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5つの視点と映像で:米海軍特殊部隊SEALS [Joint・統合参謀本部]

久々の「5 Things You Don’t Know About」シリーズです

SEALS2.jpg5つの視点と映像で軍事関連をご紹介するMilitary.comのオリジナル映像シリーズから海軍特殊部隊SEALSを取り上げます。

米海軍の特殊部隊ですが、その名称はアザラシ(英: seal)に掛けた発声ですが、SEがSEA(海)、AがAIR(空)、LがLAND(陸)と、陸海空のアルファベットの頭文字から取られており、その名の通り陸海空問わずに偵察、監視、不正規戦等の特殊作戦に対応出来る能力を保有し、実際イラクからアフガン、アフリカなど広範に陸上で活動しているようです

WW2で活躍した水中工作部隊を前進とし、現在の形はベトナム戦争時にベトコン掃討を目的として1962年1月に結成されたようです。米軍内にある各種特殊部隊の中で最も歴史のある特殊部隊です

高度な水泳と潜水スキルを持ち、危機的状況で水中に逃げることを得意とするが、パラシュート降下訓練も必須で、空から地上へ、また空から海上への展開能力も備えています。皆さんも名前を一度は耳にしたことがあるであろうSEALsを5つの視点でご紹介です



1 ISSの初代船長はSEALs出身者
ISS(国際宇宙ステーション)の最初の長期宇宙滞在ミッションで、初代の船長を務めた人物はパイロット出身でないSEALs隊員だった
●1984年にパイロットでない初の宇宙飛行士に選抜されたシェパード氏は、数回の宇宙飛行を経験したのち、2000年10月から約1年間のISS滞在クルー3名のリーダーに選ばれ、任務を完遂した
●宇宙飛行士採用の面接で特技を問われ、「ナイフで人を殺すこと」と答えたと伝えられている

2 入隊希望者がSEALsになれる確率は
●入隊希望者は、米軍の中でもっとも過酷とされる基礎水中爆破訓練(Basic Underwater Demolition SEAL:通称BUD/S)を経なければならない。
約6ヶ月の訓練過程を耐えぬくことができるのは入隊志願者の2割程度と言われている。

3 SEALS訓練を開始しても実戦参加には2.5年以上
SEALS3.jpg●上記のBUD/S訓練を通過しても、その後に空挺降下パラシュート訓練、戦闘技術訓練(通信技術や舟艇操縦技術、近接戦闘、狙撃など)、そして寒冷地極地訓練を行う必要があり、その期間は約1.5年である
●これら共通の訓練を終えて前線SEALS部隊に配備されて以降、約1年間の各部隊任務への適合訓練期間を経て、やっと実戦参加のレベルに達したと見なされるのが一般的

4 SEALS兵士は2500名程度
米海軍は約26万人で構成されているが、SEALSは2500名程度で全体の1%以下である
●SEALSは、担当当地域を割り当てられた8つのチームと、SEALSを特殊な方法で輸送する2つのチームで構成される

5 27箇所を打たれても任務完遂のSEALも
●2007年4月、対アルカイダ作戦のためイラクのペルージャで活動していたあるSEALS兵士は、敵の活動拠点である建物の掃討作戦に臨んだ
●伏せて待ち伏せていた敵の攻撃を受け、腕や足に16発、防弾チョッキに11発の銃弾を受けたが、建物カラ艇を排除することに成功、その後救命ヘリで帰還した
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SEALS.jpg中国やロシアとのハイエンド紛争への備えの重要性が叫ばれる中ですが、グレーゾーンでのつばぜり合いが減少するとは考えにくく、特殊部隊への需要が衰えることはないでしょう

むしろ、地上部隊の普通部隊を削減しても、地上部隊の特殊部隊化を推進すべきとの米議会や専門家の声が強くなっている気がします

「ナイフで人を・・」の話題がありましたが、世界の特殊部隊員は、あいさつ代わりにこの手法を互いに披露して盛り上がるそうです・・・。あのアーミテージさんなんかもそうらしいですよ・・・

映像で5つの視点から学ぶ
「A-10攻撃機を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10-1
「米空軍パイロット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-05-1
「カモフラージュ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-16
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05

「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

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13年ぶりに米陸軍が新兵募集目標未達 [Joint・統合参謀本部]

約1割不足、海空軍と海兵隊は目標達成も

Wiltsie4.jpg9月21日付Military.comは、9月末で区切りとなる2018年度の新兵採用において、米陸軍が2005年以来初めて目標数を達成できなかったと報じ、好調な米国経済を受けた民間企業との人材獲得競争の激化、適性検査通過者の減少、募集活動の困難化などの背景を紹介しています

米陸軍は2018年度の採用数目標として、当初は80000名を掲げ、その後退職者が少なかったため76500名まで目標を下げましたが、最終的には70000名しか採用できず、6500名が未達成となったようです

経済好調で兵士募集が困難になるとの予想の元、米陸軍は約250億円の追加ボーナス支給施策などを打ったようですが、それでも約10%目標に及ばなかったとのことです。
いずれの西側諸国も直面する新規採用困難の話ですので、何ら参考までご紹介しておきます

9月21日付Military.com記事によれば
airborne ope2.jpg●米陸軍の採用業務責任者であるJoe Calloway少将は、数千人の入隊希望者が適性検査や基準を満たすことができず、入隊を断念してもらったと状況を説明した。
●また背景として、米国民の17~24歳の若者でこれら基準を満たすのは約30%と言われている現実を説明し、更に軍隊に興味がある若者は8名の中の1名しかいない厳しい現実も明らかにした

●別の背景として、通常の年度であれば3-5000名程度を採用する採用活動が活発化する卒業式シーズンから9月末までの年度末3か月間に、採用基準を満たさない対象者のために基準を緩和する「waivers制度」を問題視する議会議論があり、基準緩和を控えたことで採用活動の追い込みが出来なかったことも目標未達の原因となっている
麻薬使用歴や非行歴、また健康身体的な問題の審査基準緩和はイラクやアフガン戦争が最盛期だった時期にも行われたが、結果として軍内の規律の乱れや犯罪の増加に繋がったとの見方が米議会では強く、基準緩和が批判の対象となったのである

EW2.jpg入隊希望者やその家族と、軍の募集担当者との接し方も新たな時代を迎えている。従来は軍入隊に関心を持つ若者の情報を得たら、採用担当者はまず電話で接触を図るのが通常だったが、オンライン時代の現代では、「まず電話」手法が歓迎されくなっている
●現在では、募集担当者はまずメールやwebサイト経由で対象者との初度接触を採り、対象者の信頼を得た後に電話や面談等の段階に進む流れが主流となりつつある。

若者層の3割まで減少している基準範囲の対象者に、アプローチする手法にも軍の募集担当者は知恵を絞っている。フェイスブックやツイッターなどのSNSは一般的な手段であるが、更なる手法にも取り組んでいる
最近の試みでは、スポーツ大会やオンラインゲーム大会に募集担当者チームが戦闘服姿で参加し、軍での生活や仕事をアピールするなどを試みており、著名なオンラインゲーム大会で司会役を務め、240万人に約1時間アピールする時間を確保したケースもある

