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不穏:一般教書演説で海外撤兵をより鮮明に!? [安全保障全般]

日本時間6日水曜日午前11時から
「シリアとアフガンのでたらめを引き継いだ」と嘆いた大統領
「these wars must finally end」の続きを語るのか?

trump state union.jpg日本時間6日水曜日午前11時から、トランプ大統領が約1週間遅れでやっと調整がついた米国大統領の一般教書演説(State of the Union address)を行います

メキシコ国境の壁予算を巡る議会との対立から、米国政府機関が史上最長の1か月にわたる一部閉鎖に追い込まれ、民主党が多数を占める下院のペローシ議長が同演説の時期延期を求めた結果ですが、米国の外交&安全保障政策の転換を示す演説になるのでは・・・とのうわさが流れ始めています

トランプ大統領自身も先週後半にかけ、冒頭でご紹介したようなメッセージをSNSで発し始め、他にも在韓米軍3万人についても兼ねてから言及しています。

更に1日付NYT紙に掲載のインタビュー記事ではマティス前国防長官の辞任に関し、彼の仕事が全く気に入らなかったから辞任を求めた、と語るなど国際協調を柱にしてきた過去の部下を正面から否定する発言も飛び出しており、一般教書演説に向け、何やら胸騒ぎを感じるのはまんぐーすだけでしょうか・・・

まず1日付NYT紙記事でのトランプ発言など
Mattis9.jpg●トランプ大統領はNYT紙とのインタビューで、「私がマティス長官に辞表を出すよう告げたのだ」と語った。これはこれまで報じられてきた前国防長官辞任の顛末とは異なる
●マティス氏が辞表レターを大統領に提出し、同時に公表した直後、ホワイトハウスはそれを「引退:retirement」と表現し、同長官のそれまでの功績を「国防省の業務である軍隊の強化を大いに推進した」と讃えた

しかし数日後には、トランプ大統領が前長官の業績を「良くなかった」と語り、辞任を歓迎するとまで述べ、更に業務の円滑な引継ぎのため2月末まで国防長官業務を続けるとした辞表レターでの申し出を遮り、Shanahan副長官を1月1日から臨時長官に据えると発表している
●インタビューで大統領は、「マティス氏は辞表に、大統領には最適な考えを同じくする閣僚を選択する権利がある、と書いているが、これは私がマティス氏に対し、『君は私の好みに合わない:You’re just not my choice』と言葉で告げたからだ」と説明している

●トランプ氏はマティス氏との関係が悪化した経緯については細部を語らなかったが、「私はマティス氏にかつてない規模で予算を与えたが、それでもまだ不満だったようだ」とも表現した

一般教書演説について1日付Defense-News記事は
Trump Syria.jpg●同演説の準備を進める政権上級幹部は、安全保障に関する重要な事項が含まれる(will include a significant section on national security)と述べたが、海外展開兵力の削減と外交方針転換について触れることになる以外は細部を詰めているところだとした言及しなかった

1日金曜日には大統領がツイート、「大統領に就任し、シリアとアフガンのでたらめを引き継ぐことになった」と嘆き、「これらの戦いはいつかは終結しなければならない」と付け加えている
●更に「長期間にわたる派遣を経て、今こそ(海外派遣兵士は)帰国を開始すべき時だ。国の予算をより懸命に使用すべきだ。一部の人たちにはより賢くなってもらう必要がある」ともつぶやいた

●1月31日には、上院が大統領のシリアとアフガンからの撤兵計画に反対する決議を行い、同地域の過激派は依然として米国への大きな脅威だと訴えている

trump paris.jpg同演説作成関係者は、トランプ大統領がどの国を特に取り上げることになるか等について、ベネズエラの政治的混乱以外については言及しなかった
昨年の同演説でトランプ大統領は、中東やアフガンでの軍事作戦の進展を讃え、国防費を増加して軍事力を強化すると主張していたが、今年の同演説作成チームは、昨年の内容の多くは今年も引き継がれると述べている
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日本にとっての悪夢のシナリオの一つは、2月末にベトナムで開催される2回目の米朝首脳会談に向け、北朝鮮が米国を射程に入れるICBMを放棄する代わりに、米国が在韓米軍の帰還又は大幅削減で「ディール」するシナリオです。もちろん北の核兵器は「放置」のままで・・・

中国関連では米中の激突が続いていますが、こっちでも心配の種は尽きませんねぇ・・・

2020年度国防予算をめぐる記事
「枠は示されたようですが・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12
「一転、国防費増?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-11
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2

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中国の空母キラーDF-26発射映像公開も・・・ [中国要人・軍事]

米海軍が今年初の航海の自由作戦開始日にぶつけ
でも依然として移動目標攻撃能力を証明には・・・

DF-21D-1.jpg1月24日、中国のTY局(中国中央電視台)が「米空母キラー」とか「グアムキラー」と呼ばれる中距離弾道ミサイルDF-26の発射訓練映像を放送し今年初めての「航行の自由作戦」で米海軍がイージス艦(USS McCampbell)が台湾海峡を通過したタイミングにぶつけてきました

ちなみにDF-26が今回の試験発射実施を命じられたのは、1月7日に同イージス艦が南シナ海のParacel Islands(西沙諸島)近傍を通過して今年初めての「航行の自由作戦」を開始した事を受けてのことだと報じられています

