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米空軍2トップが戦力大増強と原点回帰を訴え [米空軍]

WilsonAFA.jpg17日、米空軍協会年次総会で米空軍長官が、半年かけて様々な将来分析を行った結果、2030年までには飛行隊数を25%増して386個にし、併せて必要な人員を4.5万人増強する必要があると明らかにしました。

また翌18日には空軍参謀総長が、各飛行隊は不十分な装備や基地環境に展開しても行動可能な体制、つまり派遣遠征部隊(expeditionary forces)の原点に回帰すべきだと訴えました。また基地防衛の重要性も強調し、「防御年間:the year of the defender」とすると宣言しました

空軍長官の発表には具体的な予算増加額が含まれておらず、空軍参謀総長も派遣展開部隊への原点回帰と飛行隊数増についての関係についてもあまり触れていないようですが、中国やロシアに対応するには現在より戦力増強せざるを得ず、かつ打たれ強い部隊にしなければならないとの考えが背景にあると推測します

特に飛行隊数の24%増要望をどのように議会や国防省に持ち出すのか、ホワイトハウスとの関係はどうなのか等、「?」がいっぱいなのですが、米海軍の全然具体化しない艦艇355隻体制のようなものだとも考えられます

17日Wilson空軍長官は
Wilson6.jpg現在の312個飛行隊を、2025年から30年までに、74個増やして386個にする。約25%増強する。またこの結果は最新の情勢分析や情報レポート、6か月に及ぶ多様なモデル分析やシミュレーション分析等を行た結果
●同総会の後の講演で人的戦力管理担当部長のBrian Kelly中将は、これら飛行隊増強に必要な人員は内部からは捻出できず、純増を要請すると語り、その数を少なくとも4.5万人だと説明した

●増強74個飛行隊の内訳は
・5個爆撃機飛行隊
・5個宇宙飛行隊
・14個空中給油機飛行隊

・7個特殊作戦部隊飛行隊
・9個救難飛行隊
・7個戦闘機飛行隊

・2個無人機飛行隊
・1個空輸飛行隊
・22個指揮統制とISR飛行隊

●長官の講演では、必要な予算額や航空機数については言及がなかった。また予備役や州軍との関係についても語らなかった
●ただ長官はこの増強の背景を、「the existence of evil, and new threats are emerging to which our generation must respond」と表現した


18日Goldfein空軍参謀総長は
GoldfeinAFA.jpg我々はかつての派遣展開軍のルーツから離れてしまっており、地域コマンド司令官の要望に応えるためとの理由で、また兵士に配慮し、十分に整った基地やインフラを前提とした部隊となってしまっている
●我々は基地から戦うことや攻撃下での戦いを知っているかもしれないが、敵攻撃により施設不十分な基地に分散せざるを得なかった場合や、十分な地上支援を受けられなくなった場合の戦いについてはどうだろうか

●米空軍は、施設不十分な基地や装備や物資が状態での展開運用に習熟しなければならない。その際は米本土と指揮統制面での連携が取れる必要がある
●これら変化は、空軍兵士の心の持ち方、装備品購入、演習や検閲の在り方、即応体制の考え方等、広範な分野に変化をもたらすもので、部隊は柔軟性と分割や増強受け入れ可能性を持たねばならない

●このような派遣展開を考える際のカギの一つが「多層的防御:defense in multiple layers」であり、この分野で世界一でなければならない統合でどのように協力して進めるかも詰める必要がある
●組織の再構築を恐れてはならない。これは「将来性のある将来のための変化:seminal shift」であるし、これまでも空軍はこれを成し遂げてきた。空軍や米軍内だけのアイディアでなく、視野を広く持って対応しよう
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Goldfein1-4.jpg繰り返しになりますが、どのような展開に米空軍は持ち込もうとしているのでしょうか? 確かに国家安全保障戦略NSSや国家防衛戦略NDSでは、中国やロシアの脅威がこれまでになく強く訴えられているかもしれませんが、これだけの軍拡を訴える力となるでしょうか?

これだけの飛行隊増強が実現すれば、過去30年で最大規模、冷戦時のピークレベル(the most squadrons the Air Force has had in 30 years, since the peak of the Cold War)になるようです。

でも実際、中国の軍事力は旧ソ連の脅威を超えているかも・・・ですからねぇ・・・
そういえば、先日ご紹介したRANDの研究レポートは、空軍2トップを援護射撃するものだったんですね・・

でも、空中給油機や指揮統制&ISR機部隊の重要性を抑え、レスキューや特殊作戦機部隊を忘れていない辺りはプロの視点ですね! 当たり前か・・

4つのシナリオで必要空軍力を分析
「8月末発表RANDレポート」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-02

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JASSMの更なる射程延伸版「XR」契約 [米空軍]

JASSM、JASSM-ER、対艦版LRASMに続く「XR」
防衛省が2018年度予算で要求したJASSMの話です

JASSM-ER5.jpg
13日付米空軍協会web記事は、米空軍が昨年からロッキードに検討を依頼していた長射程空対地ミサイルJASSMの更なる射程延伸バージョンについて、約55億円の本格開発契約を結んだと伝えています

契約は、開発と試験を2023年8月末までに完了するとしていますが、現在米空軍が保有する約2000発以上のJASSM-ER(Extended Range:JASSMから射程延伸型ERに改修済み)のうち、何発を更なる射程延伸型「XR:Extreme Range」に改修するか等の細部には言及していないようです

また、具体的にどの程度射程を延伸するのかについても契約は言及していません

JASSM-ER6.jpgJASSMは「Joint Air-to-Surface Standoff Missile」の略で、航空機から発射して地上目標を攻撃するステルス性を持つ空対地ミサイルで、初期型のJASSMが射程200nm(360km)、後に改良され現在米空軍が保有するJASSM-ERは射程540nm(1000km)です。つまり射程延伸型JASSM-ERはちょうど、第一列島線上空から中国沿岸部を攻撃できる射程のミサイルということになります

従って、JASSM-ERより更に射程を延伸すると言うことは、中国のA2AD能力向上に伴い、第一列島線より更に東方の離れた位置からでないと、中国大陸に向けたASMは発射できないとの判断に米空軍が至ったとも解釈できます。(もちろん、より中国大陸の奥深くを攻撃可能にしたい・・・との思いもありましょうが・・・)

13日付米空軍協会web記事によれば
JASSM3.jpg●JASSMシリーズは、初期型のJASSMが「AGM-158A」、射程延伸版のJASSM-ERが「AGM-158B」、そして空対艦ミサイルのLRASM(Long-Range Anti-Ship Missile)が「 AGM-158C」との型式名になっているが、今回の「XR」はまだ正式に「AGM-158D」とは決まっていない

●ロッキード社報道官は、翼の設計変更による空力効率改善による射程延伸のほか、各種防御性を高めた新GPSユニットを「XR」は備えることになると説明するにとどめた
●また契約は、必要な設計、開発、融合、テストと検証を段階的に進め、全てのプログラム設計と工学的活動を行うと述べている