US Army5.jpg陸軍のパラシュートチームを各種イベントに参加させ、陸軍の存在をアピールする手段も一つの手段である。
オンラインの手段の有効性について確たる統計的裏付けがあるわけではないが、募集担当者が若者と接触する機会を得る手段としては有効で不可欠な手段と考えている。まずは会って話をし、軍生活を紹介することが今も昔も重要なステップだからである
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「waivers制度」と言われる、麻薬使用歴や非行歴、また健康身体的な問題の審査基準緩和は、募集担当者のみならず、軍全体にとって永遠の課題でしょう。

US Army.jpg記事は、「waivers制度」の運用について米軍は繰り返し過ちを犯してきたと表現しており、実態としては、わかっちゃいるけど他に選択肢はない・・・が現状でしょう。

身近に国防に携わる人や経験者がいないと、国存立の基盤を支える仕事への認識が薄れ、国家の存在を危うくします。SNSでも、メディアでも、何でも活用する姿勢が必要でしょう

募集難関連の記事
「入れ墨規制緩和へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-12
「市民と軍の分断を埋めること」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「禁じ手:幕僚勤務無しのP募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「サイバー人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03

ロバート・ゲーツ語録86
→徴兵制で冷戦時に米軍は世界最大規模となった。この規模拡大により、当時は多くの有望な若者が軍務の経験をした。1957年にはプリンストン大出身者が4万人軍務に付いており、ハーバード大にも700人規模のROTC制度が→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

ロバート・ゲーツ語録87
→このため、冷戦終了時で全米の学生の約4割が両親や身近な親戚に軍務経験者を有していたが、現在ではその比率は18%に低下、近い将来1割以下になるのは確実である→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

ロバート・ゲーツ語録88
米国の北西部、西海岸や大都市近郊は志願者が減少している。これら地域で大きな基地の閉鎖再編が進んでいることも一因であるが、同時に軍務のような国家の仕事が他人事にと考えられる風潮が背景にある→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

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米海軍トップ:グレーゾーンでの戦いに備えよ [Joint・統合参謀本部]

日本ではよく聞く「グレーゾーン」ですが
米海軍幹部の口から聞くのは初めてかも・・・

Richardson8.jpg5日、米海軍人トップのRichardson海軍大将がDefense News主催のイベントで講演し本格紛争に至る前のグレーゾーン段階(areas short of open warfare)での対応の重要性を強調し、米海軍は全ての段階の紛争において勝利しなければならないと語りました

米軍は中東やアフガンでの対テロ戦争を15年以上継続しており、今更何で・・・と思いながら読むと、Richardson大将の頭にあるのは、南シナ海やバルト海や黒海での、中国やロシア相手の「gray war」であることが分かりました

米軍は、長期に及ぶ対テロ対処作戦の結果、本格紛争への備えが疎かになっているとの大きな危機感を持ち、兵士に発想の転換を訴えているところですが、今頃になってグレーゾーンの重要性にも指導層が気づいて訴えるようになって来たということでしょうか・・・

5日付Defense-News記事によれば
maritime militia2.jpg●Richardson海軍大将は、紛争は初期の競争段階から全面的な武力対決までのすべてのスペクトラムで見る必要があり、米海軍はそのすべての段階で十分な体制でなければならないと強調した
●特に、本格紛争の前段階の「areas short of open warfare」でも大国に対応できなければならないと訴えた

●具体的には中国とロシアを取り上げ、中国の南シナ海での活動と、ロシアの東欧や黒海周辺でのハラスメント行為に言及し、中露それぞれが自国内で政治的ポイントを稼ぐ行為だとも表現した
●そして、「gray war」とか「competition below the level of conflict」とか「short of open warfare」と言われる競争から全面紛争に至る過程のスペクトラムへの取り組みが、勝利へのカギとなり、単に競争力があるレベルでは不十分であり、相手に先んじる必要があると訴えた

maritime militia.jpg●また、現実には紛争のあらゆるスペクトラムを行ったり来たりすることことがあるが、ハイエンド紛争能力で相手に先んじることが、(グレーゾーンでの)エスカレーション緩和を確かなものにするので、米海軍は海から宇宙そしてサイバー空間でも先んじることを追求しなければならない
●ただ、我々は時に中国のローエンド戦術によって窮地に置かれることがある。例えば、中国が海軍艦艇でなく海警(中国の沿岸警備隊)艦艇を用いて領海主張を行い、我が海軍駆逐艦等で対応せざるを得ない場合である。中国は我々の行為を侵略者として指摘するような状況である

●これは長期にわたる競争的争いだと肝に銘じるべきである。終わりのあるゲームではなく、終わりなきゲームだと考えるべきだろう。
●そうなれば継続可能性や維持可能性が重要となってくるが、過重負担(Overextension)で対処しようとしてはいけない。過度な負荷や限度を超えた任務の拡大は、自己破滅への道だからである
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Richardson.jpgだからこそ、現在の300隻を切る米海軍の状態から、355隻体制を構築しなければならない・・・とRichardson海軍大将は言いたいのかもしれませんが、「long-term competition」とか「an infinite game」などの表現で、その特性を訴えています

直接の表現ではないようですが、「The Navy has at times been stymied by China’s low-end tactics:我々は時に中国のローエンド戦術によって窮地に置かれる」と趣旨の発言をしているということは、「航行の自由作戦」が限界に直面している証左でしょう

トランプ大統領の下で、高級将校としてマトモナ精神状態を維持するのは極めて困難かと思いますが、頑張って頂きたい・・・ただただそう思います・・・

Richardson海軍大将の関連
「文書「将来の海軍」発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18
「曖昧な用語A2ADは使用禁止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-04
「同大将の初海外は日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-25
「海軍内では信頼薄い!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14

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艦載無人給油機MQ-25はボーイングへ [Joint・統合参謀本部]

米空軍KC-46に続き、海軍給油機も・・・

MQ-25 b.jpg8月末の各種報道で、米海軍初の無人艦載機で空中給油機のMQ-25製造企業が、企業選定の結果ボーイング社に決定と報じられました。

約900億円の契約はMQ-25の設計開発と試験及び最初の4機の価格が含まれたもので、6年後の2024年に初期運用態勢を達成する計画の下に結ばれます。そして総経費約1.5兆円で72機のMQ-25を導入する全体像の計画です

この企業選定は、最終的なRFPが2017年10月に発出され、「Lockheed Martin」、「Boeing」、「Northrop Grumman」、「General Atomics」の4企業に提示されていたものですが、RFPを見たNorthrop Grummanは同年10月末に撤退を表明し、3者による争いとなっていました

MQ-25 B2.jpg撤退したNorthrop Grummanは、艦載無人機技術のデモ機X-47Bを開発製造して成功させた企業で、その撤退は衝撃のニュースとなりましたが、同社は無人艦載機を突破型の攻撃偵察機として「flying wings」型で開発してきた経緯があり、米海軍が2016年に開発構想を給油任務に絞る事に変更し、コスト削減を重視する方向に転換した時点で勝ち目無しと判断したといわれています