映像で射程5740㎞(3570nm)と紹介されているDF-26は、第2列島線上のグアム島米軍基地を攻撃できる中距離弾道ミサイルとして、今話題の米国のINF全廃条約からの脱退を後押ししたインパクトある兵器ですが、2015年9月の「抗日戦争勝利70周年記念パレード」で「ASBM:対艦弾道ミサイル」と場内アナウンスされ、世界の専門家を仰天させた兵器でもあります

DF-26.jpg対艦弾道ミサイル(空母キラー)としては、射程約2000㎞のDF-21D型が中国ウォッチャーの関心を集めていた当時でしたから、その射程の2倍以上で、かつ移動目標である艦艇を攻撃可能との場内アナウンスに、西側専門家は口を「あんぐり」状態でした

そのDF-26を中国国防省は、2018年4月に部隊配備したと発表していますが、DF-21Cと共に、未だに海上の移動目標攻撃に成功した試験や事件は確認されておらず、また中国の海上移動目標情報の収集能力やリアルタイム共有能力に疑問を持つ西側専門家の間には、「空母キラー」は誇大広告と指摘する者も少なくありません

今回公開された映像で、ミサイル上部に4枚のフィンが装着されている様子が映し出され、大気圏再突入後の終末段階でミサイルの軌道修正能力をアピールしているようにも見え、またこの映像公開を報じる中国国営英字紙「環球時報」も、「この試験映像で西側の疑念を払しょくした」と書いているようですが、疑念が晴れたわけではありません

DF-26 2.jpgただ、DF-21DもDF-26も、部隊配備が完了して作戦投入可能だと中国が主張すれば、米海軍が虎の子の空母(搭載アセットを含め2兆円以上の価値)を、安易に射程内で活動させるかと言えばそれも疑問ですから、厄介な兵器であることには間違いありません

以下では、1月24日に公開された約50秒の映像をご紹介いたします

South China Morning Postの映像

DF-26の特徴
固体燃料式で、命令を受けて直ちに発射可能
●車両搭載型の移動式発射機から発射可能(映像あり)



ASBM関連の記事
「対艦弾道ミサイルは脅威か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-02
「DF-26も対艦能力ありと公言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「米海軍:空母の重要性は不変「」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-14 
「空母をどう位置づけるか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-22

タグ:DF-21D DF-26
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南極を巡る米中露の動きを垣間見る [安全保障全般]

南極条約で軍事利用は禁止されているが
科学調査の名目で各国が条約崩壊に備えた活動を
衛星通信の受信器設置が重要な意味を

Antarctica3.jpg22日付Military.comが米軍兵士4名による南極大陸での活動を取り上つつ1961年の南極条約で大陸の軍事化や兵器の使用が禁じられている中で、豊富な資源など大きな可能性を秘めた未開の大陸で、軍人も含めた中露を含む諸国の活動が活発化している様子を紹介していますので、昨年10月のABC報道と併せてご紹介します

南極大陸に関しては、7か国が領有権を主張(豪州、アルゼンチン、チリ、仏、英、ノルウェー、NZ)しているようですが、1961年発効の南極条約で領有権を設定せず、以下のような活動の枠組みを設定しました
(ウィキペディア南極条約→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84

・南極地域の平和的利用(軍事的利用の禁止
科学的調査の自由と国際協力
・南極地域における領土主権、請求権の凍結
核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止
・条約の遵守を確保するための監視員の設置
・南極地域に関する共通の利害関係のある事項についての協議の実施
・条約の原則および目的を促進するための措置を立案する会合の開催

Antarctica.jpg軍事的利用の禁止(軍事化や兵器使用の禁止:bans militarization and weapons use)を定めていますが、軍人や装備の侵入を禁じてはおらず、軍人が科学調査を支援するとの目的で活動することを妨げるものではありません

また議定書において経済的な資源の発掘や採掘は2048年まで一切が禁止されており、この効果が切れる2048年に再び議論することが少なくとも現時点で決まっているようで、少なくとも豪州やNZが現状維持を主張する一方で、中国やロシアは開発を主張しています。開発主張のメンツからしても、いつ抜け駆けが始まってもおかしくないですね・・・

米軍人4名のチームが通信インフラ試験に
Antarctica2.jpg●2018年12月、米州空軍の第263戦闘通信隊の下士官4名が2週間に渡り、「Operation Deep Freeze」作戦の一環として、衛星通信や衛星通信ネットワークの構成試験を行った
●参加した軍曹は「戦術衛星通信ターミナル装置を活用して、データ容量や密度を上げた戦闘通信が局所的や一時的に提供可能か、様々な試験を行った」と語っている

●また「極地の孤立した場所にSATCOMを設置して有効に活用できるかを確認し、同時に、2021年まで継続して通信を継続できる手法の検討も行っている」とも述べた
●試験が行われた拠点は、米国がMcMurdo Stationとして維持している施設の一部で、同基地はまた、軍兵士を含む国際協力チームが「National Science Foundation's Polar Program research」の名のもとに、毎年南極点探査を行っている拠点でもある

