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日本初の宇宙演習Schriever Wargame参加 [サイバーと宇宙]

12回目の演習に日本が初めて参加
FVEYに加え、独仏と日本が・・・

Schriever Wargame6.jpg11月25日付朝日新聞デジタル版が、10月9-19日にアラバマ州の空軍基地で開催されたサイバー宇宙机上演習「Schriever Wargame」に、日本が初めて参加し、自衛官だけでなく、防衛省、外務省、内閣府、内閣衛星情報センター、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などのメンバーがチームとして課題に取り組んだと報じています

このサイバー宇宙机上演習「Schriever Wargame」は、ICBM開発や宇宙活用に貢献したシュリーバー退役空軍大将の名を冠し、官民一体となって宇宙空間での戦いを想定した状況対処に挑むもので、米軍の宇宙関連の部隊や米政府機関からの約350人のほか、日本を含む7か国(米英加豪NZ仏独)が参加しました

Schriever Warg3.jpg本演習が官民一体型で多国間協力を重視するのは、宇宙ドメインのプレーヤーが多岐にわたり、各プレーヤーのアセットや能力を総動員しないと、何が起こっているかの状況把握さえも難しく、更に級の周り全周の宇宙状況を把握するには、地球の裏側の国と協力せざるを得ないからです

また宇宙アセットへの敵の攻撃や我の行動は、衛星通信等を通じて金融やメディア等々の活動への影響も大きく、軍や官だけで作戦判断を下すことが難しいからです。

まぁ演習の性格上、その細部は不明なのですが、日本ではめったに見られなく極めて珍しい複数の政府機関が参加した祈念すべき第1回の参加ですので、ここに至るまでの関係者の努力に敬意を表し、朝日新聞の記事をご紹介いたします(有料記事でさわりだけですが・・・)

11月25日付朝日新聞デジタル版記事によれば
●米アラバマ州マックスウェル空軍基地内の一室。米国、英国など国ごとに仕切られたブースの一つで、日本の防衛省、外務省、内閣府、内閣衛星情報センター、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの職員が机上のパソコン画面を見つめていた
Schriever Wargame4.jpg●今年で12回目。NATO加盟国の一部が加わった年もあったが、多くは軍事情報収集の世界で「Five Eyes」と呼ばれる米、英、豪州、カナダ、ニュージーランドの5カ国を中心に続けられてきた。そんな「極めて秘匿性が高いインナーサークル」(自衛隊幹部)の演習に日本が招待を受け、今年、初めて参加したのだ。

●演習の内容は「機密」扱いだが、複数の政府関係者によれば、想定はこんなシナリオだったという。
想定シナリオ→→2028年。太平洋からインド洋の東側までを担当する米インド太平洋軍の管内で、米国の偵察衛星や通信衛星が「ある競合国」から攻撃や電波妨害を受け、軍事作戦に欠かせないGPSシステムもダウンした・・・

●演習では、シミュレーションが繰り返されたという。衛星が使えなくなった米軍が作戦を続けるために、欧州の測位衛星システム「ガリレオ」や「日本版GPS」と呼ばれる準天頂衛星「みちびき」では、どんな支援ができるのか
米軍が他国の暗号コードを使うための技術的な課題やそれぞれの国の国内法上の制約は何か。各国で対応を検討し、米国と調整を重ねた。もはや日本も無縁でなくなっている

Schriever Warg.jpg●背景にあるのは、現代戦における「宇宙」の比重の大きさだ。新たな防衛大綱の策定に関わる政府関係者はこう話す。
●「弾道ミサイル発射の兆候も含めて情報収集や警戒監視、通信、測位、気象観測……。陸海空の作戦と装備は、宇宙に深く依存している。相手の宇宙インフラを使えなくすれば、死傷者を出さずに陸海空の戦いで圧倒的に有利になる。だから、現代の戦争は宇宙とサイバーから始まる。宇宙を制する者は現代戦を制すだ

●宇宙政策に詳しい鈴木一人・北海道大学大学院教授は「南シナ海で米中の軍事的衝突の恐れが高まった時、最初に狙われるのは宇宙システム。米国の衛星が攻撃を受けたときに、同盟国と連携して被害を最小限にとどめ、リスクを分散し、機能を維持していけるのかを探るのが演習の狙い」と解説する
●宇宙を舞台に「米VS.中国・ロシア」という対決の構図が鮮明になりつつある。一方、人工衛星やロケット開発で生じた大量の宇宙ゴミは、各国共通のリスクだ。防衛省・自衛隊は、後者の解決への協力を窓口に、宇宙への関わりを深めようとしている

ご参考
米軍のアジア太平洋エリアでの宇宙作戦の問題点
中東戦域での様々な作戦要求に対応するため、運用要領や戦術や人員配置を改革してきたが、その代償としてアジア太平洋地域への対応準備が不十分
Schriever Wargame5.jpgアジア太平洋戦域での宇宙管制任務は、極めて難しいものになる。そして大きな課題の一つが技術的なもので、マルチバンド周波数の必要性関連で、太平洋域の厳しい軍事環境では周波数ホッピングが求められるが、単一バンド周波数対応の現在の受信機にはその能力がない
●更にそのような厳しい環境下で任務遂行するための最先端の訓練が不十分で、また部隊体制も整っていない
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いつまでたっても日本はこの重要な演習に関われないで情けない・・・と、このブログでボヤいていたら、ツイッター上で読者の方から、「まだ公にはなりませんが、着実に前進しています」といった趣旨のアドバイスを頂いたことがあります

「外圧」もあるのかもしれませんが、あまり仲がよさそうとも思えない、防衛省、外務省、内閣府、内閣衛星情報センター、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共に参加したということですから、素晴らしい1歩とお伝えしておきましょう・・・

防衛省はどんなメンバー編成で参加したのでしょうか? 航空総隊に宇宙空間担当部隊を新編するとの予算要求のニュースも耳にしましたが・・・

宇宙での戦いに備え
「同盟国にも訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「米高官が不審な露衛星を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15

Schriever Wargame関連の記事
「米国が日本を誘う・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-3
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「Schriever Wargame」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

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米サイバー戦略がもたらすもの [サイバーと宇宙]

米国内での調整が不十分だと不安視する見方がある中

Trump cyber3.jpg1日付.fifthdomainが、9月末に出た米国のサイバー戦略に関し、サイバー関連情報サイト主催のイベントで有識者たちが語った内容を取り上げつつ、同戦略が攻撃的なサイバー作戦を重視していることから注目されるサイバー攻撃犯特定と必要とされる新たな手法や、議会の動きについて報じています

犯人特定といっても決して簡単なことではなく、膨大な労力が必要なことや、一方で攻撃的な活動を試行する中で必要なチェック機能整備が進んでいないことなど、勇猛果敢だが支離滅裂(どこかで聞いたことがあるフレーズ)な感があるトランプ政権のサイバー戦略発表後の動きを、断片的ながら色々な側面からとらえようとしています

1日付.fifthdomain記事によれば
Cyber-new2.jpgホワイトハウスとペンタゴンからサイバー戦略を発表したことによる「突風」は、一連のサイバー関連の道具や戦術を必要とすると、CyberCon conferenceに参加した政府関係者や専門家は語った
●政権のサイバー戦略はより攻撃的なサイバー作戦を約束するものだったが、そのためには米国は、犯人特定能力を上げ、更にそのために情報収集能力を強化しなければならないと専門家たちは口をそろえた

