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米空軍3回目のハッカーによる脆弱性探査 [米空軍]

Hack the Air Force.jpg2016年4月に当時のカーター国防長官の肝いりで始まったホワイトハッカーを活用したITシステムの脆弱性探しイベントですが、これが各軍種にも広がり、7日から始まった米空軍による3回目の「Hack the Air Force 3.0」は、191か国から参加者を募るこれまで最大の規模になるようです

これまでのイベントを振り返ると
●国防省の「Hack the Pentagon」
---2016年4月 約1か月間 250名が参加し130のバグ発見(費用1700万円)
---2017年2月 約1か月間 精鋭80名が参加 3年契約で4.3億円
初めは公開ネットワークが対象だったが、少しづつ国防省内ネットワークにも対象拡大

●米空軍の「Hack the Air Force」
---2017年8月 米英加豪NZのみから募集
---2017年12月 米英加豪NZに加え、NATO諸国とスウェーデン
---2018年11月 191か国に募集拡大 

7日付米空軍協会web記事によれば
Hack the Air Force2.jpg●7日に始まった「Hack the Air Force 3.0」は11日まで実施され、191か国から参加者を募る国防省史上で最大規模の取り組みとなる
●今回のハッキングの対象となるのは、国防省から米空軍に提供されたソフト(vulnerabilities with Defense Department applications that have been recently migrated to a USAF-owned cloud)で、発見された「バグ」の重大性に応じて報奨金がハッカーに支払われる

昨年行われた同イベントでは、合計約1100万円の報奨金が支払われ、報奨金1件当たりの最高額は約140万円であった。この額は国防省内で行われたすべての同種イベントの中で最高額である
米空軍のCIOで同イベントを監督するWanda Jones-Heath女史は、「このイベントは、米空軍ネットワークに内在する重大な脆弱性を改善しようとする意志を示すものである」と表現している

米空軍は、国防省レベルの「Hack the Pentagon」を運営する「HackerOne」との企業と連携している
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Hack the Air Force3.jpg参加者の募集や選定、ホワイトハッカーによる悪意あるハッキングの防止、ハッキング対象システムの選定など、イベントの運営には技術的にややこしいコツやノウハウが必要な気がしますが、もう一つ重要なのは、発見された脆弱性を直ちに修復することだそうです

そのために米空軍は特別修復チームを待機させ、イベント終了までにすべての脆弱性への対処を終了していることをめざしとの事。サイバーの世界はスピード勝負らしいです

日本でもなんとかならないでしょうか・・・これ。

民間ハッカーにチェックを依頼
「第2回米空軍をハッカーがチェック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「発展版Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-16
「第1弾Hack the ・・成果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「米サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02
「サイバー軍司令官が課題を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-04
「サイバー人材の苦悩:米海兵隊」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31

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輸送コマンドの優先事項に核戦力空輸が [米空軍]

空輸任務部隊の2番目の優先事項とは

Miller2.jpg5日頃、就任して間もない米空軍輸送コマンドの女性司令官Maryanne Miller大将が、空輸給油機協会のシンポジウムで講演し、司令官として重視する6つの優先事項(six priorities)を示しました。

即応態勢維持や中露との戦いを想定した「contested environments」への対応など、司令官として当然と考えられる事項が並ぶ中、まんぐーすが注目したのが「Sustaining an effective nuclear response」 とのタイトルの項目で、更にこの項目が6つの中の2番目に位置づけられたことにも驚かされました。

C-17 US-Au.jpgこれまで、長々とダラダラと「東京の郊外より・・・」を続け、米空軍輸送コマンドについても何度も取り上げ、核戦力維持や運用部隊の問題についても触れてきたつもりですが、空輸部隊と核戦力の関係について考えたこともありませんでした

核兵器だってモノですから、爆撃機やミサイルに搭載され移動するだけでなく、空輸部隊が運搬することも当然あるはずですが、核を持たざる国で生まれ育ち、核戦力を保有して運用やその維持を考えた事もない人間の哀しさで、まんぐーすはそんな当然のことも考えたこともありませんでした

Maryanne Miller司令官は当然のことながら、「Sustaining an effective nuclear response」を詳しく説明したわけではなく、持たざる国の傍観者にはその中身を知る由もないのですが、とりあえず6つの優先事項をご紹介し、想像をたくましくしていただきましょう

7日付米空軍協会web記事によれば
Miller1.jpg●5日、米空軍輸送コマンドは、Maryanne Miller司令官が空輸給油機協会のシンポジウムで講演して明らかにした、司令官として重視する6つの優先事項(six priorities)を整理して公表した
●「米空軍と戦闘コマンドのパワープロジェクションを支援し、輸送力を担う組織をRapid Global Mobility能力の進展にむけ刷新する」との指針の元、以下の6つを優先事項として掲げている

●1. Readiness
---大国間の競争時代に入った今、この争いで競い、抑止し、勝利することに備えるため、組織活動全般の即応体制維持を第一優先とする。
●2. "Sustaining an effective nuclear response"
---想定される対峙国を抑止し、同盟国等に抑止力を確信させるためには、米空軍輸送コマンドの「aerial refueling and nuclear airlift」任務を着実に遂行し、有効な核対応力を維持する必要がある。

C-130J.jpg●3. Mobility operations in contested environments
---将来の戦いにおける基準となるのが「厳しい環境下における輸送任務遂行」である。輸送コマンドの生存性向上が不可欠。宇宙やサイバー空間をはじめとする競争激化により、特に指揮統制の近代化が急務である
●4. Force development
---所属する兵士が最大の資源であり、その才能を最大化して組織力に生かす手法を編み出さねばならない

●5. "Modernization and recapitalization efforts"
---統合戦力の破壊力と優越を維持するため、能力のアップグレードを適時進める。KC-46空中給油機導入が好例で、老朽化が進む給油機部隊をよみがえらせる
●6. Innovation
---バージングループ創設者のRichard Branson氏を迎え、イノベーショのアイディアを競う「Phoenix Spark Tank competition」 を行い、コマンド内の革新的提案活動を活性化させたい。最終選考に残った提案については必ず実行に移すことを約束する
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なぜ、2番目と5番目だけに「” ”」が付いているのかは不明です

ドゴール.jpg核兵器が米ソ間で開発保有され始めた時代、当時フランス大統領であったドゴールが言いました。「核兵器の時代を迎えた今、もしこれを保有しなければ、我々は軍事に関し無知になる」と喝破し、核武装の道へ迷いなく進み始めました。

日本は核兵器を保有しない道を選択しているのですから、「軍事の無知」にならないようにしっかり核兵器を勉強しなければならないのですが、それが容易ではない単純な事実を改めて思い知らされたということをご報告させて頂きます。

9月4日に就任されたばかりのMiller司令官のご経歴などについては、関連記事の一番上の記事をご覧ください

米軍輸送関連の記事
「輸送コマンドに女性司令官誕生」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-12 
「宇宙に物資の事前集積案」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-05
「禁じ手:幕僚無し操縦者募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「民間輸送力依存に危機感」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-03
「給油機後継プラン見直し」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

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米空軍がパイロット養成3割増に向けて [米空軍]

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T-38 two.jpg20日付Military.comは、約全体の2割・2000名のパイロットが不足しており、引き続き退職者が後を絶たない米空軍の操縦者問題に関し空軍長官が10日、2022年までに年間パイロット養成数を約3割増の1500名にすると議会証言したことをフォローし、その方策についての取り組みの一端を報じています

