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米空軍が無人救難ドローンの提案を募集開始 [米空軍]

この分野にもついに無人機が進出か
リスクを負う兵士の数を局限するため・・・

drone rescue.jpg16日付米空軍協会web記事によれば、米空軍が敵地や厳しい環境での運用を想定した救難救助無人機の提案を募集し始めた模様で、提案の募集は「SBIR:Small Business Innovation Research」のwebサイト上に募集要件が掲載され、7月1日まで募集しているようです

ドローンの活用分野は様々に拡大しており、一般社会への普及と小型化や低価格化には驚くばかりで、ふと空を見上げた時にドローンを目にすることも増えてきました。(その多くが飛行禁止空域など考えていない飛行のような気がしますが・・・)

軍事への応用も様々ですが、任務上のリスクという点では最上位に位置する救難救助(rescue)でも、本格的に導入が検討開始されたようです。
ここでのレスキューは、航空機から脱出した操縦者の救助という目的だけではない、紛争地域や敵支配領域に侵入して任務を行う特殊部隊員の回収なども任務に含むようです

以下では16日付米空軍協会web記事から、その要求性能をご紹介し、米空軍のイメージを把握したいと思います

レスキュー無人機に求められる性能
drone rescue2.jpgCH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能で、一方で地上クルーにより地上から30分以内に発進させることが可能
2-4名と担架一台が輸送可能で、200nm飛行可能

未舗装地への離着陸が可能で、指定された50×50フィートの範囲で離着陸できること
敵から発見されない性能を追及し、特に離着陸時の騒音局限を重視する

高いレベルの自立運航能力を備え、現有の無人機と同じく保全されたデータリンクで遠隔操作が可能
様々な運用環境で使用可能で、ジャングル、砂漠、海上なども運用対象エリアに含まれる。

提案要求の説明文では
drone rescue3.jpg●国家防衛戦略NDSの狙いに沿い、世界中の作戦地域で、敵の攻撃下にあっても、戦力を展開させ、作戦させ、機動展開させ、再投入することを全てのドメインで実現する必要がある
●またこのような多様な想定では、人里離れた場所や、遠隔地での作戦遂行が求められ、このため低コストで小さなチームを投入・脱出させるオプションを増やす必要があり、併せてこれら輸送に伴う人的リスクを増加させないで実現する必要がある
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「CH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能」の部分に驚きましたが、よく考えれば必要な能力ですねぇ・・・

どの部分の要求のハードルが高いのかよくわかりませんが、非常に面白いです。この技術は「無人空中タクシー」にも応用できそうな気もしますし・・・

7月1日の締め切りが楽しみです。何らかの報道が出ることを期待いたしましょう

おまけ映像(これは有人機)
5月17日に初飛行した米空軍の次期救難ヘリHH-60W


無人機関連の最近の記事
「無人機でサイバー攻撃に反撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-11-1
「空軍のジェット無人戦闘機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「中国製無人機が増殖中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-06-2

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F-15搭載自己防御レーザーの基礎試験成功 [米空軍]

また地上試験ですが
まだ軽量化・高出力化等の課題ありですが

SHiELD.jpg3日、米空軍研究所AFRLは、2021年にF-15搭載PODの形で飛行デモを予定している自己防御用レーザー兵器の基礎試験として、地上配備の装置でミサイル迎撃に成功したと発表しました

試験は4月23日にニューメキシコ州のホワイトサンズ試験場で行われ、どのようなミサイルを対象に試験が行われたのかは明らかにされていませんが、「a key milestone」を達成したとの発表がされているのでご紹介しておきます

3日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍研究所AFRLによる航空機の自己防御用レーザー開発計画は、「SHiELD」(Self-Protect High-Energy Laser Demonstrator)と呼ばれているが、4月23日に地上装置を用いた一連の試験を成功裏に終了し、一つのカギとなる成果を上げたとAFRLが発表した
Laser HEL.jpg●発表声明は、「Demonstrator Laser Weapon Systemが複数の飛翔中の空中発射ミサイルを迎撃した」と言及しているが、どのようなミサイルが目標に使用されたかは不明である

●「SHiELD」はF-15の自己防御装置PODとして開発されており、同PODから発射される強力なレーザーにより地対空ミサイルや空対空ミサイルからF-15を防御することを狙いとしているが、航空機からの高出力レーザーでのデモが2021年に計画されている
●本計画には、ボーイング、ロッキード、Northrop Grummanが分担して参画しており、レーザー生成部分、ビーム制御部分、POD部分などに分かれて取り組んでいる

●AFRLは声明で「一連の試験はSHiLD開発の重要なステップの一つで、目標となるミサイルに対するレーザーの有効性を確認するものである。しかし最終的なシステムは、より小型軽量で、航空機搭載時の環境に耐えるものである必要がある」と述べている
米空軍は今年1月、SHiLDよりも高出力の次の世代の装備についても検討していると明らかにしている
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Laser NG2.jpg3年くらい前に非常に盛り上がったレーザー兵器等のビーム兵器ですが、最近はあまり目立った発表や報道がありません

ファイバーレーザーが大きな技術的ブレークスルーだったようなイメージでしたが、依然として高出力を車両搭載型や航空機搭載型で実現することは「いつまでたっても完成まであと5年」状態なのかもしれません

自己防御型の場合、ミサイルを完全に破壊しなくても、シーカーなどの誘導装置を無効化することで役割を果たせるのですが、ビーム制御や出力確保(&小型化)は容易ではないのでしょう

エネルギー兵器関連
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24

「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1

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太平洋空軍が戦力緊急分散(退避)演習 [米空軍]

台風による緊急避難との名目ながら・・・
わざわざ三沢や嘉手納や横田から戦力を集め緊急避難を 

Resilient Typhoon3.jpg4月22日、太平洋空軍は配下の航空部隊をいったんグアムに集め、その後、台風からの緊急避難の名目のもと緊急にサイパン島周辺の島々に分散避難する演習「Resilient Typhoon」を行いました

この訓練は名称に「台風」を入れて「ギラギラ感」を出さないようにしていますが、担当幹部が「作戦環境と世界脅威の急激な変化」を訓練背景として語っているように、グアムが中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルの攻撃を受けそうな場合の緊急避難を強く意識したものと考えて間違いありません

そして三沢や嘉手納基地所属の米空軍戦闘機が訓練に参加し、グアムからの避難訓練を行っている様子から、地域の米軍航空戦力を取り巻く情勢が如何に厳しいものとなっているかを示すものとなっています

