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第9回中国安全保障レポートは「一帯一路」 [中国要人・軍事]

「核心的利益を追求する中国の行動は、周辺諸国との摩擦を高め、アジアの地域秩序に関する中国戦略は、必ずしも順調ではない」

2019Report中国.jpg1月30日、防衛省の防衛研究所が、第9回となる「中国安全保障レポート」を発表しました副題として「アジアの秩序をめぐる戦略とその波紋」を掲げ、日英中の3か国語で全文が提供され、防衛研究所webサイトで無料公開されていますので、是非ご覧ください。

このレポートは、世界に大きな影響を与えつつある中国の戦略的・軍事的動向を分析し、「あくまでも執筆者の個人的見解で、防衛省の公式見解ではない」との注釈付ながら、実質的には防衛省の見方を国内外に発信するためのものです

記事末尾の過去レポートの紹介記事が示すその時々の中国を表現するテーマを掲げて、中国の動向を分析しており、レポート本文中には、本レポートの内容を基に諸外国の研究機関との意見交換を行っているとの記述も見られます。

one belt one road5.jpg今回のテーマは「一帯一路:one belt one road」や中国の対外政策で、膨大な人口を背景にして魅力的な市場となっている中国が、その経済力をテコに周辺諸国に対して、「真綿で首を締める」様な「協調&強硬路線」を採っている様子を紹介しています

レポートの構成は以下の通りでまず全般状況を概説し、次に地域ごとの様子を取り上げる形をとっていますが、本日は各章の概要をレポートの要約部分から「ちらり」とご紹介します。

第1章 既存秩序と摩擦を起こす中国の対外戦略
第2章 中国による地域秩序形成とASEANの対応
第3章 「一帯一路」と南アジア――不透明さを増す中印関係
第4章 太平洋島嶼国――「一帯一路」の南端

第1章 既存秩序と摩擦を起こす中国の対外戦略
one belt one road.jpg●習近平政権は、「一帯一路」に代表される協調重視の「平和発展の道」と、強引な海洋進出に見られる対立もを辞さない「核心的利益の擁護」という2つの対外方針を同時進行している。
●更に中国は、「中国の特色ある大国外交」を標榜し、中国の発展途上国への発言力強化で国際秩序の改編を目指している。

●こうした中国の動きは、米国や先進国の警戒を呼び、途上国の間には経済合理性や透明性に欠けてる「一帯一路」構想への疑念が拡大している
●更に「核心的利益」を追求する中国の行動は、周辺諸国との摩擦を高め、アジアの地域秩序に関する中国戦略は、必ずしも順調ではない

第2章 中国による地域秩序形成とASEANの対応
one belt one road3.jpg●ASEAN諸国は、台頭する中国に「関与と牽制」、「経済と安全保障」、「中国と米国」といった多様で柔軟な姿勢で対応してきた。中国は、経済的影響力と安全保障を積極的に結びつけ、南シナ海問題などでASEANを中国の意向に従わせようとした。

●「一帯一路」での中国の支援攻勢にASEANは積極的に反応し、ASEANが進めるインフラ整備に中国が大きく寄与することで、ASEANへの中国の政治的影響力は拡大している。中国は「台頭」を超え、地域秩序の「中心」と化しつつあるという意味で、両者の関係は新たな段階へ到達している。
しかしマレーシア新政権による「一帯一路」関連プロジェクトの見直しが顕在化するなど、ASEANの対外戦略の本質は均衡にあることが、2018年にはあらためて明らかになった

第3章「一帯一路」と南アジア―不透明さを増す中印関係
one belt one road2.jpg●「一帯一路」で進む南アジア諸国への中国の経済的関与は、地域での中国の存在を、地域大国インドを上回る支配的地位へと押し上げ得る。インドは警戒感を抱き、「一帯一路」を経済的なプロジェクトではなく政治的・戦略的意図を帯びたものととらえて、域内諸国への関与強化、多国間連結性構想の推進、域外主要国との連携といった対抗策を強めてきた。

●一方で中国は、「一帯一路」にインドの協力を得たい思惑や、ハンバントタ港引き渡しを受けた「一帯一路」のイメージ悪化に対処する必要性から、インドに譲歩する姿勢を見せ、インドも応じる形で、2018年4月の中印首脳会談で関係の「リセット」が行われた。
●しかし、南アジア諸国での中印間の競争は今後も続き、長期的にはそれが、これまで総体的な中印関係が備えてきた、「管理された対立」としての性質を蝕んでいく可能性が高い

第4章 太平洋島嶼国――「一帯一路」の南端
one belt one road4.jpg●中国は「一帯一路」における「21世紀の海上シルクロード」の南端を太平洋島嶼国と定め、近年これらの国々への支援を大幅強化している。島嶼国側は、経済発展のため基本的に中国支援を大いに歓迎し、「一帯一路」構想への参画にも積極的である。

●現在、中国の島嶼国への安全保障面での関与は、主として2国間レベルで進められている。中国が中長期的には戦略的な進出を始める可能性は否定できないものの、中国はまず同地域において経済権益の確保と、経済力を用いて政治的影響力を高めることに注力しているようである。
●島嶼国への中国進出に対し、関係国の警戒感は高まっている。豪州やNZは、自らの影響力の相対的な低下を懸念している。同地域に領土を持つフランスも、警戒感を強めている。
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日中関係改善(米中対立と反比例し)の機運の中で、こっそり発表された印象が強いです。

中国という多様な側面を持ち、日本との利害関係も複雑な対象を報告書にまとめることは、防衛研究所のような公的研究機関でないと難しいと思います。

one belt one road6.jpg企業や財団系のシンクタンクが専門家を集めてレポートをまとめようとしても、個性豊かな断片レポートの寄せ集めになりがちですが、緩やかながらでも組織的統制がある防研のような組織は、全体んバランスや視点を整えることが可能かと思います

もちろん、防衛省という看板を背負っている関係上、「角」がとれた表現に納まっている部分もありますが、日本語で読める得難い資料ですのでご活用ください

注:まんぐーすは防衛研究所の関係者ではありません。誤解されている方がいるようですが・・・

防衛研究所の同レポート紹介webサイト
http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/index.html

過去の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1

4回:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22
6回:PLA活動範囲拡大→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
7回:中台関係→サボって取り上げてません
8回:米中関係→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-2

米国防省「中国の軍事力」レポート関連記事
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

防衛研究所が4年かけ取り組んだ大規模研究プロジェクト
全12章の大作:「フォークランド戦争史」
http://www.nids.mod.go.jp/publication/falkland/index.html

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中国の空母キラーDF-26発射映像公開も・・・ [中国要人・軍事]

米海軍が今年初の航海の自由作戦開始日にぶつけ
でも依然として移動目標攻撃能力を証明には・・・

DF-21D-1.jpg1月24日、中国のTY局(中国中央電視台)が「米空母キラー」とか「グアムキラー」と呼ばれる中距離弾道ミサイルDF-26の発射訓練映像を放送し今年初めての「航行の自由作戦」で米海軍がイージス艦(USS McCampbell)が台湾海峡を通過したタイミングにぶつけてきました

ちなみにDF-26が今回の試験発射実施を命じられたのは、1月7日に同イージス艦が南シナ海のParacel Islands(西沙諸島)近傍を通過して今年初めての「航行の自由作戦」を開始した事を受けてのことだと報じられています

