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米空軍が軽攻撃機2機種をお試し購入へ [米空軍]

数機づつ購入し、同盟国や海兵隊を交え試験とか
まだまだ本格導入決定には時間が

light attack.jpg13日、Goldfein米空軍参謀総長が上院予算小委員会で、2機種の軽攻撃機候補(A-29 Super Tucano とAT-6 Wolverines)を数機づつ購入すると証言し、海兵隊や同盟国と共にニーズや性能を見極めると説明しました

軽攻撃機の購入検討は対テロ作戦など対空脅威の厳しくない環境では、F-16やF-35など運用経費がかさみ機体の維持整備が大変な機体より、安価なプロペラ機が向いているのでは・・・との発想から生まれたもので、過去にも何回も取り挙げられているようです

米空軍は昨年初め、数機の候補機種のデモンストレーション飛行の場を設け、そこで当該2機種に絞って更に検討を行うとして今日に至っています。見た目はプロペラ機ですが、データリンクを供え、精密誘導兵器を運用し、グラスコックピットで・・・等々のハイテクプロペラ機が想定されています

空軍参謀総長は「通常5-10年必要な検討プロセスで、まだ2年目だ」と結論を急がない方針の様ですが、議会などからは「優柔不断だ」「F-35に拘りすぎ」等の批判が出ているところです

13日付Defense-News記事によれば
Goldfein1-4.jpg●同参謀総長は議会で、両機種用の小さな運用部隊を戦術開発部隊があるネバダ州ネリス空軍基地と、空軍特殊作戦コマンドが所在するフロリダ州Hurlburt Field空軍基地に置く計画だと説明した
●米空軍報道官は「各機種2-3機程度購入する方向だ」としているが、参謀総長は「具体的機数は未定で、価格による」と議会では証言している

●また同大将は「既に米海兵隊からは購入評価に加わりたいとの意向を聞いており、他にも(軽攻撃機を共に運用する可能性の高い)同盟国等にも参加を呼びかけ、米空軍のできる範囲でインターオペラビリティー進化のための試験を進めたいと考えている」とも述べた
●機体購入予算は過去年度の余剰予算を中心に考えられており、2018年度余剰から70億円、2019年度余剰から110億円、2020年度予算からは40億円程度を拠出したい意向で議会の理解も得られている模様

light-attack.jpg●同大将は購入機種決定や要求性能決定時期を、2022年から24年ごろに設定していると説明している
●しかし議会内部には優柔不断な空軍の姿勢に批判もあり、共和党のJerry Moran上院議員は「米空軍は既に300機の軽攻撃機導入の必要性をまとめた報告を作成しており、結論先延ばしは空軍が精神分裂症に陥っている証拠である」と批判している

●これに対し空軍参謀総長は「通常の機種選定や要求性能検討には5-10年が必要であり、判断な種々のデータ収集に必要な期間だ。空軍はまだ2年しか使っていない」と述べた
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もちろん新たな機種を加えることは、維持整備要員の確保や部品のサプライチェーン確保など大きな負担を担うことになるのですが、これだけ慎重に進めているのはトランプ政権の海外関与姿勢の将来が見えにくいからでしょう・・・

中東からも朝鮮半島からも・・・、軽攻撃機を導入しても、使い道が亡くなっては無駄ですから・・・

関連の記事
「米空軍2019年の選択4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-28
「アフガン軽攻撃機がPGM使用」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-2
「米空軍の軽攻撃機選定は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-03-1

「軽攻撃機の第一弾確認終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07
「米空軍が300機導入に賛成!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

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米空軍がKC-46給油機の受け入れ再開も・・・ [米空軍]

「(安全の)企業文化が戻るまで確認を続ける」
ボーイング製民航機B-737MAXに連続事故の中で・・

KC-46A1.jpg14日、米空軍のWill Roper調達担当次官補が製造検査中や米空軍が受領済のKC-46A空中給油機の複数の機内から、安全上の問題となる複数の部品等が発見され、機体受領を中断していた件で、ボーイング社の改善取り組みが確認できたので機体受領を再開すると明らかにしました

本件は、様々な開発中のトラブルで2年も機体納入が遅れていた同機の受け入れが1月に始まった直後のトラブルで、製造過程で使用された工具や部品、果てはゴミなどが続々と複数の機体から発見される不始末で、ボーイングへの信頼感は「地に落ちた」と考えられます

KC-10とKC-135の老朽化で、米空軍は早急にKC-46を戦力化する必要に迫られており、これ以上待てないとの妥協の受け入れ再開でしょうが、1月に受け入れ開始した段階でも、解消まで4-5年必要な「重大不具合」に目をつぶっての納入でしたから、部隊の怒りはいかほどかと・・・

14日付Military.com記事によれば
KC-46 Boom4.jpg●14日、Roper調達担当次官補は下院軍事小委員会で、「FOD(foreign object debris)は安全に直結する問題であり、ゴミや工具や部品が機内に残置されている事は受け入れられなかった」と受領中断の理由を証言した。
●併せて同次官補は、11日にワシントン州のボーイング社工場を訪問し、米空軍が要求した5項目の要改善事項の履行を確認したと述べた。そして約3週間の受け入れ中断後、11日に米空軍はKC-46Aの受けれを再開した

一方で同次官補は当面の間、継続してボーイング社の行動を注視していくと述べ、「進歩がみられなければ問題を再び議論しなければならない」と釘を刺した
●13日にワシントンDCで講演した同次官補は、「KC-46機で発生したFOD問題を強く懸念しているとし、それが製造工程の問題だからだ」と述べ、「問題は設計図でも製造技術でもなく、ボーイング社が定めている製造工程での約束事が守られていない点にあり現場作業員レベルにまで至る企業文化に関わる根深い問題だ」と厳しく指摘した

KC-46-4.jpg●Roper氏はボーイングが改善に向かっていると信じていると語る一方で、懸念は残っており、当面の間はボーイング社の対応状況を確認していくとも語っている
●そして「ボーイングの企業文化が改善されるまで、完全な機体が継続して提供されることを確認するまで、米空軍はモニターを継続する」 と述べ、ボーイング社の経営層も本件に積極的に関与していくことを約束してくれていると表現している
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このKC-46A空中給油機問題が表面化している最中に、同じボーイング製の旅客機B-737 Max型機の墜落事故がまた発生し、全世界で同機の運航停止措置が広がっています

KC-46 Boom3.jpgRoper調達担当次官補が、「現場作業員レベルにまで至る企業文化に関わる根深い問題だ」とまで公言して本件を語る背景には、彼が見てきた様々なボーイングの体質や現場の状況があるのでしょう・・・。

ボーイング社は欧州のエアバス社に市場競争で押され気味です。既にエアバス社が6:4で優位との見方が一般的で、ボーイングの焦りが「安全軽視」の効率重視になっていないか気になります

関連の記事
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3

「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

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米空軍研究所が無人ステルス機初飛行 [米空軍]

豪軍とボーイングの共同開発機に負けじと
1機2~3億円で調達可能とか

XQ-58A.jpg7日、米空軍研究所AFRLとKratos Unmanned Aerial Systems社が協力して開発しているデモ機「XQ-58A Valkyrie」が初飛行に成功し、映像が公開されました。初飛行で76分間の連続飛行を行ったようです

安価に作成して戦闘での損失を恐れなくてよい程度を前提に、約40億円の契約で2年半で開発された機体だそうで、技術デモ機として計5回の飛行試験を実施し、システム安定性、空力特性、離発着技術などを確認するそうです

