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新海兵隊司令官が大きな人事制度改革の方向を語る [Joint・統合参謀本部]

柔軟な昇任制度や直属指揮官の判定権限強化
能力の把握要領見直しや20年ルールの廃止なども

Berger5.jpg7月24日付Military.comが新しい海兵隊司令官David Berger大将へのインタビュー記事を掲載し7月15日の週に米海兵隊が示した人事制度改革「planning guidance」について、同司令官の強い思いを紹介しています

新司令官がこだわりを持つ人事制度改革が、今後どのように進められるのか良くわかりませんし、「planning guidance」の位置づけも良くわかりませんが、議会の承認や法律改正が必要なものも含まれているようですので、今後部隊の意見を聞きながら、議会等の反応を見ながら、出来ることから取り組みたいとの意欲の表明だと推測します。

このように「所信表明」的な位置づけのインタビューとは思いますが、米軍全体が抱えている人事制度の課題を凝縮したような問題認識だと思いましたので、ご紹介します

24日付Military.com記事によれば
Berger4.jpg7月11日に就任したばかりのBerger司令官はインタビューで、優秀な兵士にはもっと報いたい、昇任判断を前線部隊指揮官レベルに権限委任したい、専門職域の移動を柔軟にしたい、(昇任可能性がない)20年勤務者を首にする現行規定を見直したいなど、人事制度のドラスティックな改革への思いを語った
●「現在のリーダー層が指揮官や上級軍曹として大部分を過ごしてきた時代とは、異なった人材が必要tになってきている」との認識を同司令官は語り、必要な能力を持った兵士を引き留められるよう、海兵隊の現状をよく知る現場指揮官がもっと人事制度改革に関与していかなければならないと述べた

●現場指揮官たちは現在、部下たちの評価に極めて重要な職務評価レポートや職種適応性レポートを書く責務を負っているが、最終的な昇任審査は海軍司令部等が行っており、誰が昇任しするかの判断に現場指揮官が更に何らかの形で関与できないか考えていると同司令官は述べ、評価対象者を身近で見て把握している人間を評価に関与させる方法が必要だとも表現した
●15日の週に米海兵隊が示した人事制度改革「planning guidance」の中では極めて率直に、「業績評価の仕組みに、正すべき大きな問題がある。その問題には大きな課題となりつつある海兵隊自身が兵士のスキルや業績や潜在能力を評価する能力に対する不信感がふくまれる」と述べられている

Berger3.jpg●更に同司令官は、「人事管理システムの根幹は、必要な人材を励まして組織に引き留め、求める基準を満たさない者を分離していく仕組みである」と明言し、「現在の仕組みには、このシンプルな要求事項を達成する権限や手段が欠けている」と厳しく指摘した
●そして、あまりに多くの海兵隊兵士が、経過時間や経験で評価されているが、本来は才能や業績や潜在能力で判断され昇任させられるべきで、また多くの兵士が若い時代に押し付けられた職種に閉じ込められ、それが嫌なら退役するしかない状況に置かれていると述べ、有能で仕事ができる士官でさえ、時間の経過とともに仕事の興味分野も変わると語った

現階級以上への昇任見込みがない人材は、勤務20年を迎えた段階で退役を迫られるのが現行制度であるが、この規定により有能な部隊の中核的人材を排除しているとも指摘し、20年積み上げた技量保持者を、最も働き盛りの時期に放り出すような制度で部隊の士気を下げていると訴えた
●また報奨制度の問題点も指摘し、学び・考え・革新を生む兵士に報いるインセンティブが更に必要なだけでなく、特定の職域や集合全体ではなく、より対象を絞った個人を讃える方向に向かわなければならず、その逆も必要だと述べ、「精密誘導兵器のように、真に讃えるべき個人に的を定めて資源を投入すべきである」と語った

Berger2.jpg●同司令官はまた、各個人のユニークな特技や特性を生かせる職への移動の機会を与えることの重要性も強調し、米海兵隊全体で訓練方式や装備の改革更新を強く求められている中、教官や特殊技能職、指揮官や幕僚に適切な人材を配置する必要性を訴えた
●これらの課題対処には、議会の承認を得る必要のものもあることから、同司令官はまず、現場指揮官や上級軍曹に部下の将来潜在能力評価に関与させる機会の付与、適性のある人材の教育訓練や必要な幕僚業務への配置、報奨制度の見直しなどから取り組みたいと語った
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陸海空ドメインに加え、サイバーや宇宙、更に忘れられていた電子戦、これらドメインを融合して戦うにあたって必要な人工知能やITやクラウドや指揮統制システムなどに明るい人材確保が喫緊の課題となっている西側諸国軍ですが、基本的に全ての人材を自給自足してきた従来の人事管理制度では対応が不可能になりつつあります

以前から伝統的に海兵隊司令官は率直に危機感を表明していますが、他の軍種も全く同じで、当然日本でも大きな問題となっているのでしょう。

そんな中でも、まず戦闘機パイロットは議論の対象から外して・・・と始めるから、世界の空軍では誰も真剣に考えなくなるんです。戦闘機とパイロット所要の見直しが、空軍改革の原点だと思います。話がそれましたが・・・

人事制度改革に関する記事
「空軍長官最後のインタビュー」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-18
「上級軍曹選抜から体力テスト除外」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-09-2
「米空軍が昇任管理を大幅変更」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「海兵隊司令官:生活を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
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空母トルーマン艦長に元亡命イラン人!? [Joint・統合参謀本部]

父親がイラン人でイラン革命時にイランから脱出
母親は米国人で生まれはテキサス州

Hakimzadeh3.jpg14日付Military.comが、間もなく中東に派遣されるであろう空母トルーマンの艦長に7月から就任しているKavon Hakimzadeh大佐を取り上げイラン人の血が流れる彼と彼の家族のこれまでを紹介しています

タイトルでは「亡命イラン人」と表現しましたが、同大佐がテキサス生まれであれば米国籍を持っていると思われますので不正確かもしれませんが、誕生後赤ん坊時代にイランへ移住し、イスラム革命吹きすさぶイランから11歳時に脱出しなかったら、恐らく今もイラン人としてイランで生活していた人物だと思います

高校卒業後に米海軍に入隊し、経緯は不明ですが士官となってE-2早期警戒機に搭乗し、7つの異なる米海軍艦艇で勤務し、中東での作戦も既に複数回経験した歴戦の海軍士官で、空母トルーマンの艦長ともなれば相当期待される人物です

任務に関することに記事は触れていませんが、多様な人材を取り込む米軍の一端をご紹介すべくHakimzadeh大佐の人生を取り上げま

14日付Military.com記事によれば
Hakimzadeh2.jpg●Hakimzadeh大佐は、テキサス州でアメリカ人の母親とイラン人の父親に生まれたが、まだ赤ん坊だったときにイランに引っ越した。彼は1970年代の子供時代を懐かしく思い出す。
●同大佐はペルシア語と英語を話す国際学校に通い、南部バプテストの母親の信仰を守り、近くに住んでいた叔父といとこと交流していた。当時、イランは親米であり、西洋文化の多くの側面を受け入れていた。それでも彼は「牧歌的な」子供時代だったと回想する。

●しかし、それは1979年のイスラム革命で大きく変わった。彼と彼の家族は、彼が11歳のときに米国への避難を余儀なくされた。彼の妹は9歳で、母親は妊娠7ヶ月だった。
イランの空港が閉まりそうになる中、飛行機になだれ込み、父親の仕事上の知人を頼ってミシシッピ州ハッティズバーグ近くの小さな町に向かうことになった。

●同大佐は海軍に入隊し、軍が提供した機会を利用して、彼と彼の家族が彼らのために行ったすべてのことを愛する国に返した。30年前にノーフォークに停泊する空母を目にし、自身で空母の艦長になると設定した目標を今年7月に達成した。当時、彼は若い船乗りであり、高校を卒業してすぐに海軍に入隊し、約10年間しか住んでいなかった国に仕えることを決心した。
Hakimzadeh4.jpgコールサインが「ハク」である同大佐は、ノーフォークに拠点を置くE-2早期警戒機の飛行士としてのキャリアの大半を過ごし、イラクとアフガニスタンの戦闘地帯で飛行し、7つの異なる船で8つの作戦遂行に関わった

●現在同大佐は、中東に戻る可能性に備えている。彼の空母戦闘群は展開前の演習を既に完了した。米海軍はその空母がどこに行くのか、いつ行くのかを明らかにしていないが、空母は世界中で緊張が高まった際の視認性の高い抑止力として頻繁に使用される。
空母リンカーンは現在、イランがアメリカの無人機を撃墜し、外国の石油タンカーを押収した後、中東で任務についている。空母トルーマンがこの地域でリンカーンの地位に就くように呼ばれた場合、空母トルーマン乗組員は準備ができていると同大佐は語った

「特定の個人的な不安は関係していない」、「過去に何度も展開した」と彼は言った。
●同大佐の名前は米国では珍しく、また彼が米国の同盟国である中東の国に展開するときに橋渡し役として働けると感じている。同大佐は今でも少しペルシア語を話し、彼の家族の話をもっと知りたいと思っている人たちには喜んで伝えている
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Truman.jpg空母トルーマンは米空軍が2020年度予算案で25年早期退役案を打ち出し、米議会から猛反発を受けて頓挫した曰くつきの空母で、空母乗員はこの春から夏にかけての予算審議を複雑な思いで見てきたと思います

そんな単純ではない状況で7月から艦長を任されたのがHakimzadeh大佐です。このタイミングでいい加減な人間を艦長に命ずることはありません。武運長久を祈ります!

