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米軍F-35が実戦に初参戦 [亡国のF-35]

海兵隊F-35Bが強襲揚陸艦からアフガン地上目標を
岩国配備のF-35Bが初実戦投入を担いました(たぶん)

F-35 3-type.jpg9月27日、米中央軍海軍は、中東に展開中の公海上の強襲揚陸艦Essexから発進した米海兵隊のF-35Bがアフガニスタン内の地上部隊を支援するため障害除去作戦を行い、作戦は成功したようだと声明を出しました。この作戦は現地27日朝行われ、米軍F-35による初の実戦投入になりました

初実戦投入されたF-35Bは、第13海兵派遣群の第211海兵戦闘飛行隊に所属し、日本の岩国に展開していたF-35Bが実戦投入されたということでしょう

米海兵隊のF-35Bは、2015年に空軍や海軍のF-35に先だって初期運用態勢IOC確立を宣言していましたが、3年を経過して初の実戦投入となりました。
ちなみに世界初のF-35実戦投入は、今年5月のイスラエル空軍F-35で、恐らくシリア領内の2つの目標攻撃に成功したと発表があったところです

なお、米空軍のF-35は2016年夏に初期運用体制IOC確立を宣言していますが実戦投入はまだで、米海軍のF-35Cは2019年2月にIOC体制確立を予定している段階です

27日付Militarytimes記事によれば
F-35B-2.jpg●27日午後、米中央軍海軍は、同日午前、地上部隊を支援するためアフガン国内の固定目標をF-35Bで攻撃したと発表した。同機は公海上を航行中の強襲揚陸艦Essexから発進した
●Scott Stearney中央軍海軍司令官(中将)は、「F-35Bは地域における揚陸艦や空戦能力を格段に向上させ、作戦運用の柔軟性や戦術的優位を提供してくれる」、「Essex即応グループの一翼を担い、公海上から地上作戦を支援し、地域の安定と安全を確保する海上優勢確保を可能としている」と語った

●また第13海兵派遣群のChandler Nelms司令官(大佐)は、「F-35Bの初実戦投入を実現する機会を得たが、これは海兵派遣群のアセットが戦域に投入できる能力を同盟国等に示す機会である」と表現した
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F-35B 3rd-test.jpgほとんど対空脅威がないアフガニスタンで、地上の固定目標を攻撃して成功したという初任務ですが、無人機MQ-9でも、アフガン空軍のプロペラ攻撃機でも可能な任務だったかもしれません

しかし海上の艦艇から発進し、もし艦艇に帰投していたなら、それはそれで立派な第一歩と言えましょう・・・

岩国配備の米海兵隊F-35B
「海兵隊F-35は岩国の次に中東へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03-1
「岩国配属F-35Bがホット給油&給弾訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18-1

タグ:岩国 Essex F-35B
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米海軍F-35のIOCは最低半年遅れ [亡国のF-35]

F-35Cが空母で他機種と初の混合運用試験も

F-35Cformation.jpg27日、空母艦載型F-35の空母運用試験第1段階を開始したリンカーン艦上で、米海軍F-35担当の少将が会見し、本来計画では8月中にF-35Cの初期運用態勢IOC確立を宣言する予定だったが、来年2月以降にずれ込むと明らかにしました

会見は、FA-18やEA-18GやE-2が運用されている空母に、初めてF-35を配備して運用試験を20日の週から開始した中で実施され、その素晴らしい着艦精度を讃えることから始まっていますが、まだまだ確認すべき事項が多数あるとの慎重な言い回しとなっています

また今回の3週間の空母艦上運用試験の後は、具体的な空母での運用試験や訓練の予定は具体的に決まっていない模様で、このあたりからも、飛行運用だけでなく維持整備面を含めた明確な課題が相当積み残されている様子が伺えます

8月28日付Military.com記事によれば
F-35C Landing3.jpg米海軍のF-35C融合推進室長Dale Horan海軍少将はリンカーン艦上で、加州の第125艦載戦闘飛行隊から派遣の6機のF-35C運用試験の状況について会見し、「F-35Cは、FA-18やEA-18GやE-2と共に甲板上を移動し、空で共に有事を想定した飛行訓練を行っている」と語った
●そして、「初めて艦上で他機種と共に活動し、どのように整備を行い、どのように機体を維持するかを海上で確認しつつ、空母への融合を試験している。通信やデータリンク、他機種との連携や任務遂行要領について確認している」とも説明した

●約1週間前に展開した6機のF-35Cについて同少将は、「着艦制度が素晴らしい。平均値以上の性能を示している。新技術を導入当時は操作が難しく感じるものだが、着艦を容易にしてくれている。驚くべき装備だ」とも表現した
一方で今後2週間に及ぶ試験については、「挑戦すべき課題が複数ある。空母への融合が確認できれば良いが、機体を維持できるか、部品は確保できるか、艦上修理が可能か、効率手kに任務遂行が可能か等々、確認すべき課題は多い」と慎重な姿勢を見せた

F-35C USS Nimitz.jpg●ただし同少将はここまで1週間の試験結果については言及せず、「結果については話せない。我々がここに展開し、計画通りに試験に取り組み、F-35Cが艦載機として使用されていることが大きなメッセージである」と語った
8月の予定だったIOCが2月以降に遅れることについて、「IOCの方向に向け向かっている。この勘定運用試験結果を検証分析し、要求事項が満たされているかを検討する」、「要求を満たさなければ判断して延期することになる」とも語った

最初の米海軍F-35Cの任務投入は2021年を予定しているが、同少将は「IOC態勢が確立した以降は、緊急事態があって出動要請があれば、F-35は任務に投入されるであろう」と説明した
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最近国防省のF-35計画室は、やたらと「ソフト3F」搭載機の完成度が高いと触れ回っています。

f35c.jpgしかし超党派の政府監視団体の報告書によれば、「今年1月に会計検査院GAOが指摘した様に、最もリスクが高いレベル1にランクされる問題点が111個あったにもかかわらず、6月の時点では説明もなく19個になり、その後19個も明確な対策がないものも含めて低いレベルの問題に格下げされ、最高レベルの問題点がゼロになっている」、「説明なく格下げされた92個以上の問題はどうなった。議会で取り上げるべき」と指摘しています

どうなることやら・・・

驚きのMAGIC CARPET
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18とEA-18Gにも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09

FA-18を巡る米国の動き
「海軍FA-18増強計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-2
「トランプ言及のFA-18改良型?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-07
「再びトランプがFA-18大量購入を示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18
「2/3が飛行不能の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

「政治ショー?F-35価格削減公表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25
「F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1

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空軍トップが運用開始2年のF-35を語る [亡国のF-35]