NSAのサイバー対処作戦リーダーは、同戦略がもたらした最も大きな変化は、犯人特定を重視していることだと語った。

●またシンクタンクのサイバー専門家は、諸外国のハッカー摘発は、他国からのサイバー攻撃を抑止することにつながるとその効用を説明した
●そして犯人摘発が犯人逮捕につなげることは容易ではないが、無秩序なサイバー空間に一定の規範を生み出すことの意義は小さくないと語った

●別の専門家は一方で、犯人特定は一般に考えられているよりはるかに複雑なプロセスで、これを追求していくには、官民一体となって新たな手法や道具を生み出す必要があると訴え、
●「高い精度で犯人特定を行うために必要な情報や基礎資料の量を考えると、それはうんざりするほどのものになる」と現状を表現した

Cyber-new.jpg●また同戦略は、犯人特定より更に一歩進んで「defending forward」、つまり敵がサイバー攻撃作戦を仕掛ける前にその動きを察知することを追求している。そしてこのためにも、何らかの新たな手法や道具が必要になると専門家は語った
●この戦略に対する米議会の動きであるが、米議会の議員は四半期に一度、国防省から攻撃的なサイバー作戦について報告を受けている

●しかし、議会にはトランプ大統領のサイバー作戦に関する権限を制限しようとの動きはほとんどない。むしろ複数の議員たちは、より拡大したサイバー作戦を支持し、サイバー作戦の監視や制限についてはそれほど熱心ではない

●このように同戦略が新たなサイバー作戦の時代を開いたように見え、新たな手法や道具を求めているように思えるが、一方で複数の専門家が、結局はデジタル時代の作戦を支えるのは人間の力だと強調し
●「技術は重要である。しかし、以前の戦略であれ、今回の戦略であれ、さらに将来の戦略であれ、最も重要なのはそれを支える人なのだ」と強調した
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Trump cyber.jpg米国のサイバー戦略が公表された際にスルーしていたので、断片的ながら関連記事で、間接的に取り上げさせていただきました

サイバードメインで、攻撃を重視し、そのために犯人特定を重んじ、そのための情報収集や技術開発に取り組むとの方向性の様です

この方向性は結構リスクを伴うと考えられますが、議会の雰囲気は行政の動きを制約する方向にはなく、「もっとやれ」的な方向にあるようです。あまりにも断片的な記事のご紹介で注意が必要ですが、この話題をフォローする視点としてご活用ください

現物:National Cyber Strategy
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2018/09/National-Cyber-Strategy.pdf#search=%27National+Cyber+Strategy%27

米国防省のサイバー戦略 →https://media.defense.gov/2018/Sep/18/2002041658/-1/-1/1/CYBER_STRATEGY_SUMMARY_FINAL.PDF

サイバーと兵器管理
「サイバー懸念で市販UAV使用禁止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-07-1
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
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米国務省高官が怪しげな露衛星を指摘 [サイバーと宇宙]

なぜ外交官が最初に公にしたのか???

Poblete.jpg14日、スイスのジュネーブの国連本部で行われた軍縮会議で米国務省のYleem Poblete軍縮担当次官補が、2017年10月に確認されているロシア衛星の奇妙な行動を取り上げ、「明らかに問題となる展開だ」と発言しました

ペンス副大統領がトランプ大統領の6月18日の指示に従い、8月9日に宇宙軍を2020年に創設すると具体的な計画を発表したばかりのタイミングであることもそうですが、恐らく秘密情報であるはずの具体的なロシア衛星の情報を、外交官である国務省高官が初めて公の国連の場で取り上げたことに注目です

まぁ・・・今後米国防省や米軍幹部がこの発言をどのようにフォローしてゆくかに注目なので、とりあえずご紹介しておきます

14日付C4isrnet記事によれば
Pence.jpg●米国務省のYleem Poblete軍縮担当次官補はジュネーブの「Conference on Disarmament」で、2017年10月にロシア側が偵察衛星と称している複数の衛星が見せ動きを「予期された行動は異なる行動」や「very troubling development」と表現して懸念を表明した
●また同次官補は「その行動が何を意味しているのか実証する手段を有しない」としつつも、「ロシア宇宙軍司令官の主張と比較しても、それら衛星行動の意図不明で疑念を招く動きだ」と非難した

●更に同次官補はロシアが衛星破壊のための対衛星兵器を準備しているとの懸念を強調し、「プーチン大統領が世界に向け3月1日に発表したように、最近ロシア国防省は移動式レーザーシステムを受領したと明らかにしたが、ロシア指導者は宇宙兵器を政治的にも軍事的にも既成事実化しようとしている」と警鐘を鳴らした
●Poblete軍縮担当次官補は、昨年10月のロシア衛星の特異な行動の目的は不明だとしつつも、米国関係者は、ロシア宇宙軍による新型兵器の宇宙配備重視の方針との関連で警戒ししているとも表現した

Poblete2.jpg今年4月には、相次いで2つの米研究機関がロシアと中国の宇宙活動に警戒感を示すレポートを発表しているが、その一つであるCSISレポートは、ロシアの対衛星兵器の脅威と、ロシアが得意とする「RPO:rendezvous and proximity operations」作戦に懸念をしている
●またSecure World Foundationが発表したレポートは、CSISと同様に、他国の衛星に接近するような軌道変化を示すロシア衛星のRPOを警戒感を示しているが、それらの行動が情報収集用の行動とくbつすることは難しく、衛星破壊行動の訓練だとの証拠はないとしている
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とある米議員が宇宙軍の必要を訴え、「中国やロシアは既に宇宙を自分たちのものにしようとしている。是非非公開の情報ブリーフィングを聞きに来てくれ」と危機感を訴えていましたが、軍縮ぢひょう次官補が公にした事実は氷山の一角かもしれません・・・

宇宙アセットへの脅威分析
「別のレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-15
「CSISレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-3

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宇宙に物資を保管し必要時に迅速配布 [サイバーと宇宙]

Everhart.jpg2日、米空軍輸送コマンド(AMC)のCarlton Everhart司令官が記者団に対し、 将来のAMCの在り方を考える一環として、必要時に迅速に物資を世界各地に届けるため、宇宙空間に物資を保管して直接提供する方式を関連企業と議論し始めたと語りました。

まだまだ「コンセプト段階」、「infancy stages:0-2歳児段階」の話だと同司令官は強調しているようですが、軍の方から構想や要求事項を先行的に示しておかないと、民間企業の最新技術や柔軟な発想が官僚機構の壁で埋もれてしまう・・・との危機感から表に出して議論しようとの興味深い発想に注目です

Everhart司令官と言えば・・・先日、禁じ手である「幕僚勤務しなくていいよ」操縦者の募集を開始した話題でご紹介したところですが、将来を見据えた取り組みにも目を向けておられるようですのでご紹介します。

3日付米空軍協会web記事によれば
space-based 4.jpg●Everhart大将は記者団に、「もし宇宙空間に物資を事前集積できればどんなに便利だろう。地上で物資輸送の際に必要なものがいらなくなるし、海上を船で輸送することも不必要になる。宇宙空間の保管施設に補給物資を運搬する手段を確保して」と語った
●そして「宇宙に物資を運搬できればそこに人を配置する必要はない。自動で積み下ろし作業などは可能だろう」と説明し、目的は世界各地に可能な限り迅速に物資を運搬するためで、装甲車両から食料水に至るまで宇宙空間で保存可能な期間一杯保管したいとも語った

