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KC-46に貨物ロックの新たな重大不具合発覚 [米空軍]

貨物や乗客を乗せるな指示発令
貨物を止めるロックが飛行中に解除事案が続出

KC-46A 2.jpg11日付Defense-=News等複数の軍事メディアが、数々の不具合で試験や本格運用開始が2年以上遅れている米空軍の次期空中給油機KC-46に新たな最高レベル(Category 1)の不具合が発覚し、「同機に貨物や乗客を乗せるな」指示が出たと報じています

ちなみにKC-46Aは空中給油機ですが、空いたスペースは貨物や人員の輸送に活用できるようになっています

米空軍は現在までに18機を受領していますが、現時点でも3つの最高ランク不具合を抱える状態の機体でIOT&E(initial operational test and evaluation)の準備試験を継続中です。

ちなみに、3つの重大不具合の解決には数年必要と言われており、最高レベル(Category 1)の不具合を抱えたまま、なし崩し的に運用を開始するイメージで事が進んでいる状態にあります

KC-46A 3.jpg今年に入ってからも、機体組み立て作業時に「残置」された部品や工具や布や包装紙などが機体内部から次々見つかり、米空軍が3月と4月に2回も「機体引き取り拒否」しましたが、一向に「機内放置異物」がなくなる気配はなく、また試験を進める必要から全機体の完全チャックには時間がかかると空軍も妥協せざるを得ない状況です。

このように、ボーイングへの米空軍の不信感は高まるばかりの中、新たに「Category 1」不具合が確認されたことで、再び試験に遅れが出る恐れが囁かれ始めました。日本も購入する重要な空中給油機ですので、フォローしておきます

11日付Defense-=News記事によれば
今秋から開始される予定のIOT&E(initial operational test and evaluation)に先立つ諸確認のため、海外運航試験を行っていた1機のKC-46Aで、搭載貨物を飛行中に動かないよう固定する拘束装置のロックが、飛行中に解除されアンロック状態になる不具合が複数個所で確認された
●これを重大な不具合事項と判断した米空軍は、「Category 1」レベルの不具合と評価し、KC-46Aの貨物室に貨物や人員を搭載して輸送することを禁止するとの指示を発出した

KC-46A.jpg搭載貨物拘束装置がアンロック状態になったケースでも、当該貨物のすべてのロックが解除されたわけではなく、複数の一部のロックが解除されただけで実際に貨物が機内を移動したりするには至らなかったが、飛行前の貨物搭載作業時に複数の搭乗員で貨物固定作業とロック状態確認を行ったにもかかわらず、複数のロックが解除状態になる事象が確認されたことから重大事象と評価された
●このようなアンロック事例が確認されたのは当該機1機のみで他のKC-46Aではこれまで確認されていないが、仮にロック解除で飛行中に貨物や人員座席が機内を動くようなことになれば、人員のけがや機体の損傷、更に機体重量バランスの急激な変化で飛行自体が危険にさらされる恐れがある

米空軍輸送コマンド報道官は「ボーイング社と協力しつつ原因究明と対策に取り組んでいるが、問題解決まで、我々は乗員と機体の安全を冒すことはできない」と述べ、貨物や人員の輸送禁止指示を説明した
●また「問題が発生した複数の区間のフライトで、搭乗員は完全に拘束装置を貨物にセットし、ロックして十分に確認行為を行ったことが確認されており、にもかかわらず飛行中にアンロック状態に複数の装置がなったことを重大視している」とも説明した

●米空軍は、当該アンロック事象は当該機体のみで確認された事象だが、他の機体でこの問題が発生する可能性を否定できないとして、KC-46A全機への指示を出すことにした
●同報道官は、「KC-46Aは空中給油と共に、患者空輸と空中での治療を行うaeromedical evacuation任務を担っており、患者は輸送用の担架やベッドが安心して固定できないと、求められる任務を果たせない」とも表現した

●ボーイング社は本問題の発生を認め、「米空軍と協力しつつ、本事象の根本原因を究明している。搭乗員と機体の安全は最優先事項であり、原因が究明されたなら、直ちに対策を実行する」と声明を発表している

現在残っている他の3つの「Category 1」不具合
KC-46A RVS.jpg●給油ブーム操作員が、給油ブームの操作や相手機の状態を確認する映像表示システム(RVS)に、太陽の方向など特定の条件下で、操作員に誤解を与えたり操作を誤る可能性がある。ボーイングは包括的なハードとソフト両面での改修に同意しているが、米空軍は問題解決に3-4年は必要だろうとみている

上記RVSの不具合から、給油用ブームで相手機の機体表面に「ひっかき傷」を生じさせるケースが多数発生し、特にステルス機のステルス塗装への影響が問題となっている
●米空軍が後出しで要求事項に加えたものでボーイングの責任ではないが、A-10に給油ブームを差し込む勢いが不足していることから、約600億円を追加投資してブームにアクチュエーターを追加する
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今年5月の記事で米空軍以外に日本しか買い手がいないKC-46の海外売込みにボーイングが必死だとご紹介しましたが、再びの逆風ということでしょうか・・・

KC-46A.jpgしばし様子見ですが、航空自衛隊の皆様もご注意ください不断開けない翼の中とか、機内の空間とか・・・日本にとって空中給油機は重要ですから

KC-46関連の記事
「海外売り込みに必死なボーイング」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-22-1
「米空軍2度目の受領拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3

「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1
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結局稼働率8割はF-16だけが達成見込み [米空軍]

マティス前国防長官の思いだったのに気合入らず?
米空軍作戦部長の言い訳をお聞きください
(海軍FA-18は恐らく5割を大きく割り込み

F-22Hawaii3.jpg4日、米空軍作戦部長のMark Kelly中将が講演し、昨年10月に当時のマティス国防長官から指示された「主要戦闘機の稼働率を8割以上に回復させよ。2019年度末(2019年9月末)までに」について、米空軍で達成可能なのはF-16だけだと明らかにしました

マティス国防長官が指示した主要戦闘機とは、空軍のF-16、F-22、F-35、そして海軍のFA-18で、2017年の各機種の稼働率は以下の通りでした
・ F-16C 786機 70%
・ FA-18 546機 約半分
・ F-22  187機 49%
・ F-35A 119機 54%

昨年12月にも同作戦部長は本件ついて語り
Kelly2.jpg●米空軍は必要な資源投入を行っている。既に整備員の不足解消には目途が立っている。一方で機体で部品確保が難しく、現状では必要数の半分の部品確保しかできていない
●また、ステルス機のF-22やF-35は、整備で機体内部の作業を行った後に、機体表面のステルスコーティングを「切り貼り」する必要があり、整備時間が長くなって稼働率を悪化させている。「通常6-7時間を機体表面の処理のために要している」と語り、稼働率アップの難しさを強調した

F-16に関しては、既に相当改善できており、目標の81%に近いレベルにきている。しかしステルス機については多くの整備所用を抱えていると認めた
整備員不足については、数の面では対応ができつつあるが、新しい整備員の技量向上には時間が必要であり、現時点では整備員数の増加が整備時間短縮に直接結びついていないと認めた

逆に、新しい整備員の現場での教育や監督にマンアワーととられ、短期的には負担となっている。1日12時間勤務のような状態がまだ続いている。整備員たちの滅私奉公(service before self)精神に依存しているのが現状だと認識している

9月5日付Military.com記事によれば同中将は
Kelly.jpg●Mark Kelly作戦部長は「2019 Defense News Conference」で、前国防長官が定めた稼働率基準を9月末までに満たせる主要戦闘機はF-16のみであると述べ、「正規軍のF-16は既に8割以上あり、州軍機も8割を達成できる見込みである」と説明した
●しかしF-22とF-35に関しては、それぞれの機種の異なる理由で8割の基準を満たすことはできないと述べ、F-22はステルス性維持のために多大な整備労力を要しており、F-35は依然として部隊立ち上げ段階であるが、中東への展開など前線ニーズや訓練参加ニーズが高い状態が続き、稼働率を上げるのが困難となっている

●昨年10月に当時のマティス長官から指示を受けて以来、米空軍は様々な観点から稼働率を左右する要因を分析し改善を図り、その過程で問題の所在や将来成すべきことを多く学んだ
●その上で極論を述べれば、主要戦闘機の飛行を停止すれば稼働率を上昇することが出来るのだが、現在の情勢ではそれは許されず、より多く飛行することを求められているのが現実である