Antarctica5.jpg●米国のMcMurdo Stationには、南極の夏に当たる10月から2月の間に約1000名の関係者が滞在し、種々の活動を行っている。なお米軍人4名の試験結果については公表されていない
●他国も活動を活発化させており、中国とロシアも含まれている。

例えば中国は、McMurdo Station北西の豪州が領有を主張している地域で活発化しており、こちらも通信ネットワークの改善試験を開始しているようである
●NZの専門家は「2020年までに中国やロシアのGPSシステムが米国と技術的に肩を並べることになる」と述べており、また南極大陸に設置される受信装置が、中国やロシアによる軍事活動の範囲を世界中に拡大するだろうと述べている

豪州発ABCニュースは昨年10月
過去10年間で、特に中国とロシアは南極での活動を活発化(又は復活)させている。
Antarctica4.jpg中国の活動のほとんどは豪州が領有権を主張しているエリアで行われ、豪州はその活動を把握している。
中国は南極大陸に、3つの恒久基地と2つの簡易基地、そして3つの飛行場を維持している

●一方でロシアは、1820年に南極大陸を発見したと主張し、その後南極で長く活動している。一時は科学調査分野で世界のリーダーだったが、ソ連崩壊で資金が激減し、3つの基地を閉鎖した
しかしロシアは最近、再び難局に投資を再開し、科学調査と衛星通信受信機に焦点を置いている
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南極条約の正確な内容や、衛星通信に関する技術的な知識があれば、より突っ込んだ説明が可能でしょうが、知識不足で中途半端な説明になってしまいました

ご興味のある方は「南極」や「Antarctic Treaty」でググってください

それから、豪州は約2200億円をかけ、新型の南極砕氷艦(a new Antarctic icebreaker)を調達するようです。

関連のwebリンク
ウィキペディア南極条約https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84
外務省の南極条約解説https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/s_pole.html
各種百科事典の南極条約解説https://kotobank.jp/word/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%9D%A1%E7%B4%84-108763

ウィキペディア南極の領有権主張
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%A0%98%E6%9C%89%E6%A8%A9%E4%B8%BB%E5%BC%B5%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

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今後10年間の核兵器関連予算見積が23%増 [安全保障全般]

毎年5.5兆円(日本の防衛費と同レベル)が必要との見積
2年ごとの見積も、毎回15-20%上昇

CBO NCW.jpg24日、米議会予算室(CBO:Congressional Budget Office)が今後10年間(2019–2028年)に米国核戦力の維持&近代化に必要な経費を見積もって公表しました。この見積もりは隔年で行われているもので、2015年と2017年にも公開されています。

見積の結果、今後10年間で約55兆円が必要とされ、平均すると毎年の国防費の約6%を核兵器関連経費が占めることになります。
またこの約55兆円は、2017年見積の約45兆円から23%増加しており、2017年見積も2015年見積から15%アップした経緯を経ており、その急増ぶりが米議会で早くも注目を集めています

2018年にトランプ政権が核態勢見直しNPRを発表し、新たな計画として盛り込んだ低出力潜水艦発射型弾道ミサイル搭載核兵器、艦艇発射巡航ミサイル搭載核兵器、プルトニウム製造施設増設については、今後10年間で約1.9兆円と試算されています。

B-2takeoff.jpg一方でロシアの欧州正面への中距離巡航ミサイル配備を受け、米国がINF全廃条約を脱退した場合の新型兵器開発や配備の経費は見積不能で含まれておらず、またNPRが示したB83核爆弾の延命措置経費についても、細部不明で見積には含まれていません

なおCBO見積では、個々の見積額を合計後、過去の同種のプロジェクトの経年経費増加率を参考に、今後約10年間のトータル経費増加額を別途約6.8兆円と見積もって追加しているもも特徴です

下院で多数派を占める民主党議員達は、到底受け入れ不可能な数字であり、今こそ核兵器削減を議論すべきだと訴え、核兵器や関連施設の近代化を強く推してきた共和党の有力議員でさえも、政党間の論点となるだろうとコメントしています

以下は項目別10年間経費見積もり
●$234 billionを戦略核兵器運搬システムと関連兵器に
戦略原潜、ICBM、長距離爆撃機と搭載核兵器、更にエネルギー省が担当する潜水艦用原子炉経費

●$15 billionを戦術運搬システムと関連兵器に
戦術航空機と関連兵器、新しい潜水艦発射巡航ミサイル

●$106 billionをエネルギー省の施設経費
核兵器関連研究所と製造整備施設(核兵器の管理保管も含む)
核兵器のメンテナンスと近代化が先送りされ蓄積中

●$77 billionを核兵器関連の指揮統制システム
指揮統制には早期警戒情報の伝達システムを含む

●残りの$62 billionはCBO予想のコスト増加額
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CBOの見積もり現物(12ページ)
https://www.cbo.gov/system/files?file=2019-01/54914-NuclearForces.pdf

SSBN2.jpg細部の見積もりや、2017年見積もりからの変化等については、現物レポートや米空軍協会web記事をご覧いただければ幸いです。

米軍ほどの数量の核兵器を保有しなくても、核兵器保有に関する基礎的な固定費は、核兵器の製造・維持整備施設や関連研究機関経費、指揮統制システム、関連人員の経費等で膨大な額になることをザックリとでも頭に置いてください。