空母と多様な人材の記事
「空母トルーマンの25年早期退役案で紛糾」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
「空母関連の映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20
「ベトナム難民が艦長として故郷に錦」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-18-1

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次の米海軍トップに空母の脆弱性問題を詰問 [Joint・統合参謀本部]

急遽推薦の候補者は議会で承認されましたが
承認質疑で空母の価格高騰と脆弱性を厳しく指摘

Gilday4.jpg次の米海軍人トップ予定者が突然退任に追い込まれ、後釜候補を中将から選ぶという50年ぶりの異常事態に直面した米海軍ですが後釜候補のMichael Gilday海軍中将(統合参謀本部幕僚長)が8月頭に上院でスムーズに承認を得たようです

しかしGilday海軍中将への上院軍事委員会の面々の指摘は厳しく新しい空母やSSBNやフリゲート艦や無人艦など、新型装備導入に際しての計画の遅延や価格高騰の「悪しき伝統」の再発防止を強く求めています

特にFord級空母への風当たりは強く、空母11隻体制の維持を支持している上院軍事委員長でさえ、同空母の価格高騰を「海軍の傲慢さを示しており、犯罪者と呼ぶべきレベル」と厳しく非難し、これ以上は許容しないと申しつけています

6日付Defense-News記事によれば
Gilday.jpgMichael Gilday海軍中将の米海軍トップの作戦部長(CNO)への就任に関する議会審議で、上院軍事委員会は同中将が同ポストのついて取り組むことが期待される重要事項として、大きく膨らんでいるFord級空母のコストと計画の遅延、空母自体の脆弱性への対応を上げた
●議員らは、飛翔速度を増し迎撃兵器を回避するミサイル技術進歩の中で、米海軍空母が中国やロシアのミサイルにとっての「サンドバック状態」になることを危惧し、各種対艦ミサイルや超超音速兵器の進歩への懸念を示し

海軍支援派として知られるAngus King議員は、特に超超音速兵器を空母を無効にする兵器として取り上げ、「悪夢の兵器」として米海軍の考えをただし、米海軍の中で最も高価で重要視されてきた空母の確固とした将来像をと防御法を、官民の知恵を結集して描くべきだと訴えた
●上院軍事委員長のJim Inhofe議員も空母11隻体制を支持し、米海軍が今年1隻削減案を持ち出した際は強く反対して案を葬った議員だが、Ford級空母の価格高騰を「海軍の傲慢さを示しており、犯罪者と呼ぶべきレベル」と非難し、新装備の初号機が価格高騰と計画遅延の常習犯であることに懸念を示した

Gilday2.jpg●同委員長は、同空母が技術的に未熟だった2周波数帯レーダーや電磁カタパルトや着艦フックや兵器用エレベータを無理やり設計に組み込んでリスクを冒し、1隻価格が1.5兆円にまで膨らんだ「悪夢」を厳しく批判し、今後海軍が取り組む新しいSSBNやフリゲート艦や無人艦など、新型装備導入に際しての計画の遅延や価格高騰の「悪しき伝統」再発防止を強く求めた

King議員は超超音速兵器について、「敵があと1年もすれば部隊配備する勢いなのに、我が国は何年も遅れを取っており、極めて危険な能力ギャップを抱えている」と語り、この兵器により米海軍艦艇の優位が失われることに懸念を訴えた

CSBAのBryan Clark研究員はKing議員の懸念に触れつつ、「空母の脆弱性は悪化を続けており、空中発射の超超音速巡航ミサイルがより大きな課題だろう」、「超超音速の空母攻撃兵器は安価で大量投入が可能であり、従来のミサイル防衛が必ずしも対象に想定してこなかった脅威であり、新たな課題として取り組む必要がある」と説明した
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Gilday3.jpg空母の脆弱性は誰もが普通に意識しているはずですが、投資の方向を大転換させるには、数発のミサイルで無効化される空母の姿を目にするまで待つ必要があるのかもしれません。人間のサガでしょうか・・・

米海軍では韓国プサンの港湾業務業者が絡んだ、新たな汚職疑惑が持ち上がっており、これから数年は高級幹部も含めたゴタゴタが予期されるようですし、艦艇建造・修理工場の疲弊も進んでいるようですし・・・

Michael Gilday海軍中将も、大変な時にCNOを引き受けることになったものです。

ところで・・・日本の空母形状護衛艦「いづも」にF-35Bを搭載する計画について、香田元海将と織田元空将が「大反対」論陣を張っていますが、全くごもっともです・・・

「代打の次期米海軍トップ候補」 →https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-19

米空母の話題
「空母1隻削減案に揺れる」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
「スミソニアン空母映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20
「空母群が温故知新訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-25
「空母艦載給油機のRFP発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13

「映像で学ぶ:米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「艦載機燃料タンクの振動問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
「空母フォード:3年遅れで米海軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-03
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

超超音速兵器関連の記事
「米空軍も取り組み本格化」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-16
「ミサイル防衛見直し発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

コロンビア級SSBN計画の関連
「NKのおかげSSBNに勢い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-2
「コロンビア級の予定概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

艦艇の修理や兵たんの課題
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
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米陸軍が50KW防空レーザー兵器搭載装甲車両契約 [Joint・統合参謀本部]

Stryker戦闘装甲車両に2022年度搭載
2社と契約し別々に2つのプロトタイプを作成
契約企業以外にも自費開発でのチャンスを残す

striker combat.jpg1日、米陸軍のRCCTO(迅速能力・緊要技術室: Rapid Capabilities and Critical Technologies Office)は、Stryker戦闘装甲車両に2022年度までに50kw防空用レーザー兵器搭載を担当する企業に、Northrop Grumman と Raytheonを選定したと発表しました

これは戦闘装甲車両にM-SHORAD(移動式短射程防空:Manuever-Short-Range Air Defense)能力付与を狙ったもので、同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルを2020年度中にプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約に並ぶもので、米陸軍は欧州での緊急ニーズに答えるものだと説明しています

脅威の変化を見据え、既に100kw、更に250-300kwへと2024年度を目途に出力をアップする開発計画も始まっているようですが、まずはミニマムの50kwでも早期に完成させ、ロシアの小型無人偵察機などに対応し、運用ノウハウを蓄積しようとの狙いと邪推しております

1日付Defense-News記事は
striker 50kw2.jpg●RCCTOは既にKord Technologiesを主契約企業としてレーザーによるM-SHORAD搭載契約を約220億円で結んでいるが、今回選定されたNorthrop Grumman と Raytheonは、Kord Technologiesのサブ契約者として本事業に参画し、合計で4台のStryker戦闘装甲車両プロトタイプ製造は約520億円の事業になる予定である
Stryker戦闘装甲車両4台で構成されるプロトタイプ小隊には、2020年に2社が別々に開発したいずれかの50kwレーザーが搭載される方向だが、米陸軍は他社が自費で開発した同兵器にも門戸は開かれているとし、可能な限り競争環境を維持しようとしている

●同様にM-SHORAD(移動式短射程防空)機能として、2018年に米陸軍は同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルをプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約を結んでおり、2020年を目途にプロジェクトを進めている
米陸軍はレーザーなどエネルギー兵器に、無人機、ヘリ、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲に対する防空対処を期待しており、米陸軍の運用単位であるBCT(brigade combat teams)の防空能力アップを狙っている

striker 50kw.jpg●米陸軍で本事業をつかさどるNeil Thurgood中将は、「エネルギー兵器を戦場に送る時が来た。米陸軍の近代化計画においてエネルギー兵器は極めて重要な位置を占めている。もはや研究開発デモ段階ではなく、戦略的な戦闘能力であり、前線兵士の手に渡る道を歩んでいるのだ」と説明している
M-SHORADは技術成熟努力の一部であり、「Multi-Mission High Energy Laser」への道の一つである