8月にHolms戦闘コマンド司令官はF-22に関し
Holmes.jpgF-22のステルス機体表面処理施設を増やせば稼働率向上に貢献するだろうが、昨年のハリケーンでF-22要員教育部隊のフロリダ州Tyndall基地が壊滅的なダメージを受け、操縦や整備教育が継続できなくなっているほか、ステルス機体表面処理が出来なくなったのが大きな痛手

Tyndall基地のF-22は、分散してアラスカ、ハワイ、バージニア州Langleyの基地にとりあえず移動させたが、米議会はLangley基地に教育部隊を移動させよとしている。しかしLangley基地には十分なステルス機体表面処理施設がない点が問題である
●そこで米空軍はジョージア州の契約企業の施設を利用したり、ニューメキシコ州のHollomanの施設を再開することを検討している
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稼働率8割というのは高い目標で、当初から専門家で可能だと主張していた人はいませんでした

この指示が出た際、一部の専門家からは、稼働率は「使用可能機数と保有機数の比率」だから故障の多い老朽化機体を破棄して計算上の稼働率を上げるぐらいしか手段はない・・・との「裏技・奥の手」案も出ていたくらいです

しかしマティス長官は恐らく、米空軍や海軍内には数々の無駄があり、これを主要戦力の稼働率アップという誰にでも理解しやすい目的を示して是正させ、資源の再配分に結びつけることを促したのだと理解しています

F-35 clear.jpg結果としては、米空軍を支配しているはずの戦闘機族でさえも「辣腕」を発揮することが出来ず、資源配分のシェアに手を出せず、ほとんど実質的な改革に着手できなかったと言うことでしょう

もちろん、整備員の量と質の急激な改善や、ステルス表面処理施設の緊急増設は可能な選択肢ではありませんが、稼働率アップを目指す過程で「問題の所在や将来成すべきことを多く学んだ」との言葉を信じ、エスパー国防長官が新たに挑む決意をした「旧思考の事業中断検討」と「将来のための事業への再投資」に取り組んでいただきたいと思います

「エスパー長官がスクラップ&ビルドに強い決意」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-31

「主要戦闘機の稼働率を8割にせよ」関連記事
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「マティス国防長官が指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11

「B-1爆撃機の稼働機一桁の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
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戦闘機ボスが将来制空投資削減を危惧 [米空軍]

米議会で来年度予算半減を検討とか
議会は開発リスクや効果を懸念

Holmes.jpg8月20日、軍事記者団との朝食会で講演した米空軍戦闘機族のボスである空軍戦闘コマンドACC司令官のMike Holmes大将は次世代制空機(PCA:penetrating counter air)を含むより広範な将来制空確保のための「family of systems」開発予算に関し、議会関係者に重要性を説明して回っているが、疑問疑念を払しょくしきれていないと語りました

2020年度予算案を巡る議会審議が佳境を迎える中での動きですが、2030年代末までに空軍が形にしたいPCAだけでなく、PCAと並んでほとんどが秘密のベールに包まれている多様な技術開発の目的は2040年代までの制空を目指す「NGAD:Next-Generation Air Dominance」と呼ばれ、そのNGAD予算を巡る議論です

最終的には、当初$750 billionで要求した2020年度国防予算を、$738 billionまで削減することを議会が求めているようで、議会から削減を求められなくても、米空軍内で「枠」に納めるために当初要求額から削減する可能性も相当あるようですが、「戦闘機族のボス」と言われる幹部の発言ですのでフォローしておきます

20日付米空軍協会web記事によれば
NGAD2.jpg●同司令官は記者団に対し、8月の米議会休会期間を最大限に活用し、2020年度予算案に計上しているNGAD関連予算の約1000億円の必要性を議会関連スタッフに説明に回り、NGADの重要性を訴えたと語った
●そして、議会関係者間に根強く残っている予算の効率的使用に関する疑念について、「我々は将来に対する備えのため、効果的に与えられた投資を活用できる」、「議会の専門家スタッフと定期的に会い、我々のコンセプトやその必要性について協力を得られるように説明している」と語った

NGADは、2040年代までを想定した将来の制空を確実にするための大部分が秘密の広範な技術開発の取り組みで、その中にはF-22とF-35を補完する新たなステルス機を2030年代までに調達することや、より広範な複数の「family of systems」を研究開発することが含まれている
●同司令官は、敵防空網の強化が進む中でも、米空軍には引き続き敵目標に接近するプラットフォームが必要であり、NGADは敵防空兵器を回避するための手段の一つであると語った

しかし下院が打ち出した修正案では、開発リスクとその効果への疑念から、約1000億円のNGAD予算が半分の約500億円まで削減されている。
NGAD3.jpg●同司令官は引き続き議会関係者への説明説得を続ける必要があると述べる一方で、国防省全体として希望予算額より小さな予算しか得られそうにない中で、米空軍として継続してきた事業の中断など「厳しい選択」を迫られるだろうと悲観的な見方も示した

●そしてGoldfein参謀総長はまさに今、限られた枠の中で何を優先して何を後回しにするかの検討を迫られているところだと同司令官は説明した
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中国が西太平洋でA2AD戦略を展開し、「制空」の足場となる米国やその同盟国の飛行場などの作戦基盤を、各種弾道ミサイルや巡航ミサイル、更には電子戦やサイバー戦も絡めて無力化しようとする中制空の重要性は認識するものの、NGAD全体の構想をよほど明確に実現可能性を踏まえつつ描いていただかないと、資金投入は難しいのでしょう

上下院の軍事委員会メンバーには、秘密の部分もある程度説明しているのでしょうが、そのうえで疑問や疑念が絶えないようですから、よほど旧態然としたコンセプトを引きづっているか、夢のような戦いを想定しているのでしょう・・・

せめて日本を巻き込んで余計な物を買わせないよう、お願いしたいものです

米空軍の次世代制空機検討PCA
「PCA価格はF-35の3倍?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15
「秋に戦闘機ロードマップを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

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米空軍研究:ロボット操縦の旧式セスナが初飛行 [米空軍]

安価に既存機を無人機にする手段の研究
米空軍研究所が真面目に取り組み
ニーズや今後の展開が気になります

Cessna 206.jpg15日付米空軍リリースによれば、米空軍研究所AFRLと民間企業が協力し、8月9日に旧式のセスナ機(1968 Cessna 206 )の操縦席にロボット操縦者「ROBOpilot」を乗せて初飛行に成功した模様です

このニュースを見た時、「今や無人機なんて山のように世界に出回っているのに、何で米空軍研究所がこんなことやってるの?」、「お遊びですか?」と疑問に思ったのですが、どうやら、山のように世にある有人機を安価に簡単に無人機運用したいとのニーズが背景にあるようです

明確に研究の背景や今後の応用について空軍リリースや関連報道は触れていませんが、新たな無人機を設計製造すれば相当な資金が必要だし、有人機の操縦システムを無人運用用に1機1機改修するのも資金が必要なので、ロボット操縦士を有人機の操縦席に座らせ、軽易に有人機を無人運用したい(また逆に簡単に有人機に戻したい)との思いがあるのでは・・・と邪推しております

また、米軍操縦者の民間流出が止まらず、操縦者不足が深刻化して対策に苦慮していることから、既存有人機を無人運用する検討しているのかもしれません。

原始的ながら、米空軍研究所の緊急イノベーションセンターが真剣に取り組む「ROBOpilot」をご紹介いたします

15日付米空軍報道リリースによれば
Cessna 206 2.jpg●米空軍研究所AFRLのWilliam Cooley司令官(少将)は、「この初飛行成功は、短時間低コストで、コンセプトを実用化に結び付けるAFRLの革新能力を証明するものだ」と成果を語り、
●AFRLの迅速イノべーションセンター(Center for Rapid Innovation)の上席研究員は、「考えてみてほしい。セスナ機や軽飛行機などの普通の航空機が、迅速にかつ安価に無人機に転換でき、また有人形態にもどすことが容易に可能なのだ」、「恒久的な形状変更をせずに有人と無人形態を変更できるのだ」と利点を強調した

