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米空軍が人工知能シム訓練アイディア募集 [米空軍]

12月に提案中小企業を集めイベントを
主要軍需産業との仲介役を空軍が

AI learning.jpg米空軍が12月に開催予定の「Simulators Pitch Day」なるイベントに向け、AIを兵士教育やシミュレーターに活用するアイディアを持つ中小企業(small businesses)からの提案を募集しています

提案した中小企業のアイディアを2段階で評価し、12月のイベントの最後に、主要軍需産業やベンチャーキャピタルに対するプレゼンの機会を与え、新たな血を軍需分野に取り込もうとの意気込みの取り組みです

軍事分野での人工知能AIと言えばいろんな方向から各種ミサイルが飛び交い、強固な電子戦が常態となる戦場に、サイバーや宇宙アセットへの攻撃も混ざった複雑な環境での意思決定支援をイメージしがちですが、ますます複雑化する兵器システムや戦場に対応できる人の養成にも大きな可能性を秘めています

米空軍がどこまで大企業や資本家との仲立ちに介入するのか等、いろいろ不明な点も多い記事ですが、ただでさえ中国に後れを取っていると危機感のあるAI分野に、中小企業のアイディアを取り込もうとの必死の取り組みですのでご紹介しておきます

24日付米空軍協会web記事によれば
AI learning2.jpg12月4日に開催予定の「Simulators Pitch Day」担当のPatrick Kawonczky少佐によれば、7月1日締め切りのアイデア募集の対象エリアは、「ネットワークシミュレーターの相互運用性」、「クラウド活用のシミュレーター」、「performance-based訓練」、「データ収集と分析」などのエリアである
●同少佐は教育訓練への人工知能AIの活用について、「教育状況のモニター&管理において、受講者の習熟度に応じた教育手順、手法、技術を提案・提供してくれる」と期待を示した

●また同少佐は、AIが(受講者の)データ分析、事前分析、コンセプト案出を手助けしてくれるだろうと説明した
●別の担当大佐は「AIが人間と機械との橋渡しをしてくれる」、「受講者との間のやり取りを整理し、受講者の理解度に応じた教材を選択提供してくれことから、各受講者の特性に応じた教育のより良いカスタマイズにつながる」とその効果を説明している

●7月1日に提案受け付けを締め切り、その後、まず第1段階で選定された企業に資金を提供し、第2段階のより詳細な提案を行ってもらう
AI learning3.jpg第2段階を経た提案は、12月4日にオーランドで開催されるイベントで米空軍関係者へのプレゼンに招待され、後に軍需産業幹部やベンチャー資本家を対象とするメディア公開プレゼンの機会が得られる

12月のイベントを統括するMargaret Merkle女史はプレスリリースで、「我々は中小企業に新たな発明を求めているのではない。彼らが既に保有している技術の中に、米空軍が必要としているアイディアがあるのではないかと問いかけているのだ。最終的には、そのアイディアを軍需産業と結び付けて迅速な技術革新世界で活用したいと考えている」と説明している
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軍需産業の合併統合が相次ぎ、寡占体制が加速する米軍需産業ですが、そうなると競争意識が低下し、コスト増と納期遅延、技術革新意欲の停滞など、大きな独占組織の弊害が出てくるのですが、最近のロッキードやボーイングを見ているとつくづくそう感じます

EW Cognitive4.jpg新たな血の導入は、カーター国防長官が副長官だったことから取り組んでいた分野で、Work副長官時代にも力を入れていた分野だと思うのですが、成果のほどはどうなんでしょうか? なかなか聞こえて来ませんねぇ

逆に、グーグルが米国産のAI技術を中国に開発センターを作って流出させていると、Dunford統合参謀本部議長がグーグル幹部に怒鳴り込む騒ぎになっているくらいですから、中小のAIベンチャーは米軍の方を見てない気もしますが・・・

「Dunford統参議長がグーグルに怒り」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-23

軍需産業のすそ野拡大&新陳代謝
「DIUxで優秀中小企業を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12
「ボストンにもDIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27-1
「AIに中小企業を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13
「G-N法改正の主要論点にも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-05
「Tech Outreach」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-28

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本当か?米空軍パイロット流出が鈍化? [米空軍]

パイロット不足が「leveled off」したと表現
5年以内に改善方向を期待と・・・

Goldfein Pilot.jpg11日、Goldfein米空軍参謀総長がパネル討議に登壇し米空軍パイロットポストの約1割に当たる2000名が不足し、2016年頃の1500名不足から悪化し続けてきた件について、「不足数の増加は抑えられた:leveled off」と表現し、今後5年間で不足数が減少に転ずる見込みだと語りました

給与面や海外派遣な長期化していることなどで民間航空会社への流出が止まらず一方で民間航空会社の操縦者需要は拡大が見込まれている中、ありとあらゆる手を打ってきた米空軍ですが、参謀総長によれば、米空軍での継続勤務を希望するパイロットが増えてきたとのことです

具体的な統計数値には言及せず、「leveled off」とか「slightly uphill」との極めて微妙な表現を使用しての参謀総長の語りで、そんなに楽観視してよいのか・・・つい最近も民間航空会社幹部に直談判して、「引き抜きするな」とお願いしていたのに・・・と突っ込みたいところですが、これまで言及がなかった視点の対応にも言及していますのでご紹介しておきます

11日付米空軍協会web記事によれば
Goldfein space.jpg●11日、Goldfein米空軍参謀総長は「Association for Defense Communities conference」の演壇に登り、インタビューを受ける形で操縦者不足について語った
●同大将は「パイロット不足の状況は悪化が止まり、より多くの操縦者が継続勤務の方向にある」と語り、更に「今後5年間のうちに、不足が改善に向かうと予想している」とも述べた

●参謀総長は、継続勤務のボーナスなど様々な対策が効果を発揮してきたと述べながらも、現場パイロットからの直接の聞き取りで最大の問題と同大将が感じている「quality of service:勤務の質」改善が不十分との認識を明らかにした
●「quality of service:勤務の質を如何に改善し、パイロットの期待にこたえられるかにかかっている」、「パイロットは飛ぶために空軍に所属しているが、軍の航空部隊に所属する要員にふさわしい戦う能力と、最大限に能力を伸ばし鍛える場を如何に与えるかを考えねばならない」と同大将は語った

●また参謀総長は、「各飛行隊が部隊のメンバー一人一人を巻き込んで活動し、各構成員が組織内で役に立っているとか、存在意義を感じられるような組織になるよう取り組んでいる」とも表現し、飛行隊長クラスのリーダーシップの重要性を強調した
●そして、この点は、パイロットだけに限らず、サイバー要員、整備員、ISR要員など全ての職種職域の兵士に関しても言えることだと強調した

USAF pilot.jpgまた家族の視点から子弟の教育に大きな影響を与える空軍基地内の学校や基地近傍の学校の質改善が、極めて大きな課題で懸念材料だと言及した
●仮に空軍での仕事に満足し、海外派遣にも意欲的であったとしても、一般に地方に所在することが多い基地内の学校や基地周辺の教育レベルに問題がある場合、家族の選択として空軍外の道を考える可能性が高まると同大将は述べた

基地周辺の学校の質も問題に関しては、最近、各軍種統合の形で基地所在の州知事に書簡を送り、今後の基地の統廃合や新設を検討する際は、基地周辺の教育の質を評価要素とすると記し、州政府の基地周辺学校教育改善に注力するよう要請したところである
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米空軍パイロットの「quality of service:勤務の質」改善を問題に上げていますが、不足分の7割を占める戦闘機パイロットが満足するような飛行時間の不足があるのかもしれませんが、前線での「戦闘機の役割」がなくなってきており、単に空中で待機や哨戒して爆撃機や偵察機を援護する退屈な任務ばかりになっていることも大きな背景ではないでしょうか

