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太平洋軍が対中で兵力配備再検討 [Joint・統合参謀本部]

第2列島線まで後退する新たな拠点模索?
南シナ海への「にらみ」とはいうけれど
PNGやミクロネシとは・・・

Davidson5.jpg12日、Davidson太平洋軍司令官が上院軍事委員会で証言し中国の軍事力強化や南シナ海の要塞化を踏まえ、北東アジアやグアム中心だった兵力配備やローテーションの再考を求められていると語りました。

この発言を踏まえ米軍事メディアが専門家の見方を紹介し、具体的にインドネシア、パプアニューギニア(PNG)、ミクロネシアなどに米軍の活動拠点を求め、中国とのつばぜり合いが発生している様子を伝えています。

南シナ海周辺を外まきに取り囲むと言われればそうかもしれませんが、中国のA2ADに対応し、または中国の軍事力強化に押し出され、第2列島線ラインまで後退を余儀なくされているように見えてしまうのですが、長らく対中国の米軍動向を取り上げていないので(米軍の動きが見えないので)、久々の話題としてご紹介しておきます

15日付Military.com記事によれば
Papua New Guinea.jpg●15日、上院軍事委員会で太平洋軍司令官は、対中国を見据え、新たな兵力前進配備場所や物資集積場所を検討していると語り、地域の同盟国や友好国と協議していると証言した
●そして同海軍大将は、「ここ最近数年のことでなく、数十年間にわたり、太平洋軍の基地や展開先は北東アジア地域に置かれてきた」、しかし地域情勢の急激な変化に対応するため「どこを拠点に作戦するか、どこに兵力をローテーション派遣するかの再検討を求められている」と語った

●太平洋軍は、韓国、日本、豪州、グアム島に兵力を駐留させローテーションしているが、専門家は、これら派遣戦力の増強だけでなく、これら地域以外に(又はこれら地域から)インドネシア、パプアニューギニア、ミクロネシアなどに間もなく戦力が展開されるだろうと語った
CSISのアジア太平洋部長Carl Baker氏は、「中国が米国と対等な競争者として台頭する中、アジアインド太平洋地域には新たな考え方が生まれており、北東アジアだけでなく、南東アジアからインド洋も含めた展開地域拡大検討が迫られている」と表現している

●Baker氏は背景として、中国の海軍やミサイル能力向上により、射程外の場所に米軍の拠点を探す必要が生じ、また中国の南シナ海の拠点化により、米軍地上部隊を「toward the ends of the South China Sea」に置く必要が出てきたと表現した

PNGやミクロネシアで
Manus.jpgヘリテイジ財団のDean Cheng上級研究員は、米中のつばぜり合いの一例として、パプアニューギニアのManus Islandに中国が海軍基地を建設しようと試みたが、米国と豪州が協力してこれをはねのけ、パプアニューギニアとのプロジェクトに乗り出した事例に言及した
●米軍はManus Islandの2か所の海軍施設を、WW2当時から重要な海上交通路をにらむ拠点として使用しているが、当時ペンス副大統領が「パプアニューギニアの島々の主権と海洋権益を守るため、豪州と協力する」と表明している

●Cheng上級研究員によれば、米軍が恒久的な軍事基地をアジア地域に新設することは難しい情勢なので、米軍は様々な演習を通じて地域の国々との相互運用性を向上して危機に備えることを考えている。特にグアムとパプアニューギニアをつなぐミクロネシアの島々で、危機に際しての「staging ground」としての利用を視野に置いている

Davidson太平洋軍司令官は上院軍事委員会で、「我々は南シナ海での劇的な変化の事実を受け止めなければならず、過去の繰り返しの様な対応でなく、新たなアプローチを求められている」と証言している
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Micronesia.jpg南シナ海の周辺国であるインドネシアで何が検討されているのか気になるところですが、記事には記述がありません。今後注意いたしましょう・・・

PNGやミクロネシアと言われると、太平洋戦争時の帝国陸海軍と米軍の攻防と、「飛び石作戦」を思い浮かべますが、米国の研究者は当時の資料を読み返しているのでしょうか・・・

南シナ海の人工島とその要塞化は実質完成してしまいましたので、新しい現実の中で考えざるを得ません。「なされるがまま」「相手の言いなり」で事態は進み・・・

A2AD中国軍事力関連の記事
「空母キラーDF-26の発射映像」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31
「射程1800㎞の砲を米陸軍に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「DIAが中国軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-17

「H-20初飛行間近?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-13
「イメージ映像:中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30

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新しい在日米軍司令官はアジア極東のベテラン [Joint・統合参謀本部]

前職は太平洋空軍と太平洋軍の参謀長
F-16操縦者で韓国と三沢勤務あり
多国籍操縦者教育部隊の隊長経験も

Schneider.jpg5日、米空軍横田基地で太平洋軍司令官Phil Davidson海軍大将と太平洋空軍司令官CQ Brown空軍大将の列席の元、新しい在日米軍司令官(兼ねて第5空軍司令官)の就任式典が行われ、昇任したばかりのKevin Schneider空軍中将が就任し、部隊の旗を Brown司令官から手渡されました

前任者の輸送機パイロットJerry Martinez中将は、33年間の空軍人としての勤務を終え、退役されるそうです。在日米軍司令官を最後に制服を脱ぐ方は珍しいですが、アジア経験が無く、在任中に米軍兵士や軍属の日本国内での犯罪が多く、また三沢のF-16が燃料タンクを基地近傍の池に投下して漁業被害を出し、基地の整備部隊がデタラメだとの調査結果が出るなど、事件事故が多かった厳しい勤務であったことは間違いありません

5日付米空軍協会web記事と公式バイオより

Schneider新司令官と主要な経歴
Schneider2.jpg1988年に空軍士官学校を卒業(防大32期相当か)後、F-16操縦者として最初の勤務地は韓国のOSAN基地で、次の任地が三沢基地で1995年12月まで勤務。戦闘機パイロットとして最初の5年間を極東に防衛にささげた
●その後は操縦技量と識見ともに優れた士官として、ネリス空軍基地のWeaponスクール教官パイロトを務め、またペンタゴンで少佐として空軍参謀総長の副官室勤務を経験する

飛行隊長は再び韓国駐留のF-16飛行隊で努め、その後、ドイツ勤務等を経て、同盟国操縦者の飛行教育を担当する航空団の司令官を経験する
統合職としては、中佐でJ-5の軍政関係担当を務め、空軍司令部では大佐で人的戦力管理部で将軍人事マネジメント課長を務める

●最近では、UAE内陸の米空軍戦力展開基地司令官、中央軍空軍の副司令官、太平洋空軍の参謀長、そして直前は太平洋軍の参謀長を2016年7月から努めている

5日の就任式典では
Davidson3.jpg●Davidson太平洋軍司令官は、「太平洋地域や日本周辺の課題について深く理解し、たぐいまれな能力を持った人物である」と新司令官を紹介し、
日米同盟について、70年以上に渡り地域安定の「cornerstone」であり、自由で開かれたインド太平洋のために心を同じくする国との協力で安全保障が確保されてきたし、太平洋軍の戦力発揮の信頼性は日本のような鍵となる同盟国との協力が不可欠だ、と述べた

●Schneider新司令官は、「この地域の平和と安全保障に対する明確な脅威を認識している」と述べ、「いかなる危機、脅威、災害に対しても、至短時間で対応できるような高いレベルの即応態勢を維持し無ければならない」と語った