●米陸軍は既に100kw級レーザーで「High Energy Laser Tactical Vehicle」に取り組んでおり、ロッキード等を交え、「Family of Medium Tactical Vehicles platform」を目指してるが、更に250-300kwの開発を目指している
最も強力な出力のエネルギー兵器は、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲やそれ以上の脅威対応に開発されており、「High Energy Laser Indirect Fire Protection Capability」として2024年度の部隊配備を現時点で想定されている
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50kwの防空用レーザー兵器のプロトタイプを、戦闘装甲車両に2022年までに搭載するため、有力2社を競わせることにしたが、自費でもっと良いものを作った企業が現れれば、躊躇なく良い方を採用する・・・との方針です

striker combat2.jpg更に2024年には、300kwクラスも実現して、より大型で高速の目標への対処を目指す・・・ということの様です。

何回かこのような話をご紹介したような気もしますが、2022年だそうです。50kwですが・・・。ちなみに米艦艇には不退転の決意で60kwを2021年に搭載との話がありました

500kw以上ないと、ロケット弾とか野戦砲の玉相手には難しいと思いますが、なかなか出力アップは難しそうです。「何時までたっても、5年後に実現」の法則が今も有効なのでしょうか・・・

エネルギー兵器関連
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24
「F-15用自己防御レーザー試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24

「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
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米軍が医療関係者を約14%削減へ [Joint・統合参謀本部]

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軍医を削減すると、治療機会が増えて技量が向上するとか
看護師、医療技術者、メディック等を含めての削減です

medical soldier.jpg今年1月と7月10日付Military.com記事によれば、この夏の2020年度予算案審議で米議会が認めれば、米軍は2021年度から数年かけ現在米軍に約13万人いる医療関係者(以下では軍医等という(歯医者、看護師、医療技術者、メディック等を含む)の約14%に相当する18000名を削減し、一部は民間医師に置き換えられるものの、多くの人員枠は前線の戦闘職やその支援職域に再配分されそうです

大胆です! 医師免許を持った軍医さん等ですから、民間での職探しはハードルが高くないとは思いますが特定の職域を狙い撃ちにし、14%もの削減を断行するとは軍医たち等がよく了解して案をまとめたものです

medical soldier3.jpg今、例えば米空軍では、一部の軍牧師や音楽隊員等の特殊な職種を除き、一律にどの職種でも昇任の速度や比率が同じ程度ですが、必要で負担の多い、又は有能な人材確保が困難な職域の昇任速度を速めたり、昇任比率を高めたりする大きな改革を検討しているということですが、国防省全体の大きな人材確保の変革の一つなのかもしれません

でもこれだけの削減をすれば、「医療の質の低下」問題が大きく取り上げられそうですが、「軍医等数を削減すれば、一人当たりの診療や手術機会が増加し、医療の質が向上する」との理論が堂々と展開されており、基礎データを踏まえての論理展開なんでしょうが、日本のお役所からは決して出てこない説明ぶりにびっくりです

議会の審議も、やるかやらないかの議論ではなく、どの様にどの程度削減するかに論点があるようですから、この夏の決着に注目しつつ、今年1月10日の記事と7月10日の記事からご紹介します

今年1月10日付記事によれば・・・
●(今年1月当時の)検討状況に詳しいある高官によれば、17000名と言われている軍医等削減の軍種別数は、陸軍が7300名、海軍(海兵隊含む)が5300、空軍が5300名である。
もちろん反対意見もあり、匿名の軍医は「もし軍の医療の質を下げ、医療体制を荒廃させる目的なら、この軍医等削減は正しい方法だと思う」と述べ、米軍士官協会の医療担当の退役大佐は、特に若い軍人家族がお世話になる産婦人科や小児科への影響が懸念されており、議会での決着に注目していると訴えている

medical soldier4.jpg●一方で本削減計画を担当する高官は、各軍種とやり取りして実態を確認すると、現在の医療ニーズに必要な軍医等数より多いポストが配分されており、戦場で必要のない技量がスタッフが保有されていると分析している
●また別の視点として、「軍医等数を調整することで軍医一人当たりの診療負荷を適切レベルにし、医師の技量を向上させることで医療の質を向上させる」とも同高官は表現している

●別の国防省の高官は、軍医削減の背景理由に同意したが、具体的な削減人数等については言及を避けた。ただ過去1年間の削減検討について、統合参謀本部やDHA(Defense Health Agency)、国防省のコスト分析室等が協力して実施したと説明し、米軍医療改革の一つに過ぎないとも表現した
そもそもこの削減を含む改革は議会が2017年に検討を命じたもので、軍医を民間医師に置き換える方策検討も議会からの検討提案に入っている。ただし、大規模に軍医を民間医師に置き換える予算の裏付けはなく、効率的で効果的な改革が求められている

●軍医等削減に関係する担当スタッフは、「特定のサービスを提供する人の数が減少したとしても、ケアの低下を招くものではない」、「医療の世界では、手順を踏んた回数が多いほど、その手順に関する腕は高くなる、が真である」と明確に述べた
●しかし、イラクやアフガンでの戦いが下火になりつつある今は可能でも、新たな戦いや現戦いの再燃により、軍医等の需要は容易に爆発するとも考えられ、そんな場合は国内医療機関と前線の両方を支える余裕はなくなると危惧する高官もいる

7月9日にDHAの担当少将は
medical soldier2.jpg●(米軍軍医等の約14%弱に当たる18000名ともいわれる)削減の細部については、申し上げる段階にはない。米議会で審議頂いている2020年度予算案が決定されたとき、はじめてその結果により決まるものだ
どの医療機関のどのポストが削減されるかは、それぞれの施設の置かれた状況により異なり、「軍病院ネットワークからの支援が受けられるか? 軍医を削減したポストに文民医師を採用する必要があるか? などなど、何がベストな対応かを評価している

●ただ、削減対象となっている軍医等ポストの1/4は現在空席となっているポストである。また医療機関を利用する軍人や家族には、何が問題で、どの様にしてほしいかを積極的に訴えてほしいとお話ししている。DHA担当者がおり、軍医療機関を如何に効率化するかを考えていく
2017年に米議会から指示されている、この人員削減を含む軍医療機関の統合や統合化に関する進捗状況レポートを、今年の夏に提出することになっている。
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何ともコメントが難しいのですが、特定の職域に対し、これだけの改革を断行できる組織の力には感心します。

若手の軍医に中には、早く軍医勤務からトンずらして、一般社会の医師としてのんびりやりたい、又は技量を磨きたいと考えている人が多いかもしれません。

是非、米軍内の一般職域の兵士のコメントを聞いてみたいものです

人事施策に関する記事
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02

「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「死因一番は自殺」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12-1
「海兵隊司令官:生活を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
「空軍士官学校の性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04 

「人事改革第2弾」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-10
「追加策:体外受精支援まで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-29
「全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「企業等との連携や魅力化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19
「施策への思いを長官が語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

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代打の次期米海軍トップ候補が決定 [Joint・統合参謀本部]

大将に適任者がおらず、中将から選出する異例の事態
3月に統合参謀本部の参謀長になったばかりの人材を抜擢

Gilday.jpg17日、米議会上院が次の米海軍トップ候補としてトランプ大統領から現在統合参謀本部の幕僚長(The Director of the Joint Staff)を務めるMichael Gilday海軍中将の推薦があったと発表しました

次の米海軍トップには、 米海軍人No2の米海軍副作戦部長であったWilliam Moran海軍大将が8月1日から就任することに決定していましたが、セクハラ行為でクビになった広報渉外担当の元部下から、引き続き職務上のアドバイスを受けていた事が発覚し、7月7日に急遽退役することを発表したところでした

大きな期待を集めていたMoran海軍大将の突然の辞任・退役により米海軍人事は大混乱陥り、本来なら別の大将の中から米海軍トップを選出するはずが適当な候補者が見当たらず、又はひいき目に見て他の要職にある大将クラスを簡単に移動させられず、中将の中から選ぶことになりました

Gilday2.jpg新候補Michael Gilday海軍中将も大将になるルートと目されている統合参謀本部の幕僚長ポストについていることから、決して悪い人物ではないはずですが、防衛大学29期相当で大将への昇任は早くても2020年予定だった人材ですから、大将ポスト1つで退役レベルの処遇が予定されていたレベルの人物であることも事実です