2017年のCBO見積もり(30年間対象)記事
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

「2017年世界の核兵器動向」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-20

米国核兵器を巡る動向
「核兵器輸送がNo2任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-11
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「次期ICBMと核巡航ミサイルの企業選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

「RAND:中国の核兵器戦略に変化の兆し」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19

三浦瑠璃女史の北朝鮮と核持ち込み
http://lullymiura.hatenadiary.jp/entry/2017/04/24/000359

ロシアのINF条約破り
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

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整備員からサイバーに職種転換した兵士が大活躍 [サイバーと宇宙]

米空軍が職種転換でサイバー要員養成を検討
整備員出身者がサイバークラスで他を圧倒

Cyber-EX.jpg17日、米空軍の州空軍幹部がペンタゴンで記者団に対し、輸送機の機種更新に伴い余剰人員となった整備員の一部をサイバー分野に職種転換させたところ、サイバーコマンドから「こんな人材がほしかった!」と言われるほどの優秀なサイバー部隊員になっていると語りました

米軍は民間企業とのサイバー人材確保競争において、給与水準や勤務環境の差から、民間企業に不利な立場にあり、ますます部隊での需要が高まっているサイバー部隊兵士の確保に大変苦労しており、その対策の一環として、現在米軍内に存在する他職種の人材から、必要な資質を持った兵士を探す試みを行っているようです。

必ずしも学生時代にコンピュータ学位を取得した者でなくても、採用時にプログラム技術者経験がなくても、米軍内の他の職種で組織人として仕事をこなしてきた人材が、失礼ながら「オタクぞろい」のサイバー部隊でも頭角を現すとのお話は、何かうれしい話ですのでご紹介します

以下の記事が取り上げる整備員からの転換だけが好成績なのか、他の職種からの転換も試しているのか、その辺りはよくわかりませんが、「灯台下暗し」の例え通り、案外、人は融通が利くのかもしれません

17日付DEfense-News記事によれば
maintainers2.jpg●メリーランド州州空軍第175航空団の副司令官であるJori Robinson大佐は記者団に対し、「我々は一般に物事を直線的に考えがちだ。サイバー部隊にはコンピュータの学位やプログラム経験のある人材が必要だと考えがちで、そのような経歴の背景が良いサイバー戦士を生む要素だと見なしている」と語り始めたが、
米空軍が今、目の当たりにしているのは、「コンピュータやプログラムの学位や経験が、必ずしもサイバー作戦を学ぶに必要な能力とは限らない・・・という事実である」と説明した

●そして、「最近のいくつかの経験や調査から明らかになってきたのは、例えば、過去15年間に渡りペンチやスパナをもって航空機のボルトを扱っていた整備員の例だ。彼らは実際にサイバー分野で優れた能力を持ち、ネットワークを理解して優れた仕事を成し遂げられることを証明しているのである」とも述べ、
●更に、「米空軍が保有する関連人材の中でも、最も熟達して素晴らしいサイバーオペレーターに成長して見せてくれている」、「我々は元整備員をサイバー職に転換させたが、(学位や経験を持つ)同期生を追い抜いている。サイバーコマンドが組織にほしいと探し求めていた人材に、彼らがぴったりだったのだ」とうれしい想定外を興奮した様子で記者団に説明した

maintainers3.jpg●またウエストバージニア州空軍のサイバー担当Jody Ogle中佐も、C-5輸送機からC-17輸送機への機種更新を契機に生じた余剰の整備員を、「民間に教育委託して職種転換を図ったところ、大成功を収めている」と語り、具体的に50名の元整備員をサイバー職に転換させたと付け加えた
●同中佐は、「サイバーは防御だけではない。ドメインを構成するなら、情報技術の側面もあり、ITメンテナンスの側面も当然考えなくてはならないのである」とも表現している
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最後の中佐の発言だけに注目すると、元航空機整備員が職種転換し、サイバー部隊のシステムメンテナンスを担当しているようにも聞こえますが、決してそれだけではないと思います

Cyber College2.jpg最先端のアルゴリズムやプログラム解析を行うポストには学位保有者や経験者が必要でしょうが、根気のいる日常の対応や組織的活動には、現場でチームとして作戦機を扱ってきた人材が必要で、元整備員の中でプログラムやPCにアレルギーが無ければ貴重な戦力になりえるのでしょう・・・

サイバーコマンドの人材募集も狙った記者会見の側面もあるでしょうが、「人の可能性を先入観で狭めてはいけない」典型的な例のような気もします・・・。続報に期待いたしましょう

サイバーと兵器管理
「市販UAVの使用停止へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-07-1
「サイバーコマンドの課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-04
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「米空軍ネットをハッカーがチェック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

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米陸軍が射程1000nmの「砲」開発へ [Joint・統合参謀本部]

昨年9月に担当将軍がちらりと言及
今度は陸軍長官が優先目標だとちらり発言

Esper Army.jpg24日、Mark Esper陸軍長官がペンタゴンで記者団と懇談し、射程1000nm(1864㎞)の「大砲:artillery cannon」の開発に取り組んでいることに改めて言及しました。

