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F-35初の多数機出撃訓練(Elephant walk) [亡国のF-35]

海自護衛艦「いずも」にF-35B搭載して空母運用とか
空自が旧式F-15後継にF-35を100機追加購入とか
めまいのしそうなニュースが飛び交っていますが、
時流に流され、今日だけは「F-35祭り」です

でもその前に、こんな記事で振り返ってください
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
「イタリアがペースダウン」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-10

F-35が「亡国のF-35」であるポイント
日本の環境、中国の脅威を考えると、高価な戦闘機がそんなに重要か?
米軍の予算削減、欧州の厳しい財政から、調達機数削減必至・値上がり必至!
維持費がベリー高く、米空軍トップも1/3にする必要訴えも、見通し暗し
開発と生産が同時並行で、手戻り修理費が多額発生

F-35増強を喜んでいる自衛官がいるのでしょうか?
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そんな中ですが、今日だけはF-35祭りです!
ユタ州ヒル空軍基地で35機が・・・

F-35 Hill5.JPGF-35 Hill.JPG







19日、米空軍ヒル空軍基地(HILL AFB)に所在する第388航空団と第419航空団が、F-35の多数機発進訓練を実施し、35機が滑走路上で写真のような威容を披露し、離陸後の上空でも5機編隊を同時に7つも編成してF-35をアピールしました

同基地には、2019年末までにF-35の飛行隊3つ計78機が配備される予定で、第388航空団が正規兵部隊、第419航空団が予備役部隊との位置づけで構成されるようです。

ヒル空軍基地(HILL AFB)は、2016年8月に米空軍F-35部隊として初めて初期運用態勢確立IOC(たった12機ですが)を宣言した部隊が所在する部隊で、その後も初の他基地への大規模移動訓練とか、米空軍F-35運用の最前線部隊です。(一方で、テキサス州Luke空軍基地は、F-35操縦者養成のメッカとして、6個飛行隊150機近くが配備されるらしいです)
F-35 Hill3.JPGF-35 Hill2.JPG








20日付米空軍webサイト記事によれば
●19日、ヒル空軍基地の両航空団は、35機のF-35A型機を短時間のうちに発進させる「combat power exercise」を実施し、発進前にはこの種の訓練では恒例の「elephant walk」(多数機が同時に滑走路上を整然と行進して威容を示す)を行ってその写真を公開した
●同基地では既に、日常的に日々平均30-60ソーティーの飛行訓練を行っているが、この日の訓練では、ほぼ同様のソーティー数を20-40秒間隔で離陸させる方式で成功させた

●同演習の計画責任者である少佐は、「我々は命ぜられれば今晩にでも戦う態勢にあり、複数の飛行隊が同時に任務に向かって行動できる状態にあることを示すことができた」とコメントを発表している
30機を超える機数を複数の飛行部隊が同時に準備するには、整備部隊を含めた円滑な連携が不可欠であり、操縦者たちとの連携を図る指揮統制系統も含めた日ごろの訓練の成果である
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F-35 Hill4.JPGF-35 Hill6.JPG







お写真から拝見すると、天候にも恵まれ、写真撮影には最適のコンディションだったことが伺えます。
これまでの部隊のご苦労を考えれば、またこのイベントの準備に当たられた皆様の努力と汗に思いをいたす時、素直にご苦労様でしたと声をかけさせていただきた気持ちです・・・

後は、ソフト開発や、量産を判断する最終試験や、自動兵站情報システムALISが正常に稼働することや、維持費が1/3になることや、米空軍全体の操縦者不足が回復することや、トランプ大統領による少なくとも今後5年間は予算5%カットでフラット予算や、米空軍や他軍種間の他老朽化システムとの予算分捕り争い等々を乗り越えれば何の心配もありません。

米軍F-35の現状
「量産判断試験は大丈夫か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-21
「海兵隊F-35が初実戦投入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-28-1
「海軍型IOCは19年2月に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-2

Hill空軍基地の関連
「米空軍F-35部隊がIOC宣言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-28
「初の大規模展開演習」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-05

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イタリア新政権がF-35調達ペースダウンへ [亡国のF-35]

ペナルティーや便宜供与削減が怖くて機数削減できず
選挙前は導入中止まで訴えていたが・・・

F-35 cockpit.jpg今年3月の総選挙で政権交代が起き、F-35が大嫌いな大衆迎合型で国内産業保護重視の2政党による連立政権が6月に誕生したイタリアで新政権がF-35導入ペースをダウンする方向を明らかにしました。

イタリアは、通常型F-35Aを60機、垂直離着陸型のF-35Bを30機の計90機を購入する計画の元、今後5年間は毎年10機ペースで導入する予定でしたが、イタリア連立政権はこれを年5-6機ペースに今後5年間はペースダウンすることで米側と調整を開始したようです

イタリアでは、導入を決定した前政権の時からF-35への疑問が広まり、総選挙前にイタリア工業会の会長が、F-35部品の製造割り当てがイタリア企業に少ない決着となったことを取り上げ、「米国とロッキードに騙された」と声明を出すなど、正直な感情が噴出状態にありました

9日付Defense-News記事によれば
F-35 Itaria.jpg●イタリアの連立政権を組む2党「Five Star Movement」と「League party」は、課税削減と社会福祉予算を確保するため今後5年間について、F-35調達ペースをダウンすると明らかにした
●しかし、調達早期数を削減した場合に課せられる罰金や便宜供与削減を避けるためか、トータルの調達機数削減については言及せず5年後以降に判断を先延ばしする姿勢を示した

●イタリアのElisabetta Trenta国防相は、Defense-Newsに対し「イタリアには欧州諸国と約束した他の支出項目があり、負担を軽くするためにF-35調達ペースを削減することにした。罰則がある機数削減ではなく、細く長くするのだ」と語った
●イタリアは現時点で、10機のF-35Aと1機のF-35Bを受領済で、 各2機と1機の機体は米国内の基地に配備して操縦者養成用に使用されている

●イタリアの新しい連立政権はF-35以外でも、米海軍が中心となって推進している全世界をカバーする音声&データ通信網MUOS(Mobile User Objective System)の基地局を、シシリア島に建設する計画にも住民からの健康影響を懸念する声を受けて難色を示している
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Italy Trenta.jpg予定調達数を削減せず、調達ペースを遅らせる手法は、導入決定を遅らせて時間を稼ごうとしているカナダと似たところがあり、大いに参考にしたいところではありますが、ごり押しトランプ商法の前に、財政危機のイタリアがどれだけ耐えられるか「お手並み拝見」したいところです