Martinez.jpg●退役するMartinez前司令官に対し太平洋空軍司令官は、「彼が指揮した2年間は決して楽しい2年間ではなかった」、「事態は常に切迫しており、脅威は常に注視されなければならなかった」と労をねぎらった
●Martinez前司令官は、在日米軍司令官と第5空軍司令官として勤務できたことを誇りに思うとともに、「この素晴らしい日本という国で暮らすことが出来たことを、真に誇りに思う」と感謝の弁を述べた
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地域の情勢は言うに及ばず、韓国までが左旋回の度を強めるなか、ここは太平洋軍エリア経験が豊富で、直前まで上級司令部の参謀長を務めていた即戦力を投入し、風雲急を告げる極東の体制を安定させようとの狙いでしょう。

Trump8.jpgでもまぁその前に、同盟国との関係や、過去の経緯を無視しそうな最高指揮官(トランプ大統領)の如何なる思い付き行動にも、即応態勢でいる必要がありそうです。Schneider新司令官は・・・

そういえば米中東軍司令官は、トランプ大統領の米軍のシリア撤退発表について、事前に大統領から何の相談もなかったと上院軍事委員会で証言したようです・・・

Kevin Schneider新司令官の経歴
https://www.af.mil/About-Us/Biographies/Display/Article/108888/major-general-kevin-b-schneider/

関連の記事
「三沢F-16整備部隊はでたらめ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-22
「空自の那覇救難隊を表彰」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-19
「前任Martinez中将の経歴」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-07

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米陸軍が射程1000nmの「砲」開発へ [Joint・統合参謀本部]

昨年9月に担当将軍がちらりと言及
今度は陸軍長官が優先目標だとちらり発言

Esper Army.jpg24日、Mark Esper陸軍長官がペンタゴンで記者団と懇談し、射程1000nm(1864㎞)の「大砲:artillery cannon」の開発に取り組んでいることに改めて言及しました。

この1000nm大砲については、米陸軍内に新たに編成された「Army Futures Command」のJohn Murray司令官が昨年9月、下院の委員会で「Strategic Long Range Cannon」との名称で検討している(looking at)と言及し、超超音速兵器に並ぶ優先度だと表現したことから注目を集めたものです

地上火力への期待は、前の太平洋軍司令官(現駐韓米国大使)ハリス大将も、南シナ海等でA2ADを図る中国正面での必要性と重要性を繰り返し訴えてきたところですが、ここにきて、欧州正面でロシアが中距離弾道ミサイルを配備し、米国がINF全廃要約から脱退目前となる中、欧州正面でも必要性が高まっている背景があります

具体的な1000nm砲の性能や開発計画などは全く明らかになっていませんが南シナ海やロシアとの脅威に関する表現も交えて陸軍長官が言及していますので、時代の必要性が生む兵器の典型として取り上げておきます

24日付Military.com記事によれば
1000 miles Cannon2.jpg●24日、Mark Esper陸軍長官がペンタゴンで記者団と懇談し、この1000nm砲の必要性に疑問を持つ記者団に対し、戦略的または戦術的な長距離砲として他軍腫の支援任務にも活用できるし、米陸軍が正常にたどり着く前に目標や脅威のいくつかを排除して置くことも可能であると語った
●更に同長官は、「戦術レベルでは、我々は相手の火砲を射程や組織で凌駕する必要がある」、「槍が考案されたのは、刀を射程距離・攻撃可能範囲で上回るためだ」、「相手から反撃を受けずに、相手を攻撃できることを常に追求してきた」とも説明した

●また「これが射程延伸砲が我々に与えてくれるもので、ロシア軍と対峙した場合などで必要なものだ」、「空軍の第5世代機F-35が、第4世代機が侵攻する前に敵脅威を減らすため投入されるように、射程延伸砲が地上部隊の脅威を除去しておくのだ」とも記者団に語った
●加えて長官は、「米海軍艦隊が中国海軍アセットの脅威で南シナ海に立ち入れない場合でも、地上から(射程延長砲で)対応可能になる」との例も用いた。

1000 miles Cannon.jpg●なおこの「Strategic Long Range Cannon」に関しては、昨年9月13日、Army Futures CommandのJohn Murray司令官が下院で証言し、米陸軍の装備近代化の優先事項の一つで、新設のコマンドとして、必要に迫られているこのような技術をスムーズに獲得できるような懸命な手法を探求していると述べている
●そして「我がコマンドは、超超音速兵器を実現する事に懸命に取り組んでおり、また射程1000nmを想定しているStrategic Long Range Cannonについても検討している」と言及したが、同長射程砲を配備する時期等については何も語らなかった
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「Cannon」ですから「砲」ですが、射程1000nm(1852㎞)と言うと、東京から上海までの距離らしいです。

SouthChina-sea3.jpg第一列島戦から中国大陸が約900㎞の500nmですから、第一列島戦の倍の距離、南シナ海でいうと・・・フィリピンのマニラとベトナムの最短距離が1200㎞、バンコクからシンガポールが1500㎞くらいの感覚です

本当に実現可能なんでしょうか? 移動可能な大砲なんでしょうか? もしかして、ミサイルみたいな砲弾だったりして・・・

地上部隊にA2AD網を期待
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

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脆弱性議論を吹っ飛ばせ!米空母映像4つ [Joint・統合参謀本部]

新年の慌ただしさでお疲れの皆様に、お気楽映像記事です!

Smithonian.jpg昨年5月から米国のスミソニアン協会が、その脆弱性議論により存在意義が問われている米空母を映像で紹介する試みを開始しました。

同協会の関連webサイトを開くと、米空軍部隊等の紹介映像などを既に公開しており、一連のシリーズであることが伺えます。

18日付Military.comが、当該映像の紹介として短い4本の映像を掲載していますのでご紹介いたします。

CIWSの紹介と整備模様(1分半)
1分間に4500発の弾丸を発射し、空母に接近する敵やミサイルを阻止するCIWSを紹介


難しい空母への着艦(3分半)
お馴染みのスリルあふれる空母での離発着をご紹介


甲板下での弾薬組み立て(3分半)
JDAMをはじめとする弾薬組み立てクルーの活動を紹介


危険と背中合わせの飛行甲板勤務(2分)
EA-6Bエンジンへの整備員吸い込まれの衝撃映像など、危険な甲板作業の一端をご紹介

まぁ・・・だからといって空母の持つ脆弱性が克服されるわけではなく、大きな被害を受けるまで何の変化も起こらないのでしょうが、ぼんやりとご覧ください

米海軍空母関連
「空母群が温故知新訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-25
「べ戦争後初:米空母ベトナム訪問へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24
「空母艦載給油機のRFP発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「映像で学ぶ:米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25

最新フォード級の話題
「艦載機燃料タンクの振動問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
「空母フォード:3年遅れで米海軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-03
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20

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米海軍F-35CがIOCに向け最終段階 [Joint・統合参謀本部]

年末年始のため、12月29日から1月6日の間の更新は、「忘れたころ(不定期)」になります。
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2019年2月にIOC、空母配備は2021年カールビンソン予定

F-35C Landing2.jpg12日、米海軍で最初に空母艦載用F-35C飛行隊としてIOC(初期運用態勢確立)を来年宣言する予定の第147攻撃戦闘飛行隊(VFA-147)がIOCに向けた最後の資格「SFFOC:safe-for-flight operations certification」を獲得したと米海軍が発表しました

このVFA-147は、2019年2月にIOCを宣言することを目指して準備や訓練を続けており、その後実際に空母に配備され作戦投入可能になるのは空母カールビンソンに2021年を計画されているようです。元々は2018年8月にIOC予定が、遅れて来年2月になったものですが・・・