この1000nm大砲については、米陸軍内に新たに編成された「Army Futures Command」のJohn Murray司令官が昨年9月、下院の委員会で「Strategic Long Range Cannon」との名称で検討している(looking at)と言及し、超超音速兵器に並ぶ優先度だと表現したことから注目を集めたものです

地上火力への期待は、前の太平洋軍司令官(現駐韓米国大使)ハリス大将も、南シナ海等でA2ADを図る中国正面での必要性と重要性を繰り返し訴えてきたところですが、ここにきて、欧州正面でロシアが中距離弾道ミサイルを配備し、米国がINF全廃要約から脱退目前となる中、欧州正面でも必要性が高まっている背景があります

具体的な1000nm砲の性能や開発計画などは全く明らかになっていませんが南シナ海やロシアとの脅威に関する表現も交えて陸軍長官が言及していますので、時代の必要性が生む兵器の典型として取り上げておきます

24日付Military.com記事によれば
1000 miles Cannon2.jpg●24日、Mark Esper陸軍長官がペンタゴンで記者団と懇談し、この1000nm砲の必要性に疑問を持つ記者団に対し、戦略的または戦術的な長距離砲として他軍腫の支援任務にも活用できるし、米陸軍が正常にたどり着く前に目標や脅威のいくつかを排除して置くことも可能であると語った
●更に同長官は、「戦術レベルでは、我々は相手の火砲を射程や組織で凌駕する必要がある」、「槍が考案されたのは、刀を射程距離・攻撃可能範囲で上回るためだ」、「相手から反撃を受けずに、相手を攻撃できることを常に追求してきた」とも説明した

●また「これが射程延伸砲が我々に与えてくれるもので、ロシア軍と対峙した場合などで必要なものだ」、「空軍の第5世代機F-35が、第4世代機が侵攻する前に敵脅威を減らすため投入されるように、射程延伸砲が地上部隊の脅威を除去しておくのだ」とも記者団に語った
●加えて長官は、「米海軍艦隊が中国海軍アセットの脅威で南シナ海に立ち入れない場合でも、地上から(射程延長砲で)対応可能になる」との例も用いた。

1000 miles Cannon.jpg●なおこの「Strategic Long Range Cannon」に関しては、昨年9月13日、Army Futures CommandのJohn Murray司令官が下院で証言し、米陸軍の装備近代化の優先事項の一つで、新設のコマンドとして、必要に迫られているこのような技術をスムーズに獲得できるような懸命な手法を探求していると述べている
●そして「我がコマンドは、超超音速兵器を実現する事に懸命に取り組んでおり、また射程1000nmを想定しているStrategic Long Range Cannonについても検討している」と言及したが、同長射程砲を配備する時期等については何も語らなかった
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「Cannon」ですから「砲」ですが、射程1000nm(1852㎞)と言うと、東京から上海までの距離らしいです。

SouthChina-sea3.jpg第一列島戦から中国大陸が約900㎞の500nmですから、第一列島戦の倍の距離、南シナ海でいうと・・・フィリピンのマニラとベトナムの最短距離が1200㎞、バンコクからシンガポールが1500㎞くらいの感覚です

本当に実現可能なんでしょうか? 移動可能な大砲なんでしょうか? もしかして、ミサイルみたいな砲弾だったりして・・・

地上部隊にA2AD網を期待
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

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零細脆弱な軍事産業に米政府が投資へ [安全保障全般]

まず弾薬関連メーカーを対象に
化学物質で中国企業依存も深刻化

Navarro.jpg15日、米大統領の通商産業担当補佐官のPeter Navarro氏が独占インタビューに答え大統領が命じて昨年10月に調査が行われた軍需産業の苦境を調べた「defense-industrial base study」結果に基づき、対策の一つとして、弾薬部品や化学物質関連の零細な企業のために約270億円の資金を準備し、審査を経て事業に政府資金で投資を行うと明らかにしました

昨年10月の調査結果、過去2-3年に国防省は大量の爆弾やミサイルを発注しているものの、その調達は過去約20年波が激しく、新たな開発業務もない状態に企業が置かれていることが判明しています。

しかも単一の製造元や納入先しかない極めて不安定な状態に置かれている企業が多いことから、近年事業から撤退を表明または恐れが高い中小の企業が増加し、既に中国を含む他国企業に依存しなければならない分野も急増していることが明らかになっています

なお既に、昨年10月の報告発表直後に、約70億円をガン部品製造企業に、また1億円がアブラハム戦車企業に投資することが発表されているようです

16日付Defense-News記事によれば
36th Munitions2.jpg●同補佐官は、トランプ大統領の国家安全保障戦略に示されているように、経済安全保障自体が国家安全保障に直結すると述べ、弾薬製造企業をテコ入れすることは、軍事力だけでなく、雇用を増加して米国全体を支えることにつながると説明
●更に、軍需産業政策の点で、トランプ大統領はアイゼンハワー大統領以来、最も軍需産業に関心を持って政策に取り組んでいる大統領であると訴えた