●AFRLは、加州に所在する民間企業DZYNE Technologiesと協力して本計画を進め、「ROBOpilot」を人間が操縦するように航空機を扱うよう作り上げた
●例えば、操縦桿を操り、スロットルを操作し、尾翼や車輪を動かすペダルを踏み、スイッチ類を扱うように「ROBOpilot」は設計されている。またセンサーにより計器パネルを読み、機体姿勢や状況を把握して操縦する仕組みを備えている

Cessna 206 3.jpg●「ROBOpilot」の備え付けは簡単で、操縦座席を取り外して必要な操縦機能を備えた装置が詰まったROBOpilotのフレームを当該スペースに取り付け、必要な個所と接続するだけである
●AFRL関係者は、「ROBOpilot」が既存の民生技術や部品を活用して組み立てられ、その中にAFRLやDZYNE Technologyがこれまで培ってきた航空機設計技術を盛り込んだと説明し、「新たに無人機を設計する手間やコストを省いて、無人機の便利さや有効性を活用できる取り組みだ」とアピールしている

●AFRLの迅速イノべーションセンター(Center for Rapid Innovation)は2006年に設立され、既存技術を生かして迅速に必要なものを前線に届けるとの狙いをもって活動を開始し、作戦運用上のニーズに対応してきた組織である。
●具体的にはこれまで、例えば、移動目標攻撃のためのリックサック式の精密誘導兵器誘導装置、仕掛け爆弾IED対処装置、ドローン対処装置、移動式の秘匿通信システムなどなどで成果を上げてきた
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セスナや軽飛行機より複雑な、軍用輸送機(C-17やC-130のような)への応用を考えているのでしょうか? そうであれば、パイロット世界に結構な衝撃がありそうです

このような発想は、戦闘機には絶対応用されないでしょうが、米空軍内のパイロット族がどの様に生かしていくかに、興味津々です

米空軍パイロット不足関連
「操縦者不足緩和?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-12
「操縦者養成3割増に向けて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-21-1
「下士官パイロットは考えず→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3
「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップガン続編の予告編」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-20-1
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B-21ステルス爆撃機の初飛行まで863日 [米空軍]

2021年12月3日が予定日だそうです
すごい自信ですが、順調そうで何より
1年ぶりにB-21ご紹介

LRS-B NG.jpg24日、米空軍副参謀総長のStephen Wilson大将が米空軍協会の研究機関であるミッチェル研究所で講演しB-1やB-2爆撃機の後継となるB-21爆撃機の今後の予定について、運用体制確立は2020年代中旬だが、初飛行は「863日後だ」と語り、開発が順調だと示唆しました

同副参謀総長は最近、開発を担当するNorthrop Grummanのフロリダ州の工場を視察した模様で、同社が「先行的に開発を進めている」ともコメントしており、かなりの好印象だった模様です

2020年代半ばに運用開始予定、強固な防空網を突破可能な性能(ステルス等)、1機約600億円($550million)、80-100機製造、無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用して開発リスクを避ける等々の方針で進められているB-21ですが、機種選定後は秘密のベールに包まれています

B-21に関しては情報統制が厳しく2018年12月に「重要設計審査:critical design review」を終了したとの発表があったきりで情報がほとんど漏れてきませんが、F-35やKC-46Aと並ぶ3大重要事業ですので、推測たっぷりの専門家の想像も含めて記事をご紹介しておきます

25日付Defense-News記事によれば
Wilson.jpg●米空軍協会機関誌の報道によれば、Stephen Wilson副参謀総長は24日の講演で、「現時点で必ず実現できるとまでは言い切れないが、今から863日後にB-21爆撃機は初飛行の予定となっている」と語り、最近訪問したB-21工場の様子を「moving out on that pretty fast:先行的に開発が進んでいる」とも表現した
●19日には、臨時空軍長官と空軍省の緊急能力造成室(RCP)長が、同じNorthrop GrummanのB-21設計部署を訪問して開発状況を確認した模様で、複数の空軍幹部の目で見て順調だとの印象を受けているようだ

863日後とは2021年12月3日を指し、2年半先の予定であることから、航空専門家のRichard Aboulafia氏は、「今後2年間には多くのことが発生しうる。しかしノースロップ社がスケジュール管理に自信を示しているのは良い兆候だ」とコメントしてくれた
B-21.jpg●同氏は、ノースロップが企業選定で選ばれ、敗れた他社からの訴えが却下されたのが2016年であることを考えると、短い時間で初飛行予定を固められたのは、同社が製造したB-2爆撃機の知見を活かせる、B-2を小型化したようなデザインだからではないかと推測し、「B-2から大きくデザインを変更する必要性はなく、全体に最新技術を導入し、小型化、高性能化を進める方法が合理的だ」と述べている

●ただ、仮にB-2形状から大きな変更があった場合には、2021年前に小型やフルサイズのデモ機による試験飛行が行われる可能性があるとAboulafia氏は見ている

●別の専門家Roman Schweizer氏は、関連情報が全くない中、2021年12月初飛行との情報は全体計画を推測する上で貴重な情報だと述べ、そこから類推すると2019年末頃にプロトタイプ製造のために必要な「Production Readiness Review」が行われることになろうと見積もりを示した
3月のブルームバーグ報道によると、B-21関連予算は、2022年に220億円のところ、2023年には2700億円に跳ね上がり、2024年には更に3700億円に上澄みされる見込みであり、この数字から同専門家は、2023年に低レートの生産に入ると推測している
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LRS-B5.jpgこの記事に登場する航空専門家はいずれも良く知られたその筋の「プロ」で、Teal GroupのRichard Aboulafia氏には何度もご登場いただいているところですが、その専門家にしても情報を持っていないとすると、相当なレベルで情報統制がなされています

まぁ。「権力と金と女」で世の中は動いているとの鉄則に従えば、既に中露には流れているのかもしれませんが、メディアへの統制は大したものだと思います。

記事の通りに進めば、今年末に「Production Readiness Review」実施をお伝えし、その次は2021年12月の初飛行を写真入りでご紹介するぐらいの頻度でしか話題になりそうもないので、とりあえず「863日後の2021年12月3日」についてご紹介しました

B-21爆撃機の関連記事
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2 
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27

「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28

米空軍爆撃機の話題
「B-1の稼働機一桁の惨状」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
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太平洋空軍司令官が中露空軍の連携を懸念 [米空軍]

7月23日の日本海連携飛行
ロシア爆撃機の台湾周回威嚇飛行
また民主主義体制への疑念も拡散

Brown4.jpg7月30日、ワシントンDCの米空軍協会ミッチェル研究所で講演したC.Q. Brown太平洋空軍司令官は昨年できたばかりの米国家防衛戦略NDSさえも十分に想定していない中国軍とロシア軍の連携協力が進んでいる状況に危機感を訴え、7月23日の中露爆撃機の日本海での連携飛行や露爆撃機の台湾周回飛行などを例にあげました

ロシア極東や中央アジアでの軍事演習に中国とロシア軍が共に参加することはあったものの、何となく生暖かい関係が続いていましたが、トランプ政権誕生後の西側結束の緩みに付け込み、「敵の敵は味方」論理で急速に中露が接近しています。

特に7月23日の中露爆撃機の連携飛行はインパクト大で、米国が日韓関係への仲介に乗り出したのも韓国によるGSOMIA破棄の脅しだけでなく、中露爆撃機の連携が衝撃的だったからではないかと邪推しております

7月30日付米空軍協会web記事によればBrown大将は
Brown.JPG●23日に中国軍のH-6爆撃機とロシア軍のTu-95爆撃機が共に飛行し、韓国の防空識別圏に入り、日本と韓国の戦闘機が多数緊急発進して対応した様は、まさに将来起こりえる事態のさきがけの様であった
昨年のヴォストーク演習でも、ロシア軍と中国軍の連携緊密化が目立ったが、両国の親密さは米国にとっての大きな懸念材料である。最近、ロシア軍爆撃機が台湾を一周する飛行を行ったが、事前にロシアが中国から外交的な了解を取り付けていたと言われている

●私は中露が協力して活動し始めたことを懸念している。この2国の連携は米国やその同盟国等をより厳しい環境に置き、インドアジア地域に騒動や混乱を巻き起こすことになろう
2018年発表の国家防衛戦略NDSは、中国やロシアとの対峙に主眼をシフトしたが、そのNDSでさえ2国が融合する姿を前提にはおいていない