既に輸送コマンド幹部や司令官自身が打ち上げ企業とのミーティングを開始していると明らかにし、Everhart司令官自身も先週(7月23日の週)SpaceXやVirgin Orbit関係者と面談し、例えば「SpaceX社のBFR super-heavy launch vehicle」 を物資打ち上げに使用したり、関連企業のシステムで必要時に宇宙空間の物資を地上に提供することの可能性を話し合ったと述べた
●同司令官はこの構想の利点について、現在空輸で10時間必要な物資輸送が、宇宙空間からだと30分で可能になると説明した

space aware2.jpg●同大将は今後Blue Origin社幹部とも話し合ってみたいと希望を語り、AMCの将来構想を担当部署の士官も関連企業を訪問する計画だと述べた
●AMCはまた、米空軍宇宙コマンドとも協議を開始しており、相互に交換幹部を差し出して輸送と宇宙の連携要領を深めたいとも語った

関連企業は「Civil Reserve Air Fleet」との位置づけで契約を結ぶことを前提に参画を促し、有事における活躍も期待する方式を考えている模様
●Everhart司令官はまだ計画自体が「infancy stages:よちよち歩き段階」 にあることを強調したが、民間企業の革新的アイディアを国防省官僚機構の壁で埋もれさせることが無きよう、またAMCが空ドメインだけに留まって取り残されないように(become irrelevant)するために必要な取り組みだと説明した
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Everhart4.jpg宇宙空間に大量の重量物を運搬するコストは???・・・と問いたくなる発想ですが、そんなことは承知の上でのEverhart司令官の発想でしょう。

それにしても、宇宙のことを基礎から学ぶ必要性をつくづく感じる次第です・・・数年前からそんなことをつぶやいているような気もしますが・・・

Carlton Everhart大将・・・興味深い人物です。輸送機一筋の経歴で、大佐昇任直後(2003年1月)から横田基地の輸送機部隊指揮官として日本勤務経験があります

米軍輸送関連の記事
「禁じ手:幕僚無し操縦者募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「民間輸送力依存に危機感」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-03
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「タンカー将来計画見直しへ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「渡り鳥に学ぶ輸送機の燃費向上」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-26

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新しい宇宙軍の国防省概要案 [サイバーと宇宙]

8月9日、ペンス副大統領が会見し発表
宇宙軍創設のため専従の次官補を置くとも
https://www.defensenews.com/space/2018/08/09/space-force-will-be-6th-military-branch-by-2020-vice-president-pence-announces/
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国防省独自で可能な宇宙担当メジャーコマンド、調達機関、そして統合部隊の編成に着手か

Shahahan.jpg7月31日付Defense Oneが、国防省が議会と最終調整している「宇宙軍」の概要と今後の動きに関する計画案を入手し2018年末までに議会承認が必要な新たな宇宙軍創設法案準備を行い、それに先立ち国防省独自に可能な宇宙専従の「new combatant command」と「new space-procurement agency」と「new Space Operations Force」 を数か月以内に立ち上げる計画だと報じています

本来、8月1日に国防省が会見して公表する予定だった14ページの計画は、Shanahan国防副長官の下でStephen Kitay宇宙政策担当国防次官補代理が起案したといわれるものですが、議会との最終調整に時間がかかり、発表会見が延期されているようです

7月24日に米議会の上下院軍事委員会が2019年度予算案への宇宙軍関連経費の計上を認めない「ゼロ査定」を決定し、同日退役軍人集会で宇宙軍構想を再び(6月18日に正式宣言)ぶち上げたトランプ大統領との対立構図が際立つ状況ですが、国防省発表案は相当に考えられたもので、特に調達関連で改革志向を垣間見る気がします。

Space domain.jpg冒頭ご紹介したように、1947年に米空軍が創設されて以来の新たな軍「宇宙軍」創設には議会による重い法律改正が必要ですが、宇宙軍の傘下に入ると思われる宇宙担当メジャーコマンド、調達機関、そして統合部隊の編成は国防省独自で可能なようで、「In coming months」に立ち上げるとの勢いです

米国防省の組織編成論についていけない部分があり、またこの記事が出るころには議会と調整した「修正版」なっている可能性もありますが、大きな方向に変化はないと信じ、とりあえずご紹介いたします

新しい宇宙担当Combatant Command
●現在ある米軍特殊作戦コマンド(Special Operations Command)のような、大将がトップの11番目のunified combatant commandで、陸海空軍および海兵隊からの人材で構成され、米軍の宇宙戦力全てを管轄する
●計画案では、2018年末までに新コマンド「U.S. Space Command」を立ち上げ、それまでに必要な追加の人材、責任や権限を整理する事となっている
●新コマンド立ち上げ時の指揮官は、現在のAir Force Space Command司令官が務める

新しいSpace Operations Force
space aware2.jpg●新コマンド「U.S. Space Command」の実動部隊となる「Space Operations Force」を、 陸海空軍および海兵隊、更に予備役や州軍で宇宙関連分野に従事する人材で立ち上げる
特殊作戦コマンドにおける各軍種の特殊部隊の様な位置づけで、米国防省全体で宇宙分野にかかわる人材を、「Space Operations Force」が一元的に管理し育成し運用する
●この「teams of space experts」編成を優先して迅速に進め、来年夏までに欧州コマンドと太平洋コマンド地域専従の組織を編成し活動を開始する

新しいSpace-Procurement Agency
space-based 4.jpg地殻変動的(seismic)な変革を期しているのが宇宙関連の物資調達、打ち上げ業務選定、技術開発研究等を担う新しい「Space-Procurement Agency」で、業務の迅速化や実験的挑戦を強調する改革に挑む。現在の関連機関はコロラド、加州、フロリダ、ハンツビル等にあるが、人材集めや民間企業との連携による技術開発に適した場所が検討される
●このAgencyはまた、民間宇宙企業を官民共通の目的達成にため、要求と規則と法令順守を基礎に向けて、より大きな役割を担う。ミサイル防衛分野を担う「Missile Defense Agency」のように、全軍種に関わる宇宙関連調達を監督する役割を担う

●このAgency組織の中核は「Space Development Agency」で、新型衛星の開発や打ち上げ契約を担う。現在進行中の調達案件は各軍種で引き続き担当し、徐々に新たな案件から新組織が行っていく
●国防省計画案が改革のスタート地点と呼び、新組織立ち上げで最も大きな影響を受けるのは、現在国防省の宇宙調達予算の85%分を担当する6000名規模の米空軍「Space and Missile Systems Center」(在ロス)で、最近組織改革を行い業務迅速化を図ったばかりの組織である。
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サイバーやAI分野と並び、中国やロシアの脅威が急速に顕在化している宇宙ですので、これを契機にこれまでの因習を断ち切る意気込みをこめ、改革志向での取り組みが確認でき喜ばしい限りです。

Shanahan4.jpgトランプ大統領が正式に命令する6月18日までは国防省も大反対論陣を張り、上下院の軍事委員会が予算「ゼロ査定」を決め、この計画案発表に至る議会との下調整段階が早くも難航している「宇宙軍」ですが企業からの転身組Shanahan国防副長官らの柔軟な発想に期待すべきなのでしょう