過去記事からJAASMの概要ご紹介
JASSM-ER4.jpgJASSMは1995年から開発が始まり、実験の失敗等で紆余曲折はあったが2001年に初期量産を開始。敵防空網の射程外から発射され、強固な構造を持つバンカーや、ミサイル発射機などの攻撃を行う目的を持つ空中発射ミサイル。対艦ミサイル版のLRASMもある
●低コストの開発を念頭に、画像赤外線センサーは陸軍の対戦車ミサイル「ジャベリン」から、ターボジェット・エンジンは対艦ミサイル「ハープーン」からと、既存部品を多用している

●航空機から投下されると翼を展開、ターボジェットを始動する。途中、INSとGPSにより誘導され、レーダーに見つかりにくい低空を速度マック0.8で飛行する。
●目標に接近すると画像赤外線センサーにより目標を識別、急上昇してから70度の角度で急降下、突入破壊する。命中精度CEPは約3m

●中央部分の弾頭はタングステン製454kgの貫通モード、または爆風・破片モードを選択可能な多機能弾頭で、貫通力はBLU-109Bと同等とされる
地下施設や強固な施設には貫通モードで、ミサイル発射機やレーダー施設に対しては上空で爆発して爆風と破片を放出する

JASSM-ER9.jpg搭載可能な航空機は、B-2、B-1、B-52H爆撃機、F-15E、F-16戦闘爆撃機など多様
●「JASSM-ER」と「JASSM」の違いは、より大きな燃料タンクと効率の良いエンジンの搭載で射程距離が2.5倍の575マイル(約925km)に延伸したこと。またGPS妨害に対抗できる機能を付加したこと。更にデータリンクを追加装備したことである。

●「JASSM-ER」と「JASSM」は7割が共通部品で構成されており、製造コストの低減に貢献している。
●米空軍は2020年台の製造終了までに、2,400発のJASSM(1発約1億円)と、3,000発のJASSM-ER(1発約1.6億円)を購入予定

2017年12月25日付記事等によれば 
JASSM-ER8.jpgLockheed Martin社のJAASM計画責任者Jason Denney氏は、「A2AD脅威環境で操縦者の生存性を向上させる新たなデザインを開発している」、「我が社の顧客の皆さんは、証明済みのJAASM性能を信頼頂いているが、前線部隊に更なる能力向上型を提供できることを楽しみにしている」と語った
●ロシア製のS-300やS-400と言った高性能地対空ミサイルSAMが登場して世界に拡散する中、これら兵器を使用するA2ADにより、第4世代機の能力発揮できるエリアが制限されつつある

●配備が始まったばかりのF-35や、配備開始が2020年代半ば以降になる次期爆撃機B-21はステルス性も活用して強固な敵防空網を突破できるかも知れないが、しばらくは米軍航空戦力の多数派であるF-15EやF-16C、海軍のFA-18はそうはいかない
●低空を高速で飛行可能なB-1B爆撃機も、JASSMとJASSM-ERの両方が搭載可能だが、強固に防御された敵防空網の突破能力には限界がある

●なお、JASSM-ERの能力を確認した米海軍は、JASSMを対艦ミサイル用に改良することにDARPAと共に着手しており、LRASM(Long Range Anti-Ship Missile:AGM-158C)としてB-1には2018年から、FA-18には2019年から搭載開始される予定である
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北朝鮮絡みで、米軍が韓国展開部隊にJAASMを配備すると発表して大きな話題となりました。

JASSM-ER3.jpgまた昨年11月末、米国がポーランドにJAASM(又はER型)70発を、関連装備を含め僅か200億円で提供すると発表して注目を集めています。

何とお得な投資でしょう・・・戦闘機1機が100億円以上するとか、近代化改修だけで1機100億だとか・・・。よく考えたいものです

JASSM関連の記事
「更なる射程延伸開発契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1
「空中発射巡航ミサイルの後継」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-12-1
「JASSM-ER最終試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-1

LRASM関連の記事
「LRASM開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17-1
「米軍は対艦ミサイル開発に力点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18
「ASB検討室の重視10項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-04
「LRASMの試験開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
「新対艦ミサイルLRASM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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米空軍輸送コマンドに女性司令官誕生! [米空軍]

しかも、予備役中将から大将に昇任して配置

Miller1.jpg7日、米空軍輸送コマンド司令官にMaryanne Miller大将が就任し同コマンドが1992年に創設されて以降初めての女性司令官となりました。
またMiller司令官は、予備役から大将に昇任して空軍メジャーコマンド司令官に就任する初めてのケースとなりました

ただし、ご経歴を拝見すると、第932空輸航空団司令官や第349空輸航空団司令官を努め、飛行時間はC-17、C-5、KC-10などで4800時間を超える飛行経験を持ち、直前まで空軍予備役コマンド司令官を務めていた実績十分の人材です

1981年オハイオ州立大学ROTC卒(防大25期相当か?)で推定60歳、2011年(准将で52歳時)にMBAを取得した努力家でもあります。修士号を取得しないと少将以上への昇進が難しいから頑張ったのかもしれませんが・・・

前任のCarlton Everhart大将は退役されるそうです。

11日付米空軍協会web記事によれば
Miller2.jpg●7日、Scott空軍基地で就任式に臨んだMiller司令官は、全輸送コマンド兵士に充てた同日付書簡で、「諸君は、毎日休むことなく、切れ目なく、求められた時間に求められた場所に輸送任務を完遂し、求められる効果をもたらしてきた」と呼びかけている

●そして「最近の3年間をざっと見渡しても、世界的な迅速空輸に、新たな地平を切り開く道を歩んできた。そしてくりかえし、降りかかる困難に対処する即応性も示してきた。そんな輸送コマンドには明るい未来が待っている
●書簡は「私は謹んで、この世界レベルで評価され、休むことなく任務にまい進する輸送コマンドの指揮をとる」と結ばれている
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少佐から中佐にかけての初ペンタゴン空軍司令部勤務で予備役空軍戦力の諸計画を担当し、准将として予備役コマンドの戦略計画部長を努めており、他のペンタゴン勤務は准将から少将の時期のJ-5での「Partnership Strategy副部長」という経歴です。

Miller3.jpg優秀な女性の登用に悩んでいた時期の、米空軍の女性の勤務管理の一例かもしれません。

しかし、空軍輸送コマンドには難問山積です
操縦だけでスタッフ業務をしない操縦者の管理、老朽空中給油機KC-10やKC-135の維持運用、KC-46A部隊の立ち上げと運用安定化、KC-Zの検討、宇宙に物資をストックしたいとの前任者発言のフォローなど大変そうです

Miller司令官のご経歴 → https://www.af.mil/About-Us/Biographies/Display/Article/108440/lieutenant-general-maryanne-miller/

米軍輸送関連の記事
「宇宙に物資の事前集積案」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-05
「禁じ手:幕僚無し操縦者募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「民間輸送力依存に危機感」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-03
「給油機後継プラン見直し」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

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米空軍の文書や報告削減中間報告 [米空軍]