ご覧のようなステルス形状のジェット推進で、長距離航続で早い方の亜音速飛行が可能な無人機で、MQ-9のような機体では活動が困難と考えられる「強固な防空網」空域での活動を期待されてます

この技術デモ機の応用範囲は広く、有人機が行っているほとんどの任務を代替できる可能性を持ち、またF-35編隊長の無人僚機(ウイングマン)「loyal wingman」としての役割をも視野に置いていると考えられます

公開された試験飛行映像


他の報道によれば、デモ機「XQ-58A Valkyrie」と並行して、人工知能AIによる機体操作ソフト開発「TACE:Testing of Autonomy in Complex Environments system」も進められ、小型ドローンでの試験が行われているようです

先日は豪軍とボーイングが共同開発する無人機のコンセプト映像をご紹介しましたが、米空軍もいろいろ考えている様です。

8日付Airforcetimes記事によれば
XQ-58A 3.jpg米空軍研究所のXQ-58A開発責任者であるDoug Szczublewski氏は、「戦術作戦機の価格高騰曲線を打破する取り組み」、「ゲームの流れを根本的に変える能力を提供しつつ、低価格で運用コストも低い無人機の初事例だ」と表現した
●空軍と共同開発しているKratos社の2016年リーフレットをによれば、XQ-58Aの価格は、100機未満なら1機3億円程度、100機以上は1機2億円程度となっている

●米空軍協会ミッチェル研究所のレポートは、「米空軍は有人と無人作戦機のチーム編成で、限定数の多様な能力を積み込んだ高価な航空機と、安価な無人機の組み合わせを追及すべきである」と主張している
●また同研究所は、「現在の無人機が運用に際し依存しているGPS機能が妨害により機能低下する事態に備え、真に自立した機能発揮が可能なシステムを開発し、強固に防御された空域での作戦に備えるべきだ」とも主張している
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XQ-58A 2.jpg約40億円の開発費と、2年半の期間で、既存技術を生かしてこれだけのものが実現でき、しかも価格が1機2~3億円なら90億円以上のF-35調達ペースを落としても、XQ-58Aの改良発展に投資した方が良いと思うのですが・・・。素人の知恵でしょうか?

突然、相次いで豪州と米国で、この種の無人ジェット機が公開された理由が良くわかりませんが、3月中旬の2020年度予算案発表に向けた「景気づけ」かもしれません

今後の動向に注目いたしましょう・・・

関連の記事
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

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女性初の米空軍戦闘飛行隊長は上官にレイプされていた [米空軍]

故マケイン上院議員の議席についた元A-10操縦者
空軍退役後18年、上院軍事委員会で明らかにする

Martha7 .jpg6日、元A-10パイロットで女性として初めて戦闘任務飛行を行い、更に女性初の戦闘航空機飛行隊長を務めた経験を持ち、現在は上院議員を務めるMartha McSally議員が、上院軍事委員会で現役時代に上官(a superior officer)にレイプされたと発言しました。

当日の上院軍事委員会は、米軍内の性的襲撃やハラスメント事案を調査し処罰等を検討する審議会メンバーから、問題発生部隊の指揮官を外すべきだとする規程改正を審議するために開催され、McSally上院議員は「反対」、つまり部隊指揮官は処罰にも関与して責任を果たすべきとの意見を述べる中で、自身の体験を明かしました

McSally議員については、昨年8月に亡くなったマケイン上院議員の議席の空席を埋める議員に指名されたことを昨年12月にご紹介し、女性軍人の道を切り開き、退役後も政界で活躍する様子を「東京の郊外より・・・」でも取り上げてきましたので、なんとも重苦しい気分です・・・

6日付Military.com記事によれば
McSally.jpg●同議員は「加害者はその立場と権力を悪用する。一つの事例として、私は上官の餌食となりレイプされた」と同委員会での同議員のオープニング発言で述べた
●そして、正式に同時案を報告することはなかったと述べたが、一方で、性的襲撃事案が軍内で問題となり始める中で、他者に自身が襲われたことを相談したこともあったが、だれも真剣に対応してくれなかったと語った

●「多くの私のような犠牲者と同様に、このような軍のシステムにより何度も繰り返しレイプされたように感じた」とも同議員は述べた

●2018年春の米国防省報告書によれば、2017年に5277名の米軍人が性的襲撃を受けたと訴え、その数は前年から10%増となっている
●McSally上院議員は、過去30年間に性的襲撃の訴えに対する米軍の対応は大きく改善し、その背景には勇気をもって訴えた被害者の声が大きな変化を生んだと感謝した

McSally2.jpg上院軍事委員会の審議事項に関し同議員は、「部隊長にはその部隊の高潔性や優秀さの背景を与える職務」があり、部隊長は意思決定や調査プロセスに関与すべきだと主張した
●また、「我々は、指揮官が指揮官であることの原点であるモラルに対する責任と指揮官が一体であることを認めなければならない」とも表現した

●同議員の発言を受け米空軍の女性報道官は、同上院議員に対する犯罪は「米空軍兵士としての全ての側面に違反する」、「同上院議員の経験に驚き、残念に思う。我々は同議員と全ての性的襲撃犠牲者と共にある」とコメントした
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米軍の中で女性の道を切り開いてきた人物で、政界に飛び込んでからも、議員スタッフから選挙に出馬し落選、臥薪嘗胆後に下院議員を2期務め、上院議員に挑戦して落選。しかしその人柄や働きぶりからマケイン議員の議席を任されることになった女傑です。

その経歴は以下の過去記事通りです
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-19

重苦しい話ですが、避けて通れないとも思い、取り上げました。米軍の、そして米空軍の闇深し・・・ということです

米空軍のA-10全廃案関連
「2名の女性議員が大反対」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
「米陸軍は全廃容認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-29
「視界不良:A-10議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-07
「F-35整備員問題は何処へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-18
「米空軍:A-10はあくまで全廃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-15

関連の記事
「女性兵士の装具改善に時間必要」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13
「今頃・・女性兵士にフィットした飛行服等に改良へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07
「女性初のF-35操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-08
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04

軍での女性を考える記事
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

女性と徴兵制
「前線にも:イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「究極の平等:ノルウェー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「社会福祉選択肢もオーストリア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

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5月末でWilson空軍長官が辞任 [米空軍]

テキサス大学の学長に就任へ
2017年5月に就任し、2年で退任へ

Wilson4.jpg8日、Heather Wilson空軍長官が5月末で辞任してテキサス大学学長に就任することをトランプ大統領に申し出、了承されたと発表しました

米空軍士官学校を1982年に女性第3期生として卒業し、1998年から2009年まで下院議員として活躍し、初の空軍士官学校卒の空軍長官として、また3人目の女性空軍長官として、2017年5月から任についていたところでした

Wilson空軍長官への評価は高く評判の良くないShanahan臨時国防長官に代わり、正式な次期国防長官の有力候補者として議会等から推す声が強かった人物です

wilson8.jpgまた米空軍内でもそのリーダーシップを評価する声が多く、Goldfein空軍参謀総長が「Wilson空軍長官を得たことは、米空軍にとって宝くじに当たったようなものだった」と表現するほどでした

一方でトランプ政権との関係は微妙で、昨年10月には、大統領が打ち出した「宇宙軍創設」に対しWilson空軍長官が消極的だとして、同長官「更迭」がホワイトハウス内で検討されているとのリーク記事がメディアを賑わす事もありました

マティス前国防長官も当初から2年勤務と決めていたようで(実際には1年9か月で更迭)、トランプ政権下で国防省の主要ポストについていることは、良識ある人にとってはとても耐えられないことなのでしょう・・・