●また15日に大統領が署名した4つの文書で、「先行核物資、不活性物質、エネルギー物質、化学物質製造への最新技術」関連のサプライチェーン強化をホワイトハウスが打ち出したところだが、国防省幹部は昨年指摘された300の脆弱産業基盤分野の1/3に今年対応するとも語っている
●なお同補佐官は、資金投入は法律「Defense Production Act’s Title III」に基づいて行われ、決して資金を広くばらまいて企業の運用資金を手当てするのではなく、応募のあった企業やプロジェクトを審査して「ベンチャー投資や事業シードへの投資」に似た性格の資金投入を行うと説明している

●一方で、弾薬製造関連のどの企業がどの程度の政府資金を得られるかについて、同補佐官も国防省関係者も言及せず資金投入の総額は1000億円にはならないが、数百億円の単位だと全体像を語り、調達担当次官は昨年12月、1年以内に270億円を投入すると述べていたところである

F-35 sunset.jpg●同補佐官は、「60~80年間も同じ製造技術や設備を使用している企業に、先端製造技術導入を促進したい」と希望を語っている
●また、供給元が1企業しかない固体ロケットモーター、熱バッテリー、小型タービンエンジンの問題や、弾薬の2次3次メーカニーになるとその98%が唯一の供給企業である実態も悩ましい課題である

海外依存も問題である。例えば、兵器の絶縁(insulation of weapons)に使用するDechlorane Plus 25は、ベルギー企業が唯一の供給元で、その原材料化学物質を製造する中国企業が事業からの撤退を表明している始末である
●更に、空対空ミサイルの推進剤に含まれるDimeryl diisocyanateも供給元が一つだが、既に国防省に製造中止を申し出ている

●同補佐官は対中貿易に関して強硬論者だが、化学物質に関して米国が中国に大きく依存していることを大きな課題と認識している
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36th Munitions4.jpg一応「ベンチャー投資や事業シードへの投資」に似た性格の資金投入との説明ですが、零細で脆弱な軍需企業の実態を考えれば、実態としては運転資金やつなぎ資金の提供に近い資金提供になるような気がします

これは重要な施策です米国だけでなく日本や西側各国で同様の問題が見られ、各国政府や国防関係者は対応に苦慮している中ですので、そのお手並みに注目したいと思います

この分野ではトランプ頑張れ!・・・です

軍需産業関連の記事
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「新たな武器輸出促進策」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-10-2
「国防省の軍需産業レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1
「部品枯渇対策に製造権取得へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18

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ゆったり慎重検討して星国もF-35購入か [亡国のF-35]

まず少数機を購入して本格購入可否を分析とか

Sinogapre DM.jpg18日、シンガポールの国防長官が声明を発表し、同空軍が保有する約60機のF-16の後継として、技術的評価の結果F-35が最も適しているとの結論に至ったと明らかにしました。

ただし同国防相は、「だからF-35の何型を何機購入する方向に決定した」とは言わず、今後F-35を少数機購入して能力を確認してから本格購入の判断をすると表現し、更にその前に時間をかけて米国側と色々協議するとしています

F-16 Sinogapre2.jpg同国が保有するF-16は「F-16C/D/D+」で、最も古い機体でも1998年製造だということもあり、シンガポールはF-16の退役開始を2030年と想定しており、それまでに後継機がある程度戦力化されていれば良いとのスケジュール感です

なんともうらやましい、余裕の機種選定スケジュールですが、これもこまめに戦闘機のアップグレードを進めてきた同国の努力の成果とも考えられましょう。 なんと言って現在でも、2023年完成を目指し、主要な同国F-16は「F-16V standard」への近代化改修が進行中とのことですから・・・

18日付Defense-News記事によれば
同国は2003年からF-35計画の「security cooperative partner」となっているが、具体的に同機購入検討を明らかにしたのは2013年になってからである。
そしてその後は公式な発表はほとんどなく、垂直離着陸型のF-35Bに同国が関心を持っており、購入機数は40-60機、または2-3個飛行隊分だとの報道があったくらいである

F-16 Sinogapre.jpg18日もNg Eng Hen国防相は、少数機購入するF-35の型式や具体的な機数には一切言及せず、技術的評価の結果、F-35がF-16の「the most suitable replacement」 だとのみ述べ、
今後米国側の関係機関と、9-12か月間かけて、少数機購入の細部について協議すると述べるにとどめた。なお米国からの調達形式はFMSになろうと考えられている

●同国が保有するF-16は「F-16C/D/D+」で、40機のBlock 52 C/D型とより最新の20機のF-16D+ Advanced Block 52sで構成されている。
Block 52 C/D型の中の最も古い12機は、一部が操縦者養成用の機体として米国アリゾナ州のLuke空軍基地に配備され、同基地の米星混合部隊においてシンガポール操縦者の養成訓練に使用されている。
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Sinogapre D.jpgマラッカ海峡を臨む要衝の都市国家のような小国で、「明るく豊かな北朝鮮」とも表現される強力な国家統制下にある極めて特殊な国ですが、まだまだ落ち着かないF-35開発をゆったり見守りつつ、時間をかけて購入を検討するうらやましい対応です

カナダのように、いろいろ理由をつけて購入決定を延期し、ペナルティーを逃れる戦術もありますが、こまめに持ち駒の手入れをして慎重に機種更新を検討するシンガポールの方式は、一つの理想かもしれません

