So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

ついに:米空軍輸送コマンドが操縦だけパイロット募集へ [米空軍]

Everhart6.jpg7月21日、米空軍輸送コマンド司令官Carlton Everhart大将が、パイロットの民間への流出防止対策の一つとして、空軍パイロットが嫌うデスクワーク中心の「幕僚ポスト」 に従事しなくてもよい人事的配慮の希望者を募集すると明らかにしました

何度もご紹介してきましたが、15年以上継続する実戦による海外派遣の頻度増加や、民間パイロットの需要急増の中、米空軍パイロットの楽で高級な民間航空会社への流出が止まらず、パイロット配置の2割が空席の危機的状況にあります

このため米空軍は、准将とトップとする「Aircrew Crisis Task Force」との特別対策検討チームを編成し、パイロットへの各種ボーナスや手当の増額、勤務地への柔軟な配慮、無人機RQ-4操縦への下士官の採用などなど、様々な対策を打ち出していますが、その中の一つが「幕僚ポスト免除」です

C-20 2.jpg幕僚ポストとは前線部隊で7~10年ほど経験を積んだ操縦者が、操縦任務から離れて各種司令部やペンタゴンで作戦計画や将来の装備を検討したり、政治との接点で予算獲得のための業務を行う仕事で、将来指揮官や上級ポストに就く前に視野を広げ人間を鍛える重要な勤務期間ですが、これを避けて通りたい人を募集するという「禁じ手」に米空軍が手を付けることを決断したわけです

今回の募集は、輸送機パイロットの養成するための教育部隊勤務に特化したキャリアパスを希望するものを募集するという形ですが、近い将来戦闘機パイロットにもこのようン募集が始まることが予期されます

24日付米空軍協会web記事によれば
Everhart4.jpg●21日米空軍輸送コマンドは、操縦者養成を担任する教育部隊勤務での教官としての勤務に限定し、将来司令部等での幕僚ポストに就く事がないことを保証する人事管理希望者の募集を、正式に開始した
●「Aviator Technical Track program」と呼称されるこのキャリアパスは、輸送機パイロット養成部隊の教官操縦者としての勤務に配置ポストを限定することで、Everhart司令官は声明で「キャリアの安定を求める空軍操縦者の受け皿を確保する」事を目的とするものだと説明している

●具体的な募集人数等は明示されていないが、8月17日から受付が始まり、8月29日に応募者の中から選考を行う会議が開催される予定で、応募した操縦者への採用通知は9月中旬に行われる
C-20.jpg●Everhart司令官の昨年秋の構想によれば、応募者から選ばれた操縦者は、「white tails」と呼ばれる輸送機操縦者養成機C-20やC-21の教官操縦者を務めることになる

●米空軍司令部に設置された「Aircrew Crisis Task Force」の長であるMike Koscheski准将は、「work-lifeバランスと軍勤務の両立が空軍操縦者の大きな懸念となっており、空軍を去る大きな理由となっている」と現状認識を明らかにし、
●「米空軍は既に、空軍操縦者が飛行任務に集中できるための施策を複数打ち出しているが、輸送コマンドの取り組みは、勤務やキャリアパスの柔軟性を認めることで、操縦者を引き留めることができるか見極める試みだ」と説明している
/////////////////////////////////////////////////////////

前線を経験した操縦者の誰かがやらなければならない幕僚ポストから「逃げた」操縦者が、教官にふさわしいでしょか?

USAF pilot.jpg前線で勤務する心構えを教えることになる教官操縦者が、つらい仕事をから「逃げた」操縦者だと学生が知ったら、その教官から教育を受けたいと思うでしょうか?
わがままを聞いてくれないと、給料が良くて楽な民間パイロットに転職するよ・・・と恐喝する士官パイロットが、教官にふさわしいのでしょうか?

そんな声が、非パイロットから聞こえてくる気がします

米空軍が必死に人材確保策
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

「オンラインゲームで高校生を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-02-1

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍情報部長が露中のAI野望を語る [安全保障全般]

AIが将来を決すると認識し、中露は共に、AIで世界制覇を

Jamieson3.jpg26日、米空軍情報部長であるVeraLinn Jamieson中将が空軍協会朝食会で講演し、中国とロシアが軍事技術革新やAI(人工知能)の軍事分野への応用を重要課題ととらえている様子を、「中国は膨大な資金を。ロシアは大きな野望を」 と表現して説明し、危機感を訴えました

Jamieson中将は初めての女性空軍情報部長であるだけでなく、まんぐーすが知る限りずっとくパイロットが占めてきた同ポストに、情報将校としてキャリアを積んできた人材が(恐らく)初めて就任した初めてのケースとして注目される人物です