8日付Military.com記事によれば
Wilson6.jpgロイターが8日最初にWilson空軍長官辞任を報じたが、その後同空軍長官はメディアに声明を発表し、「空軍兵士たちと共に過去2年間勤務できたことは光栄なことで、国防力の回復に携われたことを誇りに思う」と述べた
●更に「米空軍の即応体制を向上させ、調達スケジュールの期間を削減し、競争原理により装備品価格の低減に努め、過剰な規則の削減にも成果を上げた」とした

●8日にテキサスの地元紙webサイトは、テキサス大学の評議会が満場一致でHeather Wilson女史の学長就任を承認したと報じている
空軍長官就任直前には、Wilson長官は「South Dakota School of Mines and Technology」の学長を務めており、大学運営の経験を持っている

Wilson2.jpg●Wilson長官は上記の声明で述べられている取り組み以外に、女性やマイノリティーの米軍内での地位向上に努力し、「歴史的には米軍内で活躍が目立たなかったこれらの人たちのために、生きたモデルとなる人材、将来の可能性を感じられる人材の存在が重要だ」と、機会をとらえて語っていた
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マティス長官が去り、その後任の有力候補と期待された人物も去り・・・。米国防省はどんな人材が支えていくのでしょうか???

米軍の前線をさせる兵士や現場指揮官の苦労を考えると、胸が痛みます

Wilson空軍長官関連の記事
「F-15Xは空軍案には入っていなかった」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「S臨時国防長官の後任か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-23
「Wilson長官のご経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
「北極圏に関する寄稿」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-13
「戦力大増強と原点回帰訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19-1

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米空軍がKC-46A受け取り拒否:機内にFOD多数 [米空軍]

重大不具合を抱えたまま初号機受領したものの、早くも別の安全不具合発覚

KC-46-4.jpg1日、Will Roper米空軍調達担当次官補が記者団に対し、ボーイング社から受領したKC-46A空中給油機の機内に製造時に使用し残置されたと思われる工具や部品が複数の機体で見つかったことを受け、重大な安全上の懸念を生じたとして、同社からの同機体の受け入れを一時中断すると明らかにしました

F-35やB-21爆撃機と並び、米空軍のみならず米軍の最重要調達案件の一つであるKC-46ですが、これまでも繰り返しお伝えしてきたように開発過程でトラブルが頻発し、初号機の納入が2年遅れ、開発費も約4000億円超過していると言われています

種々のトラブルや経緯は末尾の過去記事でご確認いただくとしても、今回の問題は安全に直結することで、かつ製造現場の管理や躾に直結する問題であり、複数の機体で発生していることからすると、米空軍も「目をつぶる」訳にはいきません

日本も輸入する重要な機体ですので、とりあえずご紹介しておきます

1日付Defense-News記事によれば
KC-46A1.jpg●1日Roper次官補は、噂が流れていた米空軍によるKC-46受領中断の報について事実だと認め、米空軍として一連の事象について調査していると語り、受領再開までには「some time」が必要だと表現した
●同次官は「製造ライン上のKC-46上で発見され問題のとなっているFOD(Foreign object debris)に関する情報を入手することが出来た」、「製造ラインのどの部分に係ることなのか、どの程度広範に生産ラインが関係しているのかを精査している」と記者団に語った

●今回の事象の原因が「どのプロセスに関係しているのか、製造ラインの文化に根っこがあるのか、監督者やリーダーシップに問題があるのか等について分析している」、「機体受領に必要な基準を満たしているのか確認するため、当該ボーイング工場に赴く必要と考えている」とも述べた

2月28日の時点で同次官補は、問題となっている機体に残置されていた部品や工具への懸念から、同機を1週間程度飛行停止にすると述べた一方で、製造現場の米空軍チームからの報告内容はそれほど深刻ではなく、28日夕刻に2機の機体を受領する方向だと語っていた
機体の受領を当面中断するとした1日に同次官補は、今後の対応について、また米空軍輸送コマンドや国防契約管理庁などなどと協議していないと述べていたが、その方向を米空軍は望むだろうとしていた

少なくとも10件の機内残置FODレポートが
KC-46 Boom3.jpg●最初に本件を報道したSeattle Timesによれば、ボーイング社の製造作業員が機内に残置した工具等が発見された事案が工場内で8件、また米空軍に納入された機体で2件報告されている

●同次官補は上記以外の問題の存在に言及しなかったが、米空軍は根本原因追求とその程度や範囲を見極めるべく調査していると語った
●「過去のFOD事案を振り返ると、大小さまざまな案件がある。ただ本件に関しては根本原因が分かっていない。安全に関しては我々は保守的で慎重な姿勢をとるべきだと考えている。対応について言及できないが、機体受領を停止する十分な懸念が存在している」とも同次官は表現した

●一方で同次官補は、ボーイングに13項目の改善事項を提示し、対応計画を提出するよう求めたと明らかにした。なお、今回の対応に必要な費用はボーイングが負担し、既に納入済みの機体への点検をボーイングが行うことになっている

KC-46 Boom4.jpg●ボーイングは今年2月に約2年遅れで初号機を納入し、現在までに計6機をカンサス州のMcConnell空軍基地とオクラホマ州のAtlas空軍基地に納入している。
●「追加経費やコストの問題ではなく、遅れている要員養成の問題が米空軍には重いのだ」と同次官補は付け加えた
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Roper次官補が何回も記者団に、「根本原因: root causes」とか「如何に広範な問題か不明:not clear how extensive」との言葉を使っている事からも、問題の深刻さを感じさせます

ボーイングはKC-46を甘く見て、人材をB-21爆撃機やMQ-25空母艦載無人機の開発に投入してしまったのでしょうか? 

続報を待ちましょう・・・

米空軍の空中給油機ゴタゴタ
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3
「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

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太平洋と宇宙の空軍司令官が語る [米空軍]

Air Warfare Sympo.jpg2月28日に開幕した米空軍協会主催のAir Warfare Symposiumから、太平洋空軍司令官と空軍宇宙コマンド司令官の話をご紹介します

太平洋空軍司令官は同エリアでの燃料や弾薬の備蓄不足を、宇宙コマンド司令官は国際協力の重要性と取り組みを語っています

Air Warfare Sympo2.jpgPACAF司令官がこんなこと公の場で語って良いのですか?・・・と突っ込みたいところですが、厳しい予算とトランプ政権の予算編成に我慢ならない不満の爆発なのかもしれません。

宇宙コマンド司令官からは、同盟国が初参加する「Space Flag」演習の話が出ています

太平洋空軍司令官は弾薬燃料不足を
●2月28日、Charles Brown太平洋空軍司令官は欧州空軍司令官と共にパネル討議に登壇し、中国やロシアを念頭に「near-peer adversary」との大規模紛争の発生を想定した場合、弾薬や燃料等の必要資材や資源が不足しており、希望を100%満される可能性は無いとまで述べた

Brown.JPG●同大将は「現時点でアジア太平洋地域に十分な航空機燃料や弾薬備蓄はない」 、「欧州大陸とは異なり、太平洋軍担当エリアには、物資輸送や拠点間をつなぐための道路や鉄道がなく、必要資源の移動に時間が必要だ」と述べた
●また同司令官は、太平洋空軍と地域の同盟国は、必要資材等を事前集積の協議を進め、また地域の飛行場サーベイを行い、航空燃料を調達するアイディアを得るべく取り組んでいる説明した