映像で射程5740㎞(3570nm)と紹介されているDF-26は、第2列島線上のグアム島米軍基地を攻撃できる中距離弾道ミサイルとして、今話題の米国のINF全廃条約からの脱退を後押ししたインパクトある兵器ですが、2015年9月の「抗日戦争勝利70周年記念パレード」で「ASBM:対艦弾道ミサイル」と場内アナウンスされ、世界の専門家を仰天させた兵器でもあります

DF-26.jpg対艦弾道ミサイル(空母キラー)としては、射程約2000㎞のDF-21D型が中国ウォッチャーの関心を集めていた当時でしたから、その射程の2倍以上で、かつ移動目標である艦艇を攻撃可能との場内アナウンスに、西側専門家は口を「あんぐり」状態でした

そのDF-26を中国国防省は、2018年4月に部隊配備したと発表していますが、DF-21Cと共に、未だに海上の移動目標攻撃に成功した試験や事件は確認されておらず、また中国の海上移動目標情報の収集能力やリアルタイム共有能力に疑問を持つ西側専門家の間には、「空母キラー」は誇大広告と指摘する者も少なくありません

今回公開された映像で、ミサイル上部に4枚のフィンが装着されている様子が映し出され、大気圏再突入後の終末段階でミサイルの軌道修正能力をアピールしているようにも見え、またこの映像公開を報じる中国国営英字紙「環球時報」も、「この試験映像で西側の疑念を払しょくした」と書いているようですが、疑念が晴れたわけではありません

DF-26 2.jpgただ、DF-21DもDF-26も、部隊配備が完了して作戦投入可能だと中国が主張すれば、米海軍が虎の子の空母(搭載アセットを含め2兆円以上の価値)を、安易に射程内で活動させるかと言えばそれも疑問ですから、厄介な兵器であることには間違いありません

以下では、1月24日に公開された約50秒の映像をご紹介いたします

South China Morning Postの映像

DF-26の特徴
固体燃料式で、命令を受けて直ちに発射可能
●車両搭載型の移動式発射機から発射可能(映像あり)



ASBM関連の記事
「対艦弾道ミサイルは脅威か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-02
「DF-26も対艦能力ありと公言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「米海軍:空母の重要性は不変「」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-14 
「空母をどう位置づけるか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-22

タグ:DF-21D DF-26
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中国が相次ぎ新型SLBMやSAMを試験し成功!? [中国要人・軍事]

ヒッソリと、したたかに・・・
ロシアは派手に超超音速兵器「アヴァンガールト」発射試験成功を報じるも

parade.jpg日本がクリスマス連休と連休明けの株価暴落で「あんぐり」している間に中国軍が新型SLBMやSAMを試験し成功したとの大きなニュースが2つヒッソリ報じられていますので、年末年始休暇に入る前に気を引き締める意味でご紹介しておきます

特に米本土全てを射程に収める能力を持つと言われるSLBM「巨浪JL-3」の試験成功が真実であれば、南シナ海の人工島建設とと軍備強化による「聖域化」とあいまって世界の核抑止観に大きな影響を与える事象ですので、尖閣諸島まで射程に入りそうな長射程SAM(S-400)の話題と共に、断片的ですがご紹介しておきます

対中国の関税で米中関係が微妙な時には「おとなしい気配」を見せおき、トランプ大統領が内政で足を取られていると見るや否や「したたかに前進」を図るその姿勢に感服するほかありませんが、S-400もトランプ大統領が報復制裁を繰り出したほどインパクトがある兵器ですので、今後の両国関係にも注目です

中国が露製長射程SAMS-400試射に成功
25日付読売新聞
S-400-launch.jpg●タス通信は軍事外交筋の話として、中国軍が12月上旬、ロシア製の最新防空ミサイルシステムS-400の試射を実施し成功したと報じた。中国紙・環球時報も25日、露メディアを引用しながら中国国内の発射場で試射が行われたと伝えた。
●タス通信によると、試射では、約250㎞離れた地点から毎秒約3kmで飛行する弾道ミサイルを撃ち落としたという。環球時報はロシアの専門家の話として、S-400が将来の台湾海峡での武力衝突発生時に「重要な役割を果たす」と伝えた。

S-400は、巡航ミサイルなど同時に36個標的を狙うことが可能とされ、最大射程約400㎞だが、今回の試射では、射程が短いタイプとされる「48N6E」が使われた。
中国本土から400㎞圏には台湾や、沖縄県・尖閣諸島周辺が含まれる。環球時報は露メディアを引用し、射程約400㎞の「40N6」は露軍が配備を終えたばかりで、中国軍が露側から調達したかは不明と報じている。

●なお、中国のS-400調達に絡み、トランプ米政権は今年9月、対ロシア制裁強化法に基づき、調達を担当した中国軍の「装備発展部」とそのトップに経済制裁を発動し、中国が猛反発していた。

中国が米全土が射程の新型SLBM(JL-3)試験に成功!?
22日付毎日新聞
DF-41.jpg中国が新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「巨浪3:JL-3」の発射実験を11月下旬に渤海で実施し、成功した模様だ。軍事筋の情報として香港や米のメディアが報じた。
●報道によると、JL-3は核弾頭10個を搭載可能。射程は現配備済のJL-2の7000㎞から大幅に延びて9000-14000㎞前後と推定されている。中国近海から発射しても米本土のほぼ全域を射程に収めるため、米国の脅威になりそうだ。

JL-3は最新鋭の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41:DF-41」を基に開発されたとみられている。2020年代の実戦配備を目指しているとされる。中国は「核先制不使用」を主張しているが、米国内の一部には主張が「あいまい」との懸念がある。
習近平.jpg●中国はSLBMの開発と並行して潜水艦の整備も進めている。今年8月に公表された米国防総省の年次報告によると、中国は2020年初めに24基のJL-3を搭載できる新型原潜096型の建造を始める見通しだ。

中国は発射実験成功を公式に認めていないが海事当局が同時期に遼寧省大連沖に軍事演習の目的で飛行禁止区域を設定していたほか、中国のネット上で関連記事が削除されていないことからも信頼性は高いとみられる。
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しみじみと世界の激動を感じます。

中国軍事カテゴリー記事190本
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801487-1 

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RANDが中国空軍戦力に新たな視点でアプローチ [中国要人・軍事]

Rand China.jpg11月28日、RAND研究所の「Project Air Force team」が中国空軍の戦力・組織・ドクトリン造成において米空軍を模倣する分野や程度を分析し、そこから見えてくる中国空軍の傾向から、中国空軍や中国軍の対米軍戦略などが見えてくるのでは・・・との報告書を発表しました

この報告書は、既に2017年9月には(調査を依頼した)米空軍に報告されているとのことですが、何らかの理由で、今になって「Defeat, Not Merely Compete: China’s View of Its Military Aerospace Goals and Requirements in Relation to the United States」とのタイトルで公開されることになりました

全てを読んでおらず、同報告書のサマリーや紹介記事を見ての感想は、なかなか観念的で想像力をたくましくしないと理解が難しいですが、珍しい(当たり前とも言えますが)視点ですのでとりあえずご参考まで取り上げます

体系的にご紹介する気力に欠ける(能力もですが・・・)ので、結論を構成するであろうセンテンスを、ピックアップして取り上げます

29日付AirForceTimes等によれば
Rand China2.jpg●中国空軍や航空戦力は、技術的に、また戦略的に、米軍の能力やドクトリンを模倣したものが多いが、重要なことは、米国が中国との武力紛争に至ることを抑止するために、特定の能力を十二分な数量確保する傾向があることである
●中国軍は実際の戦闘行為でよりも、抑止により戦わずして相手を抑え込むことを大いに好む。この意味において、中国にとって軍事力競争は、実戦なしに米国を破ることだとみなすことが出来る

●模倣コピーすることと自力開発することの両方があるが、低コストで迅速にコピーしたり導入することが一般的には中国軍では好まれる

●中国には5軍があるが、中国空軍の構成や技術革新追及方向は、可能性がある米国との衝突を見据えたものとなっている(注:後で陸軍は違う・・との記述がある
●中国航空戦力の増強の動機は、米国の侵攻を抑止し、必要時には高列度紛争で米国を撃破することにある

●また中国のパワープロジェクション能力は、精密誘導弾道ミサイル、巡航ミサイルで、これらが濃密な地対空ミサイルSAMと戦闘機で補完されている
parade.jpg●中国軍は、諸外国の軍事技術、組織設計、作戦コンセプトを、中国軍にフィットする場合は、自力開発する能力がないわけではない場合でもにコピーする傾向がある。
2014年に当時の米空軍参謀総長が、航空、宇宙、サイバー空間のエアパワーを融合する事が任務達成に必要だと訴えたが、中国軍はこれを模倣し、ISR、戦術戦略空輸、及び攻撃アセットに応用したようである

報告書は米空軍に対し、これらでの分野での中国軍の変化や進展と、宇宙や衛星の変化をモニターするように推奨している
●加えて報告書は米空軍に、中国軍のドクトリン、組織、訓練、人的戦力、兵たん、調達、施設への投資や変化の程度に注目するよう求めている

装備分野別の物まね度と考察
J-31 F-35.jpg●装備の分野別で類似性をみると、中国空軍戦闘機であるJ-20やJ-31と、米空軍F-22やF-35との類似程度の高さが最高レベルであるが、一方で爆撃機や精密誘導攻撃装備に関しては類似度は低い
●中国軍の対地支援CAS(close-air support)は限定的であり米軍との類似性も低いが、これは米国と想定される紛争が、南シナ海等での海空軍によるものだと中国側が考えている可能性を示唆し、同時に中国側が中国本土での空対地戦闘の必要性を想定していないと解釈でき、ドクトリン上の弱点ともとらえることが出来る

●逆に中国側は、米国による衛星利用ターゲティングへの依存を弱点ととらえ、自身は衛星によるBMD早期警戒には注力せず、宇宙の経済的利用やソフトパワー活用に加え、宇宙アセット拒否能力の獲得増強に力を入れている
●最近中国空軍が力を入れている分野に空輸と空中給油があるが、ほんの数年前までは遠距離への戦力投射能力の必要性がなかったものの、中国がアフリカへの投資や役割拡大を図る中で変化が起きたとも考えられる

PilotMarch.jpg●これらの中国観察は、あくまで公開情報を基に行われたもので、どの国もそうであるように、全ての軍事努力が公になることはないので注意する必要がある。
●それでも、平時の中国軍の動きから、米国のどの利害域を攻撃目標としているかを察知する必要がある。また中国軍に関するこのような知見は、平時における軍事交流での接触で、中国側が求める情報を入手することを防止するために有用である
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読み返しても哲学的な感じのする表現が続くので疲れますし、当たり前のような気もするのですが、中国が注力していない部分に注目するのは面白いと思います。

例えば、CASとか衛星による弾道ミサイル警戒とか・・・

最近RANDは活発ですね・・・。御用シンクタンクだからでしょうか? 米軍からの委託契約で定期的に仕事が入るが、トランプ政権に振り回される民間シンクタンクは、腰を据えて研究に取り組めないのでしょうか???

RANDの関連webページ
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR2588.html

RAND関連
「朝鮮半島統一のためには」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03-1
「必要な米空軍戦力量は」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-02
「中国の核抑止の変化」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19
「台湾よ戦闘機を減らせ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「女性特殊部隊兵士の重要性」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「RAND:米中軍を10分野で比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18

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中国航空ショーでのJ-20を評価する [中国要人・軍事]

J-20 sea.jpg6日から開催された「Zhuhai air show:第13回中国国際航空宇宙博覧会」で、中国空軍の戦闘機が相次いてデモ飛行を行い、その様子をスラストベクター付きの中国国産エンジンや機体のステルス処理と絡めて7日付Defense-Newsが取り上げていますので、マニアの皆様向けには情報不足ですがご紹介いたします。

記事が取り上げているのは、中国初のステルス戦闘機?と言われる「J-20」と、イスラエルのラビ戦闘機の技術者を招いて中国国産機として開発したといわれる「J-10」戦闘機が、スラストベクター付き国産エンジンWS-10B3を初めてのテスト搭載した飛行で、J-20にこの国産エンジンが搭載される可能性を記事が探っています。

読者の皆さんであれば既にお感じでしょうが、米国の次世代制空機PCA検討では、制空機の脅威であるAAMやSAM能力が飛躍的に高まり、多少制空機側の機動性や旋回性能が高まっても脅威から逃れられない・・・との見積もりもあるようですから、何のための「スラストベクターか?」との根本的な疑問がありますが、中国軍需産業の状況を見る機会ですので取り上げます

7日付Defense-News記事によれば
J-20-1.jpg6日から11日まで広東省珠海で開催された同航空宇宙ショーで、J-10Bがスラストベクター付きの国産エンジンWS-10B3を搭載してデモ飛行を行い、その優れた機動性や低速での着陸を披露した
●特別なエンジンを搭載したこの機体が確認されたのは、今年初めにCAC工場で目撃されて以来である

●英国の専門家は、同エンジンを搭載したJ-10Bの機動性は、明らかに空力特性から得られるもの以上を示していた、と所見を述べている
●一方で同専門家は、大部分の西側空軍は既に、最新の格闘戦用のミサイルの機動性進歩を見据え、エンジンにスラストベクター機能を付加することによる重量増、機構の複雑化(整備性低下)、コストアップ等を総合的に勘案し、スラストベクター開発を終了していると付け加えた

しかしながら中国ではJ-20前方にあるカナード翼を補うため、スラストベクター付きエンジンを搭載するオプションがあるともいわれている。またカナード翼がJ-20にとって重要な前方からのステルス性を阻害するため、カナード翼を取り除くためにスラストベクターエンジンが必要だとの見方もある
●また同専門家は、現在のJ-20のエンジン(ロシア製AL-31)より、WS-10B3の方がステルス性が高そうだ、とも分析している

J-20 cere.jpg●J-20開発のチーフエンジニアは、(J-20への同エンジン搭載に関する)中国メディアからの質問に対し、はぐらかすように「まだ試してみてもないことが分かるはずがない」と述べるにとどまった
しかし実際には、同エンジン搭載のJ-20が既に飛行を行い、スラストベクター型の同エンジンでも試験を行っているとのうわさが広まっている

エンジン以外でJ-20が注目を集めたのは(高解像度写真で)、中国空軍が既に運用している低ペース生産モデルで、「急速な質の改善」が確認できたことである。例えば、以前と比較して、機体表面のステルス処理や機体全体の端末処理(mold-line)が進歩していることである
●ただ英国の専門家はこれに関しても、F-22やF-35レベルの電波反射率低減を確保するまでには、まだかなりの道のりがあると指摘している

●例えば、引き続き、機体に多くの外装アタッチメントが確認でき、また光学ターゲティングシステムやエンジンノズルもステルス性に配慮が見られないと評価している
●なお、J-20は今回も地上での機体展示はなく、4機が近傍の空軍基地から飛来して飛行姿を見せたのみであった
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中国製の兵器のすべてがそうではないでしょうが、J-20への評価は厳しいようです。

J-20groundgrew.jpgでも、しっかりと飛行でき、それなりのステルス性を持ち、対地攻撃用の長射程ミサイルを搭載できれば、十二分に脅威です。

2代前の航空自衛隊のトップ(戦闘機パイロット)が、数年前に、「次の戦闘機に求める性能等は?」と問われ、「スラストベクターなど・・」と答えて笑いものになったのは記憶に新しいところですが、そのころ西側諸国には既に、同機能を重要だと考えている人はいなかったということです。そんなレベルなんです・・・

これまでのJ-20経緯を簡単に整理すると
---2011年に初飛行
---2016年11月、Zhuhai航空ショーで初公開
---2017年7月、人民解放軍90周年記念日に軍事パレード初参加
---2017年11月、中国空軍演習「Red Sword 2017」で重要な任務を果たす
---2018年2月、中国空軍報道官が「戦闘任務に入った」発言

J-20関連の記事
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

米空軍の次世代制空機検討PCA
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28 

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中国新型ステルス爆撃機H-20初飛行間近? [中国要人・軍事]

様々な想像図が乱れ飛ぶ中・・・

H-20.jpg11日付Defense-Newsが、中国国営紙の英語版「Global Times:環球時報」や8月に中国中央TVで放映されたドキュメンタリー番組を引用しつつ中国空軍が開発を進めている新型長距離ステル戦略爆撃を紹介し、間もなく初飛行もあり得ると報じています

8月のTV番組で初めて「H-20」との名称が明らかになった新型戦略爆撃機は、2016年にMa Xiaotian中国空軍司令官が初めて公式に開発計画を認めたものですが、米国の専門家は1990年代後半から2000年頃から開発は始まっていたと考えているようです

H-20 2.jpg「H-20」で検索してみると、それはもう様々な想像図がネット上に出回っていることがわかりますが、米国の専門家と言われる人も、米軍のB-2爆撃機タイプからB-1爆撃機がステルス形状になったようなタイプまで、様々なイメージを膨らませているようです

結局現時点でもよくわからない・・・状態の様ですが、衛星による偵察活動が一般的な現代に、その姿が謎な新型兵器が存在可能なのか・・・とも思いますが・・久々に中国軍新型爆撃機を取り上げます

11日付Defense-News記事によれば
H-20 4.jpg中国国営紙の英語版「Global Times:環球時報」は、TVドキュメンタリー出演の専門家の発言を紹介し、細部については言及していないが、「H-20新型戦略爆撃機が飛躍的な進歩を遂げつつ行われている」と報じている。
●そして同紙は、H-20の初飛行が間もなく行われるとの中国軍事専門家の発言も紹介している

●一方で中国軍航空戦力を研究しているAndreas Rupprecht氏は、最近の研究報告書の中で、中国軍の航空機開発サイクルからすると、2020年はじめに「H-20」の初飛行が行われるだろうと予想している
●「H-20」爆撃機は「Xi’an Aircraft Company」によって開発され、ステルス形状の「flying-wing design」だとも言われている

H-20 3.jpg●別の報道では、中国軍幹部が、新型爆撃機は空中給油なしで約10トンの弾薬を搭載して第2列島線を超える攻撃能力を持つと発言したと伝えられており、この新爆撃機がハワイを巡航ミサイルの射程距離に収めることができるものと推定されている
●仮にH-20が中国空軍に導入されれば、旧ソ連が開発したTU-16爆撃機のエンジンやアビオニクスを最新式に交換し、長射程巡航ミサイルを装備したH-6K爆撃機(中国海軍が運用)を補完する形に当面はなるだろう
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本当に種々のイメージ図のようなH-20爆撃機が飛行を開始したら、旧式のシルエットのH-6Kの何倍も何十倍も周辺国の恐怖感が増すでしょうイメージ図を見てそのインパクトの大きさをしみじみ感じました

空母遼寧も、SU-27戦闘機も目にしてきましたが、B-2爆撃機のようなステルス爆撃機が登場したら、ちょっと焦りますねぇ・・・正直な印象として・・・

2016年9月中国空軍トップが新型爆撃機開発を表明
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-07

関連の記事
「イメージ映像:中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「仰天:DF-26も空母キラー?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30
「10分野で米軍と中国軍を比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「大幅改良J-20が初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-20

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中国製無人攻撃機が中東で増殖中 [中国要人・軍事]

それにしても米国製にそっくりです!

CH-4 2.jpg3日付Militarytimesは、最近中東地域で急速に目撃情報が増加中の中国製の無人攻撃機の状況を報じ人道的な観点から米国が攻撃型の輸出を制限する中で、中国がそれなりの性能と低価格を武器に30機以上の無人攻撃機CH-4(MQ-1級)を中東に輸出し、多数の国と同機輸出を交渉中だと伝えています

衛星写真などで目撃されている国として、ヨルダン、イラク、サウジ、UAE、エジプト、パキスタン、更にアフリカのナイジェリアが紹介されており、今年4月にはUAE軍の中国製無人攻撃機がイエメン内に侵入し、イスラム過激派Houthiの車両攻撃に成功したと報じられています

中国の武器輸出は、2008年からの4年間と2013年からの4年間を比較して、約4割伸びているということですが、性能はほどほどで価格が半額以下の中国製無人攻撃機への引き合いは急増しており、現在10か国と更なる輸出を交渉中とのことです。

この状況に米国軍需産業は苛立ちを覚え、議員を巻き込んでトランプ政権に輸出規制緩和を求め、MTCR規制の解釈変更を要求する等の動きに出ており、部分的に緩和する動きもあるようですが、無人機攻撃による民間人への被害増加に伴い、更なる開放は容易ではないようです

3日付Militarytimes記事によれば
CH-4 4.jpg中国製の無人攻撃機の性能について中国の専門家は、「技術的に遜色はなく、マーケットシェアが不足しているだけが問題だ」と豪語しているが、西側IISSの専門家は「中国製は信頼性の観点から課題があり、民間人被害の懸念が拭い去れない」と見ている
●また中国の代表的無人機企業CASC(米国製MQ-1やMQ-9と類似のCH-4、CH-5やRainbowなど製造)の匿名の関係者は、「さすがに米海軍の無人艦載給油機MQ-25Aレベルの技術はない」と語っているが、米空軍の無人機レベルにはあるとも解釈できる

●米国研究機関によると、イエメンでは240回の無人機攻撃が行われ、民間人111名を含む1300名が殺害されている。この統計が米国政府をして無人攻撃機輸出を容易に緩和できない背景にある
●一方で、2018年初頭に衛星がサウジ南部の飛行場で、米国製偵察無人機と並んで、中国製無人攻撃機を確認した。初めて2機種の無人機がイエメンでの紛争に投入が確認された事例となったが、今やイエメンは無人機の実験場となった感がある。そこで中国製が存在感を増しているのだ

CH-4.jpgイエメンで、米国製無人機がアルカイダの活動家を初めて殺害したのが2002年であるが、今やその後を中国製が追いかけているようでもある
2014年以降、CASCはCH-4を約800億円で30機以上サウジやイラク等に提供しており、同機輸出を10か国と交渉中である

中東での中国製無人攻撃機目撃例
・イラク空軍基地で当時の国防相がCH-4を視察の写真公開(2015年10月)
・中国製無人攻撃機が衛星写真で、ヨルダンとパキスタンの空港、エジプトのシナイ半島とリビア国境近くの基地で

UAEの無人地域として知られる南部で3機のWing Loongが衛星写真で(2018年1月)
・イエメン国境近くのサウジの空港で、UAE購入の2機のCH-4がMQ-1と並んで衛星写真で
ナイジェリアがBoko Haram対策で中国製無人攻撃機を使用
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なおMTCRは、米国をはじめとする西側主要国による、「ミサイル技術管理レジーム:Missile Technology Control Regime」で、「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の完成した無人航空機システム」の輸出を兵器技術拡散防止の観点から厳しく縛っているものです。

Wing Loong II.jpg色々な解釈変更や見直し議論が米国内で議論されたようですが、他の西側諸国との共同枠組みであり米国だけで突っ走れず、現在は厳しい監視や確認を条件として、ヨルダンとUAEへの無人攻撃機提供を進める方向にあるようです

お金はあっても人材不足の産油国にとっては、手を出しやすい兵器が無人攻撃機でしょうから、今後も中国製の売り込みは活発化するのでしょう・・・

外務省によるMTCR解説
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mtcr/mtcr.html

米国製無人機輸出緩和の関連
「肩透かし無人機輸出緩和」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「無人機輸出規制の見直し開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04

中国と無人機
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03
「輸出用ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27

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中国海軍艦艇が米軍艦艇に40mまで警告接近 [中国要人・軍事]

状況写真がリークされる別の面での「深刻な」状況も
マティス長官は慎重な姿勢ながら・・・
写真の左側が米海軍艦艇です

South China Sea2.jpg9月30日(日)朝8時30分ごろ、南シナ海の南沙諸島Spratly Islands近くの海域を「航行の自由作戦」の一環で航行していた米海軍ミサイル駆逐艦USS Decaturに対し、中国海軍のLuyang級駆逐艦が進路を妨害するように米艦艇の前方部分に40mまで接近し、米艦艇が衝突を避けるために回避動作を行った模様です

この事案の写真を米海軍は公表していませんでしたが(公開を検討していたかは不明)、webサイト上に両国海軍艦艇が接近している写真が2日に掲載され、米海軍が3日にその写真を本物だと認めました。また米海軍は公式に写真を公開するか検討しているとのことです

最初に写真を掲載したwebサイトは写真の入手先を明らかにしていませんが、1日月曜日に米太平洋海軍報道官は、中国艦艇による「不安全でプロらしくない中国艦艇の行動があった」、「中国海軍艦艇は威嚇的な行動を繰り返し、米艦艇に同エリアから立ち去るよう警告を与えてきた」と事態の発生を伝えていたようです

この件に関し、ホワイトハウスと国防長官に微妙な姿勢の違いが・・

4日付Military.com記事によれば
Pence2.jpg4日ペンス副大統領はタカ派で知られるハドソン研究所で講演し、「中国は全政府機関が一体となって、政治、経済、軍事、更にプロパガンダの手段も用い、米国に対する影響力強化を企てている」と中国の脅威を強調した
●そして、中国の貿易や軍事面でのターゲットはトランプ大統領であり、「米大統領のリーダーシップが機能しているが故に、中国はこれを恐れて異なる米大統領を求めてる」と中国を分析した

●また中国が南シナ海で人工島を設けて軍事基地化している状況にも言及し、「以前よりも積極的に米国に挑戦しようとの姿勢を見せている」と表現し、米海軍艦艇に40mまで危険な接近行動を行った中国艦艇の行為を例示した

●この事案を受けマティス長官は、近く予定していた中国訪問の中止を発表したが、その接近事案の重大性や事態拡大については否定し、沈静化を図る方向を示唆した
●そして2日同行記者団に対し、「両国関係には緊張点があるが、国連総会の場での両国協議で生まれた議論を基礎とすれば、事態が悪化するとは考えていない」と語ってる
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東シナ海上空では、米軍機や航空自衛隊機に対して過激な行動をとる中国軍機や中国軍パイロットがいますが、今回の事案の中国海軍艦長はどのような判断で行動したのでしょうか?

North Korea2.jpg最近は中国軍も統制された行動をしていると言われることが多いですが、どうでしょうか? いずれにしても、偶発的な事態が発生する確率が高まっていることは間違いないのでしょう

マティス長官とホワイトハウスの関係は気になるところです。最後の砦ですから・・・マティス長官は・・

南シナ海を巡る記事
「グレーゾーンでの戦いに備えよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-11
「中国の軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「日米陸軍がRIMPACで艦艇撃沈」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「中国無人艇が群れ行動」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-02

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2018年「中国の軍事力」レポート発表 [中国要人・軍事]

長らく夏休みをいただきました・・・

2018 china report.jpg16日、米国防省が議会報告を義務付けられた中国の軍事力に関する報告書「Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2018」を発表しました。
2014年版までは発表会見があったのですが、2015年以降は短いコメントがwebサイトに掲載されるだけとなり、2018年版は2ページの「Fact Sheet」と現物レポートがwebサイトに掲載されるだけの公開手法です

正確には、議会に報告する「非公開版」から公開可能な部分をまとめた「公開版」が発表されたということです。昨年の同レポートのフォローをさぼっていたので厳密な比較はできないのですが、公開版と非公開版の区別がいつからできたのか・・・このあたりが中国に対する警戒感の高まりを示すものと考えます

ただ、まんぐーすが知る2016年版でも記述内容の大きな変更の兆しが感じられたのですが、2018年版では中国軍事力の狙うところを端的に表現した部分が根こそぎ省略され、大きな中国の大戦略部分と細かな現場の活動部分をつなぐ、軍事力強化の目的や狙いを説明した「重要なつなぎ部分の記述」が、少なくとも「公開版」からは削除されているように感じました

この「重要なつなぎ部分削除」が、あまりにも厳しい現実だから削除なのか、中国を刺激しすぎるからなのか、中国周辺の同盟国国民(例えば日本国民)を投げやりにさせてしまうからなのか・・・は良くわかりませんが、消化不良になること間違い無しの報告書となっています

まず、まんぐーすの独断で「公開版」記述内容の概要をご紹介すると

戦勝70周年.jpg中国の大戦略
21世紀の最初20年間は「戦略的機会」の期間なので、この間に「包括的な国家パワー」を増進し、「中国の夢の再興:China Dream of national rejuvenation」に向け国力をつける期間

中国の具体的な動き
●経済や政治や軍事的影響力を駆使して勢力を伸ばす。「一帯一路」(One Belt, One Roadから、今はBelt and Road Initiativeと呼ぶらしい)の推進
スリランカの港を99年間借り上げ(Piraeus, Greece, and Darwin, Australiaと同様に)たり、ジブチに初の海外基地を設置して海兵隊を駐留させる

嫌がらせや圧力行使(失敗例も)
南シナ海埋め立て島での軍事施設拡充や中国軍の活動活発化、尖閣諸島周辺での武装漁民も交えた既成事実化活動
韓国へのTHAAD配備に圧力も結果的に失敗、インドと中国国境近くのブータンに大規模道路建設画策も、インド軍との緊張が高まり断念、

共産党中央軍事委員会2.jpg中国軍の改革
陸軍の兵站分野を中心に30万人の削減。また引き続き、近代戦に対応できる組織改革を推進中
●より実戦を想定した演習の高度化統合化、ISRデータの共有やターゲティングチームからの情報の統合軍内での共有
●引き続き汚職体質の改革・取り締まり

●着上陸作戦能力強化を狙った中国海軍陸戦隊(海兵隊:PLAN Marine Corps)を、現在2個旅団1万人規模を、2020年には7個旅団3万人に拡大
●中国空軍長距離爆撃機が東シナ海や台湾周辺に留まらず、第一列島線を超える飛行訓練が急増し、米国や日本を標的に想定した訓練を行っている。また、中国空軍が核攻撃任務を再び付与され、ICBM、SLBMと並ぶ核の3本柱体制が確立した
ステルス長距離爆撃機の研究開発が開始され、10年後の実戦配備を目指している
装備近代化の手段として、「外国企業への直接投資による技術獲得や、サイバー攻撃による技術窃盗も用いている」とも記述
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理由は不明確ながらまんぐーすが「削除された」と考える、2015年版までは(2016年版では部分的に)残っていた読者の理解促進に必要な大戦略と具体的な年度事象を結びつける「重要な中国軍事戦略の記述」、つまり報告書サマリーの冒頭に必ず記述があった事項とは・・・

parade.jpg中国軍事力近代化の目的は「高列度紛争に短期間で勝利:winning of short-duration, high-intensity regional conflicts」である。台湾が主方向ながら東や南シナ海にも広がりつつある
●具体的には弾道・巡航ミサイルを増強強化、サイバー戦や宇宙戦や電子戦に注力、高性能航空機、統合防空、情報作戦、着上陸・空挺作戦等の改善も・・・・・
●これら装備で、有事の際に米国を含む敵対戦力を押し返すことを試みている。中国はまた、対宇宙、サイバー攻撃作戦、電子戦能力にも焦点を置き、敵対者の近代的な情報戦を拒否する備えを行っている
●そして個々の変化を数字や名称を上げ、各種ミサイル、電子戦、サイバー、航空機、艦艇、着上陸能力では・・・と順番に説明する流れ・・・

2016年版にはかろうじて「short-duration, high-intensity regional conflicts」能力追求との表現は残っていましたが、後は国務省の外交白書ではないか・・・と感じるような抽象的な表現の報告書となってしまい、2018年版に至っているように感じます。

共産党中央軍事委員会3.jpg改めて申しますと中国軍の近代化は、台湾を中心に周辺の米軍基地や日本を念頭に、「高列度紛争に短期間で勝利」することを狙いとしたものだ・・・ということを再度肝に銘じるべきですここを外しては大局を見失います!

補足ですが、読売新聞の解説記事で目に留まった表現は、中国海兵隊の増強の解説で、ある中国軍の動向に詳しい関係筋が
●「習近平主席が軍の2大戦略目標である台湾統一と南シナ海島嶼支配に本腰を入れた証拠」と語っている部分です

中国の軍事力 全文145ページ
https://media.defense.gov/2018/Aug/16/2001955282/-1/-1/1/2018-CHINA-MILITARY-POWER-REPORT.PDF

同レポートの要旨(2ページ)
https://media.defense.gov/2018/Aug/16/2001955283/-1/-1/1/2018-CMPR-FACT-SHEET.PDF

過去の「中国の軍事力」レポート関連記事
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

最近の中国関連記事15本
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801487-1

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映像:中国製無人ボート56隻が南シナ海で群れ行動 [中国要人・軍事]

U-boat.jpg5月31日付Global Times(環球時報)Twitterが、中国企業が製造した無人小型ボート56隻を南シナ海に浮かべ、「群れ」として行動演技させる映像を公開しました‏。

Global Timesは中国国営メディアの英字紙であり、中国企業が南シナ海で勝手に派手なプロモーション映像を撮影できるはずもなく、5月28日の「RIMPACに中国招待せず」決定以降の米中緊張の中での中国側アピールでしょう

無人小型ボートは全長1m以下程度ですが、上空から撮影された約1分半映像は、隊列を自在に変化させ、文字を描くなど高度な「群れ」行動が可能な技術を誇示しています

(画面でなく、白い部分をクリック!)


映像の最後は「群れ」に空母甲板を描かせ、無人大型ボートが艦載機を模して離陸する様子をシュミレーションする場面ですが、米空母への脅しでしょうか???

それにしても、あっという間に「無人機の群れ」技術は世界に拡散しているようです。
単純な模型無人機でも無人ボートでも、50機以上から同時に攻撃されたら完全な防御は不可能です。恐ろしい時代になりました

無人機の群れ関連の記事
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省幹部:米空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「米空軍が小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18


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中国の空母艦載機が初の夜間離発着訓練 [中国要人・軍事]

1週間以上前の話です。恐縮ですが・・・
同じ映像の繰り返し感はありますが・・・

j15-5.jpg5月25日中国国営メディアは、中国空母の1番艦である「遼寧」艦載機が、初の夜間離発着訓練を空母甲板で行ったと報じ、映像も公開された模様です。

中国空母はカタパルトを保有せず、艦載機がスキージャンプ方式で離陸する必要があることから、離陸時の機体重量が制限されて兵器や燃料搭載量が限定され戦力としては「それほどではない」との認識に変わりはないものの、その着実な努力から目をそむけるわけにはいきません

特に夜間の着艦は極めて難しい技術であり、米海軍部隊もパイロットの技量維持に心血を注いでいます。

例えば空母が入港している間は、夜間の離発着訓練を地上基地で行う必要がありますが、夜間の訓練は基地周辺住への騒音負担が大いことから、日本ではわざわざ硫黄島にまで展開して夜間離発着訓練を行っている状況です

公開された映像(繰り返しの怪しげな映像ですが)


トム・クランシーの小説に以下のような記述が合った記憶があります・・・「夜間に空母へ着陸する戦闘機の後席に従軍記者を乗せたことがあるが、着艦後にその記者は「これは拷問に使える」と真剣に話していた。そして記者仲間で嫌われ者の○○に次の搭乗チャンスを回してやろうと真剣につぶやいていた」

5月29日付Defense-News記事によれば
●中国国営メディアは、夜間の着艦が昼間と比べてはるかに難しいことを強調し、着艦訓練を行った部隊をたたえ、空母部隊の戦闘能力の大きな飛躍を示すものだと報じた
24日遅くに公開された映像によれば、艦載機のJ-15戦闘機が暗闇の中で、空母からの離陸と着艦訓練が行われており、戦闘機エンジンから噴き出す炎が鮮やかに浮き上がっていた

J15-1.jpg5月に中国は、中国で建造した空母2番艦が、5日間の海上試験を行ったと発表しており、立て続けに空母戦力の充実をアピールしている
中国政府は空母について、中国の沿岸地域と貿易ルート防衛のために必要だと説明しているが、台湾や南シナ海に対する勢力誇示のために役立てるだろうとみられている
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北朝鮮騒ぎの陰で、中国の着実な歩みは続いています。

そして既成事実が蓄積されるにつれ、過去の説明ぶりはどこへやら、南シナ海の島々の軍事化は行わないと言っておきながら、今や自国領土を防衛してどこが悪いといい始め、中国よりもはるかに巨大な戦力を展開している米国には文句を言わせない・・・泥棒に窃盗が悪いと説教されたくない・・・といわれる始末です

恐るべし中国・・・

関連の記事
「空母遼寧が香港に堂々入港」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-09
「画期的空母推進装置を開発!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11
「西沙諸島でH-6Kが」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-1

「南シナ海埋め立て完了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17
「アジア安全保障会議2018」[→]http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-2
「RIMPACに中国招待せず」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-24

タグ:夜間 NLP 遼寧 J-15
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那覇からより尖閣に近い中国空軍基地が拡大中 [中国要人・軍事]

西沙諸島のWoody島と推察される基地に複数の爆撃機が
また台湾に隣接する中国空軍基地も拡張中

Woody Island3.jpg14日付及び18日付Defense-Newsが、中国軍の東シナ海と南シナ海での活動を報じ、南シナ海では(推定)西沙諸島Woody島で離発着訓練を行う最新型の大型爆撃機H-6Kを中国国防省が大々的に公表し、また台湾と尖閣諸島近傍の中国空軍基地が強化されている様子を紹介しています

中国は本当にしたたかです北朝鮮をめぐる政治劇(ショー)に世界の目が向いていいる隙に、あれだけ問題視されていた南シナ海での埋め立てを粛々と完了し、対台湾や東シナ海でも着々と備えを行っているのですから・・・

18日付記事でまず南シナ海での活動を断片的
H-6K Woody.jpg中国国防省によれば、中国空軍は戦略爆撃機を初めて南シナ海(具体的地名には言及せず)の埋め立て基地に着陸させ、搭乗員に必要な技量習熟の機会を与えたと発表した
長射程巡航ミサイル(KD-20 or KD-63)をメイン兵器(6発翼下に搭載)とするH-6Kを含む複数のタイプの爆撃機が訓練に参加した

●H-6K爆撃の行動半径は2200nmと言われており、今回の訓練に参加した同爆撃機が、機動展開して離陸した中国南部の基地からWoody島まで1200nmであることから、また中国が公開した映像等から、Defense-Newsは訓練場所がWoody島と推測する
●なお中国は、H-6Kに空中給油機能を付加したH-6N型の開発を進めており試験飛行画像が公開されている。また搭載巡航ミサイルは核兵器搭載型も開発中で、給油機能と合わせ、完成すれば中国の戦力投射能力が格段に向上する

那覇からより尖閣に近い中国空軍基地が増殖中
Taiwan near AB.jpg●14日付Defense-Newsによれば、台湾から160nm(約290km)、尖閣諸島から225nm(400km)の位置にある中国本土の中国空軍基地(near the town of Xiapu, Fujian Province)で、航空機増強に備えた各種施設整備が急ピッチで進んでいる
●なお、自衛隊の戦闘機が配備される那覇基地は、尖閣から260nm(470km)離れており、日本が領有を主張する尖閣諸島により近い位置の中国空軍基地が強化されているのである

●2012年に完成した同基地は、これまで戦闘機(Su-30やJ-11)が12機程度の単位でローテーション派遣され使用されてきたが、これら施設整備の状況から、戦闘機等が常駐配備されるであろうと専門家はみている
約3500mの滑走路一本を備えた飛行場には、戦闘機が十分格納できる強化格納庫が20個ほど分散構築されているが、これに加えて、24個の強化格納庫や付属するタクシーウェイや付属施設が新たに確認できる

Taiwan-China.jpg●そのほか、新たな5棟の兵舎や駐車場のほか、新たに整地準備が進んでいる場所も確認でき、今後も施設拡張工事が進むと専門家はみている。従来の中国空軍基地では、格納庫は横一線に並んで建設されてきたが、この基地では実戦的に格納庫が分散配備されている
●最近、中国空軍の爆撃機H-6Kや情報収集機や戦闘機が、宮古海峡を通過して太平洋に進出したり、台湾を一周したりの活動を活発化しており、5月11日は新型のSu-35がこれら活動に初参加したと中国国防省が公表していた
///////////////////////////////////////////////////////

北朝鮮騒ぎの間に、着々と、粛々と、東シナ海や南シナ海でやりたいことを進める中国は本当にしたたかです

日本は、日本国民はその逆です。この大事な時に○○民主党など「政治屋」によるの「もりかけ&セクハラ」騒ぎで脱線したまま、「マスごみ」によるくだらない番組の垂れ流しで国民の見識は低下するばかりです・・・

西沙諸島の関連記事
「南シナ海で埋め立て完了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17
「CSISが注目」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13
「塩害対策が鍵か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10
「西沙諸島に中国戦闘機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

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中国J-20戦闘機が初の海上行動 [中国要人・軍事]

Shen Jinke.jpg9日中国空軍報道官が、2月に初期戦闘能力獲得を宣言したJ-20(ステルス?)戦闘機が初めて洋上での訓練を行ったと発表しました。

へぇ・・・、今まで陸上上空だけでしか飛行せずに試験していたのか・・・と改めて気づかされた次第ですが、日本では飛行試験の大半が洋上で行われることから、洋上飛行がニュースになること自体が驚きです

もともと中国空軍は、中国本土防空を任務とし、洋上は中国海軍航空機の「縄張り」担当であったことからなんでしょうが、今は東シナ海上空でも海軍戦闘機と空軍戦闘機が相当入り乱れ、よく言えば統合運用が進展しているようです

10日付Defense-News記事によれば
J-20 sea.jpg●中国空軍の上級報道官であるShen Jinke大佐は中国軍ブログで、J-20が初めて洋上で飛行し、更に中国空軍戦闘能力を向上させたと述べた
●そして同大佐は、同飛行訓練が「実際の戦闘環境」で行われたと紹介した
中国は2018年の国防費を、昨年より8.1%増加させて19兆円レベルにし、2隻目となる空母のほか、遠方目標を攻撃可能なミサイル強化に注力していることろである
//////////////////////////////////////////////////////

どこの洋上を飛行したのでしょうか・・・? 上海沖の洋上でしょうか?

J-20-1.jpgJ-20戦闘機(中長距離戦闘機)は、正面方向から見てステルス性があることから第5世代機に分類される戦闘機で、その機体の大きさから長射程ミサイルで高付加価値目標をではないかとまんぐーすが想像している機体です

ただ複数の報道によれば、新型中国国産エンジン(WS-15)の開発がうまくいっておらず、能力の劣る旧式中国国産エンジン(WS-10B)でなんとか飛行している状況の様ですが・・・

これまでの経緯を簡単に整理すると
---2011年に初飛行
---2016年11月、Zhuhai航空ショーで初公開
---2017年7月、人民解放軍90周年記念日に軍事パレード初参加
---2017年11月、中国空軍演習「Red Sword 2017」で重要な任務を果たす
---2018年2月、中国空軍報道官が「戦闘任務に入った」発言

J-20関連の記事
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

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DIA長官が議会で中国NKを語る [中国要人・軍事]

Ashley4.jpg8日、米国防省の情報機関であるDIA長官のRobert Ashley中将が上院軍事委員会で証言し、中国及びNKの脅威について語っています

中国に関しては、先日、防衛研究所の「中国安全保障レポート2018」で、ICBMの多弾頭化により攻撃力や残存性等が急激に向上し、米露の核軍縮を困難にするとの見方をご紹介したところです。

Ashley長官はこれに加え、「2種類の新型空中発射弾道ミサイル:two new air-launched ballistic missiles」の存在にも言及し、その一つは核搭載可能だと語っており、極めて断片的ですがご紹介します

北朝鮮について同長官は
Ashley2.jpg米国にとって最も情報収集困難な対象である(hardest intelligence collection target)
2016年と2017年に40発以上の各種弾道ミサイル試験を行い、2016年には特に長射程ミサイルで失敗を重ねたが、2017年には進歩を見せた

●2017年7月の2発の火星14号や、11月の火星15号は米本土に到達可能な能力を見せ、更に日本を射程内に収める固体燃料を使用した中距離弾道ミサイルの試験を2回行った
●また2017年9月に行われた6回目の核実験では、過去最高の強さの地震を引き起こし、北朝鮮が水爆だと主張している。更に北朝鮮は2タイプの弾頭デザインを公開し、弾道ミサイルに搭載可能だと主張している

中国について長官は
中国本土から遠方の高列度地域紛争に短期間で勝利できる統合作戦能力と、近代的な指揮統制能力の獲得を含む、根本的な軍団レベル以下の改革をPLAは追及している
●またPLAは、統合指揮システムの強化と、サイバー、電子戦、宇宙戦を束ねる新たな「Strategic Support Force」の構築に取り組んでいる

Ashley3.jpg●引き続き中国は台湾紛争などへの第3者の干渉を「dissuade, deter or defeat」するための能力構築に取り組んでおり、多様なドメインで長射程の攻撃能力を西太平洋地域で発揮することを狙っている。そのエリアは第一列島線内で激しく、その外に拡大している
「2種類の新型空中発射弾道ミサイル:two new air-launched ballistic missiles」開発が進んでおり、一つは核弾頭搭載可能である。

●(細部に同長官は言及しなかったが、中国は超音速スタンドオフ対地攻撃弾道ミサイルを輸出可能な形で開発しており、また、空対空用の大型長射程ミサイルをAWACSや空中給油機など高価値目標を対象に開発しているといわれている
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中国に関しては、核兵器の3本柱を完成しつつある等々と証言していますが、防研レポートと重なりますので省略いたします

それにしても、ロシアもそうですが、米国が議会の機能不全で予算の強制削減問題に縛られ続ける中、中国もNKもぬかりないです

これでトランプが北の刈り上げ君と会談し、安易な妥協などしないことを祈るばかりです

関連の記事
「中国安全保障レポート2018」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-2
「露が新型核兵器を開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1

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中国安全保障レポート2018 [中国要人・軍事]

8年目となる今回のテーマは「米中関係」

2018中国安保.jpg2日、防衛省のシンクタンクである防衛研究所が、あくまでも各研究者の個人的な見解であるとの前提を置きつつ、中国の安全保障に関する動向を分析した年次報告書「中国安全保障レポート2018」を公表しました

8年目となる今回のテーマは「米中関係」で、米中が、それぞれ相手に対してどのような認識をもち、どのような政策的アプローチをとってきたのか、そして地域のイシューにおいて米中関係がどのように展開してきたか、という点を分析することで、米中関係の中長期的傾向を探る・・・とその狙いを定めています

3日付産経web記事は、特に中国が不透明な形で核戦力を増強している状況に触れ、配備が進めば「(先制の)第一撃で米国の(核搭載)ICBMを撃破することが可能な態勢を構築できるようになる」と予測し、米露が中国の核に対抗する必要から「米露が核軍縮を進めるのは極めて困難になる」と指摘、「国際社会はこれまで以上に注視する必要がある」と記載されている点に点に注目しています。

色々な切り口があるでしょうが、本日は同レポート冒頭の「要約」部分から、つまみ食いでご紹介します

第1章 中国の対米政策
戦勝70周年.jpg●中国は2000年代初頭まで、自国を「発展途上の大国」と位置付け、対米関係安定を重視していた。しかし、中国の経済成長とリーマンショックで相対的なパワー・バランスが変化する中で、中国は次第に自己主張を強めていった。これが外交の強硬化や周辺国との対立につながった
●中国の新型大国関係論は、もともと核心的利益の「相互尊重」という文言で、中国が自国の核心的利益と考える問題について、米国の譲歩を取り付けることに重点を置く概念であった。

●しかし周辺国との対立の結果、対米関係が次第に悪化し、米国との対決懸念から次第に「不衝突、不対抗」を強調し、他方で、南シナ海で見られるように、中国の周辺諸国に対する姿勢は大きく変化していないので、対立の方向性が変化するには至っていない。
中国は、対米関係の安定化と他地域での自己主張強化の2つの方向性を同時に追求している。原則にとらわれないトランプ大統領に対し、中国は多様なルートで働きかけを強め、中国は米中関係の協調と安定に自信を持っている。
●しかし、米中関係は安定からは依然として遠く、対話や協力において具体的成果を求めるトランプ政権に対して、どの程度の利益や価値を中国が米国に提供できるのかは、依然として不確実である。

第2章 米国の対中政策
China-US Pre.jpg●米国は冷戦終結後、方向性が不透明な中国に対して、必要以上の敵視を戒め、安保上の脅威にならないように「エンゲージメント(関与)」していくという方針を取った。ブッシュ政権においては「国際システムの一員」として取り扱い、その中で責任ある振る舞いを求める「シェイプ・アンド・ヘッジ」が基本となった。
オバマ政権もこの姿勢を受け継ぎ、「戦略的再保証」=「中国の大国としての地位を保証すれば、中国は米国と協力して世界の安定のために責任ある役割を果たすようになる」との考え方を執った。しかし、中国の対外政策が強硬化したことにより、米中関係の競争的な側面が重視されることとなり、「アジア・リバランス」を執った。

トランプ政権は国家安全保障戦略で「中国は米国をインド太平洋地域から追い出そうとしている」ときわめて厳しい警戒感を示し、従来の関与政策の放棄を宣言。米国は「危機における安定性」よりも「軍備競争における安定性」を重視し、相互の脆弱性について言及することなく、透明性や信頼の重要性を強調する形の宣言政策をとってきた。
●これは米中間の核戦力に大きな格差があることや、相互脆弱性を宣言することが、「安定・不安定の逆説」の具現化につながりかねないことから、適切な政策であったと考えられる。ただし、地域安全保障とグローバルな核軍備管理体制という観点の両面から、中国の核戦力やその戦略に関する不透明性が懸念される。

第3章 地域における米中関係の争点
地域における米中関係の展開を見ると、双方の不信感が増大していることも見て取ることができる。

朝鮮半島の問題は、中国にとっては安定、平和的解決、非核化が重要である。中国は、北朝鮮を崩壊させたり、米韓同盟が強化されたりすることを望んでいない。
●一方で米国にとっては朝鮮半島の非核化が最重要で、また同盟国日本・韓国の安全保障も関わっている。半島問題は、北朝鮮の行動次第でコントロールが難しい危機発生の可能性がある。

maritime militia2.jpg南シナ海問題は、中国の主張は明確に定義されていないとは言え回復すべき領土という位置付けである。他方米国にとっては、航行の自由と海洋の法的秩序を守るという点が重要であり、またフィリピンとの同盟関係も関わっている。
●南シナ海問題は、関係国も多く、問題を安定的に処理するようなメカニズムは存在しない。そのため問題の安定性は高いとはいえない。

台湾問題は、中国にとって、中華人民共和国成立時より一貫して最も重要な問題であり、「一つの中国」原則を守り、将来必ず統一すべき領土であると考えられている。重要性の高さのために、最も大規模な衝突が起きる可能性を持つ問題である。
●米国にとっては、「一つの中国」政策にのっとり、台湾関係法などに基づくコミットメントを維持し、平和と安定を維持すべき問題である。ただし、これまでに米中は、台湾問題を安定的に扱うための行動様式を確立しており、そのため問題の安定性は高いといえるだろう
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こうやって「要約」の概要で見ると無味乾燥なイメージもしますが、産経が取り上げた中国核兵器の透明性欠如の問題のように、約80ページの本文では様々なエピソードや関係者への聞き取り等を交えて突っ込んだ分析がなされており、是非ご覧ください

ネット用で全文読めますのでお得です! コピペも可能です!

過去の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1

4回:中国の危機管理http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22
6回:PLA活動範囲拡大http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
7回:中台関係サボって取り上げてません

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