同じく「flying wings」タイプを提案していたロッキード社も、様々な拡張性を求めるRFPからして勝ち目はないと見られており、事実上はBoeingとGeneral Atomics提案の「wing-body-tail」タイプの争いとも予想されていたところです

結果としてボーイングは、米空軍の次期給油機KC-46Aと海軍の給油機を共に担うことになり、米軍の空中給油機を全て担当することになることから、空軍のKC-46Aの次のKC-Zと呼ばれる無人給油機もボーイングに行く流れでは・・・とか、いろいろな憶測も流れていますが、そんな報道をご紹介します

8月末の各種報道によれば
MQ-25 b5.jpg米海軍トップのJohn Richardson海軍大将は、「選定結果を発表するこの日は、振り返ったときに歴史的な日と認識されることになろう」、「作戦運用面で見れば、無人機と有人機の融合により、作戦機の行動範囲を拡大し、かつFA-18にのしかかっている給油任務を軽減することになる」と意義を語った

●米海軍は具体的な要求事項をほとんど明らかにしていないが、MQ-25 Stingrayは空母から500nm離れた場所で、14000ポンドの給油が可能な性能が求められることになる
●現在FA-18の戦闘行動半径は約450nmであるが、MQ-25 の導入によりこの距離を追加で300~400nm延伸することが可能となる計算になり、700nmを超える行動半径を獲得することになる

MQ-25 b3.jpg●専門家は、米海軍が突破型の攻撃偵察機構想から低コスト給油機に考え方を変えたことから生じた結果だと見ており、「ボーイングはコストに重点を置いて最初から取り組んでおり、FA-18部品の流用や、米空軍給油機の経験も生かした結果だ」との見方を語った
●更に提案機を公開していたGeneral Atomics社もコスト重視で、MQ-1の経験を生かして中高度長時間航空機の実績が豊富であったが、海上システムの経験が不足してる点で懸念があったのではとの見方を語った

●General Atomics社の関係者は、RFPに拡張性に関する要求事項が多いことに言及し、「兵器搭載やISR装備搭載の余地を確保している。海軍は既にレーダー搭載用のフック装備を求めている。最終的にはこの無人機はトラックになるんじゃないか」と冗談まで交えて語っていたことがあった
●つまり、相当の装備拡張性をREPが求め、B-2爆撃機のような「flying wings」型では対応できない要求だったともいえる
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MQ-25 B4.jpgボーイングが苦労している米空軍の次期給油機KC-46A計画は、旅客機ボーイング767型機をベースに開発するもので低リスクと考えられ、最初の18機調達が固定費用契約で約5000億円でしたが、数々の開発トラブルに見舞われ、ボーイング側は既に追加で3300億円以上を自腹で投入しています

この初期契約は、最終的に2028年までに179機を導入する本契約に繋がっており、総経費は3兆8000億円と見込まれていますが、ボーイングもMQ-25受注で少しはもり返せるでしょうか???

どちらにしても、2016年に突破型攻撃偵察機構想が放棄されて以降、フォローする気力が萎えているMQ-25ですが、KC-46の損失補填でないことを祈りつつ・・今後を見守りたいと思います

MQ-25関連の記事
「NG社が撤退の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29-1
「提案要求書を発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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同盟国とのMD情報共有の課題はサイバー [Joint・統合参謀本部]

新しい太平洋空軍司令官の初海外視察は、横田基地の弾道ミサイル防空システムだったとか

BMD.jpg8月6日から7日にかけ、新しい太平洋空軍司令官Charles Brown大将が初海外視察で横田基地でBMDシステムを確認し、小野寺防衛大臣や統合幕僚長や空自トップと会談した同じ7日、米アラバマ州でミサイル防衛関連イベントが開催され、米陸軍パトリオットでのBMDを担当する大佐が、BMDの充実の鍵は同盟国システムとの迅速な情報共有だが、サイバー脆弱性が他国システムとの連接の懸念だと吐露しています

同大佐の念頭にあったのは、イエメン国内にはびこる武装勢力Houthiが繰り返すミサイル攻撃を、サウジ軍がパトリオットミサイルで迎撃している一連の作戦があるようですが、今年に入ってから欧州3か国(ポーランド、ルーマニア、スウェーデン。スイスも前向き検討中)が新たにパトリオットPAC-3ミサイルシステムの導入を決定していることからも、相互運用性(インターオペラビリティー)悩みの範囲は急拡大している模様です。

8日付Defense-News記事によれば
PAC-3 Saudi.jpg●ハンツビルで開催されたDefense-News主催の「Missile Defense Networking Reception」でパネル討議に参加した新旧の米陸軍パトリオットミサイルBMDシステム担当幹部は、同盟国等への同システム導入が進み、相互運用性強化の望ましい方向に進みつつある中、依然として課題も多いと語った
●そして相互運用性向上の鍵である迅速な情報シェアリングの重要性を強調しつつ、迅速な情報共有のためのシステム連接に容易でない部分が残されていると表現した

現役のパトリオット担当幹部であるFrancisco Lozano陸軍大佐は、システム連接がなくとも緊密な協力関係で対応していると強調し、イエメンからのミサイルに対処しているサウジ軍との関係を念頭に、「連絡を密にし、24時間体制で長時間連続運用を続けているパトリオットシステムへの影響をモニターし、実脅威の実態と合わせて多くの教訓を学ぶ機会を得ている。教訓は戦術・技術・手順の見直しに反映し、運用コンセプトの見直しにも生かしている」と語った
PAC-3 MSE.jpg一方で、パネル討議に参加した元ミサイル防衛コマンド司令官であるDavid Mann退役中将は、米軍と同じパトリオットシステムを使用している同盟国軍との間でも、情報共有に関しての努力は継続していると表現し、「他国システムとの融合に当たり、躊躇する要因がサイバー脆弱性である。システム連接を判断するまでには、この問題に関連する多くの検討と利害判断が求められる」と表現した

●同退役中将は更に、「この問題検討には大変労力を要するが、他国システムを連接することでサイバー面で脆弱になることは受け入れがたい。我がシステムの情報が危険にならされることには耐えられない」と述べている
●ただ米軍だけで世界の隅々までBMDを展開することは不可能であるので、引き続き同盟国等にBMDシステム導入を働き掛けていくことになる。全てのシステムを1国で導入することが難しければ、例えば、オランダがBMDセンサーだけを導入し、ベルギーが迎撃ミサイルを分担して配備するといった方式も考えられる

BMDシステムの配備拡大と、システム連接の脆弱性克服は両立しなければならない課題である
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Brown2.jpg新太平洋空軍司令官Charles Brown大将が、日本のBMDシステムのサイバー脆弱性をどの程度懸念しているか気になるところですが、着任後の最初の海外訪問先に日本を選択した戦略眼に敬意を表しておきましょう。

そして豊富な中東経験と薄いアジア太平洋経験の同司令官の今後のご活躍に期待いたしましょう.