「since we have other spending commitments in Europe」との言い訳は、ロシアの脅威に対峙する欧州諸国の対米言い訳の常とう手段として使用可能なのか不明ですが、なかなか考えたセリフかもしれません。

イタリアの以前の国防相には、美魔女風の方もいらっしゃいましたが、Elisabetta Trenta大臣はなかなかタフな印象ですねぇ・・・

イタリア関連の記事
「イタリアに反F-35政権誕生」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「イタリア工業会は米に騙された」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-11
「北極海での通信とMUOS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25-1

カナダ首相がF-35と戦う
「やり直し機種選定開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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F-35の量産判断試験IOT&Eは大丈夫か? [亡国のF-35]

F-35 Gilmore.jpg17日付Defense-Newsが、F-35の量産を判断する試験(IOT&E)に関する米国防省内資料を入手し2019年末までにフル量産体制に入る判断が必要だが、遅れているスケジュールは綱渡り状態で、最近発生した海兵隊F-35B墜落事案もあり、予断を許さない状況だと報じています

何となく、(まんぐーすと同じく)F-35に対する悪い先入観を持った記事で、テレビ朝日のニュースステーションの安倍政権描写のような臭いがしますが、F-35計画にとっての一つの大きな節目の試験ですので、事実関係は把握しておきたいと思いますのでご紹介します

前提として今年9月28日に海兵隊のF-35Bが加州の海軍基地近くで墜落し、調査の結果、エンジン内の燃料供給チューブに不具合が見つかり、全世界の約300機のF-35が飛行停止状態になりました。
その後、当該部分の確認と必要な場合には部品を交換し、15日の段階では8割のF-35が飛行再開にこぎつけたようです

不足する修理用パーツの緊急調達中で、この故障修理の費用負担をどうするかは未決の様ですが、これもIOT&Eスケジュールに影を落としているようです

17日付Defense-News記事によれば
F-35 3-type.jpgDefense-Newsが入手した、9月14日に試験ディレクターであるVarun Puri空軍大佐が使用したパワポスライドによるとIOT&E(initial operational test and evaluation)は今年11月13日にスタートし、来年7月に終了する計画となっている
●最近まで、IOT&E開始は9月15日とされていたが、空対空距離認識を改善する最新の改修版ソフトを待つために11月13日まで遅らせることになった模様である

●このIOT&Eは「フル生産:full-rate production」を2019年末までに判断するためのものであり、既に大幅に遅れているF-35計画の中でも極めて大きな節目となるものである
●しかし入手したパワポ資料は、フル生産判断に必要な試験を計画の201年7月までに終了するには相当のリスクがあると説明している

F-35 AIB2.jpg●この種の試験では避けて通れない、試験飛行の天候不順による延期、試験機材の不具合によるやり直し、機体トラブルによる試験の延期などなどに対応する余裕期間がほとんどない計画だとスライド資料は訴えている
●そして結果として、試験が2019年9月までずれ込む可能性を指摘し、9月末までの2019予算年度内に終了しなかった場合のリスクさえも懸念している

●この点に関し、国防省F-35計画室の報道官は、来年9月末までの予算対応は確保されていると回答したが、10月1日以降については回答がなかった
●11月からの本格的なIOT&E開始を前に、2018年初めから基礎的な試験が開始されており、2機編隊での低脅威への対応試験、低温環境での試験、CAS任務関係の試験が既に実施され、本格試験への準備が進められていたところ。
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F-35 AIB3.jpgIOT&Eが予定通りに開始できるか、期限までに終了できるかは今後に注目ですが、それよりも何よりもトランプ大統領が16日の閣議で命じたと伝えられる、2020年度予算案立案にあたっての2019年度予算からの5%カット指示の影響が気になります

もともと国防省は733billionドルで計画していたところを、700billionに抑えろとの指示とも見られており、これが本当なら、F-35のフル生産だど吹っ飛んでしまうと思うのですが・・・

成り行きを見守りましょう・・・

トランプが閣議で次年度予算5%カット指示
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2

亡国のF-35カテゴリー記事250本以上
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1

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米軍F-35が実戦に初参戦 [亡国のF-35]

海兵隊F-35Bが強襲揚陸艦からアフガン地上目標を
岩国配備のF-35Bが初実戦投入を担いました(たぶん)

F-35 3-type.jpg9月27日、米中央軍海軍は、中東に展開中の公海上の強襲揚陸艦Essexから発進した米海兵隊のF-35Bがアフガニスタン内の地上部隊を支援するため障害除去作戦を行い、作戦は成功したようだと声明を出しました。この作戦は現地27日朝行われ、米軍F-35による初の実戦投入になりました

初実戦投入されたF-35Bは、第13海兵派遣群の第211海兵戦闘飛行隊に所属し、日本の岩国に展開していたF-35Bが実戦投入されたということでしょう

米海兵隊のF-35Bは、2015年に空軍や海軍のF-35に先だって初期運用態勢IOC確立を宣言していましたが、3年を経過して初の実戦投入となりました。
ちなみに世界初のF-35実戦投入は、今年5月のイスラエル空軍F-35で、恐らくシリア領内の2つの目標攻撃に成功したと発表があったところです

なお、米空軍のF-35は2016年夏に初期運用体制IOC確立を宣言していますが実戦投入はまだで、米海軍のF-35Cは2019年2月にIOC体制確立を予定している段階です

27日付Militarytimes記事によれば
F-35B-2.jpg●27日午後、米中央軍海軍は、同日午前、地上部隊を支援するためアフガン国内の固定目標をF-35Bで攻撃したと発表した。同機は公海上を航行中の強襲揚陸艦Essexから発進した
●Scott Stearney中央軍海軍司令官(中将)は、「F-35Bは地域における揚陸艦や空戦能力を格段に向上させ、作戦運用の柔軟性や戦術的優位を提供してくれる」、「Essex即応グループの一翼を担い、公海上から地上作戦を支援し、地域の安定と安全を確保する海上優勢確保を可能としている」と語った

●また第13海兵派遣群のChandler Nelms司令官(大佐)は、「F-35Bの初実戦投入を実現する機会を得たが、これは海兵派遣群のアセットが戦域に投入できる能力を同盟国等に示す機会である」と表現した
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F-35B 3rd-test.jpgほとんど対空脅威がないアフガニスタンで、地上の固定目標を攻撃して成功したという初任務ですが、無人機MQ-9でも、アフガン空軍のプロペラ攻撃機でも可能な任務だったかもしれません