2016年11月から本ポストについており、今年1月4日にも空軍協会で作戦部長と共に講演し、中国軍とロシア軍の最新分析を語っており、「ロシア軍はシリアでの活動に、交代でロシア空軍操縦者を派遣して実戦経験を積ませている。既に操縦者の85%がシリアで実戦を経験した」と興味深い統計を披露しています

そんな情報通のJamieson中将(年齢からすると、恐らく本年中に退役になると推測)が、AI分野へ中露の取り組みを語っていますのでご紹介します

Jamieson中将は26日の空軍協会朝食会で
artificial intel3.jpg中国は計算速度で世界1位と2位のスーパーコンピュータを保有し、軍民が協力して研究に取り組む「人工知能都市」を複数設けている
●また中国は、次世代の人工知能や軍需産業を育成するアクションプランを発表しており、更に2030年までにこれら技術分野で世界のリーダーになることを目標にすると宣言し、17兆円もの資金投入も打ち出している

●この投資額を分野別に追ってみると、米空軍情報部の推計では、2017年に中国が人工知能分野に投入した資金は1.4兆円で、2020年までにはこれが8兆円近くにまで膨れ上がる
●このような膨大な資金力が、中国をして人工知能分野における壮大な挑戦(true moonshot)を可能にしている。そして中国は世界支配を達成するため、スーパーコンピュータ、人工知能技術の中核、そして世界的な才能を確保し、世界最大の技術アセット大国になることを目指している


Jamieson.jpgロシアも、プーチン大統領が声明を発表しているように、人工知能を制する者が世界を制すると認識してる
●またより明確に、ロシアの国営メディアは、ロシアが米国を打ち破るためには、人工知能がカギとなると報道している

●ロシア政府の関連閣僚や科学アカデミーは、人工知能開発強化のための10項目からなるプランを最近発表し、その中には、学会と産業界の橋渡しをする「国家人工知能センター」の設置が含まれてる
●このセンター設置は、米国が最近発表した「United States Joint Artificial Intelligence Center」を真似たものだとロシア側関係者自身が認めているものだ

●ロシアはビックデータと人工知能コンソーシアム構築を目指しており、軍事作戦に人口知能が与える影響を見極めるための人工知能ウォーゲームを行っている
//////////////////////////////////////////////////////////

artificial intel.jpg中国が資金にものを言わせ、人材と最新機材を備えた研究環境を用意し、人工知能で世界を支配すると言えば、米国も太刀打ちできないと思います。中国内が混乱しない限りは・・・

ロシアも中国ほどではないにしろ、民主主義の手続きや人権等に縛られない環境にものを言わせ、プーチンが資源と投入すれば、特定分野で米国を圧倒することになるのでしょう・・・

トランプ騒ぎで西側の足並みが乱れているうちに、あと5年もすれば、世界の軍事力関係が変わっているかもしれませんねぇ・・・

初の女性情報部長Jamieson中将
「中国軍とロシア軍を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-06
「同部長のご紹介記事」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-02

VeraLinn Jamieson米空軍情報部長の経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108431/brigadier-general-veralinn-dash-jamieson.aspx

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米国防省の兵站&調達次官が改革を語る [米国防省高官]

中露に近い、ここからはソフトを買うな企業リストとか
7割以上の調達関連の決済を部下に権限委譲し迅速化とか
初期型F-35の早期退役も視野に検討とか

Lord.jpg7月27日、国防省の調達&兵站担当次官であるEllen Lord女史が記者団と懇談し、 昨年夏に就任して以来の調達&兵站改革について、悪意あるソフト調達回避、サイバーセキュリティー対応、産業基盤弱体化への対応、複雑なF-35問題への取り組み、意思決定迅速化のための権限移譲などなど、多様な視点から語りました

ポストや人を相当削減したような説明もあり、さすが前軍需産業社長としての辣腕を生かした大胆な改革ぶりですが、様々なしがらみや政治家とも絡みがある国防分野ですので、実際に機能するのかしているのかは良くわかりません。

また、この手の改革が、日本のような同盟国等にとってどの程度好ましいことなのかも不透明で、単に米側の対応レベルが低下した・・・等の結果にならないことを祈るばかりです
複数の成果をランダムに語ったようですので、記事そのままにランダムにご紹介します

27日付米空軍協会web記事によれば
●Ellen Lord次官は記者団に対し、米国防省の調達&兵站改革に取り組んだ就任後約1年間の成果を語り、150以上のポストを削減し、75%もの調達関連の決済を部下に権限委譲して迅速化を図っている等の実績を説明した
counterfet6.jpg●特に、中国やロシアと関連のある企業が作成したソフトウェアへの懸念に対応するため、約6か月間精力的に取り組んだ結果として、この企業からはソフトを買ってはいけない「do not buy blacklist」を作成したと語った