米海軍は高官の辞任や(強制)退役が続いています2016年にはシンガポールの港湾作業会社元締めから「ワイロ」や便宜供与を受け取った疑惑で、第5艦隊司令官など複数の幹部が退役に追い込まれ、2017年には駆逐艦マッケインやフィッツジェラルドの衝突事故太平洋海軍司令官や第7艦隊司令官ら多数の幹部が退役に追い込まれ、太平洋軍司令官候補を失った記憶も生々しく、悪い流れを断ちこりたいところです。

18日付Defense-News記事や公式経歴によれば
米海軍人トップの米海軍作戦部長(CNO)候補に代打で指名されたMichael Gilday海軍中将は、米上院に承認されれば、大将に昇任してCNOポストに就くことになるが、3月に現在勤務している統合参謀本部の幕僚長(The Director of the Joint Staff)に着任したばかりであり、人事の混乱ぶりがうかがえる
Gilday4.jpg●同中将は、米海軍水兵の息子として誕生し、1985年に米海軍士官学校を卒業した人物である(現役合格なら年齢56-57歳)。ハーバードのケネディースクールと米国防大学から修士号を取得している

水上艦艇士官としてのキャリアを歩み、複数の駆逐艦勤務の後、2隻の駆逐艦艦長や駆逐艦隊司令官として空母レーガン戦闘群の海上戦闘指揮官も経験
准将以上での現場勤務としては、空母アイゼンハワー戦闘軍司令官、米海軍サイバーコマンド司令官、第10艦隊司令官を務めている。また統合職では将官として、NATO海軍幕僚長、米サイバーコマンド作戦部長、統合参謀本部作戦部長を努めている

米海軍内部やその他の職歴には、米海軍司令部人事局スタッフ、米海軍副作戦部長スタッフ、統合参謀本部議長の上級補佐官、大統領米海軍担当補佐官の経験がある
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太平洋艦隊や第7艦隊など、アジア太平洋と直接かかわりがある艦艇や部隊名が聞こえてきませんので、日本やハワイ勤務経験がありそうな気がしませんが、大統領や統合参謀本部議長の補佐官勤務を通じ、広い視野を養っておられそうなので、期待いたしましょう

Gilday3.jpgまぁしかし、先輩の大将が多数勤務している中で、突然CNOに指名されるとは、さぞかし重圧を感じておられることでしょう。355隻体制に向け、明るい材料は皆無ですが、頑張っていただきましょう

何せ、他の海軍大将を複数飛び越し、中将からいきなりCNOに就任するのは1970年以来の約50年ぶりらしいですから・・・

米海軍のGilday中将公式バイオ
https://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=605

米海軍CNO関連記事
「Moran大将突然の辞任」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-09
「文書:将来の米海軍発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18

「曖昧なA2ADも使用禁止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-04
「呼称CBARSは好きでない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「同大将の初海外は日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-25
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次の米軍トップが中国脅威を議会で強調 [Joint・統合参謀本部]

今後50-100年は中国が一番の問題だ

Milley5.jpg11日、次の統合参謀本部議長候補であるMark Milley陸軍参謀総長が、上院軍事委員会の承認を得るためのヒアリングに臨み、中国脅威への対応を一番の課題として取り組むことが今後100年の米軍に課せられた課題だと強調しました

自身の韓国やハワイでの勤務経験も踏まえ同盟国等との協力関係が重要だとも主張し、国家防衛戦略NDSに沿った対応を語っています。それにしても、先日ご紹介した南米コマンド司令官の証言でもそうでしたが、中国脅威が米国安全保障の「真ん中」であることを改めて感じさせます

核兵器の3本柱維持と近代化の必要性を訴え、宇宙軍創設が無駄で重複のある官僚機構創設だとの非難にも公式見解で対応する落ち着いた対応で、プリンストン大学1980年卒業(政治学)とコロンビア大学大学院(国際関係修士)の知性を感じさせる受け答えだったようです

11日付米空軍協会web記事によれば
Milley.jpg4月上旬にトランプ大統領から指名されているMilley大将は、「今後50-100年間を見据えても、中国が米国安全保障が一番の課題になるだろう」と語り、中国が太平洋に向けて急速に影響力を強めていることに警鐘を鳴らした
●また同大将は、「100年後の2119年に歴史家が過去を振り返って21世紀の歴史をまとめようとしたら、そのメインテーマは米中関係になるだろう。私は中心が米中の軍事拡張競争でないことを願うが・・・」とも表現した

●上記の発言が示すように、Milley大将を迎えた軍事委員会は中国問題で埋め尽くされた。中国は米国を圧倒する資金投入で、全ての軍事ドメインで爆発的な拡張を続けており、同大将が事前提出した書面でも、中国の電子戦、サイバー戦、宇宙、核兵器分野での懸念が、米国を対応策に駆り立てていると説明されている
●同大将は米軍の対応について、米太平洋軍の戦力が航空機2000機や艦艇200隻、更にそれらを支える37万人の兵士で構成され非常に協力で能力が高いと表現し、抑止と有事の際の対応に万全を期してると述べた

Milley4.jpg●また自身の韓国とハワイでの勤務経験も踏まえ、極めて強固な同盟国等のネットワークに言及し、これらの国々が中国に対する懸念を共有し、南シナ海周辺国をはじめ、訪問先では皆が攻撃的な中国の動きを恐怖だと訴えていると語った
中国は世界中に、軍事訓練や教育、軍事技術提供や施設建設で言い寄り、更には5Gネットワークインフラの提供までも持ち出して関係を迫っている。南米コマンド司令官もお話ししたように、「世界の国々は、米国の各地域での継続的なプレゼンスとパートナー関係を望み、安全保障の保証人としての存在を希望している」とも表現した

●同大将はまた、核兵器3本柱の重要性にも触れ、「米国の防衛には、信頼でき、安全で、戦略的対処が可能な核兵器体系が不可欠だ」と述べ、ミニットマンⅢ後継ICBMや低出力核弾頭の開発などへの理解を求めた
●更に宇宙軍の新設について、宇宙での作戦に専念する人々の集団が必要だと述べ、宇宙軍の存在は宇宙での活動を補完し、決して無駄や重複を生むものではないと説明した

同大将をご紹介
●ボストン近郊の出身で1980年プリンストン大学出身。熱烈なMLBレッドソックスのファン。歩兵部隊士官としてキャリアをスタートするも特殊部隊指揮官を務めた経験もあり、パナマ侵攻、ボスニア紛争、イラク戦争で現場指揮をとっている
Milley2.jpg●最近では米陸軍戦闘コマンド司令官、アフガン駐留米軍の副司令官、第82空挺師団長、第5特殊作戦群司令官などを経験し、2015年8月に一般には「サプライズ」と言われながら陸軍参謀総長に就任した

誰にでも率直な意見を述べることで知られ、2017年に下院軍事委員会で予算決定が議会で遅れている状況を正面から非難し、議会を「professional malpractice:悪習慣のプロ集団」と揶揄して驚かせた
統合参謀本部では作戦幕僚として勤務経験があり、また国防省では国防長官の軍事補佐官のポストも経験している

太平洋軍隷下では、韓国駐留の第2歩兵師団部隊の指揮官(恐らく大隊長)やハワイの第25歩兵師団勤務を経験している。プリンストン大学1980年(政治学)とコロンビア大学大学院(国際関係修士)を卒業し、米海軍大学指揮幕僚コースでも学んでいる
●統合職では、アフガン展開のISAF副司令官、統合参謀本部J3作戦幕僚、国防長官軍事補佐官などを経験し、海外勤務はエジプトのMFO、パナマ、ハイチ、ボスニア、イラク、アフガン3度、ソマリア、コロンビアなど、陸軍のほぼすべての海外作戦に参加している
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Hyten.jpg国防長官が代理続きだったり、米海軍人トップ人事が直前で流れたり、統合本部副議長候補Hyten空軍大将のセクハラ疑惑が持ち上がったり・・・と、米軍を巡る人事がフラフラな中ですので、10月から登板が予期されるMilley大将には頑張っていただきたいと思います

また国防長官と国務長官が陸軍士官学校出身で、安全保障にかかわる上層部で一般大学出身が貴重な存在になりますので、プリンストン大学出身のMilley大将には、この点でも存在感を示していただきたいと思います

Mark Milley陸軍大将の公式経歴
https://dod.defense.gov/About/Biographies/Biography-View/article/614392/general-mark-a-milley/

Milley大将関連の記事
「米国防省と米軍2トップが陸軍出身へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-20
「陸軍トップが米軍トップに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08
「次の米軍人トップは空軍から?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-21
「ダンフォード噂の記事」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02
「デンプシー大将の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-13

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米艦艇の建造修理施設の人員不足に危機感 [Joint・統合参謀本部]