Winter3.jpgF-35の型式別のIOCは海兵隊用B型が2015年7月で最も早く、次いで空軍用のA型が2016年8月、そして最後が海軍及び海兵隊用C型で2019年2月の予定となっています。

元々米海軍は、成熟度の高い「ソフト3F」を待ってIOCに向かうという方針で一貫しており、中東作戦でのFA-16酷使による稼働率低下でも決して急ごうとはしませんでしたむしろFA-18を追加購入する決断で「F-35リスク回避」の動きまで見せています

米海軍が約260機、海兵隊が約65機調達予定のC型ですが、着艦誘導装置の制度が素晴らしく、着陸失敗率が激減していることで搭載燃料に余裕ができ、作戦行動の余裕、緊急給油用FA-18の削減など、空母艦載機の運用改善に大きなインパクトを与える可能性を秘めています

13日付Military.com記事によれば
Winter2.jpgSFFOCの最低要求事項には、飛行隊保有機の少なくとも30%を保管している(physical custody)のほか、ネットワーク設備の完備や自動兵たん情報システムALISなどの情報システムの完備が求められる
更にSFFOCには、飛行隊所属兵士が高いレベルで兵器や安全管理チェックを自ら行って維持することが求められる

●米海軍の発表によれば、SFFOCはIOCに向けた最後のステップであり、当該飛行隊が飛行隊の運用を支える必要な資格を持った人員により、整備作業と安全プログラムを遂行する体制が出来たことが認められたことを意味する
●同飛行隊長は「我が飛行隊はSFFOCを達成して2018年を終えることが出来たが、今後も休むことなく求められる任務体制確立に突き進んでいく」、「この資格獲得をもって、我が飛行隊が正しい技能と訓練、そして任務を遂行できる人材を備えた部隊であることを内外に発表したい」とコメントを寄せている

F-35C部隊に関する最近の話題は、米空軍エグリン基地に所在して運用開始の準備を進めていた米海軍F-35部隊が同空軍基地を引き払い、VFA-147飛行隊が所属するNaval Air Station Lemoore(カリフォルニア州)に移転し、西海岸に運用を集中することである
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F-35-Face.jpg米海軍はF-35Cの調達機数を予定の260機よりも抑え、FA-18の次には、現在要求性能を固めつつある次期艦載機を中心に据えたいのでは・・・と言われています

調達機数を理屈をこねて押さえなくても、予算削減で調達が進まない、又は長期にわたることは十分に予想されます。その間をFA-18の追加購入でつないでいるうちに・・・FA-Xが搭登場し・・・

F-35Cの着艦精度向上による空母運用の変化にも注目です

F-35C関連の記事
「米海軍F-35のIOCは最低半年遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-2
「道遠しNIFC-CAの状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「F-35CとFA-18性能比較指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-29
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18とEA-18Gにも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09
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次の米軍人トップは陸軍から [Joint・統合参謀本部]

またもや空軍人は嫌われました
宇宙軍創設への「面従腹背」が原因か?

Milley2.jpg8日、トランプ大統領は伝統の陸軍士官学校VS海軍士官学校アメフト対抗戦で次の統合参謀本部議長に現在の陸軍参謀総長Mark Milley大将を推薦すると発表しました。通常は年明けに発表する様ですが、今回はなぜか早まっています

金曜日の時点で記者団に、「試合での先行チームを決めるcoin tossを、現在のDunford統合参謀本部の議長と「後任者」を伴って行う」と語り下馬評の高かった空軍参謀総長David Goldfein大将ではなく、陸軍か海軍人だと示唆していました

海軍トップのJohn Richardson大将は間もなく退役と言われていたことから、米メディアは一斉に「次の統合参謀本部議長はMark Milley陸軍大将だ」と7日時点で速報していたところでした

各種報道によれば11月に大統領とマティス国防長官とDunfrd現議長が候補者であるMilley陸軍大将とGoldfein空軍大将に面談した際、国防長官とDunford議長は空軍大将を押したそうで、下馬評でも空軍大将が断然有利と言われていたのですが、トランプ大統領はMilley陸軍大将を気に入った(兼ねてから良い関係だったとの記事も)ということです

Goldfein1-1.jpgマティス国防長官とDunford議長がGoldfein空軍大将を推薦したのは、陸海空海兵隊軍人が「偏りなく」兵員比に応じて順番に米軍人トップを務めてきた背景と、2005年退役のマイヤーズ空軍大将以来長期間空軍が同ポストについていないこともありましょうが、戦いの様相が航空宇宙やミサイルやサイバー重視になり、その中で指揮統制C2の中核を果たすのが空軍であることや宇宙軍創設の動きも強く関係していると考えられます

しかしトランプ大統領はMilley陸軍大将を選びました。カリスマ性のある人物として知られるMilley陸軍参謀総長に感じるものがあったのか、はたまた大統領が命じた宇宙軍創設に「面従腹背」感が漂う空軍幹部に不信感を持っているのか、空軍人に弱弱しさを感じたのか・・・その辺りは現時点で不明です

Goldfein112.jpgそれにしても、またもや米空軍人は嫌われました。現在の議長が19代目で、歴代では陸軍9名、海軍と空軍が4名、海兵隊が2名の配分で努めており、兵員数比率で考えると「美しい調和」を見せていますが、少なくともまんぐーすの知るここ10年間ほどは、空軍幹部の評価には厳しいものがあります

戦闘機にばかり拘る戦闘機パイロット出身がほとんどの米空軍参謀総長は、視野が狭くて統合参謀本部議長には不適とまで囁かれています。これで前回のマイヤーズ空軍大将後、5代の議長が空軍以外となります

どうやら、技術開発や戦力造成を主に掌握する副議長にはPaul Selva空軍大将以降も空軍大将が就任する方向で、有力候補がHyten戦略コマンド司令官(前空軍宇宙コマンド司令官)の様ですが、重要な分野なのにポストは与えられない情けない状況が、来年秋以降も最低2年間は続きます。

以下、次期議長候補のMark Milley陸軍大将をご紹介
Milley4.jpgボストン近郊の出身で1980年プリンストン大学出身。熱烈なMLBレッドソックスのファン。歩兵部隊士官としてキャリアをスタートするも特殊部隊指揮官を務めた経験もあり、パナマ侵攻、ボスニア紛争、イラク戦争で現場指揮をとっている
●最近では米陸軍戦闘コマンド司令官、アフガン駐留米軍の副司令官、第82空挺師団長、第5特殊作戦群司令官などを経験し、2015年8月に一般には「サプライズ」と言われながら陸軍参謀総長に就任した

Milley5.jpg誰にでも率直な意見を述べることで知られ、2017年に下院軍事委員会で予算決定が議会で遅れている状況を正面から非難し、議会を「professional malpractice:悪習慣のプロ集団」と揶揄して驚かせた
統合参謀本部では作戦幕僚として勤務経験があり、また国防省では国防長官の軍事補佐官のポストも経験している
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2019年は米軍主要指揮官の交代が相次ぎます

海軍人トップの作戦部長John Richardson大将、海兵隊司令官のRobert Neller大将、統合参謀副議長のPaul Selva空軍大将、そして陸軍参謀総長も後任者が指名されます

ただし、空軍参謀総長のGoldfein大将だけは、2020年夏までは現職で頑張るようです

Mark Milley陸軍大将の公式経歴
https://dod.defense.gov/About/Biographies/Biography-View/article/614392/general-mark-a-milley/

関連の記事
「次の米軍人トップは空軍から?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-21
「ダンフォード噂の記事」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02
「デンプシー大将の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-13