米空軍宇宙コマンド司令官は国際協力について
●1日、米空軍のJay Raymond宇宙コマンド司令官は、宇宙での長期的な支配力を確保するため、同盟国等との協力が極めて重要だとの認識を示し、2019年の新たな取り組みについて語った
●今年8月に予定されている第6回目の宇宙演習「Space Flag」に、初めて同盟国等からの参加者を迎える計画である

Raymond-Space.jpg●空軍参謀総長も宇宙ドメインでの国際協力を推進するため、今年4月に同盟国等の空軍参謀総長たちに声をかけ、「Space Foundation’s annual Space Symposium」に招待する予定である
●更に同じ4月の「Space Flag」には、初めて米国防省の諜報機関である「National Reconnaissance Office」も参加する

●国際関係の強化は、宇宙に関するデータ共有を多方面で進める必要があるとの認識を受け、他軍種や他政府機関と並んで重視されている事項であり、同時に情報を共有することで宇宙活動コストを抑える狙いもある
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米空軍協会主催のシンポジウムは年に2~3回あり、空軍長官や参謀総長など主要幹部が集結し、軍需産業や専門家も集まるのですが、今回は米空軍首脳が皆「戦闘服」や「飛行服」で登壇しており、まんぐーすが知る限り初めてです

gatesMarine.jpg「前線兵士と心を一つに」とか、「常に実戦感覚を持って業務に取り組め」などのスローガンの下に、司令部やオフィス勤務者も「戦闘服」勤務にする指揮官が多いのですがかつてペンタゴンでの「戦闘服勤務」を止めさせた国防長官が居ました

ロバート・ゲーツ国防長官です。ゲーツ長官が「戦闘服を着ているだけで現場のことを考えているような振りをするな!」と一喝し、服装規則通りの各軍種制服を基本とした服装に戻したということです。正論だと思います

安全保障感覚の「体幹」を鍛えるために!
「ゲーツ元長官語録100選」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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「米空軍予算案にF-15Xは入っていなかったが・・」 [米空軍]

「米空軍の意思決定ではない」
20年以上も米空軍は新造旧型機購入を拒否してきたが
「F-35維持費が4世代機並みになると想定するのは非現実的」

F-15 upgrades.jpg2月28日、毎年恒例の米空軍協会主催の航空戦シンポジウムでの記者会見でWilson空軍長官とGoldfein空軍参謀総長は、3月中旬に国防省が議会に提出予定の2020年度予算案でのF-15Xの扱いに言及し、「予算案に含まれている」、「しかし米空軍は希望していなかった」、「F-35が欲しかったが、維持費等を含めたトータルコストが高くできなかった」と苦しい説明に終始しました

このシンポジウムは、米空軍応援団である軍需産業関係者や空軍OB、更には関連メディアや専門家が一堂に関する大イベントですので、新造の旧型機を購入するという過去20年間無かった米空軍の「タブー」を犯すに至った経緯を、厳しい予算枠と「外圧」の2方面から「本音も交えつつ」「どっちつかず」の説明になったのでしょう。

F-35 3-type.jpgメキシコとの国境の壁予算等を巡り、例年2月下旬だった予算案発表を、3月中旬まで遅らせている中で、フライングで「F-15Xが含まれている」と認めざるを得ない背景には、F-15Xに大反対の軍需産業やシンクタンク等に多数存在する米空軍OBからの厳しい突き上げがあったものとも邪推できます

しかし、原因は明確です。F-35の導入初期費用や維持費が高すぎ、将来も下がる見通しがないからです。

F-15Xの機体価格が不明確で、F-35より高いと言われる中ですが、明白なのは、第4世代機の2~3倍と言われるF-35の維持費に加え、F-35受け入れのために基地施設改修費や人材養成費、ステルス維持整備施設の新設費など、言い訳のできないコスト増がF-35には付きまとうからです

空軍長官、参謀総長、ACC司令官の発言より
空軍長官は、米空軍はF-15Xを望まなかったが、国家防衛戦略NDSが必要としする戦力量を確保するため、他組織の力でF-15Xが予算案に付け加えられたと述べ、同時に今の段階では維持費が高すぎ、F-35で必要機数を調達することができないとも説明した
Wilson6.jpg●長官は、「自分が望むなら、他人に任せてはだめだとの格言があるが、今回の予算編成は大物が割り当てられてられた後に、残り部分を空軍内で議論するようなことになっており、空軍の意思決定で無いものが含まれている」と語り、「大統領の予算案に国防省案が巻き込まれている」とも表現した

●長官はまた「米空軍の当初案には第4世代機など含まれていなかった」、「旧世代機を新たに調達することなど過去20年間無かった」とも述べた。一方で「空軍作戦機の若返りを図るため、年72機を調達したい」とも表現した
空軍参謀総長は、「3000もの膨大なパターンの戦力組成でシミュレーションを行ったが、明確になったのは、戦闘コマンドの要求に答えるには規模を現状より大きくする必要性であった」、「F-35はクォーターバックとしての役割を将来航空戦で果たす」、「しかし戦いの勢いを維持するには、戦闘機体制の容量も必要だ」とも語った

Goldfein112.jpg●参謀総長は「72機全てをF-35でまかなうことは予算上できない」と述べ、F-15はF-35より安いのかとの質問には、「分からない。どのようなF-15が提示されるのか知らないが、機体価格は評価の一側面に過ぎない」と説明した。
●空軍長官がすぐに補足し、機体価格の直接比較は行わなかったが、「機体価格だけの話ではなく、ライフサイクルコストの評価である」と述べ、参謀総長は「F-35を購入する国は全て、ステルスや電子装備維持が複雑で高価なことを承知している」、「F-35維持費が第4世代機並みに低下すると想定するのは非現実的だ」と本音ともいえる発言で説明した

●更に空軍長官は自動兵站情報システムALISの現状について、基準時間を毎週10~15時間も超過して残業しないとならない状態だと整備員から不満が続出しており、国防省F-35計画室とは別にロッキード社と直接協議を始めていると、問題の根深さを示唆した
●空軍戦闘コマンド司令官(戦闘機族のボス)Holmes大将は、年72機を毎年の調達目標にするのが空軍機若返りには良いし、その全てを5世代機にすべきというのが米空軍の立場であると述べ、F-15X購入については、「空軍の考え方も、国防省の見方もある。そして議会が最終的な予算案審議権を持っている」と表現した
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米空軍としてNDS実現のために必要な規模を健全な若さで確保するには、年間72機調達が必要だが、爆撃機や練習機や給油機や核兵器システムや宇宙やサイバー投資もあり、年72機も維持費等が膨大で下がる見込みのないF-35を購入できない・・・。

F-15 upgrades4.jpgそんな明確な現実の中で、自らF-15Xを購入すると言い出せない米空軍に代わって、誰かに「F-15Xを予算案に入れろ」と言わせ、「外圧」を理由に収めようとしている・・・感が漂っています

もちろん、国境の壁など、トランプ政権の出たらめな政策で予算を吸い取られる国防省は「ご愁傷様」なのですが、F-35への固執で自己矛盾を増幅させている米空軍幹部の様子は哀れにも見えます

それと・・・F-35は本当に「亡国のF-35」です・・・破壊的です・・・

F-15X関連の記事
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「空自MSIP機も能力向上改修へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-01
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1

「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23

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米空軍:B-1とB-2早期引退方針に変化なし [米空軍]

B-21 2.jpg16日付米空軍協会web記事が、Wilson空軍長官へのインタビュー記事を掲載し1年前に発表した爆撃機ロードマップ「Bomber Vector」で明らかになった、「まだ機体年齢が若いB-1とB-2爆撃機を先に引退させ、最も高齢で67歳になるB-52を2050年代まで運用する計画に変化はない」と語りました