正式な発表を待ちましょう・・・

宇宙軍を巡る動向
「宇宙軍宣言に国防省内は冷ややか」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「国防副長官が火消しに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-29
「トランプの宇宙軍発言に真っ青」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-17
「下院が独立法案承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1

「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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宇宙に特化した世界空軍トップ会議を [サイバーと宇宙]

協力して宇宙ドメインに取り組み姿勢は理解も
負担共有を狙った米軍の戦略着々とも考えられ・・・

Goldfein space.jpg10日、Goldfein米空軍参謀総長がDefense-Newsの単独インタビューに応じ、今年に入り等に活発になって生きている同盟国等の宇宙ドメインへの巻き込み(外交的には「協力強化」と表現)について語り、その一環(まんぐーす邪推)として宇宙ドメインに特化した世界の空軍参謀総長会議の開催を提案しました

米空軍幹部は今年に入り、3月にHyten戦略コマンド司令官が議会で、「共通の敵を抑止するためだけでなく、宇宙システムの開発配備の資金的な負担をシェアするためにも、同盟国を宇宙作戦運用に加えるべき」、「コスト分担合意、外国衛星の打ち上げ、情報共有合意、などなど、多様な同盟国等の協力機会が考えられる」と証言し、ギラギラした狙いを公言

Space Fence1.jpg4月に空軍長官はソフトアプローチで、「同盟国等の要員に対する宇宙関連の訓練を拡大する」と発表し、「宇宙での衝突防止、周回軌道の離脱、大気圏再突入などを学ぶことを通じ、宇宙状況把握の基礎コース」と「国家安全保障の視点から宇宙政策を考える課程で、現在は豪州、カナダと英国のみに開放しているコース。今回の拡大により、本コースにNZ、フランス、ドイツ、日本が」と言及

そして7月18日から、これまで統合レベルまで勤務者を拡大していたJSpOC(Joint Space Operations Center)を、CSpOC(Combined・・・)として民間衛星運用者を含む同盟国関係者まで勤務者を拡大して運用開始すると米空軍が発表しているところです

まぁ、トランプ大統領が米空軍から宇宙軍(Space Force)を独立させ、空軍と並列関係にすると正式発表したドタバタの中ではありますが、宇宙に関する空軍参謀総長会議の開催提案をご紹介しておきます。

12日付Defense-News記事によれば
Goldfein4.jpg●Goldfein米空軍参謀総長の提案は、これまで航空作戦全般をテーマに世界各国で行われてきた空軍参謀総長会議の流れからすると異例なものであるが、同参謀総長は「爆発的に商用分野で宇宙産業が発展する中、この発展を軍事分野でどのように活用し、企業を巻き込んでいくかを考えるタイミングにきている」と提案の背景を語った
●そして同会議の候補として、毎年春に空軍宇宙コマンドのあるコロラドスプリングスで開催されている「Space Symposium」に合わせて開催する方向を考えていると語った

●同大将は「企業の競争により打ち上げコストが低下し、併せてより小型の宇宙アセットが可能になってきている今の時代、巨大なチャンスが目の前にある」、「大型バスサイズがスーツケースレベルに小型化可能で、低コスト打ち上げが可能になってきている2大変化を見逃せない」とも表現した
●同大将は兼ねてから、米空軍と米軍他軍種、そして同盟国等の宇宙アセットの相互運用性を提唱してきた人物であるが、宇宙ドメインを如何に米空軍戦略の中に組み込むかを中心に議論が行われてきた経緯がある

space aware2.jpg●なおGoldfein参謀総長は、7月5-9日の間のイタリア訪問に際し、イタリア空軍参謀総長のEnzo Vecciarelli空軍大将との会談でこの話題を持ち出した模様である。
●米空軍はこのように、かつては固い秘密の壁に覆われ、「NOFORN:no foreign nationals:外国人出入り禁止」の原則で行われてきた宇宙ドメイン活動の方向転換を図っており、4月に空軍長官が宇宙に関する教育訓練への同盟国等兵士の受け入れ を大幅拡大すると発表したところである
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トランプ大統領の独善的な動きに翻弄されている米国防省と米軍ですが、同盟国等に負担の共有や移管を推し進める点では利害がぴったり一致しています

その急激な米国の変化に、この空軍参謀総長会議に集まるであろう世界の空軍トップ同士で、どのような会話が交わされるのでしょうか???

宇宙での戦いに備え
「JSpOCからCSpOCへ 日本も」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-3
「同盟国にも訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「宇宙脅威論のレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-15

「CSISの同上レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-3
「米国防省宇宙ニュース2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-20
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

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米軍がサイバー懸念で市販UAV使用禁止 [サイバーと宇宙]

国防副長官の指示で。背景は不明で憶測が

UAS marine.jpg6日付米空軍協会web記事や各種報道によれば、5月23日にShanahan国防副長官が米軍に国防省監察官から市販無人機のサイバーリスクの把握が不十分との指摘を受けたため、対策を行うまで市販無人機の使用を停止せよ」と指示した模様です

これを受け、海兵隊や空軍特殊部隊などが1000機レベルで使用している市販の小型無人機が運用停止になっているようで、海兵隊は前線部隊への影響が大きすぎるとして、特定の機種については運用停止を免除するように要請しているようです

なぜ国防省監察官が「市販無人機のサイバーリスクの把握が不十分」と指摘し、米国製と海外製も含む製品が使用停止になったのか??? その背景について国防副長官のメモは言及しておらず謎です。

断片的情報では5月にChris Murphy上院議員がマティス国防長官に書簡を送り、「中国DII製(Da-Jiang Innovations製)の製品は潜在的に国家安全保障上の脅威である」と警告したと言われていますが、国防省監察官の警告との直接の関係は不明です

6月21日付UASVISIONによれば
UAS marine2.jpg国防長官は5月23日のメモで、「5月14日に国防省監察官は、国防省は市販無人機を使用するにあたり、サイバーリスクを見積もる十分な取り組みを行っていない」と指摘したと述べ、市販無人機の使用を停止した

●運用停止に該当する海兵隊保有の市販無人機は、例えば「800 Mk-2 Gen-3 drones」との4つの小型プロペラで飛行するタイプでは、既に600機が前線の大隊に配分され、さらに200機の追加注文分を待ちわびている状態だった
●海兵隊は同タイプを含む数種類の「使用停止免除」を求めており、国防副長官も「前線の緊急要請に対応し、ケースバイケースで運用停止免除を検討する」と述べている

6日付米空軍協会web記事によれば
UAS marine3.jpg米空軍特殊作戦コマンド報道官は、市販無人機の購入と使用を停止しているとEメールで回答してきた。5月23日の国防副長官指示に基づくものだと説明している
●そして、使用停止措置は「国防省が同リスクに対応する戦略を立てるまで続く」と述べている

米空軍特殊作戦コマンドは、市販小型無人機をISR、地形偵察、飛行場調査などに使用している。広報部門も写真や映像撮影のため市販無人機を使用している
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国防省監察官の5月14日の指摘の背景が気になりますが、米軍の市販無人機全ての使用を禁止するとは相当の危機感の表れです。

直径1m以内程度のドローンをイメージして頂ければよいと思いますが、サイバーの恐ろしさを垣間見た気がいたします・・・。日本は大丈夫か???