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戦略コマンド司令官がトランプと民主党にジャブ [Joint・統合参謀本部]

さすがに聡明で著名なHyten司令官
策の無いトランプと下院を制した民主党にチクリと

Hyten SASC.jpg14日、ハーバード大学での「核抑止は死んだ」と題するイベントで講演した米戦略コマンド司令官John Hyten空軍大将は、恐らくトランプ大統領による予算カットを皮肉りつつ、敵に核弾頭を削減させるよう誘導することが予算削減の上策だと語り、更に下院を制した民主党による軍事委員会や核兵器近代化に反対する議員をけん制しました

軍人としての両分をわきまえつつ大軍拡や核兵器増強を訴えておきながら、舌の根も乾かぬうちに軍事予算を含む国家予算のカットに踏み出したトランプ大統領の支離滅裂で日和見な姿勢を精一杯に限度ギリギリで批判し、残った時間で下院を制した民主党の核兵器近代化に批判的な姿勢をけん制する絶妙なセンスを感じさせる聡明なHyten司令官のお姿です

この時代に米軍人として生きることは、苦々しく苦渋に満ちたものでしょうが、そんなことを感じさせない淡々とした中に、さらりとぐっさり訴えるその様子に軍人の意地を感じましたので取り上げます。考えすぎでしょうか・・・

15日付Military.com記事によれば
Hyten7.jpg●Hyen戦略コマンド司令官はケネディースクールで開催された「Nuclear Deterrence is Dead, Long Live Nuclear Deterrence」とのイベントで講演し、米軍核兵器の近代化を、経費を削減しコストカットも見据えながら進めるには、相手が核兵器削減するように仕向けることだ表現した
●そして「どうしたら我の経費削減が可能か? ロシアと交渉のテーブルに着き、今の1550発上限ではだめで、1400発に削減しようと協議することだ」、「米国の外交官が交渉を行う気があれば、国防省から分析データを提供することが可能だ」と語った

●また「米国が経費を削減したいのなら、敵の脅威を変えるしかない。我が国のセキュリティーを下げてはだめで、相手からの脅威を変化させるよう仕向けることだ」と表現した
●そして脅威を緩和するもう一つの道は、2011年締結で2021年まで有効な、核弾頭を1550発上限に制限するSTART条約を維持することであるとも語った

しかしトランプ政権は、INF制限条約廃止を打ち出し、START条約までもどうなるか不透明な状況にある。
●それでもHyten司令官は、「私は核兵器を制限している条約が好きだ」と述べ、「核兵器保有国と交渉するなら、全てが議論の対象になるべきである。我々が保有するものすべてが議論のテーブル上にあるべきだ」と訴えた

●また同司令官は、条約を米露双方が順守しているかを堅守するため、両国の代表者が相手基地を訪問して条約履行状況を査察する様子を見てきたと述べ、
私は我の能力を相手に見られても気にしない。相手が我が国の様子を見て何を感じようとも気にしない。また相手の能力を把握する我の能力に変化が無くても気にしない。奇襲やサプライズを防いでくれるなら、軍備管理は良いことなのだ、とその意義を訴えた

下院で過半数を確保した民主党に関し
Hyten5.jpg核兵器が全廃されるべきだと言うつもりはない。他国を抑止するために、米国は核兵器を自身で保有しなければならない、と語った
●そして新しい下院軍事委員長に民主党のスミス議員が就任したら、1年前に彼に話したことを繰り返し語るだろう。それは、現在世界にあるいかなる脅威にも対応するため、我々は戦力を保持する必要があると述べた

そのためには核兵器の3本柱が必要で、核ミサイルを地上と空中と潜水艦から発射できる必要がある。さもなければ米国の対応能力を保証できないそのために必要な投資を求めていると訴えた
●更に、核兵器の近代化の必要性を最初に認めたのは、民主党のオバマ大統領だと強調し、米国生存のために必要な措置だと表現した
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Hyten.jpgロシアと対立しているだけでなく交渉の場も重要だ、INFやSTART条約を疎かにするのは愚策だ、予算を削減すると策なく強要するのは具策だと、トランプ大統領の政策に異を唱える軍人として精一杯の勇気ある発言でした。もしかしたら、もう退役時期が決まっているのかも・・・とふと思いました

残念ながら下院では、核態勢見直しNPRやそこで提起された低出力核兵器などの政策を「悪い核兵器政策」を批判が始まっているようです。
前出のスミス下院軍事委員会委員長や複数の有力民主党下院議員が、潜水艦発射型の「W76-2」核弾頭などに厳しい視線を向け、新たな軍備拡大競争に向かっていると批判しています

また「先制不使用法」や大統領の核兵器発射権限の法案導入を準備している議員もいるようで、「全力で戦う」と鼻息を荒くしているとも伝えられています。ねじれ議会は難しそうですね・・・
そして軍人には我慢の時代が訪れるわけです・・・

米国核兵器を巡る動向
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

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米国防省の秘密情報予算が急増中 [Joint・統合参謀本部]

NSSが言う「great power competition」対策か

intelligence milit5.jpg10月31日付米空軍協会web記事が、米国防省の軍事情報予算(classified intelligence programsとかblack programs呼ばれる)が911同時多発テロでイスラム過激派への情報活動が一挙に活発化した2011年以来の規模になりつつあると報じています

9月末には発表された米国と国防省のサイバー戦略でも、米国や米軍にサイバー攻撃を仕掛けた犯人特定と、それに基づく対処を重視する姿勢を強調しており、結果として犯人特定のための膨大な関連情報入手が必要になります

intelligence milit.jpgなんと言っても新しい国家安全保障戦略NSS(National Security Strategy)が大国間の争い(great power competition)への対応を重視する時代ですから、宇宙ドメインで言えば怪しげな動きを見せるロシア衛星の追跡、中国やロシアによる超超音速兵器の開発状況に留まらず、あらゆる新型兵器開発や部隊展開状況、演習訓練の状況など、情報活動の範囲は拡大の一途なのでしょう

金額だけの紹介で、重視分野や新たな情報技術開発プログラムなどには触れておらず残念ですが、秘密で当然の軍事情報予算(classified intelligence programs又はblack programs)ですから致し方ないでしょう。

10月31日付米空軍協会web記事によれば
intelligence milit3.jpg●米国の2018予算年度での細部が秘密の軍事情報予算が、2017年度予算から4000億円以上増加し、2.4兆円以上となった。
この規模は、当初予算計画から1500億円以上追加された数字で、かつ、同時多発テロで戦時体制に突入した2011年の2.7兆円規模に迫る急増ぶりである

●また特筆すべきは、もし追加で予算が認められたら追加したい項目「unfunded priorities」の計1600億円リストのトップに、これまで常連だったF-35戦闘機などの装備品でなく、軍事情報予算が900億円規模で掲載されていることである
●10月22日の週にダンフォード統合参謀本部議長が記者団に、「我が国の安全保障上の優越は、時間の経過とともに浸食され失われつつあり、対応が求められている」と訴えていたところである

intelligence milit2.jpg●同議長はその際、戦いの様相は急激に変化しており、将来の戦いは地域やドメインやまたぐもので、複数の地域戦闘コマンドの領域を巻き込むものとなるであろうと語り、その変化に対応するために米軍も変化し続けなければならないと述べた