23日付米空軍協会web記事によれば
●4月22日、太平洋空軍は、仮に母機地を放棄せざるを得ない状況になっても、他の分散配置された基地で作戦を継続できるよう、「Resilient Typhoon」演習を実施した

Resilient Typhoon4.jpg●演習は、大きな気象脅威を想定し、グアム島アンダーセン基地に集結していた航空戦力を、周辺のテニアン、サイパン、ミクロネシア、パラオに緊急分散避難させる形で行われた
●同演習には、三沢基地のF-16、嘉手納基地のF-15、横田基地のC-130、ハワイ・ヒッカム基地のC-17とF-22が参加し、アラスカのエレメンドルフ基地からも人員機材が参加した

●太平洋空軍戦略計画部長Michael Winkler准将は、「作戦環境と世界脅威の急激な変化を受け、我々の前方展開部隊は対処の余裕が無い場合においても、緊急事態対処が出来なければならない。そして我が戦力は主導の地位を獲得、確保、保持するため、流動的に機動展開できなければならない」と声明の中で述べている

●また同部長は「危機的災害における人道支援対処のため、関連地域に展開できることが一つの重要な鍵である」と述べ、各所の飛行場を理解すれば理解するほど、対処能力とその速度は向上すると付け加えた
太平洋軍司令官Charles Q. Brown大将は年初に、太平洋空軍として地域の代替基地候補を調査し、関係国政府とどの飛行場が米空軍の緊急飛行場として利用可能かを協議していると語っている
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Resilient Typhoon2.jpgいつものように、相も変わらず戦闘機中心の防衛力整備にながれ、亡国のF-35大量購入に踏み切る日本は、ちまちま滑走路普及部隊の整備や、焼け石に水の代替飛行場確保に取り組んでも、所詮は「戦闘機だけ防衛力整備」の言い訳に過ぎないことを、真摯に認めるべきだと思います

有事近づいたら米空軍のF-15もF-16もC-130も、全てグアム以東に避難するとのシナリオを頭に置きつつ、航空自衛隊の航空戦力が無残にも地上で戦う前に討ち死にする可能性を真剣に考え、防衛力整備の方向を今すぐ再検討すべきと考えます

米空軍の西太平洋対策
「担当空軍司令官がACEを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09 

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1

「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

関連の多様な記事
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 

くたばれ戦闘機命派
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20
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米空軍ACC司令官がEW体制見直しを語る [米空軍]

電子戦専用機は現時点で考えない
基本DistributedなEW戦略で行く

Electronic Warfare.jpg16日、米空軍戦闘コマンド司令官Mike Holmes大将が米空軍協会のイベントで講演し、米空軍が1年かけて行ってきた電子戦EW見直しの結果について、限定的ながら少し具体的に語り、新たな空軍司令部での部署設置や装備品整備の方向性について触れました

講演後に米空軍報道官室には、講演内容に関する具体的な時程や細部を確認する問い合わせが相次いだようですが、講演内容以外については答えられないとの姿勢で終始一貫しているようです

米軍だけでなく米国防省も最近は、中国やロシアを利する可能性がある構想や戦略やレビュー文書の細部を非公開にすることが多く、このような講演の切れ端も貴重な情報ですのでご紹介しておきます。

16日付米空軍web記事によれば
HOLMES4.JPG●同司令官は、約1年間に渡りEWに関するECCT(Enterprise Capabilities Collaboration Team)が検討した電子戦レビュー(review of electronic warfare) について、電磁優勢EMSを将来にわたり確保するための新たな組織体制や施策について、従来よりも突っ込んで語った
●そしてECCTが同レビューが提言している主要な3点や関連事項について説明した。しかし、提言を実現する具体的な時期や要領等については言及せず、空軍報道官室も講演以上に説明できることはないとの立場を表明している

●まず電磁優位確保の責任者を空軍司令部におく
---空軍司令部内に「EMS Superiority Directorate」を設け、将官をトップにつけ、空軍内のEWの優先投資事項を見極めさせる
---担当範囲には、無人デコイのMALD、F-15CやF-15E搭載のEPAWSS電子戦システム、ALQ-131電子自己防御装置、光電赤外線センサーF-35のEOTS、先進スナイパーポッド等々があるが、サイバー攻撃やサイバーモニターシステムが所掌範囲かは不明

●次に、バラバラな電磁優位活動を一つの組織に融合
---米空軍内の電子戦取り組みをまとめるマルチドメイン組織を設置し、ソフト開発などを集約する。本組織は迅速な脅威への対応を実現するため、「machine-to-machine」認知連鎖や適応をリアルタイムで追及し、勝利のため連携した「分散型システム:distributed systems」を敵電子優位システムを撃破するために展開する

●更に、米空軍内の電子線魂を再活性化
EW Cognitive.jpg---米空軍司令部の電子戦部門長を先頭にして、米空軍全体に電磁優位魂(EMS warrior ethos)を醸成するため、空軍全体を対象とした教育訓練プログラムを構築する。なぜなら情報作戦は電子戦担当者だけでなく米空軍全兵士が関わる戦いだからである
---米空軍のEWに関わっていた者は、10年以上にわたり、米空軍の電子線活動が縦割りで、中露の脅威に対し不適切な状態にあると不満を訴えてきた

●ECCTのGaedecke准将は、EWは国家防衛戦略の基礎であり、米空軍指導力がEWの研究、開発、技術、革新の全てで求められると述べ、同時に不遇の時代にもEWの重要性を訴え続けてきた空軍兵士に大声で感謝を述べたいと1月に語っている

●Holmes司令官はインタビューで、電子専用機で1999年に退役したEF-117のような機体を導入するつもりはないと述べ、「米空軍は今、分散型システム(distributed systems)を追及している」と説明している
●一方で同司令官は、突破型の電子攻撃プラットフォームを将来導入する可能性について否定せず、次世代制空のためのシステム検討の中で吟味されると表現した
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EW Cognitive3.jpgあまりパッとしない、レビュー前から分かっていたことじゃないの・・・と言いたくなるような内容です。

本当は、統合面での言及ももっと必要だと思うのですが、良くわかりません。相変わらず米海軍のEA-18Gに同乗させてもらってエスコートEWを実施している現状について、どう考えているんでしょう?

