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豪州は米国の中距離ミサイル配備要請を否定 [安全保障全般]

米豪2+2の場でのやり取りは?
いよいよ在日米軍基地か自衛隊演習場か?
それともグアムに仮置きか?

Australia US.jpg5日、米国がINF条約を破棄してアジアに中距離ミサイルを配備すると表明した直後に、米国と「2+2協議」を行った豪州首脳たちは米国から中距離ミサイル配備に関する受け入れ要請はなく、米側から話題にすることもなかったと語りました

豪州国防相に至っては、TVインタビューで明確に、エスパー国防長官に要請する可能性があるのか直接尋ねたが、「No」との返事だったと明らかにしており、現時点では豪州には配備受け入れ要請はなかったようです

2日に米国がINF全廃条約から公式撤退し、エスパー国防長官が数か月以内にアジアに中距離ミサイルを配備したいと述べた直後から、豪州国内では米海兵隊がローテーション派遣を行っている北部のダーウィンに配備されるのでは・・・との憶測が飛び交っており、今回の米豪2+2の影のメインテーマとも囁かれていたようです

5日付Military.com記事によれば
Australia US2.jpg●5日に「2+2協議」を行って米側の国務長官と国防長官が豪州を離れた後、豪州のScott Morrison首相は「その件については要請されなかったし、協議もしていない。豪州に依頼はない。下線を引いて強調しても良い」と語った
●同じく「2+2協議」後にABCテレビに対し、Linda Reynolds豪州国防相は「私はエスパー国防長官に直接質問し、豪州に配備要請する事が予期されるのかと尋ねたが、エスパー長官は明確にNoと答えた」と明らかにしている

中国に大量の石炭や鉄鉱石を輸出して困難な世界経済の中を立ち回っている豪州に、仮に中国が対象目標となる米国の中距離ミサイル配備要請が米国からあれば、それは豪州を極めて難しい立場に追い込むことになる
●今回の豪州訪問で米側は、経済面で中国との関係を深める豪州に警鐘を発しており、ポンペイオ国務長官は「豪州は目をよく見開いて、中国の増々強硬な行いを見よ」と警鐘を鳴らしている

Australia US3.jpg●また同国務長官は豪州指導者たちに「中国との貿易を続けるために、中国の行いから目を背けてはいけない」と警告し、魂を売るか、豪州国民を守るかの選択だとも表現した
●更に国務長官は「中国と貿易することは可能だと考えるが、同時に中国には世界のルールに沿って行動すべき」と要求すべきだと語った

豪州国内では、米国が中距離ミサイルをアジアに配備すると明らかにして以来、米海兵隊がローテーション派遣を行っている北部のダーウィンに配備されるのでは・・・との憶測が飛び交っていた
●関係の専門家たちには、グアムにある米軍基地に中距離ミサイルが配備される可能性が高いと噂している
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エスパー長官による「数か月以内にアジアに中距離ミサイルを配備したい」発言を配信した米軍事メディア記事は、併せて米国防省高官の話として、
●「今月中にも射程約1100km(620nm)の低高度飛翔タイプ巡航ミサイルの試験が予定され、18ヶ月以内に配備準備が整う見込みである
●「一方で、より長射程で射程1,860-2,490nm(3400-4500km)の弾道ミサイル開発には、5年以上必要だと見積もられている

JASSM.jpg・・・との話を紹介していました。とりあえず1100㎞射程の巡航ミサイル(トマホークやJASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missile)の射程延伸版の地上発射型との見方有)を配備する場所ですので、豪州はないでしょう。

台湾はあり得ないし、フィリピンでは南シナ海対処の意味しかないので、日本かと思いましたが、グアムだとすると、有事に前方展開との考え方でしょうか?

6日夕方、日本に到着したエスパー国防長官は、日本政府や防衛省で何を語るのか・・・?

「エスパー長官がアジアに中距離ミサイル配備発言」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-04

JASSM関連の記事
「JASSMまだまだ射程延伸」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-15
「更なる射程延伸開発契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1
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初めて中国企業も推計:世界の軍需産業Top100 [安全保障全般]

米企業がTop3も、Top15に中国企業が6つも
米英共同チームが苦心の中国企業推計

100 Top.jpg22日付Defense-Newsが、2001年から毎年集計発表している「世界の軍需産業トップ100リスト」を公表し初めて中国企業を含めたランキングを作成して話題を集めています

西側企業の場合は、ロシア企業も含め、企業活動に関する情報開示が行われていますが、兵器製造に当たる中国企業の多くは巨大国営企業であることから情報開示が十分ではなく、その推計にDefense-Newsと英国IISS合同チームは苦労したようです。

厳密に西側企業と同レベルで収入(defense revenue)が把握されているかは疑問符もありますが、この点について合同チームは以下のように説明しています

J-31 2nd4.jpg●中国巨大国営企業の推計に当たっては、民生部門と軍需部門の売り上げを区別することが大きな課題だったが、各巨大国営企業の数百の下請け企業まで追跡し、各下請け企業が民需か軍需かを見極め、配分を推計した
●全体8位のChina North Industries Group Corporation Limited(Norinco)のみが民需と軍需を分けて情報開示していることから、上記手法をこのNorincoに適用して手法の正確性を検証したところ、Defense-Newsと英国IISS合同チームの手法で導いた数値と公開数値がほぼ一致することが確認でき、手法の確度を証明できたと考えている

リストからトップ15とその2018年軍需収入額は

1 ロッキード  5.5兆円
2 ボーイング  3.7兆円
3 ノースロップ・グラマン 2.7兆円
4 レイセオン  2.7兆円
5 Aviation Industry Corporation of China  2.6兆円

6 GD  2.6兆円
7 BAE システム 2.4兆円
8 China North Industries Group Corporation Limited  1.6兆円
9 エアバス 1.5兆円
10 China Aerospace Science and Industry Corporation 1.1兆円

11 China South Industries Group Corporation  1.1兆円
12 China Electronics Technology Group  1.1兆円
13 Leonardo (イタリア) 1.1兆円
14 China Shipbuilding Industry Corporation  1.05兆円
15 Almas-Antey (ロシア) 1.0兆円

トップ100のリストは
https://people.defensenews.com/top-100/ 

22日付Defense-Newsはトップ100リストを眺めて
China Aircraft Ind..jpg試算した中国の主要な巨大国営軍需産業の収入合計は約11兆円で、これを超える米国軍需産業合計に次ぐ第2位である。またこの額は欧州全域の軍需産業収入合計とほぼ同額である
●分析したIISS研究者によれば、中国企業は大きなプレーヤーだが、世界市場でどれほど大きいかはよく吟味する必要がある。世界の国々は米国製か中国製兵器選択を迫られることになるが、近い将来において現在米国製を使用している国で、中国製に乗り換えるたいと考えている国はない

中東諸国で中国製無人機を導入したとの事例はあるが、中国企業は(技術流失を恐れて)輸出を制限している
中国軍需企業の納入先の大半は中国軍向けで、輸出は大部分バングラデッシュ、アルジェリア、ミャンマー、パキスタンに限られ、パキスタン向けが輸出の36%を占めている。これは中国との共同開発戦闘機JF-17の生産によるものである

Luyang III 052D.jpgロシアや欧州の軍需産業は企業存続のため輸出する必要があるが、中国や米国企業は国内市場で生き残れる。また米国が世界各国に中国製兵器の導入規制を課しているため、中国企業は当面中国市場に焦点を絞らざるを得ない
●仮に中国企業の輸出による影響を懸念するとしたら、それはロシア企業だろう。ラテンアメリカやアフリカ諸国は予算が限られることから低コストの兵器を求めており、中露が市場を争う可能性がある

中国軍需企業の鍵となる弱点は3つある航空機エンジン、艦艇推進システム、戦闘コントロールシステムの3つである。これら分野でのテコ入れのため、国を挙げた開発センターを整備したり、外国企業と協力体制を構築したりしている

Liaoning-Dalian.jpg中国大規模企業の合併も政府が主導して進めている。米国では、軍需産業の合併は競争機会の喪失や開発コスト増大の元凶とみられることが多いが、中国は政府監督による統制があり、シナジー効果やイノベーション促進、重複部門の効率化などを期待する見方が多い。
●かねてから噂の「China State Shipbuilding Corporation」と「China Shipbuilding Industry Corporation」の合併が成立すれば、本リストの9位に相当する巨大造船企業が誕生することになる。中国海軍は、今年前半だけで11隻の戦闘艦艇を就航させるが、当面旺盛な艦艇建造を効率化する狙いがあるようである
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Defense-Newsと英国IISSの合同チームとは柔軟な組み合わせです。米軍事メディアと英シンクタンクが協力し、このような基礎的なデータ集計を行い、分析を提供するとは大したものです

この辺りが安全保障研究における伝統の重み、懐の深さ、基礎研究を怠らない足腰の強さなのでしょう。

トップ100リストは、2000年のデータ分析結果まで遡ってご覧いただけますので、色々な視点で眺めて見てはいかがでしょうか。

トップ100のリストは
https://people.defensenews.com/top-100/ 

米国軍需産業の分析レポート
「2019年版 米国防省軍需産業レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-28
「2018年版レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1

艦艇の修理や兵たんの課題
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
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トランプ政権はトルコをF-35計画から除外 [安全保障全般]

トランプ大統領「トルコにはF-35を売らないと伝えた」
トルコ企業の部品供給契約は2020年初めまで
米国に550~700億円の追加経費発生

S-400 Turkey.jpg16日、定例閣議の前にトランプ大統領は記者団に、「トルコにF-35を売却するオプションはなくなった」と語り12日にトルコ政府がS-400受け入れ開始を発表して以来、初めて米国政府としての姿勢を明らかにしました

トランプ大統領は本件に関し、オバマ政権時代にトルコに米国製地対空ミサイルシステム・パトリオットを売らなかったことで、トルコはS-400をロシアから購入せざるを得なくなったと最近主張していましたがトルコが自国軍需産業への技術情報開示を要求したことで話がまとまらなかったのが真実で、トランプ流の「強弁」の一種と理解しておきましょう

S-400とF-35の件はさておき、米トルコ同盟は引き続き重要だ・・・がトランプ大統領のスタンスのようで、対イランも見据えてこれ以上事を荒立てない雰囲気ですが、外交安全保障関係者のトルコへの不信感を払しょくすることは難しく、今後の両国関係は予断を許さないものなのでしょう

16日付Military.com記事によれば
Trump9.jpg16日トランプ大統領は、「大変難しい状況だ」と述べつつ、トルコにF-35を売却するオプションはなくなったと語り、トルコがS-400受け入れ開始後、初めて米国政府として本件への態度を明らかにした
●また大統領は、「トルコに対しては、我々が推薦するものとは異なるミサイルシステムを買わざるを得なくなったことを受け、米国はトルコにF-35を売らない」と伝えたところだと語った