●また、国防省は各企業と協議しつつ「software security standards」を定めようとしているが、最もカギとなる懸念は中国関連企業が提供するソフトだと発言した
サイバーセキュリティー基準は、今後、企業が国防省との契約を獲得する上でカギとなる。かつて企業から厳しすぎると反発があり緩和した経緯もあるが、今後は要求レベルを上げる予定であると同次官は語った
●更に、企業のサイバー体制を診断する特別チーム(Red Team)の派遣も開始し、脆弱なシステムを保有する企業にセキュリティー強化を訴えていくとも語った

軍需産業基盤やF-35諸課題について
Lord2.jpg軍需産業基盤の問題に対応するため、8月中には「国防産業基盤に関する調査報告書」がホワイトハウスから発表されると明らかにし、脆弱な産業分野、供給元が1か所しか残っていない分野、あた調達先が外国や敵性国に依存している分野など、様々な問題を整理して公開すると説明した
●そして同報告書が省庁間協力で作成されたもので、調達先の拡大や、安心できる国産マイクロチップ産業基盤の育成等々を提言することになるとも説明した

F-35計画に関しては、米空軍や海兵隊が保有する初期型ソフト搭載機が、現在主流となりつつあるソフト3F搭載機と部品共有化ができない点が問題となっており、今年末までに米空軍は初期型機をアップグレードするかどうかの決断を行い、海兵隊は初期型機の退役を含めた判断を行うと語った
F-35 sunset.jpg●また、「Block IV」型アップグレードにどのような機能を含めるかを、各軍種と精力的に検討しているとも説明した。

●一方で、廃止して各軍種に形態管理を移管すべきとの声もある国防省F-35計画室については、検討の結果、将来的には廃止する方向だが、130もの外国企業や関係国との調整窓口に同計画室は重要な役割を担っているとし、当面維持すると語った
////////////////////////////////////////////////////////////

多様な課題がてんこ盛りですが、ソフト分野や中核電子部品を含む部品調達分野における中国やロシア企業の浸透は看過できない問題です。

そしてあらゆる多様な課題の陰に、中国とロシアがひたひたと迫っています・・・。 本当に時代が変わりつつあることを思い知らされる会見記事です

偽部品関連の記事
「偽部品識別にDNAを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24
「上院による偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10

Lord調達兵站担当次官の記事
「F-35問題の深刻さを語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-04-1
「Lord次官を承認」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-29

前調達担当次官の記事
「将来航空機投資の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-25
「レーザー兵器に冷や水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「国防予算問題の鍵はF-35」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

ボーイングがF-15X開発に大乗り気!? [米空軍]

F-16に根強い人気がある中、F-15企業も・・・

F-15 upgrades.jpg19日付Military.comは、F-15シリーズを製造するボーイング社幹部の話として国際的にF-15シリーズの能力向上型F-15Xへの期待と関心が高まっていることから、FA-18 Super Hornetで行った同様のコンセプで現F-15を改良することを、第4世代機と第5世代機の混合編成を念頭に置いている米空軍と持ち掛けたい模様だ・・・と報じています

2020年代早々に約200機のF-15Cと24機のF-15Dを早期退役させたい米空軍の意向が頻繁に漏れ聞こえてくる中で、ほんまかいな? 正気かいな? と関西弁でつぶやいてしまいそうなお話ですが最新技術を新たに投入する第4世代機への期待が国際的に高まっているのは「腑に落ちる」話で、どこかで聞いたばかりの話です。

そうです、先日ロッキード社が世界の動向を敏感にとらえ、「F-16V Block 70」の生産ラインを新たに立ち上げ、200機レベルの需要を見込んでいるとの話をご紹介した流れの話ですので、ご紹介しておきます。

ついでに、日本のような有事に航空機運用基盤の維持が困難な国では、第4世代機をコストパフォーマンス良く維持改良し、平時の活動と有事への備えのバランスをよく考える必要がありますので、考察の材料としても断片的ながら取り上げます

19日付Military.com記事によれば
F-15 upgrades4.jpg●DefenseOneの報道によれば、ボーイング社は米空軍が第4世代機と第5世代機の混合編成を念頭に置いている事を踏まえ、新バージョンのF-15イーグル「F-15X」提案に向け動き始めている
●このF-15Xは、同社がBlock III F/A-18 Super Hornetで行ったと同様のコンセプトで、最新の技術をF-15に投入して能力向上させ、2ダース以上の空対空ミサイルや、より優れたアビオニクスやレーダーを装備する方向だと同社関係者が語った