米空軍協会がこの質問をしたのは、爆撃機ロードマップ「Bomber Vector」発表後に、米空軍が将来予測情勢を基礎に必要戦力数を見積もって発表した「Air Force We Need」で、爆撃機飛行隊を追加で7個飛行隊増やす必要があるとの結果が示されB-1やB-2を早期引退させずに維持する方向転換があったのでは・・・・との噂が流れていたからです

まずB-1とB-2早期引退方針の背景ですが・・
(細部は→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
●以前は、B-1とB-52を2040年まで、B-2を2058年まで使用する計画だったが、「Bomber Vector」では、B-1とB-2を2030年前半に早期退役させ、B-52のエンジン換装等を行って2050年代まで維持する。
新規に導入するB-21爆撃機100機は、2020年半ばから11年かけて製造され、75機のB-52と併せた175機体制への移行はゆっくり行われる

3-Bomber.jpg上記の背景にはB-21調達予算を確保すると、維持費が高価なB-2を維持することや、戦略兵器削減条約の関係から巡航ミサイルを搭載できない&維持費も高いB-1を維持出来ないことがある
B-1とB-2の稼働率が低く維持費が高いのは、部品製造企業が次々に撤退し、部品確保が困難であることが大きな原因で、特に20機しかないB-2は部品の「共食い」で何とかしのいでいる状態で、2058年までの維持など到底不可能である。またB-2のステルス突破力は、間もなく通用しなくなるとの見積もりも背景にはある

●また、B-21爆撃機を、B-1とB-2の後継として同じ基地に配備することで、弾薬管理施設等の設備投資を抑え、運用要員や整備員計約1万名への影響を最低限に、かつ安価に円滑に機種更新を実施可能と見積もられることがある

●一方で、開発が進む長射程スタンドオフ兵器や多様な兵器が搭載可能なB-52に対しては、今後のエンジン換装による燃費改善で航続距離や在空時間を延伸し、2050年代の退役までエンジンを取り外し定期整備を不要とする方向で、
●また、B-52エンジン換装や2050年代までの維持には2兆4千億円が必要とされているが、そのうちの1兆円強は新エンジン導入による維持費や燃料費の削減でペイできると米空軍は主張している

Wilson空軍長官はインタビューで
B-2takeoff.jpg●(Bomber Vector計画に)変化はない。昨年発表したように、米空軍は最低175機の爆撃機が必要で、それはB-21とB-52の混合編成となる計画である
●我々のB-21爆撃機開発は、Critical Design Reviewも終了し、スケジュール通りに順調に進んでいる。B-21計画は最もよく管理された開発プロジェクトの一つであり、爆撃機の全体計画を変更する必要はない
B-52爆撃機に対しては、エンジン換装等の近代化改修に引き続き投資してゆく
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米空軍協会のミッチェル研究所は、独自に必要爆撃機数を見積もり、「270機」との数字を打ち出しているようです。

そしてその中では、B-21爆撃機の調達機数増加を求めており、またB-1とB-2の退役時期もB-21が十分配備されるまで待つべきと提言されています(B-1ろB-2早期退役は支持

9th Bomb SQ3.jpg背景として、西太平洋線域で求められる航空戦力の作戦行動半径の大きさや、中国軍の精密誘導兵器による米空軍基地(@地域の島に所在)への脅威、更に防空兵器の射程延伸があるようです

まぁ・・・ミッチェル研究所は米空軍応援団ですから大きな要求を持ち出しますが、事は日本周辺の軍事情勢に直結していることを肝に銘じておきましょう

爆撃機ロードマップ
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

B-52関連の記事
「パイロンに大型兵器を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-14-2
「エンジン換装大集会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-24
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱は本当に必要?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「将来の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「次期爆撃機に有人型は不要だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

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米空軍緊急開発調達の先兵9個プロジェクト [米空軍]

官僚機構の壁を破り迅速な前線配備を目指す

Roper3.jpg18日付米空軍協会web記事は、従来の調達や開発の枠組みに縛られず、迅速にプロトタイプ作成や装備調達を可能にする2016年制定の法律に基づき、米空軍が最初に取り組む9つのプロジェクトを紹介しています。

米空軍省の開発調達技術担当次官補であるWill Roper氏が引っ張るこれらプロジェクトですが、今後2-5年での前線投入を想定し、既存成熟技術の組み合わせで迅速に前線の要求にこたえることを目指し、一度に飛躍的な革新を狙わず、市場の技術を迅速に柔軟に取り入れ、柔軟なバージョンアップで最新の状態を維持する等のコンセプトを重んじる仕組みです

2019年度に取り組む9個のプロジェクトに関し、年度で3回進捗報告レポートを出すと自らに縛りをかけ、米軍や国防省の「悪名高い」鈍重で官僚的な調達プロセスのイメージを一新しようとの意気込みが感じられる進捗レポートの第一弾からご紹介です

18日付米空軍協会web記事によれば
2018年12月にまとめられた第一回進捗レポートで米空軍協会が確認した、米空軍が最初にこの緊急調達枠組みで取り組む9個のプロジェクトは以下のとおりである

超超音速兵器関連
---Hypersonic Conventional Strike Weapon
---Air-Launched Rapid-Response Weapon missile-development efforts.

航空機関連
---B-52 engine replacement effort,
---F-22 upgrades,
---search for a light-attack aircraft.

サイバーやネットワーク関連
---Unified Platform for cyber operators
---fifth increment of the Integrated Strategic Planning and Analysis Network

宇宙関連
---Next-Generation Overhead Persistent Infrared
---Protected Tactical Enterprise Service programs.

Hypersonic.jpg米空軍はこれらプロジェクト推進を加速するため、既に存在する知見を最大限活用する方針で、例えば超超音速兵器関連の「Air-Launched Rapid-Response Weapon」では、AFRL米空軍研究所とDARPAが知見(Tactical Boost Glide technology)を持ち寄り、ロケットでミサイルを加速する方式の最適化を追求し、より迅速な前線配備を目指す
●また「Hypersonic Conventional Strike Weapon」では、既に飛行試験が行われている「aeroshells from the Common Hypersonic Glide Vehicle」を活用してより迅速なEOC(early operational capability)を可能にする計画である

F-22のアップグレードはソフトウェアが柱であるが、GPS、通信、核兵器、宇宙、サイバー等の関連で、一度に大きな進歩を狙って開発が遅延することをさえるため、小さな単位で何度もアップグレードを行う方式を狙っている
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F-22hardturn.jpgサイバー&ネットワーク関連や、宇宙関連については、どんなプロジェクトなのかさっぱりわかりませんが、今後話題になることもあるでしょうから、またその筋の方にはご承知の方もいらっしゃるでしょからご紹介しておきます。

それでも、サイバーや宇宙や超超音速兵器が「鍵」であることが伺えます・・・

Will Roper氏の関連記事
「維持費削減に新組織RSO」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-23
「ソフト調達が最大の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-01
「F-35維持費が大問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「無人機の群れに空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

タグ:RSO RCO Will Roper
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米軍PGM不足はやっぱり未解決で深刻 [米空軍]

昨年末に作戦部長が目途が付いたと語っていたが・・・
年変動がある発注方を改革できるか
弾薬の「切りしろ」扱いを変えられるか

Roper5.jpg6日、米空軍省の調達担当次官であるWill Roper氏が記者団に対し、米空軍は中東での作戦で大量に消費しているPGM(精密誘導兵器) の穴埋め調達に懸命に取り組んでいるが、関連軍需産業の生産能力には限界があり、厳しい状態に置かれていると語りました