しかし・・・サウジとの連接も躊躇するようだとすれば・・・いろいろ難しいですねぇ・・・

関連の記事
「PACAF司令官は黒人パイロット」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19
「PAC-3生産増でウハウハ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-14
「米武器輸出:上半期で昨年越え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-1

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報道:次の統合参謀本部議長が空軍から!? [Joint・統合参謀本部]

Goldfein1-1.jpg19日付Wall Street Journal電子版が、来年退役予定のDunford統合参謀本部議長の後任候補2名の空軍大将(他にMark Milley陸軍参謀総長も)が上がっていると報じ、その二人をGoldfein空軍参謀総長(1959年生)とHyten戦略コマンド司令官(1959年生)だとしています

最後に空軍人で統参議長についていたのが2001年9月から2005年9月までのマイヤーズ空軍大将で、干支が一回りするくらい(間に4名の同議長)空軍幹部にポストが回ってきませんでした
なにしろ、戦闘機にばかり拘る戦闘機パイロット出身がほとんどの米空軍参謀総長などの空軍幹部は、視野が狭くて統合参謀本部議長には不適とまで囁かれ、噂にも上らない期間がここ最近です。

Hyten7.jpgまた、現在のDunford海兵隊大将が議長候補者として噂に上った頃には、F-35計画の評判が最悪だったことに加え、米空軍は軍内で大きな問題となっている性的襲撃(sexcial assult)への対応が不十分との理由でWelsh空軍参謀総長(当時)は候補者レースから早々に脱落・・・などと報道されていたところです

統合参謀本部議長は、現在の議長が19代目で、歴代では陸軍9名、海軍と空軍が4名、海兵隊が2名の配分で努めており、兵員数比率で考えると「美しい調和」を見せていますが、少なくともまんぐーすの知るここ10年間ほどは、空軍幹部の評価には厳しいものがあります

gatesMarine.jpg特に2008年6月5日、当時のゲーツ国防長官が核兵器の不適切な管理を理由に、当時のワインj空軍長官とモズレー空軍参謀総長が同時更迭した事案が象徴的ですが、B-52爆撃機が核兵器搭載を知らないまま米本土を横断飛行していた事案のほかに、強い伏線として、無人機導入に反対しF-22大量調達に固執していた両名が、国防長官から「愛想つかされていた」との見方が一般的です。

マイヤーズ空軍大将以降、ペース海兵隊大将(2年のみ)、マレン海軍大将、デンプシー陸軍大将、Dunford海兵隊大将と続いてきた中、順番で空軍大将にお鉢が回ってきたとの見方もできましょうが、Wall Street Journal誌は別の理由を一番に挙げています

20日付Military.com記事によれば
Dunford1.jpg●WSJ]報道によれば、Milley陸軍参謀総長を含む3名は、Selva副議長の後任候補としても考えられている
ホワイトハウスの報道官も、米国防省の報道官も、WSJ報道にはコメントを避けている

Hyten戦略コマンド司令官(前空軍宇宙コマンド司令官)は、中国やロシアが米国や西側同盟国に敵対的な行動を強めていることから、核兵器の近代化や宇宙作戦への投資を強く訴えている指揮官である
●トランプ大統領が宇宙軍創設を指示し、米国防省が準備を開始したことについてHyten大将は特段コメントを出していないが、(空軍宇宙コマンド司令官時代から)宇宙が厳しい環境になってきていることを訴え、「宇宙を戦いのドメインとして考えるべき」「スピードや、敵対行為への対処を考えておくべき」と繰り返し述べている

Dunford AFA.jpgGoldfein参謀総長は就任以来統合での指揮統制における空軍の重要性を訴えてその変革に取り組んでいるほか、他軍腫や同盟国との協力強化を重視し、海外作戦を効率的かつ効果的に実施する改善に取り組んでいる
●最近では、同盟国の能力強化を念頭に置いた軽攻撃機選定にも取り組み、米国の負担移管ではないかとの問いには「リードする役割の放棄ではなく、我が勢力の成長のための取り組みだ」と説明している
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Milley.jpg陸軍参謀総長も候補らしいことを忘れずにいましょう・・・

それと、来年の人事を今決められるはずもなく、あくまでも噂レベルと考えたほうが良いかもしれません・・・

過去の統合参謀本部議長人事の記事
「ダンフォード噂の記事」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02
「デンプシー大将の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-13

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トルコとの現場レベル共同は継続中 [Joint・統合参謀本部]

本日の写真は、F-22の欧州展開関連です

F-22 German.jpg13日、トランプ大統領が2019年度予算(10月1日から使用)に署名し、改めて2020年度宇宙軍創設に意欲を示してその重要性を訴え、併せてF-35のトルコへの輸出を一時停止する条項にも触れて「トルコとの関係は良くない状態にある」と言及する一方、トルコのエルドワン大統領は同日、「米国に背中から刺されたようなものだ:」と反応するなど、不穏な空気が漂っています

そんな中ですが、中東シリア正面の米軍幹部からは「これまで通りの連携を行っている」との発言が出ていますので、13日の週の動きとしてご紹介しておきます

あわせてそんな中、米本土から久々にF-22が欧州に展開し、ドイツを拠点に、ギリシャやポーランドやノルウェーに展開し、各地でプレゼンスを強調しています。

15日付米空軍協会web記事によれば
Turkey USA.jpg●13日にトランプ大統領が、トルコの最近の行動が与える影響に関する報告書がまとまるまで、トルコへのF-35提供を停止する条項を含む2019年度予算案に署名し、「米トルコ関係は今良くない」と発言する中になっても、現場での米トルコ協力は淡々と継続している模様である
●14日、生来の決意作戦(OIR)多国籍軍の戦略部長Felix Gedney米陸軍少将は、トルコのインジュリック空軍基地からの航空作戦は多国籍軍の作戦を支え、シリア北部における共同パトロールは日常的に問題なく日々行われていると状況を会見で説明した

●更に同少将は、他の多国籍軍部隊とトルコ軍部隊の共同作戦訓練も一つの部隊活動として行われているところである。この訓練は各国軍が別の担当分野を連携して行うタイプではなく、統合して有機的に一つの作戦を行う高度な訓練であるとも説明した
●そして同少将は、トルコ軍との同盟国としての関係には、前線レベルで何の変化もないと強調し、「トルコは極めて重要な世界の中のパートナーである」と表現した

5機のF-22から米本土から欧州へ展開中
F-22 US F-35 N.jpg●フロリダ州のティンダル米空軍基地から飛来した5機の第95戦闘飛行隊のF-22が、8日ドイツのSpangdahlem米空軍基地に到着した
10日はそのうちの2機がギリシャのLarissa空軍基地に展開して訓練を行った。欧州米空軍は「米空軍による当地域への関与と作戦能力を示すための展開だ」と声明を出している

●また15日、ドイツに展開中の米空軍F-22と、ノルウェー空軍のF-35が、ノルウェー上空で初めて共同訓練を行い、編隊飛行する写真が公開された
●更に15日、欧州米空軍は5機のF-22がポーランドのPowidz空軍基地に展開したと発表し、同基地に滞在中、ポーランド独立100周年記念祝賀行事のためワルシャワ上空で展示飛行を行うと明らかにした
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F-22 Poland.jpgロシアやトルコが、「ラプター5機で夜も眠れず・・・」状態になったとも思えませんし、米会計検査院GAOから「そんな風にばかりF-22を使用しているから、第5世代機の能力発揮に必要な訓練が十分できず、米納税者の期待に反している」と指摘されているところですが、これも13日の週の動きとしてご紹介します