●また、より多様な兵器体系の搭載、行動範囲の延伸、より高度なターゲティング能力やセンサーシステム、優れた燃料効率性などなどの実現を目指すものである
●同社で国防装備の国際営業を管轄するGene Cunningham副社長は、「国際的に同機のマーケティング市場が拡大しているのを目の当たりにしている」と英国航空ショーで発言し、「この流れは、米空軍に対してF-15シリーズの能力向上や新規調達を提案する機会を生み出すものだ」とも語った

●ただ、このCunningham副社長の発言に関し、ボーイング社は特段のコメントはしないとの姿勢を示している

●米空軍は、この秋にも戦闘機のロードマップを発表しようとしており、これには他の関連航空機も含まれる可能性もある。そしてそのロードマップは、戦闘に使用する航空機のどの種類をどの程度調達するかを規定するものとなる。
米議会も、米海軍が355隻体制を必要とするとして発表したと同様の計画を米空軍に求めている。

●空軍長官は本件に関し、「国防長官が発表した国家防衛戦略を受けた米空軍の計画が必要であり、鋭意作成に取り組んでいる」、「初期ドラフトを8月には確認し、来年3月には議会に提出できるようにしたい」と語っている
////////////////////////////////////////////

F-15 upgrades3.jpg戦闘機等ロードマップと、議会に提出する脅威分析を踏まえて「study the number of fighter and combat-coded squadrons」に関するレポートは別のようですが、根っこにあるのは、どの戦力が何機必要かを見積もることです

そんな中で、全体の予算枠を踏まえ、どのような戦力構成にするか? 4世代機と5世代機をどのように組み合わせるか? の検討に食い込み、世界的な需要があるF-15Xを売り込もうとの狙いです

もう既に米国軍需産業は、F-35を2000機以上調達することが難しいことを、「織り込み始めた」のでしょうか???

「Block III F/A-18とは」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-07

関連の記事
「F-16人気復活で新生産ライン」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22

「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

マティス長官トルコへのF-35制裁に大反対 [亡国のF-35]

トルコを排除すれば、F-35部品等調達が大混乱に・・・

afgan.jpg23日付Defense-Newsは、2019年度予算案を審議している議会に対し、マティス国防長官が書簡を送りロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で米国との関係が悪化しているトルコについて、いろいろ問題はあるが、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除すると部品調達等で大きな問題となると訴えています。

マティス長官は4月末にも、ロシアから武器購入を図る同盟国等に制裁を課すことは、長期的な視点で見れば米国の国益に反すると、「ソフトな言いぶり」でトルコや東欧諸国やインドへの対応に慎重さを議会に求めたことがありますが、今回の訴えは切実です

とは言っても、米国に反抗的な態度で接し、一方でロシアやイランと親密な関係を構築しつつあるトルコのエルドワン政権に、このままF-35を100機も売却し、部品製造を任していいのか???との議会の疑問も当然であり、非常に難しい共同開発国(部品製造や維持整備も分担)トルコの扱いです

23日付Defense-News記事によれば
Erdogan3.jpg●マティス長官は書簡で、トルコへのF-35売却を中止し、共同開発国であるトルコをF-35計画から排除することは、国際的な「supply chain disruption:部品供給網の混乱」を招くことになると訴えた
●そして、トルコのF-35計画からの排除に反対すると明確に述べ、2002年以降に1400億円をF-35計画に投資し、100機を購入予定である共同開発国トルコの擁護を訴えている

●具体的に国防長官は、トルコ関連のサプライチェーンが混乱すれば、F-35生産に穴が開き、50-75機の機体製造に遅れが生じ、部品調達の正常化に1.5年から2年を要すると説明した

●現在米上院予算小委員会では、ロシア製SAM購入の動きや米国人牧師の拉致関連で、トルコへのF-35売却を遅らせるべきとの法案が審議されているが、トルコ側はこの法案が成立すれば米国に制裁を行うと警告している
●また米上院の外交委員会でも、米国民のトルコによる不法な拘束に対する制裁として、国際的な金融機関からトルコへの資金貸付を制限する法案が検討されており、23日の就任の審議される見込みである
////////////////////////////////////////////////

mattis senate2.jpg既にトルコ軍には1機のF-35が引き渡され、米国内の米空軍基地でトルコ人操縦者の養成訓練に使用されていますが、極めて機微な問題となりました・・・

しかし、安全保障上のリスクが相当程度あることが明らかでも、複雑化流動化の中にある中東で、トルコを切ることのリスクをマティス長官は考えているのでしょうか・・・

そういえば最近のとある論説で、マティス長官の国防長官辞任の時が迫っているが、マティス氏はイランとの軍事紛争だけは阻止して政権を去りたいと考えており、最後の力を振り絞っている・・・との話を見ました。その一環なんでしょうか???