しかし海上の艦艇から発進し、もし艦艇に帰投していたなら、それはそれで立派な第一歩と言えましょう・・・

岩国配備の米海兵隊F-35B
「海兵隊F-35は岩国の次に中東へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03-1
「岩国配属F-35Bがホット給油&給弾訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18-1

タグ:岩国 Essex F-35B
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米海軍F-35のIOCは最低半年遅れ [亡国のF-35]

F-35Cが空母で他機種と初の混合運用試験も

F-35Cformation.jpg27日、空母艦載型F-35の空母運用試験第1段階を開始したリンカーン艦上で、米海軍F-35担当の少将が会見し、本来計画では8月中にF-35Cの初期運用態勢IOC確立を宣言する予定だったが、来年2月以降にずれ込むと明らかにしました

会見は、FA-18やEA-18GやE-2が運用されている空母に、初めてF-35を配備して運用試験を20日の週から開始した中で実施され、その素晴らしい着艦精度を讃えることから始まっていますが、まだまだ確認すべき事項が多数あるとの慎重な言い回しとなっています

また今回の3週間の空母艦上運用試験の後は、具体的な空母での運用試験や訓練の予定は具体的に決まっていない模様で、このあたりからも、飛行運用だけでなく維持整備面を含めた明確な課題が相当積み残されている様子が伺えます

8月28日付Military.com記事によれば
F-35C Landing3.jpg米海軍のF-35C融合推進室長Dale Horan海軍少将はリンカーン艦上で、加州の第125艦載戦闘飛行隊から派遣の6機のF-35C運用試験の状況について会見し、「F-35Cは、FA-18やEA-18GやE-2と共に甲板上を移動し、空で共に有事を想定した飛行訓練を行っている」と語った
●そして、「初めて艦上で他機種と共に活動し、どのように整備を行い、どのように機体を維持するかを海上で確認しつつ、空母への融合を試験している。通信やデータリンク、他機種との連携や任務遂行要領について確認している」とも説明した

●約1週間前に展開した6機のF-35Cについて同少将は、「着艦制度が素晴らしい。平均値以上の性能を示している。新技術を導入当時は操作が難しく感じるものだが、着艦を容易にしてくれている。驚くべき装備だ」とも表現した
一方で今後2週間に及ぶ試験については、「挑戦すべき課題が複数ある。空母への融合が確認できれば良いが、機体を維持できるか、部品は確保できるか、艦上修理が可能か、効率手kに任務遂行が可能か等々、確認すべき課題は多い」と慎重な姿勢を見せた

F-35C USS Nimitz.jpg●ただし同少将はここまで1週間の試験結果については言及せず、「結果については話せない。我々がここに展開し、計画通りに試験に取り組み、F-35Cが艦載機として使用されていることが大きなメッセージである」と語った
8月の予定だったIOCが2月以降に遅れることについて、「IOCの方向に向け向かっている。この勘定運用試験結果を検証分析し、要求事項が満たされているかを検討する」、「要求を満たさなければ判断して延期することになる」とも語った

最初の米海軍F-35Cの任務投入は2021年を予定しているが、同少将は「IOC態勢が確立した以降は、緊急事態があって出動要請があれば、F-35は任務に投入されるであろう」と説明した
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最近国防省のF-35計画室は、やたらと「ソフト3F」搭載機の完成度が高いと触れ回っています。

f35c.jpgしかし超党派の政府監視団体の報告書によれば、「今年1月に会計検査院GAOが指摘した様に、最もリスクが高いレベル1にランクされる問題点が111個あったにもかかわらず、6月の時点では説明もなく19個になり、その後19個も明確な対策がないものも含めて低いレベルの問題に格下げされ、最高レベルの問題点がゼロになっている」、「説明なく格下げされた92個以上の問題はどうなった。議会で取り上げるべき」と指摘しています

どうなることやら・・・

驚きのMAGIC CARPET
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18とEA-18Gにも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09

FA-18を巡る米国の動き
「海軍FA-18増強計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-2
「トランプ言及のFA-18改良型?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-07
「再びトランプがFA-18大量購入を示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18
「2/3が飛行不能の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

「政治ショー?F-35価格削減公表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25
「F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1

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空軍トップが運用開始2年のF-35を語る [亡国のF-35]

もちろん空軍トップが批判するはずはありませんが・・・

Goldfein space.jpg20日付米空軍協会web記事がGoldfein空軍参謀総長へのインタビュー記事を掲載し、F-35に関する空軍トップの現時点での評価を紹介しています

F-35計画を、2012年までは病んだプロジェクトだったが、それ以降は性能面でコスト低下面でも安定したプロジェクトとなっていると強調しつつ、自身が操縦していたF-16との比較でF-35の優れた性能をアピールしています

また課題として、今後は機体の単価と共に、維持費と運用コスト削減が課題であり、他軍腫や同盟国と共に全力で対処すると決意のほどを述べています

一方で回答の歯切れが悪いのは、能力が不十分で、維持整備でも手間や費用が掛かる初期型機体を今後どうするかに関してで、「個人的には・・・」といった具合です。

20日付米空軍協会web記事によれば同大将は Goldfein1-1.jpg
Game-ChangerとしてのF-35を迎え入れられ、これほど幸せなことはない。
F-35には悪い評価が与えられすぎている。皆が考えているよりもはるかに優れた能力をF-35は持っており、単に爆弾を投下したり敵機にミサイルを発射したりする機体ではない

●F-35は情報をフュージョンする装置だ。ISR情報を集約し、指揮統制機能も発揮できる高性能マシンだ。これらすべてが実施可能で、全ての場面で活躍できる
F-16操縦者は、任務や訓練飛行の後のブリーフィングで、気づいたいなかった脅威が存在したことや他の状況を知ることになるが、F-35操縦者は、それがたとえ操縦者になりたての中尉であっても、任務空域の全体状況を飛行中に把握可能で、地上滑走中でも上空の状況が入手できる
●言い換えれば、操縦者は戦いを望ましい環境でマネジメント可能で、チャンスを逃したり危機を見逃すことがなくなる。つまりF-35は根本的にGame-Changerなのだ