米朝首脳会談を自腹を切って引き受ける外交にも機敏な国ですから、米国とも水面下でいろいろあるのでしょうが、極めて興味深い国です

シンガポールの話題
「2015年シャングリラ会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-28
「飛行船レーダー配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-04
「F-35交渉が難航?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-26
「ドイツ製潜水艦2隻を契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-03
「米との戦略枠組みが難航?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

F-35購入国は様々
カナダ首相がF-35と戦う
「やり直し機種選定開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

イタリア関連の記事
「調達ペースダウン」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-10
「イタリアに反F-35政権誕生」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「イタリア工業会は米に騙された」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-11
「北極海での通信とMUOS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25-1

デンマークとF-35
「27機調達か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-16
「未だ未定:デンマークの苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-07
「事例デンマークの悩み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-07

ベルギー(13番目の購入国)
「34機購入を公式決定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03

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MDRが要求:F-35でICBM迎撃の可能性検討 [安全保障全般]

なぜか国防省開発担当次官は自信ありげで・・・
多くの専門家がその実現可能性に疑問符・・
日本は巻き込まれないように要注意

F-35 Sun-Set.jpg17日に米政府が発表したミサイル防衛見直し(MDR)が、米空軍とミサイル防衛庁(MDA)に対し、6か月以内にミサイル防衛にF-35を如何に組み込むかについて報告するよう求めている件に関し、米軍事メディアが、Mike Griffin開発担当次官と専門家の意見を紹介しています

過去から何度か話題にされ、民間研究機関の検討レポートも存在するようですが、多くがその実行可能性や効果、更に費用対効果の面から否定的なF-35の活用について、なぜ再び取り上げられたのか良くわからないのですが、メインの対象が北朝鮮のICBMや弾道ミサイルであり、メディア記事の概要をご紹介します

まさかとは思いますが、日本が増強しようとしているF-35が巻き込まれることが無いように切に願いつつ・・・

17日付Defense-News記事によれば
Griffin.jpg●MDRは本件に関し、「F-35は高性能のセンサーを装備しており、発射段階(ブースとフェーズ)のミサイルを探知でき、ミサイルの位置を把握できる」、「F-35は巡航ミサイルの探知と迎撃が現在でも可能だが、将来的には、敵対者の弾道ミサイルを撃墜可能な新たな又は改良した迎撃体を装備し、米国の防衛や攻撃任務を強化するため、迅速に対象地域に派遣可能となるだろう」と述べている
●そしてMDRは今後半年間で、米空軍とミサイル防衛庁に、どのようにしたらF-35を最適な形でミサイル防衛に取り込むことが出来るか報告するよう求めている

●また17日、「強情な」本構想支持者である国防省Mike Griffin開発担当次官も記者団に対し、F-35の活用が作戦面で有効で、かつ費用対効果にも優れていると語った
●同次官は「ある特定の地域では(北朝鮮が頭に浮かぶが・・・)、我々はこの構想が有効で低コストだと考えている。空対空要撃と呼ぶのか、センサーと発射プラットフォームの両方の能力を備えた先進型機に新たな兵器を搭載する方向だ」と語った

AIM-120D-3.jpg●更に同次官は、「我々はMDRが示しているように、もう一度検討しなおすのだ。私が確認した最近の複数の分析では、改めて検討すべきとの結果が出ている」とも表現した
●MDRは新型と改良版の要撃体を検討対象と記しているが、同次官はAMRAAMを改良した要撃体では期待する任務を果たせないだろうとも語った

●検討の結果、例え国防省がF-35による迎撃をあきらめたとしても、同機が装備する多様なセンサーの活用はさらに追及するだろうとMDA長官は述べている

●一方、同次官の楽観的とも見える発言に対し、専門家は懐疑的である。Kingston Reif氏は2012年の科学アカデミーのレポートを示しつつ、「ICBMの短いブーストフェーズ間に、射程距離の短い航空アセット発射兵器で撃墜するには、同アセットがICBM発射地点の近傍上空に在空している必要があり、かつ迎撃ミサイルにはより燃焼速度の速い固体燃料が必要だ」と述べ、F-35活用に否定的
●端的に言えば、F-35のような貴重なアセットを、敵の領域近傍に常時在空させて待ち構えるようなやり方は、極めて非効率で高価であるとともに、F-35を他の任務から引きはがす点でも不適当な構想だとの指摘で、この指摘に同調する専門家が多い

Griffin2.jpgGriffin次官は、何を根拠にF-35の活用が「low cost」で、何を根拠に17日に記者団に自信を示したのか説明していないが、軍事ウォッチャーの中には、国防省がMDへのF-35活用をいつか持ち出すと睨んでいたものもいる

共和党議員の中には、2017年のロスアラモス研究所レポートがF-35によるICBM撃墜の可能性を示していると主張する者もいる
●また、F-35の「distributed aperture system」を活用した2014年のMDAとNorthrop Grummanの研究が、2機以上のF-35の同システムデータを融合し、弾道ミサイルの位置を追尾しようと試みた試験を持ち出す者もいる
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Griffin次官の17日発言の根拠については不明ですが、今後様々に報道されるでしょう

出ましたFNNの解説記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190120-00010000-fnnprimev-int&p=1