OIR幹部である米陸軍少将の発言は、マティス国防長官の姿勢や発言をそのままのようにも感じられ、何とか国防省としての一体感は保たれているようです。

しかし・・・トランプ大統領は、辞めた側近や閣僚からの暴露話で引き続き炎上中で、それが常態となって世間はあまり何も感じなくなってきているような気がしますが、政権としての行く末が懸念されます。やっぱりマティス長官が最後の砦でしょうか・・・

関連の記事
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「GAOがF-22運用法を批判」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-2
「F-22アフガンで初出撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25-1
「F-22初飛行20周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-12

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米軍の士官昇任システム大幅変更へ [Joint・統合参謀本部]

階級昇任の時間経過縛りを緩和
一定期間で昇任しなくても退役の必要なし
高いスキルを持つ民間人の相応階級での採用可能に

promotion.jpg1日、米上院が2019年度の国防授権法(defense authorization bill)を可決したことにより、長らく改正の必要性が叫ばれてきた米軍士官の昇任システム規定(1980 Defense Officer Personnel Management Act, or DOPMA)が変更可能になるようです。

報道によれば、現在の米軍士官昇任システムの多くはWW2当時の軍隊や社会を背景としたもので、サイバーや宇宙といった新たなドメインの出現や、民間企業との人材獲得競争が激化する中、今のままでは有能な人材を引き付けられず、また有能な人材を組織内に留めることが難しくなっているとの危機感が引き金です

専門家が長らく待ち望んだ(long overdue)改革と表現する一方で、通過した法律は各軍腫に履行を強制するのではなく、柔軟に取捨選択可能としており、サイバーや宇宙分野と、伝統を重んじる陸軍や海兵隊や特殊部隊の相違にも配慮したものとなっており、この部分も専門家の高く評価する所以となっているようです

2日付Military.com記事によれば
(報道されている主要改正点は・・・)
promotion2.jpg能力の特に優れた士官は、当該階級での勤務経験年数(最低5年等の縛りがある)に拘わらず、昇任させることが可能
 例えば・・サイバー分野や先端技術に携わる優秀な人材を、民間企業からの引き抜きから守るため、せめて階級昇任面で配慮して処遇や給与面で厚遇する

大佐までの階級であれば、能力の高い民間人を相応の階級で採用可能
 例えば・・サイバー分野や先端技術に携わる優秀な人材を、民間から採用して士官とし採用して即戦力としたいとき、相応の階級で迎え入れることで民間人を引き付ける

当該階級で一定期間勤務しても昇任しない場合の強制退役制度を廃止
中尉以上の階級の士官は、勤務期間40年間までの限度で勤務延長が可能
 例えば・・・現代の若者の価値観で、昇任して指揮官になるより、専門分野で極めた能力を生かして長く同じ仕事で国に貢献したいと考える有能者を処遇したり、中佐に昇任できない少佐で早期退役期限が近づいているが、彼の特定分野での経験や知識は他で代替が効かないので勤務期間を延長させたい・・とかのニーズに対応する
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promotion3.jpgこの法律成立により、具体的にどの軍腫でどのような変化が現れるのかが興味深いところです。

サイバーや先端ぎ技術分野の専門家採用や引き留めが頭に浮かびますが、メンタル治療の専門家や特定語学専門家の迅速採用にも応用が利くかもしれません。

また、複雑な規則や手続きやシガラミが絡み合っている米国防省や米軍の世界ですから、FMS手続き迅速化のベテランとか、同盟国等との関係を担当する人材の延長雇用とか、撤退が合い次ぐ零細軍需産業との関係を取り持ってきた業界の信望が厚いベテランとか、新兵教育や部隊規律立て直しの名人とかも視野に入っているかもしれません・・

しかし反面・・・、これまで時期が来れば辞めていってくれた「役たたず者」が、法律を盾に権利ばかりを主張し、勤務延長や昇任を要求したりして、指揮官達の悩みの種が増えるような気もしてなりません

カーター前長官の人材管理改革
「人材確保・育成策第2弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-10
「追加策:体外受精支援まで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-29
「全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「企業等との連携や魅力化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19
「施策への思いを長官が語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

ペンタゴンのプラット組織検討
「マケイン議員の提案」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-30
「階層縮小で人員削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-26-1

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RIMPACでバンドウイルカが機雷探知に成功 [Joint・統合参謀本部]

8匹のイルカが参加、全ての訓練用機雷を発見したとか・・

dolphin.jpg7月30日付Military.comは、実施中の世界最大の海洋演習であるRIMPAC2018において米海軍が訓練してきたバンドウイルカ(Bottlenose dolphin)が、海底に敷設された機雷を発見する演習を行い、演習で準備されたすべての機雷を発見したと報じています

このイルカの育成は、米海軍の「Space and Naval Warfare Systems Center Pacific」が担当し、「Marine Mammal Program」として南部カリフォルニアで行われており、現在はアシカ(sea lions)も育成しているようです。また過去には、「サメ、エイ、ウミガメ、海鳥」の能力チェックも行ったようです。

興味深いのは、今回のRIMPACでイルカ使用を含む機雷戦を訓練した約1100名から編成される「Task Force 177」は、米国、豪州、カナダ、英国、NZ、オランダ、そして日本を含む多国籍部隊だったということです。これをもって、日本もイルカ機雷戦に関与したとは言えませんが、訓練を終え帰国した海自の皆様にはぜひ聞いてみたいものです

7月30日付Military.com記事によれば
dolphin2.jpgサンディエゴ沖で実施された約10日間にわたる機雷戦の訓練に、8匹のバンドウイルカが参加し、海底に埋まった機雷(mines buried at the bottom of the sea)の発見に全て成功した
●同イルカを育成する「Space and Naval Warfare Systems Center Pacific」の報道官は、動物の生物センサーのみが埋まった機雷を探知する能力があると、イルカを活用した背景を説明している

●訓練されたイルカは、機雷を海底で発見すると飼育調教員に知らせるが、飼育員はもう一度確認のためイルカを海底の現場に戻す。再確認できた場合、今度はイルカに目印(marking device)を持たせて機雷場所に置かせ、その目印が海上に浮かんだ時点で人間のダイバーが機雷の最終確認に潜水する

以上の手順説明の原文は
[→]Once the dolphin found the mine, a Marine Mammal Program technician sent it back underwater to confirm its find, according to a Navy news release. When it did, the dolphin was given a marking device to carry down to the mine's location. Once that marker floated to the surface, a dive team swam underneath it to confirm.