AF Publication RD.jpg8月29日、米空軍長官と空軍参謀総長と空軍先任軍曹が連名で全空軍兵士宛にレターを発簡し昨年から24か月計画でスタートした「文書削減取り組み:Publication Reduction Initiative」の状況を紹介しています

同取り組みは、内容が重複する報告書類を精査して削減し、また役割を終えた規則類を見直して削減し、兵士への余計な負担を軽減しつつ、部隊運用の裁量を入り前線に近いレベルに移譲する事を目的とするものです

レターの表現を借りれば、「指示発信の中央集権文化を再度追求し、その実行における権限移譲を推進するため」との狙いがあるようです。

兵士宛レターによれば、これまでの成果として、米空軍内にある1484発行物(報告文書や発行物:publications)の226を廃止し、212の内容を見直しを完了し、更に現在も309について存続も含め検討中とのことです

また、各種文書だけでなく、4795項目の遵守事項(規則類:compliance items)も検討に結果として廃止したとのことです。

AF Publication RD2.jpg文書や規則を廃止することは、それだけ各級指揮官や各兵士の自主性への期待を高くすることと両輪をなすものですが、この点に関し空軍長官らはレターで、「この取り組みは、戦いに集中するために避けて通れないものであり、また任務遂行に向けての各級指揮官の正しい判断を促進期待するものである」と表現しています

更に本取り組みを始める際の指針には、「見直しの際には、その発行物の意義や価値、政策への影響、良い見本を提示しているか、権限を現場に近い下位に移譲しているか、等の判断基準で行う」と示されており、部下の士官や各級指揮官には「部下兵士のために、君たちが現場で正しい判断をするとの信頼に基づいて見直しを進める。この点を各級指揮官は承知してほしい」と覚悟を訴えています
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日本では、役に立たない野党が重箱の隅をつついて小さな事象を騒ぎ立てる度に、政府機関内の報告文書が増え、文書管理の要領が複雑化しています

今や何のためにやっているのか意味不明なリスト作成や点検が山のようにあふれ、担当者がメンタルダウンするような事態も急増していると聞き及びます・・・

日本ではそこからでしょうねぇ・・・。野党の整理と共に・・・

空軍長官の関連記事
「パイロット流出対策」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官操縦者の拡大は考えず」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「同盟国への宇宙訓練確認」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「意思決定迅速化に規則削減」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-1

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RANDが米航空戦力量を分析評価 [米空軍]

RAND AF.jpg8月末、RAND研究所が4つ将来シナリオを前提として必要航空戦力量を分析し、「Is the USAF Flying Force Large Enough?」とのレポートにまとめて発表しました。

結論として平時の「飛行禁止ゾーン維持」から朝鮮・ベトナム戦争パターンまで、全ての将来シナリオで航空戦力が不足し、単に戦力の派遣期間を延長するような措置では対応できないし、長期的に犠牲が多いと結論付ています

RAND AF2.jpgRAND研究所はもともと米軍や国防省の研究請負が中心の機関で、本レポートも米空軍の戦略計画部署からの委託で行われたものですので、米空軍戦力が潤沢で無駄に規模が大きいなど等の結論には決してならない性格のものと理解すべきですが、その性格を念頭に置いて参考にしたいものです

折しも、トランプ政権によるNSSやNDSを受け、各種戦略文書や見積もり見直し発表の時期を迎える中、秋には米空軍が「戦闘機ロードマップ」を発表する予定となっており、これら政策文書を後押しする御用シンクタンクの分析資料との位置づけ頭に置いておきましょう

分析対象とした4つの将来シナリオ
・朝鮮やベトナム戦争のような長引く地域紛争
・湾岸戦争のような短期の地域紛争
・コソボや中東での平時「no-fly zone設置」のような任務
・中東で進行中の対テロ紛争

シナリオ分析の結果概要
Checkered Flag.jpg4シナリオ全てで航空戦力不足が明らかに。例えば、特に不足するのがC3ISR?/BM機で、特殊作戦機とともに、長期地域紛争では需要の半分も満たせないとの結果に。また輸送機と攻撃機も2/3を満たすのが精一杯と分析
平時の「no-fly zones」任務でも、ISR、特殊作戦機、給油機、爆撃機、攻撃機に需給がひっ迫するとの結論に。総じて全てのシナリオで需要の80%を満たすことができる航空アセットはなかった

特に平時の「no-fly zones」任務における需要の多さは驚きで最も負担が大きい任務と分析されている。長期にわたる任務で交代派遣が続く事から、輸送機のみが94%の任務充足レベルで、他の機種は大きな規模で不足が生じることが明らかに
●また、紛争継続が1年以上を長期継続任務とすると、長期継続任務は飛躍的に米空軍への負担を増加させる。そして1946年以降、米軍は46個の長期継続紛争に関与してきたが、冷戦後は特にその期間が長くなる傾向にある

研究レポートの提言
Checkered Flag3.jpg●米軍や国防省は、本研究が用いた歴史的な経験に基づいたシミュレーションを活用する必要があり、その結果を基礎に長期計画や戦力造成を行うべき。特に平時の任務による戦力所要と、そのために犠牲になる訓練や次の紛争への備えの影響を考慮すべきである
●また、長期に及ぶ海外作戦任務の影響を、データに基づきしっかり分析把握すべきである。そして米空軍幹部はその結果を、国防省、議会、メディアや国民に伝えて制作や投資への理解を求めるべきである

ただ注意すべきは、海外派遣を伸ばすことによって改善を求めてはならない点である。海外派遣と母基地滞在期間を1:1比率にしても、任務達成率が一時的に29%から42%に上昇するだけで、中長期で見れば継続性がなく、兵士や家族への負担が大きく、大きな代償を払うことになることを忘れてはならない
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多少の誇張があるかもしれませんが、平時の「no-fly zones」任務が極めて大きな負担になることは頭に置いておくべきでしょう

RANDCorp.jpgイラクの南部と北部に設定された平時の「no-fly zones」を設定する、「northern watch」や「southern watch」作戦の膨大な負担がトラウマとなり、シリアへの「no-fly zones」設置が見送られているとも考えられます

レポート細部にご興味のある方は以下を
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR2500.html 

RAND関連の記事
「中国の核抑止の変化」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19
「台湾よ戦闘機を減らせ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「女性特殊部隊兵士の重要性」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「RAND:米中軍を10分野で比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18

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米空軍の整備員不足は今年中に解消!? [米空軍]

数字の上では・・・質は伴わず・・・
将来に向け、異なる整備方法を検討

maintainers.jpg20日、Goldfein空軍参謀総長が米空軍協会機関紙のインタビューに答え2016年半ばから問題となっていた航空機整備員不足について、2018年末までには数的な不足は穴埋め可能だろうと述べました

一時は4000名の整備員が不足するとも言われた厳しい状況に直面していましたが、現時点で数の面では99%穴埋めが完了したと説明しています。しかし、若年兵士を急増した付けは小さくなく、質の面では厳しい状況が続くようで参謀総長も率直に認めています

maintainers2.jpg米空軍パイロットの民間航空会社への流出や退職増によるパイロット不足には歯止めがかからず、米空軍の操縦者不足に明るい兆しは全く見えないようですが育成期間が短く、育成も比較的容易で、引き留め策が効きやすい整備員は、つずつま合わせが容易なのかもしれません