米艦艇修理施設の勤務者平均年齢55歳
変動激しい仕事量に若者が寄り付かず
355隻体制どころか現状維持も困難に

shipyard2.jpg20日、米海軍艦艇建造技術関連のイベントで造船修理施設関係者が艦艇建造&修理施設での勤務者の高齢化が急速に進み、熟練層の退職が進む中、米海軍からの業務発注量に上下動が大きく、また若者層をこれら業務に引き付けることが難しく米海軍を支える基盤が危機に瀕していると訴えています

現在米海軍は、現在の290隻レベルから、355隻体制への拡大を多方面で訴えていますが、造船修理施設関係者からは現状態勢の維持さえも困難になるとの悲観的な見通しが示され、国や地方政府の支援を含めた対策の必要性を訴えています

業界団体では、同一地域にある関連企業が協力して労働者を融通し合い、需要の上下動に対応したり、協力して基礎的技能のトレーニングを新人労働者に行うなどに取り組んでいるようですが、相当厳しい状況にあるようです

21日付米海軍協会web記事によれば
shipyard4.jpg●20日、American Society of Naval Engineersの年次総会で演壇に立ったフロリダ州ジャクソンビルBAE Systems修理工場のTodd Hooks事業所長は同事業所の労働者の平均年齢が55歳で、熟練した現場作業員の定年退職が相次いでいると危機感を訴えた
●また、米海軍からの委託仕事量の上下動が激しく、例えば2200名を雇用していた数か月後には、仕事量の減少で1500名しか雇用を維持できなくなる現状の問題を同事業所長は訴えた

●Hooks事業所長は「このような状態では、我々が必要としているある程度の技量を有する労働者を安定的に維持することが難しい」、「今後さらに高度な構造や装備品を搭載した艦艇が増え、従来とは異なる高度な技術者がその維持に必要となる中で、人材確保問題は厳しさを増すばかりだ」と語った

高卒の新卒採用の難しさにも同事業所長は触れ、高校側はなるべく卒業生を大学に進学させたいと考えており、地元の有力産業で給与面でも優れ、重要な国家に貢献できる仕事であるにもかかわらず、我が事業所の採用担当者の高校生へのアプローチが阻害されていると指摘した
●一方で同事業所側の問題として、業務閑散期に自宅待機を命じた若者は、再雇用を持ちかけてもほとんど戻ってこない現状を明らかにした

shipyard.jpgノーフォーク周辺の艦艇修理業界団体のトップを務めるWilliam Crow氏は、団体を構成する286企業間の協力とバージニア州からの財政援助を得て、熟練作業員不足問題に対応していると述べ、地域で約4万3000名が関連産業で働く同産業の地域への貢献と、地域政府の理解の必要性を主張した
一方で米海軍からの仕事量の上下動の激しさを問題として指摘し、「米海軍にだけ問題を投げかけるつもりはないが、不均一で激しく上下動する業務量は、我が業界の大きな問題で、ひいては米海軍が望んでいる艦艇数拡大方針の阻害要因になる」、「海軍が望む355隻体制への拡大はおろか、現有艦艇の維持問題が大きくのしかかることになる」と表現した

●Crow氏は業界団体としての問題への取り組みとして、代表的企業からの資金援助を受け、現場作業員の能力向上教室を開催し、オンラインでの教室を含めて1075名を2017年に育成したり、新入社レベルの労働者を対象とした教室を開設したりしていると説明した
海軍産業基盤研究所長のDavid Architzel退役中将は、同研究所として、新規採用に関する問題の実態調査や、将来どのような人材が必要になるかの分析を行うと明らかにした

●同イベントで登壇した関係者は一同に、ヴァージニア州が行っているのと同様の同産業への支援を他地域や国レベルに拡大する必要性を訴え、また同産業界は仕事の重要性とやりがい、また給与水準の高さをアピールしていく必要がある点で一致した
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関係者は、「good-paying jobs」や「well-paying career」と艦艇建造や修理の仕事を表現していますし、ネット上の求人案内にも当然給与水準は明記しているはずですから、それでも人が集まらないのは「不安定さ」が大きな理由かもしれません

shipyard3.jpgただ推測ですが、恐らく事故災害も他の業種に比べれば多いでしょうし、長い歴史を持つ地元産業だけに、勤務者のイメージが地域の根付いており、親が子供である若者を入れたがらないのかもしれません。

勝手なイメージで申し訳ないですが、現場中心の男社会ですから、酒・賭け事・喧嘩・ドラッグなんかのイメージが共有されているのかもしれません。しかし米海軍の基盤を支える仕事ですから、イメージアップしてほしいですねぇ・・・

艦艇の修理や兵たんの課題
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「米軍需産業の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「米海軍トップが文書「将来の海軍」を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18
「国防長官を無視:米海軍が艦艇増強プラン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

グダグダの米海軍装備
「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-22
「沿岸戦闘艦LCSがF-35化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
「空母建造費の削減検討に30億円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07

「次期SSBN基礎技術要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「あと25年SLBMを延命!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
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米軍で女性初の歩兵師団長誕生へ [Joint・統合参謀本部]

加州軍の師団でイラク・アフガン派遣の部隊
救難救助ブラックホーク操縦者で息子4人のタフさ

Yeager3.jpg7日付Military.Comが、6月29日付で伝統ある米陸軍第40歩兵師団(現在はカリフォルニア州軍)の師団長に、初めての女性のLaura Yeager陸軍准将(恐らく昇任して)が就任するとの同軍発表を紹介しています

2015年12月に当時のカーター国防長官が米軍の全ての職域に、適性があり必要な資格を取得できれば女性に開放するよう指示し、志ある女性の戦闘職域への挑戦が続いており、当該指示以前は男性兵士に限定されていた分野に1000名以上の女性が配属されていうとのことです

また今年5月末時点で、米陸軍の歩兵や機甲部隊の各級指揮官やスタッフ職で、80名の女性士官が活躍しており、今年中に更にイタリア駐留部隊を含む5か所で、新たに女性士官の配置が増加する計画だそうです

まぁ・・もちろん、米軍内での性的襲撃問題は沈静化の方向が見えず、3軍の士官学校でも「万策尽きて、一般大学や外部専門家から対策を学ぶ」切迫した状況ですが、米軍は多様性は組織を強くする、多様な人材の力を結集して組織パフォーマンスを向上させる方向に挑戦しています

以下では、報道からYeager陸軍准将についてご紹介しておきます

7日付Military.Com記事によれば
Yeager4.jpg現在は米北米軍の「Joint Task Force North」司令官であるYeager陸軍准将は、1986年にカリフォルニア大学で心理学を収めROTCで卒業し、陸軍省少尉として士官キャリアをスタートさせた
●陸軍士官として医療部隊でキャリアを始め、後にヘリコプター操縦の道に進み、1989年に救難救助部隊のUH-60 Black Hawk操縦者資格を取得した。

●出産に伴い(息子さんを得る)、1994年に予備役転籍し、以後カリフォルニア州軍で勤務を続けてきた
2011年には、同州軍の戦闘ヘリ大隊の副指揮官としてイラクに展開し、その後も同州軍の第3大隊長、第140ヘリ飛行連隊長、第40戦闘飛行ヘリ旅団長として指揮官経験を積んでいる

●Yeager陸軍准将が指揮を執る第40歩兵師団は伝統を誇る部隊で、WW1、WW2、朝鮮戦争にも参戦して成果を上げ、その後もコソボ、アフガン、イラク等など、全世界を活動範囲として活動してきた
Yeager2.jpg●最近では、アフガンでのアフガン軍を教育訓練する任務から今年3月に帰国したばかりである

●Yeager陸軍准将の就任式は6月29日に加州のLos Alamitos統合訓練基地で行われ、前任者のMark Malanka少将は退役する
カウンセリング心理学の修士号を加州の大学から、戦略研究の修士号を米陸軍大学から得ている。夫と4人の息子あり
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推定年齢55歳、パワフルなご経歴です! 米軍にはいろんな人材がいますねぇ・・・

州軍の歩兵師団と言っても、海外派遣は当たり前の世界ですので、ご活躍を期待する次第です

軍での女性を考える記事
「超優秀なはずの女性少将がクビに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-11
「3軍長官が士官学校性暴力を討議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「議員が空軍時代のレイプ被害告白」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「空自初:女性戦闘機操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

女性と徴兵制
「前線にも:イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「究極の平等:ノルウェー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「社会福祉選択肢もオーストリア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

関連の記事
「女性兵士の装具改善に時間必要」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13
「今頃・・女性兵士にフィットした飛行服等に改良へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07
「女性初のF-35操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-08
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04
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空母艦載無人給油機MQ-25の現在位置 [Joint・統合参謀本部]

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11か月余り放置してきたMQ-25について
2か月前の記事ですが経過観察のために