F-35 fix.jpg●F-35の最新ソフト「3F」搭載機の稼働率は80%で、他の空軍機標準より高いし、運用開始2面目の期待と比較すれば格段に高い。海兵隊司令官とも情報交換しているが、海兵隊の同機も同じような状態だと聞いている
海外で既に使用されているF-35について、イタリアとイスラエルの操縦者から直接聞く機会があったが、作戦運用面では「absolutely magnificent」だとの反応だった

●世界中で最も多くのF-35を導入する空軍として、他軍腫や他のF-35使用国と協力し、飛行コストや維持整備コストを低下させていく役割を負っていると考えている
●既にアラスカや日本、欧州へも展開経験を積み、現在は英国のRAF Lakenheathに新たな展開基地を設ける準備を進めている

整備性や維持の面で課題を抱える初期型F-35を改修して能力向上するかについて、個人的には全機そうしたいと考えているが、予算配分が可能かどうか検討する必要がある。予算の問題なのだ
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F-35 Front.jpgイタリアやイスラエル空軍の操縦者のF-35評価を語る場面の発言は、「what they’re telling me is, operationally, the airplane is absolutely magnificent」で、注目は「作戦運用面では」と限定している点です。

つまり、維持整備面では苦労しているということです。稼働率80%のソフト「3F」搭載機が何機程度どのような環境で運用されているか不明ですが、過保護で理想的な環境での数値でないことを祈ります。

もう一つ、コスト面での他国評価を聞いてみたかったです

最近のF-35関連記事
「主要装備の再選定開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-15
「トルコが抜けたら大変」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
「世界各国で暗雲」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14

「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
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マティス長官トルコへのF-35制裁に大反対 [亡国のF-35]

トルコを排除すれば、F-35部品等調達が大混乱に・・・

afgan.jpg23日付Defense-Newsは、2019年度予算案を審議している議会に対し、マティス国防長官が書簡を送りロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で米国との関係が悪化しているトルコについて、いろいろ問題はあるが、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除すると部品調達等で大きな問題となると訴えています。

マティス長官は4月末にも、ロシアから武器購入を図る同盟国等に制裁を課すことは、長期的な視点で見れば米国の国益に反すると、「ソフトな言いぶり」でトルコや東欧諸国やインドへの対応に慎重さを議会に求めたことがありますが、今回の訴えは切実です

とは言っても、米国に反抗的な態度で接し、一方でロシアやイランと親密な関係を構築しつつあるトルコのエルドワン政権に、このままF-35を100機も売却し、部品製造を任していいのか???との議会の疑問も当然であり、非常に難しい共同開発国(部品製造や維持整備も分担)トルコの扱いです

23日付Defense-News記事によれば
Erdogan3.jpg●マティス長官は書簡で、トルコへのF-35売却を中止し、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除することは、国際的な「supply chain disruption:部品供給網の混乱」を招くことになると訴えた
●そして、トルコのF-35計画からの排除に反対すると明確に述べ、2002年以降に1400億円をF-35計画に投資し、100機を購入予定である共同開発国トルコの擁護を訴えている

●具体的に国防長官は、トルコ関連のサプライチェーンが混乱すれば、F-35生産に穴が開き、50-75機の機体製造に遅れが生じ、部品調達の正常化に1.5年から2年を要すると説明した

●現在米上院予算小委員会では、ロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で、トルコへのF-35売却を遅らせるべきとの法案が審議されているが、トルコ側はこの法案が成立すれば米国に制裁を行うと警告している
●また米上院の外交委員会でも、米国民のトルコによる不法な拘束に対する制裁として、国際的な金融機関からトルコへの資金貸付を制限する法案が検討されており、23日の就任の審議される見込みである
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mattis senate2.jpg既にトルコ軍には1機のF-35が引き渡され、米国内の米空軍基地でトルコ人操縦者の養成訓練に使用されていますが、極めて機微な問題となりました・・・

しかし、安全保障上のリスクが相当程度あることが明らかでも、複雑化流動化の中にある中東で、トルコを切ることのリスクをマティス長官は考えているのでしょうか・・・

そういえば最近のとある論説で、マティス長官の国防長官辞任の時が迫っているが、マティス氏はイランとの軍事紛争だけは阻止して政権を去りたいと考えており、最後の力を振り絞っている・・・との話を見ました。その一環なんでしょうか???

トルコの防空ミサイル購入問題
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2
「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
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F-35主要装備の再選定始まる [亡国のF-35]

運用開始して間もないが、設計開始後の時間経過を考えると遅いとも言える・・・

F-35 3-type.jpg10日付Defense-Newsがロッキード社F-35部品調達担当Eric Branyan副社長へのインタビュー記事を掲載し、同機のコストダウンのため、重要装備品である電子戦や通信航法識別、更には全周監視センサー融合装置DAS調達先に競争原理を導入すべく、競合企業への情報収集を開始したと報じています

6月22日に行われたインタビュー内容が3週間後に記事になるあたりは、大きなお金が動く重要装備を巡る企業間駆け引きに配慮し、表現の細部に細かな確認が必要だったことを伺わせますが、2020年代前半に製造される機体に搭載開始することを念頭に作業が進んでいるようです

Branyan副社長は「(1機の価格を)90億円まで下げること狙っている」とそのターゲット(米空軍用価格で、日本用など輸出価格は別でしょうが・・・)を公言し、「そのための最も効率的な手法は競争原理の導入だ」と語っており、ぜひ頑張っていただきたいものです

10日付Defense-News記事によれば
F-35 luke AFB2.jpg●同副社長が語った電子戦装置EW(今はBAE Systems製)と通信航法識別装置CNI(今はNorthrop Grumman製)での新たな競争の導入開始は、F-35部品調達の世界に揺さぶりをかけることになろう
●まだ何も決定はしておらず、再選定を行うこと自体も未定だと同副社長は強調したが、「既に関連情報要望RFIを発出し、得られた情報の評価を開始しており、再選定により効果が上がるか、コストパフォーマンスはどうか、そのタイミングにあるか等々を検討している」とも説明している

●同様のRFI発出はNorthrop Grumman製の全周センサー融合システムDAS(distributed aperture system)に対しても行われ、DASに関しては検討の結果、新たにRaytheon製のDASに切り替える事を6月にロッキードが決定し、全体で3000億円のコスト削減につながるとアピールしている
●このような重要装備やシステム全体でなくても、個々のパーツレベルでの再選定も開始されており、より価格優位性や技術優位性のあるパーツや部品の検討も進められている