もちろん空軍トップが批判するはずはありませんが・・・

Goldfein space.jpg20日付米空軍協会web記事がGoldfein空軍参謀総長へのインタビュー記事を掲載し、F-35に関する空軍トップの現時点での評価を紹介しています

F-35計画を、2012年までは病んだプロジェクトだったが、それ以降は性能面でコスト低下面でも安定したプロジェクトとなっていると強調しつつ、自身が操縦していたF-16との比較でF-35の優れた性能をアピールしています

また課題として、今後は機体の単価と共に、維持費と運用コスト削減が課題であり、他軍腫や同盟国と共に全力で対処すると決意のほどを述べています

一方で回答の歯切れが悪いのは、能力が不十分で、維持整備でも手間や費用が掛かる初期型機体を今後どうするかに関してで、「個人的には・・・」といった具合です。

20日付米空軍協会web記事によれば同大将は Goldfein1-1.jpg
Game-ChangerとしてのF-35を迎え入れられ、これほど幸せなことはない。
F-35には悪い評価が与えられすぎている。皆が考えているよりもはるかに優れた能力をF-35は持っており、単に爆弾を投下したり敵機にミサイルを発射したりする機体ではない

●F-35は情報をフュージョンする装置だ。ISR情報を集約し、指揮統制機能も発揮できる高性能マシンだ。これらすべてが実施可能で、全ての場面で活躍できる
F-16操縦者は、任務や訓練飛行の後のブリーフィングで、気づいたいなかった脅威が存在したことや他の状況を知ることになるが、F-35操縦者は、それがたとえ操縦者になりたての中尉であっても、任務空域の全体状況を飛行中に把握可能で、地上滑走中でも上空の状況が入手できる
●言い換えれば、操縦者は戦いを望ましい環境でマネジメント可能で、チャンスを逃したり危機を見逃すことがなくなる。つまりF-35は根本的にGame-Changerなのだ

F-35 fix.jpg●F-35の最新ソフト「3F」搭載機の稼働率は80%で、他の空軍機標準より高いし、運用開始2面目の期待と比較すれば格段に高い。海兵隊司令官とも情報交換しているが、海兵隊の同機も同じような状態だと聞いている
海外で既に使用されているF-35について、イタリアとイスラエルの操縦者から直接聞く機会があったが、作戦運用面では「absolutely magnificent」だとの反応だった

●世界中で最も多くのF-35を導入する空軍として、他軍腫や他のF-35使用国と協力し、飛行コストや維持整備コストを低下させていく役割を負っていると考えている
●既にアラスカや日本、欧州へも展開経験を積み、現在は英国のRAF Lakenheathに新たな展開基地を設ける準備を進めている

整備性や維持の面で課題を抱える初期型F-35を改修して能力向上するかについて、個人的には全機そうしたいと考えているが、予算配分が可能かどうか検討する必要がある。予算の問題なのだ
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F-35 Front.jpgイタリアやイスラエル空軍の操縦者のF-35評価を語る場面の発言は、「what they’re telling me is, operationally, the airplane is absolutely magnificent」で、注目は「作戦運用面では」と限定している点です。

つまり、維持整備面では苦労しているということです。稼働率80%のソフト「3F」搭載機が何機程度どのような環境で運用されているか不明ですが、過保護で理想的な環境での数値でないことを祈ります。

もう一つ、コスト面での他国評価を聞いてみたかったです

最近のF-35関連記事
「主要装備の再選定開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-15
「トルコが抜けたら大変」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
「世界各国で暗雲」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14

「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
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マティス長官トルコへのF-35制裁に大反対 [亡国のF-35]

トルコを排除すれば、F-35部品等調達が大混乱に・・・

afgan.jpg23日付Defense-Newsは、2019年度予算案を審議している議会に対し、マティス国防長官が書簡を送りロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で米国との関係が悪化しているトルコについて、いろいろ問題はあるが、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除すると部品調達等で大きな問題となると訴えています。

マティス長官は4月末にも、ロシアから武器購入を図る同盟国等に制裁を課すことは、長期的な視点で見れば米国の国益に反すると、「ソフトな言いぶり」でトルコや東欧諸国やインドへの対応に慎重さを議会に求めたことがありますが、今回の訴えは切実です

とは言っても、米国に反抗的な態度で接し、一方でロシアやイランと親密な関係を構築しつつあるトルコのエルドワン政権に、このままF-35を100機も売却し、部品製造を任していいのか???との議会の疑問も当然であり、非常に難しい共同開発国(部品製造や維持整備も分担)トルコの扱いです

23日付Defense-News記事によれば
Erdogan3.jpg●マティス長官は書簡で、トルコへのF-35売却を中止し、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除することは、国際的な「supply chain disruption:部品供給網の混乱」を招くことになると訴えた
●そして、トルコのF-35計画からの排除に反対すると明確に述べ、2002年以降に1400億円をF-35計画に投資し、100機を購入予定である共同開発国トルコの擁護を訴えている

●具体的に国防長官は、トルコ関連のサプライチェーンが混乱すれば、F-35生産に穴が開き、50-75機の機体製造に遅れが生じ、部品調達の正常化に1.5年から2年を要すると説明した

●現在米上院予算小委員会では、ロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で、トルコへのF-35売却を遅らせるべきとの法案が審議されているが、トルコ側はこの法案が成立すれば米国に制裁を行うと警告している
●また米上院の外交委員会でも、米国民のトルコによる不法な拘束に対する制裁として、国際的な金融機関からトルコへの資金貸付を制限する法案が検討されており、23日の就任の審議される見込みである
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mattis senate2.jpg既にトルコ軍には1機のF-35が引き渡され、米国内の米空軍基地でトルコ人操縦者の養成訓練に使用されていますが、極めて機微な問題となりました・・・

しかし、安全保障上のリスクが相当程度あることが明らかでも、複雑化流動化の中にある中東で、トルコを切ることのリスクをマティス長官は考えているのでしょうか・・・

そういえば最近のとある論説で、マティス長官の国防長官辞任の時が迫っているが、マティス氏はイランとの軍事紛争だけは阻止して政権を去りたいと考えており、最後の力を振り絞っている・・・との話を見ました。その一環なんでしょうか???