Rethinking Seminar.jpg戦闘機パイロットが夢を追いかける空中戦は、ベトナム戦争が最後で、あとは偶発的な事案程度です。

安価な長射程巡航ミサイルや弾道ミサイルが拡散する中、また米国に戦闘機VS戦闘機の戦いを挑む無謀な国が現れる可能性が極めて低い中、特に戦闘機パイロットの「quality of service:勤務の質」を満足なものにするこては、彼らの考え方や、戦闘機の必要性から考え直さなければ解決不可能な問題に感じます

米空軍パイロット不足関連
「操縦者養成3割増に向けて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-21-1
「下士官パイロットは考えず→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3
「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

米空軍整備員不足の苦悩
「整備員不足は今年解消?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-24
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02

「整備員不足対処案も苦悩続く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-03
「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
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2022年に次世代空対空ミサイルJATM投入へ [米空軍]

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AMRAAMより射程延伸もその他不明

AMRAAM JATM.jpg20日、米空軍の兵器開発計画管理担当であるAnthony Genatempo准将が記者団のインタビューに答え、将来の脅威環境を見据えて2年前から次世代空対空ミサイル(JATM:Joint Advanced Tactical Missile)の開発に着手しており、2020年配備を目指していると語りました

このJATMは、1991年から配備が始まった中射程の打ちっぱなし可能空対空ミサイルAMRAAMの後継ミサイルと位置付けられ、将来の脅威環境に対応する兵器開発として当然でしょうが、背景として中国軍が本格導入を進める空対空ミサイルPL-15を強く意識したものと言われています

AMRAAM JATM2.jpgPL-15はAMRAAMと同じくアクティブホーミングで、射程150㎞、速度マック4で狙われた目標は回避不可能と言われており、中国空軍J-20やJ-10B、海軍J-16に搭載可能でしたが、今年3月に配備機数が多く東シナ海にもしばしば登場するJ-11B(Su-27のコピー)にも搭載可能となり、一気に脅威度が高まっていたところです

ネット上では「PL-15は、米国のAMRAAMと比較しても遜色ない性能、一部ではAMRAAMの性能を上回り、射程だけで言えば欧州のミーティアに匹敵すると言われ、遠距離から空中給油機や、早期警戒機など優先度が高い標的への攻撃に使用されるだろう」と解説されており、対妨害能力も相当レベルと考えられています

AMRAAMが戦闘機の空中戦を強く意識していることからすると、中国軍の方が軍事的合理性に沿った兵器開発をしているように思いますが・・・・

20日付米空軍協会web記事はJATMについて
●20日、Anthony Genatempo准将は記者団に対し、ロッキード社や米陸海軍とともに、JATM(AIM-260)を2022年に配備するために2年前から取り組んでいると語った
●同准将は「次世代の脅威や将来の航空優勢獲得を念頭に置き、AMRAAMより射程の長いものとなる」、「JATMの生産開始に伴い、AMRAAMの生産は減少する」とも説明した

AMRAAM JATM3.jpg●更に「JATMは当初F-22の機内弾薬庫とFA-18への搭載を進め、F-35への搭載はその後となる」、「JATMの飛行試験は2021年から開始し、2022年には初期運用態勢IOCを確立したい」と語った
●そして「つまり、JATMは空対空戦闘機が搭載する次世代の制空用兵器である」と述べた

1991年から導入されているAMRAAMについて同准将は、「JATMの生産量が増えるにつれ、2026年の調達が最終調達になる予定である」と説明した
記者説明後に米空軍協会記者の質問に対し同准将は、トータルのJATM調達数は現時点で確定していないし、様々な状況を想定していろいろな考え方があるし何ら確定したものはないが、毎年200発程度の調達(order of a couple hundred per lot)になるのではないかと述べている
●また1991年から製造されているAMRAAMと同様の期間、JATMが製造されるのではないかと語った
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ご参考
2016年7月、ACC司令官のファーンボロー航空ショーでの発言
Carlisle-FB2.jpg●AMRAAM AIM-120の能力向上計画はとても順調に進んでいるが、我々が必要とする次世代のミサイルとは異なる
●脅威の推移に対応するため、新型ミサイルはより長い射程と優れた電子戦対処能力が必要だ。以前、AMRAAMの後継ミサイルはより小型で戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性を持つべきだと述べたとおりである
→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1
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でも、3年前に米空軍戦闘コマンドACC司令官が「AMRAAMより小型で、戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性を」と説明していたAMRAAM後継ミサイルが、「AMRAAMより射程が長い」と3年後に説明されると、「???」となってしまいます。

要求性能が180度変化したのでしょうか? 同じコンセプトなんでしょうか?? 今後の情報に注目いたしましょう。ネット上でも、「AIM-260」は全く初見の情報だったようです

2年前から開発を開始していて、今まで公にしなかった保全体制には感心いたしますが、JATM(AIM-260)を戦闘機同士の戦いに用いるかのような旧時代的な発想からは脱却してほしいと思います。中国軍を見習って・・・

AMRAAM JATM4.jpg米陸軍がJATMに絡んでいるのはAMRAAMを地対空ミサイルとして活用したNASAMS(National Advanced Surface-to-Air Missile System)との防空ミサイルシステムを使用しているからだと思います

NASAMSはレイセオンとノルウェー企業が開発し、米とノルウェー以外にも複数の欧州諸国が配備しています。そういえば今年5月、新たに赤外線追尾ミサイルAIM-9X Sidewinder Block II を同システムから発射する試験に成功したとの報道もありました

3年前ACC司令官は「AMRAAM後継に望む事」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

米空軍の次世代制空機検討PCA
「PCA価格はF-35の3倍?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15
「秋に戦闘機ロードマップを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

無人機ウイングマン関連
「無人機ウイングマン構想を熱く語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-27
「別の無人機Skyborg構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3
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輝かしい経歴の女性空軍少将パイロットがクビになる [米空軍]

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空軍士官学校も空軍大学も優秀な成績で卒業
テストパイロット課程も首席、女性操縦者最高階級なのに

Dunlop2.jpg10日付Air Force Timesのweb版が、米空軍女性戦闘機操縦者の草分けとして数々の「女性初」の壁を突破し現在の女性操縦者の最高階級である少将に昇任している女性が、ふさわしくない振る舞いで良くない環境を醸成したとして職を解かれ、退役することになろうと報じています

当該士官はDawn Dunlop空軍少将で、国防省の極秘開発プログラムを担当する「director of the Defense Department’s Special Access Programs Central Office SAPCO」なる職に就いていた人物ですが、どうやらいわくつきの人物で、国防省監察官室の調査を複数の案件で受けていた様です

同少将は1988年に空軍士官学校を「優秀卒業生」として終え、コロンビア大学で航空工学の修士号を得た後、F-15E部隊で中東実戦任務を経験、その後にテストパイロットコースに入って首席で卒業した女性パイロットの「ローモデル:生きた見本」です(でした)

Dunlop3.jpgその後はF-15部隊と飛行試験部隊で各級指揮官を務め、2010年からは空軍試験のメッカであるエドワーズ空軍基地「412th Test Wing」司令官も大佐として勤務しています
女性初のテストパイロットで、女性初のF-22搭乗員で、女性初の「412th Test Wing」司令官を務めた人物で、総飛行時間はF-15,F-16、F-22などで3500時間と、空軍士官学校卒の操縦者としては飛行経験十分です

米空軍部隊以外では、視野拡大のためにエネルギー長官の特別補佐官見習い、軍種間戦闘機融合に関する空軍長官補佐官、上院派遣の米空軍連絡士官なども務めています

准将に承認後は、米空軍教育訓練コマンドの計画部長とNATOのAWACS部隊指揮官を務めていますが、クビになったSAPCOのポストにいつからついているのかは不明です