トルコの防空ミサイル購入問題
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2
「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

2018年半期で既に昨年の武器輸出額越え [安全保障全般]

単純じゃないようですが、トランプ大統領さまさまか?
でも、貿易戦争で先行きに不安も

Hooper.jpg18日、米国防省国防協力庁DSCAのCharles Hooper長官(中将)は英国のファーンボロウ航空ショーで2018年上半期の武器輸出額が既に2017年全体額を突破したと発表し、トランプ政権が武器輸出を国家安全保障促進剤ととらえ、外交施策推進にも良いと判断して積極推進する姿勢を強調しました

そしてこの具体的政策として国務省が「Conventional Arms Transfer Policy」(CAT Policy)を同週に公表し、武器輸出の許可を判断する際、経済安全保障の視点を判断基準に加え、「政府の審査プロセスを改善する大きな第一歩」と専門家が評価する体制づくりに踏み出しました

F-35 luke AFB2.jpgこのCAT Policyに対しては米商工会議所軍需産業部門(DAEC)からも大歓迎とのメッセージが出されるなど、米国政府と産業界側は明るい未来を打ち出しています。

ただ、このような米政府や米企業の契機のよい発言の一方で、同航空ショーの会場の様子を伝えるDefense-News記者は、米国と欧州、また米国と中国間の貿易摩擦・戦争の影が会場全体にあり、不安と様子見の雰囲気が漂っているとも伝えており、自分で自分の足を引っ張るトランプ体制の影響を感じさせます

20日付Defense-News記事によれば
Webster.jpg●国務省発表のCAT Policyに対して米商工会議所軍需産業部門(DAEC)のKeith Webster会長は、「DAECは国務省のCAT Policy発表を歓迎する」との声明を出し、更にDAECが政府に提言している30項目の要望事項を紹介して更なる政府の改革実現を要望した
●同会長はCAT Policyに続く政策において更に、「手続きの迅速化、製品プロモーションの強化、認可審査の際の経済的要素の重視」などがより考慮されることを望むと述べている
●一方で武器輸出が世界各地の紛争に油を注ぐと懸念する団体は、「武器輸出認可のプロセスにより高い透明性を確保し、流通に対するモニターを強化する必要性」を訴えている

19日付Defense-News記事によれば
●米国防省国防協力庁DSCAのCharles Hooper長官は、「軍事装備品輸出は国家安全保障に資するものであり、外交政策にも資する。そして我が国の経済安全保障にも資するものである」とCAT Policyの意義を語り、輸出増の成果を強調した
Hooper2.jpg●そして同長官は、「同盟国等からのCAT Policyへの反応は極めて肯定的で、具体的な変化や改善に関する問い合わせがあり、米国製軍事装備を利用したいとの希望が示されている」と語った

●確かに2018年年度前半の輸出額$46.9 billion(5兆円強) は相当な数字で、2017年度全体で$41.9 billion、16年度$33.6 billion、15年度$47 billion、14年度$34.2 billionと比べても傑出した数字である
●しかし今年前半の数字は前政権時の契約の占める割合も多く、長期にわたる軍需装備品の契約納入期間を考えれば、トランプ政権の手柄だけとは言えない点に留意すべきである

●また同航空ショーの会場では将来に向けての不安感が随所で聞かれ、会場全般には「wait-and-see mode」が漂っているように感じられた。
特に欧州と米国との関係悪化、中国との貿易戦争の影響を懸念する声が多く聞かれ、特に航空機やヘリの中国輸出がどう影響受けるのかを気にする声が多かった。
///////////////////////////////////////////////////

Trump tel.jpgトランプ政権の閣僚や側近も、昨今のトランプ経済政策に対する疑問に答えられず、大統領発言やツイートにフォロー出来ていないようですが、武器輸出も同様の様です。

しかし、軍備管理団体の懸念ではありませんが、大量に出回る兵器が、世界の紛争を促進することのないように祈るばかりです。米国内では銃の乱射事件が後を絶ちませんが、世界へ拡散はご勘弁願います

武器輸出関連の記事
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「無人機輸出方針は期待外れ?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3
「無人機輸出規制の見直し開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-16人気復活で生産ラインを移設再開へ [安全保障全般]

まだ第4世代機の需要は確実にあります
バカ高い5世代機よりも・・

F-16 Block 70 2.jpg18日付米空軍協会web記事は、ロッキード社関係者が、「F-16V Block 70」を新たに購入決定した国が今年に入り2か国も現れたことを、「着目すべき驚くべきF-16への需要復活」との表現で語っていることを紹介しています

F-35命で売り込みに必死なロッキード社関係者ならしょうがないのかもしれませんが、F-35のように維持整備まで企業に牛耳られ、マニュアルから全て英語でとっつきにくい高価な機体に比べ、それぞれの国が操れる感がある値ごろなF-16に根強い人気があるのは当然でしょう