H-6K Woody.jpg米国情報コミュニティがまとめた「2019 worldwide threat assessment」は、中露は1950年代以降で最も緊密で、特に両国の脅威認識が集約される方向にあるとし、米国が進める民主主義体制や人権擁護への疑念を流布することにも余念がないと分析している
●中露はまた、他国と連携して西側同盟に対峙しようとしており、2014年以降その勢力は拡大しつづけている、とも同アセスメントは分析している

●これら課題に対応するため、例えばF-35が太平洋地域には多く配備され、2025年までには220機になる見込みであるが、その内訳で米同盟国の保有機数が75%を占めるほど同盟国が重要になる。米国も来年アラスカにF-35を1個飛行隊配備する計画である
Tu-95-1.jpg●ただ我々は、中国との軍事的緊張が高まった場合に備え、これら戦力を分散させることを考え始める必要があり、その場合、現在の根拠基地より設備不十分な場所への分散退避を前提としなければならない

●同時に海軍との連携強化も重要で、「Long Range Anti-Ship Missile」が一つのカギで、またJASSMとその派生型ミサイルの共用も重要だ。更に米軍は当地域の精密誘導兵器の備蓄を増加させなければいけない
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先日ご紹介した飯塚恵子さん著の「ドキュメント誘導工作」は、ロシアによるメディアやサイバーを駆使した世論操作や選挙介入を詳しく描いていましたが、現時点では細部が不明ながら、中国の膨大なデータを基にしたメディアやサイバー空間での「誘導工作」の方がより強力になるだろうと警戒していたところです

Tu-95-2.jpgハード面での軍事連携だけでなく、このような非軍事ソフト面での中露連携は、考えただけで恐ろしそうです。しかしトランプや英国のジョンソン首相の動きをみていると、突っ込みどころいっぱいで、中露の連携に火に油を注いでいるように思います

まぁ・・・韓国文政権のデタラメぶりもそうなんですが・・・

太平洋軍関連の記事
「CSBAの海洋プレッシャー戦略」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
「太平洋軍の演習場が不十分」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-29-1
「太平洋軍司令官が議会に要望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-29
「PACAFが緊急避難訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-27
「2019中国の軍事力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-06
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激震!次期ICBM選定からボーイング怒りの撤退 [米空軍]

現有ミニットマンⅢ製造企業が不満一杯決別レター
16日に提案要求書が出た直後に

Caret Boeing.jpg23日、ボーイング社の軍事部門CEOであるLeanne Caret(ボーイング全体の副社長)女史が米空軍に対し、16日に米空軍から発出されたばかりのGBSD(次期ICBM)提案要求書RFPが不公平な内容だと書簡で訴え、ボーイングとノースロップ・グラマンの2社のみが対象の機種選定から撤退すると怒りを爆発させました

先日ご紹介したように、次期ICBMであるGBSD(Ground Based Strategic Deterrent) は2017年8月に候補企業を2社に絞り込み(ロッキードがこの時点で脱落)、2社にそれぞれに約370億円を提供して基礎研究をやらせ、2018年後半から提案要求書RFPの内容を両企業の意見も聞きながら検討してきたものです

GBSD3.jpg米空軍協会機関紙が入手したボーイングから空軍への書簡は、提案要求書の内容が一方の企業に有利になりすぎていると懸念を伝えてきたのに改善されておらず、このような不公平な形での機種選定に多大な労力を投入するのは無駄だ、と訴えているようです

米空軍や国防省としては、2社が争って競争原理が働くことを欲しているのですが、一方で2社共同提案もOKするとの狭い業界の複雑な内部事情を示唆するような姿勢でもあり、ボーイング側も真に撤退を決断したものか、これを機会に提案要求書を有利に書き換えさせようとしているのか疑わしいところで、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の住む米軍需産業界の底知れぬ世界を垣間見る気分です

25日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍協会が入手した23日付のボーイングから米空軍への書簡には、「GBSDの設計製造開発フェーズの計画は、2社の提案が公平に競争できる環境を提供していない>」、「(昨年からの企業意見聴取を踏まえた)修正RFPも、完全に公平でオープンな競争の条件を満たしていない」との言葉が並び、現有ミニットマンⅢ製造企業であるボーイングはGBSDに提案しないと記されている
Caret Boeing3.jpg●ボーイングは、競争相手であるノースロップ・グラマンが米国に2社しか存在しないロケットエンジン製造企業(Aerojet RocketdyneとOrbital ATK)のうち、Orbital ATKを2017年9月に買収したことで公正な競争環境が損なわれたと当時から訴えていた。

●ちなみに、Orbital ATKがノースロップに買収される前は、ボーイングとノースロップ・グラマンは両方とも、2つのロケットエンジン企業両方と取引を行っていた

ボーイング軍事部門CEOのLeanne Caret女史は、「政府機関にこの不公平の是正を訴えてきたが、企業間の競争を妨げ、スタート時点からコスト・資源・システム融合の面等で不公平にノースロップ側に有利な状況改善に、何ら対策が打たれていない」と訴えている
●また同CEOは、買収されたノースロップ配下の企業が、ボーイングにも同等に固体燃料ロケットエンジンを確実に提供するか政府機関が確認する必要があるが、米国政府のいかなる機関にもそのような動きが見られないと指摘している

GBSD2.jpg米空軍は2社が共同で提案することも認めているが、ボーイング側は「ノースロップ側が最初から持つアドバンテージへの対応がとられない限り、単独提案であれ、共同提案であれ、ノースロップ側に不公正に有利なことに変わりはない」、「既に始まっている競争の中で、これから5か月で共同開発を提案するのは非現実的だ」と突っぱねている
●そして、(米空軍から提供された約370億円の基礎研究費の成果を含む)ボーイングのミサイル技術は、他の分野への応用を検討する、としている

●国防省はGBSD開発の経費管理を厳格にするため、モデリングやシミュレーション技術を駆使して対応する予定だが、米議会のGBSD賛成派でも2社からは詳細な情報提供を求める声を上げているほか、反対派にはミニットマンⅢ延命を求める声やICBM自体の存在再検討を求める声がある
米空軍報道官は、現時点では選定は継続状態にあると述べ、ボーイングの撤退決定についてはコメントしなかった

専門家は米空軍は難しい選択を迫られていると述べ、ボーイングを再び選定に参加させるために提案要求書の修正をしてGBSD計画全体を遅らせるリスクをとるか、ノースロップ単独で進めて競争欠如によるコスト上昇のリスクを負うかの選択だと説明した
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Caret Boeing2.jpgボーイングの軍事分野CEOであるLeanne Caret女史は1966年生まれの53歳。父親もボーイング社員で、カンサス州立大学卒業後からボーイング一筋で、ボーイング軍事宇宙分野の売り上げ約30兆円をけん引する人物です

KC-46Aの開発トラブルが続き、完成機内部の隙間から放置された工具や部品が多数見つかり、5000億円近くの経費超過を出しつつも、フォーチュン誌とブルームバーグが発表する「Most Powerful Women50」等に選ばれるなど、剛腕ビジネスウーマンとして名を馳せている方です

負けてもタダでは終わらないということなのか、長期間にわたる安定したドル箱ICBM契約を何としても勝ち取るための泥沼戦略なのか、今後も生暖かく見守りたいと思います

ICBM後継に関する記事
「提案要求書RFP発出」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-18
「次期ICBM(GBSD)企業選定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

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米空軍が次期ICBM(GBSD)の提案要求発出 [米空軍]

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2020年末に担当企業を決定
2020年代中頃に部隊配備目指して

Minuteman III 4.jpg16日、米空軍はボーイングとノースロップ・グラマン社に対しMinuteman IIIの後継ICBMとなるGBSD(Ground Based Strategic Deterrent) の設計・開発・配備(EMD:engineering, manufacturing and development)に関する提案要求を発出しました

次期ICBMの企業選定については、2017年8月に候補企業を上記2社に絞り込み(ロッキードが落選)、2社にはそれぞれ約370億円を提供して、設計や開発リスク低減のための提案準備検討を行わせていたところでした

GBSDに対する具体的な要求事項は全く不明で、CEPの大幅向上が含まれるとのうわさはありますが、性能とコストのバランスを追求するとの今どきの選定方針が目立つ形となっていますが、提案要求を受けいつまでに2社が提案を提出するか不明ながら、2020年の第四四半期には担当企業を決定する予定となっているようです。