そしてその背景として、これまで予算編成時の道具として、予算枠が厳しい時の「切りしろ」、予算編成時に余白や隙間ができた際の「穴埋め」「隙間うめ」扱いを受け、年度年度の受注が安定しない弾薬とその製造を担う厳しい弾薬製造企業の窮状現状を訴えています

米空軍(米軍全体でも恐らく)のPGM在庫危機は、対ISIS作戦が激化、アフガンでのタリバン活発化に伴うPGM大量消費によって2015~16年頃から表面化し、国防省高官が「同盟国に提供する余裕はない」「米軍を当てにするな」と公言するようになりその深刻さが明らかになりました

JDAM.jpg軍隊に弾がなければ「張り子のトラ」で、他国に知られれば弱点をさらすようなものであり、米国はあくまで「当面の作戦に支障はない」、「必要な備蓄量は確保されている」との公式発言を続けていましたが、同時に折に触れ「弾薬増産体制を調整中」「必要な予算を確保」とも言い続けてきました

そして昨年12月5日、米空軍作戦部長が、「地域戦闘コマンド司令官にはPGMの使用を抑制してもらっていたが、何とか改善ができてきた」、「2017年から、関連軍需産業の協力を得てPGM生産量増強に取り組んできたが、前線への供給増や備蓄増に結び付くようになってきた」と改善の兆しをアピールしていましたが、あくまで「兆し」で問題の根が深いことが明らかになりました

7日付米空軍協会web記事によれば
●ペンタゴンで記者団に対しRoper次官は、米空軍が必要とするPGM製造企業の状況に懸念を示し、ISISに対し計7万発を消費している現状にも触れ、「製造能力に注目している」と述べた
JDAM-Empty.jpg●「我々は大量に使用されるPGM等の供給に関する大きな負担を負っている」、「多くの弾薬に関し、大規模調達が可能な体制を整える必要がある」と述べつつも、現状に関し「製造企業が製造可能な限定された数量しか入手することができない」と苦境を表現した

●先週、Roper次官の軍事補佐官であるArnold Bunch中将が、米空軍は対ISIS作戦で大量消費にされているPGM(JDAM bombs, Hellfire missiles, Advanced Precision Kill Weapon System rocket)製造企業にフル操業での増産を要請していると語ったところである
●一方でRoper次官は、2020年度予算案にどの程度の弾薬関連経費を計上する予定化については言及を避けた

●またRoper次官は、一般論として、空軍が80年代に行っていた「一部品2供給元」体制が好ましく、複数の部品や装備供給可能企業が競い合い、品質や価格において競争原理が働くような体制構築議論も歓迎するとしながらも、現状の調達規模では複数のサプライヤーを維持するには不十分であることも認めた
Hellfire2.jpg●そして同次官は弾薬の予算上での扱いについて自戒の念を込め、「弾薬購入予算は、他の装備品予算と予算枠との隙間を埋める役割の扱いを受け、主要装備を多く購入するときは弾薬が削られ、逆の場合は弾薬予算が増えるのが実態だった」と認めた

●しかしこれは製造企業側からすれば、発注が少なければ製造設備や人員を維持できないし、原材料調達単価も上昇する厳しい状況を生き抜くこと迫られ、気まぐれな増産要請に対応できる余裕など確保できない
●また企業が長期計画に基づく設備投資等を行うことも難しく、原材料の大量購入による単価削減も考えにくい・・・等と現状を訴えた

それでも同次官は向かうべき方向として>、「企業間の競争を促せる企業数の確保と、単一企業からの調達を避ける方向」を挙げ、そのため国防省や空軍として「毎年購入する弾薬量の平準化を図り、予算枠の穴埋め役にせず、企業側と5か年計画の視野で話ができるようにしたい」と述べ、「幾つかのアイディアもある」と言及した
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APKWS2.jpg「弾薬の備蓄量」は秘密中の秘密ででしょうから、具体的な数量について語れませんが、対リビア作戦をNATO欧州諸国に任せたときは、欧州諸国が「さほど攻撃目標がない短期作戦で弾薬不足に直面した」として、当時のゲーツ国防長官が酷評していました

米軍の弾薬不足がどの程度かは推測する根拠がありませんが、国防省が「同盟国に提供する余裕はない」「米軍を当てにするな」と公言するくらいですから、相当レベルと推測します。

そしてあくまで邪推ですが朝鮮半島で紛争が勃発しても、思う存分PGM精密誘導兵器を余裕をもって使用できる態勢にはないのでは・・・と邪推します。

米空軍と弾薬関連
「精密誘導爆弾の不足改善へ?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「アフガン軽攻撃機がPGMを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-2
「意味深:グアムの弾薬10%増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-21
「米空軍が精密誘導兵器増産へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-24

「空軍長官代理の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-05
「精密誘導爆弾の不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-03
「米国の弾薬を当てにするな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21-1

ゲーツ長官がリビア作戦の欧州諸国を酷評
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-12

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米空軍:上級軍曹の選抜から体力テスト除外 [米空軍]

知識テストと体力テストをなくす決定
リーダーシップ無き者が選ばれるのを避けるため

Airman2.jpg4日、米空軍が下士官の上級階級3つへの昇任審査の基準変更を発表し、これまで選考の基準に含まれていたWAPS(Weighted Airman Promotion System testing requirement)を除外すると明らかにし、具体的には、知識テスト(knowledge test)と体力テスト(promotion fitness exam)を無くすとしています

これまで、知識と体力テストを各100点満点で点数化し、これに加えて過去5年間の勤務評価や賞罰や勲章歴等を加点して対象者を評価して候補者をリストアップし、中央昇任審査会(central evaluation board)で面接等を経て選抜していたようですが、ここから知識と体力テストを除去する大きな改革です

airman.jpg知識テストを免除して「頭でっかち」だけの指導力のない下士官を排除し、体力テストを除いて「少々肥満型でも」組織を引き締めてくれる指導力ある人物を選抜する決心がなされたものと「邪推」いたしました。

一般的な時代の流れに逆行するような気もしますが、そうでもしないと風紀の乱れに打つ手なしの部隊状況ではないか・・・そしてこれが米空軍(恐らく米軍全体)の実態だと推測いたします・・・

4日付Military.com記事によれば
●4日米空軍は、上級下士官3階級(master sergeant, senior master sergeant and chief master sergeant)への昇任者選抜プロセスから、知識テスト(knowledge test)と体力テスト(promotion fitness exam)を無くすと明らかにした。

Wright.jpg●4日、米空軍下士官トップであるKaleth O. Wright最上級軍曹は声明を発表し、「この新たな選抜プロセスが、上級下士官選抜において最適な人材を選抜し、各級指揮官や組織指導者に信頼できる人的戦力を継続的に提供するものと確信している」と述べている
●また「テスト部分を選抜プロセスから除くことにより、強力なリーダーシップ発揮の潜在能力を保持しない者が選抜されることを避け、最上級の優れたパフォーマンスを示しているものが選ばれる仕組みを確実なものとする」とその意義を説明している

●米空軍司令部の人的戦力計画部長であるBrian Kelly中将は、「我々は継続的に、米空軍全体で人材管理手法の改善に取り組んでいく」、「今回の選抜要領見直しは、(テストよりも)日頃の勤務パフォーマンスを重視して焦点を当てるものである。我々は引き続き、透明性とシンプルさを追求していく」と本件に関しコメントしている
●なお、新方式での昇任者が誕生するのは、今年秋からである
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空軍内では性的暴行(sexual assult)問題が4軍の中でも際立ち、その他にも飲酒や麻薬、士官学校でのカンニングやセクハラなど風紀上の問題が重くのしかかっており、統合参謀本部議長に空軍人が長く推薦されない原因の一つとも言われているほどですが、対策の一つとしての上級軍曹選抜の改革(現場で目を光らせる適任者の選抜)ですが、これは大きな人事制度の変革だと思います

basic-training4.jpg「日頃の勤務パフォーマンスを重視」とは聞こえが良いですが、多くの対象者を対象として、日頃の職務遂行状況を公平に評価することは容易ではありません