現在の年間パイロット養成数は1160名で、これを来年は1311名まで拡大し、更に2020年までに1500名にするという計画ですが、これをパイロット養成カリキュラムの見直しの側面から支える部分の紹介です。この数は正規兵、州軍、予備役、そして外国人委託教育数を含むものです。

USAF pilot.jpg米空軍のパイロット養成には複数のコースがあり、普通の養成コースのほか、「大学生向けコース?:Undergraduate Pilot Training」とのよくわからない課程、また教官向けコースも見直しの対象になっているようです。

個々のコースの改善の内容がごちゃ混ぜになって関係者の発言が紹介されており、整理してご紹介が難しいので、取り組まれている内容メニュー全体をごちゃ混ぜでご紹介します

20日付Military.com記事によれば
民間パイロット養成や上級操縦者育成コースの教訓も踏まえて、初級コースの見直しの検討に生かしている
10名前後の一つのコースの学生を、これまでは一律に管理し、全員がそれぞれの段階を通過するまで次のステップに進まなかったが、先にクリアした学生を先に進ませることを許容する方式も試し、学生には好評である

T-X  Boeing2.jpgシミュレーターの訓練時間が、これまでは4か月ほどの分散されて配置されていたが、実際の練習機に登場する前段階の時期に集中して実施させることも試行している
シミュレーターのタイプも多様化し、ウェアラブルなゴーグルとスマホを組み合わせたような持ち帰り可能なタイプも学生に支給し、勤務時間外の自主学習にも活用できる体制も試みている

教官養成コースには360度視野のシミュレーターを試行導入し、様々な状況を想定して学生の対応を模擬し、学生への適切な指導要領を習得する効率アップを試みている
高度なシミュレーター導入のよい点は、機体に発生した故障など緊急事態への対処能力や基礎知識を、教官や学生を危険な状況に置くことなく試し教育することができる点である

これらの手法で54週間あった「Undergraduate Pilot Training」を、49週間に短縮できればと見積もっている。
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airman.jpgいずれにしても、これまた伝統手法が幅を利かせ、なかなか変化がない操縦者育成法を、期間短縮による養成数アップという上からの命令との外圧を利用して変えようとの試みです

航空機の操縦ですから、地上への影響も併せ、人の命に直結する問題で、変化の決断は容易ではないでしょうが、是非トライしていただきたいものです。

そして優れたシミュレーターなら、ぜひ日本にも紹介していただきたいものです。安価にね!

操縦者不足への対応
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「ついに幕僚勤務無しP募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28

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KC-46Aの初号機納入が更に遅れ [米空軍]

空軍長官「私は怒っていない」←嘘でしょう! 

wilson7.jpg17日、Wilson空軍長官はBloomberg Newsのインタビューに答え、遅れに遅れた末に、今年6月にボーイング社が、10月末までにKC-46A空中給油機の初号機を納入すると約束したにもかかわらず、その期限までに初号機は納入されないと語りました

9月末にも続いていた最終試験の中で最も重大なレベルの「category-1」不具合が2つも追加で見つかり、積み残しも併せて計5個の重大不具合が残る状態だと報じられていましたが、17日の米空軍とボーイングの協議で、10月27日の納入期限は守れないと結論付けられたようです

KC-46-2.jpg米空軍最重要プロジェクトの一つである次期空中給油機計画は、当初計画では2017年8月に初期の18機の納入が完了しているはずでしたが、様々なトラブル対処で遅延が相次ぎ、お先真っ暗状態だったのですが、今年6月に突然10月初号機納入発表があり、18機を2019年4月までに納入するとも発表して今日に至っていました。
なお米空軍は計179機の導入を前提としていましたが、ここにきて更なる機数上積みを検討しています

6月にボーイングが10月納入と発表した際も、空軍側が「KC-46Aの飛行試験は終了に近づいているが、重大な仕事がまだ残っている」と不信感たっぷりのコメントを出していましたが、その懸念が表面化したようです。

改めて重大不具合の5件は
KC-46 Boom3.jpg給油操作員がブーム操作等を確認する映像装置。従来の給油機が窓越しに実物を見てブーム等を操作していたが、KC-46ではカメラとモニターで状況を確認するシステムを初めて導入している。しかし、ある条件下では照明の受け側航空機がよく見えない等の不具合があり、ソフト改良対策を実施中
●映像装置の不具合で受けて航空機にひっかき傷を生じさせる事象が頻発している。上記映像装置の改良で対応予定
ドローグの機械的ロックシステムの不具合。給油中に外れることがある。これに対してもボーイングはソフト対策で対応予定

最近見つかった追加の2件
● 「No Indication of Inadvertent Boom Loads」で、給油のため相手とつながっている際に、給油装置操作員が意図せず操作を誤って給油ブームに負荷をかけ、相手機を押さえつけることになっても、操作員にその行為を警告することが出来ない問題
●もう一つは、受け側機が給油機に接近する段階で、給油ブームがあまりにも固着している(too stiff)だという問題

18日付Bloomberg News記事等によれば
Muilenburg.jpg10月に入ってボーイングCEOであるDennis Muilenburg氏は、10月末期限にもかかわらず、「今年末までには納入できるだろう」との表現を使い始めていた
●また17日にボーイング社報道官も、「米空軍と日々協議してる」、「年末までには」「第4四半期の間には納入する」と語った

空軍長官はインタビューで、納期の遅れの理由は米連邦航空局FAAからの「KC-46’s supplemental type certificate」が遅れているからだと説明し、残っている不具合との関係については言及しなかった
●一方でボーイング社は、予定より数か月遅れた9月にFAA認可を受け、米空軍からの軍用認可を待っている状態だと言われてきたことから、空軍長官の発言との関係に関心が集まっている

Wilson2.jpg空軍長官は「私は怒っていない。我々には正すべき不具合が残されており、ボーイングと共に取り組んでいる」とのみ語っている
●従来から明らかになっていた3つの不具合については、ソフト改修等の対策方向で進んでいるが、最近見つかった2つについては、対応方向が明らかになっていない状態である
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予想されていたこととはいえ、米空軍とボーイングの間の会議はさぞかし険悪な雰囲気が漂っているのでしょう・・・

Muilenburg2.jpg引き続き、この遅れと、それによって生じるボーイング社への追加経費負担(既に4000億円程度とか)のつけが、日本に納入される機体価格に上積みされないことを祈るばかりです

米空軍の空中給油機ゴタゴタ
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

「ブームで相手にひっかき傷」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-02-1
「空中給油機の後継プランを見直しへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「KC-46ブーム強度解決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-15

「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

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米空軍が妨害に強い衛星通信「波形」探求 [米空軍]

何となく好調なようですが・・・

artificial intel.jpg5日付C4ISRnet.comは、米空軍が指揮統制をはじめ作戦運用の生命線とする衛星通信に使用する電波に関し敵からの妨害に強い「waveform:波形」を軍需産業や研究機関と協力して開発し、成果が出ていると報じています

この妨害に強い波形は「PTW:protected tactical waveform」と呼ばれ、米空軍の宇宙ミサイルシステムセンター(SMC)が研究開発を取りまとめているようです

衛星通信は、ISR情報の伝送や無人機の操縦、巡航ミサイルや超超音速兵器への目標情報のアップデート、分散して避難した航空戦力への指揮統制、ミサイル防衛関連の各種情報伝達、長距離移動航空アセットへの指揮統制などなど、空軍にとってだけでも死活的な通信系ですが、米空軍が衛星通信能力を統合運用のために提供しているという点でも責任重大です

事柄の性格上、具体的な話はありませんが、重要な分野なのでご紹介しておきます

5日付C4ISRnet.com記事によれば
satellite.jpg潜在的な敵対国が、米軍事力にとっての衛星通信の重要性を認識し、衛星通信リンク妨害に精力を注いで能力を向上させている。そこで米空軍はPTWを追及して世界中に展開する兵士たちに安全で信頼性の高い通信能力提供に取り組んでいる
軍需産業界に期待するところが大きく、Space Enterprise Consortium (SpEC)と言われる企業団体が国家予算で宇宙関連のプロトタイププロジェクトに挑む体制を作り、これまでに約30億円で16個のプロジェクトが成立している

●このプロジェクトを政府の文書は、「費用対効果が高い保護された衛星通信を、官民両方に、抗たん性が高く、周波数帯域を有効に活用して提供することを狙いとする」と表現している
昨年実施されたB-707を使用してハンスコム空軍基地を中心に行われた2.5時間の飛行試験では、MITやマイター社も加わって、プロジェクトの成果が間もなく実用可能な段階になることを感じさせた

GPS III 2.jpg●飛行試験では、B-707と商用衛星の通信をPTWを用いて行い、その能力が妨害を受けても前線兵士を驚くほど助けるだけでなく、通信自体が探知されにくい特性を備えていることも確認できた。航空機のような移動速度が大きいアセットとの通信が確認できたことが大きい
●この民間企業を巻き込んだ研究の枠組みが今後も機能するかに関し、米空軍関係者は、機能するかではなく、いつどのような成果を生むかに関心があると自信を示した
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具体性のない記事でしたが、PTW開発に、米空軍のSMCの依頼を受けた、Advanced Technology Internationalにマネジメントされた企業連合Space Enterprise Consortium (SpEC)が成果を生みつつある・・・とざっくりご理解いただければ・・・と思います(ほんまかいな?)

space-based 2.jpgまぁしかし、電子戦分野では特にロシアに対し後れを取っているのでは・・・と危惧されている米国が、最先端技術を結集して要素技術で優位を確保しつつある様子は頼もしい限りです

それを運用する米軍人の意識改革は、まだまだこれからも必要なのかもしれませんが・・・。我が国はもちろんですが・・・

被害状況下への備えを訴える
「海兵隊司令官:被害に備えよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-16
「米海軍将軍:妨害対処を徹底する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-21
「空軍OBも被害対処を重視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-1
「被害状況下で訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-23

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謎です・・米空軍5世代機の移動速度アップ [米空軍]

そんなの理論値が計算できたはずでしょ!
ステルスコーティングへの影響配慮だったのか?

F-22Hawaii2.jpg3日、米空軍Operational Energy (SAF/IEN)が米空軍5世代機(F-22とF-35)が長距離移動する際の飛行速度を、実験結果を基に従来よりもアップすると発表し、これによって移動時間を短縮できるとともに、燃料消費量も削減できると宣伝しています

検証実験では、アラスカからハワイまでの長距離移動を6機のF-22で行い、2機の空中給油機KC-10の支援を受けて約5時間の飛行を行い、従来基準より高速で飛行したグループが、飛行時間で10%、燃料消費量で6%削減できたそうです

具体的な飛行速度については、当然ながら発表は触れていませんが、「closer to their maximum-range airspeed」な速度だと説明し、かつ、衝撃波を発生させない速度だと補足説明しています。

また、この発表を伝える米空軍協会web記事は、2017年1月に海兵隊のF-35Bが米本土から岩国に展開した際、250回も空中給油しなければならなかったとの事例も上げ、今回の移動基準速度アップの背景を解説しています

この発表なんか変です! そう思いませんか?
F-22 refuel.jpg航空機の飛行速度毎の燃料消費量は、基本中の基本データとして開発や試験段階から検証され、航空機の性能を示す数値として基本マニュアル等に掲載されます
●そのデータは、様々な飛行高度や大気温度の変化の下で確認されて使用者に提供され、長距離移動の場合はそのデータを基に、相当精密に燃料消費量や飛行時間が予測できるはずです

●もちろん、計画段階で想定していた気象条件と、実際に飛行した際の条件にはずれがあり、完全に飛行計画通りにフライトすることは難しいでしょうがどの飛行速度にすれば燃料効率が良いかは予想可能だと思います。速度が決まれば飛行時間は計算できるので、アラスカーハワイ間の試験の意味が不明です
●空中給油機の飛行性能に配慮して5世代機の飛行速度を抑えていたのかもしれませんが、空中給油機だって戦闘機同様に燃料消費率を計算するぐらいのデータはそろっているはずです

●それと変なのは、6機のF-22と2機のKC-10だけで試験をし、F-35について同様の試験をしないで移動標準速度アップを発表した点にも疑問が残ります
●更に、この発表を空軍司令部内の「Operational Energy (SAF/IEN)」との、作戦運用と関係なさそうな部署が管轄していることも「?」を呼びます

F-35 luke AFB.jpgここからはまんぐーすの邪推ですが・・・・、これまではステルス機の表面の特殊なステルスコーティングへの影響や耐久性の観点から、長距離移動の速度を制限していたが、5世代機データの蓄積の結果問題ないことが証明されたので(又は許容範囲内の影響だと判明したので)、今になって移動速度アップを許可した・・・てな感じではないでしょうか
●又は、海兵隊F-35Bの岩国移動のように、あまりにも空中給油等が煩雑になるので、機体への影響には目をつぶって、移送速度アップを許容する判断をした・・・ではないでしょうか???

●大体、こんなことを米空軍が発表する必要があるのか??? と思います。環境への配慮とか言われると笑っちゃいますが・・・
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以上はあくまで、まんぐーすの邪推です。気になる方は航空自衛隊のF-35関係者にでもご確認ください・・・

パイロットの方やご存知の方のご意見を歓迎いたします

F-22関連の記事
「GAOがF-22活用法を批判」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-2
「F-22アフガンで初出撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25-1
「F-22初飛行20周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-12
「5世代機関リンクの課題に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-24
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02

「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「議会がF-22再生産見積を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-20
「フィリピンにF-22を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16
「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1

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無人機操縦者の状況改善か? [米空軍]

部隊の半数が若手というアンバランス・・・

MQ-9 4.jpg9月28日付米空軍協会web記事が、約2年前から進められている米空軍無人機操縦者の勤務体制改善計画(CPIP:The Culture and Process Improvement Plan)の成果について、断片的ながら無人機部隊関係者の発言から紹介しています

ただ記事を読んでいくと、通常の航空機運用部隊とは全く異なる作戦運用形態や訓練や人の配置に驚かされることが多く、部隊の改善を実感するというより、やっぱり「異質」な部隊なんだとの思いが強くなります

そこで勤務する人たちの「顔つき」や「部隊の雰囲気」がちょっと想像しにくく、もしかしたら、引きこもりでゲーム漬けの若者の様な兵士が多数存在するような部隊なんではないか・・・などとちょっと失礼な想像もしてしまいます。ちょっと想像しすぎだと思いますが・・・

9月28日付米空軍協会web記事によれば
MQ-9 3.jpg2015年中旬に行われた12の基地で勤務する約3300名を対象とした調査結果に基き、無人機部隊で勤務する兵士たちの士気を改善高揚し、その部隊規模を維持可能な体制で拡大しようとするCPIP計画が作成され実行されてきた
●依然として、増え続ける無人機への任務要求対応することに忙殺され、技量向上訓練や本格紛争への備えが十分行えない状態が改善されたとは言えないが、無人機部隊は少しづつ改善に向かっている

人員不足に関して言えば、CPIP開始後、無人機の操縦者はほぼ充足率100%になってきたが、下士官が配置されるセンサー等操作員のポストは充足率80%程度にとどまっており、これら下士官の継続勤務率を上昇させることが課題となっている
●兵士の継続勤務率向上に関しては、その家族から、兵士の長期海外派遣が多いことや辺鄙な勤務場所が多いことへの不満が示されており、これらへの施策が求められてる

訓練確保に関しては、無人機部隊指揮官は「(中国やロシアなどとの)本格的紛争に際して直面するような脅威下での訓練を充実することで、即応態勢を向上させたい」と語っており、2019年末までにCPIPに沿って初期の成果が出るように取り組んでいる模様である
MQ-4C4.jpg●新たな訓練時間確保手段として部隊指揮官が挙げたのは、MQ-9であれば20時間程度連続飛行する中で、攻撃や偵察を行う地点までの移動時間を訓練に活用する方法の導入である。従来は訓練飛行を別設定し、米本土上空で行っていた訓練を実戦用無人機を使って行うのである。実任務である攻撃や偵察作戦行動に入ったら有資格者が操作を行うが、それ以前や任務終了後の長時間の飛行を訓練に活用する方法である。

●無人機操作員の管理についても、世界中で無人機が活動している中、各地域独自の運用規則や交戦規程等が存在することから、運用者一人が2つの地域の専門資格を持つ管理を行い、ますます複雑化する現場の要請に的確に答えつつ、兵士の能力管理と将来管理に生かしている
1日基準8時間の勤務内では、一つの地域でのみ無人機運用を担当し、複数の地域を1日の中で担当しないことを定めてミスや過度の負担を避けることにしている

無人機部隊は若手士官と下士官で満たされており、約半数が若手兵士で、他の航空機部隊とは全く異なる。少尉が(米本土から)攻撃任務日常的にこなし、中尉になると頻繁に海外派遣を担うことになる。「少尉が日常的に攻撃任務を遂行する点で他部隊とは大きく異なっている」と無人機部隊指揮官は述べている
MQ-X2.jpg若手兵士が日常的に任務経験を積むことは他にはない利点ととらえることができ、地上部隊支援や偵察任務には習熟できるが、対空脅威が大きい環境での経験が詰めないことが大きな課題で、そのために訓練時間確保が重要と指揮官は考えている

●無人機部隊指揮官は、「本格的紛争でも我々は間違いなく作戦を行う。それが作戦初動か、作戦発動直前か、3日後かはわからないが・・・」と表現した
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士官も下士官も若手が半数を占めるアンバランスな部隊とは・・・ちょっと想像できませんが、大丈夫なんでしょうか?

5年後、10年後、部隊がどうなっていくのか、これら若手の今後の人事管理をどう考えているんでしょうか? いつまでも長時間の無人機操作を行わせるわけにはいかず、かといって突然大量のスタッフ業務が発生するわけでもなく・・・

是非米空軍幹部に伺ってみたいものです・・・

米空軍は無人機操縦者に苦しみ中
「無人機要員の削減を検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

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米空軍がマルチD指揮統制演習を11月に [米空軍]

とても問題意識の高い演習でコンセプト追求!

Saltzman.jpg19日、米空軍が11月5日の週に計画するマルチドメイン指揮統制指揮所演習の担当である准将が講演し、初めの同種演習となる「Doolittle Series」演習について、米空軍協会総会で説明しました。

本演習に関するGoldfein空軍参謀総長のコメントも引用しながらの解説で、宇宙やサイバードメインを強く意識した演習であることが伺えますが、具体的な戦い方や必要技術を検証するのではなく、戦いのコンセプト確立を目的とする大きな視点の演習だそうです

この講演を取り上げたDefense-Newsの記者が、どれだけ関係者の発言を理解しているのか・・・と問いたくなる理解困難な記事ですが、空軍参謀総長が重視しする分野での初めての演習ですから、とりあえずご紹介しておきます

20日付Defense-News記事によれば
AOC3.jpg●演習を担当するChance Saltzman准将は演習の狙いを、将来の指揮統制体制が宇宙やサイバードメインへの拡張を図らねばならないと予期される中、その状況を把握するためだと説明した
●そして、その複雑な様相の中で意思決定や選択をすることは大変トリッキーな任務であること想像され、議員や軍需産業界の皆さんにお伝えするのが難しい状況だと想定している、と同准将は語った

●同准将は、昨年1年間かけて実施した「マルチドメイン指揮統制レビュー」もとに作成した「実施計画」が空軍参謀総長により最近承認されたと紹介し、同計画が3つの柱、「作戦コンセプトの確立」、「先進技術の獲得」、そして「教育訓練」で構成されていると説明した
●「Doolittle Series」演習では、複数のチームが与えられたシナリオ対応にあたり、新旧の指揮統制要領とその組み合わせで取り組みことになっており、その様子から新たな指揮統制コンセプトを探ることになるようだ

Saltzman2.jpg●演習内で想定される問いかけは、「中国が米空軍の衛星に攻撃を仕掛けた際、誰が防御を担当するか?」、「任務遂行に極めて重要な衛星の防御をだれが担当するか?」との単純な問いかけだが、現時点で答えはない
ミサイル防衛や経空脅威に対応する司令官は存在するが、宇宙への意識が薄くても何とかなっている現在では、宇宙の防御を同司令官はほとんど意識してはいないだろう

●将来誕生する宇宙軍司令官と、現在の戦略コマンド司令官役割分担はどうなるか? 協力関係はどうなるか? 地域コマンド司令官との関係はどうする? 相互に支援するのか?・・・等々の問いも残っている
ロッキードやレイセオン社が最近指揮統制関連で、航空作戦センターの将来を意識したC2デモ実験に取り組みんでいることを承知し、力強く感じているが、米空軍は現時点で、製品よりもプロセスを重視している。つまり、よりクリエイティブなアプローチを犠牲にしてるのではないかと懸念している

●同准将は、「具体的にどのセンサーとアセットを結びつけるといったことや、2040年代にどうするとかよりも、思考のプロセスの中で柔軟で機敏でコンセプト変更しながら進む構造を構築することを考えなければならない」と表現した
●また「要求値がないと言うのではない。ユーザーと提供者の間でのやり取りで洗練させていくプロセスの重要性を強調したいのだ」とも述べた

AOC4.jpg●更に「単一の指揮統制装置に解決を求めようとしているのではない。映像分析にAIを導入してマシン学習を活用するとか、データマネジメントとか、移動型の実験室(データリンクやインタフェース付き)とか、状況認識のためのツールとか、意思決定サポートとか。様々な必要技術ついて産業界にアプローチする」とも表現した
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申し訳ありません・・・・
自分で読み返しても「?」が頭の中を飛び交っているのですが、そういう記事なんです。 相当な危機感がある事だけは確かです。

軍需産業界にも要素技術あるかもしれないが、単純に企業の提案を受け入れているようではだめで、シリーズ演習である「Doolittle Series」演習などを重ねて、柔軟にコンセプトを見直しながら詰めていく必要があるとのご意見かと思いました

執筆記者が空軍参謀総長にインタビューした映像4分が記事に添付されていますので、それも併せてご参考に・・・

米空軍のMドメイン指揮統制検討
「指揮統制改革に向けて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09
「3つの取り組み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-18
「宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「空軍に新コンセプト期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
「米空軍の重視事項3つ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13

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T-38後継T-Xにボーイング製を選定 [米空軍]

T-X  Boeing2.jpg9月27日、ボーイング社は昨年12月に提案要求書RFPが示され本格化していた米空軍次期練習機の機種選定で、米空軍がボーイングとSaab共同チーム案を採用を決定したと発表しました

米空軍が50年以上使用している420機のT-38後継として、少なくとも351機とシミュレーター46台、最大で475機と120台を導入する大きなプロジェクトですが、米空軍が2.2兆円を予期していたところ、ボーイングチームは1兆円も安い額($9.2 billion)で落札したようです

T-X  Boeing3.jpgこの機種選定には、RFP発出直後に撤退を決めた「Northrop Grumman/ BAE」チームや「Raytheon, Leonardo and CAE」チームのほか、最後まで戦った「ボーイングとSaab」チーム、「Lockheed Martinと韓国KAI」チームのT-50練習機改良型、そして詳細は不明だが「Sierra NevadaとトルコのTAI」チームが参戦したいましたが、ボーイングチームのみがベース機の無い新型機を提案していました

最後の3チームの中では、ボーイング案が最も有利とみられていましたが、最近ボーイングは、初の艦載無人給油機MQ-25Aや米空軍ICBMサイト警備監視ヘリUH-1後継機も落札しており、低価格で他社を蹴散らすその猛烈な営業姿勢が注目されています。

特にUH-1N後継機では、米空軍が約4500億円を予期していたところ、約2500億円で落札したと発表されており、米空軍は競争入札の効果だと自画自賛しているところです

27日付Defense-News記事によれば
●米空軍の提案要求書によれば、ボーイング社らは、2023年に最初のシミュレーターを納入し、2024年末までに初期運用体制を確立することを求められている
T-X compe.jpg●ボーイングチームは、当該機体のベースとなる機体はないが、最新の信頼できる技術やF-16で運用実績がある脚を使用することで開発リスクは十分低減できると自信を持っている

●また、訓練生が搭乗する前席の様子を後席の教官が目で確認できる構造のコックピットになることや、維持整備費が削減できることをアピールしている
●ボーイングは、F-15やFA-18を製造しているセントルイスの工場でT-Xを製造する予定だが、仮にT-X契約を獲得できなければ、同社は小型機ビジネスから撤退し、同工場も閉鎖する方向だった

●27日、米空軍のWill Roper調達担当次官等は、あくまでも約1兆円の総経費は全てのオプションを米空軍が行使した場合だと説明し、当初2つの生産ロットは経費インセンティブ付きの契約となるが、それ以降のロットは基本的に固定経費契約にする計画だと説明した
●また、同次官らは、敗れた企業が選定結果に不服を申し立てることがないよう、選定作業開始時から意思疎通を図ってきたと力説した
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TX-Boeing.jpg依然もご紹介したように、T-Xは米空軍が取り組む調達改革の試金石とも言える調達事業です。

米空軍が掲げる「早い段階からの企業との情報共有」、「コストと性能のトレードオフを精査」等々の指針に沿い、通常より1年近く余裕をもって2015年3月に要求性能案が公開され、企業とじっくり検討した後に提案要求書(RFP)が決定、昨年12月30日に発出されたところです。

とりあえず、GAOに対する選定に対する不服申し立てがないことを祈念いたします・・・

ボーイングチームは、F-35導入国を中心とした諸外国にも高等練習機としてT-Xを売り込みたい(売り込める)と考えており、強気の価格で応札したと考えられています。

現在ボーイングは米空軍の次期空中給油機KC-46A(固定価格契約)で、3300億円以上の自社持ち出し状態にあるのですが、その強気の背景が単に企業規模なのか、どこかで挽回するのか気になるになるところです・・・

T-X関連の記事
「T-X選定から候補が続々脱落」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-02
「T-X提案要求書発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-01
「ボーイングがT-X候補発表」→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-16
「T-X要求性能の概要発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-23-1
「シミュレーターが重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-21

タグ:Boeing t-x T-38
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アマゾンCEOが米空軍首脳を諭す! [米空軍]

失敗のコストが高ければ慎重に、それ以外は迅速に!?
要求値とコストのトレードオフを考えよ

Bezos4.jpg19日、米空軍協会総会で講演した世界一の富豪でアマゾンCEO、そして同時にロケットエンジンベンチャー「Blue Origin」創業者のJeff Bezos氏が米空軍首脳や関連専門家等に対し、今話題の「宇宙」に関する取り組みや、迅速な意思決定の重要性について語りました

会場の聴衆は、ロケット企業ULAがBlue Originのエンジンを採用するのか? Blue Origin(またはアマゾン)の2つ目の本社機能拠点をどこに置くか?・・・に注目していたようですが、その点には触れずに「米空軍にアドバイス」 との姿勢で講演しています

もちろん衛星打ち上げ用ロケットエンジン企業の創業者ではありますが、直接の軍需産業ではないJeff Bezos氏が主要な米空軍関係者への講演を依頼されたのは、鈍重な官僚組織の典型である米軍が、急速に変化する環境に十分対応できていない危機感から、現代の起業家代表であるBezos氏に刺激を求めた・・・ということでしょう・・・

19日付Defense-News記事によればBezos氏は
Bezos.jpg●皆さんは米国による宇宙支配(dominance)の新たな時代を望んでいるだろうし、そのためにこのようなイベントが開催されているのだろう。だれも米国支配の終わりを見たくはないだろう
中国やロシアが急速に洗練された宇宙技術やシステムを開発し、米国のアセットを妨害しようとしている中で、米空軍はどう対応すべきだろうか

●私は宇宙に存在し続けること(space domain by being present)だと考える。 米軍はもっと頻繁に、準備時間を短くして、宇宙にアクセスすべきだと思う。
●Blue Originの重要な役割の一つは、宇宙へのアクセス回数をもっと可能にして増やすことであり、準備時間もコストも削減してそれを実現することである

Bezos3.jpg●国防省や政府機関全体にも言えることだが、可能な時には、米空軍はもっと商業ベースの一般市場にある手段を解決法として採用すべきである。
●皆さんが装備品の性能要求をまとめる際、この商業ベースの一般市場にある手段を必ずしも考慮せずに作成しているのではないか

●この結果として、米軍はカスタムメイドの要求値に合致した装備を手にできるが、一般市場にある商業ベースの製品や技術でも、ほとんど遜色のないものがはるかに安価に効率的に入手可能な場合がある。
良いエンジニアは要求値に合致したものを制作するが、偉大なエンジニアは(費用と効果のトレードオフを勘案し)元々の要求値に立ち返って考えなおすことができる

迅速な意思決定がカギ
●この会合では、軍の皆さんが迅速な意思決定と柔軟性や機敏さの重要性を議論しているが、その一つの解決法は組織を小さくすることである。しかし米空軍には規模の大きさが任務遂行に必要で、その利点を簡単に犠牲にはできないだろう
●私も規模の大きさで飛んでくるパンチの威力を吸収できるようでありたいと思う。しかし同時に、パンチの威力を「かわす」敏捷性・軽快さも備えていたいと強く思う

Bezos2.jpg米空軍は意思決定を迅速にすることによりそうすることができる。スタートアップ企業がしているように。ただ米空軍は素晴らし決断をするが、その意思決定が遅い大きな組織でこの問題に対応するため、アマゾンでとっている考え方を紹介しよう
意思決定には2つがあり、一つはその決断が誤っていても小さな影響でやり直せる決断であり、逆にもう一つは後戻りできない大きな意思決定である。意思決定にはこのような大きく2種類が存在することをわきまえておくことである。
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やり直しがきくことは迅速に決めてとりあえず進んでみる。小さな失敗を許容する文化を持つ・・・仕組みを作る・・・といった事でしょうか?

税金を使用するお役所仕事で、そのような考え方や仕組み作り根付かせることは容易ではありませんが、それが必要だということです。

もう一つ、要求性能がどれだけ詰めて決められているかというと・・・・結構・・・いい加減な感じもしますから、費用と効果のトレードオフをよく確認する姿勢が、これはとっても大事ですね・・

関連の記事
「意思決定迅速化に規則削減」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-02-1
「トレードオフで将来戦闘機を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「計画段階から企業と意思疎通を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-17

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予算の7割を占める維持費削減の革新に新組織 [米空軍]

この闇の世界に2年間の試行で斬り込み!

Roper5.jpg21日付米空軍協会web記事は、米空軍のWill Roper調達担当次官が、予算の70%を占めながらこれまでその削減に投資してこなかった反省から維持費削減分野での「革新:innovation」を追及する新組織「RSO:Rapid Sustainment Office」を立ち上げると発表しました

このRSOは、民間最新技術を最前線に迅速に導入するための組織RCO(緊急能力造成室:Rapid Capabilities Office)の維持費版ですが、その予算を自ら稼ぐ(pay for itself:必要な予算分の削減効果を生み出す)事を原則とし、当面2年間の試行期限で組織の有効性を確認する形でスタートするようです

短い解説記事によれば、維持整備面での革新と言っても、維持整備組織や関連業界の再編といったソフト面よりも、維持整備に関する最新技術を見つけ出して導入する事に力点があるようで、ちょっと面白そうです

21日付米空軍協会web記事によれば
maintainers2.jpg●Roper次官は、装備品を保有することによって生じる経費、つまり米空軍予算の中で大きな割合を占める維持整備費の削減に革新を導入するための組織RSOを立ち上げると語った
●そして「これまで維持整備分野では革新があまりなかった」と現状をとらえ、維持費を削減分でRSO運営経費をねん出するとの厳しい方針を課すことでRSO設立に理解を求めると説明した

●RSOは(RCOのように)米空軍長官までの結節を短くし、現場の状況を確認する権限を付与し、革新と改善に焦点を当て、迅速に動くことを求められる。一方で「完全な成果を追及することを必ずしも求めない」と語った
●また、RSOは2年間の仮運用期間を設定することとし、米空軍の維持整備分野に「十分な効率性を持ち込むことができるか、新たな価値を生み出せるか」を確認すると述べた

Roper33.jpg●「空軍内で確認し、空軍長官に提案できるような開拓者的取り組みを繰り返し生み出していく」と意気込みを語り、現時点で大きな潜在的可能性を秘めた技術を2つ挙げた
●一つは「3-D printing」で、もう一つは、微小な金属粒子を部品や材料にスプレーで吹き付け、溶接修理箇所や経年劣化部品の強度を増す「Cold Spray technology」である
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Will Roper調達担当次官はRCOの初代室長で、その運用のコツや難しさを熟知している人物で、同室長としての働きが認められて現在のホストに今年4月就任したばかりです。

どれくらいの経費節減インパクトが期待できるのか・・・。ミルスペックと作業標準書と人機比率によってがんじがらめのメンテナンスの世界ですから、それを形成する官僚機構をいかに打破するのかに帰結するような気がします。

Roper44.jpgそれでも、ソフト面でのアプローチではなく、技術優先のアプローチですから良い技術が見つかれば突破しやすいのかもしれません。人の削減につながるようだと大きな反発が予期されますが、材料や加工、作業工数の削減につながるものであれば、歓迎されるのではないでしょうか・・・

Will Roper氏の関連記事
「ソフト調達が最大の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-01
「F-35維持費が大問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「無人機の群れに空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

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10月納入予定のKC-46にまだ重要不具合5つ [米空軍]

最近の最終テストで2件追加の惨状・・・

KC-46-2.jpg17日付Defense-Newsによれば、米空軍の3大優先事業ながら、既に1年半以上の納入遅延となっている次期空中給油機KC-46Aに関し、最終段階の試験で更に追加で2件の「category-1」(最重要レベル不具合)が発見され、積み残しの3件の「category-1」と併せ、計5件の重要課題を抱えていることが明らかになりました

これまで蓄積されていた3件については、対策が行われてその確認段階にあるようで、解決の見通しがないわけではないのですが、本報道で明らかになった2件は、進行中の最終試験で発見されたばかりの不具合で、細部は確認中ながらとりあえず速報報告して対応を早期に開始する必要があるとの「出来立てホヤホヤ」不具合です

新型給油機ながら、成熟技術を活用することから開発リスクが少ないと企業側も予測し、価格固定契約でスタートした開発ですが、既に固定契約予算を3800億円以上超過してボーイング負担が膨らんでいるKC-46Aですが、まだまだ難航しそうです

17日付Defense-News記事によれば
KC-46-3.jpg17日、Defense-Newsが入手した情報を米空軍側が認め、10月に初号機を納入予定のKC-46に、新たな最重要不具合が2件見つかったことが明らかになった。米空軍はこの2件の問題が、初号機納入時期までに解決できるのかについて把握していない
●米空軍報道官は「ボーイング社と空軍担当部署は、試験データの分析と評価、リスクと対応策、更に納入時期への影響について検討を実施中である」と声明で述べている

●2件のうち最初の不具合は「No Indication of Inadvertent Boom Loads」で、給油のため相手とつながっている際に、給油装置操作員が意図せず操作を誤って給油ブームに負荷をかけ、相手機を押さえつけることになっても、操作員にその行為を警告することが出来ない問題である
もう一つは、受け側機が給油機に接近する段階で、給油ブームがあまりにも固着している(too stiff)だという問題である

KC-46 Boom.jpg●空軍報道官は「(2件の不具合については)細部を確認している段階だ。試験チームが不具合レポートを作成している段階だ」と説明した
ボーイングは声明を出し、「KC-46は既にF-16, F/A-18, AV-8B, C-17, KC-10 and A-10と4000回以上の給油を行った実績があり、今回の問題は飛行安全に支障をきたすものではない。給油システム全体は包括的に試験され確認されている」と説明している、

●なお、KC-46は昨年の試験で3件の「category-1」不具合が指摘されており、3件とも解決策が確認段階にあるが、いまだ解消されていない
KC-46 Boom3.jpg不具合の2件は、給油操作員がブーム操作等を確認する映像装置である。従来の給油機が窓越しに実物を見てブーム等を操作していたが、KC-46ではカメラとモニターで状況を確認するシステムを初めて導入している。しかし、ある条件下では照明の受け側航空機がよく見えない等の不具合があり、ソフト改良対策を実施中である
残る一つはドローグの機械的ロックシステムの不具合で、これに対してもボーイングはソフト対策で対応しようとしている
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予定では2017年8月に初期の18機の納入が完了しているはずでしたが、様々なトラブル対処で遅延が相次ぎ、お先真っ暗状態だったのですが、今年6月に突然10月初号機納入発表があり、18機を2019年4月までに納入するとも発表して今日に至っていました。

KC-46 Boom4.jpg6月の10月納入発表時に、空軍側が「KC-46Aの飛行試験は終了に近づいているが、重大な仕事がまだ残っている」と不信感たっぷりのコメントを出していましたが、その懸念が表面化したようです。

公式は発表は間もなくでしょう・・・。日本も導入する機体ですから・・

米空軍の空中給油機ゴタゴタ
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」[→]http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1
「ブームで相手にひっかき傷」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-02-1
「空中給油機の後継プランを見直しへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「KC-46ブーム強度解決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-15

「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

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米空軍2トップが戦力大増強と原点回帰を訴え [米空軍]

WilsonAFA.jpg17日、米空軍協会年次総会で米空軍長官が、半年かけて様々な将来分析を行った結果、2030年までには飛行隊数を25%増して386個にし、併せて必要な人員を4.5万人増強する必要があると明らかにしました。

また翌18日には空軍参謀総長が、各飛行隊は不十分な装備や基地環境に展開しても行動可能な体制、つまり派遣遠征部隊(expeditionary forces)の原点に回帰すべきだと訴えました。また基地防衛の重要性も強調し、「防御年間:the year of the defender」とすると宣言しました

空軍長官の発表には具体的な予算増加額が含まれておらず、空軍参謀総長も派遣展開部隊への原点回帰と飛行隊数増についての関係についてもあまり触れていないようですが、中国やロシアに対応するには現在より戦力増強せざるを得ず、かつ打たれ強い部隊にしなければならないとの考えが背景にあると推測します

特に飛行隊数の24%増要望をどのように議会や国防省に持ち出すのか、ホワイトハウスとの関係はどうなのか等、「?」がいっぱいなのですが、米海軍の全然具体化しない艦艇355隻体制のようなものだとも考えられます

17日Wilson空軍長官は
Wilson6.jpg現在の312個飛行隊を、2025年から30年までに、74個増やして386個にする。約25%増強する。またこの結果は最新の情勢分析や情報レポート、6か月に及ぶ多様なモデル分析やシミュレーション分析等を行た結果
●同総会の後の講演で人的戦力管理担当部長のBrian Kelly中将は、これら飛行隊増強に必要な人員は内部からは捻出できず、純増を要請すると語り、その数を少なくとも4.5万人だと説明した

●増強74個飛行隊の内訳は
・5個爆撃機飛行隊
・5個宇宙飛行隊
・14個空中給油機飛行隊

・7個特殊作戦部隊飛行隊
・9個救難飛行隊
・7個戦闘機飛行隊

・2個無人機飛行隊
・1個空輸飛行隊
・22個指揮統制とISR飛行隊

●長官の講演では、必要な予算額や航空機数については言及がなかった。また予備役や州軍との関係についても語らなかった
●ただ長官はこの増強の背景を、「the existence of evil, and new threats are emerging to which our generation must respond」と表現した


18日Goldfein空軍参謀総長は
GoldfeinAFA.jpg我々はかつての派遣展開軍のルーツから離れてしまっており、地域コマンド司令官の要望に応えるためとの理由で、また兵士に配慮し、十分に整った基地やインフラを前提とした部隊となってしまっている
●我々は基地から戦うことや攻撃下での戦いを知っているかもしれないが、敵攻撃により施設不十分な基地に分散せざるを得なかった場合や、十分な地上支援を受けられなくなった場合の戦いについてはどうだろうか

●米空軍は、施設不十分な基地や装備や物資が状態での展開運用に習熟しなければならない。その際は米本土と指揮統制面での連携が取れる必要がある
●これら変化は、空軍兵士の心の持ち方、装備品購入、演習や検閲の在り方、即応体制の考え方等、広範な分野に変化をもたらすもので、部隊は柔軟性と分割や増強受け入れ可能性を持たねばならない

●このような派遣展開を考える際のカギの一つが「多層的防御:defense in multiple layers」であり、この分野で世界一でなければならない統合でどのように協力して進めるかも詰める必要がある
●組織の再構築を恐れてはならない。これは「将来性のある将来のための変化:seminal shift」であるし、これまでも空軍はこれを成し遂げてきた。空軍や米軍内だけのアイディアでなく、視野を広く持って対応しよう
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Goldfein1-4.jpg繰り返しになりますが、どのような展開に米空軍は持ち込もうとしているのでしょうか? 確かに国家安全保障戦略NSSや国家防衛戦略NDSでは、中国やロシアの脅威がこれまでになく強く訴えられているかもしれませんが、これだけの軍拡を訴える力となるでしょうか?

これだけの飛行隊増強が実現すれば、過去30年で最大規模、冷戦時のピークレベル(the most squadrons the Air Force has had in 30 years, since the peak of the Cold War)になるようです。

でも実際、中国の軍事力は旧ソ連の脅威を超えているかも・・・ですからねぇ・・・
そういえば、先日ご紹介したRANDの研究レポートは、空軍2トップを援護射撃するものだったんですね・・

でも、空中給油機や指揮統制&ISR機部隊の重要性を抑え、レスキューや特殊作戦機部隊を忘れていない辺りはプロの視点ですね! 当たり前か・・

4つのシナリオで必要空軍力を分析
「8月末発表RANDレポート」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-02

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JASSMの更なる射程延伸版「XR」契約 [米空軍]

JASSM、JASSM-ER、対艦版LRASMに続く「XR」
防衛省が2018年度予算で要求したJASSMの話です

JASSM-ER5.jpg
13日付米空軍協会web記事は、米空軍が昨年からロッキードに検討を依頼していた長射程空対地ミサイルJASSMの更なる射程延伸バージョンについて、約55億円の本格開発契約を結んだと伝えています

契約は、開発と試験を2023年8月末までに完了するとしていますが、現在米空軍が保有する約2000発以上のJASSM-ER(Extended Range:JASSMから射程延伸型ERに改修済み)のうち、何発を更なる射程延伸型「XR:Extreme Range」に改修するか等の細部には言及していないようです

また、具体的にどの程度射程を延伸するのかについても契約は言及していません

JASSM-ER6.jpgJASSMは「Joint Air-to-Surface Standoff Missile」の略で、航空機から発射して地上目標を攻撃するステルス性を持つ空対地ミサイルで、初期型のJASSMが射程200nm(360km)、後に改良され現在米空軍が保有するJASSM-ERは射程540nm(1000km)です。つまり射程延伸型JASSM-ERはちょうど、第一列島線上空から中国沿岸部を攻撃できる射程のミサイルということになります

従って、JASSM-ERより更に射程を延伸すると言うことは、中国のA2AD能力向上に伴い、第一列島線より更に東方の離れた位置からでないと、中国大陸に向けたASMは発射できないとの判断に米空軍が至ったとも解釈できます。(もちろん、より中国大陸の奥深くを攻撃可能にしたい・・・との思いもありましょうが・・・)

13日付米空軍協会web記事によれば
JASSM3.jpg●JASSMシリーズは、初期型のJASSMが「AGM-158A」、射程延伸版のJASSM-ERが「AGM-158B」、そして空対艦ミサイルのLRASM(Long-Range Anti-Ship Missile)が「 AGM-158C」との型式名になっているが、今回の「XR」はまだ正式に「AGM-158D」とは決まっていない