現在の核抑止の一角を担っているMinuteman IIIは、1960年代に配備され、50年以上の運用期間中に最低限のアップグレードや延命措置を受けただけで今も使用されており、Ellen Lord調達担当次官もこれ以上の延命余地なしと断言して最優先事業扱いしているところです

17日付Defense-News記事によれば
GBSD3.jpg●17日、米空軍核兵器センター司令官で戦略兵器プログラムの担当将官のShaun Morris空軍少将は、GBSDの最初の第5ロットの設計・開発・配備(EMD)提案要求書を発出したと発表し、脅威環境や技術的変化の激しい中、これら課題に適応して対処可能なものを目指していると説明した
●提案要求で求めている性能については非公開として言及しなかったが、同少将は「提案全体を包括して優れている方を採用する」と表現し、コストと能力の両方のバランスを評価することを強調した

●今回の選定は第5ロットまでの提案の評価だが、GBSD全体の経費規模は10~11兆円と言われてきた。ただ、国防省のコスト評価局の最新の見積もり結果は公開されていない
GBSD2.jpg●GBSD担当の大佐は、「我が部署のメンバーは、全ての要求事項のコスト分析をシミュレーションやモデリング技術を用いて行って適切な要求値設定を行い、今後の設計、開発、配備段階の審査や監督においても、予定通りの進行を確保する」と事業管理への決意を語った

●米空軍Global Strike CommandのTimothy Ray司令官は4月に、GBSDは配備開始当初にミサイル格納サイロの改修やインフラ整備費のため1発当たりの経費が大きくなるが、2社の競争提案により、トータルコストは大幅に引き下げられるだろうと期待を示していた
●また維持整備経費についても、最近の様々な国防省全体での削減検討の成果を生かし、ライフサイクルコスト削減につなげたいと語っている
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勉強不足でGBSDへの要求事項について語れませんがICBMの試験や評価は非常に大変らしいです

GBSD4.jpg3年前の記事では「匿名の国防省高官は、GBSDの試験&評価プロセス、つまり次期ICBMの試験評価は史上最大で、F-35以上になる可能性があると語った」、「またICBM試験の難しさは、着陸回収できないことにあると表現し、海面に着弾させて破壊されてしまうからだとも述べた。そのため実試験までには、膨大で精力的なシミュレーションやモデリング分析が必要になると語った」とあり、単にロケット技術があるだけではICBM完成に繋がらない難しさがあるようです

そんな点から、開発経費面で慎重な構えを取っているGBSDの途中経過でした・・・

ICBM後継に関する記事
「次期ICBM(GBSD)企業選定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25
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米空軍が人工知能シム訓練アイディア募集 [米空軍]

12月に提案中小企業を集めイベントを
主要軍需産業との仲介役を空軍が

AI learning.jpg米空軍が12月に開催予定の「Simulators Pitch Day」なるイベントに向け、AIを兵士教育やシミュレーターに活用するアイディアを持つ中小企業(small businesses)からの提案を募集しています

提案した中小企業のアイディアを2段階で評価し、12月のイベントの最後に、主要軍需産業やベンチャーキャピタルに対するプレゼンの機会を与え、新たな血を軍需分野に取り込もうとの意気込みの取り組みです

軍事分野での人工知能AIと言えばいろんな方向から各種ミサイルが飛び交い、強固な電子戦が常態となる戦場に、サイバーや宇宙アセットへの攻撃も混ざった複雑な環境での意思決定支援をイメージしがちですが、ますます複雑化する兵器システムや戦場に対応できる人の養成にも大きな可能性を秘めています

米空軍がどこまで大企業や資本家との仲立ちに介入するのか等、いろいろ不明な点も多い記事ですが、ただでさえ中国に後れを取っていると危機感のあるAI分野に、中小企業のアイディアを取り込もうとの必死の取り組みですのでご紹介しておきます

24日付米空軍協会web記事によれば
AI learning2.jpg12月4日に開催予定の「Simulators Pitch Day」担当のPatrick Kawonczky少佐によれば、7月1日締め切りのアイデア募集の対象エリアは、「ネットワークシミュレーターの相互運用性」、「クラウド活用のシミュレーター」、「performance-based訓練」、「データ収集と分析」などのエリアである
●同少佐は教育訓練への人工知能AIの活用について、「教育状況のモニター&管理において、受講者の習熟度に応じた教育手順、手法、技術を提案・提供してくれる」と期待を示した

●また同少佐は、AIが(受講者の)データ分析、事前分析、コンセプト案出を手助けしてくれるだろうと説明した
●別の担当大佐は「AIが人間と機械との橋渡しをしてくれる」、「受講者との間のやり取りを整理し、受講者の理解度に応じた教材を選択提供してくれことから、各受講者の特性に応じた教育のより良いカスタマイズにつながる」とその効果を説明している

●7月1日に提案受け付けを締め切り、その後、まず第1段階で選定された企業に資金を提供し、第2段階のより詳細な提案を行ってもらう
AI learning3.jpg第2段階を経た提案は、12月4日にオーランドで開催されるイベントで米空軍関係者へのプレゼンに招待され、後に軍需産業幹部やベンチャー資本家を対象とするメディア公開プレゼンの機会が得られる

12月のイベントを統括するMargaret Merkle女史はプレスリリースで、「我々は中小企業に新たな発明を求めているのではない。彼らが既に保有している技術の中に、米空軍が必要としているアイディアがあるのではないかと問いかけているのだ。最終的には、そのアイディアを軍需産業と結び付けて迅速な技術革新世界で活用したいと考えている」と説明している
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軍需産業の合併統合が相次ぎ、寡占体制が加速する米軍需産業ですが、そうなると競争意識が低下し、コスト増と納期遅延、技術革新意欲の停滞など、大きな独占組織の弊害が出てくるのですが、最近のロッキードやボーイングを見ているとつくづくそう感じます

EW Cognitive4.jpg新たな血の導入は、カーター国防長官が副長官だったことから取り組んでいた分野で、Work副長官時代にも力を入れていた分野だと思うのですが、成果のほどはどうなんでしょうか? なかなか聞こえて来ませんねぇ

逆に、グーグルが米国産のAI技術を中国に開発センターを作って流出させていると、Dunford統合参謀本部議長がグーグル幹部に怒鳴り込む騒ぎになっているくらいですから、中小のAIベンチャーは米軍の方を見てない気もしますが・・・

「Dunford統参議長がグーグルに怒り」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-23

軍需産業のすそ野拡大&新陳代謝
「DIUxで優秀中小企業を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12
「ボストンにもDIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27-1
「AIに中小企業を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13
「G-N法改正の主要論点にも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-05
「Tech Outreach」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-28

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本当か?米空軍パイロット流出が鈍化? [米空軍]

パイロット不足が「leveled off」したと表現
5年以内に改善方向を期待と・・・

Goldfein Pilot.jpg11日、Goldfein米空軍参謀総長がパネル討議に登壇し米空軍パイロットポストの約1割に当たる2000名が不足し、2016年頃の1500名不足から悪化し続けてきた件について、「不足数の増加は抑えられた:leveled off」と表現し、今後5年間で不足数が減少に転ずる見込みだと語りました

給与面や海外派遣な長期化していることなどで民間航空会社への流出が止まらず一方で民間航空会社の操縦者需要は拡大が見込まれている中、ありとあらゆる手を打ってきた米空軍ですが、参謀総長によれば、米空軍での継続勤務を希望するパイロットが増えてきたとのことです

具体的な統計数値には言及せず、「leveled off」とか「slightly uphill」との極めて微妙な表現を使用しての参謀総長の語りで、そんなに楽観視してよいのか・・・つい最近も民間航空会社幹部に直談判して、「引き抜きするな」とお願いしていたのに・・・と突っ込みたいところですが、これまで言及がなかった視点の対応にも言及していますのでご紹介しておきます

11日付米空軍協会web記事によれば
Goldfein space.jpg●11日、Goldfein米空軍参謀総長は「Association for Defense Communities conference」の演壇に登り、インタビューを受ける形で操縦者不足について語った
●同大将は「パイロット不足の状況は悪化が止まり、より多くの操縦者が継続勤務の方向にある」と語り、更に「今後5年間のうちに、不足が改善に向かうと予想している」とも述べた