F-35-Face.jpgEWとCNI装備に関する検討は2018年末までに結論を出すことになっているが、国防省F-35計画室も予算計画や将来の機体維持計画に反映するべく強い関心を持っている
●しかし、同副社長はどの企業に対してRFIを要望したのか等の細部には言及を避け、現在の電子戦装置AN/ASQ-239を担当するBAE SystemsもどのようなRFIへの回答をしたのか明らかにはしなかった

●業界の専門家Richard Aboulafia氏は、重要装備品の入れ替えはリスクがないわけではないが、コスト削減のためトライする価値はあるとしている。そして「F-35は運用開始して間もなく装備変更は尚早との声もあろうが、開発設計開始からの時間経過を考えれば、装備の再選定は既に遅いとも言える」と語っている
2023年に納入予定の第15ロット生産に間に合わせようとすれば、DASを新たに担当するRaytheonは、月150セットの製造態勢を2022年7月までに整える必要があり、2019年4月には重要設計審査CDRをクリアする必要があることから、余裕はない
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F-35-Cockpit3.jpgソフト開発にこれだけ苦しんでいるF-35ですから、お馴染みのRichard Aboulafia氏が言うまでもなく、他社装備を機体に新たに組み込むことのリスクは「小さくない:not necessarily insignificant」はずですが、コストダウン要求がそれだけ大きいということでしょう

副社長が言う機体価格目標の「$80 million 約88億円」は、当初計画からすればもう一声欲しいところですが、それでも高い高いハードルでしょう・・・・。
トランプが仕掛けた中国との貿易「チキンレース」戦争で世界経済に減速感が見える中、F-35から手を引く国は増えるでしょうに・・・

最近のF-35関連記事
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
「世界各国で暗雲」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
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「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

タグ:F-35 電子戦 DAS CNI
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GAOがF-35計画に再び警告 [亡国のF-35]

いくら警告しても、問題発生を阻止する意思なし・・・!?

5日付で米会計検査院GAOがレポートを発表し、F-35に対し再び警鐘を鳴らしています。

F-35 luke AFB.jpg何度も何度もGAOからの警告レポートが繰り返され、その度に国防省のF-35計画室からは、既にその問題は認識して対応しているとの反応が示されますが、時間が経過するとその問題がGAOの警告そのままに顕在化して計画の遅延や経費増大、更には現場での稼働率低下となって表面化する事が繰り返されています

今回の指摘は大きく2つ一つは「フル生産体制:full-rate production」に入る前に、技術的な諸問題を解決しないと、完成後に機体改修が必要になり経費増大につながるから、フル生産を待て、との指摘。

もう一つは、ソフト「3F」に続くバージョンアップ「Block 4」に関し、全体計画を明らかにしない(固めない)中で、五月雨式に部分部分の予算要求を始めるのは不適切だ、との指摘です。

全くもって、ごもっともな指摘だと思うのですが、国防省のF-35計画室は、素人には意味不明な、一般社会ではとても通用しない理論で反論を試みています

5日付Defense-News記事によれば
F-35-night-burner.jpg●「フル生産体制:full-rate production」に入る前に、技術的な諸問題を解決する必要性については、国防省F-35計画室も理解しているが、問題の解決「resolve」の定義や理解が双方でずれている
●GAOは現場での対応が完了した時点で、つまりそれ以上に欠陥品を製造しない体制が確立した時点を解決と考えているが、国防省F-35計画室は問題の解決法が明らかになった時点で解決と考えている

●国防省のこの慣行にGAOは問題ありと指摘し、欠陥がある製品を製造し続け、後に手戻り改修に追加経費が必要になる状態で問題の解決とする点が問題だと指摘している
●これに対し国防省側は、当面の解決策を押さえておき、後により良い効率的な解決策が見つかったら採用する余地を残すためだと対応している。

●「Block 4」能力向上計画については、GAOは米議会に対し、国防省側が同計画の全体像やコストについて明らかにしない限り、関連予算を五月雨式に認めるべきではないと訴えている
●国防省は2019年度予算案に、「Block 4」関連予算を約300億円既に要求しているが、2019年3月まで全体計画は明らかにならないと述べている。柔軟性のあるソフト開発と近代化を進めたいとの考え方に基づくものである

F-35transonic.jpg●ソフト開発の特質を踏まえ、一般企業のソフト開発ノウハウを生かそうとの新たな考え方であるが、全体像が見えないままに予算を認め始めると、どれだけ膨らむかわからない事業に税金を投入することになるのだ
●GAOもソフト開発の特性と現状の課題を踏まえ、「従来のソフト開発手法と比較し、入手時間を短縮する可能性がある」と一定程度の理解を示しているが、どの程度の確実性を担保して計画を走り始めているのかしっかりモニターする必要があると強調している
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相変わらずのF-35模様ですが、これだけの巨大プロジェクトでありながら、国防省得意の「どんぶり勘定」感覚で突っ走ろうとしている当たりの感覚がアンビリーバブルです。

でもこれは対岸の火事ではなくて、「どんぶり勘定」と「どんぶり計画」で製造され、価格が跳ね上がった航空機や部品を、日本は購入することになるのです・・・

関連のF-35記事
「トルコと伊で購入に暗雲」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14
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イスラエルF-35世界初の実戦使用も世界他所では暗雲 [亡国のF-35]

イスラエルが初の実戦使用を宣言も・・・
米議会がトルコへのF-35売却停止に動き、トルコ反発
イタリアでは新連立政権がF-35から撤退も・・・

F-35 Israel4.jpg22日、イスラエル空軍司令官が、同空軍F-35が2つの作戦で攻撃任務に参加し、世界初の実戦デビューを飾ったと、その筋の方には「おめでたい」発表を行いました。

しかし直後の24日米議会はロシア製の防空ミサイルシステムS-400購入に動くトルコにはF-35を売らない法案をまとめることで合意し、トルコ政府がすぐさま報復を示唆する声明を出すなど、両国間の緊張の種となりつつあります

更にF-35共同開発国であるイタリアでは腐敗した政権打倒を旗印に3月の総選挙で勝利した政党が、F-35計画からの撤退を打ち出す可能性が出てくるなど、相変わらず世界中でお騒がせな「F-35模様」をご紹介します

イスラエルが世界初の実戦投入を発表
Norkin.jpg22日、イスラエル空軍司令官Amikam Norkin少将が、同空軍F-35が2つの作戦で攻撃任務に参加し、世界初の実戦デビューを飾ったと同空軍のイベントで発表した
また同司令官(航空自衛隊より規模の大きい空軍だが、トップが少将と謙虚な階級割り当てを維持)はtwitterで、「イスラエル空軍F-35は既に作戦行動を行っている。わが軍は世界初のF-35実戦投入軍である」と発表している