サイバーと兵器管理
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

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トランプの宇宙軍創設は早くても数年後 [サイバーと宇宙]

トランプ「宇宙軍を創設する。空軍と同レベルの軍だ」
マティス「議会が合衆国法典の規定改定に同意したら」
空軍長官「空軍の諸君、すぐに何かが変わることはない」

18日、トランプ大統領が副大統領が委員長を務める「National Space Council」で演説し米空軍から宇宙部門を独立させ、陸海空海兵隊、沿岸警備隊と同列の「宇宙軍:space force」を6つ目の軍として創設すると宣言しました

trump space.jpg宇宙の国家安全保障における重要性と、空軍から独立させないと適切な資源配分を受けられない等の理由から、昨年から米下院を中心に盛り上がってきた議論ですが、国防長官や空軍長官が懸命に火消しに努めていたところでした

そんな中、3月に海兵隊基地を訪問したトランプ大統領が「宇宙軍創設という、素晴らしいアイディアがある!」とぶち上げ、国防省は副長官を先頭に、再び火消しをすべく、検討結果をまとめていたところでした

冒頭にご紹介したように、議会の理解と膨大な検討及び事務作業が発生するわけで、次の大統領選挙結果が出るまで、検討を引き延ばすのでは・・・とも勘繰りたくなる雰囲気です
あっ・・・それから海軍省の中にある、つまり海軍長官のもとにある米海兵隊と同じように、空軍長官のもとに空軍と並列で編成されるようです

とりあえず時系列で各方面の反応をご紹介します



18日トランプ大統領は
我々は宇宙を圧倒的に支配しなければならない(We must have American dominance in space)
私は今日ここで、国防省に対し、直ちに6番目の軍としての宇宙軍創設のプロセスを開始するよう命じる

●米国は、空軍と宇宙軍の両方を保有することになる。別々に、そして同等の軍として保有する。この点が重要である
●(会場にいたダンフォード統合参謀本部議長を指差して、)「この命令を遂行せよ。将軍、これをやり遂げようではないか

19日夜、米空軍指導者連名で空軍内にメッセージ
Wilson9.jpg●大統領の指示により、の指示により、米空軍省内に、宇宙軍が創設される。(the new space force would be established as a military service inside the Air Force
●指示を実現すべく、組織全体が一つの方向に向かって取り組んでいく

大統領による宇宙軍創設の指示は、空軍の重要性をさらに強調するものである。宇宙は戦いのドメインであり、宇宙にかかわるすべての組織は、潜在的な敵対者の脅威に対応するため、破壊力、強靭性、機敏さを維持強化しなければならない
●我々米空軍は、国防省指導層、議会、そして国家安全保障関連パートナーと共に、この計画の遂行に取り組むことを楽しみにしている

●ただ、直ちに動きや変化があるわけではない。指示の遂行は、周到に包括的なプロセスを踏むことになる。
●我々の任務は、国家安全保障戦略の遂行を支え、引き続き宇宙での戦闘能力向上を加速していく。

20日マティス国防長官は国防省で記者団に
Mattis44.jpg●宇宙軍の創設に向けた業務はまだ始まっていない。皆さんもご存知のように、宇宙軍創設には法的な手続きが必要であり、未着手の膨大な詳細にわたる諸計画が必要になる
●我々はそのプロセスに取りかかったわけであり、22日金曜朝にボルトン大統領補佐官とのミーティングで取り上げる話題の一つである

●(解説記事部分) 宇宙軍の創設は、議会が合衆国法典の軍隊に関する「Title 10」の改正に応じた後にのみ行われ、その手続きには経費見積もりや時程計画が求められ、数年必要であろう。宇宙関連の国防省予算は、全体から見れば極めてわずかである
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昨年7月、宇宙軍独立推進派のMike Rogers下院議員(共和党)は、超党派議員の支持がある案で、宇宙分野を独立させる喫緊のニーズがあると主張し、以下のように訴えています。

Rogers.jpg●「非公開の情報ブリーフィングに来てくれ。とてもショッキングな現実がそこにある。中国とロシアは既に宇宙を再編(reorganize)してしまっている」、
●「宇宙分野は金づるで、空軍は長らく航空分野でこの資金に頼ってきた。だから戦闘機パイロットである将軍達は、宇宙軍独立に反対なのだ

米韓合同演習の中止なら一時的なことで耐えられましょうが、この宇宙軍創設にはマティス長官も「プッツン」してしまうのでは・・・と心配です。

新しい制服とか作るんでしょうか??? 

宇宙軍を巡るつばぜり合い
「国防副長官が火消しに」[→]http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-29
「トランプの宇宙軍発言に真っ青」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-17
「下院が独立法案承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1
「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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JSpOCからCSpOCへ そして日本も [サイバーと宇宙]

ついに日本も宇宙作戦で同盟国の仲間入り!?

Japan JSpOC.jpg左の写真は、2017年12月8日(意味深な日ですが・・・)に航空幕僚幹部防衛部の精鋭が加州Vandenberg空軍基地にあるJSpOC(統合宇宙作戦センター)を訪問した際の写真で、センターを運営する大佐の指揮官から、宇宙に漂うデブリの実物を説明してもらってる様子を写したものです。(6月4日付米空軍協会web記事が掲載

ついに日本も戦闘服を着てJSpOCを訪問するようになったかと「ググって」みると、ここしばらく、米空軍からの宇宙軍独立騒ぎばかりをフォローしているうちに、米軍の宇宙運用が同盟国連合に拡大する具体的な動きが、Hyten戦略コマンド司令官(空軍大将・空軍参謀総長の最有力候補だった人物)の強力なリーダーシップで進んでいることがわかりましたので、種々の報道からつまみ食いでご紹介します
そしてそんな動きの中で、日本も遅まきながら同盟国の一員として、この連合宇宙作戦センターに関わるような動きを見せていることにも触れたいと思います

2010年
space aware2.jpg●米空軍が主導し、米国内の官民宇宙関係者や政治家までもが参加して宇宙での戦いを考える机上演習「2010 Schriever Wargame」の教訓として、秘密情報の扱いから米国関係者だけで行っていた宇宙作戦運用は、米国だけでは維持運用できない
●現在統合レベルまで勤務者を拡大しているJSpOC(Joint Space Operations Center)は、CSpOC(Combined・・・)として民間衛星運用者を含む同盟国関係者まで勤務者を拡大して運用しないと、宇宙の状況を的確に把握して作戦運用をすることが困難・・・との結論を得る

2017年
宇宙状況把握の実験「Global Sentinel」の参加者を同盟国に拡大。豪、加、英、仏、スペイン、独、伊、日本、韓国が参加

2017年12月2日
Hyten戦略コマンド司令官がReagan National Defense Forumで、CSpOC構想を発表し、2018年末までに運用を開始すると明らかに。同盟国軍関係者だけでなく、情報コミュニティーや民間宇宙運用者も交える構想を示す
●同年12月8日、航空幕僚幹部の精鋭がJSpOCを訪問し、活動の説明(推測)を受ける

2018年3月
Hyten戦略コマンド司令官が下院軍事委員会で、共通の敵を抑止するためだけでなく、宇宙システムの開発配備の資金的な負担をシェアするためにも、同盟国を宇宙作戦運用に加えるべきだと証言
●「コスト分担合意、外国衛星の打ち上げ、情報共有合意、などなど、多様な同盟国等の協力機会が考えられる」と語る