そもそも整備員不足の原因には、パイロットと同様に、民間航空業界の活況があり、転勤や家族と離れる海外派遣がなく、一般に給与水準も高い民間航空会社に整備員が流出するのは市場の法則でしょう

しかし整備員特有の背景もあります。米空軍はA-10 攻撃機を早期退役させ、急増するF-35に経験豊富な整備員を振り替えようとしていましたが、対テロ作戦の継続を受け米議会等の激しい反対で実現できず、整備員不足を招いているのです

21日付米空軍協会web記事によれば
maintainers3.jpg●Goldfein参謀総長は、2016年当時には整備員不足の解消には早くとも2019年まで必要だろうと言われていたが、2018年末には数的には解消可能だろうと述べ、既に前線部隊に配置が始まっており、現場の問題を癒しつつあると語った
●整備員不足への対策は人事管理政策の基本手順で通りに、まず整備員により多くの新人兵士を割り振り、更に一定の勤務経験を積んだものには、継続勤務決断時のボーナスを増額する等して人材流出に努めた成果だと同大将は説明した

●一方で参謀総長は、問題が完全に解決できたわけではないとし、「我々に残された挑戦的な課題は、(穴埋めに増員された)整備員が若いことである」と述べつつ、新人整備員は整備員としての資格に必要な教育訓練を受けているが、多くの経験を積んだ熟練の整備員ではないと認めた
●そして同大将は、現場での整備員不足数が一時の4000名から400名レベルに低下した様に見えても、熟練整備員は不足しており、整備部隊の技量保有者アンバランス状態解消には時間が必要だとも説明した

米空軍アセットは維持整備上2つの課題に直面している。一つは航空アセットの老朽化が進んでいる事(機体の維持に技術を要する)、もう一つはF-35のような最新アセットの導入に際しても熟練の整備員が必要だという点である
●このような航空アセットの維持整備環境を前にし、米空軍は「伝統的な今採用している整備要領に挑戦するつもりで、将来に向かって異なった整備要領を検討しなければならない」と表現し、

maintenanceF15.jpg●「我々は真剣に新たな整備方式を求めている」と語り、民間分野ですでに実証されている最適整備方式や技術を導入(to bring industry best practices and technology)する方法を探求しており、可能なら整備員の削減や整備時間の短縮、更に即応体制の向上につなげたいと参謀総長は語った
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米空軍整備部隊が直面する2つの課題(老朽機種の増加と新装備の多数導入)は、日本も切実に直面する課題ではないでしょうか・・・

ある日突然、米空軍が民間航空会社の整備手法を導入し始め、大幅に整備方式を変更したら・・・。機体毎の整備員所要数を大胆に見直し始めたら・・・。日本の整備員の世界にとっては激震ですねぇ・・・
何せ、外部の人間は一切口出しできず、アンタッチャブルな世界のようですから・・・

一方で、最近米空軍で航空機事故が増加しているように思うのですが、整備員の質と事故との関係(維持整備予算の削減もありますが・・)が気になります

米空軍整備員不足の苦悩
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02

「整備員不足対処案も苦悩続く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-03
「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22

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米空軍が新ISRロードマップ決定 [米空軍]

PEDの時代ではない、SIASに向かう

Jamieson4.jpg2日、米空軍情報部長のVeraLinn Jamieson中将らが空軍協会ミッチェル研究所で会見し非公開の米空軍ISRロードマップ「Next Generation ISR Dominance Flight Plan」が空軍長官や参謀総長の承認を得たと語り、2020-2030年を対象としたものだと説明しつつ、技術や脅威の変化により柔軟に変化しうるものとも説明しました

会見では様々な視点から今回の「ISR Flight Plan」検討の背景が語られており、秘密の部分もあり断定的な話はできませんが、根本には18年間続けた来た対テロ戦争に集中しすぎているのではないか、本格的な戦いに通用しないのではないか、公開情報やSNS上の情報活用をどうする、老朽装備の将来をどうする、商用ベース情報の活用法は・・・等の問題意識が背景にあるような気がしました

またより個別な話題として、大量に米空軍が保有するMQ-9やRQ-4の将来や後継、U-2の今後について記者団から質問が相次いだようですが、これについては今後検討するとして言及を避けており、目の前の予算状況の厳しさも伺わせています

断片的な会見の様子ですが、「Next Generation ISR Dominance Flight Plan」の方向性を把握するためご紹介しておきます

2日付米空軍協会web記事によれば
ISR Flight Plan.jpg●同中将の会見から、非公開のISRロードマップが、商用衛星を有効に活用して最新で多様な角度からの画像情報を迅速に入手する必要性や、センサーを搭載するプラットフォームに超超音速飛行や逆の超低速長期在空能力の両方を求める事、更には「群れ技術」の必要性を求めていることが明らかになった
●また、人工知能やディープラーニング等のキーワードで語られる「machine intelligence」や、公開情報をビックデータ技術で処理して活用することや、SNS上の情報を処理して信頼できる主要な情報源として活用する必要性も主張している

長期間使用している航空ISRセンサーについて情報部長は、E-8 JSTARSの退役について議会の理解が徐々に進んでいると述べ、MQ-9の後継についての質問については、同機が直面する大国との対峙の脅威をNSSやNDSを引用して語るにとどめた
●一方で、現在その稼働率低下が問題視されているRC-135シリーズの今後については、「現在このような写真、電磁波、テレメトリー、放射能など単一センサー任務に特化したアセットは下降気味な状態だが、これら航空アセットをreverseさせる」と表現した

ISR Flight Plan3.jpg●また、最新の情報技術や前述の「machine intelligence」が急速に発達する中従来のPED(processing, exploitation, and dissemination of intelligence)との考え方は既に死に体であり、今後はSIAS(sense, identify, attribute, share)との考え方で取り組んでいくと表明した
●将来は、PEDのプロセスのPE部分をセンサー自身が担い、Dまでもこなすことになり、人間が情報の解釈や意思決定に専念できるようにすべきとの考え方を示した

●更に情報部長は、米空軍は「publicly-available media」情報への姿勢を改め、スマホなどを通じたSNS上で流通するデータを最新技術で処理して活用する方向に舵を切る
●具体的なスケジュールについて言及しなかったが、AI技術については国防省レベルで既に取り組みが始まっており、また情報インフラの基準を他機関や軍需産業と両立可能なものとし、「commercial standards」を空軍の基準とする
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ISR Flight Plan2.jpgまぁ・・・いずれも先立つものがなければ実現できないもので、その先行きは油断を許しませんが、米空軍の危機感や脅威感を感じていただければ幸いです

この手の各種「Flight Plan」はしばしば発表されますが、その効力や影響力をあまり感じたことはありません・・・背景に流れているのかもしれませんが・・・

米空軍ISR関連の記事
「情報部長が中露のAI脅威を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21
「無人機要員の削減を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25