●ロッキード社報道官は、翼の設計変更による空力効率改善による射程延伸のほか、各種防御性を高めた新GPSユニットを「XR」は備えることになると説明するにとどめた
●また契約は、必要な設計、開発、融合、テストと検証を段階的に進め、全てのプログラム設計と工学的活動を行うと述べている

過去記事からJAASMの概要ご紹介
JASSM-ER4.jpgJASSMは1995年から開発が始まり、実験の失敗等で紆余曲折はあったが2001年に初期量産を開始。敵防空網の射程外から発射され、強固な構造を持つバンカーや、ミサイル発射機などの攻撃を行う目的を持つ空中発射ミサイル。対艦ミサイル版のLRASMもある
●低コストの開発を念頭に、画像赤外線センサーは陸軍の対戦車ミサイル「ジャベリン」から、ターボジェット・エンジンは対艦ミサイル「ハープーン」からと、既存部品を多用している

●航空機から投下されると翼を展開、ターボジェットを始動する。途中、INSとGPSにより誘導され、レーダーに見つかりにくい低空を速度マック0.8で飛行する。
●目標に接近すると画像赤外線センサーにより目標を識別、急上昇してから70度の角度で急降下、突入破壊する。命中精度CEPは約3m

●中央部分の弾頭はタングステン製454kgの貫通モード、または爆風・破片モードを選択可能な多機能弾頭で、貫通力はBLU-109Bと同等とされる
地下施設や強固な施設には貫通モードで、ミサイル発射機やレーダー施設に対しては上空で爆発して爆風と破片を放出する

JASSM-ER9.jpg搭載可能な航空機は、B-2、B-1、B-52H爆撃機、F-15E、F-16戦闘爆撃機など多様
●「JASSM-ER」と「JASSM」の違いは、より大きな燃料タンクと効率の良いエンジンの搭載で射程距離が2.5倍の575マイル(約925km)に延伸したこと。またGPS妨害に対抗できる機能を付加したこと。更にデータリンクを追加装備したことである。

●「JASSM-ER」と「JASSM」は7割が共通部品で構成されており、製造コストの低減に貢献している。
●米空軍は2020年台の製造終了までに、2,400発のJASSM(1発約1億円)と、3,000発のJASSM-ER(1発約1.6億円)を購入予定

2017年12月25日付記事等によれば 
JASSM-ER8.jpgLockheed Martin社のJAASM計画責任者Jason Denney氏は、「A2AD脅威環境で操縦者の生存性を向上させる新たなデザインを開発している」、「我が社の顧客の皆さんは、証明済みのJAASM性能を信頼頂いているが、前線部隊に更なる能力向上型を提供できることを楽しみにしている」と語った
●ロシア製のS-300やS-400と言った高性能地対空ミサイルSAMが登場して世界に拡散する中、これら兵器を使用するA2ADにより、第4世代機の能力発揮できるエリアが制限されつつある

●配備が始まったばかりのF-35や、配備開始が2020年代半ば以降になる次期爆撃機B-21はステルス性も活用して強固な敵防空網を突破できるかも知れないが、しばらくは米軍航空戦力の多数派であるF-15EやF-16C、海軍のFA-18はそうはいかない
●低空を高速で飛行可能なB-1B爆撃機も、JASSMとJASSM-ERの両方が搭載可能だが、強固に防御された敵防空網の突破能力には限界がある

●なお、JASSM-ERの能力を確認した米海軍は、JASSMを対艦ミサイル用に改良することにDARPAと共に着手しており、LRASM(Long Range Anti-Ship Missile:AGM-158C)としてB-1には2018年から、FA-18には2019年から搭載開始される予定である
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北朝鮮絡みで、米軍が韓国展開部隊にJAASMを配備すると発表して大きな話題となりました。

JASSM-ER3.jpgまた昨年11月末、米国がポーランドにJAASM(又はER型)70発を、関連装備を含め僅か200億円で提供すると発表して注目を集めています。

何とお得な投資でしょう・・・戦闘機1機が100億円以上するとか、近代化改修だけで1機100億だとか・・・。よく考えたいものです

JASSM関連の記事
「更なる射程延伸開発契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1
「空中発射巡航ミサイルの後継」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-12-1
「JASSM-ER最終試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-1

LRASM関連の記事
「LRASM開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17-1
「米軍は対艦ミサイル開発に力点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18
「ASB検討室の重視10項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-04
「LRASMの試験開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
「新対艦ミサイルLRASM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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米空軍輸送コマンドに女性司令官誕生! [米空軍]

しかも、予備役中将から大将に昇任して配置

Miller1.jpg7日、米空軍輸送コマンド司令官にMaryanne Miller大将が就任し同コマンドが1992年に創設されて以降初めての女性司令官となりました。
またMiller司令官は、予備役から大将に昇任して空軍メジャーコマンド司令官に就任する初めてのケースとなりました

ただし、ご経歴を拝見すると、第932空輸航空団司令官や第349空輸航空団司令官を努め、飛行時間はC-17、C-5、KC-10などで4800時間を超える飛行経験を持ち、直前まで空軍予備役コマンド司令官を務めていた実績十分の人材です

1981年オハイオ州立大学ROTC卒(防大25期相当か?)で推定60歳、2011年(准将で52歳時)にMBAを取得した努力家でもあります。修士号を取得しないと少将以上への昇進が難しいから頑張ったのかもしれませんが・・・

前任のCarlton Everhart大将は退役されるそうです。

11日付米空軍協会web記事によれば
Miller2.jpg●7日、Scott空軍基地で就任式に臨んだMiller司令官は、全輸送コマンド兵士に充てた同日付書簡で、「諸君は、毎日休むことなく、切れ目なく、求められた時間に求められた場所に輸送任務を完遂し、求められる効果をもたらしてきた」と呼びかけている

●そして「最近の3年間をざっと見渡しても、世界的な迅速空輸に、新たな地平を切り開く道を歩んできた。そしてくりかえし、降りかかる困難に対処する即応性も示してきた。そんな輸送コマンドには明るい未来が待っている
●書簡は「私は謹んで、この世界レベルで評価され、休むことなく任務にまい進する輸送コマンドの指揮をとる」と結ばれている
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少佐から中佐にかけての初ペンタゴン空軍司令部勤務で予備役空軍戦力の諸計画を担当し、准将として予備役コマンドの戦略計画部長を努めており、他のペンタゴン勤務は准将から少将の時期のJ-5での「Partnership Strategy副部長」という経歴です。

Miller3.jpg優秀な女性の登用に悩んでいた時期の、米空軍の女性の勤務管理の一例かもしれません。

しかし、空軍輸送コマンドには難問山積です
操縦だけでスタッフ業務をしない操縦者の管理、老朽空中給油機KC-10やKC-135の維持運用、KC-46A部隊の立ち上げと運用安定化、KC-Zの検討、宇宙に物資をストックしたいとの前任者発言のフォローなど大変そうです

Miller司令官のご経歴 → https://www.af.mil/About-Us/Biographies/Display/Article/108440/lieutenant-general-maryanne-miller/

米軍輸送関連の記事
「宇宙に物資の事前集積案」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-05
「禁じ手:幕僚無し操縦者募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「民間輸送力依存に危機感」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-03
「給油機後継プラン見直し」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

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