●更に同司令官は、地元紙が掲載した同軍F-35がベイルート上空(レバノンの首都)を飛行する写真を証拠として紹介し披露した
●もともとイスラエルは導入した装備を早期に実践する伝統を持っており、F-15戦闘機を導入した際も、米空軍の初実戦投入が1991年湾岸戦争であったのに対し、イスラエル空軍は1979年にはF-15による初撃墜の戦果を残している

F-35 Israel.jpg●一方で、このF-35初の実戦使用が他国に影響を与えるか、世界での注文増につながるかは疑問である。イスラエルも現在購入予定の50機に追加するか、またはF-15を購入するかで議論が続いている
米空軍のF-35については、戦闘コマンド司令官が昨年、「そんなに遠くない将来」にF-35が実戦に投入されるだろうと表現しているが、現実には航空ショーでのお披露目海外展開程度の状況である

F-35を巡る米トルコ対立
F-35-Turkey.jpg24日、米上院軍事委員会は非公開協議を行い、NATO加盟国にもかかわらず、また防空をNATOに大きく依存しているにもかかわらず、ロシア製防空システムS-400(通称F-35キラー)を購入しようとしているトルコに対する、F-35輸出を取りやめる法案取りまとめを行うことを決定した。下院も同様の決定を行っている
●これに対しトルコ外務大臣は、国家間の取り決めが成立済みのF-35購入契約に反する米議会の動きが現実のものとなれば、トルコは報復措置を検討すると直ちに声明を発表した

●ちなみにトルコは、合計で116機のF-35を購入する計画を明らかにしているが、最初の2機を契約して今年受領することになっている以外、具体的な話はまとまっていないとの指摘もある

イタリアで反F-35連立政権誕生へ
●3月の総選挙で政権交代の方向が確実になり、現在も勝利した2党「Five Star Movement」と「League party」による連立政権協議が行われているが、選挙期間中に両党議員が国内産業保護を訴えていたことから、F-35購入計画(90機)の継続が危ぶまれている
F-35 Itaria.jpg●両党議員の中には、明確にF-35計画からの撤退を訴えていた者もおり、その動向が注目されている

●もともと、前政権下でも、F-35部品の製造割り当てがイタリア企業に少なく、「米国とロッキードに騙された」とイタリア工業会の会長が声明を出すなどF-35に対する風当たりはイタリアで強くなっていたが、この連立政権は大衆迎合型の政党で構成されることから、その成り行きが注目されている
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相変わらずお騒がせのF-35ですが、国際情勢をフォローする上での「キーワード」の一つとも言え、興味深い限りです・・・

日本の三沢基地に降り立った空自のF-35は、最近どうなんでしょうか??? 飛んでいるんでしょうか???

関連の記事
「イスラエルF-35は独自装備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05-1
「イタリア工業会は米に騙された」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-11
「欧州でのF-35整備拠点決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-12-1

「トルコが追加購入へ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01-1
「トルコが2機購入を発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09-1
「再びF-35初度発注へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-23

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米空軍操縦者不足:F-35教育部隊の苦悩 [亡国のF-35]

最も初期型のF-35を操縦者養成に使用する部隊の苦悩をご紹介

F-35 Sun-Set.jpg7日付Military.comが米空軍長官と共にフロリダのエグリン基地への訪問取材記事を掲載し米空軍F-35操縦者養成を支える第33戦闘航空団司令官へのインタビューを紹介しています

米空軍はパイロット必要数の2割不足しており、その流出が止まらない状況にあることから、手当てを増やしたり人事制度を見直したりして対応していますが、なかなか効果が見えません

そんな中、パイロット養成数を増やして穴埋めを行おうとしているわけですが、養成最前線は未成熟なF-35と部品不足と航空機不足等に悩まされ、限界状態にあるようです。

確か米空軍は、関係要員へのメディア対応を再教育するため、半年ほど取材受けを制限しているはずですが、この突撃レポートが成立したのは、「予算不足で部隊は大変なんだ!」と組織として訴えたいからでしょうか???

でも結果として、F-35開発計画のでたらめが、部隊に負担をかけていることを証明する結果になっているとしか読み取れないのですが・・・

7日付Military.com記事によれば
F-35A Eglin.jpg米空軍のF-35導入計画や要員教育計画では、エグリン基地は107機のF-35を受け入れ教育訓練を行う予定となっていた。しかし騒音問題で地元自治体から訴えられ、59機にまで受け入れ上限を絞られた。
●しかし実際には、その上限に20機以上も足りない25機で操縦者養成を行っている状態にある。第33戦闘航空団のPaul Moga司令官は、「あと12機増えれば飛行訓練を6割増加出来、1個飛行隊分24機増やせれば、操縦者養成数を倍増以上にできる」と訴えた

●Moga司令官はまた、エグリン基地には機体を駐機したり維持整備する格納庫スペースもあり、整備部隊も配備され、飛行訓練空域も十分にあると語り、活用できるアセットが十分生かされていないと訴えている
●同航空団は既に部隊レベルで可能なあらゆる手段を講じて飛行訓練数を増やしており、例えば「hot swaps」との方法で操縦者を地上で交代させ、限られた機数の機体を最大限に活用して飛行訓練を行う努力まで行っている

●だだ、機数が不足していることだけが部隊の苦労を生んでいるのではない。同航空団の機体はF-35の中で最も初期に製造された機体で、ソフトももっとも初期型の2Bを使用しており、「生命維持装置をつけながら使用している」と司令官が表現するほど維持整備に手間が必要な状態だ
●ちなみにF-35のソフトは、2B→3I→3Fと既にアップグレードが進行中で、国防省のF-35計画室は、2020年代前半に投入を目指している要求性能を完全に満たす「Block 4 software」開発に向けた取り組みに注力し始めている

F-35A Eglin2.jpg●また初期型ゆえに必要な期待改修計画が空軍計画で組まれており、機体が使用できないことも多いし、ソフトが最も初期型であることから、機体性能の最大発揮ができず、教育の中で部隊で使用している機体のソフトを経験することができない
●更に、F-35部隊全体で問題になっている修理部品の不足が、エグリン基地でも「in dire need」状態にあり大きな問題である
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エグリン基地が直面している問題は、既にご紹介してきたF-35関連の問題ばかりですが、騒音問題で訴訟まで招いていたとは・・・