予算面での手当ては大丈夫なんでしょうか? とりあえずF-35とB-21に投資しておけば大丈夫・・・なんて本音も聞こえてきそうです

EW関連の記事
アクセス数が多い記事ばかりです。是非チェックを!
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02
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米空軍が上下別の飛行服を検討中 [米空軍]

戦闘機Pのシンボル的なつなぎスーツが変わるか
まずは輸送機とヘリから、トイレに便利

A2CU 2.jpg19日付military.comが、米空軍がパイロットの象徴的スタイルである「上下つなぎ」のパイロットスーツの見直しに着手し、通常の戦闘服スタイルの上下別の飛行服を輸送機やヘリ操縦者に許可して使用をはじめて受け入れられていることから、緊急脱出装置付きの戦闘機操縦者にも上下別タイプが提供可能かどうか安全面での確認を行っていると報じています

そもそも、なぜパイロットの飛行服が上下つなぎなのか・・・・。恐らく、戦闘機が攻撃を受けて火災を越した場合に、上下の隙間なく耐火性の飛行服を着ることで火傷を防ぐためや、操縦席からイジェクションシートで緊急脱出した際、パラシュートと身体を一体的に結びつけること、また着水して漂流する際に体温低下を防ぐため、与圧スーツとの関係、耐水服との関係・・・などの理由だと思いますが、今や一つの別人種であることを表すスタイルとなっています

実際の着心地から言えば、トイレに行ったとき大変・・・、特に女性は・・・ということで、この飛行服見直しの主担当はSaily Rodriguez少佐という女性で、Life Cycle Management Centerの「female fitment program manage officer for the the human systems program office」との役職の士官です

まぁ、トイレの不便さだけが見直しの背景ではないと思いますが、輸送機には急速に上下別の飛行服が普及しているらしいとは言え、戦闘機にはどうでしょうか・・・。安全面で基準をクリアーできたとしても、戦闘機操縦者のプライドの象徴ですからねぇ・・・。パイロットが難癖付けて普及しないような気がします

19日付military.com記事によれば
A2CU 3.jpg●18日、Rodriguez少佐は「上下別の2ピース飛行服が搭乗員に提供できるかを検討している」とmilitary.comの取材に対して述べ、つなぎ型から上下別にする利点は、トイレの利用しやすさと全体的な快適さのためであると説明した ●そして「上下別型は広範な観点から検討中であるが、特に安全性面で搭乗員の服装として適当かどうかの点を重視して確認している」と耐火性の確認などを行っている現状を語った

●既に脱出装置の無い輸送機やヘリでは、既に上下別タイプの戦闘服が搭乗員に使用され始めている。2017年、米空軍は上下別の迷彩戦闘服に似た通称「A2CU:Airman Aircrew Combat Uniform」をヘリや輸送機で着用することを認めたのだ。
A2CUはつなぎ型飛行服と同じ耐火性の繊維で作られており、脱出装置の無い航空機での着用が認められた以降、輸送機の定期運航分などから使用が広まっており、米本土では特に広まっている

各級指揮官もA2CUの使用を様々な場面で認めるようになってきており、訓練時や国外展開時にも使用が広がっている。最近の米空軍輸送コマンドの演習「Mobility Guardian」でも、同コマンドはA2CUの着用をオプションとした
●Rodriguez少佐は、米空軍だけでなく、陸軍でも上下別タイプの飛行服検討が行われているとコメントしている。ただし、急速に更に上下別タイプが普及するとは考えておらず、まだ安全性を確認している段階にあると慎重な姿勢を示した
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A2CU 4.jpg輸送機やヘリ搭乗員は飛行時間が長いから快適な上下別型を早期に許可し、安全面で検討事項が多い戦闘機乗り用には確認に時間がかかっている・・・・との説明のように解釈しましたが、救命救助ヘリは戦闘機以上に厳しい環境で運用する訳で、なぜ確認に時間がかかっているのか理解できません・・・

邪推ですが、つなぎ飛行服が廃止されると、またはつなぎ以外にも着用が認められると、戦闘機パイロットの領域が侵される、スタイルイメージが崩れる、他職域との差別化レベルが低下する・・・などの戦闘機操縦者世界や文化からの抵抗が全ての検討を長引かせているのでは・・・と疑ってしまいます

A2CUがこれほど急速に普及する中、戦闘機だけ・・・、なんか変です。

米空軍カテゴリー記事600本 https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801463-1

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また米空軍研究所が無人ジェット機開発 [米空軍]

何がやりたいか見えません
先日紹介のXQ-58A Valkyrieとの違いは?

Skyborg.jpg3月末、米空軍省の調達責任者であるWill Roper氏が昨年10月から検討を開始したという米空軍研究所AFRLの「Skyborg」 との名前の無人機コンセプト図を公開し、関係企業の保有技術で何が実現可能か情報提供を募るRFI(request for information)を発出しました。

各種航空メディアは、この3本脚のずんぐりステルス形状のような機体を「無人ウイングマンのコンセプト図だ」とか、安価な無人戦闘機開発の原型だとか紹介していますが、3月5日に初飛行した同じく空軍研究所AFRLが開発を主導する「XQ-58A Valkyrie」もあることから、「米空軍は何をしようとしているのだ?」との疑問がくすぶっている状態です

もちろん一般的なイメージ理解としては、「XQ-58A Valkyrie」がMQ-9の発展形の無人機で、長時間在空のISR+攻撃能力を備え、ステルス形状で強固に防御された敵空域での戦いにも投入可能な方向を追及し、「Skyborg」が無人ウイングマンタイプで、例えばF-35が10機の「Skyborg」を引き連れて強固に防御された敵空域で行動するイメージだと思います

XQ-58A.jpgしかし両方の関係者はそれぞれに、「何ができて、何ができない、との縛りはない。AIや電子戦やサイバーも絡め、幅広い可能性を探っていく」との姿勢で現状を語っており、技術先行で運用コンセプト後回し状態が感じられます

このような状態に米議会からは、航続距離が短く搭載量も少ない従来型戦闘機の延長であるF-35に資源と労力の多くを費やしている米空軍は、戦闘機パイロットが支配する米空軍は、今生まれつつある最新技術を生かせないのではないか・・・との疑念も生まれつつあるようです(前からあった疑念が、いよいよ表面化したともいえますが・・・)