●そしてダンフォード大将は、私が海兵隊に入隊した1977年当時の装備は、恐らくWW2を戦った兵士にも馴染みのあるものだったに違いないが、今少尉に任官する若手士官が目にする部隊の戦術や手順は、2000年当時の同部隊が用いていたものとは全く違うだろう
過去16-17年間で変化しなかったものは無いと言える、と同議長は記者団に語っている
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細部については不明ですが、それでも本気さを感じるのは、もし追加で予算が認められたら追加したい項目リスト「unfunded priorities list」のトップに、これまで常連だった戦闘機などの装備品でなく、軍事情報予算がリストアップされていることです

トランプ政権の2020年度予算5%カット指示が、どのような影響を軍事情報予算に影響するのか気になるところですが老朽化する装備品の維持や新規装備開発とのバランスをどうするかは、この予算の位置づけを見るバロメータとなるでしょう

今後、小出しに、また断片的にこの軍事情報予算が語られる事もあるでしょうから、その時の参考になればとご紹介しました

情報活動関連の記事
「サイバー予算の9割は攻撃用?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「米空軍ISRロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-3
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1
「DIA長官がNKと中国を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21

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5つの視点と映像で:米海軍特殊部隊SEALS [Joint・統合参謀本部]

久々の「5 Things You Don’t Know About」シリーズです

SEALS2.jpg5つの視点と映像で軍事関連をご紹介するMilitary.comのオリジナル映像シリーズから海軍特殊部隊SEALSを取り上げます。

米海軍の特殊部隊ですが、その名称はアザラシ(英: seal)に掛けた発声ですが、SEがSEA(海)、AがAIR(空)、LがLAND(陸)と、陸海空のアルファベットの頭文字から取られており、その名の通り陸海空問わずに偵察、監視、不正規戦等の特殊作戦に対応出来る能力を保有し、実際イラクからアフガン、アフリカなど広範に陸上で活動しているようです

WW2で活躍した水中工作部隊を前進とし、現在の形はベトナム戦争時にベトコン掃討を目的として1962年1月に結成されたようです。米軍内にある各種特殊部隊の中で最も歴史のある特殊部隊です

高度な水泳と潜水スキルを持ち、危機的状況で水中に逃げることを得意とするが、パラシュート降下訓練も必須で、空から地上へ、また空から海上への展開能力も備えています。皆さんも名前を一度は耳にしたことがあるであろうSEALsを5つの視点でご紹介です



1 ISSの初代船長はSEALs出身者
ISS(国際宇宙ステーション)の最初の長期宇宙滞在ミッションで、初代の船長を務めた人物はパイロット出身でないSEALs隊員だった
●1984年にパイロットでない初の宇宙飛行士に選抜されたシェパード氏は、数回の宇宙飛行を経験したのち、2000年10月から約1年間のISS滞在クルー3名のリーダーに選ばれ、任務を完遂した
●宇宙飛行士採用の面接で特技を問われ、「ナイフで人を殺すこと」と答えたと伝えられている

2 入隊希望者がSEALsになれる確率は
●入隊希望者は、米軍の中でもっとも過酷とされる基礎水中爆破訓練(Basic Underwater Demolition SEAL:通称BUD/S)を経なければならない。
約6ヶ月の訓練過程を耐えぬくことができるのは入隊志願者の2割程度と言われている。

3 SEALS訓練を開始しても実戦参加には2.5年以上
SEALS3.jpg●上記のBUD/S訓練を通過しても、その後に空挺降下パラシュート訓練、戦闘技術訓練(通信技術や舟艇操縦技術、近接戦闘、狙撃など)、そして寒冷地極地訓練を行う必要があり、その期間は約1.5年である
●これら共通の訓練を終えて前線SEALS部隊に配備されて以降、約1年間の各部隊任務への適合訓練期間を経て、やっと実戦参加のレベルに達したと見なされるのが一般的

4 SEALS兵士は2500名程度
米海軍は約26万人で構成されているが、SEALSは2500名程度で全体の1%以下である
●SEALSは、担当当地域を割り当てられた8つのチームと、SEALSを特殊な方法で輸送する2つのチームで構成される

5 27箇所を打たれても任務完遂のSEALも
●2007年4月、対アルカイダ作戦のためイラクのペルージャで活動していたあるSEALS兵士は、敵の活動拠点である建物の掃討作戦に臨んだ
●伏せて待ち伏せていた敵の攻撃を受け、腕や足に16発、防弾チョッキに11発の銃弾を受けたが、建物カラ艇を排除することに成功、その後救命ヘリで帰還した
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SEALS.jpg中国やロシアとのハイエンド紛争への備えの重要性が叫ばれる中ですが、グレーゾーンでのつばぜり合いが減少するとは考えにくく、特殊部隊への需要が衰えることはないでしょう

むしろ、地上部隊の普通部隊を削減しても、地上部隊の特殊部隊化を推進すべきとの米議会や専門家の声が強くなっている気がします

「ナイフで人を・・」の話題がありましたが、世界の特殊部隊員は、あいさつ代わりにこの手法を互いに披露して盛り上がるそうです・・・。あのアーミテージさんなんかもそうらしいですよ・・・

映像で5つの視点から学ぶ
「A-10攻撃機を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10-1
「米空軍パイロット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-05-1
「カモフラージュ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-16
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05

「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

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13年ぶりに米陸軍が新兵募集目標未達 [Joint・統合参謀本部]

約1割不足、海空軍と海兵隊は目標達成も

Wiltsie4.jpg9月21日付Military.comは、9月末で区切りとなる2018年度の新兵採用において、米陸軍が2005年以来初めて目標数を達成できなかったと報じ、好調な米国経済を受けた民間企業との人材獲得競争の激化、適性検査通過者の減少、募集活動の困難化などの背景を紹介しています

米陸軍は2018年度の採用数目標として、当初は80000名を掲げ、その後退職者が少なかったため76500名まで目標を下げましたが、最終的には70000名しか採用できず、6500名が未達成となったようです

経済好調で兵士募集が困難になるとの予想の元、米陸軍は約250億円の追加ボーナス支給施策などを打ったようですが、それでも約10%目標に及ばなかったとのことです。
いずれの西側諸国も直面する新規採用困難の話ですので、何ら参考までご紹介しておきます

9月21日付Military.com記事によれば
airborne ope2.jpg●米陸軍の採用業務責任者であるJoe Calloway少将は、数千人の入隊希望者が適性検査や基準を満たすことができず、入隊を断念してもらったと状況を説明した。
●また背景として、米国民の17~24歳の若者でこれら基準を満たすのは約30%と言われている現実を説明し、更に軍隊に興味がある若者は8名の中の1名しかいない厳しい現実も明らかにした

●別の背景として、通常の年度であれば3-5000名程度を採用する採用活動が活発化する卒業式シーズンから9月末までの年度末3か月間に、採用基準を満たさない対象者のために基準を緩和する「waivers制度」を問題視する議会議論があり、基準緩和を控えたことで採用活動の追い込みが出来なかったことも目標未達の原因となっている
麻薬使用歴や非行歴、また健康身体的な問題の審査基準緩和はイラクやアフガン戦争が最盛期だった時期にも行われたが、結果として軍内の規律の乱れや犯罪の増加に繋がったとの見方が米議会では強く、基準緩和が批判の対象となったのである

EW2.jpg入隊希望者やその家族と、軍の募集担当者との接し方も新たな時代を迎えている。従来は軍入隊に関心を持つ若者の情報を得たら、採用担当者はまず電話で接触を図るのが通常だったが、オンライン時代の現代では、「まず電話」手法が歓迎されくなっている
●現在では、募集担当者はまずメールやwebサイト経由で対象者との初度接触を採り、対象者の信頼を得た後に電話や面談等の段階に進む流れが主流となりつつある。