2018年???
space aware.jpg●(3月の報道の表現)最近、最も新しい同盟国として、日本が秘密度の高い「Schriever Wargame」に招待された。これでFive Eye partners呼ばれる米、英、豪、加、NZ、更にこれらに仏と独を加えた国に日本が加わることになる
米空軍宇宙コマンドのJoseph Guastella少将は、CSpOCを今年夏にオープンすると空軍協会のイベントで発言
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主要国にとっても、米国以外の国にとっては、宇宙に関する国の基本政策もなく、軍におけるドクトリンなどあるはずもない中、米国の猛烈な誘いに乗るのも勇気のいる話です。

ましてや、Hyten戦略コマンド司令官が、議会対策もあるとはいえ、公式の場面で明確に「share the financial burden」と発言している中、日本も呼ばれただけで喜ぶわけにはいかないでしょう・・・

秘密度の高い分野で、表に出る部分は少ないですが、注意しておきましょう・・・

宇宙での戦いに備え
「同盟国にも訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「Schriever Wargame」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

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サイバー戦時代の核兵器管理を [サイバーと宇宙]

90年代のB-2以降、サイバー時代に入ってから新たな核関連兵器の認証を行っていない現実

Weinstein2.jpg1日、米空軍司令部の戦略抑止・核兵器融合部長であるJack Weinstein中将が米空軍協会で講演し、サイバー戦時代の現代に、核兵器の品質保証や関連施設のレジリエンスを確実にすることが大きな課題となっていると語りました。

同中将の言う「Nuclear certification」は、核兵器システムが初期運用態勢確立を宣言する最後の関門となる品質確認行為の様ですが、具体的にどのようなチェックが含まれるのかは説明されていません。

しかし最近では、PCの様なネットワーク接続型の装置だけでなく、ICチップの様な電子部品を搭載するすべての装備品がサイバー攻撃の対象とされており、怪しげなプログラムが組み込まれたチップや回路が核兵器に紛れ込まないよう確実にすることが求められているのでしょう

また核兵器の運用システムや指揮統制システムに関しても、外部から遠隔操作されないよう、いろいろ確認や監視すべきことが山のようにあるのだろうと想像いたします

1日付米空軍協会web記事によれば
Weinstein4.jpg●米空軍協会ミッチェル研究所で講演したWeinstein部長は、サイバー脅威が普通になった現代において、如何に核兵器システムの健全性や安全性を保障するかについて検討を行っていると語った
●そして「検討は2年後に結論を求められているのではなく、2018年に必要なのだ」と語り、米空軍科学諮問機関(Scientific Advisory Board)が提言した「新たな核兵器の保証と認証」との報告書の説明を受けた空軍長官が、30日以内に提言実現プランをまとめるよう指示したと説明した

●同諮問機関の提言には、米空軍核兵器センターや安全管理センター、更に核兵器計画室に適切な資源を配分し、核兵器の近代化を支えるべきとの指摘も含まれている
●同中将はまず必要な人材の配置に向け取り組んでおり、彼らに具体的な問題対処を早晩開始してもらう事を検討していると述べた

B-2Whiteman.jpg●諮問会議は米空軍に対し、米空軍の核兵器任務遂行への脅威が急速に変化していることを受け、核兵器保障における信頼性確保により重点を置くよう提言しており、サイバー戦社会を念頭に置いた新たな政策や手順の確立を求めている
●同中将は、彼の部署が並行して議会提出用の「Nuclear Mission Assessment」を担当し、米空軍核兵器関連部隊や施設全体の訓練、適切な規模、資源配分の適切性、近代化の進捗、必要な能力などを取りまとめ、年末までに空軍長官や空軍参謀総長の承認を得る作業中だとも説明した
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核兵器やその関連施設の老朽化や、運用にかかわる兵士の士気低下が大きな問題として取り上げられ、少しずつ予算面や制度面での変化がみられるようですが、一度「地に落ちた部隊」の立て直しが一朝一夕に完了するはずもなく、長い目で見る必要がありそうです
B-61 LEP.jpg
今から2020年代前半にかけ、陸海空軍の間で、そして空軍内部でも、熾烈な装備近代化・老朽更新の優先順位争いが繰り広げられますが、「核兵器」を支えるモメンタムが維持されるのかどうか・・・とても気になるところです

ロシアの核兵器近代化
「続々新型核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「米NPRも露核魚雷に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13-1
「露が戦略核魚雷開発?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「核兵器立て直しに140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1
「次期ICBMと核巡航ミサイルの企業選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

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国防省:8月に宇宙対処組織検討を議会に [サイバーと宇宙]

火消しをしたはずが、トランプ発言で再び火消しへ

Shahahan.jpg4月24日、Shanahan国防副長官が記者団に対し米空軍から宇宙分野を独立させて「宇宙軍:Space CorpsやSpace Force」を4軍と並ぶ軍として創設する議論についての検討レポートを6月1日までにまとめ、8月には議会に説明したいと語りました

宇宙軍分離独立案は、米空軍が戦闘機や爆撃機ばかりに投資し、重要性が増す宇宙アセットが後回しになっていると強い不満を持つ下院が昨年持ち出し、年末にかけ国防省と米空軍が必死になって「火消し」を行った経緯があります

しかし、国防省等がやっと一息ついた矢先の今年3月13日、トランプ大統領が海軍部隊訪問時、いきなり「宇宙軍創設案は素晴らしい!」と演説し、この発言の「火消し」に国防副長官を中心とした検討を行うことになっているわけです

Wilson_Goldfein.jpg国防省や米空軍幹部の言い分は、宇宙の重要性に鑑み、「宇宙軍」創設は将来あり得る選択肢の一つだろうが、中露の追い上げが激しく一刻の猶予も許されないこのタイミングでの宇宙軍分離独立は混乱を招くだけだ・・・です。

そして「火消し」のため米空軍は、空軍司令部に宇宙担当部長職(中将)を設けたり、宇宙関連予算を大幅に増額したり、宇宙アセット運用組織を改革したり等々、種々の取り組みを打ち出してきたところです

Shanahan国防副長官が記者団に対し
space-based 2.jpg●副長官は記者団との朝食会で、約6か月間をかけて取り組んできた内部検討レポートを、8月には議会に提出したいと語った
●「我々は、組織と調達プロセスと運用枠組みと4軍の統合融合等において、また攻撃と防御の能力整備において、何が必要で何を変える必要があるのか検討してきた」、「そして検討結果として求められる変化について、どのような仕組みで実現できるか・・・について答えを出したい」と語った

●8月に議会説明するため取り組んでいるが、米空軍は非常に協力的で対応が早く、検討は予定通り進んでいる
組織図を広げ、新たな組織や指揮系統を描くことは容易だが、実際に組織を機能させることは容易ではないと副長官は語り、実際に新システムを導入するケースに言及し、リーダーシップの問題等を指摘した

●更に「米空軍が必要な施策を実行できていないなら異なる手法も必要だろう。まさにここが分析検討しているところであり、どのような変革が可能か、実行可能性があるかを見ている」と説明した

●なお24日に上院軍事委員会で証言したWilson空軍長官は、米空軍の働きと予算配分に自信を示し、「オープンな議論をする準備がある」と語っている
space-based 4.jpg●そして長官は、「2018年度の5か年計画から18%も予算を増額した2019年度の同計画を作成した。ここにこそ変革がある。組織がどうのこうのではなく、敵対者に対して、我々が何をしているのかを示すことが重要だ。我々は宇宙で手を出す相手がいれば、凌駕する準備がある」と現状に自信を示した
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なおトランプ大統領は5月1日にも、ホワイトハウスに陸軍士官学校のアメフトチームを招いた際に記者団に対し、「6番目の軍を考えているんだ。宇宙だよ。この意味わかる?真剣に考えているところだ!」と語っています