10日付Air Force Timesのweb記事によれば
国防省報道官からのEメール声明によれば、同少将はSAPCOを率いる任務を解かれ、米空軍副参謀総長の特別補佐官の職に移動を命ぜられた
●同時にAir Force Timesは、同少将に対して、複数の案件で国防省監察官室の調査が行われていることを把握し、調査の原因となった一連の事案から、国防省は同少将の解任を判断したと考えている

Dunlop3.jpg具体的にどのような問題で調査を受けているのか不明確で、同少将はプレスに対して何も明らかにしていない
●ただ、SAPCOを知る匿名前提の人物によれば、同少将は米軍幹部を「馬鹿者」「愚か者」と呼んではばからず、電話で金切り声を挙げて陸軍や空軍幹部を叱責するなど、「有害な職場環境 toxic work environment」を生み出していた模様である。

最終的な転機となったのは5月31日の同少将と米空軍シビリアン幹部との会議で、同少将がカッとなって怒り出し(lost her temper)たことから、同少将の上司であるLord国防次官に直ちに事態を報告し、同次官が直ちに解任を判断したとのことである
同日中にLord次官は、陸軍と空軍の首脳、国防副長官等に事態を説明して職を解いたことの理解を得た。SAPCOに於ける同少将の職務は、陸軍大佐が当面遂行することとなっている
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Dunlop4.jpg「輝かしい経歴」とご紹介しましたが、なんとなく試験評価部隊に経歴が偏り、統合職や司令部勤務がほとんどない経歴で、「lost her temper」するようなことが普段からあったのかもしれません。国防省監察官の複数の案件調査は、そんなことかも・・・と推定します

あくまで憶測で細部が不明な段階ですからいい加減なことを言いたくはないですが、「女性初」の経歴から、周りが組織として扱いを誤ったのかもしれません・・・・。

ちなみに、女性だから珍しくて取り上げていますが、最近、こんな事案で解任される男性高級幹部が多いんです・・・

最後に更迭を迅速に判断したのが女性のLord次官というのも含蓄が深いですねぇ・・・他山の石です。

軍での女性を考える記事
「3軍長官が士官学校性暴力を討議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「議員が空軍時代のレイプ被害告白」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「空自初:女性戦闘機操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

女性と徴兵制
「前線にも:イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「究極の平等:ノルウェー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「社会福祉選択肢もオーストリア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

関連の記事
「女性兵士の装具改善に時間必要」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13
「今頃・・女性兵士にフィットした飛行服等に改良へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07
「女性初のF-35操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-08
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04

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B-1爆撃機の稼働機1桁で米議会に衝撃 [米空軍]

保有機62機で稼働機1桁
パイロットが技量維持のため他機で飛行訓練

B-1B.jpg3日、米下院軍事委員会の来年度予算小委員会は米空軍に対し、作戦に使用できる航空機の機数が1ケタ台と厳しい状況に陥っているB-1爆撃機に関し、今後の対策や機体状況の継続レポートを求める法案をまとめました

米空軍は昨年2月に明らかにした爆撃機将来計画「Bomber Vector」で、機体は新しいが維持費が高騰しているB-1とB-2を2030年前半に早期退役させ、年齢は高いが維持費が安く多様な兵器が搭載可能なB-52には、エンジン換装等を行って2050年代まで維持する方向を明らかにしB-21次期爆撃機導入資金を確保する決定をしました

B-13.jpg戦略兵器削減条約で核搭載ができないB-1ですが、中東やグアム島、更には欧州にも最近まで定期的に展開してプレゼンスを示すなど活動でその役割を果たしてきており、B-21の数がそろう2030年代前半までは頑張ってもらう必要があります

しかし昨年5月翼からの火災で緊急脱出を試みたが射出座席が機能せず、命がけで着陸せざるを得ない事故があり、昨年2度、今年年初にも約4週間に渡り飛行停止措置が取られています。

また、機体構造部材の金属疲労問題や部品不足から、一度トラブルを発生すると長期にわたり飛行不能となる状況が続いているようです。

3日付米空軍協会web記事によれば
B-1-UK2.jpg●B-1を運用する米空軍Global Strike CommandのTimothy Ray司令官は記者団に対し、継続する作戦要求に対応しているB-1爆撃機には過剰な負荷がかかっており、一度トラブルが発生すると回復するまでに長時間を要していると背景を説明した

●下院の同小委員会がまとめた法案は、趣旨説明で「委員会はB-1の状態に拘わらず、米空軍が措置や資源配分を適切に行っていないと危惧している」、「その証拠に、B-1の作戦投入可能機数は1桁まで落ち込み、同機搭乗員は訓練ができないため他機に搭乗して空中感覚を維持している惨状である」と危機感を説明している

●そして同小委員会は法案で米空軍に対し、2020年3月1日までに稼働率改善計画を提出すること、機体構造疲労問題の現状を明らかにしてデータ分析結果も提供すること、将来の問題発生を回避する戦略計画も明らかにすることを求めている

●また稼働機が不足することで生じるパイロットや整備員の技量維持問題についても、稼働率改善計画に沿った訓練計画を立て、どの程度の期間で戦力派遣可能態勢が戻るかも明らかにして報告するよう求めている
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2030年代半ばまで維持して「早期退役」させると、昨年2月に明らかにしたばかりの機体でこの有様です。

B-1 1.jpg先日はRC-135等のISR機の現状もご紹介しましたが、米空軍の装備体系全体にほころびが見え始めています。そしてそんな中、F-35Aを1700機以上調達する計画が最優先となっているわけです

核兵器関連の装備の補修や改修や更新も目白押し、練習機も救難機も・・・心配になってきました

爆撃機とロードマップなど
「中東派遣のB-1帰国」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-30-1
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
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RC,WC,OC,NC-135は後継機なしの方向を巡って [米空軍]

表題の米空軍方針に反対する議会の動き

RC-135 2.jpg24日付米空軍協会web記事は、米空軍Offutt空軍基地に所属するC-135を改良した大ベテランの各種ISR機(RC,WC,OC,NC-135)の維持整備に最新の効率的整備要領を適用すると紹介しつつ、これらISR機の後継機は考えず、JSTARSのように多様なシステム全体で任務を引き継ぐとの空軍の考え方を対比しています。

そして議会がこの空軍の考え方に反対し、米空軍にこれら機体とその任務の将来構想を要求していると紹介しています。

これらISR機は、いずれも1960年代や70年代にC-135又はKC-135を改修してISR機として活用されてるもので、使用開始から50年ほど経過したものが増えており、その稼働率低下が問題となっています

例えば、ロシアとのオープンスカイ条約を基にロシア上空を飛行して偵察するためのOC-135が、トラブルで肝心のロシア偵察飛行を十分できない稼働率にある実態が報道されたりしていたところです

24日付米空軍協会web記事によれば
RC-135 3.jpg●同基地所属のISR機は、中東、北朝鮮、中国やロシア周辺での情報収集飛行に多忙な日々を送っているが、最近は油圧系統のトラブルや火災発生まで、様残なトラブルに見舞われている
●地元ネブラスカ州選出の共和党議員Deb Fischer女史は、米空軍の緊急維持対策室(Rapid Sustainment Office)等が取り組んでいる最新の維持施策の老朽ISR機への適用を空軍に求めている。例えば、3Dプリンターによる部品確保、部品故障を事前予測するアルゴリズム分析などの取り組みである

●同議員スタッフも「航空機が古いからと言って、最新の手法を適用できないわけではなく、新たな手法で日稼働時間の短縮に努めるべきだ」と語っている
C-135は米空軍の「Condition-Based Maintenance Plus」との先行的整備手法の対象になる予定で、複数の派生形がある同機を個別に管理するよりも、全体として先行的整備の管理対象にすることが理想的と考えられている