●仮にイルカが正しく機雷を発見した場合は、飼育調教員がイルカを誉め、そして餌の魚を与える
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米海軍の「Marine Mammal Program」webサイト
https://www.public.navy.mil/spawar/Pacific/technology/Pages/mammals.aspx

Dolphin-uuv.jpg上記webサイトによれば、これらのイルカやアシカは機雷戦のためだけでなく、海中に水没した装置やモノの捜索や引き上げにも貢献しているようで、引き上げ用のフック付きロープを運び、対象物にひっかけたりできるよう訓練されているようです

ちなみにこのような作業の場合、動物の輸送費等を負担すれば、手伝ってくれるようで、無人潜水艇等を使用するより低コストで可能だと宣伝しています

まぁ、そうでも言わないと、動物愛護団体などが大騒ぎしそうですが・・・

「米露がイルカ兵器対決?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23

水中戦に関する記事
「米特殊作戦コマンドが大型?潜水人員輸送艇を」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-29
「水中戦投資への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-28
「米軍の潜水艦優位が危機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13
「UUVの発進格納技術」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-29

「潜水艦射出の無人偵察機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-07-1
「機雷対処の水中無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-30-1

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日米陸軍がRIMPACで艦艇撃沈 [Joint・統合参謀本部]

Archipelagic Defenseはものになるのか?
米陸軍の熱が冷めかけているとの懸念も・・・

Naval Strike Missile2.jpg20日付Defense-Newsは、米海軍の新型対艦ミサイルである「Naval Strike Missile」を、米陸軍が陸軍車両を発射機としてハワイの陸地から発射し、90㎞沖合の戦車揚陸艦を撃沈したと報じ、日米陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想実現の第1歩だとしています

この「Archipelagic Defense」構想は、CSBAのクレピネビック名誉理事長がForeign Affairs誌上で提唱を始めたもので、2017年8月には笹川財団との共同研究で日米共同の視点からの研究レポートも発表されているものです。

Naval Strike Missile.jpg要するに、中国が南シナ海や東シナ海で勢力を拡大する中、艦艇や航空機だけでは常続的に中国の活動を抑えることは困難であるから、沿岸地域に長射程の地上部隊ミサイル部隊やロケット弾部隊を配備して中国軍の活動を抑えようとするものです

太平洋軍司令官当時のハリス氏(現駐韓大使)も、南シナ海防衛に米陸軍の進出を強く期待し、陸軍の戦いのコンセプト転換を求める発言をしています。

ただ、米陸軍内で一時は関心を呼んだ「Archipelagic Defense」構想も、伝統に拘るというか、なかなか新しい事に取り組めない軍隊の哀しい習性か、米陸軍の熱は冷めているような気配です

20日付Defense-News記事によれば
RIMPAC2018.jpg7月12日、RIMPAC(環太平洋共同演習)に参加している米陸軍部隊は、ハワイのBarking Sandsのミサイル演習場に配置した車両搭載型のミサイル発射機から、新型の「Naval Strike Missile」を発射し、55nm沖合の旧戦車揚陸艦「USS Racine」を撃沈した
●米陸軍が発射した「Naval Strike Missile」は、米海軍がレイセオンと契約して開発したもので、沿岸戦闘艦LCSやフリゲート艦への搭載が予定されているものであり、米太平洋海軍は本演習は同ミサイルの能力を証明したと声明を出している

これが撃沈の映像です
https://dq0mmww6n9gqf.cloudfront.net/mco/2018/07/23/5b55f97be4b0c6858589b95f/5b55f98ce4b04536d3a45957_1466505256694-7e5g3m_t_1532361104861_854_480_1200.mp4

●この演習は、日米の陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想を具現化する訓練で、陸上自衛隊も三菱製の12型地対艦ミサイルを持ち込んで演習に参加した
Krepinevich.jpg●本構想を提唱したクレピネビック氏は、「米国が中国の目論見をくじこうとするなら、第一列島線周辺で中国が海空をコントロールしないようにする必要がある」、「米国は同盟国の戦闘ネットワークを融合し、同盟国の能力を向上させる必要があるが、この目標達成には地上戦力による海空戦力の補完が重要な役割を果たす」と表現している

●しかしCSBAのJan van Tol研究員は、同構想が出た当時は注目を浴びたが、米陸軍が東欧でのロシア脅威への対処を重視し始める中で、次第に関心が失われ始めていると懸念を示し、「数年前に本構想の議論が始まった当初は熱気を帯びた議論があったが、東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」と述べている
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東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」・・・だったんですねぇ・・・・残念です

2016年ごろは、ハリス司令官が何度も「南シナ海で陸軍火力に期待する」と発言していたのに、最近はさっぱりでしたし、新しいPhil Davidson太平洋軍司令官からもそのような発言が聞かれませんし・・・

まぁ、基本的に海軍演習であるRIMPACで、陸軍部隊に花を持たせる構成ですから、「Archipelagic Defense」構想もサバイバルしているとしておきましょう・・・

地上部隊にA2AD網を期待
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

笹川財団とクレピネビックレポート
https://www.spf.org/news/article_24179.html

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在韓米軍司令部が70㎞南へ移動完了 [Joint・統合参謀本部]

兵士28000名がソウル周辺から南下脱出
費用の9割を韓国支出のプロジェクト完成

koreasaihenn2.jpg6月29日、新しい在韓米軍司令部(兼ねて米韓連合司令部と国連軍司令部)ビルの開所式典が行われ従来の南北軍事境界線から30㎞しか離れていないソウルにあった在韓米軍の主要施設が、約70㎞南の「Camp Humphreys」を大幅拡充した新施設群に移動しました

この移転は、韓国内の各地に分散する多数の米軍施設を集約する「在韓米軍再編」施策として長年計画されてきたもので、図に示すように、在韓米軍約28000名を大きく二つの地域(Camp HumphreysとDaegu 地区)に集約するものです

元々、韓国勤務は米軍兵士に不人気で、その背景には「テレビドラマの影響で韓国が未だに泥道だらけと誤解している」とか、時に爆発する韓国の反米反米軍感情があります

usforceskoreahq.jpgそのため、2010年頃までは韓国勤務は1年交代で行われてきた経緯があり、今は欧州や日本並みの3年間になったようですが、今回Camp Humphreysには充実した住居や福利厚生施設が準備され、赴任先として人気のない現状打破を目指すものとなっています

トランプ政権が在韓米軍削減を打ち出すのでは・・・とのうわさも流れる中、Vincent Brooks在韓米軍司令官はその噂否定に懸命ですが、DMZから30㎞地点から100㎞地点まで南下ですから、大きく後退であることは真実です。

2日付Military.com記事によれば・・・
●6月29日の新司令部施設開所式でVincent Brooks在韓米軍司令官は、今回の移転が長年計画実行されてきた在韓米軍再編施策の一環であり、韓国政府との協議の基に、韓国からの多くの支援を得て行われていることを強調した
Brooks-pacam2.jpg●また、今回のソウル市内のYongsan garrison からの移転が、米国による朝鮮半島防衛コミットメントの削減につながるものではないとも強調した

●新しい司令部庁舎は約85億円をかけて建設され、元統合参謀本部議長で在韓米軍司令官経験者である故John Vessey陸軍大将にちなんで命名されている
●またCamp Humphreysへの10年間をかけた移転事業全体は、約1兆2000億円のプロジェクトであるが、その費用の9割を韓国が負担している点にBrooks司令官は開所式で改めて言及した