とりあえず本日は「Skyborg」の状況を、「XQ-58A Valkyrie」と絡めてご紹介し、無人機研究から垣間見えるコンセプトの混迷を垣間見たいと思います

4日付米空軍協会web記事によれば
3月末、米空軍は2023年までに運用態勢確立を目指す「Skyborg」のイメージ図を公開したが、米空軍自身がどのような無人機にするのか、すべきなのか決めていない。計画公表時には、悪天候でも自動で離着陸でき、他機や山や障害物との衝突を回避できるもの程度の解説だった。
Skyborg2.jpg●また「Skyborg」の方向性を検討するため発出されたRFIには、複雑なAI技術開発の機会となる「modular, fighter-like aircraft」で、「ここでのAI技術とは、単純な飛行制御から複数の主任務とサブ任務を自律的に遂行する技術までも含まれる」と狙いが記されている

●一方で3月5日に初飛行した「XQ-58A Valkyrie」も、今後半年間の5回の飛行で飛行特性などの確認試験飛行を行うが、「(基本的に長距離攻撃とISRを念頭に設計されているが、)高い亜音速飛行能力と高G旋回飛行が可能な飛行特性を備えており、何が可能で、何をすべきではないとの制限は設けていない」とプロジェクト報道官が語るように、将来に柔軟性や発展性を持たせている
●また価格的には、100機以内製造の場合は1機3億円で、それ以上だと2億円程度に抑えられる見積もりがあり、様々な応用アイディアが議論されている

約20年前に登場したMQ-1プレデターは近代戦を大きく様変わりさせ、作戦面、法規面、文化面にまで議論が及ぶことになったが、開発が進む2機種はその性能で活動領域や任務を拡大させ、戦い方を大きく変える可能性を秘めている。しかし具体的な姿は見えていない
●2009年に米空軍は「2009 Air Force UAS flight plan」を発表して無人機の将来構想を示したが、その検証や見直し議論は聞こえてこず、未だにF-35やF-15EXやFA-18などの従来戦闘機の議論が日々を賑わしている現状である

Skyborg3.jpg●専門家は、「基本的にF-35, F-22, and B-21で構成される米空軍が一般的にイメージされている。従来の発想の中での議論から抜け出せておらず、これだけ無人機技術が進歩し、実際の役割も拡大してるいる中でも、本質的な変化が見られない」と懸念している
●退役米空軍中将であるDeptula氏は、有人機と無人機の両方が必要で、無人機だけで多様で複雑な任務を全て遂行することは不可能と語っており、これは一般的にも理解される考え方であろうが、有人機と無人機の融合やミックスを整理するには「一世代」必要だと言われると複雑な思いも感じる

●つまり、米空軍を支配する戦闘機パイロットが、無人機の活用やその活用法議論の障害となっているのではないか・・・との疑念がそこにある
●3月20日、下院軍事委員会の小委員長は「I love leather jackets and fighter pilots, but that’s not the future」、「無人機がこの世界ではますます重要になっている」と語っている
/////////////////////////////////////////////////

それから、これら無人機を表現する際の新たな用語として、英和辞書にはない「attritable」との言葉が使用され始めています。

これは、使い捨てとまではいわないが失っても打撃にならない程度に安価で、一方でそれなりの性能を供えた無人機を表現する形容詞の様です。今後使われるでしょうからご注意ください

久しぶりに「leather jackets」への愚痴が出てしまいました・・・

関連の記事
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

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米空軍が「サイバー軍」と「ISR+EW軍」を統合へ [米空軍]

シナジー効果が出るんでしょうか・・・?
まんぐーすの頭が固く古いのか・・・

Cyber Top3.jpg4日米空軍は、共にテキサス州のLackland統合軍基地に所在する第24空軍と第25空軍を統合つまりサイバー担当部隊とISR+EW電子戦担当部隊を融合してシナジー効果を狙うと発表しました

この構想は数年前から米空軍内で議論され、第一段階として今年2月に、米空軍司令部のISR担当部長(中将)が、ISRと共にサイバー分野も担う「ISR and Cyber Effects Operations」部長に変更されているようです

具体的な時期は示されておらず、統合合体後の組織編成などに詰めなければならない事が残っているようですが、早くも融合式典の計画が行われているようです

ISRの役割をサイバーにも担わせるということか、サイバードメイン情報をISRとして円滑に活用する狙いというか、他ドメインのISR情報をサイバー活動に生かすということか、情報は何でも総合して活用する必要があるということなんでしょう・・・

4日付米空軍協会web記事によれば
RQ-4 1.jpg●4日、3年前ほどから噂され、議論されてきた第24空軍(サイバー担当部隊)と第25空軍(ISR+EW電子戦担当部隊)の合併を行うと米空軍が発表した
●米空軍の声明文は「サイバーとISRと電子戦と情報作戦のシナジー効果により部隊能力の結合効果が高まり、戦闘コマンドへの提供能力がより改善される」、「2018年国家防衛戦略が示した優先事項の遂行に貢献する」、「米空軍の電磁波領域での能力強化をはかる」とその効果を表現している

●この改変に先立ち、2018年夏、米空軍内でサイバー任務が宇宙コマンドからACC戦闘コマンドに移管されて、今回の24と25空軍の統合の準備がなされた
Electronic Warfare.jpgまた今年2月、米空軍司令部のISR部長であるVeraLinn Jamieson中将が、サイバー任務も管轄する「ISR and Cyber Effects Operations」部長に名称及び役割変更が行われている

●米軍の戦いの場がデジタル領域に拡大する中、どのように組織し、訓練し、装備を導入し、そのように作戦するかの議論が続いているが、2つの組織を融合する今回の試みもその一環である
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余計な外野からの心配ですがサイバーやっている「ネットオタク」と、地域情勢を扱う「情報分析オタク」が仲良くやっていけるのか? 作戦部隊に近い電子戦EW関係者が、オタクの2大双璧「ネットオタク」「情報分析オタク」と融合できるのか・・・。

上層部が議論する理想と、現場人材の実態がかみ合うのかなど、これまたお手並み拝見したい試みです。もちろんこれら組織が有機的に活動するとの趣旨には抵抗できませんが、現場の様子に興味津々です

第24空軍関連記事
「ハッカーが空軍ネットをチェック」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「サイバー戦と既存航空戦力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
「SNSで探知目標を攻撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-06

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再び米空軍がKC-46A受領停止:またデブリ [米空軍]

3月上旬に2週間以上停止してボーイングお灸をすえたのに
続々明らかになる現場作業員のいい加減な作業ぶり

KC-46 Boom.jpg2日、Wilson空軍長官が下院軍事委員会で、ボーイング社から引き渡しを受けたKC-46A空中給油機の機体や同社工場での受領検査などで、再び機内から作業用の工具や安全上問題となる金属片が見つかったことから、2度目の機体受領停止措置を取っていると証言しました

この受け取り拒否措置は2回目で、最初は2月末から2週間以上でしたが、その間に米空軍が求める改善措置をボーイングに徹底させたとして3月11日に受け取りを再開していたところでした

米空軍としては、早期に機体を受領して遅れている要員養成を加速し、早くKC-46を戦力化したいとの思いもあり、ボーイングの真剣な反省を期待して早期の受領再開に踏み来たのでしょうが、完全にボーイングから裏切られた形になりました

この問題の根本は、同機の設計や製造技術にあるのではなく、ボーイング社従業員のモラルや躾に起因する根深い問題であり、B-737MAX事故で急上昇中のボーイング製品への懸念をさらに増す結果となっています

2日付米空軍協会web記事によれば
KC-46 Boom4.jpg●Wilson空軍長官は下院軍事委員会のメンバーに対し、KC-46の閉じられた機内部位から更なるFOD(foreign object debris)が見つかったことから、ボーイング社からの機体受領を再び停止したことを認めた
●同長官は同委員会で、翼内部など閉じられた機内空間全ての検査を米空軍が行うなどの措置を実施中だと説明し、機体生産ラインがあるべき状態で稼働しているのかを確認するためだと語った

●また米空軍の報道官は、2度目の停止は3月24日から行われているが、FODや他の品質上の問題が次々と今週になっても明らかになっていると述べ、「米空軍はボーイングとあるべき高いレベルの品質と安全を達成すべく協議を続けている」としている
●また同報道官は具体的に、「ボーイングが問題解決のため考えている改善対策と計画を確認ししている」とも説明している

●同日午後、空軍長官は下院の別の委員会で、最近見つかったFODについて、封鎖された機内空間で工具であるレンチの放置が、また機体表面からアルミ片の残置等が確認されていると述べ、アルミ片について、機体内に入って大きな問題を引き起こす原因となると危機感をあらわにした
KC-46 Boom3.jpg●また機内密閉空間の検査結果について、密閉されていない機内空間の状況と比較するとまだ良かったが、期待されるレベルにはなかったと空軍長官は表現し、「これは製造現場の躾の問題であり、躾が崩壊している」とも述べた

ボーイング社はこの状態に関し、「ボーイングはFODがない機体の提供にコミットし、既に改善を進めているが、更に上を目指している」と報道官が述べ、「追加の機体点検体制を構築し、重要員教育訓練を強化し、FODの日を設けて意識改革を図り、清掃の徹底を習慣づける」としている
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ボーイングの状況は深刻です。

KC-46-2.jpgこれほど明確に複数のFOD問題が表面化するということは、製造現場が壊れている・・・と考えざるを得ません。2年以上の遅れを表面上で取り繕うと、現場にしわ寄せが押し付けられているのかもしれません

又は、どこかの日本の重工業のように、軍事部門から人をどんどん民生分野に転用しているのかもしれません

関連の記事
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3

「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

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18年間継続の米軍爆撃機の中東駐留終わりか [米空軍]

F-22に続き、B-1爆撃機が帰還
単にIS作戦落ち着きだけでなく、中東への関与変化?

B-1B.jpg3月29日付米空軍協会web記事は、反IS勢力による対IS勝利宣言の約2週間前の3月11日にカタールのアルウデイド基地に展開していた米空軍B-1爆撃機部隊がテキサス州の母基地に帰還し、18年間にわたりほぼ途絶えることがなかった大型爆撃機の中東派遣が終了したかもしれない・・・と報じています

中東における米空軍大型爆撃機の派遣駐留は、2001年の911同時多発テロ後の対アフガン作戦「OEF : Operation Enduring Freedom」の一環として始まり、現在は対IS作戦の「OIR:Operation Inherent Resolve」の枠組みで実施されていたようです。

今回のB-1派遣は、機数は不明、兵士約350名と共にの派遣で、390ソーティーの作戦飛行で4471時間飛行し、920個の目標攻撃を行ったと母基地であるDyess空軍基地が発表しています

9th Bomb SQ3.jpg2001年から現在までの期間でも、2016年から2年間は、B-1の近代化改修のためB-52に中東派遣任務を任せていたようですが、一般的には、2016年8月に空軍参謀総長が明確にしたように「B-1とB-52のローテーションで」派遣されていたようす。

特にB-1爆撃機は低空の高速飛行が得意なことから、爆撃任務以外にも、低空高速飛行による爆音や衝撃波による威嚇で、イスラム過激派の士気をそぐ作戦にも用いられたと言われています

同様の爆撃機ローテーション派遣は、アジア太平洋地域のグアム島派遣としても2010年頃から行われており、「CBP=Continuous Bomber Presence」と呼ばれています


本題である中東派遣の米空軍航空戦力ですがF-22の派遣も今年2月には終了し、代わりにF-15Cが派遣され、航空優勢確保任務だけを引き継いでいるようです

B-1-UK2.jpg米中央軍は大型爆撃機派遣が公式に終了したとは言わず、「我が作戦担当地域には、任務上の必要性に応じ、必要な戦力が交代で派遣される。中央軍の戦力と地域同盟国等へのコミットメントは変わらない」と声明でコメントしていますが、本当に「任務上の必要性」が無くなったものと信じたいです

IS勢力もそうですが、アフガニスタンの時代逆戻り感も相当なものの様ですので・・・

爆撃機ロードマップ
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

B-52関連の記事
「パイロンに大型兵器を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-14-2
「エンジン換装大集会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-24
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13

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統参議長がF-15EX購入背景を赤裸々に語る [米空軍]

F-15EXはF-35機体価格より少し安い程度
(F-15XはF-15EXが正式呼称らしいです)
しかし維持費は半分以下で、2倍以上の寿命がある

F-15EX.jpg14日、ダンフォード統合参謀本部議長が2020年度予算関連の審議の一環で上院軍事委員会で証言し戦闘機の量を確保するためマティス前長官の指示でF-15EX導入が決定されたこと、2020年度予算案に約1100億円で8機購入予算を盛り込んだこと、維持費と寿命でF-15EX導入を決めたこと等を説明しました

これまでもF-15EX導入の背景や理由をご紹介してきましたが、いずれも米空軍幹部からの説明で「歯切れが悪く」、空軍長官は「米空軍外の決定である」とそっけない言及でしたので、米空軍に冷徹な目を持つ統合参謀本部議長の説明で「すっきり」していただきましょう

また、将来的な購入規模に関しても紹介が記事にありましたので、ご紹介しておきます。いいんじゃないですかねぇ・・・これで

14日付米空軍協会web記事によれば
Dunford AFA.jpgダンフォード統合参謀本部議長が議会で、現在の米空軍戦闘機部隊の能力と規模不足を踏まえ、更にF-15EXのトータルな経費を勘案し、マティス前長官の決定によって2020年度予算に約1100億円のF-15EX予算が計上されたと述べた
●また決定は、戦術作戦機の将来ニーズ分析によって示された米空軍作戦機と弾薬不足を埋める必要性から行われたと説明した

●更に議長は、「現在使用しているF-15Cが2027-28頃に退役のタイミングを迎えることから、今後10-15年間のオプションを考えた場合、F-15EXがF-15Cの後継としてベストな選択だ」と説明した
●また「いずれは全機をF-35でまかなう方向に向かうが、今はコスト面と量確保の面から、近未来においては混合編成が正しい選択だと判断した」とも説明した

F-15 upgrades4.jpg●更に議長は「機体価格面でF-15EXはF-35より少し安価な程度だが、維持運用経費面ではF-15EXはF-35の半分以下である。更に機体寿命面でF-15EXはF-35の2倍以上である」と背景を説明した
●一方で「米空軍の将来の主力戦闘機はF-35であり、彼らはそこから離れることはない」とも申し添えている

米空軍は今後の5か年計画で80機のF-15EXを購入し、最終的には144機を調達する計画を作成している
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F-15C-Arctic.jpgダンフォード議長の最後の言葉、「米空軍の将来の主力戦闘機はF-35であり、彼らはそこから離れることはない:The primary aircraft of the future for the Air Force is the F-35, and they’re not walking back off that program」は、多少米空軍を突き放した言葉のような気がします。

統合のトップなら「我々はそこから離れることはない」と言ってもおかしくないのに、あえて「彼らは・・・」との言葉を使ったあたりに「突き放し感」を感じます

関連の記事
「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「空自MSIP機も能力向上改修へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-01
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1

「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23

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米空軍が軽攻撃機2機種をお試し購入へ [米空軍]

数機づつ購入し、同盟国や海兵隊を交え試験とか
まだまだ本格導入決定には時間が

light attack.jpg13日、Goldfein米空軍参謀総長が上院予算小委員会で、2機種の軽攻撃機候補(A-29 Super Tucano とAT-6 Wolverines)を数機づつ購入すると証言し、海兵隊や同盟国と共にニーズや性能を見極めると説明しました

軽攻撃機の購入検討は対テロ作戦など対空脅威の厳しくない環境では、F-16やF-35など運用経費がかさみ機体の維持整備が大変な機体より、安価なプロペラ機が向いているのでは・・・との発想から生まれたもので、過去にも何回も取り挙げられているようです

米空軍は昨年初め、数機の候補機種のデモンストレーション飛行の場を設け、そこで当該2機種に絞って更に検討を行うとして今日に至っています。見た目はプロペラ機ですが、データリンクを供え、精密誘導兵器を運用し、グラスコックピットで・・・等々のハイテクプロペラ機が想定されています

空軍参謀総長は「通常5-10年必要な検討プロセスで、まだ2年目だ」と結論を急がない方針の様ですが、議会などからは「優柔不断だ」「F-35に拘りすぎ」等の批判が出ているところです

13日付Defense-News記事によれば
Goldfein1-4.jpg●同参謀総長は議会で、両機種用の小さな運用部隊を戦術開発部隊があるネバダ州ネリス空軍基地と、空軍特殊作戦コマンドが所在するフロリダ州Hurlburt Field空軍基地に置く計画だと説明した
●米空軍報道官は「各機種2-3機程度購入する方向だ」としているが、参謀総長は「具体的機数は未定で、価格による」と議会では証言している

●また同大将は「既に米海兵隊からは購入評価に加わりたいとの意向を聞いており、他にも(軽攻撃機を共に運用する可能性の高い)同盟国等にも参加を呼びかけ、米空軍のできる範囲でインターオペラビリティー進化のための試験を進めたいと考えている」とも述べた
●機体購入予算は過去年度の余剰予算を中心に考えられており、2018年度余剰から70億円、2019年度余剰から110億円、2020年度予算からは40億円程度を拠出したい意向で議会の理解も得られている模様

light-attack.jpg●同大将は購入機種決定や要求性能決定時期を、2022年から24年ごろに設定していると説明している
●しかし議会内部には優柔不断な空軍の姿勢に批判もあり、共和党のJerry Moran上院議員は「米空軍は既に300機の軽攻撃機導入の必要性をまとめた報告を作成しており、結論先延ばしは空軍が精神分裂症に陥っている証拠である」と批判している

●これに対し空軍参謀総長は「通常の機種選定や要求性能検討には5-10年が必要であり、判断な種々のデータ収集に必要な期間だ。空軍はまだ2年しか使っていない」と述べた
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もちろん新たな機種を加えることは、維持整備要員の確保や部品のサプライチェーン確保など大きな負担を担うことになるのですが、これだけ慎重に進めているのはトランプ政権の海外関与姿勢の将来が見えにくいからでしょう・・・

中東からも朝鮮半島からも・・・、軽攻撃機を導入しても、使い道が亡くなっては無駄ですから・・・

関連の記事
「米空軍2019年の選択4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-28
「アフガン軽攻撃機がPGM使用」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-2
「米空軍の軽攻撃機選定は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-03-1

「軽攻撃機の第一弾確認終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07
「米空軍が300機導入に賛成!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

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米空軍がKC-46給油機の受け入れ再開も・・・ [米空軍]

「(安全の)企業文化が戻るまで確認を続ける」
ボーイング製民航機B-737MAXに連続事故の中で・・

KC-46A1.jpg14日、米空軍のWill Roper調達担当次官補が製造検査中や米空軍が受領済のKC-46A空中給油機の複数の機内から、安全上の問題となる複数の部品等が発見され、機体受領を中断していた件で、ボーイング社の改善取り組みが確認できたので機体受領を再開すると明らかにしました