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着々と米空軍が仮想敵飛行部隊を民間委託へ [米空軍]

Aggressor.jpg17日付米空軍協会webが、欧州米空軍司令官のTod Wolters空軍大将へのインタビュー記事を掲載し、米空軍が保有してきた敵戦闘機を訓練で演じる部隊を民間委託する動きが着実に進んでいる様子を紹介しています

米空軍で「Red Air」とか「Aggressor」とか呼ばれる敵戦闘機部隊ですが、操縦者の民間流出や予算削減のあおりを受け、同部隊の精鋭操縦者を前線部隊に配分し、かつ維持経費を削減するために民間委託する検討が進められています

2017年9月、米空軍戦闘コマンドのHolmes司令官は、「従来のように仮想敵機飛行部隊を維持するのが理想だが、予算的制約から4つのうちの2つの部隊を閉鎖しなければならない」と述べ、 「次善の策として、民間企業に委託して必要な人材を確保し、同時に空軍操縦者等を他の任務に生かすことを検討する」と語っていたところです

敵機役を委託可能な民間業者としては
Draken International現在ネリス基地で同業務を唯一行っている企業。最近南ア製のCheetah超音速戦闘機を12機入手して計109機体制を整備
Textron Airborne Solutions→2017年9月に仏空軍のミラージュF1戦闘機63機を購入し、世界最大の超音速機保有の私企業
Tactical Air Support→ヨルダン空軍のF-5戦闘機を21機調達し、同機を計26機保有・・・等が存在しています

17日付米空軍協会web記事によれば
Aggressor2.jpg●Tod Wolters欧州米空軍司令官はインタビューに答え、「間もなく」仮想敵飛行部隊の民間委託契約が欧州だけでなく他の地域にも導入する決断がなされるだろうと語った
●同司令官は、米空軍戦闘コマンド司令官と緊密に連携しつつあり、民間委託仮想的部隊は一度配備されると多くの場所に配備されるだろうとも表現した
●そして、6月初旬にはネリス空軍基地で活動する民間業者「Draken International」と約300億円の契約が結ばれたと明らかにし、米空軍は今後2019年7月までに、米本土の12か所で37000飛行時間の提供を依頼する大規模な仮想敵機契約を結ぶだろうと語った

●Wolters大将は、米空軍戦闘コマンドは同盟国空軍の能力や米空軍のニーズを全世界的規模で把握分析しており、「世界各地に仮想的機部隊を割り当て、各地での訓練効果を最大限にかつ効率的にし、米空軍部隊や同盟国空軍部隊の即応体制を高めるため、民間企業への業務委託契約を推進する」と語った
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Aggressor3.jpg今年1月10日に候補企業に米空軍が説明会を行ったとご紹介していましたが、順調に「民間委託」に向けた契約準備が進んでいるようです。敵機の役割を演じる「Red Air」は、秘密情報にもアクセス可能で、操縦技量的にも高度なレベルが求められると思うのですが、そのあたりも怠りないのでしょう・・・

そのうち、嘉手納基地や三沢基地にも「民間委託アグレッサー飛行隊」がやってくるのかもしれません・・・。余計な心配ですが、その場合、米空軍機扱いで日本で飛行するのでしょうか???

それにしても、背景にある米空軍操縦者の流出には歯止めがかからないようで・・・

「仮想敵機部隊も民間委託へ」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1

米空軍が必死な人材確保策
「オンラインゲームで若者獲得へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-02-1
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

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米会計検査院が米軍のF-22活用法を批判 [米空軍]

F-22-wake2.jpg19日、米会計検査院GAOが監査レポートを発表し米空軍がF-22を領空保全任務や海外への「Show of Force」任務に活用していることにより、機体の持つ優れた能力やステルス性を発揮する訓練が不十分で、結果として税金で購入したF-22がその能力を発揮する体制になっていないと指摘しました

米空軍はこの指摘を受け、現在189機保有するF-22ステルス戦闘機部隊の組織や体制や配備の再検討を始めるようですが、軍隊の装備品運用要領にまで「口を出す」米国の会計検査院(GAO:Government Accountability Office)の監査能力の高さとその影響力の大きさに改めて驚かされます

素直にGAOの指摘を認めるあたりも米空軍の懐の深さを感じさせますが、不足戦力の振り回しを考え、世界での米軍の存在感をアピールするため苦心した結果が現在の使用法でしょうから、そう簡単に解決できるとも思えません。米空軍はどうするのでしょうか?

20日付米空軍協会web記事によれば
F-22Hawaii2.jpg●GAOの報告書は、「規模の小さなF-22部隊を保有維持する米空軍の組織は、189機を最大限に有効活用する体制になっていない」と指摘し、「F-22稼働率が維持整備の問題や組織編成のために制約を受けている」と問題視している
●そして、F-22操縦者が航空優勢確保任務に必要な年間の最低飛行訓練時間を満たしておらず、F-22の能力を十分に活用しない演習や海外展開参加により、操縦者の訓練機会が奪われているとも指摘した

●GAOは訓練不足になる事例として、F-22が友好国等に「partnership building exercises」に派遣される場合、F-22のステルス性や優れた能力を十分発揮する訓練環境が与えられることは少なく、実際に戦闘で求められる能力を鍛えることができないとGAOは指摘している
●また、F-22がアラスカやハワイで領空保全任務のために緊急発進可能体制を維持しているが、この任務のために他の目的で使用できなくなっている。更にハワイの基地所属の操縦者によれば、訓練で敵役を担う仮説的部隊が活用できないため、十分な訓練ができないと訴えている

F-22-wake.jpg●F-22の性能等を考えれば、現在のような組織、配置、体制ではその能力を十分に発揮する準備ができないとGAOは指摘した
米国防省はGAOの指摘に同意し、米空軍が指摘事項への対応を検討し始めている。検討の中には、領空保全任務を他の航空機に担わせる案も含まれているようだ
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記事を書いているうちに、もしかしたら、国防省や米空軍関係者が、F-22をハワイやアラスカから移動させ、欧州や米本土に配備したいために「GAOに指摘させた」のではないか・・・との疑惑が頭に浮かびました。

最近は米陸軍で、アジア太平洋より(慣れ親しんだ昔かららの経験や教訓が生かせる)東欧重視の方向にあるようですし、厳しい環境では兵士が退役してしまう恐れがあるので、アジアから遠ざかりたい本音もあるようですし・・・

F-22関連の記事
「F-22アフガンで初出撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25-1
「F-22初飛行20周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-12
「5世代機関リンクの課題に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-24
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02

「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「議会がF-22再生産見積を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-20
「フィリピンにF-22を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16
「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1
タグ:F-22 gao
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ついに:米空軍輸送コマンドが操縦だけパイロット募集へ [米空軍]

Everhart6.jpg7月21日、米空軍輸送コマンド司令官Carlton Everhart大将が、パイロットの民間への流出防止対策の一つとして、空軍パイロットが嫌うデスクワーク中心の「幕僚ポスト」 に従事しなくてもよい人事的配慮の希望者を募集すると明らかにしました