特に新たにF-16V Block 70購入を決定したスロバキアやバーレーンのような小国の場合、身の丈に合ったアセットとして多用途戦闘機F-16は魅力ある選択肢でしょう。
ロッキード社に置かれては、しっかりF-16シリーズを作り続けられることの大切さを確認していただきたいところです

18日付米空軍協会web記事によれば
F-16 Block 70.jpg●ファーンボロー航空ショーでロッキード社のF-16営業責任者Randy Howard氏は、最近購入を決定したスロバキアのように、世界中でF-16への「着目すべき驚くべき需要復活:remarkable and notable resurgence」が見られると語った

● Howard氏はF-16への需要復活の一因として、能力向上したレーダー、ミッションコンピュータなどの最新の技術導入があると説明した
●また同氏は、第5世代戦闘機であるF-35やF-22から得た教訓を投入できるロッキード社の能力も強調し、例えば耐用飛行時間を旧タイプの8000時間から12000時間に伸ばすことに成功したと胸を張った

●当該F-16の生産ラインについて同氏は、従来F-16を製造していたテキサス州Fort Worthの工場がF-35用ラインに転換されていることから、F-16ラインをサウスカロライナ州Greenvilleに移設する作業を行っていると語った
F-16 Block 70 4.jpgF-16新生産ラインは今後6~8か月で完成して生産を開始し、これに合わせてロッキード社は、部品や関係物資の調達拠点をサウスカロライナに移設すると説明した

スロバキアとバーレーン以外にも、例えばインドがF-16に関心を寄せており、インド側との話し合いの中で現地生産の話が出ているとも同氏は語った
●現時点で、F-16は世界25か国で合計約3000機が運用されており、今後新たに200機をロッキード社は製造することになるだろうと述べ、そのために2030年頃まで生産ラインを維持することになるとも語った。ただしインドとの契約が成立すれば、更に生産期間を延長すると述べた
//////////////////////////////////////////////////////

F-16 Block 70 3.jpg大国インドでさえも欲しくなる最新型F-16ですから、F-35計画が亡国の道を歩むにしたがって、その需要は更に拡大するものと考えられます。

でも狡猾なロッキードのことですから、日本や欧州主要国にはF-35しか売らないのかもしれません・・・。でも興味ありますねぇ・・・この「F-16V Block 70」には・・

F-16関連の記事
「サンダバードF-16も延命改修&後継機種はF-35?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26-1
「米軍F-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

第4世代機関連の記事
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

日米陸軍がRIMPACで艦艇撃沈 [Joint・統合参謀本部]

Archipelagic Defenseはものになるのか?
米陸軍の熱が冷めかけているとの懸念も・・・

Naval Strike Missile2.jpg20日付Defense-Newsは、米海軍の新型対艦ミサイルである「Naval Strike Missile」を、米陸軍が陸軍車両を発射機としてハワイの陸地から発射し、90㎞沖合の戦車揚陸艦を撃沈したと報じ、日米陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想実現の第1歩だとしています

この「Archipelagic Defense」構想は、CSBAのクレピネビック名誉理事長がForeign Affairs誌上で提唱を始めたもので、2017年8月には笹川財団との共同研究で日米共同の視点からの研究レポートも発表されているものです。

Naval Strike Missile.jpg要するに、中国が南シナ海や東シナ海で勢力を拡大する中、艦艇や航空機だけでは常続的に中国の活動を抑えることは困難であるから、沿岸地域に長射程の地上部隊ミサイル部隊やロケット弾部隊を配備して中国軍の活動を抑えようとするものです

太平洋軍司令官当時のハリス氏(現駐韓大使)も、南シナ海防衛に米陸軍の進出を強く期待し、陸軍の戦いのコンセプト転換を求める発言をしています。

ただ、米陸軍内で一時は関心を呼んだ「Archipelagic Defense」構想も、伝統に拘るというか、なかなか新しい事に取り組めない軍隊の哀しい習性か、米陸軍の熱は冷めているような気配です

20日付Defense-News記事によれば
RIMPAC2018.jpg7月12日、RIMPAC(環太平洋共同演習)に参加している米陸軍部隊は、ハワイのBarking Sandsのミサイル演習場に配置した車両搭載型のミサイル発射機から、新型の「Naval Strike Missile」を発射し、55nm沖合の旧戦車揚陸艦「USS Racine」を撃沈した
●米陸軍が発射した「Naval Strike Missile」は、米海軍がレイセオンと契約して開発したもので、沿岸戦闘艦LCSやフリゲート艦への搭載が予定されているものであり、米太平洋海軍は本演習は同ミサイルの能力を証明したと声明を出している

これが撃沈の映像です
https://dq0mmww6n9gqf.cloudfront.net/mco/2018/07/23/5b55f97be4b0c6858589b95f/5b55f98ce4b04536d3a45957_1466505256694-7e5g3m_t_1532361104861_854_480_1200.mp4