上院軍事委員会は2020年度予算に関し、同議員が提案の同ISR機部隊部隊強化に関する2つの修正を行い、またRC-135電波収集機の近代化、核実験を大気分析から監視するWC-135の追加、OC-135の更新にも予算措置を追加した
●更に議会としてこれら老朽ISE機の今後の在り方について検討して報告するよう求めている。同時に議会は米空軍に、有人機と無人機のISR任務での協働要領や、ISR機情報の共有プロセス見直しを指示している

RC-135.jpg●これら議会の動きに対し上院の関連スタッフは、同基地のISR機が補油するセンサーや役割は現在他の手段で代替できないのだから、米空軍はISRの将来体制でもこれら機体を含めるべきだと語っている
●「少なくとも2050年代までは、これらISR機が重要な役割を果たす事になるのだから、これらISRアセットを含めた明確な将来戦闘空間用のプランを持っておく必要がある。今後想定される本格紛争における考える必要がある今のタイミングでは特に重要だ」と同スタッフは訴えている

●これら上院の動きの背景には、4月に下院でDavid Goldfein空軍参謀総長が、C-135系列のISR機は、特定の後継機を導入せずに他のシステム全体で任務を引き継ぐ方針を決定したJSTARSと同様に、センサーネットワーク、衛星、地上サイトなど全体で引き受けるとの方針を示したからである
2020年時点で米空軍は、22機のRC-135、2機のWC-135、2機のOC-135、1機のNC-135、2機の訓練用RC-135を保有している予定である
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RC-135s-w.jpg米空軍はF-35やB-21次期爆撃機やKC-46空中給油機を最優先し、結果として、脅威下で残存できないとの理由でJSTARSや大型有人ISR機の後継を考えない方針を選択したのでしょうが、本当にそれでいいのか・・・との議論は当然出てきます

いつまで米空軍は、F-35命で調達予定機数1730機余りを維持できるのでしょうか・・・・時間の問題でしょうねぇ・・・

米空軍ISR関連の記事
「米空軍が新ISRロードマップ決定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-3
「情報部長が中露のAI脅威を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21
「無人機要員の削減を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25

EW関連の記事
アクセス数が多い記事ばかりです。是非チェックを!
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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無人機ウイングマン構想を熱く語る [米空軍]

XQ-58 Valkyrieの将来発展プロジェクト名がSkyborgでした
XQ-58機体にセンサーやNet能力を付加して無人僚機に

Skyborg.jpg21日、F-35など有人機と無人機で編隊を構成する構想について、米空軍省のWill Roper調達担当次官補がDefense-Newsの独占インタビューに答え、初飛行を3月に置いた機体や他の提案機を活用し、2023年には何らかの形で実現したいと述べました

この2023年とは、F-35の次世代型「Block 4」が生産開始される年でもあり、無人機を従えるための追加ソフト「アプリ」を操ることが出来る搭載コンピュータ能力やメモリー量を備えた機体が手に入るタイミングでもあるようです

また来年度予算で購入する方向にあるF-15EXについても、製造するボーイングは無人機を従える拡張性を備えた設計をしていると自信たっぷりで、既に米空軍側から初期段階の相談を受けていると幹部が語っています

XQ-58A.jpgそもそも有人機と無人機を組み合わせる構想は、有人機にリスクを負わせることなく無人機を敵近くまで侵入させて敵情把握をさせたり、また「空飛ぶ弾薬庫」として無人機を活用し、有人機の指示でリスクを冒して攻撃を行うなどのイメージが考えられています

これら構想の実現には、無人機に搭載する「人工知能:AI」の出来栄えが鍵になるのですが、AI分野の最先端研究機関を訪問したRoper氏の率直な感想は、まだ現時点ではそのレベルにはない・・・・であり、2023年は安全に編隊が組める程度の完成度が狙いかもしれません。少なくとも現時点では・・・

22日付Defense-News記事によれば
●Roper次官補はインタビューで、3月に初飛行に成功したXQ-58 Valkyrieや他の候補無人機にセンサーやネットワーク機能を搭載し、有人機のウイングマンとして活用する「Skyborg」構想に取り組んでいると語り、2023年には無人機側を形にしたいと述べた
無人機ウイングマンは量産されれば、1機数億円レベルになり、もちろん再利用可能だが、作戦中に失われることも想定した機体が考えられており、既に米空軍研究所とロッキードやボーイングを交えた話し合いが始まっている

●同次官補は「次世代F-35であるBlock 4での能力向上が大きな機会と考えており、F-15EXについてもそう考えている」と語り、人工知能が有人操縦者と共に状況に応じた対処を学び、スターウォーズに登場する「R2-D2」の様な形もあり得るとの夢を語った
Roper5.jpgロッキード社は2023年に製造が開始される「tech refresh 3」を経た情報処理能力が高いF-35をSkyborg構想に最適だと主張し、ボーイング社はF-15EXの拡張性と先進技術を機体に取り込む方法について米空軍と既に議論開始していると自信を示している

しかし夢が広がる中で、具体的にどの機体と無人機ウイングマン機を結びつけるのかは明らかではない
無人機側についていえば、無人XQ-58 Valkyrieは、高いレベルの亜音速飛行が可能で、500ポンド搭載で1500nmの航続距離を達成しているが、3月に空軍は情報提供要求を発出し、他の機体の提案も待っている状態であり、提案要求書には2019-20年に試験フェーズを行い、2023年に無人機側を形にしたいと記されている

一方で、技術面でのカギを握るのはAI技術であるが、最近MITを訪問したRoper次官補は研究者たちから、現在のAI研究は家庭電化製品のネット接続など目先の商業需要にけん引されており、車の自動運転に必要な信頼性や聴取能力をつかみ取るのは今後の課題だと聞かされている

●しかしRoper次官補が強調するSkyborg構想の大きな挑戦は、技術面だけでなく文化面である
文化面とは、如何に航空機を運用するか、如何に有人機と無人機が任務を分担するか、AIに何を任せるかするか、AI搭載の無人機を従える有人機パイロットはどのような能力を備え、逆にAIにはどのお様なことを学ばせる必要があるか・・・などなどを指し、考えるべき点は尽きないとRoper次官補は述べた。
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XQ-58A 2.jpg一般論としては、有人機と無人機の編隊構成はあるのでしょうが、そのような編成が必要な強固に防御された空域を構成できる相手なら、これら航空機の根拠基地である飛行場を数発のミサイルで無力化することをまず最初に考えるのではないでしょうか・・・・。それは政治的にハードルが高いというのでしょうか・・・

米空軍では、次世代戦闘機構想(PCA)がすでに出来上がっているはずのタイミングですが、全く話が出て来ませんし、この無人機ウイングマン構想と正面衝突しているような気がしてなりません

Roper次官補が文化面(culture)として本当に言いたかったのは、ウイングマンが無人機にとってかわられると、有人パイロット数が削減され、有人機が削減されると懸念する戦闘機族が反対して純粋な軍事的議論が進まない問題のことだと思います。でなければ「culture」との言葉は使わないと思います・・・

無人機ウイングマン関連
「別の無人機Skyborg構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

米空軍の次世代制空機検討PCA
「PCA価格はF-35の3倍!?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15
「秋に戦闘機ロードマップを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

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退任直前の空軍長官インタビュー [米空軍]

空軍士官学校卒で初の空軍長官
制服組から宝くじに当たったような素晴らしい長官と
Mattis前長官の要請で空軍長官に

Wilson2.jpg14日、5月末に2年間の勤務を経て第24代空軍長官の職を辞し、テキサス大学の学長に就任するHeather Wilson空軍長官が最後の部隊訪問を終えた帰路の機中でmilitary.comの取材を受け、様々なテーマについて語っています。

空軍士官学校を卒業後、数年間の制服勤務の後、安全保障コンサルタント会社、議会スタッフ、ホワイトハウスの軍事担当補佐官、下院議員、技術系大学学長などを経て2017年春から空軍長官を務め、現在の空軍参謀総長から「宝くじに当たったような素晴らしい空軍長官」と評価される能力・人格両面で優れた長官でした