本件は、様々な開発中のトラブルで2年も機体納入が遅れていた同機の受け入れが1月に始まった直後のトラブルで、製造過程で使用された工具や部品、果てはゴミなどが続々と複数の機体から発見される不始末で、ボーイングへの信頼感は「地に落ちた」と考えられます

KC-10とKC-135の老朽化で、米空軍は早急にKC-46を戦力化する必要に迫られており、これ以上待てないとの妥協の受け入れ再開でしょうが、1月に受け入れ開始した段階でも、解消まで4-5年必要な「重大不具合」に目をつぶっての納入でしたから、部隊の怒りはいかほどかと・・・

14日付Military.com記事によれば
KC-46 Boom4.jpg●14日、Roper調達担当次官補は下院軍事小委員会で、「FOD(foreign object debris)は安全に直結する問題であり、ゴミや工具や部品が機内に残置されている事は受け入れられなかった」と受領中断の理由を証言した。
●併せて同次官補は、11日にワシントン州のボーイング社工場を訪問し、米空軍が要求した5項目の要改善事項の履行を確認したと述べた。そして約3週間の受け入れ中断後、11日に米空軍はKC-46Aの受けれを再開した

一方で同次官補は当面の間、継続してボーイング社の行動を注視していくと述べ、「進歩がみられなければ問題を再び議論しなければならない」と釘を刺した
●13日にワシントンDCで講演した同次官補は、「KC-46機で発生したFOD問題を強く懸念しているとし、それが製造工程の問題だからだ」と述べ、「問題は設計図でも製造技術でもなく、ボーイング社が定めている製造工程での約束事が守られていない点にあり現場作業員レベルにまで至る企業文化に関わる根深い問題だ」と厳しく指摘した

KC-46-4.jpg●Roper氏はボーイングが改善に向かっていると信じていると語る一方で、懸念は残っており、当面の間はボーイング社の対応状況を確認していくとも語っている
●そして「ボーイングの企業文化が改善されるまで、完全な機体が継続して提供されることを確認するまで、米空軍はモニターを継続する」 と述べ、ボーイング社の経営層も本件に積極的に関与していくことを約束してくれていると表現している
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このKC-46A空中給油機問題が表面化している最中に、同じボーイング製の旅客機B-737 Max型機の墜落事故がまた発生し、全世界で同機の運航停止措置が広がっています

KC-46 Boom3.jpgRoper調達担当次官補が、「現場作業員レベルにまで至る企業文化に関わる根深い問題だ」とまで公言して本件を語る背景には、彼が見てきた様々なボーイングの体質や現場の状況があるのでしょう・・・。

ボーイング社は欧州のエアバス社に市場競争で押され気味です。既にエアバス社が6:4で優位との見方が一般的で、ボーイングの焦りが「安全軽視」の効率重視になっていないか気になります

関連の記事
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3

「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

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米空軍研究所が無人ステルス機初飛行 [米空軍]

豪軍とボーイングの共同開発機に負けじと
1機2~3億円で調達可能とか

XQ-58A.jpg7日、米空軍研究所AFRLとKratos Unmanned Aerial Systems社が協力して開発しているデモ機「XQ-58A Valkyrie」が初飛行に成功し、映像が公開されました。初飛行で76分間の連続飛行を行ったようです

安価に作成して戦闘での損失を恐れなくてよい程度を前提に、約40億円の契約で2年半で開発された機体だそうで、技術デモ機として計5回の飛行試験を実施し、システム安定性、空力特性、離発着技術などを確認するそうです

ご覧のようなステルス形状のジェット推進で、長距離航続で早い方の亜音速飛行が可能な無人機で、MQ-9のような機体では活動が困難と考えられる「強固な防空網」空域での活動を期待されてます

この技術デモ機の応用範囲は広く、有人機が行っているほとんどの任務を代替できる可能性を持ち、またF-35編隊長の無人僚機(ウイングマン)「loyal wingman」としての役割をも視野に置いていると考えられます

公開された試験飛行映像


他の報道によれば、デモ機「XQ-58A Valkyrie」と並行して、人工知能AIによる機体操作ソフト開発「TACE:Testing of Autonomy in Complex Environments system」も進められ、小型ドローンでの試験が行われているようです

先日は豪軍とボーイングが共同開発する無人機のコンセプト映像をご紹介しましたが、米空軍もいろいろ考えている様です。

8日付Airforcetimes記事によれば
XQ-58A 3.jpg米空軍研究所のXQ-58A開発責任者であるDoug Szczublewski氏は、「戦術作戦機の価格高騰曲線を打破する取り組み」、「ゲームの流れを根本的に変える能力を提供しつつ、低価格で運用コストも低い無人機の初事例だ」と表現した
●空軍と共同開発しているKratos社の2016年リーフレットをによれば、XQ-58Aの価格は、100機未満なら1機3億円程度、100機以上は1機2億円程度となっている

●米空軍協会ミッチェル研究所のレポートは、「米空軍は有人と無人作戦機のチーム編成で、限定数の多様な能力を積み込んだ高価な航空機と、安価な無人機の組み合わせを追及すべきである」と主張している
●また同研究所は、「現在の無人機が運用に際し依存しているGPS機能が妨害により機能低下する事態に備え、真に自立した機能発揮が可能なシステムを開発し、強固に防御された空域での作戦に備えるべきだ」とも主張している
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XQ-58A 2.jpg約40億円の開発費と、2年半の期間で、既存技術を生かしてこれだけのものが実現でき、しかも価格が1機2~3億円なら90億円以上のF-35調達ペースを落としても、XQ-58Aの改良発展に投資した方が良いと思うのですが・・・。素人の知恵でしょうか?