MQ-25.jpg5月6日、空母艦載無人空中給油機MQ-25の計画責任者であるBrian Corey海軍少将が、米海軍協会のシンポジウムでプレゼンし、史上初めての空母艦載無人機となる同機の地上からの初飛行を今年後半に行うと明らかにしました

久々の紹介なので復習しますと、同機は4社の提案からの機種選定の上、2018年8月にボーイング社提案が採用され、5年後の2024年に初期運用態勢を達成する前提で、約900億円で設計&開発&最初のプロトタイプ4機製造を行う契約が結ばれています

また現時点での全体像としては、総経費約1.5兆円で72機のMQ-25を導入する想定となっています

MQ-25 B2.jpg米海軍は具体的な要求事項をほとんど明らかにしていませんがMQ-25は空母から500nm離れた場所で、14000ポンドの給油が可能な性能が求められ、同機導入によりFA-18の戦闘行動半径は、現在の約450nmから追加で300~400nm延伸し、700nmを超えると言われています

米海軍は現在専用の空中給油機を保有しておらず、FA-18に外装タンクを取り付けて給油機役を担わせているが、t空母への着艦失敗時の着陸機への緊急燃料補給などの任務に貴重なFA-18を割かざるを得ず、機体の酷使で痛みが激しいFA-18維持上の大きな問題となっています

そんなこともあり、米海軍トップは2024年予定だった運用開始を可能な限り前倒しするように指示しているらしく、各種準備を急いでいるようです

5月6日付米海軍協会web記事によれば
MQ-252.jpg●Corey海軍少将は米海軍協会の「Sea Air Space 2019 symposium」で、4月末にボーイングの工場からMidAmerica St. Louis空港に陸路40nm移動したMQ-25Aが、今年後半に地上から初飛行する予定だと語った
●同少将は「担当チームは現在、運用プログラムの準備や連邦航空局FAAへの諸申請など、同機が安全に飛行できるよう万全の準備を行っている」と語った

ボーイングが提案した機体は、米海軍が空母用の突破型攻撃無人機(UCLASS)を考えていた頃に準備に着手していた機体をそのまま活用したもので、他社の候補と異なり、未飛行実績ながら現物が存在する中で選定を勝ち抜いたもので、導入を前倒ししたい海軍のニーズに合致している
●昨年12月に米海軍トップのRichardson海軍作戦部長から計画前倒しの指示を受けた同少将は、「現在われわれは、如何に早く運用開始態勢を確立できるかに取り組んでいる」と語り、「プロトタイプでない1番機を契約するまでに、このプロトタイプでどこまでシステムを仕上げられるかにかかっている」と表現している

MQ-253.jpg機体と並行して地上管制装置とデータリンクの開発にも取り組んでいるが、LCS搭載の無人ヘリMQ-8をMH-60R Seahawk搭乗員が活用しているような運用を想定していると同少将は説明し、早期警戒機E-2のクルーが、空母からMQ-25Aをコントロールする構想を明らかにした
●米海軍は、空母にMQ-25をコントロールする無人機任務管制システム(UMCS:Unmanned Carrier Aviation Mission Control System)を搭載する改修を4個空母を対象に行う計画で、空母George H.W. Bush (CVN-77) が最初の改修対象となる。空母アイゼンハワーも対象である

●ただし同少将は、MQ-25を最初に試験する空母がどれになるかには言及しなかった
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早期警戒機E-2のクルー士官にMQ-25運用を丸投げ兼務させる辺りが、米海軍航空関係者内での序列を示しているような気がします。

X-47BFlight.jpgE-2搭乗員に増員があるのか不明ですが、余裕があるとみなされたE-2搭乗員の心境如何に???・・・です。

計画の前倒しが可能ということは、相当に無人機の空母運用に関して自信があるんでしょうねぇ・・・。X-47Bの実績がありますからねぇ・・・

MQ-25関連の記事
「MQ-25もボーイングに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-1
「NG社が撤退の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29-1
「提案要求書を発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

UCLASS関連の記事
「関連企業とRFP最終調整へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-19
「なぜUCLASSが給油任務を?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-02-1
「哀愁漂うUCLASS議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-17
「UCLASSで空中戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-24
「UCLASSの要求性能復活?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-14
「夢しぼむUCLASS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-21

X-47B関連の過去記事
「夏にRFP発出か:無人艦載機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-28-1
「映像:空母甲板上で試験中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-11
「映像:X-47B地上カタパルト発進」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-01
「X-47Bが空母搭載試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-28-1
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米空軍の超超音速兵器ARRW開発本格開始 [Joint・統合参謀本部]

米陸海軍と協力して迅速な開発中
2022年のIOC目指してロッキードが

Hypersonic3.jpg12日、中国やロシアに先を越されて米国防省が慌てている超超音速兵器(Hypersonic Weapon)の開発本格化の「のろし」として米空軍が空中発射型の同兵器のプロトタイプをB-52爆撃機の外部に搭載し、空気抵抗など空力特性を測定する試験を行いました

米空軍がロッキード社等と2018年8月に開発契約を結び、2022年に初期運用態勢IOC確立を目指して取り組んでいるもので、正式名称は「AGM-183A Air Launched Rapid Response Weapon:ARRW」とよばれています

Hypersonic.jpgこの超超音速兵器(Hypersonic Weapon)開発は国防省と3軍が協力して進めており、6月4日の担当陸軍中将の会見によれば、米陸軍と海軍が地上(艦上)発射型配備を目指してチームとして開発をスタートさせているが、陸軍は空軍の空中発射型にも使用される「飛翔体本体:Common Hypersonic Glide Body」を担当し、海軍はブースターを受け持っているとのこと。

地上型の企業選定は今年夏に発表される予定で、「Long-Range Hypersonic Weapons」として2023年の完成を目指すとのことです。

13日付米空軍公式発表によれば
B-52の外部に装着されたAGM-183Aプロトタイプには、弾頭などはなく、センサーだけが搭載され、搭載母機への影響やAGM-183Aの空気抵抗や振動などの特性データ収集が行われた。同プロトタイプはB-52に搭載されたままで、B-52からの分離試験を行ったわけではない
Hypersonic8.jpg●加州のエドワーズ空軍基地から離陸して行われたが、この種の飛行特性データ収集は、米空軍が開発する全ての兵器で行われるものである

●この試験についてお馴染み米空軍調達&開発担当次官補Will Roper氏は、「我々はこの兵器開発に、議会に承認されたrapid prototyping authoritiesを活用している」、「挑戦的なスケジュールでARRW開発に取り組んでいるが、今回の飛行試験を計画通りに実現させたのも、ロッキードと関係者がこの枠組みを有効活用した努力である」とコメントしている
●また同次官補は、「我々が直面する脅威に対応する能力を迅速に獲得しようとするならば、このような取り組みが不可欠だ」とも語っている
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米海軍の担当するブースター部分が、空中発射型にも活用されるのか記事からは読み取れませんが、陸軍担当の「Hypersonic Glide Body」は3軍共通の様です

Hypersonic2.jpgこの超超音速兵器は3軍がばらばらに取り組み、それぞれが予算不足でとん挫しているうちに中露に先を越された「悲しい経緯」を持つ兵器ですが、わがままで硬直的な3軍を説得して協力体制に導いた国防省の最後の意地に期待したいものです

それにしても・・・Will Roper次官補の最近のご活躍には目を見張るものがあります。2020年代前半には、数々の新兵器が米空軍に登場する予定で、いつものようにお手並み拝見です・・・

超超音速兵器関連の記事
「ミサイル防衛見直し発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

Will Roper氏の関連記事
「24時間以内の緊急打ち上げへ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-01
「無人機ウイングマン構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-27
「調達担当者を活躍させる体制」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-16
「KC-46Aの異物問題に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「PGM不足問題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-09
「米空軍重視の9分野」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-4
「維持費削減に新組織RSO」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-23
「ソフト調達が最大の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-01
「F-35維持費が大問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「無人機の群れに空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

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米特殊作戦軍は対中露にどう立ち向かう [Joint・統合参謀本部]

物理的戦いを避けるために中露に作戦する

Psychological.jpg5月17日付Defense-Newsが、米軍の特殊作戦軍関係者による議会証言を取り上げ、国家防衛戦略NDSの指針を踏まえ、対テロ作戦から対中露への力点移行を行う「U.S. special operations forces」の様子を紹介しています

特殊作戦軍というと、ビンラディンを襲撃した強襲部隊や小型ボートで敵地潜入を試みる工作部隊のイメージかもしれませんが、ここで語られている「U.S. special operations forces」は、「影響力作戦」に従事する心理作戦部隊や広報戦略部隊をも含む広い任務を担う部隊です