このような人材ですから、Mattis前国防長官がトランプ大統領により前倒し辞任に追い込まれた後は、後任国防長官の最有力候補と噂されましたが、 就任から2年を迎えるタイミングであっさり空軍長官辞任を表明し、大学教育の場に移ることを表明しています

wilson8.jpg心ある有能な人材がトランプ大統領とうまくやっていける訳がないのですが、Wilson空軍長官も予算や宇宙軍創設を巡りトランプ大統領やホワイトハウスとはしばしば意見が合わず、特に宇宙軍創設を巡り大統領との対立が伝えられてた際は、空軍長官が更迭されるとの噂も流れました

そんな厳しい空軍長官の経験を踏まえつつWilson長官が語った内容を、15日付military.com記事からつまみ食いで紹介します

宇宙軍の今後について
●組織体系や管理要領など目の前の課題はもちろんいろいろあるが、一番大きいのは、宇宙軍の人材をどのように育てていくかであろうと思う。今までは主に空軍の教育体系の中で育て、もちろん陸海の人材も加わるのだが、それで何とかやってきた
●しかし今後、宇宙軍として人材の育成を考えるとき、高校や大学を卒業した新卒者を宇宙軍の中でどのように育成していくかは大きな課題だ。多くの重要な宇宙軍のアセットは、一度打ち上げてしまえば直接触れることができなくなり、陸海空軍等とは全く異なる状態での勤務となるからだ

NDSでは本格紛争への備えを重視するが
wilson7.jpg●本格紛争の備えはもちろん重要で、対テロ意識からの切り替えが必要だが、本格紛争のシミュレーション演習をやって感じるのは、中露とのグレーゾーンでのやり取りの難しさである
本格紛争以前の段階で「影響力作戦」のように相手政府を弱体化させる工作は、中国やロシアが得意とすることろで、クリミア半島でロシアの動きを我々は目撃したが、中国がベネズエラで影響力を強めている状況もある。この分野で米国は努力する余地が大いにある

やり残したことや後任者の課題は
●やるべきリストは絶えず増えるが、科学技術戦略や士官評価制度の見直しなどなどである。私は就任以前に想定していたよりも多くの時間を、宇宙戦力や予算について割かねばならなかったと感じているが、重要な課題である。装備品の維持管理戦略も重要な課題で、また部隊の即応態勢や装備品の稼働率アップも大きな課題である。
●私の後任者がより多くの時間を割くことになろうと思われる分野は、多くの同盟国やパートナー国がある中で、どの国に注力する必要があるか、10年後を見据えてどこが重要かを考えることが重要になると思う

急いでやるべきことは
空軍参謀総長はもう少し時間をかけるべきだと言うが、私は人事制度改革を進め、評価・昇任・教育体系等の幾つかの問題をただしてきた変化の激しい新しい時代に対応するため、多様な人材を空軍は必要としており、人事制度は改革し続けなければならない

長期的視点で米国の安全保障上の脅威は
急速に力をつけ、今世紀の半ばまでに大国の地位を構築するとしている中国の決意と現状が最も大きな脅威である。今後10年間、中国がどのような軌跡をたどっていくか、非常に興味深い

空軍を去るにあたって名残惜しいことは
WilsonAFA.jpg●これまでのキャリアの中で、様々な優れた人材との出会いで私は成長することができた。初代ブッシュ大統領であり、スコウクロフト将軍(大統領補佐官)、ゲーツCIA長官&国防長官、同僚として勤務したコンドリーサ・ライス女史などである
●ありきたりな答えになるかもしれないが、空軍兵士と接する機会をなくすことは残念だ。私が若手士官の時、こんな将軍の様にはなりたくないと感じる人物もいたが、20年近くの継続する戦いを経た現在の空軍は、Battle-testedな優れた人材ばかりである。特にGoldfein参謀総長のような優れた人物と仕事を共にした経験は初めてである。彼と仕事ができなくなるのは残念
////////////////////////////////////////////

特に申し上げることはありません。非常に残念です

ド派手なご経歴の後任候補に期待いたしましょう・・・

「空軍長官の後任候補」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-22

最近の同長官の記事
「宇宙攻撃能力を示せ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-11
「3軍の長官が士官学校問題を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「再びKC-46A受け取り拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「S臨時国防長官の後任か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-23
「北極圏に関する寄稿」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-13
「戦力大増強と原点回帰訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19-1

「Wilson長官辞任発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09
「Wilson長官のご経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24

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再び女性が次の米空軍長官候補に [米空軍]

民間人で初めてFA-18で空母に着艦した人物
宇宙飛行士の訓練済でバックアップ要員だった人
フィンランド大使経験で過去にも空軍長官候補に

Barrett.jpg21日、トランプ大統領が次の空軍長官候補に、ビジネス・航空宇宙・政治の面で実績がありそうなBarbara Barrett女史を推薦する予定だとツイートしました。仮に議会で承認されれば、3名連続で女性が米空軍長官に就任することになります

非常に惜しまれつつ5月末に空軍長官職を去るこのHeather Wilson空軍長官の後任で、まんぐーすの理解を超えるご紹介するのが難しい Barrett女史(68歳)ですが、上院軍事委員長や空軍出身のMartha McSally上院議員からも適任だとのコメントが早々に出されていることから、議会承認には問題はなさそうな雰囲気です

ご主人が元インテルCEOで、ご本人も30歳前にフォーチュン500社の企業2社で役員を努めていたというご夫婦そろって輝かしいご経歴の持ち主です。

多くの企業や公的機関やシンクタンクの評議員や取締役会メンバーだった経験があり、どれが現状で過去なのかよくわかりませんが、とりあえずのご紹介をしておきます

21日付米空軍協会web記事等によれば
1950年アリゾナ州生まれで、テキサス州立大学の法律修士号を取得。著名な法律事務所の設立メンバーとなる。30歳前にフォーチュン500社の企業2社で役員を努める
2代目ブッシュ政権時の2008年から8か月間ほどフィンランド大使を務め、同ブッシュ政権時には国連大使の上級顧問も努める

Barrett2.jpg同ブッシュ政権時に空軍長官候補者に名前が挙がったが、当時は推薦を辞退している
1994年に女性として初めてアリゾナ州知事の共和党候補に挙がったが、共和党内の候補者絞り込みの中で漏れた

2010年の国際宇宙ステーションへソユーズ打ち上げメンバーのバックアップメンバーに「ツーリスト」として登録され宇宙飛行士の訓練も経験した模様
●時期は不明ながら、航空機は計器飛行資格を持ち、民間人で初めてFA-18で空母への着艦を行った経験者と記録されている

航空宇宙や国防関係の職務経験としては、連邦航空局FAAの副局長(レーガン政権時)、RAND研究所や宇宙財団やレイセオン等々の評議員を多数務めている

推薦に関する関係者の発言
Barrett.jpg●Jim Inhofe上院軍事委員長はツイッターで、彼女のビジネス、政府、外交官としての輝かしいキャリアと、航空宇宙分野における長年の経歴は、空軍長官職にとても適しているとツイートした

●空軍のA-10飛行隊長まで務めたMartha McSally上院議員は、「Barrett大使の指導力、経験は米空軍を新たな脅威の時代を迎える時代で導くにふさわしいものであり、航空宇宙における支配を今後も確実にしてくれるもので、Wilson長官の素晴らしい功績事例を継いでくれると確信している」、「トランプ大統領にも彼女の素晴らしさを最近紹介した」とコメントを出した
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Wilson空軍長官の離任式が終了するのを待って、トランプ大統領は後任者発表ツイートを行ったようで、大統領との折り合いはともかく、空軍内のみならず議会でも評価が高かった現長官への礼儀を尽くす姿勢を示したようです