●参謀総長は、継続勤務のボーナスなど様々な対策が効果を発揮してきたと述べながらも、現場パイロットからの直接の聞き取りで最大の問題と同大将が感じている「quality of service:勤務の質」改善が不十分との認識を明らかにした
●「quality of service:勤務の質を如何に改善し、パイロットの期待にこたえられるかにかかっている」、「パイロットは飛ぶために空軍に所属しているが、軍の航空部隊に所属する要員にふさわしい戦う能力と、最大限に能力を伸ばし鍛える場を如何に与えるかを考えねばならない」と同大将は語った

●また参謀総長は、「各飛行隊が部隊のメンバー一人一人を巻き込んで活動し、各構成員が組織内で役に立っているとか、存在意義を感じられるような組織になるよう取り組んでいる」とも表現し、飛行隊長クラスのリーダーシップの重要性を強調した
●そして、この点は、パイロットだけに限らず、サイバー要員、整備員、ISR要員など全ての職種職域の兵士に関しても言えることだと強調した

USAF pilot.jpgまた家族の視点から子弟の教育に大きな影響を与える空軍基地内の学校や基地近傍の学校の質改善が、極めて大きな課題で懸念材料だと言及した
●仮に空軍での仕事に満足し、海外派遣にも意欲的であったとしても、一般に地方に所在することが多い基地内の学校や基地周辺の教育レベルに問題がある場合、家族の選択として空軍外の道を考える可能性が高まると同大将は述べた

基地周辺の学校の質も問題に関しては、最近、各軍種統合の形で基地所在の州知事に書簡を送り、今後の基地の統廃合や新設を検討する際は、基地周辺の教育の質を評価要素とすると記し、州政府の基地周辺学校教育改善に注力するよう要請したところである
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米空軍パイロットの「quality of service:勤務の質」改善を問題に上げていますが、不足分の7割を占める戦闘機パイロットが満足するような飛行時間の不足があるのかもしれませんが、前線での「戦闘機の役割」がなくなってきており、単に空中で待機や哨戒して爆撃機や偵察機を援護する退屈な任務ばかりになっていることも大きな背景ではないでしょうか

Rethinking Seminar.jpg戦闘機パイロットが夢を追いかける空中戦は、ベトナム戦争が最後で、あとは偶発的な事案程度です。

安価な長射程巡航ミサイルや弾道ミサイルが拡散する中、また米国に戦闘機VS戦闘機の戦いを挑む無謀な国が現れる可能性が極めて低い中、特に戦闘機パイロットの「quality of service:勤務の質」を満足なものにするこては、彼らの考え方や、戦闘機の必要性から考え直さなければ解決不可能な問題に感じます

米空軍パイロット不足関連
「操縦者養成3割増に向けて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-21-1
「下士官パイロットは考えず→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3
「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

米空軍整備員不足の苦悩
「整備員不足は今年解消?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-24
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02

「整備員不足対処案も苦悩続く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-03
「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
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2022年に次世代空対空ミサイルJATM投入へ [米空軍]

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AMRAAMより射程延伸もその他不明

AMRAAM JATM.jpg20日、米空軍の兵器開発計画管理担当であるAnthony Genatempo准将が記者団のインタビューに答え、将来の脅威環境を見据えて2年前から次世代空対空ミサイル(JATM:Joint Advanced Tactical Missile)の開発に着手しており、2020年配備を目指していると語りました

このJATMは、1991年から配備が始まった中射程の打ちっぱなし可能空対空ミサイルAMRAAMの後継ミサイルと位置付けられ、将来の脅威環境に対応する兵器開発として当然でしょうが、背景として中国軍が本格導入を進める空対空ミサイルPL-15を強く意識したものと言われています

AMRAAM JATM2.jpgPL-15はAMRAAMと同じくアクティブホーミングで、射程150㎞、速度マック4で狙われた目標は回避不可能と言われており、中国空軍J-20やJ-10B、海軍J-16に搭載可能でしたが、今年3月に配備機数が多く東シナ海にもしばしば登場するJ-11B(Su-27のコピー)にも搭載可能となり、一気に脅威度が高まっていたところです

ネット上では「PL-15は、米国のAMRAAMと比較しても遜色ない性能、一部ではAMRAAMの性能を上回り、射程だけで言えば欧州のミーティアに匹敵すると言われ、遠距離から空中給油機や、早期警戒機など優先度が高い標的への攻撃に使用されるだろう」と解説されており、対妨害能力も相当レベルと考えられています

AMRAAMが戦闘機の空中戦を強く意識していることからすると、中国軍の方が軍事的合理性に沿った兵器開発をしているように思いますが・・・・

20日付米空軍協会web記事はJATMについて
●20日、Anthony Genatempo准将は記者団に対し、ロッキード社や米陸海軍とともに、JATM(AIM-260)を2022年に配備するために2年前から取り組んでいると語った
●同准将は「次世代の脅威や将来の航空優勢獲得を念頭に置き、AMRAAMより射程の長いものとなる」、「JATMの生産開始に伴い、AMRAAMの生産は減少する」とも説明した

AMRAAM JATM3.jpg●更に「JATMは当初F-22の機内弾薬庫とFA-18への搭載を進め、F-35への搭載はその後となる」、「JATMの飛行試験は2021年から開始し、2022年には初期運用態勢IOCを確立したい」と語った
●そして「つまり、JATMは空対空戦闘機が搭載する次世代の制空用兵器である」と述べた

1991年から導入されているAMRAAMについて同准将は、「JATMの生産量が増えるにつれ、2026年の調達が最終調達になる予定である」と説明した
記者説明後に米空軍協会記者の質問に対し同准将は、トータルのJATM調達数は現時点で確定していないし、様々な状況を想定していろいろな考え方があるし何ら確定したものはないが、毎年200発程度の調達(order of a couple hundred per lot)になるのではないかと述べている
●また1991年から製造されているAMRAAMと同様の期間、JATMが製造されるのではないかと語った
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ご参考
2016年7月、ACC司令官のファーンボロー航空ショーでの発言
Carlisle-FB2.jpg●AMRAAM AIM-120の能力向上計画はとても順調に進んでいるが、我々が必要とする次世代のミサイルとは異なる
●脅威の推移に対応するため、新型ミサイルはより長い射程と優れた電子戦対処能力が必要だ。以前、AMRAAMの後継ミサイルはより小型で戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性を持つべきだと述べたとおりである
→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1
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でも、3年前に米空軍戦闘コマンドACC司令官が「AMRAAMより小型で、戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性を」と説明していたAMRAAM後継ミサイルが、「AMRAAMより射程が長い」と3年後に説明されると、「???」となってしまいます。

要求性能が180度変化したのでしょうか? 同じコンセプトなんでしょうか?? 今後の情報に注目いたしましょう。ネット上でも、「AIM-260」は全く初見の情報だったようです

2年前から開発を開始していて、今まで公にしなかった保全体制には感心いたしますが、JATM(AIM-260)を戦闘機同士の戦いに用いるかのような旧時代的な発想からは脱却してほしいと思います。中国軍を見習って・・・

AMRAAM JATM4.jpg米陸軍がJATMに絡んでいるのはAMRAAMを地対空ミサイルとして活用したNASAMS(National Advanced Surface-to-Air Missile System)との防空ミサイルシステムを使用しているからだと思います

NASAMSはレイセオンとノルウェー企業が開発し、米とノルウェー以外にも複数の欧州諸国が配備しています。そういえば今年5月、新たに赤外線追尾ミサイルAIM-9X Sidewinder Block II を同システムから発射する試験に成功したとの報道もありました

3年前ACC司令官は「AMRAAM後継に望む事」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

米空軍の次世代制空機検討PCA
「PCA価格はF-35の3倍?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15
「秋に戦闘機ロードマップを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

無人機ウイングマン関連
「無人機ウイングマン構想を熱く語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-27
「別の無人機Skyborg構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3
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輝かしい経歴の女性空軍少将パイロットがクビになる [米空軍]

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空軍士官学校も空軍大学も優秀な成績で卒業
テストパイロット課程も首席、女性操縦者最高階級なのに

Dunlop2.jpg10日付Air Force Timesのweb版が、米空軍女性戦闘機操縦者の草分けとして数々の「女性初」の壁を突破し現在の女性操縦者の最高階級である少将に昇任している女性が、ふさわしくない振る舞いで良くない環境を醸成したとして職を解かれ、退役することになろうと報じています