公平性を確保するため導入したのが知識テストと体力テストですから、そこからの決別は公平性確保への挑戦でもあります。他軍腫の追随状況を含め、お手並み拝見と行きましょう

米空軍内の風紀の乱れ
「空軍内で性的襲撃既に今年600件」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19-1
「空軍士官学校の内通者が反旗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1
「戦闘機操縦者支配への反発が顕在化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04
「指揮官を集め対策会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-04

米軍と性犯罪(Sexual Assault)問題
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1
「暴力削減にNGO導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-05
「国防長官が対策会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19

「海軍トップも苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-20
「女性5人に一人が被害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-10
「米軍内レイプ問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19

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米空軍からF-15X購入の臭いプンプン [米空軍]

必要な機数を確保するため、予算があれば必要数全機をF-35でカバーしたい。しかし・・・

Goldfein112.jpg26日、Goldfein空軍参謀総長がDefense-Newsの単独インタビューを受け米空軍2020年度予算の論点の一つとなっている「F-15X」購入予算の確保に関する質問に対し、「F-35予算は一切削減しない」、「第4世代機で5世代機の代替はできない」、「質を量ではカバーできない」等々とF-35調達予算の重要性を強調しつつも、必要な量の確保の必要性と予算の縛りにも言及し、明言はしないもののF-15X購入可能性が高いことを強く示唆しました

本件に関しては、昨年末、突然ブルームバーグが、1980年代に購入した老朽化の激しい州空軍保有のF-15C型の後継として、米空軍が2020年度予算に12機のF-15X予算約1300億円を計上する方向だとスクープして大きなニュースになったものです。

F-15 upgrades3.jpgF-15EやF-16がで2030年頃まで使用可能であるのに対し、米空軍はF-15CやD型を約230機保有していますが、機体寿命が近づいて維持経費が高騰し始めていることから、これらF-15Cの後継に、カタールやサウジが比較的最近購入したF-15に、最新レーダー、コックピット、電子戦装備、更に搭載ミサイルの倍増等の改修を加えたF-15Xをボーイング社が売り込んでいたところです

ブルームバーグの報道を受け、F-15CとF-15Xに関しWilson空軍長官は、「全てのオプションがテーブルの上にある」と発言していましたが、今回Goldfein空軍参謀総長は、米空軍予算の変動に備えて様々なオプションを検討しているとしつつも、F-15X購入可能性が高いことを強く示唆しています(そのような印象を受けました)

26日付Defense-News記事によれば
F-15 upgrades.jpg●19日、Goldfein空軍参謀総長はDefense-News記者に対し、予算が十分ある限りはF-15Xを購入する可能性が高い(Air Force could buy)と述べる一方で、「F-35調達を1インチたりとも後退させるつもりはない。F-35予算から他の戦闘機購入費用を融通することは1セントなりともあり得ないし、現在予定しているF-35購入計画を予定通り進める」と強調した
●そして昨年10月から揺れ動く国防費枠への対応について、「我々は730billionに向けて準備してきたが、700になった場合に何を削減するかも検討した。そして750になった場合の事もだ」と述べ、直接的には認めるような発言はしなかったが、F-15X購入の引き金を引く可能性を強く示唆した

ボーイングはF-15Xを空軍に売り込んでいたが、これまで米空軍はこの提案を突っぱねていた。例えば昨年Wilson空軍長官は、「米空軍の戦闘機は現在、8割が4世代機で、2割が5世代機である。将来の戦いを考えれば、大きな違いを生み出す5世代機がより多く必要だ。5対5の比率にしたい米空軍とすれば、4世代機購入はありえず、5世代機の増加に進むのみである」と言い切っていた

Goldfein space.jpgしかし26日の参謀総長発言は、機数を確保するため、戦闘機世代を問うことなく、老朽化が進むF-15の後継機購入に進む可能性があることを示している。実際同大将は「4世代機と5世代機は互いに補完しあう。互いに相互を高めあう」とも表現した
●この相互に高めあう発言を捉え、質を量で補うことで妥協するのかと質問したところ、「それには当たらない」と参謀総長は述べ、「F-15C部隊に穴が開いて任務遂行に必要な機数が不足する事態は避けねばならず、部隊をリフレッシュする必要がある」と語り、

●「F-15C部隊の機体を更新するとしても、F-35部隊建設は並行して計画に基づき進める。決して世代間のトレードオフではない」と訴えた。
●そして「米空軍の戦闘機平均年齢を現在の28歳から15歳に下げ、必要な機数を確保するには、毎年72機の戦闘機を購入し続ける必要がある」と言いつつも一方で、「72機すべてをF-35で調達したいが、予算の制約から実現は難しい」、「F-15はF-35の能力を代替できないが、量も必要なのだ
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F-15 upgrades4.jpg昨年12月、航空自衛隊のF-15(MSIP機)約100機にも能力向上を行う計画だととの報道がありましたが、時を同じくして米国でも、急にF-15X調達への動きが表面化しています

何らかの力が働き、ボーイングを支えるための施策推進が決断されたと考えるのは「妄想が過ぎる」でしょうか? その背景の一つに、KC-46A空中給油機開発でのトラブル頻発によりボーイング社が自腹を切っている4-5000億円があるのでは・・・と考えるのは「邪推」でしょうか?

日本のMSIP機の動向にも注目いたしましょう・・・

「空自MSIP機を能力向上改修へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-01

米軍F-15は冷や飯
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
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米空軍2トップ寄稿:北極圏と米空軍 [米空軍]

米空軍最初の大規模空輸と空爆作戦は北極圏だった

Arctic.jpg9日付Defense-Newsに、Wilson空軍長官とGoldfein空軍参謀総長が「Air power and the Arctic: The importance of projecting strength in the north」とのタイトルで寄稿し、北極圏での米空軍の活動の重要性を訴えています。

「冷戦終了時には、多くの人々は米本土北方国境の安全が確保されたと考えたであろうが、技術の発達を受け、敵対者はこの強固な国境を穴だらけにしようとしている・・・」との一文が示すように、敵対者から米国への最短距離の国境であり、また資源豊富な北極圏は新たなつばぜり合いの最前線となっています

恐らく関連予算が多く含まれているであろう2020年度予算案の2月公開を前に、その背景を説明し、関係者の理解を得ようとの狙いがあるものと邪推しておりますが、平易に米国と米軍にとっての北極圏領土の重要性を説明していますのでご紹介します

Air power and the Arctic:
The importance of projecting strength in the north

経緯と今の姿
Arctic rader.jpg●米空軍は半世紀以上にわたり北極海を飛行してきた。忘れられているが、米国が初めて大規模空輸や空爆を行ったのは、WW2時のアラスカに連なる島々への「Thousand-Mile War」である
●WW2で日本軍がアリューシャン列島を侵略する10年以上も前に、ミッチェル将軍は同列島での飛行場建設を議会に主張し、「アラスカを制する者は、世界を制する」と訴えた。当時でさえ北極圏は戦略的に重要で、ミッチェルの言葉はその重要性を裏付けている。たとえ最低限のインフラや、厳しい気象状況が軍の活動を制限していても