突然、相次いで豪州と米国で、この種の無人ジェット機が公開された理由が良くわかりませんが、3月中旬の2020年度予算案発表に向けた「景気づけ」かもしれません

今後の動向に注目いたしましょう・・・

関連の記事
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

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女性初の米空軍戦闘飛行隊長は上官にレイプされていた [米空軍]

故マケイン上院議員の議席についた元A-10操縦者
空軍退役後18年、上院軍事委員会で明らかにする

Martha7 .jpg6日、元A-10パイロットで女性として初めて戦闘任務飛行を行い、更に女性初の戦闘航空機飛行隊長を務めた経験を持ち、現在は上院議員を務めるMartha McSally議員が、上院軍事委員会で現役時代に上官(a superior officer)にレイプされたと発言しました。

当日の上院軍事委員会は、米軍内の性的襲撃やハラスメント事案を調査し処罰等を検討する審議会メンバーから、問題発生部隊の指揮官を外すべきだとする規程改正を審議するために開催され、McSally上院議員は「反対」、つまり部隊指揮官は処罰にも関与して責任を果たすべきとの意見を述べる中で、自身の体験を明かしました

McSally議員については、昨年8月に亡くなったマケイン上院議員の議席の空席を埋める議員に指名されたことを昨年12月にご紹介し、女性軍人の道を切り開き、退役後も政界で活躍する様子を「東京の郊外より・・・」でも取り上げてきましたので、なんとも重苦しい気分です・・・

6日付Military.com記事によれば
McSally.jpg●同議員は「加害者はその立場と権力を悪用する。一つの事例として、私は上官の餌食となりレイプされた」と同委員会での同議員のオープニング発言で述べた
●そして、正式に同時案を報告することはなかったと述べたが、一方で、性的襲撃事案が軍内で問題となり始める中で、他者に自身が襲われたことを相談したこともあったが、だれも真剣に対応してくれなかったと語った

●「多くの私のような犠牲者と同様に、このような軍のシステムにより何度も繰り返しレイプされたように感じた」とも同議員は述べた

●2018年春の米国防省報告書によれば、2017年に5277名の米軍人が性的襲撃を受けたと訴え、その数は前年から10%増となっている
●McSally上院議員は、過去30年間に性的襲撃の訴えに対する米軍の対応は大きく改善し、その背景には勇気をもって訴えた被害者の声が大きな変化を生んだと感謝した

McSally2.jpg上院軍事委員会の審議事項に関し同議員は、「部隊長にはその部隊の高潔性や優秀さの背景を与える職務」があり、部隊長は意思決定や調査プロセスに関与すべきだと主張した
●また、「我々は、指揮官が指揮官であることの原点であるモラルに対する責任と指揮官が一体であることを認めなければならない」とも表現した

●同議員の発言を受け米空軍の女性報道官は、同上院議員に対する犯罪は「米空軍兵士としての全ての側面に違反する」、「同上院議員の経験に驚き、残念に思う。我々は同議員と全ての性的襲撃犠牲者と共にある」とコメントした
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米軍の中で女性の道を切り開いてきた人物で、政界に飛び込んでからも、議員スタッフから選挙に出馬し落選、臥薪嘗胆後に下院議員を2期務め、上院議員に挑戦して落選。しかしその人柄や働きぶりからマケイン議員の議席を任されることになった女傑です。

その経歴は以下の過去記事通りです
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-19

重苦しい話ですが、避けて通れないとも思い、取り上げました。米軍の、そして米空軍の闇深し・・・ということです

米空軍のA-10全廃案関連
「2名の女性議員が大反対」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
「米陸軍は全廃容認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-29
「視界不良:A-10議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-07
「F-35整備員問題は何処へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-18
「米空軍:A-10はあくまで全廃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-15

関連の記事
「女性兵士の装具改善に時間必要」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13
「今頃・・女性兵士にフィットした飛行服等に改良へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07
「女性初のF-35操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-08
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04

軍での女性を考える記事
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

女性と徴兵制
「前線にも:イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「究極の平等:ノルウェー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「社会福祉選択肢もオーストリア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

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5月末でWilson空軍長官が辞任 [米空軍]

テキサス大学の学長に就任へ
2017年5月に就任し、2年で退任へ

Wilson4.jpg8日、Heather Wilson空軍長官が5月末で辞任してテキサス大学学長に就任することをトランプ大統領に申し出、了承されたと発表しました

米空軍士官学校を1982年に女性第3期生として卒業し、1998年から2009年まで下院議員として活躍し、初の空軍士官学校卒の空軍長官として、また3人目の女性空軍長官として、2017年5月から任についていたところでした

Wilson空軍長官への評価は高く評判の良くないShanahan臨時国防長官に代わり、正式な次期国防長官の有力候補者として議会等から推す声が強かった人物です

wilson8.jpgまた米空軍内でもそのリーダーシップを評価する声が多く、Goldfein空軍参謀総長が「Wilson空軍長官を得たことは、米空軍にとって宝くじに当たったようなものだった」と表現するほどでした

一方でトランプ政権との関係は微妙で、昨年10月には、大統領が打ち出した「宇宙軍創設」に対しWilson空軍長官が消極的だとして、同長官「更迭」がホワイトハウス内で検討されているとのリーク記事がメディアを賑わす事もありました

マティス前国防長官も当初から2年勤務と決めていたようで(実際には1年9か月で更迭)、トランプ政権下で国防省の主要ポストについていることは、良識ある人にとってはとても耐えられないことなのでしょう・・・

8日付Military.com記事によれば
Wilson6.jpgロイターが8日最初にWilson空軍長官辞任を報じたが、その後同空軍長官はメディアに声明を発表し、「空軍兵士たちと共に過去2年間勤務できたことは光栄なことで、国防力の回復に携われたことを誇りに思う」と述べた
●更に「米空軍の即応体制を向上させ、調達スケジュールの期間を削減し、競争原理により装備品価格の低減に努め、過剰な規則の削減にも成果を上げた」とした

●8日にテキサスの地元紙webサイトは、テキサス大学の評議会が満場一致でHeather Wilson女史の学長就任を承認したと報じている
空軍長官就任直前には、Wilson長官は「South Dakota School of Mines and Technology」の学長を務めており、大学運営の経験を持っている

Wilson2.jpg●Wilson長官は上記の声明で述べられている取り組み以外に、女性やマイノリティーの米軍内での地位向上に努力し、「歴史的には米軍内で活躍が目立たなかったこれらの人たちのために、生きたモデルとなる人材、将来の可能性を感じられる人材の存在が重要だ」と、機会をとらえて語っていた
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マティス長官が去り、その後任の有力候補と期待された人物も去り・・・。米国防省はどんな人材が支えていくのでしょうか???

米軍の前線をさせる兵士や現場指揮官の苦労を考えると、胸が痛みます

Wilson空軍長官関連の記事
「F-15Xは空軍案には入っていなかった」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「S臨時国防長官の後任か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-23
「Wilson長官のご経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
「北極圏に関する寄稿」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-13
「戦力大増強と原点回帰訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19-1

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