肌感覚として、米空軍内の雰囲気がわかりませんが宇宙担当幹部の本音を聞いてみたいものです

宇宙軍独立を主張する議員が、空軍内部の不満分子や宇宙幹部OBをメディアの前で語らせる・・・なんて構図が夏にも見られるかもしれません。そんな時間はないと思いますが・・・

宇宙軍を巡るつばぜり合い
「トランプの宇宙軍発言に真っ青」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-17
「下院が独立法案承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1
「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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同盟国への宇宙戦訓練を拡大へ [サイバーと宇宙]

「パイロット養成訓練のように宇宙要員訓練を支援する」
日本の名も上げて拡大対象国に言及

wilson7.jpg18日、Wilson空軍長官がコロラドスプリングスで開催された第34回の「Space Symposium」で基調講演を行い、同盟国等の要員に対する宇宙関連の訓練を拡大すると発表しました。

同長官は、米空軍が長年、同盟国や友好国の操縦者や搭乗員養成訓練を支援してきたように、宇宙に関する訓練を同盟国等にも拡大すると表現し具体的には来年から受け入れ国と受け入れコースを拡大すると述べました

18日付米空軍協会web記事によれば
●同長官は、「長年積み重ねてきた協力関係を基礎とし、同盟国等との宇宙における関係を深化したい」と表現した
●具体的に長官は、コロラド州にあるPeterson空軍基地に所在する「National Security Space Institute」に2つのコースを新たに増設すると説明した

Space Fence1.jpg●増設するコースの一つは、同盟国等の要員が宇宙での衝突防止、周回軌道の離脱、大気圏再突入などを学ぶことを通じ、宇宙状況把握(space situational awareness)についての見識を深めるコースである
●もう一つは、より上級のコースとして、国家安全保障の視点から宇宙政策を考える課程で、現在は豪州、カナダと英国のみに開放しているコースである。今回の拡大により、本コースにNZ、フランス、ドイツ、日本と「possibly others」からの参加者を募ることになる

●今回の宇宙教育訓練の同盟国への拡大理由について同長官は、「我々は過去数十年と比較して、より競争が激しく危険な国際環境の中にいる」と表現して、ロシアや中国による米国宇宙アセット無効化の努力に警戒してのことだと語った

調達改革と宇宙ミサイルシステムセンター
●長官は調達担当次官補直属の組織を設け、調達ルールを見直し。調達スピードを上げる業務を担当させると発表した
●また、宇宙ミサイルシステムセンターの組織見直しを同センター長のJ.T. Thompson中将に命じたとも発表し、縦割りの硬直的な業務要領を変えると説明した
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F2 POST.jpg米空軍の訓練コースですから、日本からは航空自衛隊員が参加するのでしょうが、どこから要員を選抜するのでしょうか?

日本のF-2戦闘機の後継に、F-35以上の性能を持つ、大型ステルス機を米国と共同開発するなどという理解不能な報道(21日読売朝刊一面)からすると、空自はパイロット数を削減したくないようですから、その他の分野から捻出するのでしょう・・・

ステルス機でも、小型無人機を搭載しても、地上にいる間は脆弱で、なおかつ脆弱で複雑な支援システムに依存する戦闘機が、どうしてそんなに重要なんでしょうか???

宇宙アセットへの脅威分析
「別のレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-15
「CSISレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-3

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もう一つ宇宙脅威のレポートが [サイバーと宇宙]

CSISレポートより少し詳しく報道されています

Space foundas.jpg11日、米シンクタンクの一つ Secure World Foundationが公開情報を基にまとめた宇宙アセットへの脅威に関するレポート「Global Counterspace Capabilities: An Open Source Assessment」を発表し、先日ご紹介した12日発表のCSISレポートと出来栄えを競っています

同じく公開情報を整理したCSISレポートと結論的には似たところがありますが、元米空軍幹部であるBrian Weeden氏らによってまとめられたレポートは、報道させるため事前にDefense-Newsへ提供した作戦が功を奏し、わかりやすく報道されています。

同Foundationレポートを紹介するDefense-News記事の印象は、米国は宇宙活動能力で中露よりも相当進んでいるが、最近の主流はジャミングやサイバー攻撃やエネルギー兵器など「non-kinetic」な方向に移りつつあり、これを抑止するのは困難だから、米国は残念ながらこれら宇宙戦軍備競争に挑むしかない・・・といった感じです

CSISレポート重なる部分もありますが、米国の能力についても触れており、より分かりやすいので追加で取り上げます

11日付C4isnet記事によれば
Secure World F.jpg●2007年に中国が行った老朽気象衛星をミサイルで破壊した実験は、デブリまき散らしで世界から非難を浴びたが、2018年の現在では、電子戦による機器麻痺、レーザーによる敵センサー機能低下、地上施設へのサイバー攻撃などの形の攻撃の可能性がより高いと考える
物理的に宇宙アセットを破壊するのではなく、「non-kinetic」に装置を無効化する手法は、安価であり、だれが攻撃したのかを探知するのが困難な手法だからである

●冷戦後以降で最も活発に対宇宙アセット兵器開発や試験が行われている状況は悪いニュースだが、少なくとも現時点では、「non-kinetic」タイプの使用に限られている。
●以下では国別に現状を紹介する

---中国
・2007年の衛生破壊実験で非難を浴びて以降も、2度目の破壊実験は行っていないが、対衛星兵器開発の鈍化は見られない
・中国は低高度軌道(LEO)衛星に対する攻撃能力は成熟しているとみられ、対衛星ミサイルの移動式発射機も数年後には運用開始されるだろう。
・一方で、中高度や静止軌道衛星に対する兵器は、まだ試験的段階にあるとみられる。

Secure World F2.jpg---ロシア
冷戦時代の技術の再構築・復活に取り組んでいるが、米国衛星の重大な脅威になるような規模や高度に影響を及ぼす十分な対衛星兵器能力は持っていないだろう。
・また開発中の兵器も、低高度軌道衛星以外の宇宙アセットを狙ったものには見えない
・しかしロシアは、ジャミングや電子戦能力に多くの投資を行っており、広範囲の地上局をカバーする通信衛星への妨害を行える能力を持つだろう

---米国
・高度な技術を持ち、低高度から静止衛星軌道までの敵システムに移動して接近ができる技術があり、対衛星兵器に転用できる技術である。またミッドコースMDシステムは、低高度軌道衛星に対しても使用可能である
・更にロシアのように、GPSなどの航法システムへの妨害を局地的に行う能力を備えている

---イランは、限定的な市販のGPS妨害能力を保有している
---北朝鮮は、限定的なGPS妨害能力を有している
---インドはその気になれば対衛星兵器保有に迅速に進むことが可能

●著者一人であるWeeden氏は、「技術拡散が進んでいる中、米国は技術の拡散防止や技術管理を考えるよりも、米国も積極的に宇宙兵器に投資した方がよいとの主張を後押しする結果である。ほかのみんながやっている。我々もやるべきだ・・・との論である」と語った