当該士官はDawn Dunlop空軍少将で、国防省の極秘開発プログラムを担当する「director of the Defense Department’s Special Access Programs Central Office SAPCO」なる職に就いていた人物ですが、どうやらいわくつきの人物で、国防省監察官室の調査を複数の案件で受けていた様です

同少将は1988年に空軍士官学校を「優秀卒業生」として終え、コロンビア大学で航空工学の修士号を得た後、F-15E部隊で中東実戦任務を経験、その後にテストパイロットコースに入って首席で卒業した女性パイロットの「ローモデル:生きた見本」です(でした)

Dunlop3.jpgその後はF-15部隊と飛行試験部隊で各級指揮官を務め、2010年からは空軍試験のメッカであるエドワーズ空軍基地「412th Test Wing」司令官も大佐として勤務しています
女性初のテストパイロットで、女性初のF-22搭乗員で、女性初の「412th Test Wing」司令官を務めた人物で、総飛行時間はF-15,F-16、F-22などで3500時間と、空軍士官学校卒の操縦者としては飛行経験十分です

米空軍部隊以外では、視野拡大のためにエネルギー長官の特別補佐官見習い、軍種間戦闘機融合に関する空軍長官補佐官、上院派遣の米空軍連絡士官なども務めています

准将に承認後は、米空軍教育訓練コマンドの計画部長とNATOのAWACS部隊指揮官を務めていますが、クビになったSAPCOのポストにいつからついているのかは不明です

10日付Air Force Timesのweb記事によれば
国防省報道官からのEメール声明によれば、同少将はSAPCOを率いる任務を解かれ、米空軍副参謀総長の特別補佐官の職に移動を命ぜられた
●同時にAir Force Timesは、同少将に対して、複数の案件で国防省監察官室の調査が行われていることを把握し、調査の原因となった一連の事案から、国防省は同少将の解任を判断したと考えている

Dunlop3.jpg具体的にどのような問題で調査を受けているのか不明確で、同少将はプレスに対して何も明らかにしていない
●ただ、SAPCOを知る匿名前提の人物によれば、同少将は米軍幹部を「馬鹿者」「愚か者」と呼んではばからず、電話で金切り声を挙げて陸軍や空軍幹部を叱責するなど、「有害な職場環境 toxic work environment」を生み出していた模様である。

最終的な転機となったのは5月31日の同少将と米空軍シビリアン幹部との会議で、同少将がカッとなって怒り出し(lost her temper)たことから、同少将の上司であるLord国防次官に直ちに事態を報告し、同次官が直ちに解任を判断したとのことである
同日中にLord次官は、陸軍と空軍の首脳、国防副長官等に事態を説明して職を解いたことの理解を得た。SAPCOに於ける同少将の職務は、陸軍大佐が当面遂行することとなっている
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Dunlop4.jpg「輝かしい経歴」とご紹介しましたが、なんとなく試験評価部隊に経歴が偏り、統合職や司令部勤務がほとんどない経歴で、「lost her temper」するようなことが普段からあったのかもしれません。国防省監察官の複数の案件調査は、そんなことかも・・・と推定します

あくまで憶測で細部が不明な段階ですからいい加減なことを言いたくはないですが、「女性初」の経歴から、周りが組織として扱いを誤ったのかもしれません・・・・。

ちなみに、女性だから珍しくて取り上げていますが、最近、こんな事案で解任される男性高級幹部が多いんです・・・

最後に更迭を迅速に判断したのが女性のLord次官というのも含蓄が深いですねぇ・・・他山の石です。

軍での女性を考える記事
「3軍長官が士官学校性暴力を討議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「議員が空軍時代のレイプ被害告白」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「空自初:女性戦闘機操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

女性と徴兵制
「前線にも:イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「究極の平等:ノルウェー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「社会福祉選択肢もオーストリア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

関連の記事
「女性兵士の装具改善に時間必要」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13
「今頃・・女性兵士にフィットした飛行服等に改良へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07
「女性初のF-35操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-08
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04

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B-1爆撃機の稼働機1桁で米議会に衝撃 [米空軍]

保有機62機で稼働機1桁
パイロットが技量維持のため他機で飛行訓練

B-1B.jpg3日、米下院軍事委員会の来年度予算小委員会は米空軍に対し、作戦に使用できる航空機の機数が1ケタ台と厳しい状況に陥っているB-1爆撃機に関し、今後の対策や機体状況の継続レポートを求める法案をまとめました

米空軍は昨年2月に明らかにした爆撃機将来計画「Bomber Vector」で、機体は新しいが維持費が高騰しているB-1とB-2を2030年前半に早期退役させ、年齢は高いが維持費が安く多様な兵器が搭載可能なB-52には、エンジン換装等を行って2050年代まで維持する方向を明らかにしB-21次期爆撃機導入資金を確保する決定をしました

B-13.jpg戦略兵器削減条約で核搭載ができないB-1ですが、中東やグアム島、更には欧州にも最近まで定期的に展開してプレゼンスを示すなど活動でその役割を果たしてきており、B-21の数がそろう2030年代前半までは頑張ってもらう必要があります

しかし昨年5月翼からの火災で緊急脱出を試みたが射出座席が機能せず、命がけで着陸せざるを得ない事故があり、昨年2度、今年年初にも約4週間に渡り飛行停止措置が取られています。

また、機体構造部材の金属疲労問題や部品不足から、一度トラブルを発生すると長期にわたり飛行不能となる状況が続いているようです。

3日付米空軍協会web記事によれば
B-1-UK2.jpg●B-1を運用する米空軍Global Strike CommandのTimothy Ray司令官は記者団に対し、継続する作戦要求に対応しているB-1爆撃機には過剰な負荷がかかっており、一度トラブルが発生すると回復するまでに長時間を要していると背景を説明した

●下院の同小委員会がまとめた法案は、趣旨説明で「委員会はB-1の状態に拘わらず、米空軍が措置や資源配分を適切に行っていないと危惧している」、「その証拠に、B-1の作戦投入可能機数は1桁まで落ち込み、同機搭乗員は訓練ができないため他機に搭乗して空中感覚を維持している惨状である」と危機感を説明している

●そして同小委員会は法案で米空軍に対し、2020年3月1日までに稼働率改善計画を提出すること、機体構造疲労問題の現状を明らかにしてデータ分析結果も提供すること、将来の問題発生を回避する戦略計画も明らかにすることを求めている

●また稼働機が不足することで生じるパイロットや整備員の技量維持問題についても、稼働率改善計画に沿った訓練計画を立て、どの程度の期間で戦力派遣可能態勢が戻るかも明らかにして報告するよう求めている
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2030年代半ばまで維持して「早期退役」させると、昨年2月に明らかにしたばかりの機体でこの有様です。

B-1 1.jpg先日はRC-135等のISR機の現状もご紹介しましたが、米空軍の装備体系全体にほころびが見え始めています。そしてそんな中、F-35Aを1700機以上調達する計画が最優先となっているわけです

核兵器関連の装備の補修や改修や更新も目白押し、練習機も救難機も・・・心配になってきました

爆撃機とロードマップなど
「中東派遣のB-1帰国」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-30-1
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
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RC,WC,OC,NC-135は後継機なしの方向を巡って [米空軍]

表題の米空軍方針に反対する議会の動き

RC-135 2.jpg24日付米空軍協会web記事は、米空軍Offutt空軍基地に所属するC-135を改良した大ベテランの各種ISR機(RC,WC,OC,NC-135)の維持整備に最新の効率的整備要領を適用すると紹介しつつ、これらISR機の後継機は考えず、JSTARSのように多様なシステム全体で任務を引き継ぐとの空軍の考え方を対比しています。

そして議会がこの空軍の考え方に反対し、米空軍にこれら機体とその任務の将来構想を要求していると紹介しています。

これらISR機は、いずれも1960年代や70年代にC-135又はKC-135を改修してISR機として活用されてるもので、使用開始から50年ほど経過したものが増えており、その稼働率低下が問題となっています

例えば、ロシアとのオープンスカイ条約を基にロシア上空を飛行して偵察するためのOC-135が、トラブルで肝心のロシア偵察飛行を十分できない稼働率にある実態が報道されたりしていたところです