●更に大統領は、「色々な側面から議論され、色々と試みたが、大変残念だが、このような結果を見ることになる。トルコ側は購入したいだろうが、私はトルコの行為を弁護することはできない」と述べ、一方で「エルドワン大統領とは依然として良い関係を維持している」とも語った

国防長官就任の承認を得るため上院軍事委員会に出席したエスパー前陸軍長官(前臨時国防長官)は、トルコによるS-400購入決断は誤った選択だと語った。この発言は、トルコがS-400を受領開始した後の、国防省関係者としての初めての言及だった

F-35 Front.jpg前の国防省F-35計画室長Chris Bogdan退役中将は電話取材に対し、F-35関連の情報を保全するため、S-400とF-35の同国内での運用はあり得ない選択肢だと述べ、同氏が室長を務めていた2012年~17年までの間、外交や政治など、あらゆる手段を交えてS-400導入をやめさせようとしたと振り返り、今回の結果を残念だと表現した
●またBogdan退役中将は、F-35計画パートナー国が途中で抜けることについては、このような大規模な計画では避けられないことだと語り、カナダが政権交代でF-35導入に慎重な姿勢に変化しつつある点に言及した

トルコはF-35パートナー国として、937種類の部品製造にかかわっており、サプライチェーンの再編過程で部品コスト上昇や需要を満たせない可能性があるが、Lord米国防省調達担当次官は、トルコ軍需産業との部品供給契約を終了する予定の2020年初めまでには、米国をサプライヤーを中心に徐々に代替企業に仕事を引き継いでもらうと語っていた

17日調達担当次官はコストについて
●17日、Ellen Lord調達担当次官は、2020年3月までにトルコから部品等製造を米国等の企業に移管するために、550~700億円の経費が発生すると述べた
●またトルコ軍需産業がF-35計画から除外されることにより、トルコ軍需産業は約1兆円のビジネス機会を失うことになるとも述べた
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トルコは次の戦闘機をどうするんでしょうか? F-35がダメであれば、FA-18だって容易ではないでしょうし、欧州のタイフーンやグリペンだって慎重になるでしょう。

Turkey USA.jpgロシアから買うんでしょうか? エルドワン大統領の強引なやり方に、トルコ空軍幹部もさぞかしイライラしている事でしょう・・・

最初にも述べたように、対イランも見据えて、トランプ大統領はこれ以上事を荒立てない雰囲気ですが、米国の外交安全保障関係者のトルコへの不信感を払しょくすることは難しく、今後の両国関係は予断を許さないものなのでしょう

米トルコ関係
「S-400がトルコに到着」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14
「米がトルコに最後通牒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-09
「6月第1週に決断か」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-23
「トルコが米国内不統一を指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-2

「もしトルコが抜けたら?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-21
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24

「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30

カナダ首相がF-35から「足抜け」を狙う
「やり直し機種選定開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23
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トルコにロシア製S-400の第一弾ついに到着 [安全保障全般]

ついにルビコン川を渡ってしまったのか
気になるトランプ発言の行く先は?

S-400 Turkey.jpgついに11日夕刻、トルコにロシア製の高性能地対空ミサイルS-400地対空ミサイルの第一弾が到着し今後数週間で段階的に残りの関連部品や整備試験機材等が到着するようです。

米国時間12日朝にトルコ政府が同ミサイルの到着を発表も、米国防省は本件の会見を当初同日午前1145に設定も、後に2時間半遅らせるとしたまま会見は未だに開催されず・・・。

米国は国として6月6日付で当時のShanahan臨時国防長官がトルコ国防相へレターを出し、S-400のトルコ搬入が行われれば、F-35共同開発国で同機を100機購入予定のトルコを、F-35計画から排除し、既に完成している4機の機体も引き渡さないし、米国内でF-35の操縦や機体整備の訓練を受けているトルコ軍兵士を国外退去させると最後通牒しています

S-400-launch.jpgShanahan臨時長官は同レターに先立ち、トルコ国防相と同書簡の内容について5月末に電話で話し、イスラム教の国として唯一のNATO加盟国であり、米軍の地域拠点であるインジュリック空軍基地を擁するトルコと米国の関係は、いよいよ正念場に差し掛かっていましたが、一線を越えてしまった感があります

6月6日付の最後通牒の直接のきっかけは、トルコがS-400の操作要領等を学ばせるため、トルコ軍の操作員や整備員をロシアに派遣したことが最近明らかになったための様ですが、西側最新兵戦闘機であるF-35を、ロシア製最新鋭SAMと同居させることで機密が漏洩すると、トルコ側には数年前からあらゆるチャネルを用いて警告してきたにも関わらず、反米のエルドワン大統領は一歩も引かない姿勢でS-400導入を進めてきました

6月7日に会見した米国防省のEllen Lord担当次官は、S-400の代替として、米議会の許可も得てパトリオットシステムをトルコに輸出する準備も整っているとトルコ側に呼び掛けていますが、トルコ側はこれまで、米側とNATO加盟国からのこのような要請に対し、「S-400導入は既に決定済で契約済の案件だ」として全く聞く耳を持たない様子です

Turkey USA3.jpgしかしです、トランプ大統領がG20開催直前のTVインタビューで、オバマ政権時代にS-400の代替になりうるパトリオットシステムのトルコへの売却を許可しなかったから、トルコはS-400を購入せざるを得なくなったのだと、トルコのエルドワン大統領の弁解を丁寧に説明しており、この発言の意味するところが気になります

だからトランプ大統領は、国防省や米軍が訴えてきたF-35の機密漏洩の懸念を無視し、100機のF-35売却による儲けを優先し、F-35計画への継続参加を認めると言うのか、F-35計画から除外をするが、重要な米国とトルコの同盟関係は重要だからこれまでと変化ないというのか・・・気になるところですし、米側の反応を見守りたいところです・・・

米トルコ関係
「米がトルコに最後通牒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-09
「6月第1週に決断か」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-23
「トルコが米国内不統一を指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-2

「もしトルコが抜けたら?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-21
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24

「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30

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中国が米軍需産業を標的にレアアース禁輸へ [安全保障全般]

人民日報「Don’t say we didn’t warn you」
警告してあげたことは忘れないでね
この言葉、1979年以来初、史上4回目の使用とか・・

rare earth5.jpg3日付Defense-Newsが、米中貿易摩擦への中国側からの報復措置として一般社会への影響が少ない点でメディア上のインパクトは少ないが、米政権に短刀を突き付けるような効果がある「米軍需産業へのレアアース輸出規制」が持ち出されていると報じています

話の発端は、中国の経済計画を審議するNDRC(National Development and Reform Commission)が、6月17日に行った「米国の軍需産業は中国からのレアアース輸出制限を受けるだろう」との発表で、その数週間前に「レアアース輸出制限」を米国への報復措置として検討しているとの中国メディア報道が具体的になったとことにあります

記事は、様々な対策により直接的な影響はそれほど大きくないような雰囲気で書かれていますが、地球上での採掘量と産地に偏りがある元素17種類を指す「レアアース:希土類」の、リサイクル利用の活性化など同盟国を巻き込んだ取り組みの必要を訴えています

3日付Defense-News記事によれば
rare earth.jpg●もう何年も前から、米国材料サプライチェーンの専門家は、米軍やその同盟国を支える重要な兵器(第5世代戦闘機や精密誘導兵器)に不可欠な希少材料へのアクセスが絶たれる懸念について警告してきた。そして、例え僅かでも入荷量が減少すれば製品価格が急騰し、入荷制限が長引けば、国家安全保障を根本で支えるシステム製造企業を脅かすと主張してきた
だが、多くの人は自由貿易に相互依存するこの世界で、そのような過激な手段に中国が出るとは考えなかった。しかし6月17日の中国当局の発表は、中国が如何に巧妙に米側の緊要な部分に牙を突きつけ、貿易戦争を戦おうとしているかを示すものだ

中国側の戦略は冷徹な計算に基づいている。米国の軍需産業だけを標的にすることで米軍装備のコストを引き上げ、製造リードタイムが伸びることは、米国政府中枢に影響を与えるが、一般民衆には大きな影響えず反発を招かないとの目算である
クラウゼビッツを学んだものなら誰でも、これが米国の「重心」を突く攻撃だと理解できるだろう

rare earth4.jpg●報道によれば、中国NDRC当局はレアアース措置に関し3回会議を開き、これは習近平主席がレアアース採掘場を視察し、中国メディアが冒頭紹介した「Don’t say we didn’t warn you」との言葉を30年ぶりに発した数週間後に行われている。これらすべては偶然に重なったわけではない

●幸いにも、米国政府はレアアースや他の緊要な材料物質の安定確保に向けた対策を進めており、7月4日発表の「Federal Strategy to Ensure Secure and Reliable Supplies of Critical Minerals」もその点に触れ、2019年度の国家授権法でも、米軍需産業が中国など非同盟国からのレアアースに依存することを制限しており、
国防省も軍需産業にサプライチェーンの再構築とレアアース再利用の能力を確認しているところである。またレアアース改修と再利用の検討の予算増額を議会に働きかけている
●また議会では、外国資源への依存を減らすため、米国内でのレアアース等の採掘を制限していた法律の改正しようとする議員たちの動きがみられる

rare earth3.jpg中国は数十年にわたる努力で、レアアースを戦略物資として各国のサプライチェーンに供給するルートを固め、米国軍需産業もその中に組み込まれている
●中国NDRCの6月17日の発表は、最後の手段だと考えるべきではない。米国は現状を良く分析し、長期的視点で議会と協力して戦略や政策文書に示された課題や対策を具体化していかなければならない
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本当に米国政府として安心していられる状況なのか、記事を読みながら不安になってきましたが、そこは見守るしかないのでしょう・・・

日本の商社が、簡単に横流しできるものではないでしょうし・・・。 米国内で採掘を可能にするためと解釈した「Mine-permitting reform」ですが、環境団体とかがうるさいのでしょうか?