米空軍の操縦者不足問題は、解決の見通し見えず・・・としておきましょう・・・・

最近のF-35関連記事
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米国防省がF-35の受け取り拒否 [亡国のF-35]

開発試験フライトが終了し、運用試験と評価フェーズに入ると発表した同じ週に・・・
2~3週間の交渉で解決とのみ見通しらしいですが

Winter2.jpg12日、米国防省のF-35計画室は、F-35製造段階での品質管理に問題があり、その問題への対処に関する費用負担の協議がLockheed側と終結していないことから、問題解決までF-35の受け取りを停止していると認めました。本件はロイターが最初に報じ、その報道を後追いでF-35計画室が認めた形です

11日には同じF-35計画室長が11年にも及ぶ開発試験飛行の最後のフライトが11日に終了し、今後は運用試験と評価フェーズに入ると成果を強調していたのですが、そんな時に「水をさす」受け取り停止問題が明らかになったタイミングの悪さです

機体受け取り停止につながった「F-35製造段階での品質管理問題」とは、機体の構造材をつなぐ際にドリルで穴をあける部分の腐食防止措置が不十分で、200機のF-35Aに対し当該部分への腐食防止の再塗装などが必要になった件で、その対処自体は難しくないようですが、経費負担をどうするかで国防省とロッキード間で話がついていないので受け取り停止らしいです

ロッキード側は2018年全体の機体製造機数と納入には問題ない程度の話だとコメントし、国防省も空軍も「大きな問題ではない」とのスタンスの様ですが、今後量産体制に入る前に、品質管理問題をロッキードに念押しする意図もあるようです

調達担当のEllen Lord国防次官は
Lord.jpg●問題自体は解決に向かっていると考えているが、この受け取り停止は、機体の品質管理に関するロッキード側のいい加減さに対する毅然とした国防省側の態度を示すものでもある
●F-35計画を推進しようとする中で、受容可能なレベルという点で我々も思慮深かったとは言えない状態だったが、この問題を契機に前進したいと考えている

●この腐食問題は、企業の製造レベルへの期待を明らかにする一つの事例である。現時点では国防省側が期待するレベルが達成されていると確認できない
●ロッキードのCEOとは毎月あって国防省の期待を話しているが、「今後製造される機体が、我々の期待するレベルを達成するとの信頼を確かなレベルにするプロセスの途上である」、「企業の全てのレベルと協議をつつけており、信頼を確実なものにしたい」
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F-35 fix.jpgまず、これから運用試験と評価(operational test and evaluation)に入るということです。この運用試験と評価は、なあなあ関係のロッキードとF-35計画室ではなく、国防省の機関ながら議会により設けられた独立系の性能評価局が関与することになると思います。

まだまだ開発と製造の同時進行は進み、まだまだ多くの問題が明らかになり、修理改修経費が膨らむことでしょう

そんな中にあって、左うちわのロッキードが「品質管理」で手抜きし、ますます費用がかさむ「負のスパイラル」です。

最近のF-35関連記事
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
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F-35の維持費を1/3にしF-16並みに [亡国のF-35]

さもなければ、1763機から約590機調達減か

Goldfein11.jpg3月29日、米空軍参謀総長David Goldfein大将が記者団との朝食会で、F-35の維持経費が高額であることに改めて強い懸念を示し、現在のF-35維持経費を1/3程度のF-16維持費レベルに 低下させなければならないと語りました

2月には戦闘機族のボスである戦闘コマンド司令官が、老朽化が進む米空軍戦闘機の平均年齢を下げるため、本当は毎年60機ペースでF-35を購入したいが、今多数購入すると今後の改修経費と維持費を支えられないと「本音」を吐露していたところです

また3月には国防省F-35計画室長が、維持整備体制の問題から、世界に存在する280機のF-35のうち、飛行可能なのは5割に過ぎないと暴露して世界に衝撃を与え、その数日後米空軍幹部も、米空軍保有機体の8割近くを占めるソフト2B搭載機体の稼働率は、4割台にとどまっていると議会で証言したF-35の惨状です。

そんな中での参謀総長の発言ですが、特に注目したいのは他軍種や外国購入国も同じ思いだとのニュアンスの言及をしている点です

3月29日付Military.com記事によれば
F-35 block 3.jpg●Goldfein米空軍参謀総長は、まず最初の目標は現在われわれがF-16の維持費か同レベルまで、F-35の維持費を削減することだと明確に述べ、「F-35の維持費を大変懸念している」と朝食会で語った
●そして更に「我々は第4世代機レベルにまで維持費が削減されるまで努力を止めない」とも語り、併せて海軍と海兵隊やF-35を購入した諸外国もその追及に協力する計画だと述べ目標はF-16と同価格までの削減だと再度表現した

●参謀総長はこの削減努力に関し、マティス国防長官が国防副長官と調達兵站担当次官に軍需産業出身者であるPatrick Shanahan氏とEllen Lord女史を選んだことを高く評価し、軍需産業をコスト面から導ける経験を持った人物の登用に期待を示した
●この背景には、Bloomberg Newsが同週に、F-35の維持費を削減できなければ、空軍の計画するF-35の調達機数1763機から約590機を削減する必要があるとの具体的数字を始めて報道して話題を集めたことがある

Goldfein1-1.jpg●Goldfein米空軍参謀総長の発言に対し、Lockheed Martin社は声明を発表し、「わが社はF-35維持費の削減取り組みに投資を行っており、引き続き国防省F-35計画室との連携を密にし、運用維持経費の縮減に努めていく」と述べている
●また同社F-35担当副社長が3月5日に、「F-35は数年後には、他の戦闘機を即応態勢と生産面で凌ぎ、数々の記録を打ち立てると確信している」とも自信を示してたところ
///////////////////////////////////////////////////////

最近立て続けに、国防省幹部や米空軍幹部からF-35関連の発言が相次いでいます
つい最近までは、海外での売れ行きに配慮し、開発状況に中立的な発言が多かったのですが、2019年度予算編成の過程で耐えられないことが明確になってきたのでしょう・・・。

そのうち海外購入国への配慮とか、相互運用性の観点とか、そんなことはすっ飛んでしまって、海外にコストを押し付けてでも、米国用のコスト削減に走ることになるのでしょう・・・恐ろしや・・・

最近のF-35関連記事
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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米空軍F-35の77%を占める2B機体の稼働率4割 [亡国のF-35]