コメントをする知識がありませんが、宇宙軍創設をぶち上げて推進しているトランプ大統領ですので、宇宙飛行士の資格を持つBarrett女史に関心を持ったのかなぁ・・・と思いました

フィンランド大使を1年未満で交代し、すぐさまソユーズ宇宙船のなんちゃってバックアップ要員に選ばれている辺りが、なんとなくしっくりこないのですが・・・(宇宙飛行士の写真は2009年のもの)

いろいろ報道を見ましたが、結局は以下のウィキペディアの経歴をコピーしたもので、実際の人物像は、外国人のまんぐーすには良くわかりません
米国にはいろいろな人材がいるなぁ・・・というのが率直な感想です

ウィキペディアのBarbara Barrett女史
https://en.wikipedia.org/wiki/Barbara_Barrett

最近の空軍長官の関連記事
「宇宙攻撃能力を示せ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-11
「3軍の長官が士官学校問題を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「再びKC-46A受け取り拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「S臨時国防長官の後任か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-23
「北極圏に関する寄稿」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-13
「戦力大増強と原点回帰訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19-1

「Wilson長官辞任発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09
「Wilson長官のご経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
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米空軍が無人救難ドローンの提案を募集開始 [米空軍]

この分野にもついに無人機が進出か
リスクを負う兵士の数を局限するため・・・

drone rescue.jpg16日付米空軍協会web記事によれば、米空軍が敵地や厳しい環境での運用を想定した救難救助無人機の提案を募集し始めた模様で、提案の募集は「SBIR:Small Business Innovation Research」のwebサイト上に募集要件が掲載され、7月1日まで募集しているようです

ドローンの活用分野は様々に拡大しており、一般社会への普及と小型化や低価格化には驚くばかりで、ふと空を見上げた時にドローンを目にすることも増えてきました。(その多くが飛行禁止空域など考えていない飛行のような気がしますが・・・)

軍事への応用も様々ですが、任務上のリスクという点では最上位に位置する救難救助(rescue)でも、本格的に導入が検討開始されたようです。
ここでのレスキューは、航空機から脱出した操縦者の救助という目的だけではない、紛争地域や敵支配領域に侵入して任務を行う特殊部隊員の回収なども任務に含むようです

以下では16日付米空軍協会web記事から、その要求性能をご紹介し、米空軍のイメージを把握したいと思います

レスキュー無人機に求められる性能
drone rescue2.jpgCH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能で、一方で地上クルーにより地上から30分以内に発進させることが可能
2-4名と担架一台が輸送可能で、200nm飛行可能

未舗装地への離着陸が可能で、指定された50×50フィートの範囲で離着陸できること
敵から発見されない性能を追及し、特に離着陸時の騒音局限を重視する

高いレベルの自立運航能力を備え、現有の無人機と同じく保全されたデータリンクで遠隔操作が可能
様々な運用環境で使用可能で、ジャングル、砂漠、海上なども運用対象エリアに含まれる。

提案要求の説明文では
drone rescue3.jpg●国家防衛戦略NDSの狙いに沿い、世界中の作戦地域で、敵の攻撃下にあっても、戦力を展開させ、作戦させ、機動展開させ、再投入することを全てのドメインで実現する必要がある
●またこのような多様な想定では、人里離れた場所や、遠隔地での作戦遂行が求められ、このため低コストで小さなチームを投入・脱出させるオプションを増やす必要があり、併せてこれら輸送に伴う人的リスクを増加させないで実現する必要がある
/////////////////////////////////////////////////////

「CH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能」の部分に驚きましたが、よく考えれば必要な能力ですねぇ・・・

どの部分の要求のハードルが高いのかよくわかりませんが、非常に面白いです。この技術は「無人空中タクシー」にも応用できそうな気もしますし・・・

7月1日の締め切りが楽しみです。何らかの報道が出ることを期待いたしましょう

おまけ映像(これは有人機)
5月17日に初飛行した米空軍の次期救難ヘリHH-60W


無人機関連の最近の記事
「無人機でサイバー攻撃に反撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-11-1
「空軍のジェット無人戦闘機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「中国製無人機が増殖中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-06-2

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F-15搭載自己防御レーザーの基礎試験成功 [米空軍]

また地上試験ですが
まだ軽量化・高出力化等の課題ありですが

SHiELD.jpg3日、米空軍研究所AFRLは、2021年にF-15搭載PODの形で飛行デモを予定している自己防御用レーザー兵器の基礎試験として、地上配備の装置でミサイル迎撃に成功したと発表しました

試験は4月23日にニューメキシコ州のホワイトサンズ試験場で行われ、どのようなミサイルを対象に試験が行われたのかは明らかにされていませんが、「a key milestone」を達成したとの発表がされているのでご紹介しておきます

3日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍研究所AFRLによる航空機の自己防御用レーザー開発計画は、「SHiELD」(Self-Protect High-Energy Laser Demonstrator)と呼ばれているが、4月23日に地上装置を用いた一連の試験を成功裏に終了し、一つのカギとなる成果を上げたとAFRLが発表した
Laser HEL.jpg●発表声明は、「Demonstrator Laser Weapon Systemが複数の飛翔中の空中発射ミサイルを迎撃した」と言及しているが、どのようなミサイルが目標に使用されたかは不明である

●「SHiELD」はF-15の自己防御装置PODとして開発されており、同PODから発射される強力なレーザーにより地対空ミサイルや空対空ミサイルからF-15を防御することを狙いとしているが、航空機からの高出力レーザーでのデモが2021年に計画されている
●本計画には、ボーイング、ロッキード、Northrop Grummanが分担して参画しており、レーザー生成部分、ビーム制御部分、POD部分などに分かれて取り組んでいる

●AFRLは声明で「一連の試験はSHiLD開発の重要なステップの一つで、目標となるミサイルに対するレーザーの有効性を確認するものである。しかし最終的なシステムは、より小型軽量で、航空機搭載時の環境に耐えるものである必要がある」と述べている
米空軍は今年1月、SHiLDよりも高出力の次の世代の装備についても検討していると明らかにしている
////////////////////////////////////////////////////////

Laser NG2.jpg3年くらい前に非常に盛り上がったレーザー兵器等のビーム兵器ですが、最近はあまり目立った発表や報道がありません

ファイバーレーザーが大きな技術的ブレークスルーだったようなイメージでしたが、依然として高出力を車両搭載型や航空機搭載型で実現することは「いつまでたっても完成まであと5年」状態なのかもしれません

自己防御型の場合、ミサイルを完全に破壊しなくても、シーカーなどの誘導装置を無効化することで役割を果たせるのですが、ビーム制御や出力確保(&小型化)は容易ではないのでしょう

エネルギー兵器関連
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24

「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1

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太平洋空軍が戦力緊急分散(退避)演習 [米空軍]

台風による緊急避難との名目ながら・・・
わざわざ三沢や嘉手納や横田から戦力を集め緊急避難を 

Resilient Typhoon3.jpg4月22日、太平洋空軍は配下の航空部隊をいったんグアムに集め、その後、台風からの緊急避難の名目のもと緊急にサイパン島周辺の島々に分散避難する演習「Resilient Typhoon」を行いました

この訓練は名称に「台風」を入れて「ギラギラ感」を出さないようにしていますが、担当幹部が「作戦環境と世界脅威の急激な変化」を訓練背景として語っているように、グアムが中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルの攻撃を受けそうな場合の緊急避難を強く意識したものと考えて間違いありません

そして三沢や嘉手納基地所属の米空軍戦闘機が訓練に参加し、グアムからの避難訓練を行っている様子から、地域の米軍航空戦力を取り巻く情勢が如何に厳しいものとなっているかを示すものとなっています

23日付米空軍協会web記事によれば
●4月22日、太平洋空軍は、仮に母機地を放棄せざるを得ない状況になっても、他の分散配置された基地で作戦を継続できるよう、「Resilient Typhoon」演習を実施した