何度もご紹介してきましたが、15年以上継続する実戦による海外派遣の頻度増加や、民間パイロットの需要急増の中、米空軍パイロットの楽で高級な民間航空会社への流出が止まらず、パイロット配置の2割が空席の危機的状況にあります

このため米空軍は、准将とトップとする「Aircrew Crisis Task Force」との特別対策検討チームを編成し、パイロットへの各種ボーナスや手当の増額、勤務地への柔軟な配慮、無人機RQ-4操縦への下士官の採用などなど、様々な対策を打ち出していますが、その中の一つが「幕僚ポスト免除」です

C-20 2.jpg幕僚ポストとは前線部隊で7~10年ほど経験を積んだ操縦者が、操縦任務から離れて各種司令部やペンタゴンで作戦計画や将来の装備を検討したり、政治との接点で予算獲得のための業務を行う仕事で、将来指揮官や上級ポストに就く前に視野を広げ人間を鍛える重要な勤務期間ですが、これを避けて通りたい人を募集するという「禁じ手」に米空軍が手を付けることを決断したわけです

今回の募集は、輸送機パイロットの養成するための教育部隊勤務に特化したキャリアパスを希望するものを募集するという形ですが、近い将来戦闘機パイロットにもこのようン募集が始まることが予期されます

24日付米空軍協会web記事によれば
Everhart4.jpg●21日米空軍輸送コマンドは、操縦者養成を担任する教育部隊勤務での教官としての勤務に限定し、将来司令部等での幕僚ポストに就く事がないことを保証する人事管理希望者の募集を、正式に開始した
●「Aviator Technical Track program」と呼称されるこのキャリアパスは、輸送機パイロット養成部隊の教官操縦者としての勤務に配置ポストを限定することで、Everhart司令官は声明で「キャリアの安定を求める空軍操縦者の受け皿を確保する」事を目的とするものだと説明している

●具体的な募集人数等は明示されていないが、8月17日から受付が始まり、8月29日に応募者の中から選考を行う会議が開催される予定で、応募した操縦者への採用通知は9月中旬に行われる
C-20.jpg●Everhart司令官の昨年秋の構想によれば、応募者から選ばれた操縦者は、「white tails」と呼ばれる輸送機操縦者養成機C-20やC-21の教官操縦者を務めることになる

●米空軍司令部に設置された「Aircrew Crisis Task Force」の長であるMike Koscheski准将は、「work-lifeバランスと軍勤務の両立が空軍操縦者の大きな懸念となっており、空軍を去る大きな理由となっている」と現状認識を明らかにし、
●「米空軍は既に、空軍操縦者が飛行任務に集中できるための施策を複数打ち出しているが、輸送コマンドの取り組みは、勤務やキャリアパスの柔軟性を認めることで、操縦者を引き留めることができるか見極める試みだ」と説明している
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前線を経験した操縦者の誰かがやらなければならない幕僚ポストから「逃げた」操縦者が、教官にふさわしいでしょか?

USAF pilot.jpg前線で勤務する心構えを教えることになる教官操縦者が、つらい仕事をから「逃げた」操縦者だと学生が知ったら、その教官から教育を受けたいと思うでしょうか?
わがままを聞いてくれないと、給料が良くて楽な民間パイロットに転職するよ・・・と恐喝する士官パイロットが、教官にふさわしいのでしょうか?

そんな声が、非パイロットから聞こえてくる気がします

米空軍が必死に人材確保策
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

「オンラインゲームで高校生を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-02-1

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ボーイングがF-15X開発に大乗り気!? [米空軍]

F-16に根強い人気がある中、F-15企業も・・・

F-15 upgrades.jpg19日付Military.comは、F-15シリーズを製造するボーイング社幹部の話として国際的にF-15シリーズの能力向上型F-15Xへの期待と関心が高まっていることから、FA-18 Super Hornetで行った同様のコンセプで現F-15を改良することを、第4世代機と第5世代機の混合編成を念頭に置いている米空軍と持ち掛けたい模様だ・・・と報じています

2020年代早々に約200機のF-15Cと24機のF-15Dを早期退役させたい米空軍の意向が頻繁に漏れ聞こえてくる中で、ほんまかいな? 正気かいな? と関西弁でつぶやいてしまいそうなお話ですが最新技術を新たに投入する第4世代機への期待が国際的に高まっているのは「腑に落ちる」話で、どこかで聞いたばかりの話です。

そうです、先日ロッキード社が世界の動向を敏感にとらえ、「F-16V Block 70」の生産ラインを新たに立ち上げ、200機レベルの需要を見込んでいるとの話をご紹介した流れの話ですので、ご紹介しておきます。

ついでに、日本のような有事に航空機運用基盤の維持が困難な国では、第4世代機をコストパフォーマンス良く維持改良し、平時の活動と有事への備えのバランスをよく考える必要がありますので、考察の材料としても断片的ながら取り上げます

19日付Military.com記事によれば
F-15 upgrades4.jpg●DefenseOneの報道によれば、ボーイング社は米空軍が第4世代機と第5世代機の混合編成を念頭に置いている事を踏まえ、新バージョンのF-15イーグル「F-15X」提案に向け動き始めている
●このF-15Xは、同社がBlock III F/A-18 Super Hornetで行ったと同様のコンセプトで、最新の技術をF-15に投入して能力向上させ、2ダース以上の空対空ミサイルや、より優れたアビオニクスやレーダーを装備する方向だと同社関係者が語った

●また、より多様な兵器体系の搭載、行動範囲の延伸、より高度なターゲティング能力やセンサーシステム、優れた燃料効率性などなどの実現を目指すものである
●同社で国防装備の国際営業を管轄するGene Cunningham副社長は、「国際的に同機のマーケティング市場が拡大しているのを目の当たりにしている」と英国航空ショーで発言し、「この流れは、米空軍に対してF-15シリーズの能力向上や新規調達を提案する機会を生み出すものだ」とも語った

●ただ、このCunningham副社長の発言に関し、ボーイング社は特段のコメントはしないとの姿勢を示している

●米空軍は、この秋にも戦闘機のロードマップを発表しようとしており、これには他の関連航空機も含まれる可能性もある。そしてそのロードマップは、戦闘に使用する航空機のどの種類をどの程度調達するかを規定するものとなる。
米議会も、米海軍が355隻体制を必要とするとして発表したと同様の計画を米空軍に求めている。

●空軍長官は本件に関し、「国防長官が発表した国家防衛戦略を受けた米空軍の計画が必要であり、鋭意作成に取り組んでいる」、「初期ドラフトを8月には確認し、来年3月には議会に提出できるようにしたい」と語っている
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F-15 upgrades3.jpg戦闘機等ロードマップと、議会に提出する脅威分析を踏まえて「study the number of fighter and combat-coded squadrons」に関するレポートは別のようですが、根っこにあるのは、どの戦力が何機必要かを見積もることです

そんな中で、全体の予算枠を踏まえ、どのような戦力構成にするか? 4世代機と5世代機をどのように組み合わせるか? の検討に食い込み、世界的な需要があるF-15Xを売り込もうとの狙いです

もう既に米国軍需産業は、F-35を2000機以上調達することが難しいことを、「織り込み始めた」のでしょうか???

