能天気にもそんなことに全く関心がなく無知だった鈴木首相が先進国首脳会議に出席し、極東にも配備されているSS-20に関する意見を求められ、「SS-20て何?」と逆質問して世界の笑いものになったとの哀しい歴史・・・

ロシアのINF条約破り
「露の違反ミサイルをTake out」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-06
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

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スイスが戦闘機&SAM選定で国民投票へ!? [安全保障全般]

地方自治では直接民主主義があると聞いていましたが・・・

Swiss air3.jpg9月28日付Defense-Newsは、スイス政府が2020年を目途に、次期戦闘機と防空ミサイルシステムの選定に関しスイス独特の国民投票にかける方向にあると紹介しつつ、過去に国民投票で戦闘機機種選定が否決された過去がある事から、様々な手法が検討されていると報じています

スイスの政治制度がどのようになっているのか承知していませんが、国民投票に掛ける場合、「Air 2030」と呼ばれるスイス国防省作成の航空戦力に関する将来コンセプトと投資総額のみが国民投票の対象となり、具体的な機種の是非を問うつもりはないようです

つまりスイス政府は、大枠コンセプトと予算に関する国民の信任を得た場合、具体的な次期戦闘機と防空ミサイルシステムの選定については「白紙委任」を得られたものと判断して機種を選択するようです。

Swiss air4.jpg国民投票を行うスイスの政治風土は独立心の強いスイス独特のものですが、2014年には22機のSaab Gripen戦闘機購入を国民投票にかけて「否決」された苦い経験がありスイス政府は国民投票の是非も含めて今後広く意見を聞きながら意思決定の手法を選択するようです

9月28日付Defense-News記事によれば
●スイスは、約9000億円でFA-18とF-5戦闘機の後継機と地対空ミサイルシステムの導入を計画しており、「Air 2030」計画として承認を得たいと考えている。なお戦闘機後継が約6600億円規模と言われている

FA-18とF-5戦闘機の後継機候補には、F-35、Dassault Rafale、Saab Gripen E、F/A-18 Super Hornetが挙げられており、30~40機導入を前提とした提案要求を7月に発出してる
Swiss air.jpg地対空ミサイルシステムの候補としては、 米国製Patriot, 仏製Eurosam’s SAMP/T、そしてイスラエル製のDavid’s Slingが上がっており、9月24日に提案要求が各社に発出されている

●現時点では、「Air 2030」計画は主要な政党からの支持を得られそうな雰囲気だが、9月22日まで受け付けていたパブリックコメントには、締め切りが近づくにつれて批判的な意見が増加したことは気がかりである
●また議会内の批判派は、国民投票は批判的な意見が増える傾向にあり、「Air 2030」計画が否決される可能性が高く、そうなればスイス国防政策全体にとって大きな危機となると政府のやり方に批判的である

●更に政党によっては、国民投票を行わず、戦闘機と防空システムを分離して通常の政策と同様に議論して決定すべきとする意見もある
●スイス国防省報道官は、コンセプト案である「Air 2030」計画を国民投票にかけるのが目標であるが、国民投票で否決されるリスクが高くなれば方向を修正する可能性も否定せず、「ベストな解決法を追及するだろう」と話している
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Swiss air2.jpgどういう案件が国民投票を必要とする決まりになっているのか不明ですが、国民投票で予算を確保しておき、評判の良くないF-35を導入しようとの魂胆ではないでしょうか???

米国のF-35売り込み圧力をかわすなら、米国に恐らく批判的なスイス世論を利用し、他機種を候補に国民投票に掛ける作戦が考えられますが、あえて政府内のフリーハンドを確保するため、リスクのある国民投票を狙っているような気がしてなりません
全くの邪推ですが・・・

欧州の戦闘機検討など
「独戦闘機選定に米圧力?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2
「トルコが抜けたら大変」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「伊とイスラエルは」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「世界各国で暗雲」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26

「独潜水艦が全艦停止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-22
「美人大臣の増強計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12
「独と蘭が連合部隊創設へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-05

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