Space Fence1.jpg米国は本分野での軍拡競争を避けるため、慎重な姿勢をとってきたが、そんな配慮には関係なく、他国は2000年代に入って投資を増強している
そんな分野の一つがRPO(ランデブーと接近:Rendezvous and Proximity Operations)で、ロシアと中国が共に投資を行っている。これが情報収集用ではなく、破壊を目的としているとの証拠はないが。
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Secure World Foundationのレポート現物へは
https://swfound.org/counterspace/

先日ご紹介したCSISレポート記事と合わせてご覧ください
「報告書Space Threat Assessment 2018」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-3

宇宙での戦いに備え
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11

「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02 

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CSISが宇宙アセットへの脅威をレポート [サイバーと宇宙]

Space CSIS.jpg12日、CSISのTodd Harrison氏らのグループが、公開情報のみを基礎にした宇宙アセットへの脅威をまとめた報告書「Space Threat Assessment 2018」を発表しました。

もちろんこの分野では、一般に公開や報道されていない部分で、多くの兵器の研究や開発計画が行われているのでしょうが、非公開情報にアクセスできない一般研究者や政策研究者にも可能な範囲で現状を伝えることは非常に意味のあることです

また公開情報をきちんと把握しておくことで、それ以外の情報への感度が高まるというものです。 ですからブログ「東京の郊外より・・・」も、軍事情報への感性を磨くという意味で、公開情報をチマチマとお伝えし、継続と蓄積の力で明日の安全保障を担う皆様のお力になれれば・・・とやっておるわけです。

本題からはそれましたが、中国、ロシア、北朝鮮とイラン、そしてその他の国にも少し触れているらしい報告書の概要を、13日付米空軍協会web記事でご紹介

13日付米空軍協会web記事によれば
Harrison CSIS.jpg●中国について
---急激に、そして着実に対衛星兵器や軌道上からの攻撃能力の開発や試験を行っている国であり、更にジャミング、サイバー攻撃やその他の能力で、多様な米国宇宙システムに脅威を与えている。

●ロシアについて
---ソ連の崩壊以降、宇宙システムの状態が悪化し続けていたが、ロシアはその立て直しに取り組み始めて、近代化に着手している。
---「ほとんどすべてのタイプの対宇宙兵器を、開発もしくは復活させてる」と報告書は記している。

●北朝鮮とイラン
---北朝鮮とイランは、ロシアや中国には後れを取っているが、「他国からの技術移転や自身の弾道ミサイル開発の恩恵を被って、急速に進歩を続けている」
---この2国の脅威は、主に「nonkinetic」なサイバーや電子妨害によるもので、ミサイルなどの「kinetic」兵器の脅威ではない。そして「nonkinetic」な兵器は安価で、技術的に高度なものを必要としないことから、宇宙アセットを保有しない国にも手が届くようになってきている

space-based 4.jpg●その他
---「nonkinetic」な兵器の抑止は困難である。なぜならその探知が困難で、だれが行ったかを特定することが難しいからだ
---宇宙アセットを妨害や無効化することがあまりにも容易なので、それらが使用可能であることを当然だと見なすことはとてもできない。米国の宇宙アセットやそれを支える地上システムへの脅威に対応するため、直ちに政策担当者は行動を始めるべきである
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CSBAで予算分析の専門家だと思っていたら、Todd Harrison氏はCSISへ移籍され宇宙も担当されているようです

現物をご覧になりたければ以下まで
https://www.csis.org/analysis/space-threat-assessment-2018

宇宙での戦いに備え
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11

「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02
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SNSへの規制が当局のOSINTに痛手を [サイバーと宇宙]

GDPR3.jpg6日付C4isnetが論考を掲載し、Facebookからの約5000万人分の個人データ流出事案や、2016年米大統領選におけるロシアのSNSを利用した介入などを受けEUがSNSプラットフォームに蓄積されたアカウント関連情報の利用に5月から厳しい法規制を課すことを紹介し、この時代の変化は公的な治安機関の公開情報収集OSINT(Open Source Intelligence)に少なからず負の影響を与えると分析しています

無料で利用できるFacebookやTwitterなどのSNSプラットフォームは、収集した利用者のアクセス傾向や発信内容等から、利用者個人の特性や傾向を分析可能で、対象者を絞った広告戦略に活用され収益の柱としていますが、それらデータを外部ベンダーに販売することで利益を得ることも可能です

GDPR2.jpgEUは2016年に、GDPR(General Data Protection Regulation)法を採択し2018年5月25日から効力を発揮しますが、これはSNSプラットフォームが得た個人情報の管理を厳格に規定し、これらデータを何らかの方法で入手した外部ベンダーに対し、利用者からの要求があれば、データの消去や内容明示要求に答える義務を課し、応じない場合は全収入の4%の罰金を科すとしています。
そしてこの法の対象団体は国籍を問わないとも謳っているようです

つまり、SNSプットフォーム運営者に対しては厳重な個人データ管理システムの構築を義務付け、その蓄積データを有料無料、合法非合法のいずれにせよ入手した外部ベンダーにもデータ管理の責任を強いるものです

GDPRはEUの法ですが、今回のFacebook事案などを受け、SNS上のデータ管理が厳しくなる傾向は全世界の動きとなることが予想され、その影響は公的情報機関も相当受けるだろうとの見方です

6日付C4isnet記事によれば
●GDPRの考え方はつまり、個人のデータは個人の物であって、外部ベンダーの物ではないだという考え方に基づいている。SNSプラットフォーム運営者や外部ベンダーが従わなければ責任を負ってもらうとの考え方である
GDPR.jpgまんぐーす注SNS利用者が利用開始時に、SNS側が設定した規約に合意し、その規約が個人情報の利用についてある程度許諾するように求めている場合の扱いについては不明です。記事の雰囲気からは、そのような規約の設定自体が今後は難しくなりそうな雰囲気ですが・・・)

●EUの法がどのように人々に受け入れられるかは不明だが、法施行後、多くのSNS運営者は個人データの利用や共有に制約を受けるだろう。そして、多くの政府機関が公開情報収集OSINTに頼るようになっている現実からすれば、この制約はこれら公的機関の任務遂行に影響を与えることになる
Twitterが2017年に、外部ベンダーである「Dataminr and Geofeedia」のデータアクセスを禁じたが、Twitterの保有するデータを利用していた公的機関はアクセスを禁じられなかった他の外部ベンダーを利用する選択肢が存在していたため、影響は小さく済んだ

●しかし今回のEUの姿勢は、今後の波及的影響が大きいと想定されることから、OSINTへの影響は避けられないだろう。
GDPR4.jpg●そしてその穴埋めに期待される、ビックデータ利用やコンピュータ分析以前に活躍した、人間の経験や知恵や勘を重視する捜査手法の能力は既に組織内で弱体化してしまっている
人間に頼る手法を再び磨きをかける必要に迫られる事になるが、その能力回復が可能なのか、どのくらいの期間と労力が必要なのか・・・知る由もない。
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まんぐーすは、TwitterとFacebookをこのブログの紹介に活用させていただいてますが、それ以上の利用もないので何も問題を感じず、便利なツールだな・・・ぐらいの感覚なのですが、感じていないのが問題なのかもしれません。

5000万人流出事案の受け、Facebook使用の中止を宣言する人も多いようですが、アカウントを消去してもSNS側に元個人データを消去する義務はなく、また知らず知らずのうちに依存しているFacebook関連アプリやソフトの使用までできなくなるトラブルに巻き込まれるケースもあるなど、単純ではないようです
就かず離れず・・・程度の付き合いができればよいのでしょうか・・・

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