韓国大統領も開所式にメッセージを寄せ、「私の在韓米軍の皆さんへの信頼は無限大である。揺るぎない米韓連合の防衛体制への、皆さんの永続的な貢献をお願いする」と期待を述べている
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8年前の記事によれば・・・新施設は
●設計プランナーによれば、司令部施設のほか、ここは部隊訓練、整備及び物品保管の最新施設となる。
●建物は、これまでの米軍施設の経験を生かしたアイデアを取り入れたもので、嘉手納基地のPXや独訓練基地の施設も参考にしている。

korea3.jpgkorea2.jpg建物面積は現在の8倍になり、その規模はテキサス州フォートブリスの2倍以上になる。まるで一つの都市を建設しているようなものだ
独身者の部屋はベッドルームとシャワーは個人毎だが、リビングは共有する。
ショッピングエリアには、米国で生活するのと同じような品揃えを用意し、スポーツジムも「スーパージム」の名の通りの施設になる。家族のレクレイションエリアも今後検討して充実させる

日本の順調な???米軍再編と比較されないように祈ります・・・

関連の過去記事
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

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米空軍幹部:露製S-400対処には陸軍の協力を [Joint・統合参謀本部]

HOLMES4.JPG27日、米空軍戦闘コマンドのMike Holmes司令官が記者団との朝食会で講演し、トルコやサウジが購入を試みて話題の「F-35キラー」との異名を持つ防空ミサイルシステムS-400について、その長射程が懸念事項であり、対処には陸軍装備によるマルチドメイン対応も視野にあると語りました

種々のミサイルが搭載可能で、相当レベルの対ステルス性能を備え、ミサイルの射程が400㎞とも伝えられていることが、Holmes大将の懸念の大きな原因の一つのようです

S-400は1990年代から開発が始まり、2004年に開発が完了したと言われており、ロシア国内では弾道ミサイル対処用のミサイルが搭載可能なことから、首都モスクワ周辺の基地に配備されている模様です

S-400.jpg最近では、NATOに防空を大きく依存するトルコが、このS-400購入契約をロシアと結んだと報じられ、トルコへのF-35輸出取り消し法案が米国内で審議されるに至っていますが、既に中国が500億円の投資を行ったとか購入資金に充てたとの報道もあり、身近な兵器となりつつあります

米空軍戦力の育成と運用法確立を担う戦闘コマンド司令官の、S-400に対する認識を確認しておきましょう

S-400ni対する認識
●S-400の前身であるS-300と比較して、総合的な能力アップが図られている程度だと認識しているが、その射程延伸とセンサーの進歩には懸念を持っている
●懸念の一つは、延伸する射程により目標への接近が制約を受け、特に第4世代のアセットの場合、遠方から目標に対応しなければならなくなる点である

S-400-launch.jpg●これにより、空中給油機と行動を共にできる範囲や時間が短くなり、作戦行動判事や時間が制約され、作戦計画自体が息苦しくなる
●そのため、我々は活用できるすべてのツールを動員しする必要があるが、そのためにはツールを融合する必要がある

●その一環としてマルチドメイン作戦があり、米陸軍と共にS-400対処を検討しているところである。早く脅威に到達できれば、より効果的に作戦全体を進めることが出来るはずだ
●(陸軍の Long Range Precision Fires (LRPF) Missilesや長超音速ミサイルを念頭に置いているのか? との質問に対して細部には言及せず、)統合での取り組みである
我々には、ISR能力や指揮統制能力を投入する能力があり、長射程火力の投入も可能である

F-35をなるべく近づけたくない
Holmes55.jpg米本土内のF-35教育訓練基地に続き、次はアラスカに、そして欧州にF-35を配備する計画であるが、本音を言えばF-35をS-400の近くには配備したくない
●S-400の長射程とより能力向上したセンサーが気になるところである
●話は変わるが、既にF-35を実戦投入しているイスラエル空軍と、米空軍は試験演習や訓練を通じ情報共有を図っている。
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特に目新しい話があるわけではありませんが、ロシアや中国がS-400を東シナ海正面や極東ロシアに配備したら、F-35の運用を米軍はどのように考えるのでしょうか?

上海沿岸にS-400が配備されれば、東シナ海の半分はカバーされますし、ウラジオストック周辺に配備されれば、北海道に近いあたりまでカバーされそうな勢いです

米軍がS-400の「greater sensitivity of the sensors」を気にしてF-35の運用に制限をかけたような場合、我が「亡国のF-35」は、いかなる平時の運用を強いられるのでしょうか???
余計な心配であることを願いつつ・・・・

地上部隊とクロスドメイン
「海兵隊輸送艦からロケット弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-28-1
「再度陸軍に南シナ海で活躍期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「ハリス大将も南シナ海で陸軍に期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「射程300kmの対艦ミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1

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米軍の死者の7割は非戦闘中 [Joint・統合参謀本部]

不断からの安全教育や事故防止対策が重要です!

Death analysis.jpg1日、米議会調査局(CRS)が、2006年から2018年5月7日までの米軍の死者数15851名に関する統計を発表しました。

いろんな見方がありますが、一般の方にとって意外なのは、戦闘行為(その作戦行動に至る移動過程での発生も含む)に関するものは全体の28%で、それ以外は非戦闘行為による死者だということでしょう。

また、非戦闘行為による死者の14%、また死者全体に占める割合でも10%が「substance abuse:薬物乱用」による点も、米国社会の縮図というか、米兵の質を考える点でも興味深いデータです。

更に、自殺(Self-Inflicted death)が死者全体の22%以上を占め、非戦闘間の死者の3割を占める点も重い事実ですし、軽々にコメントの難しいデータですが、そんなデータがならぶ2ページのレポートです。

13日付Militarytimes.com記事によれば

戦闘行為中の死者の統計(4510名)
●統計期間中の死者の総計4510名は、25か国で発生しているが、9割以上はイラク(2177名)とアフガニスタン(1961名)で発生している
●また、死者の半数は簡易仕掛け爆弾IEDによるものである

イラクでの死者の半分はIEDによるが、それ以外の死者の38%は直接の戦闘行為に至る前の事故によるものである
アフガンでの死者の半数もIEDによるが、銃創や重いけがから死に至る割合も多く報告されている。また車両や航空機の事故による死者が8%をしめている点から交通環境の悪さも背景に考えられる

Death analysis2.jpg








非戦闘行為での死者(11341名)
●非戦闘時の死者の93%は米国内で発生してるが、発生場所は世界70か国に及んでいる
14%が薬物乱用に起因するものであり、16%が乗り物に関係する死者である。
2013年以降、航空機事故が急増しており、133名の死者を出している
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death ana2.jpg








統計はいろんな図表で紹介されていますので、皆様それぞれの視点でご覧ください

それにしても、12年間で戦闘行為に関する死者が4510名・・・。人口比を考えて日本に当てはめると、約1750名が亡くなる計算になります。

もちろん世界中で活動する米軍との比較は単純には困難ですが、この犠牲の重さを思わずにはいられません

2ページの資料は
https://fas.org/sgp/crs/natsec/IF10899.pdf

事故関連の統計資料
「米空軍死者の一番は自殺」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12-1
「米空軍2015年の事故統計」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-13