また、米空軍が本気で取り組むとは考えにくいのですが、いい加減に検討し、日本や韓国に押し付けることが無いよう願うばかりです・・・

MDR関連の記事
「やっと発表MDR」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「MDRはまだなのか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12

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やっとミサイル防衛見直しMDRを発表&トランプ演説 [安全保障全般]

米国が破産しないように祈るばかり・・

MDR.jpg17日、トランプ大統領は国防省で、MDRは今後5~10年間のMDシステムの指針を示したミサイル防衛見直しについて演説し、米国のBMD努力に依存している同盟国等に負担を求めていく考えを再び強調しました

この見直しは、MDに慎重な姿勢を示したオバマ前政権時代の2010年以来9年ぶりとなるものです。なお今回の見直しは2018年中に発表する予定でしたが、対象国による新型兵器の開発が飛躍的の進んでいることや、厳しい財政背景もあり、米国政府内dの調整に時間を要し繰り返し発表が延期されてきました。

これまでの歴代政権は、北朝鮮とイランの弾道ミサイルを脅威の対象に据え、米国のミサイル防衛は中露に対抗するものではないと主張して来ましたが、今回は、弾道ミサイルだけでなく巡航ミサイルや、中露が開発を手がける超超音速兵器や高性能巡航ミサイルなど幅広い脅威に対象拡大を明確にし、「弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)」という従来の名称を、「弾道ミサイル」との限定をなくし「MDR:ミサイル防衛見直し」へと改めています。

各種報道からつまみ食いして張り合わせで・・・
Hypersonic8.jpg●2010年のBMDR以降、北朝鮮が米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験に成功した。また米国は、ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約に違反する中距離ミサイルを実戦配備したとも主張。さらに、中国も「空母キラー」と呼ばれるミサイルを配備するなど専門家が「ミサイル・ルネサンス」と呼ぶほど状況は激変している。
●更に、中露が音速の5倍以上で飛行する極超音速兵器の開発を急ピッチで進め、ロシアは2019年内に実戦配備すると発表し、中国も完成まじかといわれるなどミサイル開発競争が激化する中で、圧倒的な軍事的優位を保とうとミサイル防衛態勢の強化を目指す。

●トランプ大統領は演説で、「米国の目的はシンプルだ。いかなる場所からいつ米国にミサイルが発射されても感知し、破壊することを確実にする」、「ミサイル防衛を改良し、近代化しなければならない。脅威が急速に進化する時代にあって、我々のミサイル防衛能力は無敵でなければならない」と訴え、これまでは弾道ミサイル以外の新型兵器に対処する包括的戦略を欠いていたと指摘し、「巡航ミサイルや極超音速兵器を含む、あらゆるミサイルから防衛する態勢を整える」と強調した

●また、「(ミサイル防衛システムの宇宙展開は)米国の国防における非常に大きな部分を占めることになる」と指摘し、宇宙配備型センサーなど新技術の開発に注力すると述べ、「敵対国家(の技術開発)と同じペースを保つだけでは不十分だ。全てにおいて上回らなければならない」と訴えた
Aegis FMS.jpg●米政府高官は「(ミサイルの探知、追跡、識別能力向上のため)宇宙は次世代のMDのカギとなる」と説明、米本土や日本などの同盟国などを守るため、超超音速ミサイルに対応する柔軟なセンサーや、ミサイル追跡用のセンサーを宇宙に多数配備する方針を示している。また、ミサイルを打ち上げ(ブースト)段階で撃墜する強力なレーザー兵器の開発と無人機への搭載なども見据えている。

●トランプ大統領はまた、「発射の有無にかかわらず、米国をターゲットとした」ミサイル攻撃に対する防衛に制限は課さないと言及。「運任せにはしない。行動を起こすのみだ」と表現した。なお、米政府は核兵器が中露の抑止力になると期待しており、MDRはこの点を強調。米国は大国との戦争になった場合、地上配備型ミッドコース防衛システム(GMD)を制限なく使用する意向を示している。

ロシアや中国は、米国が進めるMDは両国が保有する「ICBMなどを無力化するのが狙い」と強く警戒、ロシア上院のボンダレフ国防・安全保障委員長は、米国の新たなミサイル防衛戦略が世界的な緊張を高めるとの見方を示した。

対象国に関するトランプ大統領の言及(朝日新聞より)
missile-salbo.jpg●トランプ大統領はイランと北朝鮮のミサイルを脅威として直接言及することは避けたものの、MDRは「北朝鮮との和平構築に向けた新たな可能性が開かれたものの、北朝鮮は引き続き深刻な脅威であり、米国は引き続き警戒する必要がある」と指摘した。
●MDRではイランが中東最大の弾道ミサイルを所有していると指摘し、ロシア、中国の攻撃能力の向上についても脅威と強調した。
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レーガン大統領時代には、ソ連がスターウォーズ構想がらみの軍拡競争で破産しましたが、この2019MDRの方向性をそのまま実現すれば、米国が破産するのでは・・・と気になります

トランプ大統領やMDRを主導した国防省の戦略担当国防次官が、費用面をどのように整理しているのか、国防費全体の視点から伺ってみたいものです。

超超音速兵器関連の記事
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1

「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

MDR関連の記事
「MDRはまだなのか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12

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