Harris-J.jpg7日、米空軍司令部戦略計画部長Jerry Harris中将が下院軍事委員会で証言し米空軍が保有する130機のF-35の中で、約77%を占めるソフト2B搭載機体の稼働率が40%程度であると認め、一つの最前線である嘉手納基地に展開中のF-35でも7割だと述べました

先日は国防省F-35計画室長の発言を紹介し、全世界に存在する280機のF-35の稼働率が約5割だとご紹介しましたが、米空軍の状況も悲惨な状況にあることが明らかになりました

Harris中将は、導入が始まった最新ソフト3F搭載機を「待ち望んでいた機体だ」と将来見通しが明るいような表現もしていますが、自動兵站情報システムALISの最新ソフトにも大きな進展が見られないと語り、国防省F-35計画室長より深刻な状況を吐露しています

また、軍内の機体修理施設や部品調達の課題も深刻で、時間当たりの運用経費が他の戦闘機の3倍以上に上っている様子も語っています。

7日付米空軍協会web記事によればHarris部長
F-35 luke AFB.jpg米空軍が保有する130機のF-35の中で、約77%を占める100機のソフト2B搭載機体の稼働率は40%前半に留まっている
●ただし、より最新型のソフト3Iと最新型ソフト3Fを搭載した機体の稼働率は6割から7割である。そして既に運用態勢確立を宣言したユタ州の部隊から、嘉手納基地に展開しているF-35の稼働率は7割以上を維持している

●ソフト3F搭載機の改善具合は素晴らしく、信頼性とセンサー能力を発揮する能力面で「驚くべき進歩改善」を感じさせてくれている。搭乗員と整備員が待ち望んでいた機体といえる

一方で、自動兵站情報システムALISは依然として多くの問題を抱えており、フライト状況の監視や故障部位の部品自動発注で多くも問題を引き起こしている
●米空軍もこの問題を認識し、ソフトの更新を試みているが、結果は「期待したよりも、仕事に時間がかかり、人手を要する」事となっているのが現状である

Harris-J2.jpg米空軍は「ALIS問題に真剣に取り組んでおり(in-depth study of ALIS and its shortfalls)」、年末までに問題を解決したいと考えている
●また米空軍内の修理補給施設の整備も遅れており、低稼働率を招く部品調達や部品品質の問題につながっている。そして部品を製造企業に送り返して対応を依頼することから経費が高騰している
飛行時間当たりの経費が5万ドルにも至っている現状は看過できない
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運用開始間もない最新鋭機が潮風の影響を受けやすい沖縄に展開し、7割の稼働率であれば頑張っている方だと思いますが、Harris中将の証言からすると、まともに飛行できそうな機体のほとんどが嘉手納派遣に関与していると考えられます

F-35 luke AFB2.jpg対中国や知北朝鮮へのにらみを利かせるための派遣でしょうが、12機程度の派遣を支えるが限界だということでしょう

こんな機体を導入し、今後も機数を増やそうとしている日本の皆さんの苦労を思う時、その労力は他に生かすべきではないかとしみじみと思う今日この頃です

世界中のF-35稼働率は5割
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3

今も変わらぬ問題の本質
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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現在のF-35稼働率は約5割 [亡国のF-35]

世界中に存在する280機のうち半分が飛行不可能

F-35 3-type.jpg2月28日、米国防省F-35計画室長Mat Winter海軍中将が記者団と懇談し、米軍及び世界各国が受領している約280機のF-35のうち、飛行可能状態なのは51%の機体に過ぎないと語り、特に初期に製造された機体にハードとソフト両面で不具合が多発していると語りました

また、航空機整備体制の革新として、鳴り物入りで導入された自動兵站情報システムALISがうまく動かず、自動診断で故障警報を乱発し、不要な部品の発注を繰り返している混乱ぶりも明らかにしています

開発と製造を同時並行で進めるという、海外輸出振興と国内反対派対策のため無理やり行った無茶な施策の結果が、この惨状を招いたのは明白です。
いずれの問題についても、解消する方向で手を打ちつつあると同中将は語っていますが、外部の有識者や専門家が以前から予測していた問題が次々と現実となる「負の優等生F-35」ぶりは健在です

2日付Mmilitary.com記事によれば
F-35 luke AFB.jpg●Mat Winter室長は記者団に、初期のロット2からロット4で製造したF-35の稼働率が最も悪く40~50%で、もっとも最近のロットで現在も製造が続いているロット9と10の稼働率は70~75%だと述べた
●稼働率が低くなっている問題の背景には、機体の不具合を自動診断して部品の調達等を自動処理する自動兵站情報システムALISのトラブルがあり、問題のない部品を故障と診断する「false positives」がかなり発生し、部品の誤発注が続いている

●同室長は良いニュースとして、ALISの最新バージョンソフト3.0は「false positives」問題をほぼ除去可能で、初期型F-35のトラブルについても関係者が信頼性を上げるべく取り組んでいると説明した
●また部品の調達を円滑にし、整備員の技量を向上させ、整備維持システムや工具を適切にし、サプライチェーンや部品供給基盤を整えていくとも説明した

●更に、初期型100機に対するハードとソフト両面の改修事業が開始され、ソフトでは「3F」の搭載も進められると説明し、「機体が整い、ALISがバージョンアップされ、修理部品が必要数揃い、整備員の能力が向上すれば、全体のコストを下げることができる」と語った
●F-35の維持運用経費の高騰問題についても言及した同中将は、現在の維持コストでは今後280機から2021年末の800機に増えた段階で支えることができないのが部隊の現状であると認め、「全ての手段や手法を駆使して維持可能なコストに引き下げたい」と説明した
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F-35 luke AFB2.jpg過去に他の機種で前例のない増産を計画しているため、部品の供給が追い付かなくなり、維持整備費や高騰して稼働率が下がり、ますます新規購入意欲が低下して単価が上昇するとの「負のスパイラル」を何度も警告してきましたが、その通りの「坂道転げ落ち」現象が現実のものとなっています。

Winter室長のような明るい将来像は5年前から延々と語られていますが、手戻り改修経費が大きな問題となり、維持経費が高止まりする現状に具体的な改善方向は見えていません

輸送艦「いずも」にF-35Bを搭載するとか検討するとかいう前に、もっとしっかり足元を確認し、地に足の着いた議論をすべきです

今も変わらぬ問題の本質
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

F-35維持費問題を内外が指摘
「F-35維持費負担は不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-04-1
「GAOがF-35維持費に警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-25
「再度警告:開発と製造の同時並行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10 

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