75年の時の経過を経て、北極圏の米国にとっての重要性は一層増している。北から接近する者に関しても、また米国の戦力投射の視点からしても、その重要性を誇張しすぎることはない
●同エリアにはカギとなるアセットが点在し、米空軍も、戦闘機や空中給油機基地から、北極圏を通過して向かってくるミサイルや航空機を監視するレーダーや宇宙監視システムを運用している
●一例として、2022年までには、北極圏で運用される戦闘機は、他のどの地域のアセットよりも最新型に更新される

時代の変化と他国の動き
FPS-115front.jpg冷戦終了時には、多くの人々は米本土北方国境の安全が確保されたと考え、凍結した広大な土地が米本土防衛に厚みを増してくれると見なしたであろうが、技術の発達を受け、敵対者はこの強固な国境を穴だらけにしようとしている
レアメタル、漁業資源、世界の1/5を占める石油天然ガス埋蔵量をはじめとする北極圏の豊富な天然資源は、米国だけでなく、多くの他国が注目している

ロシアはGDPの2割を生み出す北極圏の経済権益確保に乗り出しており、地域での軍事プレゼンス再構築に取り組んでいる。
中国は地域を「一帯一路」政策の一部と見なし、経済をテコに他の北極圏国家で経済プレゼンスを確立しつつある

米国と米軍の取り組み
Arctic Ace3.jpg●これらの変化に対応するため、昨年7月、当時のマティス国防長官が「米国は北極圏でのゲームに加わらねばならない:America’s got to up its game in the Arctic」と述た。
●米空軍は包括的な北極戦略を検討中で、新たなNDS目的を達成する能力を確保する必要がある。我々は他パワーの侵略を抑止し、我が権益を守る体制を整えねばならない

●米空軍は、北からのミサイルや爆撃機からの防衛のため、多くをカナダと協力運用している50以上のレーダーの近代化を進めている。また北部の基地は、北極圏にあらゆる場所に迅速に航空機を派遣する重要な基盤である
●米空軍は最近、グリーンランドの宇宙監視アセットを更新した。これは米国で最も北にある米国拠点である。更に、北極圏の厳しい環境での活動に備える国防省で最も古いサバイバル訓練施設やそり付き航空機の運用を維持している

●これらの任務継続には問題が避けられない。北極圏の厳しく予想困難な気象、短い施設建設可能シーズン、長い暗闇期間、更にオーロラや宇宙現象による通信障害など、多くの困難が横たわっている
●これらへの対処には同盟国やパートナー国との協力がより一層重要になる。カナダとの長い協力関係に加え、米空軍は他の北極圏関係国との関係強化を追及しており、特に演習を通じて、気象データ・通信・偵察データの共有や、作戦運用経験の交換することを考えている

Arctic ship.jpgWW2当時の北極圏作戦で派生した尊い犠牲者の記憶は、極地での厳しい環境における備え不足が招く危機を明確に物語っている。そして米議会を含めた多くの人々が、北極圏への注目の必要性を訴えている
●2019年国家授権法は国防省の北極圏戦略を更新し、その任務と役割を示している。世界の動きや事象は、我が国益を守るため、スマートに行動を開始すべき時であることを示している
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確かに、超々音速兵器にしても、弾道ミサイルにしても、北極海の氷減少に伴う覇権争い先鋭化にしても、北極圏へのアクセス確保するための航空基地を維持し、各種センサーを近代化して維持していくことが基礎をなすと言えましょう。

ミッチェル将軍の「アラスカを制する者は、世界を制する:Whoever holds Alaska will hold the world.」との言葉は、今後米空軍関係者がよく使うことになるのかもしれません。

他の分野に関してもこのような「寄稿」があるのか、北極圏がポイントなのか、今後に注目したいと思います

北極に関する話題
「グリーランドに中国企業」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-4
「北極航路ブームは幻想?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-13
「トランプ:空母削って砕氷艦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-19
「米国砕氷船実質1隻の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-1
「米軍北極部隊削減と米露の戦力差」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02

北極圏:米国防省と米軍の動き
「米軍C-17が極地能力強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-02
「北極海での通信とMUOS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25-1
「米国防省の北極戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-23-1
「米海軍が北極対応を検討中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20

ロシアの北極圏活動
「ロシアが北極圏の新しい軍基地公開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-30
「露軍が北極に部隊増強」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04-1
「露が北極基地建設を加速」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-09
「ロシア軍が北方領土に地対艦ミサイル配備へ」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-26

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不具合付きKC-46給油機受け入れ [米空軍]

不具合解消に3-4年は必要と
1機当たり30億円は不具合解消後に支払いとか

KC-46-2.jpg10日、KC-46A空中給油機の初号機が米空軍に引き渡され、カンサス州McConnell空軍基地に到着しました。当初計画では2016年初めに初号機が引き渡され、最初の18機納入が2017年末の予定でしたが、様々なトラブル発生の末に2年遅れとなり、18機目納入は2019年末になる見込みだそうです

納入された初号機は、今後米空軍が実施する「作戦運用試験」に入る予定ですが、前段階の「開発試験」で判明した5つの重大不具合が残ったままの納入という異例の納入となっています。
異例と言えばもう一つ、このような特殊なケースで納入を承認するはずの国防長官が同機製造ボーイング社の出身者であるため判断に関与できず、部下の調達担当次官がサインする「異例」のおまけつきです

KC-46-3.jpg冒頭でご紹介したように、5つの重大不具合解消には4-5年必要で、問題解消までは一部代金を支払わない(1機の機体価格の2割に当たる30億円後払い)との約束がなされる状態で、不具合機体で「作戦運用試験」ができるのかよ???・・・と突っ込みたくなりますが、既にボーイング社が自腹4000億円以上を開発費に持ち出している状況も踏まえ、「おとなの事情」で受け取りとなったものと邪推しております

米空軍の空中給油機は、現有のKC-10やKC-135の老朽化が著しく、その維持整備費高騰が大きな問題となっており、その辺りも「不具合には目をつぶる」判断になったものと邪推しております

11日付米空軍協会web記事によれば
公式の初号機受け入れセレモニーは1月末に計画されている
●初号機以外に、現在9機が米空軍による受入検査を受けており、(その中の)4機がオクラホマ州Altus空軍基地に配備される予定である

KC-46 Boom3.jpg●5つの重大不具合の3つは、初めて導入されるブーム操作員が使用するモニター画面関連で、照明の具合や太陽の角度によっては給油操作が困難な点と、ブームで相手機に機体表面をひっかき傷をつけても捜査員が気づかない問題で、ソフト改修によって対処する方向だとボーイングは説明している
●残り2つの不具合はブーム自体の問題で、ブームに余計な荷重がかかった際に捜査員に知らせる機能の問題、ブームが相手機にコンタクトする際に硬直していることを捜査員に知らせる機能である

●米空軍は追加の18機調達のため、関連機材やスペアパーツ等を含め約3100億円の契約を昨年9月に結んでいる
●なお米空軍とボーイング社は、最近「Phase II of flight certification」を終了し、次のフェーズのの試験を11機の機体で開始している
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KC-46 Boom.jpg不具合を抱えたままの初号機を受け取ることは米空軍として初めてではないようですが、部隊の本音を聞いてみたいものです・・・

そして米国以外で唯一KC-46を購入する航空自衛隊の皆さんのご意見も聞いてみたいものです・・・


米空軍の空中給油機ゴタゴタ
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3
「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

「ブームで相手にひっかき傷」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-02-1
「空中給油機の後継プランを見直しへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「KC-46ブーム強度解決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-15

「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

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