若者層の3割まで減少している基準範囲の対象者に、アプローチする手法にも軍の募集担当者は知恵を絞っている。フェイスブックやツイッターなどのSNSは一般的な手段であるが、更なる手法にも取り組んでいる
最近の試みでは、スポーツ大会やオンラインゲーム大会に募集担当者チームが戦闘服姿で参加し、軍での生活や仕事をアピールするなどを試みており、著名なオンラインゲーム大会で司会役を務め、240万人に約1時間アピールする時間を確保したケースもある

US Army5.jpg陸軍のパラシュートチームを各種イベントに参加させ、陸軍の存在をアピールする手段も一つの手段である。
オンラインの手段の有効性について確たる統計的裏付けがあるわけではないが、募集担当者が若者と接触する機会を得る手段としては有効で不可欠な手段と考えている。まずは会って話をし、軍生活を紹介することが今も昔も重要なステップだからである
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「waivers制度」と言われる、麻薬使用歴や非行歴、また健康身体的な問題の審査基準緩和は、募集担当者のみならず、軍全体にとって永遠の課題でしょう。

US Army.jpg記事は、「waivers制度」の運用について米軍は繰り返し過ちを犯してきたと表現しており、実態としては、わかっちゃいるけど他に選択肢はない・・・が現状でしょう。

身近に国防に携わる人や経験者がいないと、国存立の基盤を支える仕事への認識が薄れ、国家の存在を危うくします。SNSでも、メディアでも、何でも活用する姿勢が必要でしょう

募集難関連の記事
「入れ墨規制緩和へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-12
「市民と軍の分断を埋めること」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「禁じ手:幕僚勤務無しのP募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「サイバー人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03

ロバート・ゲーツ語録86
→徴兵制で冷戦時に米軍は世界最大規模となった。この規模拡大により、当時は多くの有望な若者が軍務の経験をした。1957年にはプリンストン大出身者が4万人軍務に付いており、ハーバード大にも700人規模のROTC制度が→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

ロバート・ゲーツ語録87
→このため、冷戦終了時で全米の学生の約4割が両親や身近な親戚に軍務経験者を有していたが、現在ではその比率は18%に低下、近い将来1割以下になるのは確実である→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

ロバート・ゲーツ語録88
米国の北西部、西海岸や大都市近郊は志願者が減少している。これら地域で大きな基地の閉鎖再編が進んでいることも一因であるが、同時に軍務のような国家の仕事が他人事にと考えられる風潮が背景にある→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

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米海軍トップ:グレーゾーンでの戦いに備えよ [Joint・統合参謀本部]

日本ではよく聞く「グレーゾーン」ですが
米海軍幹部の口から聞くのは初めてかも・・・

Richardson8.jpg5日、米海軍人トップのRichardson海軍大将がDefense News主催のイベントで講演し本格紛争に至る前のグレーゾーン段階(areas short of open warfare)での対応の重要性を強調し、米海軍は全ての段階の紛争において勝利しなければならないと語りました

米軍は中東やアフガンでの対テロ戦争を15年以上継続しており、今更何で・・・と思いながら読むと、Richardson大将の頭にあるのは、南シナ海やバルト海や黒海での、中国やロシア相手の「gray war」であることが分かりました

米軍は、長期に及ぶ対テロ対処作戦の結果、本格紛争への備えが疎かになっているとの大きな危機感を持ち、兵士に発想の転換を訴えているところですが、今頃になってグレーゾーンの重要性にも指導層が気づいて訴えるようになって来たということでしょうか・・・

5日付Defense-News記事によれば
maritime militia2.jpg●Richardson海軍大将は、紛争は初期の競争段階から全面的な武力対決までのすべてのスペクトラムで見る必要があり、米海軍はそのすべての段階で十分な体制でなければならないと強調した
●特に、本格紛争の前段階の「areas short of open warfare」でも大国に対応できなければならないと訴えた

●具体的には中国とロシアを取り上げ、中国の南シナ海での活動と、ロシアの東欧や黒海周辺でのハラスメント行為に言及し、中露それぞれが自国内で政治的ポイントを稼ぐ行為だとも表現した
●そして、「gray war」とか「competition below the level of conflict」とか「short of open warfare」と言われる競争から全面紛争に至る過程のスペクトラムへの取り組みが、勝利へのカギとなり、単に競争力があるレベルでは不十分であり、相手に先んじる必要があると訴えた

maritime militia.jpg●また、現実には紛争のあらゆるスペクトラムを行ったり来たりすることことがあるが、ハイエンド紛争能力で相手に先んじることが、(グレーゾーンでの)エスカレーション緩和を確かなものにするので、米海軍は海から宇宙そしてサイバー空間でも先んじることを追求しなければならない
●ただ、我々は時に中国のローエンド戦術によって窮地に置かれることがある。例えば、中国が海軍艦艇でなく海警(中国の沿岸警備隊)艦艇を用いて領海主張を行い、我が海軍駆逐艦等で対応せざるを得ない場合である。中国は我々の行為を侵略者として指摘するような状況である

●これは長期にわたる競争的争いだと肝に銘じるべきである。終わりのあるゲームではなく、終わりなきゲームだと考えるべきだろう。
●そうなれば継続可能性や維持可能性が重要となってくるが、過重負担(Overextension)で対処しようとしてはいけない。過度な負荷や限度を超えた任務の拡大は、自己破滅への道だからである
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Richardson.jpgだからこそ、現在の300隻を切る米海軍の状態から、355隻体制を構築しなければならない・・・とRichardson海軍大将は言いたいのかもしれませんが、「long-term competition」とか「an infinite game」などの表現で、その特性を訴えています

直接の表現ではないようですが、「The Navy has at times been stymied by China’s low-end tactics:我々は時に中国のローエンド戦術によって窮地に置かれる」と趣旨の発言をしているということは、「航行の自由作戦」が限界に直面している証左でしょう

トランプ大統領の下で、高級将校としてマトモナ精神状態を維持するのは極めて困難かと思いますが、頑張って頂きたい・・・ただただそう思います・・・

Richardson海軍大将の関連
「文書「将来の海軍」発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18
「曖昧な用語A2ADは使用禁止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-04
「同大将の初海外は日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-25
「海軍内では信頼薄い!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14

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艦載無人給油機MQ-25はボーイングへ [Joint・統合参謀本部]

米空軍KC-46に続き、海軍給油機も・・・

MQ-25 b.jpg8月末の各種報道で、米海軍初の無人艦載機で空中給油機のMQ-25製造企業が、企業選定の結果ボーイング社に決定と報じられました。

約900億円の契約はMQ-25の設計開発と試験及び最初の4機の価格が含まれたもので、6年後の2024年に初期運用態勢を達成する計画の下に結ばれます。そして総経費約1.5兆円で72機のMQ-25を導入する全体像の計画です

この企業選定は、最終的なRFPが2017年10月に発出され、「Lockheed Martin」、「Boeing」、「Northrop Grumman」、「General Atomics」の4企業に提示されていたものですが、RFPを見たNorthrop Grummanは同年10月末に撤退を表明し、3者による争いとなっていました

MQ-25 B2.jpg撤退したNorthrop Grummanは、艦載無人機技術のデモ機X-47Bを開発製造して成功させた企業で、その撤退は衝撃のニュースとなりましたが、同社は無人艦載機を突破型の攻撃偵察機として「flying wings」型で開発してきた経緯があり、米海軍が2016年に開発構想を給油任務に絞る事に変更し、コスト削減を重視する方向に転換した時点で勝ち目無しと判断したといわれています