Resilient Typhoon4.jpg●演習は、大きな気象脅威を想定し、グアム島アンダーセン基地に集結していた航空戦力を、周辺のテニアン、サイパン、ミクロネシア、パラオに緊急分散避難させる形で行われた
●同演習には、三沢基地のF-16、嘉手納基地のF-15、横田基地のC-130、ハワイ・ヒッカム基地のC-17とF-22が参加し、アラスカのエレメンドルフ基地からも人員機材が参加した

●太平洋空軍戦略計画部長Michael Winkler准将は、「作戦環境と世界脅威の急激な変化を受け、我々の前方展開部隊は対処の余裕が無い場合においても、緊急事態対処が出来なければならない。そして我が戦力は主導の地位を獲得、確保、保持するため、流動的に機動展開できなければならない」と声明の中で述べている

●また同部長は「危機的災害における人道支援対処のため、関連地域に展開できることが一つの重要な鍵である」と述べ、各所の飛行場を理解すれば理解するほど、対処能力とその速度は向上すると付け加えた
太平洋軍司令官Charles Q. Brown大将は年初に、太平洋空軍として地域の代替基地候補を調査し、関係国政府とどの飛行場が米空軍の緊急飛行場として利用可能かを協議していると語っている
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Resilient Typhoon2.jpgいつものように、相も変わらず戦闘機中心の防衛力整備にながれ、亡国のF-35大量購入に踏み切る日本は、ちまちま滑走路普及部隊の整備や、焼け石に水の代替飛行場確保に取り組んでも、所詮は「戦闘機だけ防衛力整備」の言い訳に過ぎないことを、真摯に認めるべきだと思います

有事近づいたら米空軍のF-15もF-16もC-130も、全てグアム以東に避難するとのシナリオを頭に置きつつ、航空自衛隊の航空戦力が無残にも地上で戦う前に討ち死にする可能性を真剣に考え、防衛力整備の方向を今すぐ再検討すべきと考えます

米空軍の西太平洋対策
「担当空軍司令官がACEを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09 

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1

「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

関連の多様な記事
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 

くたばれ戦闘機命派
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20
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米空軍ACC司令官がEW体制見直しを語る [米空軍]

電子戦専用機は現時点で考えない
基本DistributedなEW戦略で行く

Electronic Warfare.jpg16日、米空軍戦闘コマンド司令官Mike Holmes大将が米空軍協会のイベントで講演し、米空軍が1年かけて行ってきた電子戦EW見直しの結果について、限定的ながら少し具体的に語り、新たな空軍司令部での部署設置や装備品整備の方向性について触れました

講演後に米空軍報道官室には、講演内容に関する具体的な時程や細部を確認する問い合わせが相次いだようですが、講演内容以外については答えられないとの姿勢で終始一貫しているようです

米軍だけでなく米国防省も最近は、中国やロシアを利する可能性がある構想や戦略やレビュー文書の細部を非公開にすることが多く、このような講演の切れ端も貴重な情報ですのでご紹介しておきます。

16日付米空軍web記事によれば
HOLMES4.JPG●同司令官は、約1年間に渡りEWに関するECCT(Enterprise Capabilities Collaboration Team)が検討した電子戦レビュー(review of electronic warfare) について、電磁優勢EMSを将来にわたり確保するための新たな組織体制や施策について、従来よりも突っ込んで語った
●そしてECCTが同レビューが提言している主要な3点や関連事項について説明した。しかし、提言を実現する具体的な時期や要領等については言及せず、空軍報道官室も講演以上に説明できることはないとの立場を表明している

●まず電磁優位確保の責任者を空軍司令部におく
---空軍司令部内に「EMS Superiority Directorate」を設け、将官をトップにつけ、空軍内のEWの優先投資事項を見極めさせる
---担当範囲には、無人デコイのMALD、F-15CやF-15E搭載のEPAWSS電子戦システム、ALQ-131電子自己防御装置、光電赤外線センサーF-35のEOTS、先進スナイパーポッド等々があるが、サイバー攻撃やサイバーモニターシステムが所掌範囲かは不明

●次に、バラバラな電磁優位活動を一つの組織に融合
---米空軍内の電子戦取り組みをまとめるマルチドメイン組織を設置し、ソフト開発などを集約する。本組織は迅速な脅威への対応を実現するため、「machine-to-machine」認知連鎖や適応をリアルタイムで追及し、勝利のため連携した「分散型システム:distributed systems」を敵電子優位システムを撃破するために展開する

●更に、米空軍内の電子線魂を再活性化
EW Cognitive.jpg---米空軍司令部の電子戦部門長を先頭にして、米空軍全体に電磁優位魂(EMS warrior ethos)を醸成するため、空軍全体を対象とした教育訓練プログラムを構築する。なぜなら情報作戦は電子戦担当者だけでなく米空軍全兵士が関わる戦いだからである
---米空軍のEWに関わっていた者は、10年以上にわたり、米空軍の電子線活動が縦割りで、中露の脅威に対し不適切な状態にあると不満を訴えてきた

●ECCTのGaedecke准将は、EWは国家防衛戦略の基礎であり、米空軍指導力がEWの研究、開発、技術、革新の全てで求められると述べ、同時に不遇の時代にもEWの重要性を訴え続けてきた空軍兵士に大声で感謝を述べたいと1月に語っている

●Holmes司令官はインタビューで、電子専用機で1999年に退役したEF-117のような機体を導入するつもりはないと述べ、「米空軍は今、分散型システム(distributed systems)を追及している」と説明している
●一方で同司令官は、突破型の電子攻撃プラットフォームを将来導入する可能性について否定せず、次世代制空のためのシステム検討の中で吟味されると表現した
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EW Cognitive3.jpgあまりパッとしない、レビュー前から分かっていたことじゃないの・・・と言いたくなるような内容です。

本当は、統合面での言及ももっと必要だと思うのですが、良くわかりません。相変わらず米海軍のEA-18Gに同乗させてもらってエスコートEWを実施している現状について、どう考えているんでしょう?

予算面での手当ては大丈夫なんでしょうか? とりあえずF-35とB-21に投資しておけば大丈夫・・・なんて本音も聞こえてきそうです

EW関連の記事
アクセス数が多い記事ばかりです。是非チェックを!
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02
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米空軍が上下別の飛行服を検討中 [米空軍]

戦闘機Pのシンボル的なつなぎスーツが変わるか
まずは輸送機とヘリから、トイレに便利

A2CU 2.jpg19日付military.comが、米空軍がパイロットの象徴的スタイルである「上下つなぎ」のパイロットスーツの見直しに着手し、通常の戦闘服スタイルの上下別の飛行服を輸送機やヘリ操縦者に許可して使用をはじめて受け入れられていることから、緊急脱出装置付きの戦闘機操縦者にも上下別タイプが提供可能かどうか安全面での確認を行っていると報じています

そもそも、なぜパイロットの飛行服が上下つなぎなのか・・・・。恐らく、戦闘機が攻撃を受けて火災を越した場合に、上下の隙間なく耐火性の飛行服を着ることで火傷を防ぐためや、操縦席からイジェクションシートで緊急脱出した際、パラシュートと身体を一体的に結びつけること、また着水して漂流する際に体温低下を防ぐため、与圧スーツとの関係、耐水服との関係・・・などの理由だと思いますが、今や一つの別人種であることを表すスタイルとなっています

実際の着心地から言えば、トイレに行ったとき大変・・・、特に女性は・・・ということで、この飛行服見直しの主担当はSaily Rodriguez少佐という女性で、Life Cycle Management Centerの「female fitment program manage officer for the the human systems program office」との役職の士官です

まぁ、トイレの不便さだけが見直しの背景ではないと思いますが、輸送機には急速に上下別の飛行服が普及しているらしいとは言え、戦闘機にはどうでしょうか・・・。安全面で基準をクリアーできたとしても、戦闘機操縦者のプライドの象徴ですからねぇ・・・。パイロットが難癖付けて普及しないような気がします