24日付米空軍協会web記事によれば
RC-135 3.jpg●同基地所属のISR機は、中東、北朝鮮、中国やロシア周辺での情報収集飛行に多忙な日々を送っているが、最近は油圧系統のトラブルや火災発生まで、様残なトラブルに見舞われている
●地元ネブラスカ州選出の共和党議員Deb Fischer女史は、米空軍の緊急維持対策室(Rapid Sustainment Office)等が取り組んでいる最新の維持施策の老朽ISR機への適用を空軍に求めている。例えば、3Dプリンターによる部品確保、部品故障を事前予測するアルゴリズム分析などの取り組みである

●同議員スタッフも「航空機が古いからと言って、最新の手法を適用できないわけではなく、新たな手法で日稼働時間の短縮に努めるべきだ」と語っている
C-135は米空軍の「Condition-Based Maintenance Plus」との先行的整備手法の対象になる予定で、複数の派生形がある同機を個別に管理するよりも、全体として先行的整備の管理対象にすることが理想的と考えられている

上院軍事委員会は2020年度予算に関し、同議員が提案の同ISR機部隊部隊強化に関する2つの修正を行い、またRC-135電波収集機の近代化、核実験を大気分析から監視するWC-135の追加、OC-135の更新にも予算措置を追加した
●更に議会としてこれら老朽ISE機の今後の在り方について検討して報告するよう求めている。同時に議会は米空軍に、有人機と無人機のISR任務での協働要領や、ISR機情報の共有プロセス見直しを指示している

RC-135.jpg●これら議会の動きに対し上院の関連スタッフは、同基地のISR機が補油するセンサーや役割は現在他の手段で代替できないのだから、米空軍はISRの将来体制でもこれら機体を含めるべきだと語っている
●「少なくとも2050年代までは、これらISR機が重要な役割を果たす事になるのだから、これらISRアセットを含めた明確な将来戦闘空間用のプランを持っておく必要がある。今後想定される本格紛争における考える必要がある今のタイミングでは特に重要だ」と同スタッフは訴えている

●これら上院の動きの背景には、4月に下院でDavid Goldfein空軍参謀総長が、C-135系列のISR機は、特定の後継機を導入せずに他のシステム全体で任務を引き継ぐ方針を決定したJSTARSと同様に、センサーネットワーク、衛星、地上サイトなど全体で引き受けるとの方針を示したからである
2020年時点で米空軍は、22機のRC-135、2機のWC-135、2機のOC-135、1機のNC-135、2機の訓練用RC-135を保有している予定である
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RC-135s-w.jpg米空軍はF-35やB-21次期爆撃機やKC-46空中給油機を最優先し、結果として、脅威下で残存できないとの理由でJSTARSや大型有人ISR機の後継を考えない方針を選択したのでしょうが、本当にそれでいいのか・・・との議論は当然出てきます

いつまで米空軍は、F-35命で調達予定機数1730機余りを維持できるのでしょうか・・・・時間の問題でしょうねぇ・・・

米空軍ISR関連の記事
「米空軍が新ISRロードマップ決定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-3
「情報部長が中露のAI脅威を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21
「無人機要員の削減を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25

EW関連の記事
アクセス数が多い記事ばかりです。是非チェックを!
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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無人機ウイングマン構想を熱く語る [米空軍]

XQ-58 Valkyrieの将来発展プロジェクト名がSkyborgでした
XQ-58機体にセンサーやNet能力を付加して無人僚機に

Skyborg.jpg21日、F-35など有人機と無人機で編隊を構成する構想について、米空軍省のWill Roper調達担当次官補がDefense-Newsの独占インタビューに答え、初飛行を3月に置いた機体や他の提案機を活用し、2023年には何らかの形で実現したいと述べました

この2023年とは、F-35の次世代型「Block 4」が生産開始される年でもあり、無人機を従えるための追加ソフト「アプリ」を操ることが出来る搭載コンピュータ能力やメモリー量を備えた機体が手に入るタイミングでもあるようです

また来年度予算で購入する方向にあるF-15EXについても、製造するボーイングは無人機を従える拡張性を備えた設計をしていると自信たっぷりで、既に米空軍側から初期段階の相談を受けていると幹部が語っています

XQ-58A.jpgそもそも有人機と無人機を組み合わせる構想は、有人機にリスクを負わせることなく無人機を敵近くまで侵入させて敵情把握をさせたり、また「空飛ぶ弾薬庫」として無人機を活用し、有人機の指示でリスクを冒して攻撃を行うなどのイメージが考えられています

これら構想の実現には、無人機に搭載する「人工知能:AI」の出来栄えが鍵になるのですが、AI分野の最先端研究機関を訪問したRoper氏の率直な感想は、まだ現時点ではそのレベルにはない・・・・であり、2023年は安全に編隊が組める程度の完成度が狙いかもしれません。少なくとも現時点では・・・

22日付Defense-News記事によれば
●Roper次官補はインタビューで、3月に初飛行に成功したXQ-58 Valkyrieや他の候補無人機にセンサーやネットワーク機能を搭載し、有人機のウイングマンとして活用する「Skyborg」構想に取り組んでいると語り、2023年には無人機側を形にしたいと述べた
無人機ウイングマンは量産されれば、1機数億円レベルになり、もちろん再利用可能だが、作戦中に失われることも想定した機体が考えられており、既に米空軍研究所とロッキードやボーイングを交えた話し合いが始まっている

●同次官補は「次世代F-35であるBlock 4での能力向上が大きな機会と考えており、F-15EXについてもそう考えている」と語り、人工知能が有人操縦者と共に状況に応じた対処を学び、スターウォーズに登場する「R2-D2」の様な形もあり得るとの夢を語った
Roper5.jpgロッキード社は2023年に製造が開始される「tech refresh 3」を経た情報処理能力が高いF-35をSkyborg構想に最適だと主張し、ボーイング社はF-15EXの拡張性と先進技術を機体に取り込む方法について米空軍と既に議論開始していると自信を示している

しかし夢が広がる中で、具体的にどの機体と無人機ウイングマン機を結びつけるのかは明らかではない
無人機側についていえば、無人XQ-58 Valkyrieは、高いレベルの亜音速飛行が可能で、500ポンド搭載で1500nmの航続距離を達成しているが、3月に空軍は情報提供要求を発出し、他の機体の提案も待っている状態であり、提案要求書には2019-20年に試験フェーズを行い、2023年に無人機側を形にしたいと記されている

一方で、技術面でのカギを握るのはAI技術であるが、最近MITを訪問したRoper次官補は研究者たちから、現在のAI研究は家庭電化製品のネット接続など目先の商業需要にけん引されており、車の自動運転に必要な信頼性や聴取能力をつかみ取るのは今後の課題だと聞かされている

●しかしRoper次官補が強調するSkyborg構想の大きな挑戦は、技術面だけでなく文化面である
文化面とは、如何に航空機を運用するか、如何に有人機と無人機が任務を分担するか、AIに何を任せるかするか、AI搭載の無人機を従える有人機パイロットはどのような能力を備え、逆にAIにはどのお様なことを学ばせる必要があるか・・・などなどを指し、考えるべき点は尽きないとRoper次官補は述べた。
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XQ-58A 2.jpg一般論としては、有人機と無人機の編隊構成はあるのでしょうが、そのような編成が必要な強固に防御された空域を構成できる相手なら、これら航空機の根拠基地である飛行場を数発のミサイルで無力化することをまず最初に考えるのではないでしょうか・・・・。それは政治的にハードルが高いというのでしょうか・・・

米空軍では、次世代戦闘機構想(PCA)がすでに出来上がっているはずのタイミングですが、全く話が出て来ませんし、この無人機ウイングマン構想と正面衝突しているような気がしてなりません

Roper次官補が文化面(culture)として本当に言いたかったのは、ウイングマンが無人機にとってかわられると、有人パイロット数が削減され、有人機が削減されると懸念する戦闘機族が反対して純粋な軍事的議論が進まない問題のことだと思います。でなければ「culture」との言葉は使わないと思います・・・

無人機ウイングマン関連
「別の無人機Skyborg構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
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「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
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米空軍の次世代制空機検討PCA
「PCA価格はF-35の3倍!?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15
「秋に戦闘機ロードマップを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
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「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
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