同じく「flying wings」タイプを提案していたロッキード社も、様々な拡張性を求めるRFPからして勝ち目はないと見られており、事実上はBoeingとGeneral Atomics提案の「wing-body-tail」タイプの争いとも予想されていたところです

結果としてボーイングは、米空軍の次期給油機KC-46Aと海軍の給油機を共に担うことになり、米軍の空中給油機を全て担当することになることから、空軍のKC-46Aの次のKC-Zと呼ばれる無人給油機もボーイングに行く流れでは・・・とか、いろいろな憶測も流れていますが、そんな報道をご紹介します

8月末の各種報道によれば
MQ-25 b5.jpg米海軍トップのJohn Richardson海軍大将は、「選定結果を発表するこの日は、振り返ったときに歴史的な日と認識されることになろう」、「作戦運用面で見れば、無人機と有人機の融合により、作戦機の行動範囲を拡大し、かつFA-18にのしかかっている給油任務を軽減することになる」と意義を語った

●米海軍は具体的な要求事項をほとんど明らかにしていないが、MQ-25 Stingrayは空母から500nm離れた場所で、14000ポンドの給油が可能な性能が求められることになる
●現在FA-18の戦闘行動半径は約450nmであるが、MQ-25 の導入によりこの距離を追加で300~400nm延伸することが可能となる計算になり、700nmを超える行動半径を獲得することになる

MQ-25 b3.jpg●専門家は、米海軍が突破型の攻撃偵察機構想から低コスト給油機に考え方を変えたことから生じた結果だと見ており、「ボーイングはコストに重点を置いて最初から取り組んでおり、FA-18部品の流用や、米空軍給油機の経験も生かした結果だ」との見方を語った
●更に提案機を公開していたGeneral Atomics社もコスト重視で、MQ-1の経験を生かして中高度長時間航空機の実績が豊富であったが、海上システムの経験が不足してる点で懸念があったのではとの見方を語った

●General Atomics社の関係者は、RFPに拡張性に関する要求事項が多いことに言及し、「兵器搭載やISR装備搭載の余地を確保している。海軍は既にレーダー搭載用のフック装備を求めている。最終的にはこの無人機はトラックになるんじゃないか」と冗談まで交えて語っていたことがあった
●つまり、相当の装備拡張性をREPが求め、B-2爆撃機のような「flying wings」型では対応できない要求だったともいえる
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MQ-25 B4.jpgボーイングが苦労している米空軍の次期給油機KC-46A計画は、旅客機ボーイング767型機をベースに開発するもので低リスクと考えられ、最初の18機調達が固定費用契約で約5000億円でしたが、数々の開発トラブルに見舞われ、ボーイング側は既に追加で3300億円以上を自腹で投入しています

この初期契約は、最終的に2028年までに179機を導入する本契約に繋がっており、総経費は3兆8000億円と見込まれていますが、ボーイングもMQ-25受注で少しはもり返せるでしょうか???

どちらにしても、2016年に突破型攻撃偵察機構想が放棄されて以降、フォローする気力が萎えているMQ-25ですが、KC-46の損失補填でないことを祈りつつ・・今後を見守りたいと思います

MQ-25関連の記事
「NG社が撤退の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29-1
「提案要求書を発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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同盟国とのMD情報共有の課題はサイバー [Joint・統合参謀本部]

新しい太平洋空軍司令官の初海外視察は、横田基地の弾道ミサイル防空システムだったとか

BMD.jpg8月6日から7日にかけ、新しい太平洋空軍司令官Charles Brown大将が初海外視察で横田基地でBMDシステムを確認し、小野寺防衛大臣や統合幕僚長や空自トップと会談した同じ7日、米アラバマ州でミサイル防衛関連イベントが開催され、米陸軍パトリオットでのBMDを担当する大佐が、BMDの充実の鍵は同盟国システムとの迅速な情報共有だが、サイバー脆弱性が他国システムとの連接の懸念だと吐露しています

同大佐の念頭にあったのは、イエメン国内にはびこる武装勢力Houthiが繰り返すミサイル攻撃を、サウジ軍がパトリオットミサイルで迎撃している一連の作戦があるようですが、今年に入ってから欧州3か国(ポーランド、ルーマニア、スウェーデン。スイスも前向き検討中)が新たにパトリオットPAC-3ミサイルシステムの導入を決定していることからも、相互運用性(インターオペラビリティー)悩みの範囲は急拡大している模様です。

8日付Defense-News記事によれば
PAC-3 Saudi.jpg●ハンツビルで開催されたDefense-News主催の「Missile Defense Networking Reception」でパネル討議に参加した新旧の米陸軍パトリオットミサイルBMDシステム担当幹部は、同盟国等への同システム導入が進み、相互運用性強化の望ましい方向に進みつつある中、依然として課題も多いと語った
●そして相互運用性向上の鍵である迅速な情報シェアリングの重要性を強調しつつ、迅速な情報共有のためのシステム連接に容易でない部分が残されていると表現した

現役のパトリオット担当幹部であるFrancisco Lozano陸軍大佐は、システム連接がなくとも緊密な協力関係で対応していると強調し、イエメンからのミサイルに対処しているサウジ軍との関係を念頭に、「連絡を密にし、24時間体制で長時間連続運用を続けているパトリオットシステムへの影響をモニターし、実脅威の実態と合わせて多くの教訓を学ぶ機会を得ている。教訓は戦術・技術・手順の見直しに反映し、運用コンセプトの見直しにも生かしている」と語った
PAC-3 MSE.jpg一方で、パネル討議に参加した元ミサイル防衛コマンド司令官であるDavid Mann退役中将は、米軍と同じパトリオットシステムを使用している同盟国軍との間でも、情報共有に関しての努力は継続していると表現し、「他国システムとの融合に当たり、躊躇する要因がサイバー脆弱性である。システム連接を判断するまでには、この問題に関連する多くの検討と利害判断が求められる」と表現した

●同退役中将は更に、「この問題検討には大変労力を要するが、他国システムを連接することでサイバー面で脆弱になることは受け入れがたい。我がシステムの情報が危険にならされることには耐えられない」と述べている
●ただ米軍だけで世界の隅々までBMDを展開することは不可能であるので、引き続き同盟国等にBMDシステム導入を働き掛けていくことになる。全てのシステムを1国で導入することが難しければ、例えば、オランダがBMDセンサーだけを導入し、ベルギーが迎撃ミサイルを分担して配備するといった方式も考えられる

BMDシステムの配備拡大と、システム連接の脆弱性克服は両立しなければならない課題である
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Brown2.jpg新太平洋空軍司令官Charles Brown大将が、日本のBMDシステムのサイバー脆弱性をどの程度懸念しているか気になるところですが、着任後の最初の海外訪問先に日本を選択した戦略眼に敬意を表しておきましょう。

そして豊富な中東経験と薄いアジア太平洋経験の同司令官の今後のご活躍に期待いたしましょう.