19日付military.com記事によれば
A2CU 3.jpg●18日、Rodriguez少佐は「上下別の2ピース飛行服が搭乗員に提供できるかを検討している」とmilitary.comの取材に対して述べ、つなぎ型から上下別にする利点は、トイレの利用しやすさと全体的な快適さのためであると説明した ●そして「上下別型は広範な観点から検討中であるが、特に安全性面で搭乗員の服装として適当かどうかの点を重視して確認している」と耐火性の確認などを行っている現状を語った

●既に脱出装置の無い輸送機やヘリでは、既に上下別タイプの戦闘服が搭乗員に使用され始めている。2017年、米空軍は上下別の迷彩戦闘服に似た通称「A2CU:Airman Aircrew Combat Uniform」をヘリや輸送機で着用することを認めたのだ。
A2CUはつなぎ型飛行服と同じ耐火性の繊維で作られており、脱出装置の無い航空機での着用が認められた以降、輸送機の定期運航分などから使用が広まっており、米本土では特に広まっている

各級指揮官もA2CUの使用を様々な場面で認めるようになってきており、訓練時や国外展開時にも使用が広がっている。最近の米空軍輸送コマンドの演習「Mobility Guardian」でも、同コマンドはA2CUの着用をオプションとした
●Rodriguez少佐は、米空軍だけでなく、陸軍でも上下別タイプの飛行服検討が行われているとコメントしている。ただし、急速に更に上下別タイプが普及するとは考えておらず、まだ安全性を確認している段階にあると慎重な姿勢を示した
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A2CU 4.jpg輸送機やヘリ搭乗員は飛行時間が長いから快適な上下別型を早期に許可し、安全面で検討事項が多い戦闘機乗り用には確認に時間がかかっている・・・・との説明のように解釈しましたが、救命救助ヘリは戦闘機以上に厳しい環境で運用する訳で、なぜ確認に時間がかかっているのか理解できません・・・

邪推ですが、つなぎ飛行服が廃止されると、またはつなぎ以外にも着用が認められると、戦闘機パイロットの領域が侵される、スタイルイメージが崩れる、他職域との差別化レベルが低下する・・・などの戦闘機操縦者世界や文化からの抵抗が全ての検討を長引かせているのでは・・・と疑ってしまいます

A2CUがこれほど急速に普及する中、戦闘機だけ・・・、なんか変です。

米空軍カテゴリー記事600本 https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801463-1

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また米空軍研究所が無人ジェット機開発 [米空軍]

何がやりたいか見えません
先日紹介のXQ-58A Valkyrieとの違いは?

Skyborg.jpg3月末、米空軍省の調達責任者であるWill Roper氏が昨年10月から検討を開始したという米空軍研究所AFRLの「Skyborg」 との名前の無人機コンセプト図を公開し、関係企業の保有技術で何が実現可能か情報提供を募るRFI(request for information)を発出しました。

各種航空メディアは、この3本脚のずんぐりステルス形状のような機体を「無人ウイングマンのコンセプト図だ」とか、安価な無人戦闘機開発の原型だとか紹介していますが、3月5日に初飛行した同じく空軍研究所AFRLが開発を主導する「XQ-58A Valkyrie」もあることから、「米空軍は何をしようとしているのだ?」との疑問がくすぶっている状態です

もちろん一般的なイメージ理解としては、「XQ-58A Valkyrie」がMQ-9の発展形の無人機で、長時間在空のISR+攻撃能力を備え、ステルス形状で強固に防御された敵空域での戦いにも投入可能な方向を追及し、「Skyborg」が無人ウイングマンタイプで、例えばF-35が10機の「Skyborg」を引き連れて強固に防御された敵空域で行動するイメージだと思います

XQ-58A.jpgしかし両方の関係者はそれぞれに、「何ができて、何ができない、との縛りはない。AIや電子戦やサイバーも絡め、幅広い可能性を探っていく」との姿勢で現状を語っており、技術先行で運用コンセプト後回し状態が感じられます

このような状態に米議会からは、航続距離が短く搭載量も少ない従来型戦闘機の延長であるF-35に資源と労力の多くを費やしている米空軍は、戦闘機パイロットが支配する米空軍は、今生まれつつある最新技術を生かせないのではないか・・・との疑念も生まれつつあるようです(前からあった疑念が、いよいよ表面化したともいえますが・・・)

とりあえず本日は「Skyborg」の状況を、「XQ-58A Valkyrie」と絡めてご紹介し、無人機研究から垣間見えるコンセプトの混迷を垣間見たいと思います

4日付米空軍協会web記事によれば
3月末、米空軍は2023年までに運用態勢確立を目指す「Skyborg」のイメージ図を公開したが、米空軍自身がどのような無人機にするのか、すべきなのか決めていない。計画公表時には、悪天候でも自動で離着陸でき、他機や山や障害物との衝突を回避できるもの程度の解説だった。
Skyborg2.jpg●また「Skyborg」の方向性を検討するため発出されたRFIには、複雑なAI技術開発の機会となる「modular, fighter-like aircraft」で、「ここでのAI技術とは、単純な飛行制御から複数の主任務とサブ任務を自律的に遂行する技術までも含まれる」と狙いが記されている

●一方で3月5日に初飛行した「XQ-58A Valkyrie」も、今後半年間の5回の飛行で飛行特性などの確認試験飛行を行うが、「(基本的に長距離攻撃とISRを念頭に設計されているが、)高い亜音速飛行能力と高G旋回飛行が可能な飛行特性を備えており、何が可能で、何をすべきではないとの制限は設けていない」とプロジェクト報道官が語るように、将来に柔軟性や発展性を持たせている
●また価格的には、100機以内製造の場合は1機3億円で、それ以上だと2億円程度に抑えられる見積もりがあり、様々な応用アイディアが議論されている

約20年前に登場したMQ-1プレデターは近代戦を大きく様変わりさせ、作戦面、法規面、文化面にまで議論が及ぶことになったが、開発が進む2機種はその性能で活動領域や任務を拡大させ、戦い方を大きく変える可能性を秘めている。しかし具体的な姿は見えていない
●2009年に米空軍は「2009 Air Force UAS flight plan」を発表して無人機の将来構想を示したが、その検証や見直し議論は聞こえてこず、未だにF-35やF-15EXやFA-18などの従来戦闘機の議論が日々を賑わしている現状である

Skyborg3.jpg●専門家は、「基本的にF-35, F-22, and B-21で構成される米空軍が一般的にイメージされている。従来の発想の中での議論から抜け出せておらず、これだけ無人機技術が進歩し、実際の役割も拡大してるいる中でも、本質的な変化が見られない」と懸念している
●退役米空軍中将であるDeptula氏は、有人機と無人機の両方が必要で、無人機だけで多様で複雑な任務を全て遂行することは不可能と語っており、これは一般的にも理解される考え方であろうが、有人機と無人機の融合やミックスを整理するには「一世代」必要だと言われると複雑な思いも感じる

●つまり、米空軍を支配する戦闘機パイロットが、無人機の活用やその活用法議論の障害となっているのではないか・・・との疑念がそこにある
●3月20日、下院軍事委員会の小委員長は「I love leather jackets and fighter pilots, but that’s not the future」、「無人機がこの世界ではますます重要になっている」と語っている
/////////////////////////////////////////////////

それから、これら無人機を表現する際の新たな用語として、英和辞書にはない「attritable」との言葉が使用され始めています。

これは、使い捨てとまではいわないが失っても打撃にならない程度に安価で、一方でそれなりの性能を供えた無人機を表現する形容詞の様です。今後使われるでしょうからご注意ください

久しぶりに「leather jackets」への愚痴が出てしまいました・・・

関連の記事
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

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