AC-130 2.jpg部隊の性格から具体的なことは公に語られませんが、ロシアがウクライナで展開した「ハイブリッド戦」に代表される、武力と非武力のサイバー・宣伝・心理戦などを組み合わせた相手に対抗する部隊を想像していただくのが良いのでしょう

世界80か国に展開し、「少数の部隊で大きな違いを生み出せる」と司令官が語る特殊作戦軍の将来方向を、国防省担当次官補代理と特殊作戦軍司令官の話からのぞいてみたいと思います

5月17日付Defense-News記事によれば
近く特殊作戦軍の状況レビュー報告書が議会に提出される予定の中、Mark Mitchell対テロ低列度紛争担当次官補代理とRichard Clarke特殊作戦軍司令官が下院の情報と新たな脅威小委員会で証言した。
Mitchell.jpg●そして同次官補代理は、国家防衛戦略NDSの方針に沿った特殊作戦軍の最も価値ある役割は、中国やロシアが世界の係争地域に浸潤するのを防ぐために、関係国との関係を構築することであると述べた

●またClarke特殊作戦軍司令官は、一方で過去20年近く特殊作戦軍が注力してきた対テロ戦を疎かにすることは出来ず、対中露とのバランス追及が重要になるとし、併せて任務の分担ややり方を検証することで、負担が増加する兵士の海外派遣期間を削減することも検討しているとも述べた
●同司令官はまた、「対テロの最前線に我が軍は立っているが、対中露の前線では、NDSが示唆する物理的な衝突を避ける方向に沿って、我が戦力の特徴を生かした役割をより強化していくことになろう」と表現した

●そして同司令官は、他のメジャーコマンドであるサイバー軍、戦略軍、輸送軍、各地域コマンドと共に、特殊作戦軍がどのようにかかわっていくのがベストか議論しながらNDS任務に取り組んでいると語った
Clarke.jpg世界各国とのかかわりについて同司令官は、「特殊作戦部隊は同盟国等とのネットワーク構築と各地での地位確保において他にないユニークな特徴を持っており、何よりも、平時において各地域で影響力と正当性を勝ち取る役割に適している」とも説明している

●同軍はまた、フロリダ州タンパにある「military information support operations center」で、国務省の世界関与センターと協力し、ロシアが発する誤情報や情報作戦に対抗する役割も果たしている
●更に両名はアフリカでの例を挙げて今後の同軍の任務拡大を語り、「対テロをメインに派遣している我が軍部隊はまた、ロシアと中国からの影響力に対抗する役割も担っている」と述べ、「対テロと対中露のバランスを取りながら、広い視野から効果的な資源投資を試みている」と説明した

●他国との協力強化について同司令官は、「特殊作戦軍は小規模部隊やユニットで相手国に大きな変化もたらすことができる点が特徴だ」と述べつつ、中国とロシアの影響力が全世界に及んでいることから、「特殊作戦軍の要員は世界80か国以上で活動している」と現状を説明し、議会承認を得てフィリピンでも対テロを中心に活動範囲を拡大したが、中国の勢力拡大を防止する点でも重要な役割を担っている言及した

EC-130H3.jpg●更に同司令官は、大量破壊兵器対処の任務も増加して負担が増加しつつあると訴え、他軍種を含めて任務分担の見直し・検討が重要だと述べ、例えば米陸軍の関連部隊に他国の治安部隊支援任務を引き継ぐことも協議していると述べた
●そして同司令官は、「特殊作戦軍は、政治的に機微な地域に小規模な単位で展開し、目立たないように他国の特殊作戦部隊を育成するような役割に注力すべきだ」と説明した
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特殊作戦軍の影響力作戦や心理作戦部隊の特殊な装備には、対象エリアで宣伝ラジオ放送を行ったりビラを投下するC-130などが含まれており、SNSやサイバー世界で活動する役割を負った部署も存在するであろうと推察いたします

まだまだ勉強不足の分野で、日本にも必要ながら未着手の分野だと思いますし、ハイブリッド戦に対抗する部隊ですので機会を見て取り上げたいと思います。

既に中国の浸潤をしっかり受けているのでは・・・と思わせる政党や著名人がメディアでほえている今日この頃ですので・・・

関連の記事
「心理戦を様々な視点で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01
「海兵隊は特殊部隊を廃止せよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-13-1
「レーザーに今も熱狂的」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「比で対IS作戦を支援」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-12
「AC-130」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06

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F-35艦載できない新型米空母に議会が待ったを [Joint・統合参謀本部]

中国空母が沖宮海峡を抜け、太平洋に進出する中で・・・
経費上限規制を受け必要な機能まで未装備
後付け改修頼りで総コストアップの本末転倒

Ford-Class-Carrier.jpg3日、下院軍事委員会の2020年度予算関連小委員会は2019年末に進水予定のフォード級新型空母の2番艦(John F. Kennedy CVN-79)に、F-35C型(空母用)を搭載する能力が未装備であること問題視し、同能力を装備するまで同空母を米海軍に引き渡すべきではないと指示を、2020年度予算案文に入れることを明らかにしました

本件を報ずる3日付米海軍協会web記事を読みはじめ、「最新空母が米海軍のF-35を搭載運用できない?はぁ???」・・・と目が覚めてしまいましたが、その背景・実態は以下の通りです

国防装備の価格高騰の悪い流れそのままに、最新型フォード級空母の1番艦空母フォードは、従来のニミッツ級の約2倍近い価格の1兆4000億円となったため、米議会は1番艦の反省を生かして2番艦ケネディーの価格上限を1兆2000億円に設定しました。

f35c.jpgしかし1番艦の経験を生かしても2000億円もの建造費削減はできず、結果として米海軍は、一部装備品の搭載を後送りして経費枠に収めて建造する道を選びました。

しかしその結果としてF-35C型の搭載に必要な装備等が除外され、「後付け」する計画となり、後付け経費は当初から組み込む手法に比して高価になるという「本末転倒」を絵にかいた状態なっているようです

米海軍は最初から議会と喧嘩するつもりだったのかなぁ・・と考えたり、議会も今頃になって状況に気が付くなんて・・・等々、いろんな疑問が頭の中を飛び回りますが、こんなことが本当に発生しているのが米軍装備品調達の現場だということです。

3日付米海軍協会web記事によれば
●3日、下院の同小委員会のスタッフは記者ブリーフィングで、このままではF-35搭載装備のない空母ケネディーが2019年末に進水ことになるため、米海軍に対し同装備なしでの同空母受領を禁ずる指示を2020年度予算関連の予算文書に含めると明らかにした

Ford Class CV.jpg●同議会スタッフによれば、議会が示していた同空母の予算枠に収めるため、米海軍はいくつもの重要装備を未装備の空母をとりあえず受け取り、後の定期修理等のタイミングに追加でそれら装備をより大きな経費を負担して追加するつもりらしく、追加時期も装備によっては空母寿命の後半までづれコム見込みとなっている

●更に同スタッフは、「最新型のフォード級空母が、米海軍の最新鋭航空アセットを搭載できない状態で海軍に提供されることなど、議会として到底受け入れ難い」、「目先の予算枠に収めることにより、後に大きな経費を発生させるやり方は、細かな価格低減努力をすべて無にする行為だ」と述べた
●ちなみに、予算枠の関係で海軍受領時に未搭載となる重要装備はF-35関連に止まらず、例えば弾薬や兵器を上甲板まで持ち上げる11台のエレベータは、2台のみが当初から活用可能な状態になる模様

幾つかの重要な装備は、進水後に船体の強度を確認する「shakedown」試験の後のPAS期間に搭載を検討されているらしいが、このためPAS期間が数か月遅延することが予期されている
●米海軍省調達担当官は、「来年10月に予定されている演習で、必要な機能を訓練できるよう、必要兵器エレベータを装備する」と5月末に語っていた

●ちなみに、フォード級空母の3番艦と4番艦は、固定経費契約で建造されるため、このような主要装備後回し事態は発生しない事になっている(つもり)
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F-35C Landing2.jpg議会側が当初予算枠の縛りを無効にして米海軍に主要装備搭載を行わせるのか、それでも枠内でやれというのか不明ですが、とりあえず2番艦である空母ケネディーに限ったゴタゴタであってほしいものです

しかし根本的な問題として、次世代の空母・SSBN・F-35・B-21などなどの装備が、現在の各軍腫計画で取得可能な予算がないことは明白で、調達ペースを遅らせるか、数量を削減するかの選択肢しか残されていません