「Block III F/A-18とは」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-07

関連の記事
「F-16人気復活で新生産ライン」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22

「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
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B-52パイロンに大型兵器搭載検討!? [米空軍]

今後30年間しっかり仕事してもらうため
対中国を視野に置きつつ第1歩

B-52-UK.jpg10日付DODbuzzは、米空軍B-52のライフサイクル管理センターが6月に関連企業に向け「RFI:request for information:情報提供要求」を公表し、同機の翼下に現在の4倍の大型兵器を搭載可能にする基礎調査を開始したと報じています

この情報要求は、1960年代から使用されているB-52のパイロンに関する「Heavy Weapon Release Pylon Program」の一環として、現パイロンの最大搭載重量5000ポンドを、2万ポンドレベルに強化しようとするものとRFIに記されているようです

このような計画やRFIの背景について記事は、中国の急速な軍事力増強と技術開発だと明確に言い切っており、関係者への取材をそれを裏付けるものとなっています。
具体的な搭載兵器の候補や計画はまだなく、単に技術的な情報収集を始めただけとのことですが、「火の無いところに煙は立たず」ですので、今後ためTake Noteしておきましょう

10日付DODbuzz記事によれば
B-52 wing-W.jpg米国防省や米軍が、対テロから大国間の本格紛争への備えに駆り立てられる中、米空軍は春発表された「Bomber Vector:爆撃機将来計画」において今後30年間使用する計画になっているB-52爆撃機の、翼下パイロンの更新強化を検討し始めている
●6月に関係企業に向けたRFIが米空軍から公表され、B-52のパイロンに新しくより重い兵器を搭載するための最適策を検討する情報提供の募集を開始しているのだ

米空軍関係者によれば、太平洋地域において顕著になりつつある脅威に対応するため、「Heavy Weapon Release Pylon Program」が進められているようだ
●同関係者は、「理由なく同プログラムが存在する訳はなく、我々を検討に駆り立てる切迫した理由があるからだ」と、最新の「National Defense Strategy」やマティス国防長官のシャングリラ会合講演で、中国を強くけん制する発言が相次いでいる背景を示唆した

B-52-England.jpg●パイロン改修に関する具体的情報は無いが、同関係者は「パイロンに5,000~20,000-pound級の兵器を複数搭載したい」と語っている
●前述の「Bomber Vector:爆撃機将来計画」や2019年度予算案においても、この高齢爆撃機に対し、今後さらに投資する方向が示されている

●ただし米空軍B-52のライフサイクル管理センターのStephen Palmer氏は、「このRFIは単なる市場調査に過ぎない」、「現時点で関係企業に具体的な提案を要望しているわけではない」と慎重なコメントに終始した
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ちなみに最新の「National Defense Strategy」は中国の軍拡について、「中国は戦略的な競争者であり、その獰猛な経済力を用いて、近隣諸国を恫喝し、南シナ海の軍事化を進めている」と記述しています。

B-52H2.jpgマティス長官はアジア安全保障会議(シャングリラ会同)で、「中国が(南シナ海で)拡張や攻撃的な姿勢を改めないなら、何らかの結果を生じることになろう」と述べ、その前にはRIMPAC2018に中国を招待しないと発表した際も、「競争自体は悪くなく、強い姿勢もそれ自体が悪くはない。しかし彼らの南シナ海での行為は結果を生み出すことになる」とコメントしていました。

トランプ政権全体の動きは読めませんが、一つの指標として、B-52翼下パイロンの大型兵器搭載改修検討をお伝えしました

関連の記事
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
「NDS:対テロから対中露へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20
「2018年シャングリラ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-2

B-52関連の記事
「エンジン換装大集会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-24
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱は本当に必要?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「将来の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「次期爆撃機に有人型は不要だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

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情報収集機RCやOCやWC-135の維持がピンチ!? [米空軍]

オープンスカイ条約飛行の遂行率64%の惨状
対するロシアは達成率100%なのに・・・

RC-135 2.jpg2日付Defense-Newsが、米空軍の特殊情報取集を担当するネブラスカ州Offutt空軍基地所属のRCやOCやWC-135の維持がピンチで、2016年以降だと500回の任務が機体トラブルでキャンセルされ、2015年以降だと12回に1回の割合で任務を断念する事態に至っていると紹介しています

特に、米露と欧州が信頼醸成措置の一環として結んでいるオープンスカイ条約の履行を担い、ロシア上空からロシアを合法的に偵察する任務を負う「OC-135 Open Skies aircraft」が任務遂行率64%の惨状で、2016年7月には機体トラブルでロシアの飛行場に緊急着陸する事態まで引き起こしているようです

RC-135s-w.jpg記事の内容は、offutt基地の地元議員が、同基地の135シリーズの健康状態を懸念して空軍長官に調査を要求したとか、OC-135後継予算に消極的な議会内でプッシュしている様子を紹介し、地元への利益誘導の臭いがするのですが、F-35やB-21に予算が流れ、縁の下を支える重要装備が危機に陥っている典型的事例ですのでご紹介しておきます

まずOffutt基地所属RCやOCやWC-135をご紹介
RC-135U Combat Sent 2機 シグナル情報収集機
RC-135V/W Rivet Joint 8機と9機 U型を改良したシグナル情報収集機

RC-135S Cobra Ball 3機 弾道ミサイル光学電子情報収集
北朝鮮の弾道ミサイル試験が迫ると日本周辺に飛来 

OC-135B  Open Skies aircraft 2機  
WC-135 Constant Phoenik 2機 大気収集機
北朝鮮の核実験報道があると日本海で待機を収集し、核実験の真偽を判定

2日付Defense-News記事によれば
RC-135 3.jpg第55航空団が保有するKC-135給油機やC-135輸送を改良した情報収集機は、今も英国やギリシャや日本やカタールに展開して任務飛行を行っているが、50年以上の年齢で老朽化が問題となっている。
●Offutt空軍基地周辺の地元紙の調査によると、2016年以降だと500回の任務が機体トラブルでキャンセルされ、2015年以降だと12回に1回の割合で任務を断念する事態に至っている

●これを受け、ネブラスカ州選出のDon Bacon下院議員らは、空軍長官に同基地第55航空団所属機の状況に関するレポート提出を求めた
●同時に同議員らは、米空軍が要求するOC-135b後継機予算(2機で約250億円)に反対姿勢の上下院議員に、考え方を改めるように活動を行っている。なお後継予算に反対の議員は、オープンスカイ条約の有効性そのものに疑義を掛け、またロシアの最近の姿勢に反発しており、信頼醸成そのものに懐疑的である