トルコの防空ミサイル購入問題
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2
「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
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F-35主要装備の再選定始まる [亡国のF-35]

運用開始して間もないが、設計開始後の時間経過を考えると遅いとも言える・・・

F-35 3-type.jpg10日付Defense-Newsがロッキード社F-35部品調達担当Eric Branyan副社長へのインタビュー記事を掲載し、同機のコストダウンのため、重要装備品である電子戦や通信航法識別、更には全周監視センサー融合装置DAS調達先に競争原理を導入すべく、競合企業への情報収集を開始したと報じています

6月22日に行われたインタビュー内容が3週間後に記事になるあたりは、大きなお金が動く重要装備を巡る企業間駆け引きに配慮し、表現の細部に細かな確認が必要だったことを伺わせますが、2020年代前半に製造される機体に搭載開始することを念頭に作業が進んでいるようです

Branyan副社長は「(1機の価格を)90億円まで下げること狙っている」とそのターゲット(米空軍用価格で、日本用など輸出価格は別でしょうが・・・)を公言し、「そのための最も効率的な手法は競争原理の導入だ」と語っており、ぜひ頑張っていただきたいものです

10日付Defense-News記事によれば
F-35 luke AFB2.jpg●同副社長が語った電子戦装置EW(今はBAE Systems製)と通信航法識別装置CNI(今はNorthrop Grumman製)での新たな競争の導入開始は、F-35部品調達の世界に揺さぶりをかけることになろう
●まだ何も決定はしておらず、再選定を行うこと自体も未定だと同副社長は強調したが、「既に関連情報要望RFIを発出し、得られた情報の評価を開始しており、再選定により効果が上がるか、コストパフォーマンスはどうか、そのタイミングにあるか等々を検討している」とも説明している

●同様のRFI発出はNorthrop Grumman製の全周センサー融合システムDAS(distributed aperture system)に対しても行われ、DASに関しては検討の結果、新たにRaytheon製のDASに切り替える事を6月にロッキードが決定し、全体で3000億円のコスト削減につながるとアピールしている
●このような重要装備やシステム全体でなくても、個々のパーツレベルでの再選定も開始されており、より価格優位性や技術優位性のあるパーツや部品の検討も進められている

F-35-Face.jpgEWとCNI装備に関する検討は2018年末までに結論を出すことになっているが、国防省F-35計画室も予算計画や将来の機体維持計画に反映するべく強い関心を持っている
●しかし、同副社長はどの企業に対してRFIを要望したのか等の細部には言及を避け、現在の電子戦装置AN/ASQ-239を担当するBAE SystemsもどのようなRFIへの回答をしたのか明らかにはしなかった

●業界の専門家Richard Aboulafia氏は、重要装備品の入れ替えはリスクがないわけではないが、コスト削減のためトライする価値はあるとしている。そして「F-35は運用開始して間もなく装備変更は尚早との声もあろうが、開発設計開始からの時間経過を考えれば、装備の再選定は既に遅いとも言える」と語っている
2023年に納入予定の第15ロット生産に間に合わせようとすれば、DASを新たに担当するRaytheonは、月150セットの製造態勢を2022年7月までに整える必要があり、2019年4月には重要設計審査CDRをクリアする必要があることから、余裕はない
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F-35-Cockpit3.jpgソフト開発にこれだけ苦しんでいるF-35ですから、お馴染みのRichard Aboulafia氏が言うまでもなく、他社装備を機体に新たに組み込むことのリスクは「小さくない:not necessarily insignificant」はずですが、コストダウン要求がそれだけ大きいということでしょう

副社長が言う機体価格目標の「$80 million 約88億円」は、当初計画からすればもう一声欲しいところですが、それでも高い高いハードルでしょう・・・・。
トランプが仕掛けた中国との貿易「チキンレース」戦争で世界経済に減速感が見える中、F-35から手を引く国は増えるでしょうに・・・

最近のF-35関連記事
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
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「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14

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タグ:F-35 電子戦 DAS CNI
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GAOがF-35計画に再び警告 [亡国のF-35]

いくら警告しても、問題発生を阻止する意思なし・・・!?

5日付で米会計検査院GAOがレポートを発表し、F-35に対し再び警鐘を鳴らしています。

F-35 luke AFB.jpg何度も何度もGAOからの警告レポートが繰り返され、その度に国防省のF-35計画室からは、既にその問題は認識して対応しているとの反応が示されますが、時間が経過するとその問題がGAOの警告そのままに顕在化して計画の遅延や経費増大、更には現場での稼働率低下となって表面化する事が繰り返されています

今回の指摘は大きく2つ一つは「フル生産体制:full-rate production」に入る前に、技術的な諸問題を解決しないと、完成後に機体改修が必要になり経費増大につながるから、フル生産を待て、との指摘。

もう一つは、ソフト「3F」に続くバージョンアップ「Block 4」に関し、全体計画を明らかにしない(固めない)中で、五月雨式に部分部分の予算要求を始めるのは不適切だ、との指摘です。

全くもって、ごもっともな指摘だと思うのですが、国防省のF-35計画室は、素人には意味不明な、一般社会ではとても通用しない理論で反論を試みています

5日付Defense-News記事によれば
F-35-night-burner.jpg●「フル生産体制:full-rate production」に入る前に、技術的な諸問題を解決する必要性については、国防省F-35計画室も理解しているが、問題の解決「resolve」の定義や理解が双方でずれている
●GAOは現場での対応が完了した時点で、つまりそれ以上に欠陥品を製造しない体制が確立した時点を解決と考えているが、国防省F-35計画室は問題の解決法が明らかになった時点で解決と考えている

●国防省のこの慣行にGAOは問題ありと指摘し、欠陥がある製品を製造し続け、後に手戻り改修に追加経費が必要になる状態で問題の解決とする点が問題だと指摘している
●これに対し国防省側は、当面の解決策を押さえておき、後により良い効率的な解決策が見つかったら採用する余地を残すためだと対応している。

●「Block 4」能力向上計画については、GAOは米議会に対し、国防省側が同計画の全体像やコストについて明らかにしない限り、関連予算を五月雨式に認めるべきではないと訴えている
●国防省は2019年度予算案に、「Block 4」関連予算を約300億円既に要求しているが、2019年3月まで全体計画は明らかにならないと述べている。柔軟性のあるソフト開発と近代化を進めたいとの考え方に基づくものである

F-35transonic.jpg●ソフト開発の特質を踏まえ、一般企業のソフト開発ノウハウを生かそうとの新たな考え方であるが、全体像が見えないままに予算を認め始めると、どれだけ膨らむかわからない事業に税金を投入することになるのだ
●GAOもソフト開発の特性と現状の課題を踏まえ、「従来のソフト開発手法と比較し、入手時間を短縮する可能性がある」と一定程度の理解を示しているが、どの程度の確実性を担保して計画を走り始めているのかしっかりモニターする必要があると強調している
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相変わらずのF-35模様ですが、これだけの巨大プロジェクトでありながら、国防省得意の「どんぶり勘定」感覚で突っ走ろうとしている当たりの感覚がアンビリーバブルです。

でもこれは対岸の火事ではなくて、「どんぶり勘定」と「どんぶり計画」で製造され、価格が跳ね上がった航空機や部品を、日本は購入することになるのです・・・

関連のF-35記事
「トルコと伊で購入に暗雲」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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イスラエルF-35世界初の実戦使用も世界他所では暗雲 [亡国のF-35]

イスラエルが初の実戦使用を宣言も・・・
米議会がトルコへのF-35売却停止に動き、トルコ反発
イタリアでは新連立政権がF-35から撤退も・・・

F-35 Israel4.jpg22日、イスラエル空軍司令官が、同空軍F-35が2つの作戦で攻撃任務に参加し、世界初の実戦デビューを飾ったと、その筋の方には「おめでたい」発表を行いました。

しかし直後の24日米議会はロシア製の防空ミサイルシステムS-400購入に動くトルコにはF-35を売らない法案をまとめることで合意し、トルコ政府がすぐさま報復を示唆する声明を出すなど、両国間の緊張の種となりつつあります

更にF-35共同開発国であるイタリアでは腐敗した政権打倒を旗印に3月の総選挙で勝利した政党が、F-35計画からの撤退を打ち出す可能性が出てくるなど、相変わらず世界中でお騒がせな「F-35模様」をご紹介します

イスラエルが世界初の実戦投入を発表
Norkin.jpg22日、イスラエル空軍司令官Amikam Norkin少将が、同空軍F-35が2つの作戦で攻撃任務に参加し、世界初の実戦デビューを飾ったと同空軍のイベントで発表した
また同司令官(航空自衛隊より規模の大きい空軍だが、トップが少将と謙虚な階級割り当てを維持)はtwitterで、「イスラエル空軍F-35は既に作戦行動を行っている。わが軍は世界初のF-35実戦投入軍である」と発表している

●更に同司令官は、地元紙が掲載した同軍F-35がベイルート上空(レバノンの首都)を飛行する写真を証拠として紹介し披露した
●もともとイスラエルは導入した装備を早期に実践する伝統を持っており、F-15戦闘機を導入した際も、米空軍の初実戦投入が1991年湾岸戦争であったのに対し、イスラエル空軍は1979年にはF-15による初撃墜の戦果を残している

F-35 Israel.jpg●一方で、このF-35初の実戦使用が他国に影響を与えるか、世界での注文増につながるかは疑問である。イスラエルも現在購入予定の50機に追加するか、またはF-15を購入するかで議論が続いている
米空軍のF-35については、戦闘コマンド司令官が昨年、「そんなに遠くない将来」にF-35が実戦に投入されるだろうと表現しているが、現実には航空ショーでのお披露目海外展開程度の状況である

F-35を巡る米トルコ対立
F-35-Turkey.jpg24日、米上院軍事委員会は非公開協議を行い、NATO加盟国にもかかわらず、また防空をNATOに大きく依存しているにもかかわらず、ロシア製防空システムS-400(通称F-35キラー)を購入しようとしているトルコに対する、F-35輸出を取りやめる法案取りまとめを行うことを決定した。下院も同様の決定を行っている
●これに対しトルコ外務大臣は、国家間の取り決めが成立済みのF-35購入契約に反する米議会の動きが現実のものとなれば、トルコは報復措置を検討すると直ちに声明を発表した

●ちなみにトルコは、合計で116機のF-35を購入する計画を明らかにしているが、最初の2機を契約して今年受領することになっている以外、具体的な話はまとまっていないとの指摘もある

イタリアで反F-35連立政権誕生へ
●3月の総選挙で政権交代の方向が確実になり、現在も勝利した2党「Five Star Movement」と「League party」による連立政権協議が行われているが、選挙期間中に両党議員が国内産業保護を訴えていたことから、F-35購入計画(90機)の継続が危ぶまれている
F-35 Itaria.jpg●両党議員の中には、明確にF-35計画からの撤退を訴えていた者もおり、その動向が注目されている

●もともと、前政権下でも、F-35部品の製造割り当てがイタリア企業に少なく、「米国とロッキードに騙された」とイタリア工業会の会長が声明を出すなどF-35に対する風当たりはイタリアで強くなっていたが、この連立政権は大衆迎合型の政党で構成されることから、その成り行きが注目されている
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相変わらずお騒がせのF-35ですが、国際情勢をフォローする上での「キーワード」の一つとも言え、興味深い限りです・・・

日本の三沢基地に降り立った空自のF-35は、最近どうなんでしょうか??? 飛んでいるんでしょうか???

関連の記事
「イスラエルF-35は独自装備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05-1
「イタリア工業会は米に騙された」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-11
「欧州でのF-35整備拠点決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-12-1

「トルコが追加購入へ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01-1
「トルコが2機購入を発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09-1
「再びF-35初度発注へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-23

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米空軍操縦者不足:F-35教育部隊の苦悩 [亡国のF-35]

最も初期型のF-35を操縦者養成に使用する部隊の苦悩をご紹介

F-35 Sun-Set.jpg7日付Military.comが米空軍長官と共にフロリダのエグリン基地への訪問取材記事を掲載し米空軍F-35操縦者養成を支える第33戦闘航空団司令官へのインタビューを紹介しています

米空軍はパイロット必要数の2割不足しており、その流出が止まらない状況にあることから、手当てを増やしたり人事制度を見直したりして対応していますが、なかなか効果が見えません

そんな中、パイロット養成数を増やして穴埋めを行おうとしているわけですが、養成最前線は未成熟なF-35と部品不足と航空機不足等に悩まされ、限界状態にあるようです。

確か米空軍は、関係要員へのメディア対応を再教育するため、半年ほど取材受けを制限しているはずですが、この突撃レポートが成立したのは、「予算不足で部隊は大変なんだ!」と組織として訴えたいからでしょうか???

でも結果として、F-35開発計画のでたらめが、部隊に負担をかけていることを証明する結果になっているとしか読み取れないのですが・・・

7日付Military.com記事によれば
F-35A Eglin.jpg米空軍のF-35導入計画や要員教育計画では、エグリン基地は107機のF-35を受け入れ教育訓練を行う予定となっていた。しかし騒音問題で地元自治体から訴えられ、59機にまで受け入れ上限を絞られた。
●しかし実際には、その上限に20機以上も足りない25機で操縦者養成を行っている状態にある。第33戦闘航空団のPaul Moga司令官は、「あと12機増えれば飛行訓練を6割増加出来、1個飛行隊分24機増やせれば、操縦者養成数を倍増以上にできる」と訴えた

●Moga司令官はまた、エグリン基地には機体を駐機したり維持整備する格納庫スペースもあり、整備部隊も配備され、飛行訓練空域も十分にあると語り、活用できるアセットが十分生かされていないと訴えている
●同航空団は既に部隊レベルで可能なあらゆる手段を講じて飛行訓練数を増やしており、例えば「hot swaps」との方法で操縦者を地上で交代させ、限られた機数の機体を最大限に活用して飛行訓練を行う努力まで行っている

●だだ、機数が不足していることだけが部隊の苦労を生んでいるのではない。同航空団の機体はF-35の中で最も初期に製造された機体で、ソフトももっとも初期型の2Bを使用しており、「生命維持装置をつけながら使用している」と司令官が表現するほど維持整備に手間が必要な状態だ
●ちなみにF-35のソフトは、2B→3I→3Fと既にアップグレードが進行中で、国防省のF-35計画室は、2020年代前半に投入を目指している要求性能を完全に満たす「Block 4 software」開発に向けた取り組みに注力し始めている

F-35A Eglin2.jpg●また初期型ゆえに必要な期待改修計画が空軍計画で組まれており、機体が使用できないことも多いし、ソフトが最も初期型であることから、機体性能の最大発揮ができず、教育の中で部隊で使用している機体のソフトを経験することができない
●更に、F-35部隊全体で問題になっている修理部品の不足が、エグリン基地でも「in dire need」状態にあり大きな問題である
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エグリン基地が直面している問題は、既にご紹介してきたF-35関連の問題ばかりですが、騒音問題で訴訟まで招いていたとは・・・

米空軍の操縦者不足問題は、解決の見通し見えず・・・としておきましょう・・・・

最近のF-35関連記事
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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米国防省がF-35の受け取り拒否 [亡国のF-35]

開発試験フライトが終了し、運用試験と評価フェーズに入ると発表した同じ週に・・・
2~3週間の交渉で解決とのみ見通しらしいですが

Winter2.jpg12日、米国防省のF-35計画室は、F-35製造段階での品質管理に問題があり、その問題への対処に関する費用負担の協議がLockheed側と終結していないことから、問題解決までF-35の受け取りを停止していると認めました。本件はロイターが最初に報じ、その報道を後追いでF-35計画室が認めた形です

11日には同じF-35計画室長が11年にも及ぶ開発試験飛行の最後のフライトが11日に終了し、今後は運用試験と評価フェーズに入ると成果を強調していたのですが、そんな時に「水をさす」受け取り停止問題が明らかになったタイミングの悪さです

機体受け取り停止につながった「F-35製造段階での品質管理問題」とは、機体の構造材をつなぐ際にドリルで穴をあける部分の腐食防止措置が不十分で、200機のF-35Aに対し当該部分への腐食防止の再塗装などが必要になった件で、その対処自体は難しくないようですが、経費負担をどうするかで国防省とロッキード間で話がついていないので受け取り停止らしいです

ロッキード側は2018年全体の機体製造機数と納入には問題ない程度の話だとコメントし、国防省も空軍も「大きな問題ではない」とのスタンスの様ですが、今後量産体制に入る前に、品質管理問題をロッキードに念押しする意図もあるようです

調達担当のEllen Lord国防次官は
Lord.jpg●問題自体は解決に向かっていると考えているが、この受け取り停止は、機体の品質管理に関するロッキード側のいい加減さに対する毅然とした国防省側の態度を示すものでもある
●F-35計画を推進しようとする中で、受容可能なレベルという点で我々も思慮深かったとは言えない状態だったが、この問題を契機に前進したいと考えている

●この腐食問題は、企業の製造レベルへの期待を明らかにする一つの事例である。現時点では国防省側が期待するレベルが達成されていると確認できない
●ロッキードのCEOとは毎月あって国防省の期待を話しているが、「今後製造される機体が、我々の期待するレベルを達成するとの信頼を確かなレベルにするプロセスの途上である」、「企業の全てのレベルと協議をつつけており、信頼を確実なものにしたい」
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F-35 fix.jpgまず、これから運用試験と評価(operational test and evaluation)に入るということです。この運用試験と評価は、なあなあ関係のロッキードとF-35計画室ではなく、国防省の機関ながら議会により設けられた独立系の性能評価局が関与することになると思います。

まだまだ開発と製造の同時進行は進み、まだまだ多くの問題が明らかになり、修理改修経費が膨らむことでしょう

そんな中にあって、左うちわのロッキードが「品質管理」で手抜きし、ますます費用がかさむ「負のスパイラル」です。

最近のF-35関連記事
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
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タグ:Ellen Lord
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F-35の維持費を1/3にしF-16並みに [亡国のF-35]

さもなければ、1763機から約590機調達減か

Goldfein11.jpg3月29日、米空軍参謀総長David Goldfein大将が記者団との朝食会で、F-35の維持経費が高額であることに改めて強い懸念を示し、現在のF-35維持経費を1/3程度のF-16維持費レベルに 低下させなければならないと語りました

2月には戦闘機族のボスである戦闘コマンド司令官が、老朽化が進む米空軍戦闘機の平均年齢を下げるため、本当は毎年60機ペースでF-35を購入したいが、今多数購入すると今後の改修経費と維持費を支えられないと「本音」を吐露していたところです

また3月には国防省F-35計画室長が、維持整備体制の問題から、世界に存在する280機のF-35のうち、飛行可能なのは5割に過ぎないと暴露して世界に衝撃を与え、その数日後米空軍幹部も、米空軍保有機体の8割近くを占めるソフト2B搭載機体の稼働率は、4割台にとどまっていると議会で証言したF-35の惨状です。

そんな中での参謀総長の発言ですが、特に注目したいのは他軍種や外国購入国も同じ思いだとのニュアンスの言及をしている点です

3月29日付Military.com記事によれば
F-35 block 3.jpg●Goldfein米空軍参謀総長は、まず最初の目標は現在われわれがF-16の維持費か同レベルまで、F-35の維持費を削減することだと明確に述べ、「F-35の維持費を大変懸念している」と朝食会で語った
●そして更に「我々は第4世代機レベルにまで維持費が削減されるまで努力を止めない」とも語り、併せて海軍と海兵隊やF-35を購入した諸外国もその追及に協力する計画だと述べ目標はF-16と同価格までの削減だと再度表現した

●参謀総長はこの削減努力に関し、マティス国防長官が国防副長官と調達兵站担当次官に軍需産業出身者であるPatrick Shanahan氏とEllen Lord女史を選んだことを高く評価し、軍需産業をコスト面から導ける経験を持った人物の登用に期待を示した
●この背景には、Bloomberg Newsが同週に、F-35の維持費を削減できなければ、空軍の計画するF-35の調達機数1763機から約590機を削減する必要があるとの具体的数字を始めて報道して話題を集めたことがある

Goldfein1-1.jpg●Goldfein米空軍参謀総長の発言に対し、Lockheed Martin社は声明を発表し、「わが社はF-35維持費の削減取り組みに投資を行っており、引き続き国防省F-35計画室との連携を密にし、運用維持経費の縮減に努めていく」と述べている
●また同社F-35担当副社長が3月5日に、「F-35は数年後には、他の戦闘機を即応態勢と生産面で凌ぎ、数々の記録を打ち立てると確信している」とも自信を示してたところ
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最近立て続けに、国防省幹部や米空軍幹部からF-35関連の発言が相次いでいます
つい最近までは、海外での売れ行きに配慮し、開発状況に中立的な発言が多かったのですが、2019年度予算編成の過程で耐えられないことが明確になってきたのでしょう・・・。

そのうち海外購入国への配慮とか、相互運用性の観点とか、そんなことはすっ飛んでしまって、海外にコストを押し付けてでも、米国用のコスト削減に走ることになるのでしょう・・・恐ろしや・・・

最近のF-35関連記事
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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米空軍F-35の77%を占める2B機体の稼働率4割 [亡国のF-35]

Harris-J.jpg7日、米空軍司令部戦略計画部長Jerry Harris中将が下院軍事委員会で証言し米空軍が保有する130機のF-35の中で、約77%を占めるソフト2B搭載機体の稼働率が40%程度であると認め、一つの最前線である嘉手納基地に展開中のF-35でも7割だと述べました

先日は国防省F-35計画室長の発言を紹介し、全世界に存在する280機のF-35の稼働率が約5割だとご紹介しましたが、米空軍の状況も悲惨な状況にあることが明らかになりました

Harris中将は、導入が始まった最新ソフト3F搭載機を「待ち望んでいた機体だ」と将来見通しが明るいような表現もしていますが、自動兵站情報システムALISの最新ソフトにも大きな進展が見られないと語り、国防省F-35計画室長より深刻な状況を吐露しています

また、軍内の機体修理施設や部品調達の課題も深刻で、時間当たりの運用経費が他の戦闘機の3倍以上に上っている様子も語っています。

7日付米空軍協会web記事によればHarris部長
F-35 luke AFB.jpg米空軍が保有する130機のF-35の中で、約77%を占める100機のソフト2B搭載機体の稼働率は40%前半に留まっている
●ただし、より最新型のソフト3Iと最新型ソフト3Fを搭載した機体の稼働率は6割から7割である。そして既に運用態勢確立を宣言したユタ州の部隊から、嘉手納基地に展開しているF-35の稼働率は7割以上を維持している

●ソフト3F搭載機の改善具合は素晴らしく、信頼性とセンサー能力を発揮する能力面で「驚くべき進歩改善」を感じさせてくれている。搭乗員と整備員が待ち望んでいた機体といえる

一方で、自動兵站情報システムALISは依然として多くの問題を抱えており、フライト状況の監視や故障部位の部品自動発注で多くも問題を引き起こしている
●米空軍もこの問題を認識し、ソフトの更新を試みているが、結果は「期待したよりも、仕事に時間がかかり、人手を要する」事となっているのが現状である

Harris-J2.jpg米空軍は「ALIS問題に真剣に取り組んでおり(in-depth study of ALIS and its shortfalls)」、年末までに問題を解決したいと考えている
●また米空軍内の修理補給施設の整備も遅れており、低稼働率を招く部品調達や部品品質の問題につながっている。そして部品を製造企業に送り返して対応を依頼することから経費が高騰している
飛行時間当たりの経費が5万ドルにも至っている現状は看過できない
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運用開始間もない最新鋭機が潮風の影響を受けやすい沖縄に展開し、7割の稼働率であれば頑張っている方だと思いますが、Harris中将の証言からすると、まともに飛行できそうな機体のほとんどが嘉手納派遣に関与していると考えられます

F-35 luke AFB2.jpg対中国や知北朝鮮へのにらみを利かせるための派遣でしょうが、12機程度の派遣を支えるが限界だということでしょう

こんな機体を導入し、今後も機数を増やそうとしている日本の皆さんの苦労を思う時、その労力は他に生かすべきではないかとしみじみと思う今日この頃です

世界中のF-35稼働率は5割
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3

今も変わらぬ問題の本質
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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現在のF-35稼働率は約5割 [亡国のF-35]

世界中に存在する280機のうち半分が飛行不可能

F-35 3-type.jpg2月28日、米国防省F-35計画室長Mat Winter海軍中将が記者団と懇談し、米軍及び世界各国が受領している約280機のF-35のうち、飛行可能状態なのは51%の機体に過ぎないと語り、特に初期に製造された機体にハードとソフト両面で不具合が多発していると語りました

また、航空機整備体制の革新として、鳴り物入りで導入された自動兵站情報システムALISがうまく動かず、自動診断で故障警報を乱発し、不要な部品の発注を繰り返している混乱ぶりも明らかにしています

開発と製造を同時並行で進めるという、海外輸出振興と国内反対派対策のため無理やり行った無茶な施策の結果が、この惨状を招いたのは明白です。
いずれの問題についても、解消する方向で手を打ちつつあると同中将は語っていますが、外部の有識者や専門家が以前から予測していた問題が次々と現実となる「負の優等生F-35」ぶりは健在です

2日付Mmilitary.com記事によれば
F-35 luke AFB.jpg●Mat Winter室長は記者団に、初期のロット2からロット4で製造したF-35の稼働率が最も悪く40~50%で、もっとも最近のロットで現在も製造が続いているロット9と10の稼働率は70~75%だと述べた
●稼働率が低くなっている問題の背景には、機体の不具合を自動診断して部品の調達等を自動処理する自動兵站情報システムALISのトラブルがあり、問題のない部品を故障と診断する「false positives」がかなり発生し、部品の誤発注が続いている

●同室長は良いニュースとして、ALISの最新バージョンソフト3.0は「false positives」問題をほぼ除去可能で、初期型F-35のトラブルについても関係者が信頼性を上げるべく取り組んでいると説明した
●また部品の調達を円滑にし、整備員の技量を向上させ、整備維持システムや工具を適切にし、サプライチェーンや部品供給基盤を整えていくとも説明した

●更に、初期型100機に対するハードとソフト両面の改修事業が開始され、ソフトでは「3F」の搭載も進められると説明し、「機体が整い、ALISがバージョンアップされ、修理部品が必要数揃い、整備員の能力が向上すれば、全体のコストを下げることができる」と語った
●F-35の維持運用経費の高騰問題についても言及した同中将は、現在の維持コストでは今後280機から2021年末の800機に増えた段階で支えることができないのが部隊の現状であると認め、「全ての手段や手法を駆使して維持可能なコストに引き下げたい」と説明した
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F-35 luke AFB2.jpg過去に他の機種で前例のない増産を計画しているため、部品の供給が追い付かなくなり、維持整備費や高騰して稼働率が下がり、ますます新規購入意欲が低下して単価が上昇するとの「負のスパイラル」を何度も警告してきましたが、その通りの「坂道転げ落ち」現象が現実のものとなっています。

Winter室長のような明るい将来像は5年前から延々と語られていますが、手戻り改修経費が大きな問題となり、維持経費が高止まりする現状に具体的な改善方向は見えていません

輸送艦「いずも」にF-35Bを搭載するとか検討するとかいう前に、もっとしっかり足元を確認し、地に足の着いた議論をすべきです

今も変わらぬ問題の本質
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

F-35維持費問題を内外が指摘
「F-35維持費負担は不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-04-1
「GAOがF-35維持費に警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-25
「再度警告:開発と製造の同時並行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10 

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今F-35を購入すると改修に膨大なコストが [亡国のF-35]

米空軍の戦闘コマンド司令官が本音で語る年間購入機数48機

Holmes55.jpg22日、米空軍の戦闘機族ボスであるMike Holmes戦闘コマンド司令官が米空軍協会航空戦シンポジウムで講演し、今後のF-35取得ペースやその後に待ち受ける要改修機体への対処などについて語りました。

米空軍が保有する戦闘機の平均年齢「30歳」を引き合いに出し、F-35を年間何機購入すれば平均年齢が下がるかなどの興味深い分析を披露しつつ、一方で他の必要投資とのバランスも考える必要があると認めざるを得ない苦しい立場も吐露ししています

そして、他の投資分野とのバランスだけでなく、開発と製造を成功して進めているF-35の乱暴な現状を踏まえ、今大量に購入しても「支払いきれない膨大」な改修費用が必要となるとの本音の理由も説明し、現状の年間購入機数への理解を、米空軍や軍需産業やOBの「戦闘機命派」に求めています

22日付米空軍協会web記事によれば同司令官は
F-35 Hill AFB2.jpg●米空軍は、F-35の年間購入機数を48機とすることが「balance point」だと考えている。このバランスとは、戦闘機全体の近代化を図りたいとの願望と、他のアセットの近代化との間のバランスである
●また、(開発途中で製造され、受領後に近代化改修が必要な機体の)改修経費が膨大なため、全てのF-35を同じ形態にそろえることは不可能

●もちろん私は(年間48機)より多くのF-35を毎年購入したいし、そのことで米空軍保有戦闘機の平均年齢30歳を引き下げたい
●例えば、年間60機F-35を購入できても、それでは平均年齢を維持することで精一杯だ。仮に80機購入を10年間継続できれば、平均年齢を20歳にまで引き下げることが可能だ。そして100機なら我々がより幸せだろう

●しかし戦闘機の更新は、他の核兵器、ISR、宇宙アセット、無人機などなどの近代化投資とのトレードオフで考えなければならない。
HOLMES4.JPG●特に(まだ開発が継続している中で見切り発車して購入した)初期段階のF-35機体を最新型レベルに改修するには、「支払いきれない膨大:unaffordable cost」な改修費用が必要となるため、しばらく待って望ましいレベルの後に生産される機体を購入することを志向している

●ただし、どのレベルの能力を達成した機体が必要か、初期型機体をどのレベルまで改修して引き上げる必要があるかは検討中である
●(現在、操縦者養成用に使用している初期型の限定的能力しかないF-35を、全て実戦使用レベルに改修するのか?との質問に対し、)一部の機体はその改修に膨大な経費が必要出し、一部はソフトの交換だけで能力向上が可能になる。現在検討中である
/////////////////////////////////////////////////////////

この「Air Warfare Symposium」には、日本からもゾロゾロ戦闘機命派の航空自衛隊操縦者OBが軍需産業顧問として参加しているはずですが正直に日本に帰って報告していただきたいものです。

F-35 luke AFB2.jpgもしかしたら在米大使館の防衛駐在官あたりも参加しているかもしれませんが、正直に日本政府にこの現状を報告すべきだと思います

恐らく48機ペースを維持するのも困難でしょうから、米軍戦闘機の平均年齢は30歳から上昇を続けるのでしょう。総数を削減しないとの大前提を変えない限りは・・・

Holmes戦闘コマンド司令官の発言
「仮想敵機も民間委託」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「民間ドローンへの対処権限を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-15
「規模が大きすぎ小さくなっている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14

「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「ACCの新たな取り組み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15-1
「Holmes司令官の経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-12

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米国防省次官がF-35維持経費負担不能と [亡国のF-35]

調達兵站担当次官
「現状のままではF-35の維持経費を払い続けることは不可能」

Lord.jpg1月31日、米国防省の調達兵站担当次官であるEllen Lord女史が記者団に、現状ではF-35の維持経費を米国防省は捻出できなくなることから、専門家やデータ分析技術を動員してF-35計画室とともに、維持コストダウンに取り組み始めたと語りました。

F-35の維持経費については1月18日にも、次の米空軍調達担当次官であるWill Roper氏が議会で証言し、最も大きな懸念事項であり、同次官ポストに就任したらまず一番に精査して必要があれば対処すると語っていたところです

また昨年10月の米会計検査院GAO報告書でも計画よりはるかに長期間必要な部品修理、修理に必要な部品不足、F-35兵站支援システム開発の遅れ等々が厳しく指摘され、予算獲得と海外売り込みのために厚化粧した「亡国のF-35」の実態は、隠しようもない状況であることが表面化しています

1日付Defense-News記事によれば
F-35 Paris.jpg●Ellen Lord次官は記者団に、F-35戦闘機の維持経費に対し、新たな業務データ分析を試験導入し、ビックデータ分析を含む客観的手法の導入を図ると語った
●そして「現状のままではF-35の維持経費を払い続けることは不可能。我々はこれを変えなければならない」と語り、この「most significant」で「awesome aircraft」を生かす努力の重要性を語った

●また遅れている開発と最終試験スケジュールに関しては、「急激に変化する脅威に対応すべく、2025年までにすべての開発計画を完了しなければならない」と決意を述べた
既に米軍内だけで250機のF-35が部隊配備されているが、維持整備に関し米国防省は数々の困難に直面しており、GAOが指摘したように「計画よりはるかに長期間必要な部品修理、修理に必要な部品不足、F-35兵站支援システム開発の遅れ等々」の問題が山積している

●会計検査院GAOの指摘に対しF-35計画室は、GAO報告書のデータは正確だが、データ収集時点からすでに種々の対策を講じており、事態は改善されてると説明している
Lord2.jpg●しかしLord次官は、6名からなる調達専門家チームを編成し、F-35計画室と緊密に連携させ、原点に立ち返って計画を分解し、如何に維持を行うか、如何にコストダウンするかを検討させていると語っている

●同次官は「F-35計画は極めて複雑で、多くの海外顧客も関係しているが、だからこそ計画全体を知る専門家が新鮮な目で見てチェックし疑問を投げかけることが、全体の利益につながるのだ」と語っている
●また「我々はデータ重視で進めたいと考えている。概念やコンセプトばかりでは地に足の着いたアプローチはできず、率直に言って時間の浪費になる。F-35に関するすべてを俎上に載せ、データに裏付けられた分析で、よりシャープな目で臨みたいと思う」と説明した
//////////////////////////////////////////////////////////

専門家投入やビックデータ分析で維持コスト低減が成功することを祈念いたしますが、NPRで示された核兵器維持近代化、各種通常兵器の更新等々を勘案すれば、2千機以上のF-35を導入することは絶対に不可能で、調達機数削減は不可避です

F-35 GAO.jpg現役次官がここまで率直に語るようになったとは・・・事態の深刻さを表現しています・・・

すると「負のスパイラル」、機数削減→価格上昇→海外の購入機数減少→更なる単価高騰+維持整備経費増大・・・となります。

そして日本のような国は足元を見られ、効果ない維持費を吹っ掛けられ、泣く泣く支払うことになります。日本はF-35Bなど購入している場合ではありません。脆弱で有事に使えない戦闘機への投資を絞るべきです

「次の米空軍調達幹部がF-35を一番の懸念に」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1 

米会計検査院がF-35にたびたび警告
「GAOがF-35維持費に警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-25
「再度警告:開発と製造の同時並行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10
「F-35最終試験は1年遅れでも不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17
「ALISにはバックアップが無い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01

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米空軍省の次期調達担当次官:F-35維持費を懸念 [亡国のF-35]

次期空軍調達担当次官:F-35の維持が最大の懸念

Roper5.jpg18日、次の米空軍省の調達担当次官候補であるWilliam Roper氏が、上院軍事委員会の承認を得るため同委員会で質疑応答に登場し、同氏が同次官職に就任した場合の一番の懸念事項がF-35の維持計画とその経費だと証言し、同次官に就任したらまず再確認したいと語りました

William Roper氏の名前に覚えがある方は相当の「通」だと思いますが、国防省の鳴り物入り組織である(あった?)「戦略能力緊急造成室:Strategic Capabilities Office」の初代室長を現在務めている人物です。

このSCOは鈍重な国防省官僚組織の調達システムをすっ飛ばし、最新の技術を生かした装備品を迅速に実現して前線に投入する特別組織で、カーター前国防長官の肝いりで発足した組織です。
Roper44.jpgつまりRoper氏は、国防省調達の問題点を知り尽くした人物というわけです。

国防長官直属のSCO室長として、同じ国防長官直属であるF-35計画室の状況は「反面教師」として自然と耳にしてきたと考えられますが、そんな中でのF-35維持体制と維持経費への問題意識です。是非拝聴しておきましょう。

19日付米空軍協会web記事によれば
●18日、上院軍事委員会に次の米空軍調達担当次官候補として証言に臨んだWilliam Roper氏は、もし承認されたら、米国防省最大の購入装備品であるF-35とB-21爆撃機について、その計画と維持計画を詳細に吟味する必要があると所信を述べた
●そしてWilliam Roper氏は、最大の懸念事項はF-35の維持コストであり、仮に米空軍が維持コストを管理できずに低下させられなかったら、押し寄せる維持コストの荒波に次ぐ次と襲われ、米空軍保有の装備体系をも脅かしかねず、最終的にはF-35を計画調達数を下げなえればならなくなると述べた

Roper2.jpgまたB-21爆撃機についてRoper氏は、まず必要機体数について再検証したいと語り、昨年末に発表された国家防衛戦略NDSや2月に発表予定の核態勢見直しNPRを踏まえた精査が必要だと語った
●そして上記2つの戦略文書を踏まえ、米空軍は爆撃機戦力全体の構成を再検討すべきだと語り、現在3機種(B-1、B-2、B-52)で175機保有している体制の将来像検討が必要だと主張した

●ちなみに、米空軍の元情報部長で退役中将のDave Deptula氏(ミッチェル研究所長)は、120機のB-21爆撃機を含め、爆撃機全体は282機必要だと主張している ●Roper氏は調達担当次官の業務の進め方として、「human-driven」アプローチを提唱し、組織の前線レベルや下層レベルに決定権限を委譲し、プロトタイプによる検証を求めていくと語った。しかし同時に、特定の装備品調達には従来のやり方が必要だとも語った

おまけ:米国防省がベルギーへのF-35輸出承認 (まだベルギーが購入を決定もしていないのに・・・)
F-16 Belgium.jpg●19日、米国務省はベルギーに対し、34機のF-35A型を約7500億円で売却することを承認すると発表した。ただしベルギー政府は正式にF-35購入を決定していない
相手国が購入を決定していないのに輸出を承認するのは極めて異例だが、最近ではカナダへの18機のFA-18輸出を、カナダが決定すする前に承認している。ただ、カナダのケースでは、貿易紛争からカナダ側が米国の輸出承認を無視する姿勢を見せている

ベルギーは54機保有するF-16戦闘機の後継機を検討しており、F-35のほかにも仏のRafaleや、Eurofighter Typhoonを候補機として検討が行われている
●しかし、既にグリペンやボーイングはこのレースから撤退を表明しており、業界関係者の中には「実質上F-35で決定している」と語る者もいる
●欧州のF-16保有国は相次いでF-35を後継機にする決定を行っており、既にオランダ、デンマーク、ノルウェーが決めており、ベルギーが採用を決めれば4か国目となる
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無人機の群れ活用を強く主張し、SCO室長として精力的に動き回ってきたWilliam Roper氏に期待いたしましょう

F-35 fix.jpgなお同氏は無人機の群れに関し、米空軍が極めて消極的であると強く批判していたことを紹介しておきます

近く、三沢基地に航空自衛隊のF-35が到着し、部隊建設が本格化するようですが、ため息の出るような労力と人材が投入されるのでしょう・・・戦術で勝っても戦略で負けることが見えているのに・・・

William Roper氏の関連記事
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

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