しかしこの件はでたらめの象徴ですねぇ・・・・

最新フォード級の話題
「艦載機燃料タンクの振動問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
「空母フォード:3年遅れで米海軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-03
「トランプはEMALSに反対」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10
「中国が空母キラーDF-26試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31

米海軍空母関連
「スミソニアン空母映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20
「空母群が温故知新訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-25
「べ戦争後初:米空母ベトナム訪問へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24
「空母艦載給油機のRFP発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「映像で学ぶ:米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「空母を値切って砕氷艦を!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-19

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2021年に艦艇防空用レーザーを米艦艇に搭載 [Joint・統合参謀本部]

不退転の決意で進軍する覚悟とか
まだまだ出力は不足していますが・・・

helios.jpg23日付Defense-Newsが、米海軍の水上艦艇作戦部長であるRon Boxall少将や関連のロッキード社幹部にインタビューを行い2021年に太平洋艦隊配属の駆逐艦Prebleに、対艦ミサイル迎撃用のレーザー兵器システムを搭載する予定だと報じています

対艦巡航ミサイルを迎撃するのに最低必要な500kw出力にははるかに及ばない60キロワットレベルからスタートのようですが、当該レーザーをセンサーとしても活用するためイージスシステムと連接し、現有の近接防空システムCIWS等を撤去し、電源確保等のため相当の船体改造を必要とするなど、「後戻りできない不退転の決意」で臨むと同少将は語っています

この艦艇防空用レーザーシステムは、中国やロシアが対艦ミサイルによる同時攻撃で米艦艇の防空システムを「飽和」させ、また防御用ミサイルを「弾切れ」に追い込んで無防備にすることの企図していることに対抗するもので、対処が迅速で弾切れの心配のないレーザーの特性を生かそうとするものです

厳密には所望の出力のレーザー兵器が装備できたとしても、連続発射にはエネルギー重点のため時間的間隔(finite amount of time) が必要であることから、従来の迎撃ミサイルも並行して使用しないと中露の飽和ミサイル攻撃には対応困難なようですが、大きな動きだと思いますのでご紹介しておきます

23日付Defense-News記事によれば
helios2.jpg●5月に行ったインタビューに対しRon Boxall海軍少将は、2021年にハワイ所属の駆逐艦Prebleに、艦艇防空用レーザー兵器システムHELIOS(High Energy Laser and Integrated Optical-dazzler with Surveillance system)を搭載する計画だと語った
●その際同少将は、南米を征服に赴いたスペインのコルテスが、艦隊の船を沈めて船員たちに不退転の決意を迫った逸話を引き合いに出し、従来のCIWS等の近接防空システムを撤去してこの事業に臨む決意を強調した

駆逐艦Prebleに搭載するロッキード製レーザーの出力は60kw(150kwまでの拡張性有)で、同社製のイージスシステムと融合し、イージス側にもレーザーをセンサーと捉えて得た情報をインプットする計画である
●これは、イージスの電波レーダーが近距離を不得意とするが、レーザーは近距離で監視追尾能力を発揮するからであるが、この密度の異なるデータ融合が大きな課題だと同少将は説明し、出力アップには現時点で注力していないと述べた

ロッキードのHELIOS担当部長は、今年3月に設計審査を終え、2020年中旬に艦艇への搭載を終えるよう今年年末には艦艇への搭載をニュージャージー州で開始すると説明した
●そして同部長は、このシステム搭載は単に装置をボルトで甲板に据え付けるものではなく、電源を艦艇に追加することなく実施する船体への融合作業である点を強調した

CSBAのBryan Clark研究員はこの計画の位置取りについて、米海軍はメガワット(1000kw)級のレーザーに向け進んでおり、500kw級が達成できれば超音速巡航ミサイルにも対処できるようになると説明してくれた
●また同研究員は、米海軍は更に超超音速兵器(hypersonic threats)に対してどこまでレーザーに期待すべきかを検討していると語ったが、狙いの規模の兵器開発搭載には電源確保等の課題は不可能ではないものだと述べた
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helios3.jpg米海軍のレーザー兵器研究開発は、試験艦Ponceに搭載しての水上の小型ボートや空中の小型無人機対処の試験である程度の成果をご紹介した記憶がありますが、イージスシステムの融合が一つの命題となっていることを学んだ次第です

CSBAのClark研究員の艦載レーザー防御兵器自体の実現可能性に関する見方は明るいですが、冒頭でもご紹介したように、中露のミサイル飽和攻撃への効力についての冷徹な「それだけでは不十分」との評価には謙虚にならねばなりません

今回の駆逐艦Prebleへの搭載については、イージスとの融合とレーザー防御兵器の交戦規程を含む運用ノウハウ蓄積が一つの狙いと想像いたします

それにしても、高度なインカやアンデス文明を滅亡させた侵略者コルテスを引用するRon Boxall海軍少将のセンスにはついていけません・・・

最近のエネルギー兵器関連
「F-15用自己防御レーザー試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24

「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1

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太平洋軍司令官が米議会にお願いした事項 [Joint・統合参謀本部]

法律に基づき、予算化された以外の要望事項を提出
米陸軍のマルチドメイン部隊に期待大

Davidson6.jpg4月18日付米海軍協会web記事は、太平洋軍司令官Phil Davidson大将が米議会の軍事委員会あてに出した(提出した)、「予算から漏れた事項で要望したい一覧」レター(3月22日付)を入手し、その概要を報じています。なお、同レターの内容は同17日にWSJ紙が最初に報じた模様です

米軍の各軍種は、予算案を提出する際、併せて「予算枠に収まらないため要求を断念した重要事業リスト」を提出することになっていますが、メジャーコマンド司令官にも同様のリストを求めることはあまり例がないようです

レターの中には、地域の弾道ミサイル防衛を強化するミサイル駆逐艦増強やグアム島への地上ミサイル防衛装備の設置、米陸軍のマルチドメイン部隊の増強、訓練環境を改善する施設の改良などが含まれており、米太平洋軍の置かれている脅威認識が伺えます

Davidson大将は「この要望に含まれている事項は、安全保障環境を勘案したうえで、実践的で有効なアプローチによりアドバンテージを再び獲得する条件を整え、同盟国等に安心させ、潜在的敵対国が一方的に国際規範に基づく秩序を変えることが無いよう思いとどまらせるためのものである」とレターで説明しています

要望事項に含まれた事項の概要
Davidson4.jpgアジアにおける米陸軍マルチドメイン戦力への支援。同戦力は、防空、ミサイル防衛、及び精密誘導ロケット、砲、ミサイルと高等通信力による沿岸防衛においてクロスドメイン任務を遂行するだろう
グアム島における、恒久的でこう坦性のある地上配備型IAMDシステムの配備支援

●米国と協力する東南アジアとオセアニア諸国の有志同盟国等に必要な航空及び海洋軍事能力及び兵站能力を提供するため、 「modest foreign military construction」を支援
●技術開発が進む最新の超々音速兵器や弾道ミサイル脅威に対抗するため、イージス駆逐艦に最新の「AN/SPY-6」レーダー搭載する近代化改修を加速する

宇宙配備の弾道ミサイル探知識別レーダー改良開発、および地上配備レーダーシステムの発展開発の支援
同盟国等とのマルチドメイン(クロスドメイン)情報共有のためのデータネットワークに必要な投資やインフラ整備の支援 

Davidson7.jpgオセアニア諸国のための海洋安全保障取り組みを、東南アジア諸国の成功例を踏まえて構築
ハワイ、グアム、アラスカの老朽化が進む訓練演習施設インフラへの投資を支援し
●インドアジア太平洋軍の同地域での体制を再調整し、敵対者に対する優位的立場を奪還するために必要なサイト調査、設計、施設等整備投資への支援
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報道された部分は「公開可能部分」(非公開部分に具体的な予算規模や必要人員数が記載されている模様)で、「中国」との具体的な脅威対象を明示する記述はないようですが、エアシーバトル(懐かしい響き:涙目・・・)当時から指摘され続けている中国の軍事増強を意識したものとなっています。

Davidson3.jpg課題は明白ですし、約10年間変わりありません米軍の西太平洋地域での問題である少なく脆弱な飛行場をはじめとする作戦基盤を、中国の各種ミサイル攻撃から守り、地域同盟国の力を養成しつつ協力し、クロスドメインの旗印のもと統合戦力の力を最大限に発揮して敵対国に対処することです

そして、なんと言っても、各種の面で失った優位的立場を「奪い返す、再度確保する:Regain」との言葉を繰り返し使っている点を肝に銘じるべきです。冷戦当時から続いている「戦闘機だけの防衛力整備」を改めるべきと言い続けている理由もここにあります

マルチドメインの関連
「対中国で米軍配置再検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16-1
「射程1000㎞の砲を真剣検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

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