「ロシア空軍事故続発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-15
「米空軍事故増加警戒」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-05

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魚雷にも目標情報の途中注入を目指し [Joint・統合参謀本部]

ターゲティング情報の伝達手段は課題のようですが
とりあえず射程の延伸から・・・

Mark 48.jpg13日、米海軍研究室(ONR)がMark 48魚雷の射程延伸に向けた推進エンジン効率向上の契約を、 Aerojet Rocketdyne社と結んだと発表ししました。

射程延伸により、より遠方から、ロシアのdeep-diving潜水艦や最新艦艇を攻撃できる能力を強化することが狙いらしいですが、単にそれだけでなく、巡航ミサイルやSM-6のように、発射された後にネットワークから目標情報を入手し、より柔軟な遠方からの攻撃を可能にしたい「願望」が背景にあるようです

13日付DEfense-News記事は、(水中の魚雷への目標情報伝達を)「still has some issues」 と表現しつつ、一方で対応可能性があるような書きぶりですのでご紹介します

13日付DEfense-News記事によれば
Mark 48 3.jpg●13日、Aerojet Rocketdyne社は米海軍研究室と、Mark 48魚雷のエンジン効率向上のプロトタイプ作成契約を約3億円で結んだと発表した
●海軍が標準的に魚雷で使用している「Otto fuel propellant」を用いつつ、より大きな推進力を得るプロトタイプエンジン開発計画「Torpedo Advanced Propulsion System project」の契約である

●この契約に秘められた米海軍の願望を、CSBAのBryan Clark研究員は、敵から離れた遠方から攻撃可能とするだけでなく、「P-8哨戒機などの第3者から得られた目標情報を活用可能とする」狙いの一環であると解説している
Clark-CSBA.jpg●そして「魚雷の射程が50マイル以上になれば、魚雷発射潜水艦等は目標を補足し続けることはできない」と述べ、同時にそれだけ遠距離から発射すれば、発射時に敵から発見される可能性も低いとも語った

●また「潜水艦は30発程度の魚雷を搭載しているが、一般に潜水艦センサーが探知可能な範囲には、1~2個の目標しか存在しない」、「魚雷への遠隔ターゲティング技術が確立すれば、潜水艦を水中弾薬庫とすることができる」と米海軍の構想を語った
●この構想は、水上艦搭載のSM-6が、E-2DやF-35のセンサー情報を活用して飛来する敵航空機やミサイルを探知して対応するのと同じ考えかたである

●水上艦艇の構想を潜水艦に応用するには、幾つかの問題が残っているが、魚雷は発射されてから目標に到達するまでに時間があることから、米海軍は目標情報を魚雷に伝達するための対策をひねり出すだろうと、同研究員は述べている
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Mark 48 2.jpg魚雷への目標伝達の課題について原文は、「Navy will have to puzzle out how to relay targeting updates to the Mark 48 as it travels toward the enemy ship from so far away」と表現しており、勝算があるのか目算があるのかよくわかりませんが、期待いたしましょう

CSBAのBryan Clark研究員におかれては、久々の登場でした。お元気でしょうか

ロシア軍の核魚雷疑惑
「米NPRも露核魚雷に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13-1
「露が戦略核魚雷開発?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06

Bryan Clark研究員の関連記事
「大量同時ミサイル攻撃対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23
「疲弊する米海軍艦艇部隊へ対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22
「PGM対処とその活用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-24
「米の潜水艦優位が危機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13
「米海軍情報レポートに意見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-27

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UH-60ヘリの後継を狙うV-280 [Joint・統合参謀本部]

盛りすぎて中止の過去の悪夢に悩まされつつ

V-280.jpg18日、ヘリコプター製造大手のBell社が、米陸軍の中核輸送人員輸送&救命救助ヘリであるUH-60の後継を意識した、FVL(Future Vertical Lift)計画の技術実証機の一つであるV-280 Valorの機動性デモ試験を行います。

オスプレイのような「ティルローター型」であるV-280は、垂直離着陸性能とヘリの約2倍の移動速度を備えているのが特徴で、6か月前に既に初飛行を終え、最大性能発揮に向けた試験と開発が進められているところです

SB-1 V-280.jpg一方でもう一つの技術実証機に2014年に指定されたボーイングのSB-1は、ステルス形状を追及した通常型ヘリ(飛行実績なし)であり、異なる2つのタイプから一つを選択するのか、いつ選択するのかが不明のまま現在に至っており、500億円以上を既に投資したBell社は、契約なしでは開発継続は難しいと漏らし始めているようです

関係者は過去に、要求と装備を盛りすぎて高価すぎるヘリとなり、結局開発が中止された「Comanche attack helicopter」等の苦い経験を有しており、今回のFVLにも過去の悪夢が蘇る不安に襲われているようです

とりあえず既に初飛行を終えているティルローター型のV-280をご紹介します

15日付Military.com記事によれば
V-280 Valorは、兵装した12~14名の陸軍や海兵隊兵士を輸送できるティルローター機で、UH-60の約2倍の速度280ノットを目指して命名されている
●またUH-60の航続距離が320nmであったのに対し、400nmの航続距離を目指しており、今後数か月の試験の中で設計上の性能を、速度と共に実証する予定である

V-280 2.jpg●18日のデモ試験を前に、ベル副社長のJeff Schloesser退役少将は「多様な機動をお見せする。方向転換であり、ロールやピッチ機動あり、加速する様子も披露できるだろう」と語っていた
●同副社長はまた「年末までには、自動操縦機能も確認し、搭乗員が飛行そのものでなく、任務遂行により集中できるようにするための能力だ」と説明した

●一方で、FVL計画を米陸軍が今後どうするのかはっきりしておらず、同副社長も自社努力にも限界があるとし、「我々は既に多額の投資を行っており、陸軍と共に前進する準備もあるが、契約なしではこれ以上技術者等を専従させておくことは難しいと陸軍には伝えている」とも訴えた
SB-1 boeing.jpg●同副社長は、現役時代に陸軍航空部隊の担当部長を2度務めた経歴を持ち、ヘリ開発計画中止の後始末をした経験を持っているため、「昔の苦い経験を思い出さずにはいられない」と不安を口にした

●そして「将来の混乱に満ちた複雑な戦場や、中国やロシアの動向を見るに、速度と航続性能と生存性を兼ね備えた機体がぜひ必要だ」と訴えた
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両方の調達を追及し、お金が続かず両方とも中途半端な開発費と機数で現場に負担がかかる・・・・なんて結末は避けていただきたいものです

それにしても、V-280の横幅が広すぎて、前線では着陸場所確保に苦労するような気がしてなりません・・・素人考えですが・・・

SB-1の前身S-97関連記事
「新型特殊作戦ヘリ:S-97 Raider」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-04-1
「S-97の特徴」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-10

タグ:bell valor SB-1 V-280
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