いずれにしても、レアアースは「レア」なので、目が離せない展開になってきました・・・

米中関係を考える記事
「CSBA対中国戦略レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
「2019年アジア安全保障会議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-31-1
「2019年中国の軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-06
「グーグルからAI技術流出」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-31-1

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SIPRIが核兵器数などの年次報告 [安全保障全般]

世界の90%を占める米露の削減で総量減少
しかし、中、英、パキ、恐らくNKは増加

SIPRI 2019.jpg6月16日付Defrense-Newsは、SIPRIが発表した世界各国の核兵器保有数を含むレポート(SIPRI Yearbook 2019)を紹介し2019年初時点で、米露が保有する核兵器数は新START条約に沿って削減(米が265発、露が350発削減)されましたが、中、英、パキ、NKは増加(イスラエルも恐らく増加)、印と仏は変化なしと取り上げています。

また全体数は減りましたが、全ての国で兵器の近代化がすすめられているとSIPRIはしています

世界全体の核兵器数13865個(2018年初時点では約14465個)が前年より減少したのは、全体の約90%を保有する米露が新START条約の規定弾頭数まで2018年中に削減した結果ですが、2021年までにこの条約が延長されなければ、この減少傾向はどうなるかわかりません。現在の米露関係を考えると悲観的な見方が広がっています

nuclear bomb.jpgまた、2018年にトランプ政権として発表した核体制見直しNPRで、オバマ政権の核兵器削減方針を転換し、現有兵器の近代化と低出力核兵器を潜水艦発射巡航ミサイルに搭載する方向を打ち出しており、この低出力核弾頭開発が他の核保有国に影響を与えているとSIPRIは見ています

SIPRI(Stockholm International Peace Research Institute)が核保有国として取り上げた国は9か国で、保有数が多い順番で露、米、仏、中、英、パキ、印、イスラエル、NKとなっています。

めったに目にしない数字ですので、各国ごとにご紹介します。米英仏は数を公表していますが、その他は核実験や核分裂物質の利用状況などからSIPRIが推計したもので、他にもいろいろな推定数が出回っているのでしょうが・・・

16日付Defrense-News記事はSIPRI分析を紹介し
米国は現在6185発の核弾頭を保有しているが、その中の約1000発の低出力弾頭を搭載する重量投下爆弾と空中発射巡航ミサイルに加え、潜水艦発射巡航ミサイル用の低出力弾頭を加えようとしている
nuclear bomb3.jpgロシアは現在6500発の核弾頭を保有しているが、この規模と非戦略型弾頭の構成は、米国の通常戦力優位に対抗するためのもので、米国の非戦略弾頭やその総トン数に対抗するものではない

●しかし米国が長射程戦略核の増強に併せ、潜水艦発射巡航ミサイルに低出力核弾頭を搭載し、欧州やアジアでの非戦略核のプレゼンスを追求することで、ロシアは非戦略型核兵器への依存傾向を強め、中国にも同様の兵器導入を考えさせる契機となるだろう
●なおロシアは現在、約1830発の非戦略型核弾頭を保有しているとみられる

ロシアは引き続き核戦力搭載可能な長距離航空部隊の長距離展開を北極海、大西洋、太平洋地域で行っており、2018年12月には大統領を巡る混乱が続くベネズエラに2機のTU-160派遣を行っている。
中国も核戦力拡大に努めており、約290弾頭を保有していると見積もられている。核の先制使用をしないと宣言しているが、核による報復能力の改善に努力している

nuclear bomb2.jpgインドとパキスタンについては情報が少ないが、両国ともそれぞれ弾頭数を10-20個増やし、インドが130-140、パキスタンが150-160個と見積もられている
北朝鮮についてはさらに情報が乏しいが、20-30弾頭を保有すると推定され、2018年時点の推定から10個程度増加と見積もっている
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2011年2月5日に米露間で批准書が交換され新START条約が発効しましたが、有効期限は10年間(最大5年の延長が可能)であり、2021年2月の期限に向け、核兵器が注目を浴びることになります

ICBM James.jpg北朝鮮が少数でも核保有を宣言して世界を振り回し、イランの件でも世界の原油市場を巻き込んだ不安材料となっています。

サイバーだ宇宙だと言っても、やはりその御威光が衰えることがない核兵器の基礎データでした

昨年のSIPRIレポート
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-20

新STASRT条約は延長の危機
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-21

NPR(核態勢見直し)関連
「リーク版NPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「次期ICBMと核巡航ミサイルの企業選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

米国核兵器を巡る動向
「今後10年の核関連予算見積が23%増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26
「核兵器輸送がNo2任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-11
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

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もう3週間、イスラエルでGPS妨害つづく [安全保障全般]

イスラエル航空局が妨害確認し公表
シリア内ロシア軍拠点からだと専門家指摘も露は否定
世界で最も激烈なEW環境にある地域で

Israel Lebanon.jpg2日付C4ISRNETは、6月25日に国際エアライン操縦者協会が、テルアビブ空港を利用する民間航空機が過去3週間に渡りイスラエル周辺空域でGPS妨害を受けていると発表し、イスラエル航空局もこのような状態にあることを26日認めました

また27日に英国BBCはイスラエル軍ラジオ局「Galei Tzaha」がこの妨害がロシアによる仕業だと報じていると伝え、C4ISRNET自身もテキサス大学の専門家Todd Humphreys教授からロシアの仕業だとする情報を得たとしています

一方で現時点では西側専門家も、シリア領内のロシア軍拠点がGPS妨害電波の発信源らしいが、ロシアはイスラエル向けにGPS妨害を企図しているわけではなく、自軍防御のために強力な電波妨害を行っているため、イスラエルに出入りする航空機が副次的なトバッチリ影響を受けている・・・との見立てになっているようです

2日付C4ISRNET記事によれば
GPS III 2.jpg●テキサス大学のHumphreys教授は、「昨年からシリア駐留ロシア軍が、ユニークな組み合わせの妨害電波を発射していることが判明しており、我々はsmart jammingと呼んでいる」、「イスラエルで発生している状況に関しては、イスラエルが攻撃目標になっているわけではなく、単に副次的な被害(collateral damage)を受けているのである」と説明している
●この3週間に及ぶ影響について地域に展開する米軍指揮官たちは、正確な位置や航法情報や時刻情報が入手困難になっていることに懸念を強めている

●Humphreys教授はまた、在シリアのロシア軍が発信器を改良し、その結果として妨害に繋がっていると語り、GPSに頼っている軽易な航空機は大きな影響を受けると述べた
●同教授は「GPSをサーバーにまで遡って妨害しようとしているのではなく、シリアから発進されている過去18か月間にわたる妨害は、彼らの防御対象エリアの空域での無人機運用や空域管制を阻害することを狙ったものである」とも述べた

GPS III.jpg●また同教授は、国際宇宙ステーション搭載のセンサーによる分析等から、シリアのKhmeimim空軍基地内から妨害電波が発信されていると説明したが、ロシア側は「fake news」だと主張しているとBBCは伝えている
●しかし、これまで3週間の間、どこからもこの妨害電波に対処する動きはなく、解決法もないのが現状である

●報道では、民間航空機への妨害だけが報じられているが、専門家はロシアが軍事装備への妨害能力も保有していると指摘し、米軍がシリアで運用している無人機も妨害を受けていると報道されている
●米軍の前特殊作戦軍司令官Raymond Thomas大将は2018年に、米軍はシリアにおいて、世界で最も激しいEW環境での作戦運用を強いられていると語っている
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今も世界のどこかでEWを駆使して国益を確保しようとする、激しい戦いが繰り広げられていることのご紹介です。

Israel US2.jpgイスラエル軍に、また米軍に、どのような影響が出ているのかも公になっていないので気になりますし、既に行われているであろうロシア側への対処も不明で気になります。

対テロに注力している間に、ロシアや中国は一歩先を行っていると考える事も重要です。

「GPSが30日間中断したら」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-18

EW関連の記事(最近の動き)
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

EW関連の記事(米空軍の苦境)
「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

EW関連の記事(米空軍は海軍に依存)
「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

EW関連の記事(ロシア軍に驚嘆)
「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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トランプ大統領の日米同盟批判TV発言 [安全保障全般]

26日「米国は日本を命がけで守るのに、日本は米国が攻撃されてもSONYのテレビで見てるだけだ!」

追記:29日、G-20後の記者会見でも「日米同盟からの撤退は考えていないが、片務性があるということだ。不公平な合意で改めなければならないと言っているだけだ」と記者からの質問に

US Forces Japan2.jpg6月26日、G-20参加のため米国に向かう直前のトランプ大統領が、テレビ番組「Fox Business Network」に電話で出演し主に中国との関税問題についてのインタビューに対応しましたが、その中で日米関係に話題が及び、トランプ大統領が不満を持っているという日米安保条約に話が及び、以下のように語りました

同番組のYouTube映像では、約8分40秒当たりから
多くの国が、米国との同盟で極めて大きな恩恵を受けている
●日本とも同盟を結んでいる。もし日本が攻撃を受けたなら、米国は第3次世界大戦を戦うのだ。米軍は日本に向かい、日本を米国人の命を懸けて米国の財産を使って、全てを犠牲にして(同盟に基づき)戦うのだ
しかしだ、仮に米国が攻撃を受けても日本は米国を守る必要が全くないのだ。日本人はSONYのテレビで、米国が攻撃を受けるのを眺めるだけなのだ!


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トランプ大統領は、日本に言及した後、NATOにも話を向け
●「28か国の加盟国の中で、僅か7か国だけが相応の資金や人員をNATOに提供して応分の負担をしているが、他の加盟国は不十分だ。特にドイツは、敵対国であるロシアには多額の資金を提供しているのに、ドイツを守っているNATOには不十分な負担しかしていない」と厳しい批判を浴びせています

Trump G-20.jpgしかし、やっぱり米国が攻撃されても日本はSONYのテレビで黙ってみているだけ・・・との分かりやすい説明は視聴者に響いたようで、このTVインタビューについて、主要な軍事メディアであるMilitary.comが上記の内容を大きく報じ、トランプ大統領が日米安保条約の「片務性」に強い不満を持っていると最近の発言や報道を紹介しています

一般には、貿易問題や米国製武器売り込み交渉を米国有利にするため、ディールの達人トランプ大統領得意の揺さぶりをかけていると言われていますが、中東やアフガンで疲弊している米国民には、この「片務性」の話は強く響くものと思います

米軍基地の場所を提供して西太平洋の米国益に供していても、思いやり予算で支え、艦艇等の修理拠点として高い技術で米軍部隊を支えていても米国の一般国民にはそっと隠しておきたい「片務性」(自民党の長島衆議院議員は「非対称性」と表現されてましたが・・)なので、このTV放送と多メディアへの波及は少し心配です・・・

SONYはもうテレビは生産してないと思いますが日米貿易摩擦が激しく、日本製の車やラジカセをハンマーで打ち壊していた80年代の日米関係の記憶が、トランプ氏の原風景であることを示す証拠かもしれません

トランプ大統領と米軍関連
「故郷の壁ペンキ塗りに正規軍」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-07
「空母トルーマン早期引退を撤回」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-02
「臨時長官は如何に大統領に仕えているか」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-11
「自然災害の中、施設予算枯渇」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-24
「再び大統領が軍事パレード要望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16
「DCで軍事パレードをご希望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10-1
「宇宙軍創設を訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「戦地激励を避けるトランプ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-23
「米海軍真っ青?トランプ「EMALSはだめ」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13

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NDSを否定してCNASが2年計画で対中露構想を練る [安全保障全般]

国家防衛戦略NDSは対中露で米を敗北に導くと
まず問題を上げ、今後2年間で組織横断の議論を

CNAS New Way.jpg6月12日、CNASのChristopher Dougherty上席研究員が「Why America Needs a New Way of War:なぜ米国に新たな戦い方が必要か?」とのレポートを発表し冷戦後の湾岸戦争のような戦いを想定しがちな米国防省や米軍が生み出した国家防衛戦略NDSは、対中露で米国を敗北に導くとその誤りを指摘しています

そして筆者Dougherty上席研究員は、現時点では各軍種に具体的な提案は行わないものの、CNASとして今後2年間で国防省の多様な有志人材との意見交換を通じ、マルチドメインや統合の新たな方向性を探すとレポート発表会見で語ったようです

Dougherty研究員は国防省内部に協力を求め、同意してくれた人々の反応について紹介し、「そのような検討をやるべきだと長年言い続けてきたんだ」と頷いて協力を約束してくれた例や、すこし慎重な様子でも「面白そうだ。全く問題ない」と言って応じてくれた例を紹介し、広く国防省内で問題認識が共有されていると説明したようです

Dougherty.jpg先日ご紹介したCSBAの「海洋プレッシャー戦略」を「がっかりだ」とご紹介しましたが、このCNASのNDS否定から入る手法も、同じ問題認識からスタートしているような気もします。
根本的に今の戦い方の延長線ではダメで、何な新たなものが必要だ・・・との認識です。

CSBAレポートは国防省国防戦略委員会の委託だったため、政策的な縛りや現状路線から大きく離れることが出来ず、「実現可能性が低い軍事的オプション」を提示せざるを得なかったと解釈すれば、CNASレポートは既存の枠組みを離れた検討を追求しようとするものですが、根本にあるのは現路線の「破たん」を認めなければ前に進めないとの危機感です

または、CSBAの委託研究結果「海洋プレッシャー戦略」があまりにも「玉砕的」だったのに我慢できず、もう一つの本流と自覚するCNASが我慢できずに新構想検討をぶち上げたのかもしれません

以上はまんぐーすの個人的解釈でしたが大陸国である中国やロシアと、米軍の拠点が少ない西太平洋地域で戦うのはそれだけ困難だということでしょう。
CNASの今後の検討の前提がよくわかりませんが、エアシーバトルが想定していた懲罰的な中国本土攻撃を避け、海上封鎖や第一列島線上で強靭に戦う路線でないことを願うばかりです

以下では、発表説明会でChristopher Dougherty上席研究員が語った内容を、Military.comの記事からご紹介します

12日付Military.com記事によれば
2018年の国家防衛戦略NDSに基づき、各軍種が計画を立案し、装備品開発に取り組んでいるが、中露の複雑な防御ネットワークを突破しようとするNDSが示す試みは時間の無駄であり、米軍を敗北に導く
Dougherty2.jpg●NDSやペンタゴンは、高度な防空ミサイルシステム網や電子妨害、GPSや衛星通信攻撃兵器など、米軍による効果的な攻撃力を弱める中露の優れたA2AD網を破砕することに焦点を当ているが、これは誤りである

中露のA2AD網が提示する脅威が中露作戦の「重心」だとのNDSの考えは誤った判断であり、中露A2AD対処に重点を置くならば、その方向は間違っている
相手が「盾」を持って戦いを挑んできても、あなたが全ての時間を費やして「刀」で「盾」にぶつかっていてはいけない。「盾」を避けて戦うことを考えねばならない

これらの考えは、私が4年間、国防省の戦力造成戦略室での勤務間に得た経験を発展させてまとめたものであり、加えて私の陸軍レンジャー部隊での3年間の経験も加味したものである
国防省か現在想定する戦い方は冷戦後の流れそのままで、今後の対中露を考えた場合には機能しない。また国防省の安保環境への現在の対応は、残念ながら、小出しでやる気が感じられないもので、これは現状の問題やその兆候を体系的にとらえることが出来ていないからだ

●この結果、米軍は他を大きく引き離した強大な力を持つとの誤った認識を導き、中露との戦いで敗れるリスクを高めている。中露がイラクやユーゴスラビアのような地域脅威と誤認識しているようだ

以下の4つの視点で上述の問題を今日はご紹介する
DF-21D.jpg--- 米軍指導者は我が軍が選ぶ場所と時間で敵と戦う前提に慣れているが、敵が選んだ時と場所で戦うことに備え、効果的に戦わねばならない
--- 情報活用や分析の手法や技術でなく、情報を獲得する戦いに焦点を当てるべきだ。海兵隊司令官の「ネットワークを機能させて迅速に意思決定するサイドが、将来の戦いで優位を占める」との言葉は至言である
--- 我が軍が安心して戦いの準備をできる「聖域」は、将来の戦いには存在しない。物理的攻撃の範囲はその精度と共に急速に拡大発展しているが、そのような攻撃が難しい場所でも、サイバーや電子的手段で作用が可能な時代である
--- 各ドメインの完全な制圧状態がない状態で、敵侵攻を撃退する手法を考えるべきである。我の自由度が限られた敵の強固なA2AD網の中に入り込んで、所望の成果を獲得する必要がある

●米軍の各軍種は、また国防省は、それぞれに上述の問題に対応すべき取り組みを幾らか行っており、陸軍の「Futures Command」創設や海兵隊の「Marine Corps Warfighting Lab」は、良い取り組みである
マルチドメイン作戦への取り組みも良いスタートである。今回のレポートは今後2年間のCNASにおける「Defense Program」の先陣を担うものであり、国防省内の軍人と文民が共に恐れることなく大胆な議論をし、報告をまとめる端緒である。

国防省内では、「そのような検討をやるべきだと長年言い続けてきたんだ」とか、「面白そうだ。全く問題ない」と言って協力してくれる人が既におり、国防省内で問題認識が共有されていると感じている
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レポート現物は以下に
https://www.cnas.org/publications/reports/anawow 

parade.jpgDougherty上席研究員が述べた「4つの視点」は、エアシーバトルコンセプトが発表された2010年当時から訴えられてきた点だと思うのですが、軍事組織は自分で変われないのでしょうか・・・

CSBAの「海洋プレッシャー戦略」を取り上げた記事の後半部分で、エアシーバトルコンセプトの脅威認識を、しつこいですがもう一度、ご確認いただいて、同研究員の思いと現実政策や装備品開発の現状の乖離を考えて頂ければと思います

記事「CSBA海洋プレッシャー戦略の概要」
後半部分でエアシーバトルの概要をご紹介しています
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13

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CSBAの対中国新構想「海洋プレッシャー戦略」に唖然とする [安全保障全般]

実行可能性を感じない、苦心のアプローチ?
要するに中国にお手上げ宣言?
玉砕覚悟で制海も制空も担うインサイド部隊は同盟国担当?
在日米空軍と日本の海空自衛隊は何するんでしょう?

CSBA MARITIME PRESSURE.jpg5月23日、CSBAが国防省の委託研究で懐かしのエアシーバトル構想に代わる対中国構想を表現した「Tightening the Chain: Implementing a Strategy of Maritime Pressure in the Western Pacific」なるレポート発表しました

最近この手のシンクタンクレポートを米軍事メディアが取り上げることが極端に減りトランプ政権下でまともな軍事戦略議論ができない状況や、中国の戦力造成が圧倒的な一方で、米軍事予算の目減りして押されっぱなしで、茫然自失状態の雰囲気が研究者に漂っていることを伺わせます

それでも、国防省の諮問機関である国防戦略委員会の委託でCSBAが出したレポートなので、チラチラ見たのですが、「エアシーバトル:ASB」当時の勇ましさはどこかに消え去り、中国大陸攻撃オプションは過激だからとの自粛ムードが漂い、前線の士気が絶対上がらない「インサイド・アウト作戦」をなるものを柱にした「海洋プレッシャー戦略」が打ち出されていたので、隔世の感に包まれながら、盛り上がらないままご紹介いたします。

CSBA pressure.jpg第一列島線上に、残存性を高くした強靭な地上部隊からなる各種ミサイル部隊に電子戦&ISR&ネットワーク力等を持たせて配備して中国の出鼻をくじき、第一列島線の外側や第二列島線当たりから出撃する海空戦力がこれをバックアップするといった考え方、「エアシーバトル:ASB」当時に想定していた中国軍事力の予想行動や脅威認識に目をつぶるか、忘却の彼方に追いやったかのような前提で描かれています

「エアシーバトル:ASB」当時から、米軍や西側部隊の「打たれ弱さ」がほとんど改善されていない中、電子戦能力で中露に大きく後れを取っている中、ネットワーク依存や宇宙依存の脆弱性克服に全く目途が立たない中、更に予算もない中この方向しかないとの主張かもしれませんが、あまりにも暗く成就しそうもない想定で、改めて我々が置かれている厳しい環境を思い知らされた感もします

しかも、九州から沖縄、台湾やフィリピン等にも、中国人がクルーズ船で大挙して「偵察」に訪れる今日この頃、強靭な防御態勢や陣地を隠密裏に準備することが極めて難しい中で、代替案を提示できませんが、ため息の出る構想です

「海洋プレッシャー戦略」と「インサイド・アウト作戦」
●CSBAは「海洋プレッシャー戦略」の目的を、中国に西太平洋での軍事侵攻が失敗すると思い知らせることとしているが、同時にこれまで提案されてきた海上封鎖や中国本土攻撃でない方法で目的を達成することを提案している

CSBA pressure2.jpg●同戦略の柱は、第1列島線に残存性の高い地上部隊が保有する対空対艦等ミサイルによる精密打撃ネットワークを確立することで、中国軍の制空・制海を阻止して出鼻をくじき、またこれを電子戦や到着が遅れるアウトサイド部隊の海空戦力で支援することで、中国支配を早期に確立させない態勢をとることであり、残存性を確保するため特にインサイド部隊は分散型の作戦遂行(独立戦闘のイメージか)が基本となる

言い換えれば、同戦略では米軍が西太平洋で背負う「時間と距離の制約」を克服すべく、第一列島戦線上のインサイド部隊が中国の速攻による支配の「既成事実化」を、カモフラージュ・隠蔽・欺瞞などの自己防御手段と強靭さを備えたミサイル部隊と電子戦闘で粘り強く防ぎ、第一列島線の外側や第2列島線付近からの海空部隊(アウトサイド部隊)の支援を得つつ、中国戦力に対する西側のA2ADを遂行することを狙う

インサイド部隊には、その戦力で 航空優勢、海上優勢、情報支配を確保することが期待され、西側同盟国等の領土占領など中国が目的を達成する力を減衰させ、中国が第一列島線を超えて侵攻することを阻止することが求められる。そのため、中国軍を弱体化させ、中国のA2AD網を劣化させてアウトサイド部隊の行動自由度を高める事が期待される

CSBA pressure3.jpgアウトサイド部隊は米軍の圧倒的戦力で構成されるが、インサイド部隊が劣勢に陥った場合や、西側同盟国等の領土に接近できない場合に、インサイド部隊に対し柔軟かつ迅速な支援を行うことが期待される。またアウトサイド部隊は、インサイド部隊が生み出した中国A2ADの弱点を利用し、中国本土への攻撃もオプションとして考える

●「インサイド・アウト作戦」は4つの作戦で構成される。海上拒否作戦、航空拒否作戦、情報拒否作戦、陸上攻撃作戦であるが中国の海空戦力を第一列島線までで阻止するのは、第一列島線上に配備され、分散型の指揮系統で戦うインサイド部隊が主に担うことになる
●「海洋プレッシャー戦略」と「インサイド・アウト作戦」の細部については、元陸将の渡辺悦和氏がJBpress上で解説されているので、ご興味のある方は以下をご参照ください
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56655

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約80ページの現物は以下に
https://csbaonline.org/research/publications/implementing-a-strategy-of-maritime-pressure-in-the-western-pacific/publication

ゲーツ氏が国防長官当時、「今後、アジア太平洋地域に相当規模の米軍地上部隊を派遣するよう大統領に進言する国防長官が現れたなら、脳の検査を受けさせるべきだ」と語っていましたし、多かれ少なかれ、米政権が代わっても今後はそんな感覚でしょう

CSBA pressure4.jpg・・・ということは、インサイド部隊は玉砕覚悟の同盟国軍等が担当するのでしょうか?
玉砕覚悟で楠木正成よろしく「七生滅賊」の精神で戦えというのでしょうか?

「エアシーバトル:ASB」当時から、米軍や西側部隊の「打たれ強さ」がほとんど改善されていない中、電子戦能力で中露に大きく後れを取っている中、ネットワーク依存や宇宙依存の脆弱性克服に全く目途が立たない中、更に予算もない中、この方向しかないとの主張かもしれませんが、あまりにも暗く成功しそうもない構想で、改めて我々が置かれている厳しい環境を思い知らされた感もします

それから、付け足しの様で恐縮ですが、日本が湯水のようにお金を投入して購入するF-35はどのように活用するのでしょうか? ハワイまで逃げるの?

ハリス前太平洋軍司令官や米シンクタンクから提唱されていたマルチドメイン構想や、米地上部隊の各種火砲を第一列島線上に配備する構想、射程1000nmの陸軍火砲構想は、面白い重要な考え方だとご紹介してきましたが、それだけを前面に押し出されると興ざめです

マルチドメインの関連
「太平洋軍司令官が議会に要望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-29
「対中国で米軍配置再検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16-1
「射程1000㎞の砲を真剣検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

以下では、同じCSBAが2010年5月18日に発表した「エアシーバトル:ASB」コンセプトの概要を振り返り、「海洋プレッシャー戦略」との落差を感じて頂くとともに、当時と比べ、より現実味を帯びている中国軍事脅威の姿を改めてご認識頂きたいと思います

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「エアシーバトル:ASB」での中国脅威認識

中国の戦い方
CSBA2ndjasbc.jpg●中国の軍事論文や最近の中国軍研究によると、中国の接近拒否能力は、米軍が当然のように享受してきた従来のパワープロジェクションを無効化する。紛争時中国は、大規模な先制攻撃により短時間で米軍の基盤となる基地や部隊、指揮統制ネットワーク、補給ルートに大きな被害を与えることを狙っている。

具体的に中国の先制攻撃は、以下のような行動を伴う
---開戦直後に中国は、エネルギー兵器、対衛星兵器、妨害電波及びサイバー攻撃等を併用し、米国の衛星(ISR、通信、赤外線)の無効化を行う。
---弾道ミサイルの連続同時発射攻撃と地上発射巡航ミサイルによる攻撃、更に航空機攻撃も併用し、米と日本の海空基地を攻撃する。アンダーセン、嘉手納、三沢、佐世保、横須賀、関連自衛隊基地、補給・燃料拠点(グアム等)等の基地が攻撃対象に含まれる。 
---対艦弾道ミサイルと対艦地上発射巡航ミサイルで、大陸から1500nm以内の米軍と同盟国艦艇を攻撃して耐えられない損害を与え、同距離内を「Keep-out zone」として米側に立ち入らせない(接近拒否戦略)

米側が受ける被害
Chinese-BM-ranges50.jpg仮に中国からの先制攻撃が行われれた場合、米軍の前方作戦基盤は無くなり、サイバー・宇宙・電磁パルスなどの分野でも聖域は期待できない
サイバー戦能力については不明な部分が多いが、仮に米中双方が同等の能力を持って戦った場合、ネットワークへの依存度が高い米側が遙かに大きなダメージを受ける典型的な例は米軍の兵站補給部門で、商用のネットワークに大きく依存する米側システムは大きな弱点を形成している。
●従来の戦いで当然のように行っていた、複雑な戦場情報ネットワークの立ち上げや衛星の回線周波数を買い占めを前提とする、大規模で継続的な海上・航空活動を遂行することは不可能となる。

●これらの結果、米軍は、滑走路や燃料不足等による航空戦力運用の大幅制限、海上艦艇情報や対潜水艦情報の不足、空中給油機への過度の負担、作戦遂行物資の不足、長期を要する艦艇・潜水艦の再発信準備等の問題に直面する。
米軍は作戦地域へのアクセスを拒否され、作戦の主導権を失い、主導権を回復する足場をも失いかねない状況に至る。

せめてもの備え
DF-21D-1.jpgC2やISRアセットへの被害を予期し、衛星が使用不能な場合に備え、空中中継機や空中ISRアセットを準備する必要がある。しかし同時に、能力が限られる空中アセットでの運用に備え、情報入手や回線使用の優先順位について、事前に全軍レベルや国家及び同盟国レベルで検討しておく必要がある。
基地や施設の抗たん性強化は高価であり、またそれのみでは前線基地基盤を維持することは難しいため、以下に述べる中国ISRや宇宙アセットの無力化・盲目化等の施策と併せて総合的に対処策を考慮すべきである。
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「エアシーバトル:ASB」における対中国対処構想

A2AD阻止の鍵「盲目化」作戦
中国は、接近する敵を遠方で発見・識別・攻撃することで拒否戦略を成立させており、ISRシステムが中国のアキレス腱となる。逆に、米国にとってもISRが重要であり同時に弱点であるから、双方が相手を「盲目化」させる事を追求する。
一朝有事に相手を盲目化させるための「偵察競争」は既に平時から始まっている。サイバー、宇宙、水中領域においても同様である。

DIA china.jpg中国を盲目化することにより、中国の攻撃精度・能力が低下し、更に戦果確認能力も低下することから中国は余分な弾道ミサイルの使用を余儀なくされる。特に水上目標の位置評定は中国にとって難しい課題であり、盲目化は我への脅威減殺に重要である。
米側にとって盲目化の重要目標は中国の宇宙関連システムである。中国の軌道上アセットへの攻撃や中国の衛星攻撃能力の破壊が重要である。

●宇宙目標以外では、中国の長距離攻撃を可能にする陸上設置の海洋監視OTHレーダーやISR関連中継施設が重要攻撃目標になる。
●また、中国軍が導入を計画している高々度長期在空無人機は宇宙アセットのISR能力を補完する装備として注意が必要である。

中国弾道ミサイルへの対応
DF-21D.jpg●盲目化で既に触れた対処以外では、空海軍のステルス長距離攻撃機と潜水艦発射兵器で中国防空システムを攻撃し、スタンドオフ電子攻撃兵器で弱体化させ、通過可能なコリドーを切り開いて弾道ミサイル攻撃パッケージを投入が鍵となる。
●この際、スタンドオフ兵器で固定ミサイルを攻撃し、有人無人の長期在空ステルス機で移動目標を破壊する。

中国海軍への対応
●情勢が緊迫し中国の先制攻撃の可能性が高まった時点で、日本にある海軍イージス艦は事前指定のBMD配備に就き、空母は中国の脅威レンジ以遠に移動する。
潜水艦は前進配備し、同盟国の潜水艦とASW(対潜水艦作戦)を第1列島線内で実施。巡航ミサイル潜水艦や攻撃潜水艦、同盟国潜水艦は大陸沿岸エリアでISRや攻撃(SEAD)任務に備える
●紛争開始後、友軍潜水艦群の総合能力を考えれば、あまり中国艦艇への攻撃は期待出来ない。そこでASBでは航空機による艦艇攻撃に依存する。

Western Pacific2.jpg防空システムが強固な艦艇には空中発射巡航ミサイルが必要だが、中国艦艇自身の対空防御力は限定的であるため安価な兵器で対応できる。米海軍の航空攻撃アセットは、開発中の無人艦載機ステルス機N-UCASを除き足が短く、空軍の戦闘機やUAVは、搭載量が少なく他の任務もある。
●そこで、対空脅威がない前提で、在空時間が長く武器搭載量が多い空軍爆撃機に対応させる手法もある

中国潜水艦への対応
●まず第一列島線の東側の中国潜水艦排除に努める。次に、米と同盟国による「琉球バリア(第一列島線のラインをイメージ)」を通過する中国潜水艦を捕捉して対処する。
中国潜水艦は長期活動能力が低いため、母基地へ頻繁に帰投する必要があることからこの作戦が有効であろう。
●なおこの琉球バリア形成には、海上自衛隊の対潜水艦作戦能力が極めて重要な役割を担う。また米空軍ステルス爆撃機による潜水艦基地周辺への機雷投下や攻撃も有効。その他、水中無人システムとして開発中のUUVや移動型機雷なども有効

戦闘空域での航空優勢の確保
嘉手納、グアム、マリアナ諸島の米空軍基地や自衛隊の基地に被害が出た場合、東日本の基地へ米空軍戦闘機とミサイル防衛部隊の増強を送り込み、中国軍対処を支援する。これにより日本国内の目標防護と日本の防衛意志を強固にする。
米戦闘機等を早期に日本に増強すれば、それだけ中国側の損耗を増加でき、日米のBMD用ミサイルを防空に使用せずミサイル防衛に使用できる。

parade.jpg西日本から琉球列島にかけては、特に中国の弾道ミサイルや航空攻撃を受け脆弱なので、米日の大部分の戦闘機等は東日本から長距離運用を行う。
航空優勢を東シナ海から琉球列島まで拡大し、琉球列島にある幾つかの滑走路を使用できれば、中国軍機を損耗させ、我のISRアセットの運用が容易になる。
航空優勢拡大により、我の海上戦力による地上目標攻撃や突破型作戦の支援も容易になる。

その他のアセットや抗たん化
●確実な我の攻撃戦果確認や追加攻撃のため、ステルス長距離ISR攻撃機は高価であるが有効であり、また中国に対応策のための出費を強要する意味でも重要である。
テニアン、サイパン、パラオの空港施設は改造すべき。陸海空軍が合同で定期的にBMD訓練を実施すべきであり、日本との訓練も増やすべきであろう。

陸軍や海兵隊の役割
地理的環境からも能力上も、米国は中国大陸で大規模な陸上作戦を行う意図はなく、西太平洋地域は主に空軍と海軍の活動する戦域である。

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もしかしたら研究者の問題認識は共通か?
もしくは、CSBAレポートに我慢ならず、怒りの新戦略検討宣言か
CNASが国家防衛戦略NDSに沿った装備調達や作戦構想は米国を敗北に導くと真っ向否定し、中国A2AD対処を前面に打ち出し、湾岸戦争の栄光に引きずられた現状を打破するため今後2年間をかけて、国防省とあるべき姿を追及すると発表
その会見をご紹介→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-14


エアシーバトルコンセプト関連の記事
「CSBA提言 エアシーバトルのエッセンス」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-30 
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「脅威の変化を語らせて下さい」→https://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08 

「Air-Sea Battleに波風」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-04
「久々にAir-Sea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16-1
「1/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「2/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1
「補足米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-2

Air-Sea Battleカテゴリー記事100本
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301176212-1

ASB関連の記事
衝撃の台湾戦略提言→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
ヨシハラ教授の提言日本もA2ADを→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

再度:陸軍にA2ADミサイルを→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-30
副理事長:陸軍にA2ADミサイルを→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

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米陸軍正規兵に国境の壁ペンキ塗り任務で非難殺到 [安全保障全般]

イラクやアフガンで疲弊した部隊に鉄条網張り
不法移民を見つけても逮捕もできず指示するだけ

border-wall-Paint.jpg6日付military.comは、トランプ大統領の指示でメキシコ国境の壁に派遣されている米陸軍や海兵隊の正規兵が7日から国境フェンスのペンキ塗りにも従事することを受け、議会や有識者から「軍の不適切な使用だ」と改めて非難の声が上がっていると報じています

そもそもメキシコ国境の壁建設費用捻出のため、国家非常事態宣言をして国防予算を無理やりむしり取る暴挙で専門家や議会から非難を浴び、自然災害による大きな基地施設の被害に米軍からは恨み声がこだましている現状ですが、傷口に塩を刷り込むがごとき今回の「ペンキ屋任務」に、米軍の士気は下がり、幹部の怒りはさらに募ることになるでしょう

6日付military.com記事によれば
●国境警備隊報道官は、7日から米軍の正規兵部隊が、「国境フェンスの見栄えをよくするため」、フェンスのペンキ塗りを開始すると明らかにした
ペンキ作業が開始されるのは、サンディエゴの東200㎞付近で、最初にトランプ大統領指示による国境の壁建設が開始された場所である

border-wall-Paint2.jpg現在、メキシコ国境での任務に派遣されているのは、陸軍と海軍の正規兵2100名と予備役兵1900名で国境への蛇腹鉄条網の配置、監視ヘリコプター運用、兵たん支援、監視カメラ監視などを担当しているが、不法移民を逮捕したり触れたりはできず、発見した場合は国境警備隊に連絡して最寄りの警備隊詰め所に向かうよう指示するだけである

このような米軍の活用はトランプ政権による米軍の拡大使用の象徴だが、ある議員はペンキ塗りへの米軍の使用について「税金の恥ずべき誤使用」と厳しく批判している

●国土防衛省は今回のペンキ塗り目的を、「壁フェンスの見栄え改善」としているが、現状の「さび色」では不法移民が隠れた際に発見しにくく、また滑る塗料を塗ることで移民がフェンスをよじ登ることを防止する狙いもあるようである
●ペンキの色を国境警備隊は明らかにしていないが、アリゾナ州でフェンスを「明るい白」に塗装して効果的だったとの情報があり、一つの選択肢となろう

●実際に国境に派遣されているある軍曹(アフガンにも中東にも派遣経験あり)に取材したが、彼の任務はベットの上の暗視カメラで監視し、移民を発見すると国境警備隊に連絡し、見つけた移民に最寄りの警備隊詰め所に赴くよう指示するだけだと語っていた
早く彼自身や同僚兵士が休めるよう、早く不法移民がその場から移動することだけを願っていたと語ってくれた
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WASP.jpg令和最初の国賓としてトランプ大統領が来日した際、最後に米海兵隊の強襲揚陸艦WASPで米軍兵士を前に激励スピーチを行いましたが、本来佐世保で待機していつでも海兵隊員を乗せて出航できる体制を取っているべきなのに、ホワイトハウスの強引な計画で横須賀まで移動させられたとして、Shanahan臨時国防長官がホワイトハウスに抗議したと報じられたり

トランプ大統領が嫌いな故マケイン上院議員の名前を冠した横須賀所属の駆逐艦マケインの艦名を、大統領が横須賀基地訪問時に隠すようにホワイトハウスが指示したとか、米軍の士気を削ぐ「軍の乱用」や「軍の尊厳無視」行為が目に付くトランプ大統領とその側近ですが、本日も「反省の色なし」です

トランプ大統領と米軍関連
「空母トルーマン早期引退を撤回」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-02
「臨時長官は如何に大統領に仕えているか」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-11
「自然災害の中、施設予算枯渇」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-24
「再び大統領が軍事パレード要望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16
「DCで軍事パレードをご希望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10-1
「宇宙軍創設を訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「戦地激励を避けるトランプ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-23
「米海軍真っ青?トランプ「EMALSはだめ」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
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6日付書簡でトルコに最後通牒:F-35計画から排除へ [安全保障全般]

7月末にトルコF-35関係者を米国から排除
部品納入契約も2020年初には終了へ

F-35  Turkey.jpg6日付のShanahan臨時国防長官からトルコ国防相への書簡が明らかになり、今月中にも予期されているロシア製高性能地対空ミサイルS-400のトルコ搬入が行われれば、F-35共同開発国で同機を100機購入予定のトルコを、F-35計画から排除し、既に完成している4機の機体も引き渡さないと最後通牒したことが明らかになりました

Shanahan臨時長官は既に、トルコ国防相と同書簡の内容について5月28日に電話で話しているそうで、イスラム教の国として唯一のNATO加盟国であり、米軍の地域拠点であるインジュリック空軍基地を擁するトルコと米国の関係は、いよいよ正念場を迎えることになりました

Turkey USA.jpg直接のきっかけは、トルコがS-400の操作要領等を学ばせるため、トルコ軍の操作員や整備員をロシアに派遣したことが最近明らかになったための様ですが、西側最新兵戦闘機であるF-35を、ロシア製最新鋭SAMと同居させることで機密が漏洩すると、トルコ側には数年前からあらゆるチャネルを用いて警告してきたにも関わらず、反米のエルドワン大統領は一歩も引かない姿勢でS-400導入を進めてきました

7日に会見した米国防省のEllen Lord担当次官は、S-400の代替として、米議会の許可も得てパトリオットシステムをトルコに輸出する準備も整っているとトルコ側に呼び掛けていますが、トルコ側はこれまで、米側とNATO加盟国からのこのような要請に対し、「S-400導入は既に決定済で契約済の案件だ」として全く聞く耳を持たない様子です

とりあえず、臨時国防長官の書簡とLord担当次官会見から、米国防省の最後通牒内容を確認しておきましょう

7日付Defense-News記事によれば
S-400-launch.jpg報道された6日付の米臨時国防長官からトルコ国防相への書簡によれば、トルコがS-400導入を進めるならば、まず6月12日に予定されているF-35共同開発国と購入国関係者が一堂に会する年次会議「Chief Executive Officer roundtable」にトルコの参加を認めない
そして7月31日をもってトルコ側のF-35関係者(操縦や整備の教育を受けるトルコ軍人や米国防省F-35計画室に連絡官として勤務するトルコ関係者)の米軍基地や米国防省施設立ち入り許可が失効し、トルコへ帰国することになる

●この立ち入り許可取り消しにより、現在42人のトルコ軍兵士が操縦や整備の教育を米国内の基地で受けているが、28名が教育を終了することなく帰国することになる。既に操縦教育を受けた2名のトルコ軍教官パイロットも帰国する事になる
●なお計画では、6月にトルコ軍F-35要員を40人、7月からは追加で12名が米国内の米軍基地で操縦や機体整備の教育訓練を受ける予定であった

トルコ用に製造され、現在トルコ人パイロット養成のためアリゾナ州米空軍Luke基地に置かれている4機のF-35については、一部をトルコに移送する計画を4月から差し止めていたが、トルコ側に引き渡さないこととする

F-35共同開発国として、トルコ軍需産業は937種類のF-35関連部品やパーツ供給を担っているが、その中で400種類はトルコのみが製造している部品等であり、「early 2020」までの契約が締結されている
F-35-Turkey.jpg米国防省F-35計画室長は4月に、トルコからの部品供給が途絶えた場合、約2年にわたり計50-70機の生産遅延につながるとの見積もりを示していたが、Lord担当次官は7日、この見積もりは今年夏にトルコ企業との契約を打ち切った場合の見積もりであり、「early 2020」までの時間を利用して代替調達先の準備を進めれば、影響は局限できるとの見通しを示した

F-35の機体維持整備や修理、能力向上改修についても、トルコでの作業ができなくっても、他の欧州の施設でカバーできるとの見通しを同次官は述べた
●そして改めて同次官は、「トルコには選択肢が残されている。S-400の導入を見直すことで、F-35計画に何の問題もなく復帰が可能だ」と強調し、「昨年12月に米国務省がトルコへのパトリオットミサイルシステム輸出を許可しており、何時でもトルコ側と協議可能だ」と付け加えた

●同次官は、今準備が進んでいる米トルコ空軍共同演習「Anatolian Eagle」は、本事案に関わりなく、両国軍の協力のもとに行われると会見で語ったが、
●米国防省の欧州担当次官補代理は、「我々は決してそれを望んでいないが、トルコがS-400導入を進めた場合、これまでに述べたF-35計画からのトルコ除外以外にも、米議会がロシア製兵器を導入した国を対象とした国家制裁法を発動することになろう」、「今後、両国間の共同訓練にも影響が出るだろう」と語った
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USA Turkey.jpgただ、F-35を海外に売りさばきたい商売人トランプ大統領がトルコ大統領と水面下で「ディール」を画策しているとの噂も常にあり、NATO軍最高司令官の米軍大将が「You never know what the future will reveal」と語っているぐらいの案件ですから、まだまだ何が起こるか・・・

トランプ大統領による「オバマのやった政策は何でもかんでも嫌い」姿勢により、同盟国との関係が崩れ始め、そこに中露が食い込んでくさびを打つ、米国に不満を持っていた同盟国が独自の動きを始める・・・といった大きなうねりの中の大波ですが、対イランの件もあり、とても将来が心配です

米トルコ関係の記事
「6月第1週に決断か」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-23
「トルコが米国内不統一を指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-2
「もしトルコが抜けたら?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-21
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

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韓国は対北を超えた軍備強化を着実に・・・ [安全保障全般]

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対北を超えた地域脅威に備えた体制整備とか
領土紛争もその理由にあげる国防相補佐官

KF-X1.jpg3日付Defense-Newsは、現在の韓国国防相の政策補佐官を努める元韓国空軍少将で国民大学校国防管理研究所トップのJung Soo氏にインタビューし、対北中心の軍備から変化しつつある韓国の軍備強化について紹介しています

現在の韓国国防相とクラスメイトであった国防相政策補佐官の発言ということでDefense-Newsがアポローチしたと思われますが、なかなか興味深い側面からのアプローチですので、驚くような発言があるわけではありませんが、意味深な感じもするのでご紹介します

北朝鮮のことはそんなに心配していないとのスタンスで、地域の脅威として「potential territorial disputes」をあげている点に目を引かれました

3日付Defense-News記事によれば
JKU1.jpg韓国が北朝鮮との関係回復を優先する中で、韓国の軍備強化プランはその視線を核保有国の隣国から、地域の脅威へとシフトしつつある
そしてそれらの地域脅威には、潜在的な領土紛争や、中露航空機の領空識別圏侵入が等が含まれる

韓国国防相の政策補佐官を務めるJung Soo氏は、2013年に韓国空軍を退役しているが、ISRや指揮統制航空機計画の責任者だった人物でもある

●なぜ韓国軍の作戦焦点が急に変化しているのか?
---朝鮮半島の情勢は、ゆっくりであるが確実に平和の方向に向かっている。最近は非核への動きが停滞し、北が短距離ミサイルを発射しているが、これらはトランプ大統領の気を引くためのものにすぎない
---韓国は変化する地域情勢に対応すべく、潜在的な地域脅威に対応する必要があり、それ故に今後5年間毎年平均7.6%増加させる計画なのである

●新兵器調達面での焦点は何か
F-35 Korea.jpg---航空戦力の増強が中心で、F-35と空中給油機の配備が始まっており、戦力を大きく向上させるものである
---これらに加え、特に戦時作戦統制権を米国から譲り受けた後のことを考えると、軍全体に資するISR機や指揮統制既、例えば追加で2機導入を進めているE-737AWACSや、導入計画を進めているJSTARS、更に電子戦機などである

●韓国軍が注目している新技術は
---無人システムの技術に注目している。陸軍は兵器搭載の無人機部隊を発足させ、無人機の群れでの攻撃も視野に置いている
---敵のキルチェーンへの先制攻撃も見据え、ステルス性を持った無人機導入も検討しており、敵目標に潜入して接近して迅速な反応で対応できるよう考えている

●韓国軍の兵器開発での課題は
---戦闘機に関して韓国は、最先端の製造技術を保有し、現在KF-Xの開発を進めている。ただ国産の空中発射兵器を保有しておらず、空対地ミサイル開発に着手したばかりである
---この兵器開発は容易でなく、洗練された兵器技術とシステムインテグレーション能力、更にレーダー干渉対応能力が求められている
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Korea-China2.jpg個別具体的な兵器の話にいきなり入っており、奇妙な感じもしますが、北朝鮮のことをあまり意識せず、一応中国やロシアに触れてはいるものの、「potential territorial disputes」と言えば日本も当然強く意識しているということです。

日本がF-35導入を決定したとたん、韓国の機種選定をちゃぶ台返しして無理やりF-35を後継機に押し込んだり、日本が射程に入る射程のミサイルを保有したりなどなど、海自P-1へのレーダー照射など、韓国軍の目は確実に南にも向いているということです

KF-X関連の記事
「KF-Xは欧州のミサイル搭載?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30-1
「米が韓への技術提供拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31

韓国とF-35関連記事
「韓国F-35とKF-Xのゴタゴタ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-04
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25
「韓国がF-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19
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2019年第18回アジア安全保障会議Shangri-La Dialogue(#SLD19) [安全保障全般]

これで打ち止めです!
各講演のライブ映像が以下のサイトで見られます
IISSのwebサイト
https://www.iiss.org/events/shangri-la-dialogue/shangri-la-dialogue-2019


追記第4弾

中国の魏鳳和(Wei Fenghe)・国務委員兼国防相
「中国と安保国際協力」セッションに単独登壇
講演原稿2019China Gen Wei Fenghes.pdf

中国軍人が海外でいつもそうするように、聴衆に対して挙手の敬礼をしてから演壇に立ち・・・
2019shangrila.jpg台湾について中国と台湾は一つの国だが、台湾を中国から分離させるような動きがあれば、中国軍は全てを犠牲にしても(at all cost)これを阻止する。昨日のShanahan臨時国防長官の台湾に対する発言は、中国の内政に干渉する発言であり看過できない

南シナ海について安定してるが地域の秩序を乱そうとするものがいることが懸念事項である。南シナ海の島々は中国の領土であり、必要な自衛のための装備を配備することは当然の権利であるし、今後も状況に応じて防衛力を強化する
北朝鮮については平和協議のメカニズム構築が重要で、朝鮮戦争停戦状態の終戦への手続きがまず重要だ

魏鳳和国防相の質疑対応は極めて精緻に準備されたもので、立て板に水の回答でした。一度に10名の質問を受け、適当にはぐらかしながら、言いたいことを一方的に流れるように述べるその姿は、ある意味洗練されていました

2019shangrila2.jpg一方で回答の時間がないのは明らかなのに一度に10人も質問を受け、実質2-3分しか回答の時間を残さないのは、あくどい商売人IISSチャップマン氏の高等作戦でしょうか? 質問への回答時間は少なくするから・・・と中国側と事前にネゴって、国防大臣を呼んできたような気がしてなりません

一応、16分はセッションを延長していましたが・・・
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追記第3弾

Shanahan臨時国防長官プレゼンの背景
同日発表の「インド太平洋戦略」報告書の要旨
(各種報道より:計64ページの文書です)

「インド太平洋戦略」報告書の現物https://media.defense.gov/2019/May/31/2002139210/-1/-1/1/DOD_INDO_PACIFIC_STRATEGY_REPORT_JUNE_2019.PDF

DOD-INDOFacif.jpg国際ルールや公正な競争の下で経済成長を追求できる、自由で開かれたインド太平洋を維持することを約束する
中国は軍事力や経済力で、自国の利益のため地域秩序を変革しようとしている。国際秩序を乱すような政策や行動は受け入れられない

北朝鮮は完全に検証可能な非核化を達成するまで、安全保障の難題となる。非核化が明確にされない限り、全ての制裁を継続する。日本の拉致問題への支援も続ける
日米同盟は地域と自由と繁栄の基盤で、米国が日本を防衛する約束を堅持する。サイバーや宇宙での協力を進め、技術的な優位を維持する

中国は台湾に対する軍事力行使を放棄しようとせず、軍事力強化を続けている。台湾の安全を保障できるよう関与を続ける
地域のネットワークを強化する。安保協力を拡大し、負担を分け合うことで、紛争を防ぎ、課題に取り組む柔軟性を増すことができる

追記第1弾以外の講演の着目点は・・・
●米中の対立が厳しくなる中、台湾への支援を継続する方向性を明確にし、「台湾海峡を巡る相違は、強制がない形で、両岸の人々の意思に基づき解決されるべきだ」と明言した点
●米政権が安保上の脅威だと市場からの排除を狙うファーウェイについて、「中国政府に近すぎる」と懸念を再確認した点

おまけ
例年、シャングリラでは日米韓3か国会談が行われてきましたが、今回は韓国を排除し、日米豪の会合が行われました!!!・・・っと思ったら2日午前中に日米韓3か国協議が行われました・・
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追記第2弾
防衛大臣が英語でプレゼンしていたので、努力賞で写真を紹介

2019Shangrila3.jpgただ、岩谷大臣の講演原稿だけ、他の登壇者よりアップが20時間も遅れたは情けないですよ・・・




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追記第1弾
Shanahan臨時国防長官の講演原稿と話を聞いての感想

原 稿
Plenary 1 Patrick M Shanahan Acting Secretary of Defense United States as prepared.pdf

2019Shangrila.jpg米国のメディアが質問で、米国防長官のプレゼンは毎回ほとんど同じだが、これだけ地域の変化があるのになぜ変化がないのかと問いただしていましたが、その通り大きな変化はありません。でもその中で特徴的だった点に触れると・・・

一番の特徴は、地域の安保問題に触れた際、北朝鮮とISの脅威に触れた後、中国の名前を出すことなく、以下の不安定要因を延々と語ったやり方です。
●そこで言及した不安定要因とは、国際秩序に反する行為、選挙への介入、他国の特定の勢力に経済的な肩入れをすることでの影響力行使、自由で開かれたはずの公海の支配強化、先端技術の窃盗、サンゴ礁など自然環境の破壊、アクセス拒否、言葉と行動の不一致などなどです・・・

そして話を切り替えるようにしてから中国との関係に触れ、対話の重要性を語り、自由でオープンで公正なルールに基づく国際秩序によって最も利益を得るのは中国です・・・と語っています。北朝鮮やISの脅威への言及が極めてあっさりだった中で、時間配分は10倍くらいあったと思います

ボーイング社での30年の経験を踏まえて地域の特徴を語った部分も独自色でした。航空機を生産するのに、様々な商習慣を持つアジア各国から部品を取り寄せ、一つの物をつ売り上げる難しさの一方で、そのようなことが可能な地域であると表現し、地域が協力して取り組む重要性とその力に期待を示していました
●地域各国との関係を演習や部隊配備を通じて触れたのはいつもの流れでしたが、日本、韓国、インドとの国名の使用頻度が多かった中で、豪州への言及が少なかったことが気になります

2019Shangrila2.jpgまた、聴衆にいた米議員の名前を全員紹介し、米議会が地域支援のための法枠組みを作ったとこなどの成果を丁寧に紹介して讃えていた点も目新しかったところです。正式な国防長官への承認審議に向けた根回しでしょうか・・・
ビジネスマン的なフットワークのよさそうな立ち回りも印象的でした。質問を受ける際、司会のIISSシップマン氏がまとめて数個の質問を受ける形で進めようとしたのに対し、時間の関係もあるからその都度対応しようと申し出て回答した様子も印象的でした。

●この場面、IISSは何らかの意図をもって質問者を何名か事前に決めている(事前に質問を打ち合わせて)節があるので、質問ができなかった事前予約者がいたとしたら、商売人のIISSシップマン氏は大いに困惑したことでしょう
質問者の選択で驚いたのは日本の加藤洋一氏が3番目の質問者に指名されたことです。朝日新聞所属時にはスポンサー特権で米国防長官への質問者に毎年指名されていましたが、加藤氏が朝日新聞を去り、かつ朝日新聞がスポンサーを去った今年に質問者として復活したことに驚きました。このあたりの裏に興味津々です
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Shanahan臨時国防長官が、どれほど強い意志を示し、普段から強調している「中国が一番の脅威」を語るかに注目しています! 1日午前8時35分(日本時間9時35分~)

ライブ映像が以下のサイトで見られます
IISSのwebサイト
https://www.iiss.org/events/shangri-la-dialogue/shangri-la-dialogue-2019

第18回アジア安全保障会議のアジェンダ
https://www.iiss.org/events/shangri-la-dialogue/shangri-la-dialogue-2019/outline-agenda

IISS Shang.jpg5月31日夕刻から6月2日午後まで、今年も恒例の第18回アジア安全保障会議(2018年シャングリラダイアログ:Shangri-La Dialogue)が、シンガポールのシャングリラホテルで始まりました

会議の開始は31日(金)の夕食会からスタートし、基調講演をシンガポール首相が行いましたが、31日(金)は昼頃から、各国大臣クラスによる「バイ会談」が複数セットされています。

例えば米国のShanahan臨時国防長官は中国の国防相と31日に「バイ会談」を行ったようです。
通訳を挟んで、僅か20分間という短さで、儀礼的なあいさつで終わったと推測されますが、米側報道官は「建設的な意見交換だった」との同長官コメントを出しています

同会議は、英国の民間研究機関IISSが主催する非公式の会議ですが、アジア太平洋のほぼ全てと、欧州主要国の国防大臣が一堂に会する点で、「アジア最大の安全保障イベント」と考えられています。

2018-3.jpg国家間の公式行事ではないある種の気軽さと、文民高官から軍人トップクラスが一堂に会すことから、また各講演やパネル討議の後に一般参加者から質問を受けることから、米国防長官に中国軍人が辛辣な質問を浴びせたり、といった場面も見られます

日本は今年も防衛大臣と統合幕僚長が参加していますが、2016年には安倍首相がオープニングの基調講演を行い、中国に対する毅然とした態度でアジア諸国から高く評価されたところです。

31日になって細部のアジェンダが公開され、いつもの通り米国防長官(Shanahan臨時国防長官)が1日(土)の朝8時35分から1時間、実質討議のトップバッターを務めることが発表され、続く「韓国の安全保障」セッションに日本の防衛大臣が韓国国防相とEU外交安保担当副大統領と登壇する予定です。

最近の中国代表は、海外担当の中国軍副参謀総長(大将)が多かったのですが、今回は国防大臣が参加し、2日(日)朝0835から単独で「中国と国際協力」とのセッションを行います。

第18回アジア安全保障会議のアジェンダ
https://www.iiss.org/events/shangri-la-dialogue/shangri-la-dialogue-2019/outline-agenda

Shanahan5.jpgメインイベントはShanahan臨時国防長官の講演と質疑ですが中国が一番の課題だ、と各所で公言し、国防省内でも「China,China,China」と連呼している同臨時長官ですので、最近の米中の緊張感そのままに、率直な発言を期待したいものです。

なんだかんだ世界中が騒いだものの、南シナ海の人口島軍事施設は完成、「軍事基地化はしない」との習近平主席の言葉はあっさり無視され、滑走路、格納庫、弾薬庫、各種センサー、防空ミサイル等々、立派な基地が複数完成しています

軍事技術面でも、特にAIや超超音速兵器、サイバーや宇宙兵器の分野で、米国を凌駕するとの見方が一般的になった今、何を色々話題の同臨時長官が語るかに注目です

2019Shangri-La.jpgマティス前長官はその点、とても紳士でしたので、土曜日の早朝から若干肩透かし的な印象でしたが、Shanahan臨時国防長官には一発ぶちかましてほしいものです(ほとんど野次馬状態です・・・)

でも外交安保分野の経験が皆無の臨時長官ですから懸念もあります
例えば、31日にはアジアの国防相級を一堂に集めて国防相会談を主宰したそうですが、アジア各国との「バイ会談」に耐えられないので、このような形にしたような気がしてなりません・・・

前述のように、中国とはバイでも僅か20分間ですから・・・。ゲーツ長官時には1時間以上やってましたから。しかも時間を延長してまで・・・

1日(土)の午後からは、まず「アジアの安保秩序」セッションで英、仏、マレーシアの国防相が登壇し、その後は複数のセッションが同時進行の形になります。

日本の山崎統合幕僚長は、1日(土)の最後1645からの「新たな国防協力のパターン」セッションに、カナダ国防相、豪州統合参謀長、ロシア副大臣、中国の国際関係担当少将、米上院議員などと登壇します

出席する国防相の国を再確認すると
米、英、仏、カナダ、EU、NATO(それに近いレベル)
日、中、韓、マレーシア、ベトナム、フィリピン、インドネシア、豪州、NZ、シンガポール

スポンサー企業は5社体制に
●スポンサー企業は、2014年の10社から中華系のメディア資本2社(鳳凰網とフェニックスTV)が撤退し、2015年には8社に。
●2016年は米空軍の次期爆撃機を受注して活き上がる「Northrop Grumman」が加わり9社体制

2019 Shangrila.png●しかし2017年は、「Northrop Grumman」と継続してスポンサーだった「三菱商事」が撤退して7社体制に。結果として、日本からは「朝日新聞社」だけがスポンサーに
2018年は、新たに「Booz/Allen/Hamilton」がスポンサーに加わり、8社体制

そして今年は、ボーイングと朝日新聞とST engineringが抜け、MAXARとの新企業が入って7-3+1=5社体制となっています。朝日新聞がついに抜けました

IISSの関連webサイト
https://www.iiss.org/events/shangri-la-dialogue/shangri-la-dialogue-2019

アジア安全保障会議の過去記事
「2018年」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-2
「2017年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「2016年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-30
「2015年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-28
「2014年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27
「2013年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31
「2012年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
「2011年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「2010年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05

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台湾空軍が高速道路で離着陸訓練 [安全保障全般]

米台の安全保障担当責任者会談の40年ぶり開催に中国が反発する中で・・・

Taiwan Highway.jpg28日、台湾空軍が例年恒例の高速道路を使用しての空軍機離発着訓練を実施し蔡英文・台湾総統も訓練を視察して中国に対する最大限の警戒を呼びかけました

この訓練は、有事、島国である台湾の主要な作戦航空基地が、中国軍の1000発以上と言われる短距離弾道ミサイルなどで機能を喪失しても、高速道路まで滑走路として使用して粘り強く戦い抜くとの姿勢を示すもので、以前はイスラエルでも行われていたものです

実際に高速道路を空軍基地のように作戦運用に使用できるかは、航空機を地上で支援する様々な整備機材、燃料供給施設や車両、必要な弾薬の保管や搭載、航空機を管制するレーダー、無線、気象観測施設などが必要なことを考えれば事実上不可能で、緊急時の「不時着場所」程度の位置づけにしかならないと思いますが、国民へのアピールという点で意味があるのでしょう

米国のボルトン補佐官と台湾のカウンターパートが40年ぶりに会談し、中国が反発しているとのニュースと併せて・・・

28日付米空軍協会web記事によれば
taiwan highway2.jpg28日、台湾空軍は台湾南部のChanghua郡の高速道路を使用し、中国軍が台湾航空基地を攻撃した場合に備えた訓練を行った
訓練には台湾空軍のF-16、ミラージュ2000、台湾国産のIDF、早期警戒機E-2Kが参加した。なお参加したF-16は、F-16A/B型144機をV型に改修する計画の最初の機体だった

●訓練を視察した蔡英文・台湾総統は、「台湾の安全保障は多くの課題に直面している。中国軍の作戦機が台湾を取り囲むように飛行したり、遠距離遠征活動を行ったりしているが、これらは地域の平和と安定に対する脅威となっている」と述べ
●更に、「我々は高いレベルの警戒態勢を維持しなければならない」とも語った

台湾は米国からの兵器購入に頼っているが、米国にとって台湾への武器輸出は中国からの反発を招く点で「とげ」のような存在である
●しかしトランプ政権になって以降、米台の安全保障協力関係は発展の兆しを見せており、5月初めに台湾安全保障評議会のDavid Lee事務局長が、両国の国交が公式になくなった1979年以来初めてボルトン大統領補佐官を訪問して会談している

この40年ぶりの会談の中身については明らかになっていないが、中国外務省の報道官はこの会談を強く非難し、「強い不満と断固たる反対姿勢を示す。米国と台湾の如何なる公式の交流に強く反対する」と表明している
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taiwan highway3.jpg訓練を視察し、威勢の良いコメントを発表した民進党の蔡英文・台湾総統ですが、来年1月の総統選挙には暗い見通ししかありません。民進党の総統候補になることさえも難しいと言われています

中国大陸から様々な「情報戦」や経済面での仕打ちを仕掛けられているのでしょうが、支持率は急落し、通常は2期務める総裁を1期で退く流れの様です。

一方で中国寄りの国民党は、前回2016年の総統選挙時は劣勢で有力者が立候補を避ける状況でしたが、今回は複数の有力者が名乗りを上げている状況です

米国側に今後何らかの動きがあるのか・・・注目したいところです

台湾関連の記事
「台湾F-16V型ようやく納入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-2
「米国が売却承認の兵器」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-30
「マティス長官が台湾を公式会議で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「哀愁の台湾F-16能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23
「米は台湾に最新F-16売却するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-23
「台湾空軍の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-14
「米中軍事対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
「ミサイル1600発除去が条件」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-19

台湾軍事戦略に意見する
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
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