●この演習は、日米の陸軍が共同開発してきた「島嶼防衛:Archipelagic Defense」構想を具現化する訓練で、陸上自衛隊も三菱製の12型地対艦ミサイルを持ち込んで演習に参加した
Krepinevich.jpg●本構想を提唱したクレピネビック氏は、「米国が中国の目論見をくじこうとするなら、第一列島線周辺で中国が海空をコントロールしないようにする必要がある」、「米国は同盟国の戦闘ネットワークを融合し、同盟国の能力を向上させる必要があるが、この目標達成には地上戦力による海空戦力の補完が重要な役割を果たす」と表現している

●しかしCSBAのJan van Tol研究員は、同構想が出た当時は注目を浴びたが、米陸軍が東欧でのロシア脅威への対処を重視し始める中で、次第に関心が失われ始めていると懸念を示し、「数年前に本構想の議論が始まった当初は熱気を帯びた議論があったが、東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」と述べている
//////////////////////////////////////////////////////////////

東欧に焦点が当たり始めるととともに、島嶼防衛への関心が薄れ始めている」・・・だったんですねぇ・・・・残念です

2016年ごろは、ハリス司令官が何度も「南シナ海で陸軍火力に期待する」と発言していたのに、最近はさっぱりでしたし、新しいPhil Davidson太平洋軍司令官からもそのような発言が聞かれませんし・・・

まぁ、基本的に海軍演習であるRIMPACで、陸軍部隊に花を持たせる構成ですから、「Archipelagic Defense」構想もサバイバルしているとしておきましょう・・・

地上部隊にA2AD網を期待
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

笹川財団とクレピネビックレポート
https://www.spf.org/news/article_24179.html

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35主要装備の再選定始まる [亡国のF-35]

運用開始して間もないが、設計開始後の時間経過を考えると遅いとも言える・・・

F-35 3-type.jpg10日付Defense-Newsがロッキード社F-35部品調達担当Eric Branyan副社長へのインタビュー記事を掲載し、同機のコストダウンのため、重要装備品である電子戦や通信航法識別、更には全周監視センサー融合装置DAS調達先に競争原理を導入すべく、競合企業への情報収集を開始したと報じています

6月22日に行われたインタビュー内容が3週間後に記事になるあたりは、大きなお金が動く重要装備を巡る企業間駆け引きに配慮し、表現の細部に細かな確認が必要だったことを伺わせますが、2020年代前半に製造される機体に搭載開始することを念頭に作業が進んでいるようです

Branyan副社長は「(1機の価格を)90億円まで下げること狙っている」とそのターゲット(米空軍用価格で、日本用など輸出価格は別でしょうが・・・)を公言し、「そのための最も効率的な手法は競争原理の導入だ」と語っており、ぜひ頑張っていただきたいものです

10日付Defense-News記事によれば
F-35 luke AFB2.jpg●同副社長が語った電子戦装置EW(今はBAE Systems製)と通信航法識別装置CNI(今はNorthrop Grumman製)での新たな競争の導入開始は、F-35部品調達の世界に揺さぶりをかけることになろう
●まだ何も決定はしておらず、再選定を行うこと自体も未定だと同副社長は強調したが、「既に関連情報要望RFIを発出し、得られた情報の評価を開始しており、再選定により効果が上がるか、コストパフォーマンスはどうか、そのタイミングにあるか等々を検討している」とも説明している

●同様のRFI発出はNorthrop Grumman製の全周センサー融合システムDAS(distributed aperture system)に対しても行われ、DASに関しては検討の結果、新たにRaytheon製のDASに切り替える事を6月にロッキードが決定し、全体で3000億円のコスト削減につながるとアピールしている
●このような重要装備やシステム全体でなくても、個々のパーツレベルでの再選定も開始されており、より価格優位性や技術優位性のあるパーツや部品の検討も進められている

F-35-Face.jpgEWとCNI装備に関する検討は2018年末までに結論を出すことになっているが、国防省F-35計画室も予算計画や将来の機体維持計画に反映するべく強い関心を持っている
●しかし、同副社長はどの企業に対してRFIを要望したのか等の細部には言及を避け、現在の電子戦装置AN/ASQ-239を担当するBAE SystemsもどのようなRFIへの回答をしたのか明らかにはしなかった

●業界の専門家Richard Aboulafia氏は、重要装備品の入れ替えはリスクがないわけではないが、コスト削減のためトライする価値はあるとしている。そして「F-35は運用開始して間もなく装備変更は尚早との声もあろうが、開発設計開始からの時間経過を考えれば、装備の再選定は既に遅いとも言える」と語っている
2023年に納入予定の第15ロット生産に間に合わせようとすれば、DASを新たに担当するRaytheonは、月150セットの製造態勢を2022年7月までに整える必要があり、2019年4月には重要設計審査CDRをクリアする必要があることから、余裕はない
//////////////////////////////////////////////////////////