しかし・・・サウジとの連接も躊躇するようだとすれば・・・いろいろ難しいですねぇ・・・

関連の記事
「PACAF司令官は黒人パイロット」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19
「PAC-3生産増でウハウハ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-14
「米武器輸出:上半期で昨年越え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-1

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報道:次の統合参謀本部議長が空軍から!? [Joint・統合参謀本部]

Goldfein1-1.jpg19日付Wall Street Journal電子版が、来年退役予定のDunford統合参謀本部議長の後任候補2名の空軍大将(他にMark Milley陸軍参謀総長も)が上がっていると報じ、その二人をGoldfein空軍参謀総長(1959年生)とHyten戦略コマンド司令官(1959年生)だとしています

最後に空軍人で統参議長についていたのが2001年9月から2005年9月までのマイヤーズ空軍大将で、干支が一回りするくらい(間に4名の同議長)空軍幹部にポストが回ってきませんでした
なにしろ、戦闘機にばかり拘る戦闘機パイロット出身がほとんどの米空軍参謀総長などの空軍幹部は、視野が狭くて統合参謀本部議長には不適とまで囁かれ、噂にも上らない期間がここ最近です。

Hyten7.jpgまた、現在のDunford海兵隊大将が議長候補者として噂に上った頃には、F-35計画の評判が最悪だったことに加え、米空軍は軍内で大きな問題となっている性的襲撃(sexcial assult)への対応が不十分との理由でWelsh空軍参謀総長(当時)は候補者レースから早々に脱落・・・などと報道されていたところです

統合参謀本部議長は、現在の議長が19代目で、歴代では陸軍9名、海軍と空軍が4名、海兵隊が2名の配分で努めており、兵員数比率で考えると「美しい調和」を見せていますが、少なくともまんぐーすの知るここ10年間ほどは、空軍幹部の評価には厳しいものがあります

gatesMarine.jpg特に2008年6月5日、当時のゲーツ国防長官が核兵器の不適切な管理を理由に、当時のワインj空軍長官とモズレー空軍参謀総長が同時更迭した事案が象徴的ですが、B-52爆撃機が核兵器搭載を知らないまま米本土を横断飛行していた事案のほかに、強い伏線として、無人機導入に反対しF-22大量調達に固執していた両名が、国防長官から「愛想つかされていた」との見方が一般的です。

マイヤーズ空軍大将以降、ペース海兵隊大将(2年のみ)、マレン海軍大将、デンプシー陸軍大将、Dunford海兵隊大将と続いてきた中、順番で空軍大将にお鉢が回ってきたとの見方もできましょうが、Wall Street Journal誌は別の理由を一番に挙げています

20日付Military.com記事によれば
Dunford1.jpg●WSJ]報道によれば、Milley陸軍参謀総長を含む3名は、Selva副議長の後任候補としても考えられている
ホワイトハウスの報道官も、米国防省の報道官も、WSJ報道にはコメントを避けている

Hyten戦略コマンド司令官(前空軍宇宙コマンド司令官)は、中国やロシアが米国や西側同盟国に敵対的な行動を強めていることから、核兵器の近代化や宇宙作戦への投資を強く訴えている指揮官である
●トランプ大統領が宇宙軍創設を指示し、米国防省が準備を開始したことについてHyten大将は特段コメントを出していないが、(空軍宇宙コマンド司令官時代から)宇宙が厳しい環境になってきていることを訴え、「宇宙を戦いのドメインとして考えるべき」「スピードや、敵対行為への対処を考えておくべき」と繰り返し述べている

Dunford AFA.jpgGoldfein参謀総長は就任以来統合での指揮統制における空軍の重要性を訴えてその変革に取り組んでいるほか、他軍腫や同盟国との協力強化を重視し、海外作戦を効率的かつ効果的に実施する改善に取り組んでいる
●最近では、同盟国の能力強化を念頭に置いた軽攻撃機選定にも取り組み、米国の負担移管ではないかとの問いには「リードする役割の放棄ではなく、我が勢力の成長のための取り組みだ」と説明している
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Milley.jpg陸軍参謀総長も候補らしいことを忘れずにいましょう・・・

それと、来年の人事を今決められるはずもなく、あくまでも噂レベルと考えたほうが良いかもしれません・・・

過去の統合参謀本部議長人事の記事
「ダンフォード噂の記事」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02
「デンプシー大将の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-13

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トルコとの現場レベル共同は継続中 [Joint・統合参謀本部]

本日の写真は、F-22の欧州展開関連です

F-22 German.jpg13日、トランプ大統領が2019年度予算(10月1日から使用)に署名し、改めて2020年度宇宙軍創設に意欲を示してその重要性を訴え、併せてF-35のトルコへの輸出を一時停止する条項にも触れて「トルコとの関係は良くない状態にある」と言及する一方、トルコのエルドワン大統領は同日、「米国に背中から刺されたようなものだ:」と反応するなど、不穏な空気が漂っています

そんな中ですが、中東シリア正面の米軍幹部からは「これまで通りの連携を行っている」との発言が出ていますので、13日の週の動きとしてご紹介しておきます

あわせてそんな中、米本土から久々にF-22が欧州に展開し、ドイツを拠点に、ギリシャやポーランドやノルウェーに展開し、各地でプレゼンスを強調しています。

15日付米空軍協会web記事によれば
Turkey USA.jpg●13日にトランプ大統領が、トルコの最近の行動が与える影響に関する報告書がまとまるまで、トルコへのF-35提供を停止する条項を含む2019年度予算案に署名し、「米トルコ関係は今良くない」と発言する中になっても、現場での米トルコ協力は淡々と継続している模様である
●14日、生来の決意作戦(OIR)多国籍軍の戦略部長Felix Gedney米陸軍少将は、トルコのインジュリック空軍基地からの航空作戦は多国籍軍の作戦を支え、シリア北部における共同パトロールは日常的に問題なく日々行われていると状況を会見で説明した

●更に同少将は、他の多国籍軍部隊とトルコ軍部隊の共同作戦訓練も一つの部隊活動として行われているところである。この訓練は各国軍が別の担当分野を連携して行うタイプではなく、統合して有機的に一つの作戦を行う高度な訓練であるとも説明した
●そして同少将は、トルコ軍との同盟国としての関係には、前線レベルで何の変化もないと強調し、「トルコは極めて重要な世界の中のパートナーである」と表現した

5機のF-22から米本土から欧州へ展開中
F-22 US F-35 N.jpg●フロリダ州のティンダル米空軍基地から飛来した5機の第95戦闘飛行隊のF-22が、8日ドイツのSpangdahlem米空軍基地に到着した
10日はそのうちの2機がギリシャのLarissa空軍基地に展開して訓練を行った。欧州米空軍は「米空軍による当地域への関与と作戦能力を示すための展開だ」と声明を出している

●また15日、ドイツに展開中の米空軍F-22と、ノルウェー空軍のF-35が、ノルウェー上空で初めて共同訓練を行い、編隊飛行する写真が公開された
●更に15日、欧州米空軍は5機のF-22がポーランドのPowidz空軍基地に展開したと発表し、同基地に滞在中、ポーランド独立100周年記念祝賀行事のためワルシャワ上空で展示飛行を行うと明らかにした
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F-22 Poland.jpgロシアやトルコが、「ラプター5機で夜も眠れず・・・」状態になったとも思えませんし、米会計検査院GAOから「そんな風にばかりF-22を使用しているから、第5世代機の能力発揮に必要な訓練が十分できず、米納税者の期待に反している」と指摘されているところですが、これも13日の週の動きとしてご紹介します

OIR幹部である米陸軍少将の発言は、マティス国防長官の姿勢や発言をそのままのようにも感じられ、何とか国防省としての一体感は保たれているようです。

しかし・・・トランプ大統領は、辞めた側近や閣僚からの暴露話で引き続き炎上中で、それが常態となって世間はあまり何も感じなくなってきているような気がしますが、政権としての行く末が懸念されます。やっぱりマティス長官が最後の砦でしょうか・・・

関連の記事
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「GAOがF-22運用法を批判」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-2
「F-22アフガンで初出撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25-1
「F-22初飛行20周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-12

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