●同議員は「OC-135は米空軍保有アセットの中で最悪の稼働率だ」、「故障して敵対的な姿勢が目立つロシア国内で立ち往生する有様だ」と下院で訴えている
マティス国防長官も関連議員にOC-135の稼働率問題を認め、後継機予算への理解浸透を要請し、ホワイトハウス予算管理室も議会関係者に後継者予算が議会予算案から除外されていることに不満を示すレターを出している
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RC-135.jpg後継機予算が2機で250億円とはかわいらしい額です。F-35が1機100億円で、B-21が1機600億円であることを考えれば・・・

ロシアに稼働率で負けるあたりは、いくら何でも落ちぶれすぎ・・・。北朝鮮情勢も不安定ですので、いざという時に役立つよう維持をお願いしておきましょう

関連記事
「135情報収集機の活躍」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-21
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21

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横田基地で新型C-130輸送機が本格稼働 [米空軍]

HからJ型への更新は新型機導入並みの能力向上

C-130J.jpg6日付米空軍協会web記事が、4月にC-130輸送機のH型からJ型への機種更新を終えた横田基地のC-130部隊(374輸送航空団)の様子を紹介し、J型の優れた能力を取り上げています。

世界各国が使用する軍用輸送機4000機の中の1000機を占め、1950年代に初号機がデビュー時に「世界のベストセラー」「世界中の輸送機の手本」となったC-130輸送機ですが、現在の様子を断片的ながらお伝えします

まずネット情報からH型とJ型の比較
搭載量 19トンから20トンへ  (ただし、機内容積が増したため、空中投下パレット搭載量は3割増しの24個に
●最高速度 590㎞から660㎞

C-130J 3.jpg●航続距離 16トン搭載時で2410kmから3890㎞へ
●操縦装置の改良により操縦要員が5名から3名へ

●エンジン換装 25%パワーアップのRolls-Royce AE 2100
H型は翼下増槽タンクオプションがあったが、エンジン効率アップで空気抵抗の増える同タンク無しの形態
また機体内の増槽もなくし、搭載容量の削減無しで上記の航続距離延伸達成
●見た目では各エンジンのプロペラが4枚から6枚に、胴体は少し長く

6日付米空軍協会web記事によれば
2017年3月に初号機が横田基地に到着して始まった14機の更新は、2018年4月に最終機が到着して完了した。その後の演習や訓練を経て、横田基地のC-130J型部隊は本格的に活動を始めている
●これまで既に、通用の輸送任務だけでなく、「Vigilant Ace」、「Cope North」、「Red Flag-Alaska」等の演習にも参加し、特に最大限の能力発揮を試される「Vigilant Ace 18」も乗り切った

C-130J 2.jpg●「Vigilant Ace 18」時には7機しか期待がなかったが、米本土から2機を追加配備して演習に参加し、4日間で105ソーティーの飛行を行い、2個戦闘機航空団の移動を可能とするだけの輸送量をこなした
●計画された飛行の中で、機体整備のトラブルで遂行できなかった飛行は僅か1ソーティーで、部隊兵士は「この厳しいスケジュールで、これだけの飛行は、H型では無理だった。J型だから可能になった」と語った
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あまり目立たない横田基地のC-130部隊ですが兵站の要として活躍を期待します

それから・・・7日、横田にF-22が4機以上急きょ飛来したとか・・・米国務長官の北朝鮮行きの護衛との観測が

C-130輸送機関連
「AC-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06
「米C-130 にジブチで中国からレーザー?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-04
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06

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B-21爆撃機は順調なようです [米空軍]

初期設計段階から設計審査へ

LRS-B NG.jpg25日、米空軍の緊急能力造成室(RCO)のRandall Walden室長が米空軍協会ミッチェル研究所で講演し、 その開発状況が秘密のベールに包まれているB-21 Raider次期爆撃機について、淡々とプロセスを踏んでいる様子を語りました

B-21爆撃機は、突破力のある機体(ステルス)で、1機約600億円以下で100機製造し、2025年頃に初号機が運用に入る計画で進められており、企業選定の結果B-2爆撃機で実績のあるNorthrop Grummanが、ボーイングやロッキードを破って主担当企業に決定しています

2017年3月以来のご紹介ですが当時は2回目の「PDR:preliminary design review」が終了し、空軍省の調達担当中将が、」、「全てが準備完了であることを確認した」、「基礎的レベルでの全ての参入企業の融合検証が完了した」とも表現し、次の節目は「CDR:critical design review」だと語っていたところです。
また空軍副参謀総長が昨年夏ごろ、PDRは終了し、コストとスケジュール検討に入るとコメントしています。

更に2018年3月には、関係者限定の非公開ブリーフィングを受けたと思われるRob Wittman下院軍事委員長が、B-21計画の進捗に満足感を示し、細部ではPratt & Whitney製のエンジンに若干の課題があると発言していたところです
なお、B-21のエンジンはF-35用F135の改良型を使用するといわれています

まぁ、細部は不明ながら、定点観測ということで、F-35やKC-46Aと並ぶ米国防省の3大プロジェクトの一角についてその状況をご紹介します

25日付Defense-News記事によれば
Walden.jpg●Walden室長は、「FDRを終了し、CDRに向かう途上にあり、テスト用機体だけでなく、開発を終えて生産に予定通り入れるように進めている」と語った。そして「開発を終えるだけでなく、約100機を生産すること。私の関心は生産開始にあり、その前に設計段階をクリアーする必要があるということだ」とも表現した
●同室長は進捗具合に関し、生産開始には至らないが、RCOでは部品やパーツの試験は始まっており、模型の風洞試験も行っていると説明したが、どの程度の規模の模型化やどこの風洞を使用しているか等の細部には言及しなかった

●米空軍グローバルストライクコマンドから4名のパイロットを派遣してもらい、試験を支援の支援や同軍のRobin Rand司令官へのレポート役を担ってもらっていると同室長は語り、室長自身も毎月司令官に状況報告をしていると述べた
●更に、ワシントンDC所在のRCOだけでなく、米空軍のライフサイクルコスト管理センターや装備維持センターの協力を得て計画の精度を高める検討を進めていると説明した

B-21 2.jpg●今年3月に下院軍事委員長が言及したPratt & Whitney製エンジンの課題については、設計図上の段階から現物試験に移った際に生じうるもので、既に対応していると説明し、「実物を手にして明らかになることもあり、段階的な開発の過程の一つである」と意に介していないと語った
現在は個々の全ての部品をテストしている段階で、今後は各パーツを融合して機能するかの確認に移ることになる
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RCOとは「Rapid Capabilities Office」の略で、通常の装備品調達プロセスをすっ飛ばし、現場が必要とする装備を迅速に影響することも目的とした特別組織です。

LRS-B4.jpgこれまでは、イラクやアフガンで急増する映像ISR情報ニーズにこたえるため、既存の小型プロペラ機に映像伝送装置を搭載し、わずか1年で全盛投入を可能にした事例等が実績でしたが、これだ大きな重要プロジェクトも担当しているとは・・・

次期空中給油機KC-46Aも、このあたりまでは順調だったのですが・・・・B-21の今後の進展に期待いたしましょう・・・

B-21爆撃機の関連記事
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2 
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27

「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28
「意図的リーク?LRS-B概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
「次期爆撃機に有人型は不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

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