F-35-Cockpit3.jpgソフト開発にこれだけ苦しんでいるF-35ですから、お馴染みのRichard Aboulafia氏が言うまでもなく、他社装備を機体に新たに組み込むことのリスクは「小さくない:not necessarily insignificant」はずですが、コストダウン要求がそれだけ大きいということでしょう

副社長が言う機体価格目標の「$80 million 約88億円」は、当初計画からすればもう一声欲しいところですが、それでも高い高いハードルでしょう・・・・。
トランプが仕掛けた中国との貿易「チキンレース」戦争で世界経済に減速感が見える中、F-35から手を引く国は増えるでしょうに・・・

最近のF-35関連記事
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
「世界各国で暗雲」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14

「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

タグ:F-35 電子戦 DAS CNI
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

B-52パイロンに大型兵器搭載検討!? [米空軍]

今後30年間しっかり仕事してもらうため
対中国を視野に置きつつ第1歩

B-52-UK.jpg10日付DODbuzzは、米空軍B-52のライフサイクル管理センターが6月に関連企業に向け「RFI:request for information:情報提供要求」を公表し、同機の翼下に現在の4倍の大型兵器を搭載可能にする基礎調査を開始したと報じています

この情報要求は、1960年代から使用されているB-52のパイロンに関する「Heavy Weapon Release Pylon Program」の一環として、現パイロンの最大搭載重量5000ポンドを、2万ポンドレベルに強化しようとするものとRFIに記されているようです

このような計画やRFIの背景について記事は、中国の急速な軍事力増強と技術開発だと明確に言い切っており、関係者への取材をそれを裏付けるものとなっています。
具体的な搭載兵器の候補や計画はまだなく、単に技術的な情報収集を始めただけとのことですが、「火の無いところに煙は立たず」ですので、今後ためTake Noteしておきましょう

10日付DODbuzz記事によれば
B-52 wing-W.jpg米国防省や米軍が、対テロから大国間の本格紛争への備えに駆り立てられる中、米空軍は春発表された「Bomber Vector:爆撃機将来計画」において今後30年間使用する計画になっているB-52爆撃機の、翼下パイロンの更新強化を検討し始めている
●6月に関係企業に向けたRFIが米空軍から公表され、B-52のパイロンに新しくより重い兵器を搭載するための最適策を検討する情報提供の募集を開始しているのだ

米空軍関係者によれば、太平洋地域において顕著になりつつある脅威に対応するため、「Heavy Weapon Release Pylon Program」が進められているようだ
●同関係者は、「理由なく同プログラムが存在する訳はなく、我々を検討に駆り立てる切迫した理由があるからだ」と、最新の「National Defense Strategy」やマティス国防長官のシャングリラ会合講演で、中国を強くけん制する発言が相次いでいる背景を示唆した

B-52-England.jpg●パイロン改修に関する具体的情報は無いが、同関係者は「パイロンに5,000~20,000-pound級の兵器を複数搭載したい」と語っている
●前述の「Bomber Vector:爆撃機将来計画」や2019年度予算案においても、この高齢爆撃機に対し、今後さらに投資する方向が示されている

●ただし米空軍B-52のライフサイクル管理センターのStephen Palmer氏は、「このRFIは単なる市場調査に過ぎない」、「現時点で関係企業に具体的な提案を要望しているわけではない」と慎重なコメントに終始した
////////////////////////////////////////////////////

ちなみに最新の「National Defense Strategy」は中国の軍拡について、「中国は戦略的な競争者であり、その獰猛な経済力を用いて、近隣諸国を恫喝し、南シナ海の軍事化を進めている」と記述しています。

B-52H2.jpgマティス長官はアジア安全保障会議(シャングリラ会同)で、「中国が(南シナ海で)拡張や攻撃的な姿勢を改めないなら、何らかの結果を生じることになろう」と述べ、その前にはRIMPAC2018に中国を招待しないと発表した際も、「競争自体は悪くなく、強い姿勢もそれ自体が悪くはない。しかし彼らの南シナ海での行為は結果を生み出すことになる」とコメントしていました。

トランプ政権全体の動きは読めませんが、一つの指標として、B-52翼下パイロンの大型兵器搭載改修検討をお伝えしました

関連の記事
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
「NDS:対テロから対中露へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20
「2018年シャングリラ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-2

B-52関連の記事
「エンジン換装大集会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-24
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱は本当に必要?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「将来の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「次期爆撃機に有人型は不要だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース